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農林水産政策研究所

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EUの新共通農業政策(CAP)下における農業戦略の差異:デンマークとフィンランドを題材として

  今次CAP改革(2014~2020年)において各国の施策実施における裁量が拡大されたことを受け、農業戦略が大きく異なるデンマークとフィンランドの政策対応を比較しました。
  フィンランドは、国全体が条件不利地域に該当し、国防と食料自給維持の観点から手厚い農家保護政策を長年実施してきました。今次CAPでも、直接支払い(第一の柱)、条件不利(自然制約)地域支払い、環境支払い(ともに第二の柱)の3本柱に自国予算による助成を加えて重層的に農家の所得補償を行うとともに、直接支払いに占める任意カップル支払いの割合を引き上げ、脆弱性の高い品目の生産者に対して重点的に支援を行っています。
  デンマークは、農業を輸出産業として位置づけ、高い国際競争力を維持する一方で、限られた国土での集約農業の影響を考慮し、EUの中でも厳格な環境規制を実施しています。第一の柱予算の5~7%分を第二の柱予算に移し、環境支払いを含む農村振興支援に充てることとしており、競争力ある農家へのさらなる所得支持よりも、環境に優しい農法を採用する農家(例:有機農業)等への支援を重視しているといえます。

  第一の柱(直接支払い)及び第二の柱(条件不利地域支払い、環境支払い等)  

第一の柱(直接支払い)及び第二の柱(条件不利地域支払い、環境支払い等)

 

2014-2020年予算枠(EU全体予算に占める割合)

注:値は柱間の移譲を行う前のもの

資料:EU規則 1305 ⁄ 2013、1307 ⁄ 2013、1310 ⁄ 2013 及び欧州委員会・農業農村開発局ウェブサイトより

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