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『感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律』の解説

 

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律

(平成10年10月2日法律第114号 最終改正 :平成16年12月1日法律第150号)

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、同法施行令、施行規則,及び感染症の病原体を媒介するおそれのある動物の輸入に関する規則の文面は総務省の電子政府の窓口(外部リンク)で閲覧できます。

 

この法律の目的は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関し必要な措置を定めることにより、感染症の発生を予防し、及びそのまん延の防止を図り、もって公衆衛生の向上及び増進を図ること(第1条)」であり、また、この法律は、第1章から第11章までの70条と附則から構成されています。
動物検疫所に係る輸入検疫については、この法律の第8章『感染症の病原体を媒介するおそれのある動物の輸入に関する措置』(同法第54条 ~56条の1)で規定されており、輸入検疫の対象となる指定動物として、サルが規定されています。(同法施行令第8条)
また、『感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第54条第1号の輸入禁止地域等を定める省令』(平成11年12月1日 厚生労働 ・農林水産省令第2号 最終改正 :平成17年3月30日厚生労働 ・農林水産省令第3号)により、サルの輸入禁止地域が定められています。
なお、検疫を実施するための規則については、『感染症の病原体を媒介するおそれのある動物の輸入に関する規則』(平成11年12月1日農林水産省令第83号 最終改正 :平成17年3月30日農林水産省令第41号)により決められています。

 

サルの輸入検疫に関係する法令一覧

法律第8章 感染症の病原体を媒介するおそれのある動物の輸入に関する措置

輸入禁止(法第54条、政令(施行令)第7条、厚,農省令第1条,第2条)
輸入検疫(法第55条、政令(施行令)第8条、厚,農省令第3条、農水省令第1 ~10条)
検査に基づく処置(法第56条、農水省令第11条)

 

 

 

第8章 感染症の病原体を媒介するおそれのある動物の輸入に関する措置

輸入禁止(第54条)

法第54条に基づく政令第7条では、感染症を人に感染させるおそれが高い動物(指定動物)として、イタチアナグマ、コウモリ、サル、タヌキ、ハクビシン、プレーリードッグ及びヤワゲネズミが指定されており、厚生労働省令、農林水産省令第1条で定める地域からの輸入が禁止されています。

 

人に感染させるおそれが高い感染症と指定動物

感染症

指定動物

エボラ出血熱、マールブルグ病

サル

ペスト

プレーリードッグ

重症急性呼吸器症候群(SARS)

イタチアナグマ、タヌキ、ハクビシン

ニパウイルス感染症、リッサウイルス感染症等

コウモリ

ラッサ熱

ヤワゲネズミ

 

サルについては、アメリカ合衆国、インドネシア共和国、ガイアナ協同共和国、カンボジア王国、スリナム共和国、中華人民共和国、フィリピン共和国及びベトナム社会主義共和国からのみ輸入でき、これ以外の地域を経由したサルも輸入できません。さらに、厚労・農水大臣の指定を受けた試験研究機関又は動物園で飼育される試験研究用又は展示用サルでなければ輸入できません。
サルの輸入に係る他法令として、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(CITES)(経済産業省)、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)(環境省)も参照してください。

 

輸入検疫(第55条)

法第55条では、サルの輸入についての手続が示されています。法第54条で示されているとおり、輸入できる地域は、アメリカ合衆国、インドネシア共和国、ガイアナ協同共和国、カンボジア王国、スリナム共和国、中華人民共和国、フィリピン共和国及びベトナム社会主義共和国に限られます。そして、検疫対象とされる疾病であるエボラ出血熱及びマールブルグ病に罹っていない旨の輸出国政府機関の証明書が必要です。写しについては、複写機等による写真コピーは認められません。
輸入できる場所は、「感染症の病原体を媒介するおそれのある動物の輸入に関する規則」(平成11年農林水産省令第83号)の第1条に明記されており、成田国際空港と関西国際空港の2空港です。
輸入を予定した場合、「感染症の病原体を媒介するおそれのある動物の輸入に関する規則」(平成11年農林水産省令第83号)の第2条により到着予定の70から40日前までに動物検疫所長に届け出なければならず、届ける内容については、第3条に荷受人、荷送人の住所,氏名、サルの種類、性別、年齢、用途、生産地、仕向地、搭載予定航空機、到着年月日等及びその他参考となる事項と規定されています。これは、検査が原則30日以上の係留をして行われることから、輸入の意向を事前に調整して円滑な検疫を行うためです。
サルの係留検査は、到着時に家畜防疫官による航空機内での検査を終えた後、原則、飛行場内にある動物検疫所の施設でおこなわれます。動物検疫所は、輸入できる港とされている成田国際空港及び関西国際空港に当該係留施設を設置しています。
なお、特別な飼育管理が必要とされるなどの場合、農林水産大臣が指定した施設(動物検疫所と同等以上の施設)でも係留検査を行うことが出来るので、指定施設の了解を得た上で、届出書のその他参考となる事項に希望係留検査場所とその理由を明記して下さい。

 

検査に基づく措置(第56条の1)

検疫検査を実施する中で、エボラ出血熱、マールブルグ病が発見された場合、動物検疫所長から保健所長を経由して都道府県知事に通知し、都道府県知事は厚生労働大臣に報告します。一方、家畜防疫官が、隔離、消毒、殺処分等の措置を行う場合にあっては、動物検疫所長は、サルの所有者に当該処置を実施することを通知する義務があります。

 

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参考

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(抜粋)

(平成10年10月2日法律第114号)最終改正 :平成16年12月1日法律第150号

 

 

(目的)

第1条 この法律は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関し必要な措置を定めることにより、感染症の発生を予防し、及びそのまん延の防止を図り、もって公衆衛生の向上及び増進を図ることを目的とする。

(輸入禁止)

第54条 何人も、感染症を人に感染させるおそれが高いものとして政令で定める動物(以下「指定動物」という)であって次に掲げるものを輸入してはならない。ただし、第一号の厚生労働省令、農林水産省令で定める地域から輸入しなければならない特別の理由がある場合において、厚生労働大臣及び農林水産大臣の許可を受けたときは、この限りでない。

一 感染症の発生の状況その他の事情を考慮して指定動物ごとに厚生労働省令、農林水産省令で定める地域から発送されたもの

二 前号の厚生労働省令、農林水産省令で定める地域を経由したもの

 

(輸入検疫)

第55条 指定動物を輸入しようとする者(以下「輸入者」という)は、輸出国における検査の結果、指定動物ごとに政令で定める感染症のうち指定動物ごとに政令で定めるものにかかっていない旨又はかかっている疑いがない旨その他厚生労働省令、農林水産省令で定める事項を記載した輸出国の政府機関により発行された証明書又はその写しを添付しなければならない。

2 指定動物は、農林水産省令で定める港又は飛行場以外の場所で輸入してはならない。

3 輸入者は、農林水産省令で定めるところにより、当該指定動物の種類及び数量、輸入の時期及び場所その他農林水産省令で定める事項を動物検疫所に届け出なければならない。この場合において、動物検疫所長は、次項の検査を円滑に実施するため特に必要があると認めるときは、当該届出をした者に対し、当該届出に係る輸入の時期又は場所を変更すべきことを指示することができる。

4 輸入者は、動物検疫所又は第二項の規定により定められた港若しくは飛行場内の家畜防疫官が指定した場所において、指定動物について、第1項の政令で定める感染症にかかっているかどうか、又はその疑いがあるかどうかについての家畜防疫官による検査を受けなければならない。ただし、特別の理由があるときは、農林水産大臣の指定するその他の場所で検査を行うことができる。

5 家畜防疫官は、前項の検査を実施するため必要があると認めるときは、当該検査を受ける者に対し、必要な指示をすることができる。

6 前各項に規定するもののほか、指定動物の検疫に関し必要な事項は、農林水産省令で定める。

 

(検査に基づく措置)

第56条 家畜防疫官が、前条第4項の検査において、同条第1項の政令で定める感染症にかかり、又はかかっている疑いがある指定動物を発見した場合については、第13条の規定は、適用しない。この場合において、動物検疫所長は、直ちに、当該指定動物の輸入者の氏名その他同項の厚生労働省令で定める事項を最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に通知するものとする。

2 前項の規定による通知を受けた都道府県知事は、直ちに、当該通知の内容を厚生労働大臣に報告しなければならない。

3 動物検疫所長は、第1項に規定する指定動物について、農林水産省令で定めるところにより、家畜防疫官に隔離、消毒、殺処分その他必要な措置をとらせることができる。

 

 


参考
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行令(抜粋)
(平成10年12月28日政令第420号)最終改正 :平成16年7月9日政令第231号

 

(指定動物)

第7条 法第五十四条の政令で定める動物は、イタチアナグマ、コウモリ、サル、タヌキ、ハクビシン、プレーリードッグ及びヤワゲネズミとする。

 

 

(輸入検疫の対象となる感染症)

第8条 法第五十五条第一項の指定動物ごとに政令で定める感染症は、サルについて、エボラ出血熱及びマールブルグ病とする。

 


 

参考

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第54条第1号の輸入禁止地域等を定める省令
(平成11年12月1日厚生省 ・農林水産省令第2号)最終改正 :平成17年3月30日厚生省 ・農林水産省令第3号

 

(輸入禁止地域)

第1条 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下「法」という)第54条第1号の厚生労働省、農林水産省令で定める地域は、次の表の上欄に掲げる指定動物につき、相当下欄に掲げる地域とする。

指定動物

地域

イタチアナグマ、コウモリ、タヌキ、ハクビシン
プレーリードッグ及びヤワゲネズミ

すべての地域

サル

すべての地域(試験研究機関又は動物園(感染症を人に感染させるおそれがない施設として厚生労働大臣及び農林水産大臣が指定したものに限る)において業として行われる試験若しくは研究又は展示の用に供されるものにあっては、次に掲げる地域を除く)
1.アメリカ合衆国
2.インドネシア共和国、ガイアナ協同共和国、カンボジア王国、スリナム共和国、中華人民共和国、フィリピン共和国及びベトナム社会主義共和国

 

(証明書に記載すべき事項)

第3条 法第55条第1項 の厚生労働省令、農林水産省令で定める事項は、次のとおりとする。
一 荷受人及び荷送人の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 輸入しようとする指定動物の種類、性、年齢及び生産地又は捕獲地
三 輸入しようとする指定動物の搭載予定地、搭載予定年月日及び搭載予定船舶名又は搭載予定航空機名
四 その他参考となるべき事項

 

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  感染症の病原体を媒介するおそれのある動物の輸入に関する規則

(平成11年12月1日農林水産省令第83号)

 

主たる内容

第1条

輸入の場所(成田空港、関西空港)

第2条

指定動物の輸入に関する届出(到着の70から40日前)

第3条

第2条の届出の内容(輸入者、種類、性別、年齢、産地,等)

第4条

輸出国における検査(輸出国の指定施設での30日以上の係留検査)

第5条

輸入検査(輸入申請書の動物検疫所への提出)

第6条

船舶又は航空機内検査(船舶 、航空機への立ち入り検査)

第7条

家畜防疫官の指示(係留場所等への送致指示など検疫に必要な指示)

第8条

搬出禁止(家畜防疫官の検査修了まで船舶 ・航空機内からの搬出禁止)

第9条

検査のための係留機関(原則30日間の係留期間)

第10条

輸入検疫証明書の交付(検疫検査で問題がなければ証明書の交付)

第11条

検査に基づく処置(必要に応じて隔離、消毒、殺処分等がとられる)

第12条

証票の携帯等(検査を行う家畜防疫官は家畜防疫証を携帯)

 

輸入場所(第1条)

サルの輸入出来る港は、成田国際空港及び関西国際空港の2港に決められています。

 

指定動物の輸入に関する届出(第2条 ・第3条)

サルを輸入しようとする場合には、入港あるいは着陸予定の70 ~40日前までに、動物検疫所に届け出なければなりません。
届け出る内容は、荷受人及び荷送人の氏名又は名称並びに住所、動物の種類、性、年齢、用途及び生産地又は捕獲地、仕向地、搭載予定地、搭載予定年月日及び搭載予定船舶名又は搭載予定航空機名、その他参考となるべき事項です。

 

輸入国における検査(第4条)

輸入されるサルには、エボラ出血熱及びマールブルグ病にかかっていない旨の輸出国政府機関の検査証明書の添付がされなければなりませんが、その確認方法としては、次のとおり定められています。


(アメリカ合衆国からの場合)
農林水産大臣の定める基準に適合するものとしてアメリカ政府が指定した施設で、30日間以上の係留検査を受けたものであること。

(インドネシア共和国、ガイアナ協同共和国、カンボジア王国、スリナム共和国、中華人民共和国、フィリピン共和国及びベトナム社会主義共和国からの場合)
農林水産大臣の定める基準に適合するものとして日本の農林水産大臣が指定した施設で、30日間以上の係留検査を受けたものであること。

 

輸入検査(第5条)

サルを輸入しようとする者は、入港又は着陸後遅滞なく、当該港を管轄する動物検疫所に輸入検査申請書を提出し検査を受けなければなりません。なお、第8条で規定されているとおり、家畜防疫官の指示なく船舶、航空機からの動物の搬出は禁止されています。

 

船舶又は航空機内検査(第6条)

輸入申請されたサルについて、家畜防疫官は、船舶又は航空機内で検査を行うことができます。

 

家畜防疫官の指示(第7条)

輸入されたサルについては、係留して検査を行いますが、家畜防疫官は、当該検査場所まで順路その他の病原体を広げるのを防止するための指示することができます。

 

搬出禁止(第8条)

家畜防疫官の指示なく船舶、航空機からの動物の搬出は禁止されています。

 

検査のための係留期間(第9条)

輸入されたサルについては、30日間の係留検査を実施します。なお、エボラ出血熱、マールブルグ病にかかっている疑いがある場合には、その疑いのなくなるまでの期間、また、エボラ出血熱、マールブルグ病にかかっているサルと同居あるいはその他の理由により当該疾病に罹るおそれがある場合は、相当期間係留することとされています。

 

輸入検疫証明書の交付(第10条)

係留検査の結果、エボラ出血熱、マールブルグ病にかかっているおそれがないと判断された場合には、家畜防疫官は輸入検疫証明書を交付することとされています。

 

検査に基づく処置(第11条)

輸入サルについて、エボラ出血熱、マールブルグ病にかかっているおそれがある場合には、動物検疫所長は、家畜防疫官に隔離、消毒、殺処分その他必要な措置をとらせますが、この場合には、所有者にその旨通知しなければならないとされています。

 

証票の携帯等(第12条)

家畜防疫官は、家畜防疫官証を携行し、関係者から請求された場合はこれを呈示することとされています。

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