農業者は非農業者に比べて長寿と推定 特に循環器疾患による死亡率が低い
農業・農村の持つ新たな価値を解明するため、農業者が非農業者と比べて健康・長寿か否かを、統計的な分析手法により解析しました。人々の死亡率には様々な要素が影響しますが、ここでは市町村レベルのデータを用いて、農業者の比率が高くなることがその地域の死亡率にどのような影響を与えるのかを、職業以外の要素(学歴、所得、病院数等)による影響を排除して、分析しています。
この結果、全年齢階層(20歳以上)では、男性、女性いずれの場合も、農業者の比率が高まれば当該地域の死亡率が低下しており、農業者の方が非農業者より長寿であると類推されました(図参照)。また60歳以上を対象に死因別にみると、特に農業者の多い地域ほど、循環器疾患による死亡率が低下することがわかりました。
農業者の増加による死亡率への影響 |
(注)縦軸は「農業のインパクトー非農業のインパクト」。インパクトとは、職業以外の要素の影響を固定した状態で、各職業のシェアが1%増えたときに、死亡率が何%変化するかを表します。例えば、この値が-0.5であれば、地域の人口に占める農業者の割合が1%ポイント増加し、それに伴って非農業者の割合が1%ポイント低下した場合に、当該地域の死亡率が0.5%下がることを意味します。つまりこの値がマイナスであれば、農業者のほうが非農業者よりも死亡率が低いことを示します。 なお、垂直線は90%信頼区間であり、ゼロと重なっていなければ、統計的に有意であることを意味します。 |
この成果の詳細については、農林水産政策研究所Webサイトをご覧ください(以下参照)。
- 農林水産政策研究所レビューNo.66(2015年7月)
https://www.maff.go.jp/primaff/kanko/review/attach/pdf/150728_pr66_04.pdf
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