さらに詳しく関東流
関東流水利制御の土木技術で有名な伊奈氏(いなし)の起用は、関東一円の水利システムの完成に大きな影響を与えました。3代忠治(ただはる)、4代忠克(ただかつ)によって、利根川の東遷が完成し、烏川から取水している備前渠用水(びぜんきょようすい)も伊奈氏によるものです
関東流は、信玄堤(しんげんつつみ)で有名な甲州流を引き継ぐ土木技術で、その工法は、川の流れをそのまま残し、乗り越え堤、霞堤(かすみてい)、遊水池といった河川を溢れさせて水の勢いを弱めるといった独特のものです。農地には肥沃な土砂が流入し、沼沢や低湿地を縮小させ、新たな農地の造成を促します。このため、関東流では「川瀬は一里四十八曲がり」を貴んだとされています。
こうした関東流は自然の流れを上手に受け入れる技術であり、現在でいうところの自然型工法に近いものがありますが、人口が増えてくると水に浸かる土地も多く、江戸の洪水被害が増えたり、乱流地帯も多く残るなど新田開発には限界がありました。
- 「くに」の成立
- 武蔵七党の活躍
- 近世の開拓と水をめぐる混乱
- 明治の苦闘と近代産業の影響
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