1 農林水産物・食品の輸出の促進
(1)需要拡大の取組
ア 認定品目団体、輸出支援プラットフォーム等の連携による新市場開拓
(ア)JFOODOによる認定品目団体等と連携したプロモーション、複数品目を組み合わせた品目横断的な取組、食文化の発信体制の強化等を含めた戦略的プロモーションを支援しました。
(イ)独立行政法人日本貿易振興機構(にほんぼうえきしんこうきこう)(JETRO(ジェトロ))による国内外における商談会の開催、海外見本市への出展、セミナーの開催、専門家による相談対応等を支援しました。
(ウ)主要な輸出先国・地域において、在外公館、JETRO海外事務所、JFOODO海外駐在員を主な構成員とし、現地発の情報提供や新たな商流の開拓支援等を行う輸出支援プラットフォームを、令和8(2026)年3月末時点で10か国・地域(16拠点)に設置しました。
(エ)海外に活動拠点を置く日本料理関係者等の「日本食普及の親善大使」への任命、海外における日本料理の調理技能の認定を推進するための取組、外国人料理人等に対する日本料理講習会・日本料理コンテストの開催等への支援を通じ、日本食・食文化の普及活動を担う人材の育成を推進しました。
(オ)海外の日本食・食文化の発信拠点である「日本産食材サポーター店」を認定するための取組等への支援を行いました。
イ 輸出先国・地域の輸入規制撤廃等に向けた働き掛け等
(ア)輸出促進法に基づき、農林水産省に設置している「農林水産物・食品輸出本部」の下で、輸出阻害要因に対応して輸出拡大を図る体制を強化し、同本部で作成した実行計画に従い、放射性物質に関する輸入規制の撤廃、動植物検疫協議を始めとした食品安全等の規制等に対する輸出先国・地域との協議の加速化、輸出先国・地域の衛生基準や残留農薬基準への対応強化等の輸出拡大につなげるための環境整備を進めました。
(イ)東電福島第一原発事故及び多核種除去設備(ALPS(アルプス))等により、トリチウム以外の放射性物質について安全に関する規制基準を確実に下回るまで浄化処理した水(以下「ALPS処理水」という。)の海洋放出を受けて、いまだ日本産食品に対する輸入規制が行われている一部の国・地域に対し、関係省庁が協力し、あらゆる機会を捉えて輸入規制の即時撤廃に向けた働き掛けを実施しました。その結果、令和7(2025)年度においては、中国政府から、日本の一部地域の水産物の輸入停止措置を解除する公告が発出され、これにより、日本側輸出関連施設の再登録手続が開始されており、関連施設の速やかな再登録を含め、輸出の円滑化に向けて技術的なやり取りを継続しました。さらに、令和7(2025)年11月に台湾で輸入規制措置が撤廃され、これまで一部の食品を台湾に輸入する際に必要とされた放射性物質検査報告書及び産地証明書が不要となりました。
(2)供給力向上の取組
ア 海外の規制・ニーズに対応した生産・流通への転換
(ア)農林水産物・食品輸出プロジェクト(GFP)のコミュニティを通じ、農林水産省が中心となり輸出の可能性を診断する輸出診断や伴走支援、教育機関等と連携した輸出人材の育成、人材マッチングによるニーズに合った輸出人材の確保等を進めました。
(イ)海外の規制・ニーズに対応した生産・流通体系への転換を通じた大規模輸出産地のモデル形成等を支援するとともに、海外の規制・ニーズに対応した農林水産物を、継続的・安定的に輸出する産地を「フラッグシップ輸出産地」として選定・公表しました。
(ウ)認定品目団体が行う業界全体の輸出力強化に向けた取組を支援しました。
(エ)産地が抱える課題に応じた専門家を産地に派遣し、輸出先国・地域の植物検疫条件や残留農薬基準を満たす栽培方法、選果等の技術的指導を行うなど、輸出に取り組もうとする産地を支援しました。
(オ)輸出先国・地域の規制・条件に対応するため、食品製造事業者等の施設の改修・新設や機器の整備に対して支援しました。
(カ)コーデックス委員会が定めるHACCPをベースとした我が国発の食品安全マネジメント規格であるJFS規格について国際標準維持の取組を支援しました。また、JFS規格の国内外への普及に向けた取組を推進しました。
(キ)HACCPに沿った衛生管理を行う事業者が輸出に取り組むことができるよう、HACCPの導入に必要な一般衛生管理の徹底、輸出先国・地域ごとに求められる食品安全管理に係る個別条件への理解促進等のための研修会の開催等の支援を実施しました。また、輸出先国・地域が求める衛生基準に対応した輸出関連施設の新規認定や、輸出先の事業者等から求められる食品安全マネジメント規格、GAP等の認証の新規取得を促進しました。
(ク)植物検疫上、輸出先国・地域が侵入を警戒する病害虫に対する国内における発生実態の調査を進めるとともに、産地等のニーズに対応した新たな検疫措置の確立等に向けた科学的データを収集、蓄積する取組を推進しました。
(ケ)輸出先国・地域の検疫条件に則した防除体系、栽培方法、選果等の技術を確立するためのサポート体制を整備するとともに、卸売市場や集荷地等での輸出検査や登録検査機関のより一層の活用を行うことにより、輸出への取組を推進しました。
イ 国内外一貫した戦略的サプライチェーンの構築
(ア)国内の生産事業者と海外の現地販売事業者、両者をつなぐ国内外の商社等で構成されるコンソーシアムが行う、生産から現地販売までが一体となった新たなサプライチェーンモデルの構築に向けた取組を支援しました。
(イ)海外での物流・商流等の拠点づくりを通じたサプライチェーン構築に向け、農林水産物・食品に関連する事業者が行う投資可能性調査を支援しました。
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