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家畜伝染病予防法の解説

家畜伝染病予防法、同法施行令、同法施行規則の文面は総務省の電子政府の窓口(外部リンク)で閲覧できます。

  

『家畜伝染病予防法』の目的は、第1条で「この法律は、家畜の伝染性疾病(寄生虫病をふくむ。以下同じ。)の発生を予防し、及びまん延を防止することにより、畜産の振興を図ることを目的とする」とされています。また、この法律は第1章~第6章までの66条と附則から構成されており、動物検疫所が主として行う輸出入に関する条文は、『第4章 輸出入検疫』として起こされています。

動物検疫において「輸入」とは、航空機による場合は動物、畜産物等を航空機の外に搬出することを、船舶による場合は動物等を陸揚げすることを意味します。

  

家畜伝染病予防法第1条(目的)にいう家畜の伝染性疾病の発生を予防し、及びまん延を防止することにより、畜産の振興を図るためには、国内における家畜衛生対策にあわせて、海外からの家畜の伝染性疾病の侵入を阻止することが重要です。

国際的な物流において海外からの家畜の伝染性疾病の侵入をより効果的に阻止するためには、一方的な侵入防止措置のみならず、それぞれの国が輸出国の立場にあれば家畜の伝染性疾病を出さないという国際的な相互協力が不可欠です。すなわち、輸入または輸出される動物および畜産物等の検疫については、家畜衛生上安全な物のみを輸出入させてわが国への家畜の伝染性疾病の侵入防止を図るとともに国際動物検疫に寄与するために行うこととして、その具体的な輸出入の取り扱いが、第4章に位置付けられています。

なお、第4章は、第36条から第46条の2までの構成となっておりますが、そのうち第46条は、検疫において家畜の伝染性疾病を摘発した場合にその防疫措置を国内での取り扱いに準拠して実施する等の内容で、国内での取り扱いを規定している条文を読み替えています。また、国内防疫に関する規定との違いとしては、国内防疫では家畜を主対象としつつ、家畜の伝染性疾病の発生した場合にはその病原体に汚染しているおそれのある物もすべて防疫措置の対象とすることとされていますが、第4章では、家畜の伝染性疾病の病原体をひろげるリスクに応じて、家畜に限らず当該疾病に感受性のある動物のほか骨、肉、皮、毛等を検疫対象として個別に明示しています。

 

 

輸入禁止(法第36条、規則第43条 第44条)

病原体の輸入に関する届出(法第36条の2、規則第44条の2)

輸入ための検査証明書の添付(法第37条、規則第45条、第45条の2 )

輸入場所の制限(法第38条、規則第47条)

動物の輸入に関する届出等(法第38条の2、規則第47条の2,3,4,5)

検疫信号(法第39条、規則第48条)

輸入検査(法第40条 第41条、規則第49条、第49条の2、第50条)

郵便物としての輸入(法第42条、第43条

輸入検疫証明書の交付等(法第44条、規則第51条、第51条の2)

輸出検査(法第45条、規則第52条、第53条、第54条)

検査に基づく処置(法第46条、規則第55条)

入国者に対する質問等(法第46条の2, 3, 4 )

 

 

 輸入禁止(法36条、規則第43条及び第44条)

国際的な物流に伴う家畜の伝染性疾病の侵入防止に万全を期すとすれば、物流を止めること、すなわち輸入禁止の措置をとることが考えられます。しかしながら、すべてのものを一律に禁止することは侵入のリスクの大きさに対応しておらず科学的に不合理であるばかりか、社会経済活動の実態からすれば現実的ではありません。そのため、監視伝染病のうちでも病性が激しく、伝播力が強い悪性の家畜伝染病に限定し(現在は、牛疫、口蹄疫及びアフリカ豚コレラの3疾病)、これら悪性の家畜伝染病の発生状況や発生地域での防疫措置の実施状況等の家畜衛生事情を総合的に判断した上で、地域を3区分(清浄地域、発生はないが家畜衛生上何らかの問題がある地域、汚染地域)し、輸入禁止の物を定めて(施行規則第43条)輸入禁止を行うこととしています。

なお、世界の中で絶えず変化する家畜の伝染性疾病について、防疫のための国際基準を設けるとともに、発生事情に関する情報を迅速に収集、提供し、国際的なまん延を防止する国際機関として、国際獣疫事務局(OIE)(外部リンク)及び国際食料農業機構(FAO)(外部リンク)等があり、わが国はこれらの国際機関から提供される情報等を踏まえながら輸入禁止を行っています。

一方、監視伝染病の病原体及び新興疾病の病原体すなわち法で言う「家畜の伝染性疾病であって既に知られているもの以外のもの」については、不用意に取り扱われて国内に病原体が散逸し伝染性疾病がまん延するなど、輸入検疫を行っている意義がなくなるおそれがあることから、輸入禁止品とされています。

しかしながら、全ての輸入を禁止する事は、学術的な研究やこれらの病原体を使うワクチン等の製造を阻害することになりかねないことから、農林水産大臣の許可を得て輸入できる門戸が開かれていますが、輸入の許可を与えるに当たって、病原体の散逸防止という観点から必要な条件を付すことができるとされています。

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 病原体の輸入に関する届出(法第36条の2、規則第44条の2)

監視伝染病の病原体及び家畜の伝染性疾病の病原体であって既に知られているもの以外のものは、その輸入が禁止されていますが、監視伝染病以外の家畜の伝染性疾病の病原体であって既に知られているものについては、輸入禁止品から除外されています。しかしながら、国内に存在する伝染性疾病の防疫を的確、効果的に実施するために、汚染源ともなり得る輸入病原体の所在場所を承知しておく必要があることから、あらかじめ、輸入しようとする病原体の名称、輸入の時期、場所等を農林水産大臣に届け出ることとされており、農林水産大臣は、輸入届出の対象となる病原体を公示しています。

 

 輸入のための検査証明書の添付(法第37条、規則第45条及び第45条の2 )

輸入される動物および畜産物等を介してわが国に家畜の伝染性疾病の病原体が持ち込まれるおそれがあるので、これらの物のうち特に家畜の伝染性疾病の病原体をひろげるおそれの高いものを「指定検疫物」と称することとして明示しています。これらの指定検疫物の輸入にあたっては、動物検疫についての政府機関のない国からの場合等を除いては、当該物の輸出に先立って輸出国の政府機関が行なう検査に合格し、当該機関の発行した検査証明書の添付がなければ輸入してはならないとされています。すなわち、「指定検疫物」を輸入しようとする場合には、その量の多少や目的にかかわらず輸出国政府機関(日本の動物検疫所に相当する機関)の発行する検査証明書(通称、「獣医証明書」、「Health Certificate」など)の添付が必要であり、また、検査証明書の「監視伝染病の病原体をひろげるおそれがないことを確かめ、又は信ずる」旨の内容の記載要領は、SPS協定により国際基準等に基づいて各国の検疫衛生措置の調和を図ることとされており、通常、事前に輸出国と輸入国との間で家畜衛生条件として締結されています。なお、家畜衛生条件の締結は、農林水産省消費・安全局動物衛生課が行っています。

添付される検査証明書の写しとは、カーボン紙等により証明者のサインが肉筆であることを確認できるものであって、コピー機等によるいわゆる写真コピー等は、写しとは認められていません。また、当該規定を適用しない場合としては次に掲げる場合等が考えられています。

  1. 輸出国が本国から離れて信託統治されている地域であって、当該地域に政府機関が存在しない場合
  2. 輸出国が天災等のため政府機関の機能が失われ、政府機関の存在しない場合に準じた状態の場合

 

なお、検査証明書の添付の義務を除外されて輸入される場合には、当然輸出国における輸出検査の省略を十分カバーするに足りる輸入検査が実施されるべきであり、係留して検査される動物については、本条本文の規定を満たして輸入された場合より長期間の係留が課されています。また、電子的に送達される証明書としては、現在、オーストラリアからの検査証明書(通称SANCERT)があります。電送された証明書は動物検疫所の端末のみで閲覧できます。輸入者には、オーストラリア政府から発行番号が通知されています(詳しくは、NACCS(動物検疫関連業務)のページでご案内しています)。

 

 輸入場所の制限(法第38条、規則第47条)

指定検疫物の輸入場所は、場合によっては、当該場所を経由してわが国に家畜の伝染性疾病の病原体が侵入する戸口になりうることから、家畜の伝染性疾病の病原体の国内への侵入防止を図るためには、これらの場所はできるかぎり少なく、かつ、十分な輸入検査を実施しうる施設のある場所である必要があり、施設等の整った場所以外での輸入は認められていません。
指定検疫物を輸入できる港は、省令で定める特定の港または飛行場(以下、「指定港」という)であり、指定検疫物の品物別、輸送方法別にその輸入の可否が定められ、施行規則第47条に規定されています。
なお、郵便物については、国際通関郵便局において検査が実施されることから輸入場所の制限の対象から除外されています。

 動物の輸入に関する届出等(法第38条の2、規則第47条の2,3,4,5 )

動物が一時期に特定の指定港に集中して輸入されるような場合、当該港の係留施設では、円滑な動物検疫の実施に支障をきたし、輸入検疫に混乱を生ずるおそれがあるばかりか、伝染性疾病の侵入防止上、未検疫の動物が係留施設の周辺に滞留することは好ましくないことから、農林水産大臣が指定した動物(施行規則第47条の2)を輸入しようとする者は、あらかじめ当該輸入に関する諸事項を動物検疫所に届け出なければなりません。動物検疫所長は、円滑な動物検疫を実施するため特に必要と認めた場合には、輸入の時期または場所の変更を指示でき、これは、円滑な検疫の実施と動物係留施設の有効かつ効率的な利用を図ろうとするものです。

 農林大臣が指定した動物と事前の届出の期間

  • 偶蹄類の動物、馬
  • 輸入予定の120日前から90日前
    家きん類
    (鶏、うずら、きじ、だちょう、ほろほろ鳥、七面鳥、あひる、がちょう、その他かも目の鳥類)
    輸入予定の70日前から40日前
    輸入予定の40日前

     

     

     

     

     

     

     

     

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     検疫信号(法第39号、規則第48条)

    指定検疫物は、家畜防疫上警戒を要するものであり、当該物にみだりに接触して家畜防疫上の問題が生じることのないよう常にその存在を明示して関係者に認知してもらうべく、外国から指定検疫物をとう載して入港した船舶は、入港後遅滞なく検疫信号を掲げ、当該物について、本船上での検査に合格するか、積卸が終了するかまたは当該船舶が出港するまでは検疫信号を掲げなければなりません。
    掲げる標識については、施行規則第48条に次のとおり記されています。

    昼間

    夜間

    昼間の検疫信号

    夜間の検疫信号

      

     輸入検査(法第40条、第41条、規則第49条、第49条の2及び第50条)

    輸入検査に関する基本的な規定がされており、指定検疫物(第41条により輸入に先立って検査を受け、合格した物および郵便物として輸入した物を除く)を輸入した者は、その輸入量の多少及び目的に関係なく、遅滞なく動物検疫所に届け出なければなりません。このことは、家畜の伝染性疾病の病原体をひろげるおそれの高い物を指定検疫物として定めていることから、指定検疫物が放置されることはそれだけ当該病原体をひろげるおそれが増すからです。
    また、検査時において、輸入時の状態と大きく変わっていることは病原体による汚染のおそれについての的確な判断ができない可能性があることから、輸入時のままの状態で受検することとされています。
    検査を行う家畜防疫官は、規則により農林水産大臣により任命されますが、獣医師あるいは畜産の知識を有する者のなかから選ばれ、動物検疫所にその席を置いています。

    また、指定検疫物の検査ができる場所は、家畜の伝染性疾病の病原体をひろげるリスクを極力抑えるために、未検疫の動物、畜産物等を分散して蔵置しないこと、万一の場合に防疫対応を迅速に実施できることが重要であることから、これらのことを充足しうる動物検疫所又は指定港内の家畜防疫官指定場所及び特別な事由があるため農林水産大臣の指定を受けた場所に限定されています。

    これらの検査場所への指定検疫物の送致については、防疫的な処置を施して行う必要があることから、輸送中における家畜の伝染性疾病の病原体の散逸等を防ぐため、家畜防疫官は順路等の必要な指示をすることができます。

    また、指定検疫物以外の物であっても、当該物が家畜の伝染性疾病の病原体に汚染していたりまたは汚染しているおそれのあることが明らかとなった場合には、当該物について、遅滞なく家畜防疫官は検査を行なうことができることとされています。

    なお、すべての指定検疫物または家畜の伝染性疾病の病原体により汚染し、または汚染しているおそれのあるその他の物については、輸入(陸揚げ)前に検査を実施し、検査に合格した物のみを陸揚げさせることが最も望ましいのですが、すべての物についてこれを行うことは困難であることから、検査は、原則的に輸入(陸揚げ)後行うこととされています。しかし、家畜の伝染性疾病の病原体に汚染し、もしくは汚染しているおそれの大きいとされる場合にあっては、家畜防疫官は、輸入(陸揚げ)前であっても船舶または航空機内で検査を実施することができます。

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     郵便物としての輸入(法第42条、第43条)

    指定検疫物を包有した郵便物は、小型包装物及び小包郵便物以外の郵便物又は信書郵便としては、輸入してはならないとされています。これは、指定検疫物を検査するためには、常にこれを開く必要があるので、通信の秘密の厳守の観点から、書状の中にはこれら指定検疫物を包有させないよう、輸送方法が限定されています。また、万国郵便条約により、郵便物として生きた動物を送付することは禁止されています(ただし指定検疫物のうちミツバチは当該禁止の適用を受けません)。

    郵便物として輸入された指定検疫物は、家畜防疫官が行う検査を速やかに受けることができるよう、指定検疫物を包有し、または包有している疑いのある郵便物を受取った通関手続をする郵便局は、その旨を動物検疫所に通知することとされており、家畜防疫官は、当該郵便物について円滑な検査を実施するため、受取人にその開示を求めたり、または郵便局員の立会の上でそれを開くことができます。

    万一、指定検疫物含有した郵便物等を受け取った場合には、受け取った者には動物検疫所に届け出て検査を受ける義務があります。

     

     輸入検疫証明書の交付等(法第44条、規則第51条及び第51条の2)

    第40条、第41条、第42条および第43条の検査の結果(これらの検査において、当該指定検疫物等が監視伝染病の病原体に汚染している、あるいは、汚染のおそれがあると認められた場合等には、第46条の規定により処置された結果)、指定検疫物等が家畜の伝染性疾病の病原体をひろげるおそれがないと認められた場合には、未検疫物との混乱を避けるとともに、当該物が輸入検査に合格したことを明示しておく必要があります。このことから、家畜防疫官は輸入検査及び必要に応じて実施される検査に基づく処置(消毒等)の結果、指定検疫物が監視伝染病の病原体を拡げるおそれがないと認められるときは、輸入検疫証明書を交付します。

    また、指定検疫物以外のものであっても検査終了後検疫証明書の要求があれば家畜防疫官はこれを交付することとされています。

     

     輸出検査(第45条)

    動物および畜産物等の国際交流に起因する家畜の伝染性疾病の伝播の防止のため、これらの物の輸入に当たっては、輸入検疫を実施していますが、同様に、わが国から輸出される物についても国際動物衛生上の見地から家畜衛生上安全な物を諸外国に輸出することで、各国間の家畜衛生上の信頼に応えようとするものです。

    これらの検査が必要な物としては、我が国が輸入時に輸入検査の対象としているものすなわち指定検疫物、及び指定検疫物以外のものであっても相手国が家畜の伝染性疾病をひろげるおそれの有無についての輸出国の証明を要求している動物、畜産物等です。これらのものは、輸入検疫に準じて検査を受けなければならないとされています。なお、検査の方法は、輸入と同様の検査を行うほか、輸入国政府がそのものの輸入に当たり特に要求している事項がある場合には要求に基づいた検査、消毒等を実施することとされています。

    家畜防疫官による検査の結果、家畜の伝染性疾病をひろげるおそれがない場合に輸出検疫証明書を交付します。なお、証明書の様式は規則に定められている他相手国の要請様式による場合があります。
    ただし、指定検疫物以外のものに対する輸出検疫証明書の交付は、家畜の伝染性疾病をひろげるおそれについて証明するものであり、且つ、相手国の要求に基づいて行うものに限定されています。したがって、原則、動物,畜産物に対して、家畜の伝染性疾病を拡げるおそれのないことを証明するものであり、輸出品総てに対して証明出来るものではありません。

     

     検査に基づく処置(第46条)

    家畜防疫官によって輸入検査(船舶または航空機内で輸入に先立って行なう検査も含む)および輸出検査が行われますが、検査の結果、検査に係る物が家畜の伝染性疾病の病原体に汚染している場合等にとるべき処置の方法が規定されています。
    これらの措置については、家畜伝染病予防法の第2章及び第3章に規定されている家畜の伝染性疾病の発生の予防および家畜伝染病のまん延防止のため都道府県知事や家畜防疫員(都道府県の職員)の行う行為を、輸入検疫中の場合には各々動物検疫所長および家畜防疫官が行なうことが適当であるとして読み替えることとされています。

     〔参考〕
    なお、輸入畜産物の消毒については、検査を実施した家畜防疫官が消毒基準に基づいて消毒を指示することになりますが、当該消毒の実施者は、動物検疫所の本所・支所において年1回程度開催されている「輸入畜産物消毒講習」を受講した者が行えることとなっています。

     

     入国者に対する質問等(法第46条の2, 3, 4 ) 

    家畜防疫官は、海外からの入国者に対し、携帯品に要消毒物品(監視伝染病が発生している国・地域において使用された物品で、家畜防疫官が消毒をすることが必要であると認めるもの。)が含まれているかどうかを判断するため、質問を行ったり、その携帯品の検査や消毒を行うことができます。
    これに伴い、動物検疫所では「動物検疫に関する質問票」の配布及び回収を行っています。

    また、質問や検査、消毒を円滑に行うため、日本に入国する船舶若しくは航空会社等に対し、質問に関する書類の配布、検疫の手続に関する情報の提供その他必要な協力を求めることができることとされています。 

     


     

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