岐阜(地方参事官)の地域農政情報
地方参事官ホットライン
現場と国との双方の意思疎通を図るため、地方参事官ホットラインを開設しています!
農林水産省では、各都道府県に、農政を伝え、現場の声を汲み上げ、ともに解決する地方参事官を配置しています。
農業者・消費者・行政関係者の皆様からの、農政に関するご相談、事業や制度へのご質問などを受け付けています。
岐阜県につきましては、以下の連絡先にお気軽にお問合せください。
地方参事官ホットライン(岐阜)
電話:058-271-4044
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地方参事官ニュース(令和5年度)
棚田地域振興コンシェルジュが「前谷(まえだに)棚田」を訪ねました
~白山を源流とする谷水が注がれる棚田~
9月8日(金曜日)、郡上市白鳥町の前谷棚田(約3.6ha)を訪ね、前谷棚田地域振興協議会事務局の三島 貢(みしま みつぐ)さんからお話を伺いました。
前谷棚田では同協議会が中心となって棚田の保全と地域振興のために活動しており、令和4年6月に棚田地域振興法に基づく「指定棚田地域振興活動計画」の認定を受けました。
棚田では現在約1.2haが耕作されず、雑草が繁茂しているため、耕作可能な状態に戻すべく作業が進められています。復元後は米やエゴマ、わらび、ハーブなどの地域の特産作物を栽培し、特産品の開発を目指して日夜作業に励まれています。また、地域の子供会(小学生)を対象に棚田を活用した田植えや稲刈りの体験も行われています。
三島さんは「計画認定を受けて2年目。まだ道半ばであるため、前谷棚田の美しい風景と急峻な斜面に積み上げられた綺麗な石積みを多くの人に見に来てもらえるよう、ガンバル!」と、意気込みを語られました。
地方参事官(岐阜県担当)も棚田地域振興コンシェルジュとして、引き続き応援します。
前谷棚田(令和5年9月8日撮影)
三島さん(中央)と棚田地域振興コンシェルジュの矢口地方参事官(右)
(令和5年9月8日撮影)
棚田地域振興コンシェルジュが“つなぐ棚田遺産”「滝町棚田」を訪ねました
~実りの秋を迎える「天空の棚田」~
9月5日(火曜日)、農林水産省の「つなぐ棚田遺産」に認定されている高山市滝町の滝町棚田(約3.5ha)を訪ね、同棚田保存会の会長である中家 小兵衛(なかや こへい)さんからお話を伺いました。滝町棚田では、保存会を中心とした地域一体での徹底した保全管理が行われています。
滝町棚田は、令和2年の豪雨に伴うのり面崩壊等により22箇所を被災しましたが、大型カゴ枠やジオテキスタイル(注)を用いた災害復旧工事により、令和5年産米から全面的に作付けが再開され、間もなく収穫が始まります。標高約820mで生産される同棚田産の米は、昼夜の寒暖差が大きいことから、旨味が増し消費者からは好評とのことです。
中家さんは「豪雨災害からの復旧に感謝し、次の世代へ棚田をつないでいきたい」と抱負を語られました。
地方参事官(岐阜県担当)も棚田地域振興コンシェルジュとして引き続き応援します。
注:ジオテキスタイルとは、土木工事において土の補強などに使用される繊維を材料としたシートのこと
豪雨災害を乗り越え復旧した滝町棚田(令和5年9月5日撮影)
中家さん(左)と棚田地域振興コンシェルジュの矢口地方参事官(右)
(令和5年9月5日撮影)
農業法人を経営する女性農業者と意見交換を行いました!
「大切に守られてきた地域の農業と景観を次世代に!」
8月8日(火曜日)、大垣市で水稲(55ha)を栽培している株式会社柳瀬ライスセンターを訪ね、代表取締役の桺瀬美穂(やなせ みほ)さんにお話を伺いました。
桺瀬さんは子供の頃から家業の農業を手伝ってきたため、就職時には自然と実家で就農することを選択されました。令和元年には父親から事業を継承し、父の夢であった法人化を実現されました。
また、女性が農業経営に関わるメリットは、女性目線でしか気づかないことや、母親としての地域活動等で培った幅広いネットワークを農業経営に生かせること等であると語ってくれました。
桺瀬さんは子供たちへの食農教育活動にも力を注がれています。令和4年から地域の小学校に田植機、コンバイン及びトラクターを持ち込んで展示したり、授業を行うなどし、子供たちに「大垣市の農業を守ってきた先人の思い」や「地元農業を応援する方法」などを考えてもらうそうです。この体験を通じて、「農業ってワクワクする」など興味を持ってもらい、次世代の子供たちに先祖から続くこの地域の農業と景観をつなげていきたいそうです。
また、桺瀬さんは「自己の学びと、地域のために役立つ活動がしたい!」との思いから、7月に大垣市の農業委員に就任されました。「農業は男性を中心とした社会なので、女性が育児や家事と両立しながら、農業に取り組みやすい環境整備に結び付くような活動をしたい」と農業委員就任に当たっての抱負を語られました。
ライスセンター内にて
桺瀬美穂さん(右)と矢口地方参事官(左)(令和5年8月8日撮影)
「飛騨トマト」の産地でトマト農家の挾間廣一さんと意見交換しました
~色づき始めた夏秋トマト、本格シーズン到来~
8月9日(水曜日)、高山市丹生川町で夏秋トマトを栽培(90a)している挾間廣一(はざま ひろかず)さんを訪ね、お話を伺いました。挾間さんは飛騨蔬菜出荷組合の理事や同出荷組合トマト部会の会長も務める飛騨トマトのトップランナーです。
飛騨トマトは、日本屈指の夏秋トマトの産地である飛騨地域で栽培され、ミネラル豊富な水と昼夜の寒暖差により糖度が高くみずみずしいという特徴があり、市場から高い評価を受けています。
近年は産地で栽培される品種の9割以上が日持ちする特徴を持つ赤玉トマトの「麗月(れいげつ)」に切り替わり、安定した生産・出荷につながっているとのことです。
産地においては担い手の高齢化が進んでいるものの、飛騨トマトに魅力を感じる若い担い手が順調に育っているとのことで明るい兆しが見られます。
挾間さんご自身も、二人のご子息にそれぞれほ場を任されているとのことで頼もしい限りです。
これから収穫の最盛期を迎えるほ場では、生長する茎葉の誘引やわき芽かき、下葉かき作業も併せて行う必要があり、猫の手も借りたいピーク状態が9月末まで続くそうです。
色づき始めた「飛騨トマト」(品種:麗月)(令和5年8月9日撮影)
誘引作業中の挾間廣一さん(令和5年8月9日撮影)
「飛騨桃」の産地で果樹農家の舩坂正信さんと意見交換しました
~まさに桃源郷、良質な桃たちが出荷を待ちわびています~
7月24日(月曜日)、高山市国府町で桃を栽培(2ha)している舩坂正信さんを訪ね、お話を伺いました。舩坂さんは上広瀬果樹組合長やJAひだ果実出荷組合協議会会長を務めるなど、長年、飛騨地域の果樹振興に尽力されています。上広瀬果樹組合は昭和32年に設立され、飛騨地域における飛騨桃のブランド化や産地づくりの中心となり、「量」よりも「質」を重視した栽培に取り組み、上質な桃を生産・出荷し飛騨桃ブランドをけん引してきました。
舩坂さんによると「ひと昔前はお盆前の出荷だったが、地球温暖化の影響で約2週間出荷が早くなった。」とのことです。
「飛騨桃は、国内市場だけではなく香港にも輸出しており、現地では年々認知度が高まっている。」また、「『飛騨牛』の牛糞堆肥を栽培に活用することで、ストーリー性が加わりブランド力のアップにつながっている。」とお聞きしました。
最後に「これからもブランドを守り、質のいい飛騨桃の生産に努めたい。」と熱く語られていました。
舩坂正信さん(左端)と矢口地方参事官(右端)(令和5年7月24日撮影)
収穫間近の「飛騨桃」(品種:日川白鳳)(令和5年7月24日撮影)
親子で農業を営む國井教子(クニイ園芸)さん、麻衣さんと意見交換しました!
「岐阜市の農業女子家族が産地を支えて奮闘中!」
6月23日(金曜日)、岐阜市の花き(鉢物)生産者の國井教子さんと、露地野菜生産者の麻衣さんにお話を伺いました。
花き生産はクニイ園芸として、教子さんと長女の理佐さんが担い、多肉植物のカランコエや熱帯植物のスパティフィラムを出荷しています。
次女の麻衣さんは、クニイ園芸から独立し岐阜市西郷・合渡地区の約2haのほ場で枝豆、かぶ、ほうれん草といった露地野菜を栽培しています。麻衣さんは岐阜市から認定新規就農者として認められ地域農業の新たな担い手としても期待されています。
意見交換では、「昨今の資材価格高騰の影響を受けても販売価格にコストを転嫁できない状況にある。再生産可能な価格形成が図れるよう、支援してほしい」との要望がありました。
近年は、農業の後継者不足が課題となっていますが、國井親子の今後のご発展を祈念いたします。
クニイ園芸ハウスにて
國井教子さん(中央)、麻衣さん(右)と矢口参事官(左)(令和5年6月23日撮影)
栽培している熱帯植物スパティフィラム(令和5年6月23日撮影) 捕れたての枝豆(國井麻衣さん提供)
枝豆選別の様子 (國井麻衣さん提供) 収穫風景(國井麻衣さん提供)
ご夫婦で耕畜連携に取り組む農業女子と意見交換を行いました!
6月14日(水曜日)、富加町でアスパラガスを栽培(27a)している河野奈央子さんを訪ね、お話を伺いました。
河野さんは関市の出身で、約10年前に会社勤めをやめられ、家業の農業を手伝っているうちに作物を栽培する楽しさを学ばれました。
当時は周囲に若い女性農業者がいなかったため「恥ずかしかった」そうですが、農業者であることを周囲の女性に褒めてもらえたことや、プロの農業者の方と関わるうちに「何でも知っていてかっこいい!自分もそうなりたい!」と思うようになり、関市で新規就農されました。
その後、営農拠点を富加町に移され、同町で和牛の繁殖・肥育を行っていた庸祐さんと結婚し、2人のお子さんを出産されました。
妊娠中や出産後も家族や友人の協力を得て営農を継続し、現在は夫の庸祐さんが製造する牛糞もみ殻堆肥を活用して夫婦間で耕畜連携(*)し、アスパラガス栽培に取り組まれています。
アスパラガスは肥料を好む野菜ですが、成長に養分が必要な時に重点的に化学肥料を散布し、牛糞もみ殻堆肥は秋の収穫後に元肥と一緒に施用しています。
河野さんは5月に岐阜県から「女性農業経営アドバイザー」に認定され、今後は「生産者から経営者」へシフトするため、経営を学ぶことで更に視野を広げたいとの抱負を語られました。
*「耕畜連携」:野菜やコメを作る「耕種農家」で生産した飼料作物などを乳や鶏卵、食肉などを生産する「畜産農家」に提供し、それを食べた家畜から出たふん尿で作った堆肥(たいひ)を畑に戻し、飼料作物やその他の農産物の生産に役立てる「耕種農家」と「畜産農家」との連携した取り組み。

意見交換の様子
河野奈央子さん(中央)、夫の庸祐さん(左)
と矢口地方参事官(右)(令和5年6月14日撮影)

ほ場にて
河野奈央子さん(令和5年6月14日撮影)
農業生産法人(有)エイドスタッフ代表と意見交換しました!
「岐阜県飛騨市で春播き小麦が梅雨にも負けず成長中!」
6月20日(火曜日)、飛騨市古川町で主に水稲、大豆およびエゴマを栽培し、地域で中心的な役割を担っている農業生産法人(有)エイドスタッフ(以下「エイドスタッフ」という。)代表の田中一男さんにお話を伺いました。
エイドスタッフでは、飛騨地域が寒冷地であることから、本州では珍しい春播き小麦の栽培に取り組まれており、5月17日(水曜日)に播種した小麦が梅雨にも負けず生育していました。「お盆ごろには収穫でき、地元のパンとしてお目見えするかも?」とのことです。
また、令和5年度から「戦略的スマート農業技術の実証・実装*」に参画し、水稲及び大豆栽培で「豚ぷんペレット利用を中心とした環境保全型精密農業の確立」の実証課題に取り組んでいます。この取り組みは、地元養豚業者から供給された豚ぷんペレット堆肥を区画整理したほ場に元肥として散布し、その有効性を実証するものです。昨今の国際情勢等により肥料価格が高騰している中、化学肥料の代替肥料としての成果が期待されています。併せてセンシングドローンの導入による生育ムラの診断や病害虫の早期発見も計画しています。
*「戦略的スマート農業技術の実証・実装」:海外依存度の高い農業資材や労働力の削減、自給率の低い作物の生産性向上等に資するが、データ不足等により市販化には至っていないスマート農業技術の実証を行う取組。
意見交換の様子
田中代表(右)と矢口参事官(令和5年6月20日撮影)
春播き小麦の生育状況(令和5年6月20日撮影)
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