多収・高品質な複合病害抵抗性の緑茶用品種「さえあかり」
ポイント
- 樹勢が強いZ1と高品質の「さえみどり」を交配して選抜・育成した緑茶用品種。
- チャの主要病害である炭疽病、輪斑病と赤焼病に抵抗性で、有機栽培にも適する。
- 樹勢が強く、初期生育が旺盛で、収量は「やぶきた」と「さえみどり」より多い。
- 一番茶から夏茶まで「やぶきた」より製茶品質が優れる。
- 主要品種「やぶきた」より摘採期がやや早く、栽培適地は静岡県以南。
「さえあかり」の育成系統図と一番茶園相

上は育成系統図、下は一番茶園相を示す。
「さえあかり」は2012年に品種登録(第22070号)された。
「さえあかり」の病害抵抗性

*赤焼病の写真中の赤い星印は病斑を示す。
「やぶきた」に比べ、炭疽病の発生が少なく、輪斑病菌を接種しても病斑は拡大せず、赤焼病菌を接種しても発病が少ない。これらの耐病性の特徴は有機栽培への適性を示す。
「さえあかり」の収量(育成地)

2006~2009年の育成地の平均値を示す。
「さえあかり」は全ての茶期で「さえみどり」と「やぶきた」より収量が多い。
「さえあかり」の製茶品質

審査評点は各茶期において「やぶきた」の評点を100とした場合の相対値。
「さえあかり」は全ての茶期で「やぶきた」より製茶品質が優れ、夏茶は「さえみどり」よりも優れる。
「さえあかり」の荒茶外観と水色

荒茶外観(上)と水色(下)。
荒茶外観は色沢が鮮緑で、形状は細よれする。水色は鮮かな緑色を呈する。
「さえあかり」の早晩性と耐寒性

2006~2009年の育成地の平均値を示す。
「さえあかり」の一番茶の萌芽期と摘採期は「やぶきた」よりやや早く、「やや早生品種」である。耐寒性は「さえみどり」より強く、栽培適地は静岡県以南である。
農林水産省のコメント
「やぶきた」とは摘採期が異なる耐病性品種であり、本品種の導入により農薬散布回数の軽減と各種作業時期分散が期待できる。「やぶきた」から本品種への改植を推進することで、今後の経営規模拡大と労働力不足への対応が期待できる。
【生産局地域対策官】
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