概説
1 施策の重点
四半世紀ぶりに改正された食料・農業・農村基本法に基づく、初の食料・農業・農村基本計画(以下「基本計画」という。)を令和7(2025)年4月に策定しました。この基本計画の下、我が国の食料供給、輸出の促進、国民一人一人の食料安全保障・持続的な食料システム、環境と調和のとれた食料システムの確立・多面的機能の発揮、農村の振興、国民理解の醸成、自然災害への対応等に関する施策を展開しました。特に食料・農業・農村基本法改正後の令和7(2025)年度から令和11(2029)年度までの初動5年間の「農業構造転換集中対策期間」において、食料安全保障の確保や農業・畜産業の生産基盤の強化等を推進するため、コストの徹底的な低減に向けた農地の大区画化等、共同利用施設の再編集約・合理化、スマート農業技術の開発と生産方式の転換・実装、輸出産地の育成といった施策に集中的・計画的に取り組みました。この施策の実施に要する経費の財源に充てるため、「農業構造転換の推進に必要な施策の集中的な実施の財源に充てるための日本中央競馬会の国庫納付金の納付に関する臨時措置法案」を、「日本中央競馬会法の一部を改正する法律案」と併せて第221回特別国会に提出し、両法案は令和8(2026)年3月31日に成立しました。
また、東日本(ひがしにほん)大震災及び東京電力福島第一(とうきょうでんりょくふくしまだいいち)原子力発電所(以下「東電福島第一原発」という。)事故からの復旧・復興に向け、関係府省庁と連携しながら取り組みました。
2 財政措置
(1)令和7(2025)年度農林水産関係予算額は、2兆2,706億円を計上しました。本予算を活用し、食料安全保障の強化、農業の持続的な発展、農村の振興(農村の活性化)、「みどりの食料システム戦略」(以下「みどり戦略」という。)による環境負荷低減に向けた取組強化、多面的機能の発揮等に取り組みました。また、令和7(2025)年度の農林水産関係補正予算額は、9,602億円を計上しました。
(2)令和7(2025)年度の農林水産関連の財政投融資計画額は、6,265億円を計上しました。このうち主要なものは、株式会社日本政策金融公庫(にっぽんせいさくきんゆうこうこ)(以下「公庫」という。)による借入れ6,194億円となりました。
3 立法措置等
(1)第217回通常国会において、以下の法律が成立しました。
- 「土地改良法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第14号)(令和7(2025)年4月施行)
- 「食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律及び卸売市場法の一部を改正する法律」(令和7年法律第69号)(令和7(2025)年10月一部施行)
(2)令和7(2025)年度において、法律に基づく以下の基本方針が公表されました。
- 「食料供給困難事態対策法」(令和6年法律第61号)に基づく「食料供給困難事態対策の実施に関する基本的な方針」
- 「食品等の持続的な供給を実現するための食品等事業者による事業活動の促進及び食品等の取引の適正化に関する法律」(平成3年法律第59号)(以下「食料システム法」という。)に基づく「食品等の持続的な供給を実現するための食品等事業者による事業活動の促進に関する基本的な方針」及び「食品等の持続的な供給を実現するための食品等の取引の適正化に関する基本的な方針」
- 「果樹農業振興特別措置法」(昭和36年法律第15号)に基づく「果樹農業の振興を図るための基本方針」
- 「花きの振興に関する法律」(平成26年法律第102号)に基づく「花き産業及び花きの文化の振興に関する基本方針」
- 「お茶の振興に関する法律」(平成23年法律第21号)に基づく「茶業及びお茶の文化の振興に関する基本方針」
- 「酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律」(昭和29年法律第182号)に基づく「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」
- 「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」(平成11年法律第112号)に基づく「家畜排せつ物の利用の促進を図るための基本方針」
- 「養豚農業振興法」(平成26年法律第101号)に基づく「養豚農業の振興に関する基本方針」
4 税制上の措置
以下を始めとする税制措置を講じました。
(1)食料システム法に基づく安定取引関係確立事業活動計画等の認定を受けた場合に、中小企業経営強化税制、カーボンニュートラルに向けた投資促進税制、事業再編時の登録免許税の軽減措置の特例を適用することとしました。[所得税、法人税、登録免許税]
(2)農業経営基盤強化準備金制度について、対象となる農用地を地域計画内の農用地に限定するなどの見直しを行った上、2年延長しました。[所得税・法人税]
(3)農用地利用集積等促進計画に基づき取得する農用地区域内にある土地に係る課税標準の特例措置を2年延長しました。[不動産取得税]
(4)農業協同組合(以下「農協」という。)等が一定の資金の貸付けを受けて取得した共同利用施設に係る課税標準の特例措置を2年延長しました。[不動産取得税]
(5)農協等が一定の資金の貸付けを受けて取得した共同利用機械等に係る課税標準の特例措置を2年延長しました。[固定資産税]
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