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水路やため池の通水障害を起こす外来生物の見分け方_オオカナダモ

オオカナダモ

国内分布

  • 1940年代に山口県で野生化の記録があり、1970年代には琵琶湖で異常繁殖し問題となった。
  • 国立環境研究所の情報によると、北海道と沖縄を除く45都府県で分布が確認されている(2023年1月時点)。


(出典:「侵入生物データベース」国立環境研究所)


主な生育場所

  • 水路、ため池など多様な水域に生育し、日当たりの良い水深の浅い環境を好み、止水域や流れの緩やかな流水で繁殖。
  • 水質汚濁や低水温にも強く、冬期も枯れずにそのまま越冬する。

水路での繁茂の状況(7月)

水路での繁茂の状況(11月)

排水機場除塵機に絡まった様子(9月)

調整池での堆積の状況(11月)





繁殖・生育拡大の方法

  • 栄養繁殖が盛んで、再生能力が高く、茎や葉の切れ端から根を出し増殖する。
  • 雌雄異株だが、日本での定着は雄株だけであるため種子繁殖はない。
  • 異常繁殖した後、衰退して安定または消滅する傾向がある。

形態・特徴

  • 根は水底の土に固着し、植物体全体が水面下に沈んだ状態で生活する沈水植物(多年生)。
  • 茎はやや八角円筒形で柔軟。太さ2~3mmで、草丈は1m余りに達する。
  • 葉は3~6枚が輪生。茎に密につき鮮緑色でよじれは少ない。長さ1.5~3cm、幅3~6mm、上半縁に細かいギザギザ(鋸歯、きょし)があり、先がとがっている。
  • 開花期は5~10月頃。花柄を伸ばして水面に白い花を咲かせる。一日で終わる一日花。花弁は3個、白色膜質で長さ9~11mm、幅7~8mm。基部内部は黄色。

植物体の形や大きさ

葉や茎の様子(葉は密につく)

輪生した葉(通常は4枚)

花柄を伸ばして水面で咲く花(7月)



間違えやすい種との見分け方

  • オオカナダモは、同じ外来種のコカナダモ、在来種のクロモと似ている。
  • これら3種は、大きさのほか、茎から輪生する葉の特徴で区別することが可能。

植物体の形や大きさの違い


(上からオオカナダモ、コカナダモ、クロモ)
(写真提供:(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所)

葉の大きさや輪生する数の違い


(上からオオカナダモ、コカナダモ、クロモ)
(写真提供:(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所)



注意すべき事項

  • オオカナダモは、生態系被害防止外来種リストのカテゴリ区分で、甚大な被害が予想されるため、対策の必要性が高い「重点対策外来種」に指定されている。
  • 特定外来生物のように法律の規制はないが、繁殖力が高いため、移動や運搬の際に拡散させないよう、注意して取り扱う必要がある。


参考情報

  • 浜島繁隆・須賀瑛文(2005):ため池と水田の生き物図鑑 植物編,トンボ出版,大阪府
  • 環境省自然環境局:特定外来生物  同定マニュアル  植物,https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/manual/10hp_shokubutsu.pdf
  • 国立環境研究所生物多様性領域生態リスク評価・対策研究室侵入生物研究チーム:侵入生物データベース,https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/
  • 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所:淡水魚・水生植物・外来種・大阪府の水辺の生物図鑑  水草図鑑(外来種),https://www.knsk-osaka.jp/zukan/zukan_database/mizukusa_gairai/list.html
  • 神戸市総合教育センター研修育成課情報教育推進室:神戸教育情報ネットワーク  デジタル化神戸の自然シリーズ14  神戸の水生植物,http://www2.kobe-c.ed.jp/shizen/wtplant/wtplant/index.html



写真の無断転載はできませんのでご注意ください。
※このページの情報は、令和5年3月のものです。

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