9.農地を整える
入り組んだ農地を整然とした区画にするだけなら簡単そうに思えますが、それぞれの農地には持ち主がいます。30aや1haという区画で面積を一律にしてしまうわけにはいきません。また、日本の農地は分散して所有する傾向が強く、場合によっては、多数の集落にまたがって所有しているケースも珍しくありません。
したがって、ほ場整備の中で、他人の農地と交換するなどして自分の農地をまとめる必要があります。交換するといっても農地は日当たりの悪い場所や水はけの悪い場所など、条件は様々ですから面積だけの問題ではなくなるのです。さらに、農道を通したり、水路の用地を広げたりするために、少しずつ土地を提供しあって、農地でない土地を生み出す必要もでてきます。
上野英三郎博士の耕地整理技術は、こうしたほ場整備に伴う厄介な問題を解決する学問でした。この耕地整理の手法は関東大震災(大正6年)後の帝都復興でも活用され、後の都市における「土地区画整理」の元になったといわれています。農産物のコストダウンを図るには、大区画農場の整備は欠かせない課題です。以前のほ場整備は一区画30aとすることを目指していましたが、現在はより作業性を高めるために一区画を1haとすることを目指しています。また、こうした大規模なほ場整備事業は、農業水利事業と並行して実施されます。












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