畜産経営における臭気低減対策評価方法の確立
ポイント
- 畜産農場の敷地内における臭気発生箇所、臭気の強弱を視覚化する「臭気マップ」を考案した。
- 畜環研式ニオイセンサと市販のGPSロガーの記録間隔を同期化し、農場内を巡回する。
- 得られた臭気及び位置情報から、農場地図上に臭気の強弱を示すアイコンを配置し、臭気マップを完成させる。
- 臭気マップにより、畜産農家と関係機関団体の共通認識に基づく臭気低減対策がスムーズに行えるようになる。
畜環研式ニオイセンサとGPSロガー
上:GPSロガー下:畜環研式ニオイセンサ
畜環研式ニオイセンサは畜産由来の臭気を吸引し、臭気指数(相当値)を表示するセンサーである。GPSロガーはレジャー等で使用される市販品(1万円程度)を使用している。栃木県では両計測器の測定間隔を10秒とし、臭気マップの作成を行っている。
畜産農場での臭気測定
臭気測定の概略
測定間隔を同期化したニオイセンサとGPSロガーを同時に測定開始する。悪臭防止法において、規制基準となる敷地境界線上から測定を開始し、次に、強い臭気が発生する農場内部の測定を行う。強い臭気が測定される場所では、その箇所の写真を撮影しておくと、後の臭気低減対策の検討に役立つ。
データ処理
上:エクセルシート下:国土地理院マップシート
得られた位置情報及び臭気の情報を貼り付け、臭気の情報と位置情報をリンクさせる。地図上に臭気情報を落とし込むには、エクセルシートによる方法と国土地理院マップシートを使用したWEBマップ(国土地理院地図等)を使用する方法の2手法を考案した。WEBマップを使用する手法では、パソコンの他、スマートフォンやタブレットを使用した臭気マップの作成が可能。
完成した臭気マップ
臭気マップ
農場で撮影した写真を組み込み、臭気マップは完成となる。臭気の発生箇所と強弱が示された農場地図と臭気発生箇所の写真により、畜産農家及び関係者が共通認識を持ち、効率的な臭気低減対策が可能となる。
農林水産省のコメント
畜産経営に起因する苦情件数の過半を占める悪臭問題を減少することは、今後の畜産経営の健全な発展に資するものと考える。
【生産局畜産部畜産振興課】
詳細情報
Microsoft® Excel による臭気マップの作成方法と指導への応用(PDF:1,657KB) [外部リンク]
臭気マップ作成手法及び活用方法について[外部リンク]
養豚農場における臭気低減対策のポイント[外部リンク]
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本研究成果は「戦略的プロジェクト研究推進事業」(「家畜ふん尿処理過程からの悪臭低減技術の高度化」及び「総合的な悪臭低減、臭気拡散防止技術の開発」 )の⽀援を受けて得られたものである。
問い合わせ先栃木県畜産酪農研究センター |
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