クローズアップ研究者 船津 崇
農林水産政策研究所 研究員(食料領域)
専門: 農産物流通・マーケティング、地域政策、JAグループ(協同組合)
これまでの研究はどのようなものですか?
これまでは主に2つのテーマで調査研究を行ってきました。ひとつは、青果物を中心とした農産物の流通・マーケティングに関するものです。単に生産拡大を行うだけでは農業者の所得向上や産地振興につなげることが容易でない一方で、食料安全保障の確立が政策課題となる我が国のフードシステムにおいて、農業や地域の振興を図り、またその持続性を発揮するには、川上(生産)からみずうみ(消費)までの各段階の主体の相互連携とともに、それぞれの立場でメリットが享受できる、いわばオール・ウィンの関係性を確立することが不可欠です。こうした問題意識の下、国産青果物のサプライチェーン構築における実態と課題について分析し、その維持・拡に必要な要件を提示することを主眼としています。もうひとつは、地域政策に関するものです。我が国の地方や農業をめぐる情勢が厳しい中、地場産業振興としての自治体農政が期待されています。また、地方分権改革が推進され、従来からの管理型の行政運営だけでなく、地域の実情に沿ったオリジナルの施策とその成果が求められます。こうした問題意識の下、主体性のある施策によって農業振興に取り組む地域政策に着目し、その実態及び課題を明らかにするとともに、今後の地方自治体の施策に寄与する知見を得ることを研究の目的としています。
今後の抱負を教えてください。
これまでの実務者としての経験も活かし、理論と実践のバランスを勘案した研究活動を行いたいと考えています。研究員としてアカデミックな成果を追求しつつ、大学・企業・団体・行政等と連携した調査研究や情報交換等を進めながら、現場で実務に寄与することができる実践的な研究と、そうした成果を踏まえた政策提案に貢献することが目標です。
福岡県出身、早稲田大学大学院政治学研究科修了(公共経営修士(専門職)/MPM)、JA全中(全国農業協同組合中央会)農政部・広報部・教育部等を経て、2022年4月より現職。早稲田大学総合政策科学研究所招聘研究員、食料・農業・農村経済学会理事。 |
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