林業及び水産業の改良普及事業に従事する職員に対する農林漁業改良普及手当の支給について
39林野普第 351号
昭和39年8月31日
一部改正:平成13年4月1日 12水推 第1977号
都道府県知事あて
農林事務次官
農林漁業の改良普及事業を推進するため、これらの事業に従事する職員が都道府県に設置されているが、これら改良普及事業に従事する職員(以下「普及指導職員」という。)の任務は科学的な技術および知識と教育的な指導能力を必要とし、また、巡回指導を主とする不規則かつ強度の勤務を伴い、しかも、その職務の複雑困難の度は最近の農林漁業の事情を反映してますます加重しつつある実情である。
このような普及指導職員の勤務の特殊性にかんがみ、すでに昭和38年度より農業改良普及職員に対しては農業改良普及手当として手当支給の措置が講ぜられたが、これと勤務の態様が全く同様である林業、水産業、蚕業および開拓の各普及指導職員に対しても、今回、農林漁業改良普及手当の支給ができるよう、地方自治法等の一部を改正する法律が、昭和39年7月法律第169号をもって交付され、農林漁業改良普及手当に係る規定は、同日施行のうえ、昭和39年4月1日から適用されることとなった。
この措置は、最近における農林漁業の事情の推移、技術の進歩向上に即応して、普及指導職員がその職務に精励しうるようにするとともに優秀な人材の確保をはかり、改良普及事業を刷新強化することとも関連して行われたものであるので、その運用については、下記事項を十分ご了知のうえ、遺憾のないようにされたい。
以上、命により通知する。
記
第1 農林漁業改良普及手当の支給
1 都道府県は、条例で定めるところにより、林業及び水産業の改良普及事業に従事する職員に対して、農林漁業改良普及手当(以下「普及手当」という。)を支給することができる。
2 国は、第2に掲げるもの者が第3に定める支給の要件に該当する場合において、都道府県がこれらの者に対して第4の普及手当の支給額を支給したときに、都道府県に対し当該支給額に相当する費用の一部を補助するものとする。
第2 普及手当の支給の対象
普及手当の支給の対象は、次に掲げる都道府県の常勤の職員とする。
(1) 試験研究機関と密接な連絡を保ち、林業または水産業に関する専門の事項について、調査研究を行うとともに林業または水産業に係る(2)に掲げる職員を指導することを職務とする職員(以下「専門技術員」という。)であって別記1に掲げるもの。
(2) 林業若しくは水産業を行い又はこれらに従事する者に接して、林業又は水産業に関する技術及び知識を普及指導することを職務とする職員(以下「普及員」という。)であって別記第2に掲げるもの。
第3 普及手当の支給の要件
専門技術員及び普及員は、月の初日から末日までの間において次の各号に掲げる日に該当しない日(以下「勤務を要する日」という。)のうち、第2の(1)又は(2)に掲げる事務(以下「普及事務」という。)に従事している日及び公務上の負傷若しくは疾病又は通勤による負傷若しくは疾病によるものとして承認された休暇の事由により勤務をしていない日の合計が、その月の勤務を要する日の合計の2分の1以上となるよう、普及事務に従事していなければならない。
(1) 条例の規定により勤務を要しないとされた日曜日及び土曜日並びに公務の運営上特に必要があると認められたため勤務を要することとされた日曜日又は土曜日に代えて勤務を要しない日とされた日
(2) 国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日
(3) 12月29日から1月3日までの日(前号に規定する休日を除く)
第4 普及手当の支給額
普及手当の月額は、給料の月額に第2の(1)に掲げる職員にあっては100分の8以内、第2の(2)に掲げる職員にあっては100分の12以内において、それぞれ条例で定める支給割合を乗じて得た額とする。
第5 その他
地方自治法等の一部を改正する法律は、昭和39年7月11日公布され、同法中地方自治法(昭和22年法律第 67号)第204条第2項の農林漁業改良普及手当に係る改正規定(以下「改正規定」という。)は同日施行のうえ、4月1日から適用されることとなったので、この普及手当は昭和39年4月分からさかのぼって支給することができるのであるから念のため申し添える。
なお、この普及手当て支給のため所要の条例改正を行うにあたっては、従来の農業改良普及手当は、この通知による普及手当とともに「農林漁業改良普及手当」として規定することとされたい。
別記 第1 専門技術員であって普及手当の支給対象となるもの
(林業関係)
林業関係にあっては、森林法(昭和26年法律第249号)第187条第1項に規定する林業専門技術員に任用されている者(ただし、森林法施行令の一部を改正する政令(昭和32年政令第 185号)附則第2項により林業専門技術員に任用される資格を有するものとされた者については、当該政令施行の日(昭和32年7月14日)から改正規定施行の日(昭和39年7月11日)の前日までの間に林業専門技術員に任用されたものに限る。)
(水産業関係)
水産業関係にあっては、次の(1)又は(2)のいずれかに該当する者
(1) 農林水産大臣が行う水産業専門技術員資格試験に合格した者
(2) 学校教育法による大学(同法第69条の2に規定する大学を除く。)、独立行政法人水産大学校法(平成11年法律第191号)による独立行政法人水産大学校、独立行政法人国立公文書館等の設立に伴う関係政令の整備等に関する政令(平成12年政令第333号)による改正前の農林水産省組織令(平成12年政令第253号)による水産大学校又は旧農林水産省組織令(昭和27年政令第389号)による水産大学校(以下「水産大学校」と総称する。)において水産業、生物、化学、食品製造、機械、電気、機関、電気通信、経済又は経営に関する正規の課程を修めて卒業した者であって、国若しくは地方公共団体の試験研究機関、独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)による試験研究機関若しくは別記第4に掲げる試験研究機関又は学校教育法による大学、水産大学校若しくは別記第4に掲げる教育機関において水産業に関する試験研究若しくは教育に従事した期間若しくは専門技術員若しくは普及員として水産業に関する技術についての普及指導に従事した期間又はこれらの期間を通算した期間が最近15年のうち、12年以上に達するもの
別記 第2 普及員であって普及手当の支給の対象となるもの
(林業関係)
林業関係にあっては、森林法第187条第1項に規定する林業改良指導員に任用されている者(ただし、森林法施行令の一部を改正する政令附則第2項による林業改良指導員に任用される資格を有するものとされた者については、当該政令施行の日から改正規定施行の日の前日までの間に林業改良指導員に任用されたものに限る。)
(水産業関係)
水産業関係に係る普及員にあっては、次の(1)又は(2)のいずれかに該当する者
(1) 農林水産大臣の定めるところにより都道府県が行う水産業改良普及員資格試験に合格した者(従前の改良普及員資格試験に合格した者および知事が必要に応じ他の都道府県の行う改良普及員資格試験に合格した者を当該資格と認めて任用した者を含む。)
(2) 別記第1の(水産業関係)の(2)に規定する学歴を有する者で同(2)に規定する試験研究機関若しくは教育機関又は学校教育法による高等学校において別記第1の(水産業関係)の(2)の職務に従事した期間が最近8年のうち6年以上に達するもの
別記 第3 試験研究機関、教育機関
1 別記第1の(水産業関係)の(2)の別記第3に掲げる試験研究機関は、社団法人日本栽培漁業協会とする。
2 別記第1の(水産業関係)の(2)の別記第3に掲げる教育機関は、次のとおりとする。
(1) 財団法人漁村教育会全国漁業協同組合学校
(2) 北海道漁業協同組合学校