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農林水産省

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鈴木農林水産大臣退任記者会見概要

日時 令和8年9月17日(木曜日)11時59分~12時16分 於: 本省会見室
主な質疑事項
  • (大臣から)農林水産大臣退任にあたって
  • 在任期間の振り返りについて
  • 新大臣への引継ぎと期待について
  • 「先の見える農政」の実現に向けた取組の評価について
  • 米の需給見通しについて
  • フードテック推進の課題と今後の展望について
  • 木材利用拡大に向けた取組と今後の展望について
  • 生産現場を重視した農政運営の考え方について

冒頭発言

大臣

   改めまして皆さんこんにちは。本当に約1年、記者クラブの皆さん、大変お世話になりまして、ありがとうございました。
   農林水産行政について、特にお米の話題を中心に、いろんな角度から御意見を皆さんからもいただきましたし、様々な報道もしていただいたこと、心から感謝を申し上げたいと思います。この1から2年間、特に令和の米騒動というのがありまして、農林水産行政がここまで大きく、多くの国民の皆様に、毎日のように報道で触れて、考える機会を提供していただいたこと、これまでの歴史上もあまりなかったのではないかなというふうに感じております。そういう中で、私自身が農林水産大臣という大変重い職責を担わせていただいたこと、これは一緒に、ずっと支えてくださいました政務2役の皆さん、そして職員の皆さん、今日は秘書官もここにいますけれども、皆さん一人一人のおかげでありますので、まず、そのことを御礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
   その上で、昨年10月、私はこの場で「農は国の基なり」という言葉を胸に刻んで、現場の声に真摯に耳を傾けながら、農林水産行政に当たっていきたいという話を申し上げました。
   こうした思いを抱きながら、北海道から沖縄まで、なるべく多く、厳しい現場に足を運ぶようにいたしました。そして、海外にも足を運ばせていただき、米政策や、フードテックの推進など、農林水産業を取り巻く様々な課題への対応に全力で取り組んでまいりました。
   まず、米政策について申し上げたいと思います。就任時に、「需要に応じた生産」、これが基本だということを何度も申し上げさせていただきました。農業者の皆様が安心して生産ができるよう「先の見通せる農政」を実現することが何よりも重要であるというふうに考えております。
   こうした考え方の下で、米価高騰の要因と対応に関する検証を行い、速やかに、流通構造の透明性の確保や、今後の備蓄政策の確立に向けた対策を取りまとめさせていただきました。また、その取りまとめを踏まえ、「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」の、食糧法の改正案の国会での議決もいただいたところであります。また今後は、生産性向上を図る「新たな水田政策」の基本的な考え方を取りまとめをさせていただいておりますので、しっかりとこれから、予算・単価、ここについて、生産現場の皆さんがもっと頑張ろうというふうに思っていただけるように、私としても、引き続き、一国会議員として、農林水産行政を支えていきたいというふうに思います。
   そして、備蓄米の買戻しについても、着手をすることができたというふうに思っております。まだまだ現場から様々な御意見がありますので、計画的・安定的に、備蓄米の適正水準への買戻し、今後も進めていただきたいというふうに思っております。
   「新たな水田政策」につきましては、現場の皆様から広く御意見を伺いながら、具体化に向けた検討を進めているところでありますので、皆様の努力が報われる制度となるよう、引き続き、努力を私もさせていただきます。
   次に、フードテックの推進についてであります。
   就任以来、激甚化する自然災害・気候変動の影響に左右されず、安定的な生産力を確保できるよう、日本の先端技術の粋の詰まった完全閉鎖型植物工場や陸上養殖施設への投資促進に取り組んでまいりました。特に気候変動で食料供給というのが、これは我が国だけではなく、世界中で不安定化をするというふうに見込まれております。そういう日本ならではの課題だけではなく、世界の課題に日本がどう貢献できるか、これがフードテックの分野であるというふうに思っております。
   日本成長戦略会議のフードテック分野の担当大臣としても、省内に「フードテックワーキンググループ」を設置をし、関係事業者の皆様との意見交換や現地視察を重ねてまいりました。結果として、本年7月に策定をされた「日本成長戦略」及び「官民投資ロードマップ」に反映をすることができたところであります。
   今後が大事でありますので、戦略の実効性を高め、フードテックが稼げる農林水産業の創出に向けた大きな柱として大きく発展していくことを期待をしております。
   また、食料安全保障上、特にこの1年間、中東情勢の難しい局面があったというふうに思っております。肥料原料の安定調達、これについても、マレーシア、そしてモロッコにも足を運ばせていただき、一時期供給が心配をされました、尿素やリン酸アンモニウム、こうしたものへの供給の確保についても、やらせていただいたというふうに思っております。
   また同時に、輸出拡大に向けて、フランスやドイツなどを訪問し、現地系大手スーパーを始めとする関係事業者と意見交換を行うなど、我が国の農林水産物・食品の輸出促進、これに努力をさせていただきました。特にフランスのカルフール、大きいスーパーマーケットチェーンでありますけれども、そこに今後、できれば、お寿司の一部は日本産米を使ったものに置き換えが進むことを期待をしております。
   さらに、私は、就任時に、農林水産業と食の分野において、「攻める分野」と「守る分野」を明確にし、具体的な戦略を策定することを申し上げました。「日本の農林水産行政の戦略本部」を立ち上げ、分野ごとに担当政務を決めて、現場に、皆さんにも何度も何度も足を運んでいただいて、今後の戦略を作ることができたというふうに思っております。
   特に中山間地域、条件で不利な地域の農業が、厳しい現実に直面をしておりますので、来年の制度改正に向けて、中山間直払いを含め、現場の皆さんが、これだったら中山間、条件が悪くても、次の世代に農地や地域を引き継いでいけるというふうに思っていただけるような制度になるように、引き続き、私も努力をさせていただきたいというふうに思っております。
   在任中、本当にたくさんの課題に直面をいたしましたが、一つ一つの課題について、根本副大臣、山下副大臣、そして広瀬政務官、山本政務官、2万人の農林水産省、全国の職員の皆さんと力を合わせて、対応をしてきたつもりであります。
   まだまだ、私自身の至らない点もあったのかなというふうには、当然、思うわけですけれども、それでも、これからは、一人の国会議員として、食料の安定供給と、食の分野で稼げる日本の実現に向けて力を尽くしてまいりたいというふうに思っております。
   最後になりますが、約1年間、全国から様々な御意見を寄せてくださいました農林漁業者の皆様、そして食品産業、食に携わる皆様、多くの関係者の皆様、何よりも、農林水産省の、北海道から沖縄まで、それぞれの現場で、近いところで頑張っていただいている一人一人の職員の皆さんに、心から感謝を申し上げ、また特に、今は熊本地震への対応、そして能登の現場でも、まだまだ復旧・復興の工事が続いております。千葉もそうでした。北陸3県もそうです。現場で多くの職員の皆さんが、これからも、現場で御苦労されている皆さんに寄り添って、仕事をしていただけることを心からお願い申し上げて、私の退任の会見とさせていただきます。ありがとうございます。


質疑応答

記者

    1年間、いろいろ課題に取り組まれたということなのですけれども、御自身で振り返って自己採点するとしたら、何点だったのかというのをまず教えていただけますでしょうか。理由も含めてお願いします。


大臣

   採点は、皆さんにお任せします。


記者

   水田政策の見直しであったりとか、備蓄米の買戻しなど、今後も様々な課題が山積しているかと思うのですけれども、新たな大臣に、どのようなふうに仕事を引き継いでというか、期待したい部分があればお願いいたします。


大臣

   これは高市総理からもありましたけれども、高市政権の人事というのは、専門性、そうした能力というのを重視をして、次の大臣も選んでいただけるのだというふうに思いますので、その意味では、次の大臣らしくやっていただければというふうに思います。
   ただ、生産現場の皆さん、来年に向けて大丈夫なのだろうかという思いを、多くの皆さん持っておりますので、陰ながら、私も、次の大臣、しっかりと支えさせていただきたいというふうに思います。


記者

   大臣は就任当時、先の見える農政を実現したいと述べられ、米価の安定などに意欲を示されていました。
   当初掲げられた、先の見える農政にどのくらい道筋をつけられたとお考えでしょうか。


大臣

   大変、難しい質問だというふうに思っています。
   もちろん、水田政策の見直し、大枠は示すことができましたけれども、単価含めて、これから秋に向けて、年末に向けて詰めていくところでありますから、それは私も一国会議員として、しっかりとその責任については、責任の一端を果たしたいというふうに思っております。


記者

   米の需給についてなのですけれども、来年6月末の民間在庫量は、買い戻す21万トンを差し引いても、最大で283万トンに上る見通しとなっています。
   需給緩和を招いた要因をどのように見ていらっしゃるかと、後任の大臣にどのように対応してもらいたいかをお聞かせください。


大臣

   後任の大臣に対しては、先ほど申し上げたとおりでありますので、しっかりと、私も一国会議員として、与党の議員として、お支えをさせていただきたいというふうに思います。
   そして、米の環境については、今年が生産量が、最後に収穫が全部終わってみないと確定的なことは申し上げられませんが、基本的には供給がかなり多いという状況だというふうに思っております。
   大切なことは、来年に向けて、生産現場の皆さんと一緒の危機感を抱いて向かっていくことが、私としては大事かなというふうに思っております。
   そしてまた、備蓄の買戻しについては、まだまだ100万トンの適正水準まで全然足りませんので、安定的・計画的に買い戻すということが必要かというふうに思います。


記者

   フードテックについて、先日の戦略推進グループの立上げでも、乗り越えるべき課題があるという、ふわっとした課題感だったので、今、いろいろこの1年、現場を見た中で、もう少しこうすればいいとか、喫緊の、何か大臣からの提言みたいなものがあればお伺いしたいです。


大臣

   フードテック、まだまだ日本が伸びていかなければならない分野であるというふうに思っています。
   ただ、現実的に、商業ベースにこれは載せなければなりませんので、技術はあるけれども商業ベースに乗らないという状態の企業も技術もたくさんあろうかと思いますので、特に日本国内でももちろんそうですが、世界で展開をしていくということを考えると、でき得る限り多くの技術や企業の皆さんが、商業ベースにしっかりと乗るような状態で、いろんな生産、植物工場にしても陸上養殖にしても、生産ができるように、更なる後押しが必要だというふうに考えております。


記者

   もう1点、大臣就任されてから、木材の建築利用が進んだという認識で、これは大臣になられる前から手がけていらっしゃった政策だと思うのですけれども、この辺りの、1年やってみての手応えとか、あと、今後の期待もあればお伺いしたいです。


大臣

   まさに今、森林行政の世界は、昔、植えた木がちょうど育って、今まさに利用しなくていつ利用するのだというぐらい、資源量が十分な状況になりました。
   その中で、なかなか国内での需要というのが、住宅着工件数を見ても、人口減少の中で苦労するわけですから、やはり、公共はもちろんでありますけれども、大型の商業ビル、そうしたものも木造化を進めていくということが大事かと思います。
   先日は西武グループと、利用促進協定を結ばせていただきましたが、やはり、ああいった協定がこれからも増えて、多くの企業の皆さんが木材を利用して自分のところの建築をすること自体が、商業ベースで見ても価値につながるのだという、渋谷のマルイさんの例も私はそうだと思います。そうした動きが更に国内で広まっていけるように、これは金子国土交通大臣と私とでやってきた木材利用の法律、町の木造化の法律でありますから、更にドライブがかかるように、頑張っていきたいと思います。


記者

   お話、先ほどからあるとおり、在任中、米政策に関しても転換点と言えるような時期にあったと思います。
   大臣御自身、東北で、かつ米どころの山形の選出の大臣として、そういった生産者の思いというのが常に身近にある中で職務に当たってきたと思いますけれども、そういった意味では、どういったことを心に留めながら職務に当たってきたかという点について、お聞かせいただければと思います。


大臣

   私自身、この2年間、令和の米騒動というのが始まって以来、マーケットも激しい動きだったと思いますし、またそれは、政治の側も、出すメッセージが時には政権によって異なっているということで、生産現場の皆さん、またそして、流通に携わっている皆さん、またもちろん、消費者の皆さんからも、大変、そこに様々な受け止めがあったというふうに認識をしています。
   ただ、私としては、一番大事だというふうに考えているのは、生産現場の皆さんが、一度、水田を諦めてしまって、耕作放棄になってしまえば、もうそこはなかなか元に戻ってまいりませんので、日本の食料の安定供給、供給力というのを考えた時に、やはり生産現場の皆さんが、これだったら来年も10年先もやってみようというふうに思えるような、そういう方向性が大事かなというふうに、常に現場の皆さんのことを頭に浮かべながら、これは私の地元だけではなくて、東北だけではなくて、全国様々な立地条件で、農業に従事していただいている皆さんがいますから、それぞれの作物ごとに、その皆さんの立場だったらどうだろうかということを思いながら、行政に当たらせていただいたところであります。
   まだまだ、本当は1年で何かがドラスティックに、当然、変えられるわけでもございませんので、農政の世界は、ちょっと長い目でいろんなことに取り組む必要があろうかと思いますので、これからも、これは私自身のライフワークとして、しっかり取り組んでいきたいというふうに思います。


報道官

  よろしいでしょうか。それでは大臣会見を終了いたします。

以上