ウイルス学的検査第1領域

主要業務：哺乳動物（牛、豚、馬、犬及び猫）のウイルス性ワクチン及び体外診断薬の検査・検定、標準品等の作製、配布など

1 検定・検査業務

ヒトは病気を予防するためにワクチンを使いますが、動物にも同じように病気の予防のためワクチンが使われます。

私たちの検査領域では、ウイルスが原因となる病気を予防するため哺乳動物に使用するワクチンの品質を確保し、適切な製品を流通させるために、これらのワクチンの医薬品医療機器法（※）に基づく検査や検定等を実施しています。また、ウイルスが原因となる哺乳動物の重要な病気の診断に使用される体外診断用医薬品（以下「診断薬」と言います。）の検査・検定等を行っています。

哺乳動物に使用されるワクチンや診断薬には、代表的に表1のようなものがあります。また、ワクチンには、病原性を弱めた生きたウイルスを使用が入っている生ワクチンと、死滅させたウイルスが入っている不活化ワクチンがあります。

（※）医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

表1 代表的な哺乳動物のウイルス性ワクチン及び診断薬

動物	生・不活化・診断薬	対象となる病気
牛	生	牛伝染性鼻気管炎、牛ウイルス性下痢-粘膜病、牛パラインフルエンザなど
	不活化	アカバネ病、チュウザン病、アイノウイルス感染症など
	診断薬	牛白血病、牛ウイルス性下痢-粘膜病など
豚	生	オーエスキー病、豚伝染性胃腸炎、豚流行性下痢、豚繁殖・呼吸障害症候群、CSF^※1 など
	不活化	日本脳炎、豚サーコウイルス2型感染症、豚インフルエンザなど
	診断薬	オーエスキー病、CSF^※1 など
馬	生	馬鼻肺炎
	不活化	馬インフルエンザ、日本脳炎、馬ロタウイルス、馬ゲタウイルス、馬鼻肺炎など
	診断薬	馬伝染性貧血
犬	生	ジステンパー、犬アデノウイルス（2型）感染症、犬パラインフルエンザ、犬パルボウイルス感染症など
	不活化	狂犬病、犬コロナウイルス感染症、犬アデノウイルス（2型）感染症、犬パラインフルエンザなど
	診断薬	犬パルボウイルス感染症、ジステンパー、狂犬病、犬糸状虫^※2、エキノコックス^※2など
猫	生	猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症
	不活化	猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症、猫白血病、猫免疫不全症候群
	診断薬	猫白血病、猫免疫不全症候群