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関東農政局

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1.日本の地形の特徴【第3章「農」が造った国土】

  農地を増やすということが、日本にとっていかに大きな課題であったかはお分かりいただけたでしょうか。

  しかし、皆さんの中には、こんな疑問を持たれる人も多いのではないでしょうか。「農地を造ることがどうしてそんなに難しいの?」「昔は、いっぱい空き地があったじゃないか」「土地を平らにして、稲を植えるだけではダメなの?」・・・。

  実は、日本の農地は、世界的にみてもかなり特殊なのです。それは、日本の地形、気候風土の特殊さと関わってきます。山が多くて平野が少なく、世界でも有数の多雨の国。特に水田は、米を作るだけではなく、この特殊な国土づくりとも密接に関係しているのです。

  まずは、地形から見てみましょう。日本は小さな国であるという印象を受けますが、それはお隣の中国、ロシア、アメリカなどと比較するからであって、実は、そんなに小さくはないのです。例えば、ヨーロッパで日本より大きな国はフランス、スペイン、スウェーデンのたった3カ国だけです。世界には191の国がありますが、日本は上から59番目。日本よりも小さい国が世界には130以上もあります。人口は、実に9番目という大国なのです。

  しかし、農地の面積となると話はまるで異なってきます。日本の国土は70%近くが山地や丘陵地であり、国土のうちの農地となるとわずか13.5%。イギリスは日本の国土の2/3しかありませんが、農地面積の比率は69.6%ですから日本の3倍以上の農地を持っていることになります。 日本は人口が多いので、これを一人あたりの農地の広さに換算してみると、下のグラフのようになります。

資料: FAO「FAOSTAT」、農林水産省「耕地及び作付面積統計」
(日本は2003年数値)

 

  ちょっと驚いてしまうほど、小さくありませんか?
  いずれにせよ、日本では農地をたくさん造ろうにも、あまりにも平野が少な過ぎたのです。


  1. 日本の地形の特徴
  2. 水路を引くむずかしさ
  3. なぜ日本は水田を求めたのか
  4. アジア・モンスーン   ―地球10周分の水路網
  5. 農地の宿命
  6. 水争いと「農」の秩序
  7. 二次的自然の形成―琵琶湖40個分の湿地帯
  8. 江戸の水系社会



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