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農林水産省

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武部農林水産大臣就任記者会見概要

日時 令和8年10月15日(木曜日)21時24分~22時44分 於: 本省講堂
主な質疑事項
  • (大臣から)農林水産大臣就任にあたって
  • 大臣就任に当たっての総理からの指示について
  • 農林水産行政の優先課題について
  • 大臣就任に当たっての姿勢について
  • 米の需給見通しと需要に応じた生産について
  • 森林・林業基本計画の推進と予算について
  • 海洋環境の変化に対応した水産政策について
  • 新たな水田政策の制度設計とセーフティネット対策について
  • 生産資材の価格高騰対策と価格転嫁について
  • 農業の担い手の確保と中山間地域への支援について
  • 諫早湾干拓事業と有明海の再生について
  • 米の需給と価格について
  • 米国産生鮮ばれいしょの輸入解禁協議について
  • JAグループへの期待について
  • 脱脂粉乳の在庫対策と需要拡大について
  • 米のコスト指標について
  • 水産資源の管理について
  • 地域計画の実現と農業委員会への期待について
  • 政府備蓄米の買戻しについて
  • 主食用米以外の米の需要開拓について

冒頭発言

大臣

   この度、農林水産大臣を拝命しました武部新です。
   農林水産省の最も重要な使命は、国民の皆様に食料を安定的に供給することだと考えております。一方で、農林水産業を取り巻く環境は、国際情勢の不安定化や自然災害、気候変動等の影響、人口減少や高齢者の引退による農業者の急減など、大きく変化しています。
   このような中でも、食料安全保障を強化していくために、国内外の需要拡大を進めるとともに、拡大した需要に対応できるよう、生産基盤を維持し、生産性や付加価値の向上を進めることにより、供給力を強化します。加えて、温暖化等の環境変化に対応できる植物工場や陸上養殖等への投資を促進します。
   我が国の主食である米については、令和9年度からの水田政策の見直しの骨格を取りまとめたことから、現場の御意見を丁寧に把握しつつ、今後、支援単価の水準など詳細な制度設計を具体化します。
   また、政府備蓄米の買戻しにつきましては、食料安全保障の観点から、適正備蓄水準への回復を進めていく必要があります。このため、令和7年産21万トンの買戻しを着実に実行してまいります。
   さらに、令和11年度までの農業構造転換集中対策期間におきまして、農地の大区画化や中山間地域におけるきめ細やかな整備、共同利用施設の再編集約・合理化、スマート農業の導入加速化、輸出産地の育成を集中的かつ計画的に推進し、農業の生産性や付加価値を高めることによって、収益力を向上することを後押ししてまいります。
   森林・林業分野につきましては、本年6月5日に閣議決定されました、新たな森林・林業基本計画の下、森林資源の循環利用を促します。「森の国・木の街」を目指し、林業経営体の育成や森林の集積・集約化を進めるとともに、CLT等を活用した国産材の利用拡大も推進します。
   水産分野につきましては、海洋環境の激変に対応するため、水産資源の調査評価の強化や、協業化等の推進、新たな操業形態の転換、未来の漁業を担う経営体・人の確保など、今後の水産政策の基本となる新たな基本計画の検討を進め、水産業の強靱化に向けた大胆な変革を進めて参ります。加えて、漁村の活性化に向けて、地域資源等を活用する海業の全国展開を推進して参ります。また、太平洋クロマグロの国際交渉におきましては、関係国への働きかけ等を行い、今後の関係会合における適切な漁獲枠の設定に向け、尽力してまいります。
   我が国の農林水産業・食品産業は、国民に食料を安定的に供給する役割を果たしながら、地域の経済も支えています。それらが、次の世代に確実に継承され、若者が夢と希望を持って取り組めるよう、2万人の農林水産省職員とともに、現場の声に耳を傾けながら全力を尽くしてまいります。
   冒頭、私から以上です。


質疑応答

記者

   私から3問質問があるのですけれども、1問ずつ伺います。
    1つ目が、高市総理から大臣就任に当たり、どのような指示を受けたのでしょうか。


大臣

   総理からは、8つの項目について指示をいただきました。
    1つ目は、食料・農業・農村基本法に基づき、食料安全保障の確保等を推進する他、完全閉鎖型植物工場や陸上養殖施設等を展開すること。また、米などの安定供給を推進すること。
    2つ目ですが、資材等の価格高騰対策に取り組むことととともに、農業構造転換集中対策期間に集中投資を実施すること。
    3つ目は、2030年に5兆円の輸出目標を実現すること。
    4つ目は、関係大臣と協力して、人口急減地域への支援を強化すること。
    5つ目は、農林水産物や加工食品の輸入停止への対応に万全を期すこと。
    6つ目は、「ノングルテン米粉」の生産設備を拡充し、海外市場を開拓すること。
    7つ目は、関係大臣と協力して、肥料の国産化の促進など自律性向上に取り組む。
    8つ目は、日本の製品・サービス・インフラの、同志国への輸出増加のための取組を行うこと。
   この8つの総理指示を踏まえまして、全力を挙げて対応してまいりたいと思います。


記者

   次に、今の農林水産行政の課題認識について伺います。
   地元の北海道ではなのですけれども、水田政策の転換ですとか、あと、米国産の生食用ジャガイモの輸入協議、生乳の需給緩和など、生産者の経営に直結する課題は様々あります。
   その中で、今の農林水産行政で優先度が高いテーマ、課題は何でしょうか。また、それらにどう対応するかも併せて教えてください。


大臣

   命の産業であると、私は、農林水産業のことを思っております。その農林水産業を徹底的に支援することに努めてまいりたいと思っています。食料安全保障の確保、これが一番肝心なことだと思っております。
   その上で、今、お話にありましたとおり、米の需給の安定を図りつつ、新たな水田政策の詳細の検討を進めてまいりたいと思っています。
   また、消費者の皆様方に御理解をいただきながら、農林漁業者の皆様方が、再投資・再生産できる合理的な価格形成を作っていくことも、食料安全保障上大切なことです。
   また今、気候変動・環境変化に的確に対応するために、総理からの指示もありましたけれども、フードテックを推進していくことだと思います。農業構造転換をしっかりと進めて、供給力を強化していくということが大きな柱になると思っています。
   また、地元、私も北海道でありますので、北海道は、ばれいしょの8割を生産している地域でもあります。また、ばれいしょは全国でも生産していただいている大切な農作物であります。米国産のばれいしょの輸入のことについて、現場から、大変、心配・懸念の声が出ていると思いますけれども、これもしっかりとリスク評価・リスク管理、これについて私どもはしっかり米国とリスク管理について交渉して、毅然とした対応をとってまいりたいというふうに思います。
   様々な重要な課題に直面しているという認識でいますので、この大変困難な局面を、しっかりと農業構造転換を図りながら、食料安全保障の確保に努力をしてまいりたいと思います。


記者

   最後に、今後、大臣として公務に当たる上での姿勢を伺います。
   簗前農水相が1か月あまりで辞任し、生産現場では政治不信ですとか、農政の停滞を懸念する声が上がっています。こうした現場の声にどのような姿勢で臨むのか、農林水産行政のトップとしてどのような心構えが必要なのか、教えてください。


大臣

   簗大臣の発言についてはあってはならない発言だと思いますし、簗前大臣についても猛省をされていると思います。
   この発言も含めて、我々は、しっかりと農林水産行政を、公平性、透明性を持って推進していくことが生産者の皆様方、或いは消費者の皆様方の信頼を回復していくことに繋がっていくのだろうというふうに思います。先頭に立って、公平・透明・信頼を回復するために、先頭に立ってまいりたいというふうに思います。


記者

   米政策について、1問お願いいたします。
   先日、26年産の主食用米、数量が741万トンになる見通しが公表されまして、来年6月末の民間在庫が最大で270万トンまで積み上がることが明らかになっております。27年産では、「大規模な作付転換」ですとか、「需要に応じた生産」、求められる状況かと思いますけれども、今後の対応方針についてお聞かせください。


大臣

   10月13日に発表いたしました、「令和8年度水稲の9月25日現在の予想収穫量」は741万トンとなっております。千葉県を始めとする、災害や長雨の詳細な影響等については、この数字には含まれておりません。次回以降の統計に反映することとなるものの、現時点においては、9月に策定した米の基本指針の需要見通しの最大値711万トンを大幅に超える生産が見込まれています。今、お話があった令和9年6月末の民間在庫量も、今月末の食糧部会でお示しする予定ではございますけれども、民間在庫も243万トンを上回るという見込みがされているところです。
   米の需給の安定を図るためには、令和9年産に向けて、まずは、主食用米のみならず、加工用米、米粉用米、輸出用米等の需要の開拓を進めることが、大変、重要だと考えています。今も、需要に、我々、生産が追いついていない状態だというふうに思っておりますので、多様な米の「需要に応じた生産」を徹底することが基本的な方針です。
   また、こうした方針を推進していくためには、多様米についてのきめ細かい需給状況や、令和9年度以降の新たな水田政策の情報について、確実に産地に届けていくことが重要であります。
   このため、農水省としましても、地方自治体、生産者団体、都道府県・地域農業再生協議会等ともしっかりと意見交換を行って、現場の皆様に早め早めの情報提供を行ってまいりたいと思います。


記者

   林業分野についてお聞きいたします。
   御挨拶にもありましたが、新しい森林・林業基本計画が動き出しまして、この内容は森林を守り育てることと、そこから出てきた木材を上手く、上手に使っていくという、両立を目指すということになりまして、非常に様々な取組が必要になるかと思います。その中で、今年度の予算の要求の立て付けが変わり、計画を遂行していく上で、どう予算を落とし込んでいくかという、このことについて、お考えをお聞かせいただければと思います。


大臣

   我が国の国土は、約7割を森林が占めている森林大国であります。森林を循環利用することは、日本列島全体を豊かにすることにも繋がりますし、2050年のネット・ゼロ、ネイチャーポジティブの実現にも資すると考えています。
   今、お話にあった、森林・林業基本計画におきましては、木材の幅広い新規需要の創出や、国産材の供給力の強化、国民生活の安全・安心を支える森林(もり)づくり等を進め、「森の国・木の街の実現」を図ることとしています。そのためには、しっかりとした財源を確保しなければならないと思っております。令和9年度予算概算要求におきましては、新たな投資枠や事項要求も活用しながら、地域の川上から川下までの関係者の連携による国産材サプライチェーン強靱化の重点的な支援を行います。また、国民生活の安全・安心を支える森林整備事業や治山事業等について、必要な予算を要求しているところです。
   しっかりと必要な予算を確保しまして、我々は、百年続く「森の国・木の街」の礎をしっかりと築いてまいりたいと思っております。


記者

   少し前の、漁港議連の北海道議連視察で、大変お世話になりまして、ありがとうございました。その際に、斜里漁港、ウトロ漁港などもありましたが、本来であれば、今の時期に賑わっていなければならない秋サケが取れないと、もうどこ行っても厳しい声がありました。
   海洋環境変化というのは、水産の現場では、非常に大きな、もう、波となって訪れていくと、漁業者ではどうしようもすることができないという課題の中で、水産政策として、今後、どのように海洋環境の変化に対応、適応していくのか、特に今後、半年間かけて水産基本計画及び漁港漁場整備長期計画というのが、新たな計画は立てていくことになるわけですが、どういう計画にしていくのかというのも含めて、お話、お伺いできればと思います。


大臣

   私の地元である、生まれ故郷でもありますけれども、斜里漁港とウトロ漁港の視察、漁港議連で視察をしていただきました。去年も、記録的な秋サケの不漁でありましたけれども、更に今年も、その半分になるのではないかという予測の中で、なかなかサケが取れないと、秋味が取れないという状態に陥っています。これだけ海洋環境の変化、気候変動が、水産だけではないですけれども、水産資源にも大きな影響を与えているというふうに思います。
   水産政策は、やはり資源をしっかりと確保することが大事ですので、科学的根拠に基づいたTACを基本とした資源管理、これに基づいて、効率性の高い、生産性の高い漁業を展開することが大事だと思っています。水産業の成長産業化を図るほか、近年の、今も申し上げましたけれども、海洋環境変化に、激変を受けた不漁への対応ですとか、或いは、海業の全国展開を推進することによって、魅力のある浜づくりをやっていく必要があるのだろうと思います。
   私も、自民党の水産総合調査会長を務めておりまして、その際に、魚を作り育てる養殖業の成長産業化や、地域にとって大切である水産物に付加価値を付ける、水産加工業の振興など、提言をさせていただきました。こうした基本的な方針の中にも、書かせていただいていますけれども、「水産基本計画」、令和9年に5年ごとの変更時期を迎えております。水産総合調査会でも、今、まさに議論をして、検討を重ねているところでありますけれども、9年春の新たな計画の策定を目指して、しっかりと農林水産省としても検討してまいりたいというふうに思います。
   併せて、9年春に、新たな漁港漁場整備長期計画の策定もあります。この長期計画の中で、大変、重要だなというふうな位置付けをしているのが、やはり海洋環境の激変に対応した漁港漁場整備であり、国土強靱化等の課題を踏まえてきた検討が必要だというふうに思っています。
   引き続き、現場の声に耳を傾けながら海洋環境の激変にも対応する、強い水産業、強い漁港漁場整備を進めてまいりたいと思います。


記者

   米政策について、大臣の考え方をお伺いいたします。
   簗前大臣や鈴木元大臣は、需要に合わせた生産を行っていくという方針を掲げておりました。大臣はこの考え方を継承するお考えなのか、それとも新たに方向転換するお考えなのか、全体として、米政策の考えも含めて教えていただければと思います。


大臣

   冒頭も申し上げましたけれども、米政策につきましては、「需要に応じた生産」をしっかりとしていくことが大事だというふうに思っています。
   主食用米のみならず、加工用米、輸出用米、米粉、飼料用米、これが、まだ十分に、そのニーズに対応して生産しているというふうな状況にはないですので、「需要に応じた生産」を進めるために、今まさに、新たな水田政策の検討をしているところであります。
   しっかりと今、先ほども申し上げましたけれども、711万トンを大幅に超える見通し、生産が予想されておりますので、また9年産に向けては、今、申し上げたとおり、需要の拡大も努めてまいらないといけないと思いますし、米に関わる全ての関係者が、大きな危機感を持って、「需要に応じた生産」を進めていく、需要を拡大していく、そのことに努力をしてまいりたいというふうに思います。


記者

    3点、お伺いできればと思います。
   水田政策について、来年度からの水田政策の取りまとめが11月に迫っています。
   特に水活の見直しでは、大臣もおっしゃられる、「需要に応じた生産」に向けて、十分な支援が必要という生産現場からの意見も強いです。
   今後、単価や要件について、大臣としては、どのようなことを重視して検討していかれたいでしょうか。併せまして、米の需給悪化に加えて、生産コストも上昇していますが、大臣としては、セーフティネット対策の必要性については、いかがお考えでしょうか。


大臣

   今の段階で、まさに詳細な制度設計の検討をしている最中なので、その単価ですとかについては、現時点で申し上げることはできません。
   ただ、今も申し上げたとおり、「需要に応じた生産」、多様な米を作っていただくために、生産者の皆様方が、意欲を持って取り組んでいただける水田政策にしたいというふうに思っています。たくさん、意欲を持って収穫を向上していけば、それだけ手取りが増えていくというような、そういうような制度設計をしっかりと作っていきたいと思いますし、また多様なお米を、先ほども言いました多様な米の需要を拡大しながら、需要に応じた多様な米を作っていただく、輸出用米、米粉用米、飼料用米も含めて、それを作ってもらえるような、意欲のわくような、そういう単価にしていく必要があるというふうに思っています。
   また、セーフティネットでありますけれども、今、申し上げたとおり、生産性を向上させて、頑張って収量を上げていこうと、そう思えるような制度にしていくことが、重要であるというふうに思っておりますし、現場からも、現行の水活の水準以上を確保するよう、そういう大きな要求をいただいているところでありますので、令和9年度の予算編成過程の中で、しっかりと決定してまいりたいというふうに思います。
   さらに、稲作農業者の経営安定に向けた収入保険ですとか、ナラシ対策といったセーフティネット対策については、米の需給や価格の安定にとって、大変、重要な政策だというふうに、重要だというふうに考えておりますので、これらも着実に実施しながら、農業者の皆様方が安心して営農活動を行えるように、しっかりと支えてまいりたいというふうに思います。


記者

   もう1点、現状の資材高についてだったのですけれども、肥料や飼料などの資材の価格が高騰していて、今、経営を圧迫しています。
   コスト高に対する支援の必要性について、大臣としては、どのようにお考えになられますでしょうか。また、価格形成についての言及もありましたが、コストを価格転嫁していく環境づくりに向けては、どのように取り組まれたいでしょうか。


大臣

   先ほど申し上げたように、高市総理からも、資材等の価格高騰対策についてしっかりと取り組めという御指示をいただいております。
   私も、現場を回っていますと、肥料が上がっている、生産資材が上がっている、それが、コスト高が経営を大きく圧迫していると、大変だというお声も聞いているところであります。
   生産支援の行動に対しては、現在の仕組みで言いますと、燃料や飼料の価格が高騰した際に補てん金を交付するセーフティネット対策があります。また、資金繰りについては、公庫の農林漁業セーフティネット資金の金利負担軽減措置もあります。これらを安定的に運用していきたいというふうに思っております。
   また、今、お話ありましたけれども、やはり消費者の皆様方の理解をいただいて、やはりコストが上がっている、それで再生産ができなくなる、或いは、再投資が出来なくなる、そういうことがないように、適正に価格転嫁を進めていくことも、大変、重要であるというふうに思います。
   そのための価格システム法(正しくは、「食料システム法」)でありますので、しっかりと、これも御理解をいただく努力もしてまいりたいというふうに思います。いずれにしても、中東情勢がまだ緊張が続いておりますので、燃料を始めとする、生産資材の価格については、全国的にも予断を許さない状況にあるというふうに認識しています。しっかりと価格動向を注視しながら、総理の指示も踏まえて、今あるセーフティネット政策もそうでありますけれども、具体的にどのような対応が適切か検討してまいりたいというふうに思います。


記者

   最後、担い手政策と中山間地域についてお伺いできればと思います。
   農業者の減少が続いている中で、地域の農地を引き受ける人手不足も深刻化しています。今後、農地や農業者の維持・確保に向けて、どのように取り組まれたいでしょうか。
   また、とりわけ中山間地域では、営農継続や集落機能の維持が、今後、人手の、農家の減少で難しくなることが懸念されますが、どのような支援が必要だとお考えになられますでしょうか。


大臣

   今まさに、水田政策の中で、中山間地域の支払いですとか、或いは、産地交付金ですとか、そういうのを活用していただいて、まず中山間地域でもしっかりとした所得を確保することが、中山間地域の担い手の皆様方が、農業を続けて、経営を続けていくという意欲を持ってもらえることだろうというふうに思います。
   そういった意味では、しっかり中山間地域でも、多面的支払も活用しながら、所得を確保していくということが大事だというふうに思っています。
   また、農村RMO(農村型地域運営組織)ですとか、農業者だけじゃなくて、様々な関係団体に協力いただいて、地域を一緒に守っていくということによって、また農業を続けていく意思、地域を守っていただけるような、そういう意欲に繋がっていくのだろうというふうに思います。
   しっかりと、まず若い皆様方に、農業をやりたいと思っていただくことが大事だというふうに思っています。
   今、現時点で、やはり高齢を理由に、農業を辞める方が大変増えている状況にあると思っています。ですので、若い方に就農していただける、支援なんかも充実していく必要があるというふうに思っております。
   様々な政策を組み合わせて、若い皆様方に農業にチャレンジしていただく、或いは継続していただける、中山間でも、条件の悪い地域でも取り組んでいただける、そのことをしっかりとやっていきたいというふうに思います。


記者

   今回、前任の大臣が途中で辞任するという、通常とはちょっと違う形での就任となりましたけれども、総理から、就任の打診があった際に、どういうお気持ちで就任を引き受けたのか、そこをお聞かせください。


大臣

   まずは、農林水産行政を停滞させるわけにはいかないという思いであります。
   これまでも、今の、農林水産大臣を拝命する前は、自民党の方の水産総合調査会長を務めておりましたし、農林水産副大臣も務めておりました、農林部会長も務めておりました。
   農林水産業がしっかりとしなければ、地方の経済は成り立ちません。地方の経済が元気を出さなければ、日本の経済は活力を取り戻すことができません。
   だからこそ、高市総理も、日本成長戦略の中に、或いは危機管理投資の中に、フードテックを入れたり、食料安全保障の確立についての御指示があったり、日本列島を強く豊かにするということには、都市部だけが活力があっても、日本は成長しないのだろう、強くならないのだろうと思います。
   地方がしっかりと強くなるためには、農林水産業が、全国で、様々な農業があり、様々な漁業があり、森林に囲まれた我が国でありますので、これらがしっかりと発展することが、最も大切なことだというふうに思います。
   総理から、農林水産大臣にというお話をいただいた時には、まさに、私は北海道を選挙区にしておりますけれども、全国でも有数な食料生産地域でありますけれども、まさにそういう思いでこれまでも政治活動をしてきましたので、その思いで、また、農政や林政、水産行政にも取り組んできたので、まさにこれまでの経験や知見を生かして、先頭に立って農林水産行政に取り組みたいなと、その思いを強くしておりましたので、高市総理からの御指名を、責任重大ですけれども、意思を強くして、取り組みたいという、そういう思いを強く思ったところです。


記者

   九州の有明海について、2点お伺いします。
   国営諫早湾干拓事業をめぐり、近年の農水大臣は開門によらない有明海再生を目指す方針を示されてきました。有明海再生をどのように実現させていくか、開門調査への考え方も含め、大臣の方針をお聞かせください。
    2点目ですが、歴代農水大臣は就任後に、有明海の現場となる佐賀、長崎への視察をするのが慣例となってきましたが、現地視察に関する武部大臣の意向を教えてください。なお、大臣は、就任前に移動政調会で、5月に佐賀県を訪問されたことがあると思うのですけれども、よろしければ、その際佐賀の農業の印象ですとか、それも一言触れていただければ幸いです。


大臣

   諫早湾の干拓事業につきましては、これまでの大臣談話に沿って、開門によらない有明海の再生を目指す考えには変わりはありません。具体的には、令和7年度に創設した有明海再生加速化対策により、各県の漁業団体の取組を後押ししていきたいというふうに思っています。
   また、現地訪問につきましては、これも相手もあることですので、現場の皆様の御都合も考慮しながら、今後、必要に応じて検討してまいりたいと思います。
   また、政調会の副会長をしていた時に、小林政調会長ととともに、佐賀を訪問させていただきました。あの時は、中山間地域、棚田を視察させていただいて、田植えをさせていただきました。佐賀は一面広大な、大規模な米農地もあれば、小さい棚田を大切に、環境を守りながら営農されている方々がいらっしゃるのだなという、佐賀でもいろんな農業があるのだなということを、改めて感じさせていただきました。残念ながら、田植えをした米の稲刈りには、政調会長は行かれたのですけれども、私は行けなかったのですけれども、政調会長から持って帰ってきていただいていますので、佐賀の棚田のお米をいただきたいというふうに思っています。
   先ほども申し上げたとおり、しっかりと景観を守って、地域を守って、棚田を守っていただいている皆さん方が、今回、新たな水田政策を展開しますけれども、中山間地域に対して、お話を聞いていると、まだまだ、我々が展開している中山間交付金も含めて、行き届いていないなというのが、正直、実感としてありました。こういったこともできるのですよというお話をした時にも、そうなのですかという話もありました。また、新たな中山間の交付金の見直しもしているところですということで、大いに期待もしていただいたところでありましたので、しっかり、佐賀のみならず、中山間地域の皆様方に、プッシュ型で、新たな水田政策の展開についても、我々、説明していきたいなというふうに思っています。


記者

    2点伺わせてください。
    1点目なのですけれども、米についてです。先程来、「需要に応じた生産」のお話なども出ておりますが、先ほど、大臣、おっしゃっていたとおり、民間在庫の量がかなり多くなって、価格の下落傾向も続いているというところです。
   今の需給環境や価格について、大臣はどのように評価していらっしゃるか、お考えをお聞かせください。


大臣

   価格については、需給のバランスですとか、取引環境が影響しますので、私の方から、この価格がどうだというふうなことは、差し控えさせていただきたいというふうに思います。
   ただ、先ほども申し上げたとおり、消費者の皆様方にも、しっかりと御理解をいただいて、再投資・再生産ができる、そういう価格にしていくことが、価格システム法(正しくは、「食料システム法」)も、今、走り出し始めましたので、しっかりと、それが着実に、この法律が運用されていくようにしていきたいと思います。
   これは価格の相談があった場合については、真摯に応じるということにもなっていますし、また或いは、フードGメンが、適正に価格が形成されているかということについても、ちゃんとチェックをするということになっています。
   まずは、当然、需給で決まることでありますけれども、この価格システム法(正しくは、「食料システム法」)が、しっかりと運用することによって、もちろん、消費者の皆さんの御理解は必要ですけれども、適正な価格になっていくように、我々としても、しっかりと、この法律を運用していきたいというふうに思います。


記者

   もう1点なのですけれども、アメリカ産の生じゃがいもの輸入解禁の件です。
   こちら、先ほどもお話があったとおり、生産者からは、かなり懸念の声も相次いでいます。大臣の御地元の北海道も、じゃがいもの一大産地でありますが、今後の交渉や検討について、どのように臨まれていかれたいでしょうか。また、この懸念を抱えていらっしゃる生産者の皆さんに対しては、どのように交渉について説明されて行かれたいか、お考えをお聞かせください。


大臣

   植物の輸入検疫協議というのは、我が国の農業に悪影響を及ぼすおそれのある病害虫の侵入防止を防ぐ観点から、WTOにおけるSPS協定に基づいて、相手国と科学的・技術的な議論を尽くして進めていくべきものです。
   この協議につきましては、相手国の期待や要請があるのは承知していますけれども、しっかりと悪影響のある病害虫を、侵入を食い止めるために、実効性のあるリスク管理措置について、協議をしっかりとしていかなければならないというふうに思います。
   特に、私の地元は、シストセンチュウが発生している地域でありますので、特にシストに関しては、大変、懸念とか、不安とか、非常にセンシティブに、生産者の皆様方、なっています。なので、生産者の皆様方にシストも含めた病害虫を、しっかりと入れない、管理をするために、科学的な根拠を持ちながら、双方、しっかりと交渉する必要があると思っています。毅然と対応してまいりたいというふうに思います。
   特に、先ほども申し上げましたけれども、ばれいしょは、全国で作っていただいて、地域にとって大切な作物でありますので、国内生産に重大な障害が起きてはならないというふうに思っております。ですから、悪影響の発生のおそれがある病害虫の侵入を許さないということを大前提に、毅然とした姿勢で協議に臨んでまいりたいと思います。


記者

   私からはJAグループについてお伺いしたいです。
   先ほどから、大きな農業課題など、いろいろな対策のことが出てきましたが、やはりそういった対策をしていくには、やっぱりJAグループの協力というのは必要になってくるかと思うのですが、改めて、大臣の方からJAグループについての御期待の言葉をお願いしたいです。


大臣

   JAグループの皆様方には、営農指導ですとか、或いは販売も含めて、大変大きな役割を担っていただいているというふうに思います。また、金融支援も含めて、農協が中心となって、農業だけではなくて、それぞれの街づくりの担い手でもあるというふうに思っております。今、何度も申し上げていますけれども、気候変動や国際情勢が、大変厳しい局面にある中で、農協さんが中心となって、地域の農業の振興に力を発揮していただいておりますので、しっかりと連携しながら、我々も、生産団体の皆様方と連携しながら、それぞれの農業の発展に、取り組んでまいりたいとの大きな期待をして、また連携しながら進めていければなというふうに思っています。


記者

   私からは酪農乳業の質問、2点、お願いします。
   まずは1点、脱脂粉乳の年度末在庫が高水準で積み上がる見通しの中で、大臣として、需給改善に向けてどのような対策を講じるお考えがあるのでしょうか。


大臣

   生産者の皆様方と、それからメーカーの皆様方、国も主導して、応分の負担をしているところでありますけれども、脱脂粉乳の在庫については、しっかりと協力しながら、全ての関係者が協力しながら、この在庫対策というのを行っていかなければならないというふうに思っています。
   それともう1つは、やはり、需要の拡大にも努めていかなければならないのだろうというふうに思っています。今年の在庫が詰まっていますけれども、例えば、いろいろと商品あるのですけれども、一部で、プロテインが足りない、市場が大きくなっているけれどもプロテインの価格が上がっている、ホエーが足りないというような、輸入の価格が上がっているというようなこともニュースで流れています。
   ここについても、国産の脱脂粉乳で作ったプロテインを商品開発しているメーカーさんもいらっしゃいます。なので、こういうような脱脂粉乳を使った商品開発をしながら需要を拡大していくという、そういう努力も必要なのだろうというふうに思います。
   そういう研究開発、もちろん在庫の対策もみんなで、関係者全員で取り組まなければなりませんけれども、需要の拡大をどう進めていくことができるかというのも大変大切な観点だというふうに思いますので、農水省としても、しっかりメーカーさんとも協議しながら、商品開発、需要拡大に努めてまいりたいと思います。


記者

    2点目というのは、まさにその需要拡大について大臣として注目している取組ですとか、商品といったものはないかということをお聞きしたかったのですが、今言っていただいたので、国としては、プロテインを国産に変えていくというような取組を、具体的にはどう後押ししていきたいというふうに考えていますか。


大臣

   基本的には、やはり、メーカーさんが、足りていない商品をしっかりと開発していくってことが大事なのだろうというふうに思います。
   また、我々、国としては、在庫対策、その在庫が、その脱脂粉乳をどう活用することによって、在庫を減らすことができるかということも関わってきますので、ここはいろんなプレーヤーが、ステークホルダーが、この在庫問題についてしっかりと危機感を持って、ただ、その在庫を、税金を使って減らしていくだけではなくて、みんな知恵を出して、どうやって、これ、活用していくことができるのか、商品開発ができるのかということにも取り組んでいただけるように、関係者の皆様方とも、Jミルクの皆様方ともいろんな協議をしていきたいというふうに思います。


記者

   私から、2点、質問させていただきます。
   まず1点ですが、先ほどいろんな質問の中で、米のことについてもいろいろありましたけれども、米のコスト指標についての大臣の評価をお聞かせください。米価が乱高下する中で、消費者への米価に対する理解醸成をどのようにしていくべきと考えるかということもお聞かせください。


大臣

   先ほども言いましたけれども、システム法が成立して、コスト指標を協議会の中で検討していただいて、米の指標ができました。
   価格というのは、先ほども申し上げましたけれども、需給のバランスで決まったり、取引の環境で決定するものでありますが、コスト指標を作った1つの意味というのは、消費者の皆様方に、このコストを下回る値段になれば、営農を続けていくのが大変厳しいと、再投資することが難しい、再生産することが難しい、生産者の皆様方に対する指標でもありますけれども、消費者の皆様に対する指標でもあるというふうに思っています。なので、このコスト指標によって、どれだけの米価であれば、農家の皆さん方が頑張っていただけるのか、営農をしっかりとやっていただけるのかということも、しっかりと理解を醸成していくための指標であるというふうに思っております。
   また、それと同時に、やはりこのコスト指標にしっかりと、コスト指標にふさわしい価格で販売していただけるように、メーカーの方もそうでありますし、流通の各段階の皆様方に、これを理解していただくってことは非常に大事だと思いますので、しっかり我々も、さっきも言いましたけれども、取引の中で、価格交渉に誠実に応じていただけるかどうか、それから、不当な取引を強いられていないかどうか、こういったこともチェックをしながら、しっかりとした、公平・公正な取引・販売が行われているかどうかということは、この法律によりながら、我々もしっかり運用してまいりたいというふうに思っています。


記者

   もう1点ですが、武部大臣は、お父様の武部勤元大臣と2代続けて、親子での農林水産大臣ということになられました。
   日本の農業を復活させるために、突破口として、どのようなことをまずやりたいと思っていらっしゃるか、何が一番、大臣の中で、いろんな、今、政策をお聞きしましたけれども、何を一番重視されているか、お聞かせください。


大臣

   今、抱負を述べさせていただきましたけれども、農業の構造転換を集中的に図っていくこの5か年の中で、担い手をどう確保していくか、農地をどう守っていくか、生産性が上がり、コストを抑えながら、農業者の皆様方の所得をどう上げていくか、これが一番肝心なことだろうと思います。
   食料安全保障を確立するためには、しっかりと農地が守られなければ、生産の基盤である農地が守られなければなりませんし、農地を守っていただけるためには、農業者の皆様方がしっかりと営農していただくことも大事だというふうに思います。そのことを、しっかりと、地域計画もしっかりつくりながら、農地を集約化し、未来のその地域の農村農地がどうあるべきかということも、しっかりと検討していただかなければならないですし、まさに今、本当に大きな転換期を迎えているのだと思います。
   人口が減り、農業者の皆様方が高齢化し、新たな担い手にしっかりと入ってもらい、そして、国際情勢もある中で、しっかりと農業を続けていける、再投資ができる価格を形成し、気候変動にも強い、災害にも強い土地改良をしっかりやっていく、生産性を上げていくとか、どれが突破口かって1つでは言えないのですけれども、こういうことをしっかりと政策を組み合わせながら、食料安全保障の確立を図っていくということを進めてまいりたいと思います。
   今、私の父の話をしていただきましたけれども、農林水産大臣を2代するというのは大変光栄なことだというふうに思っています。私の父が農林大臣のときはBSEが発生しました。自然と向き合いながら、農林水産業というのは、行っていかなければなりません。
   なので、いろんな環境にも対応していかなければならないですし、いろんな病気が出る可能性もあります。当時はBSEがあって、食の安全・安心というのに大変大きな、消費者の皆様方の関心が高まりました。今もその流れがあるのだろうと思います。
   消費者の皆様方に安心して安全な食料を供給していく、安定的に供給していく、そのことを当時から今も、その柱というのは変わっていないと思います。消費者の皆様方に、安心して、安全なものを作ってもらえるために、しっかりと農業生産基盤をしっかりしていくということを、2代続けてでありますけれども、農林水産大臣として努めてまいりたいと思います。


記者

   水産資源管理において、科学的な根拠に基づいて、厳しく取り組んでいらっしゃる漁師さんたちほど、補助金の獲得などの面で、ある意味、不利になってしまっているような現状について、対策をお聞きしたいというのが趣旨になります。というのは、大臣御自身が、もう何年も前からおっしゃっているとおり、そもそも資源管理というのは、国民の食料だけではなくて、漁師さんの生活自体を守るものではあるのですけれども、一方で、やっぱり目先の所得が減ってしまうことでもあるので、先週のスルメイカの会議のように、価格が不確実だから信用できないのだ、取り控えをさせないで欲しいのだという声が出てしまったり、その一方で、科学を実際にどうするのだといった具体的・建設的な話にあまりならずに、結局、ただ反対で話が終わってしまっているということが続いています。スルメに限らずそういうケースが多々見られます。
   一方で、漁師さんたちが減収補填だとか補助金、例えば積立プラスだとかをもらうときに、資源管理をしますと、行政と資源管理協定を結んでいますよね、これが厳しい協定、しっかり科学的な、後ろ盾のあるものも、そうでないものも、同じように協定として結ばれてしまって、同じように補助金を得てしまっている。それは不公平なんじゃないかということが、水産現場の中からも、一般的な国民からも声として上がっていると思います。
   こうした状況を鑑みて、資源管理を頑張る人が恵まれないというか、報われない構造というのを鑑みて、例えば、科学を基に実効的な漁業管理を作るための規則づくりであったり、実際に厳しい管理をする人ほど補助されるような制度設計であったり、あとは、科学者と、漁師さんたちの信頼関係の構築だったり、いろいろと打てる手は考えられると思うのですけれども、今、考えられている具体的な対策についてお聞きできませんでしょうか。


大臣

   我が国におきましては、漁業法におきましてMSYを目標として、TACを基本とする資源管理の取組を進めているところです。TACの数量につきましては、今、お話にあったとおり、科学的根拠に基づいて定めることとしています。
   その管理方針やルールづくりについては、引き続き、資源管理方針に関する検討会、ステークホルダー会議を含めて、関係漁業者等と十分議論して、理解を得ていく必要があると思っています。
   また、資源管理の実効性を高める網目の制限ですとか、休業等の漁業者による資源管理協定、今、お話あった協定の取組については、その効果の検証を通じて、より効果的なものになるように、改良を進めていかなければならないと思っていますし、それから、広く国民の皆様方に理解が得られるように、情報交換や発信をしていく必要があるのだろうと思います。
   さらに、漁業者、研究者、それから行政の間の信頼関係の構築が必要だと思っておりますので、水産資源交流プログラムを、今、開始しているところであります。この水産資源交流プログラム、MREPを通じて、漁業者の皆様方に、資源管理の意義や、資源評価についての理解を深めていただけるような取組を拡大させていきたいと思っています。
   資源管理が必要だというのは、行政も、漁業者の方々も、研究機関も、そこは共通しているのだと思います。しっかりと資源を守っていくことが、将来、持続可能な漁業に繋がっていくというその共通認識は、すべてのステークホルダーが持っていると私は認識しています。
   なので、あとはもうしっかりと、科学的根拠を理解していただき、そして、資源管理が有効に機能すれば、持続可能な漁業が展開していくのだというその共通の理解をどう深めていくかってことが大事になってくるのだろうというふうに思います。
   水産の基礎となる水産資源を安定的に確保していくということは、共通の認識だと思いますので、これをしっかりと、相互に理解を深めながら、進めていきたいというふうに思います。


記者

   非常に充実したお答えありがとうございます。
   また、補助の設計だとかについても、また具体的に、出せるようになったら是非よろしくお願いします。


記者

   先ほどのコメントの中で、地域計画への言及がございましたが、1点だけ質問させていただきます。
   地域計画についての、政府、農林水産省としての展望と、また、地域計画の実現に向けて、現場では農業委員が尽力しておりますが、その期待を、一言、お願いいたします。


大臣

   農業者の急速な減少が見込まれています。地域の農地をどう維持していくかということは、大変重要でありまして、担い手の農地の集約を進めることが大変重要であると考えています。
   そのためには、地域で、話し合いを継続して行っていただいて、地域の農業の関係者の皆様方の相互理解を図って、この地域の農地をどう維持していくかということについて、将来像を描いていただく、地域計画の完成度を高めていくことが非常に大事だと思っています。
   この地域計画の完成度を高めていくためには、やはり、現場をよく知る農業委員会の皆様方の力を借りなければ、なかなか進めることができません。もちろん農林水産省や都道府県、市町村、関係機関、団体がしっかりと協力していく体制を作っていくことが大変重要だと思いますが、農業委員会においては、出し手と受け手との意向を把握していただいて、関係者間の調整をしていただいています。目標地図の素案づくりなども担っていただいております。
   しっかりと役割を果たしていただけるように、地域計画の作成、見直し、農地の集約化に貢献していただくことを、大変期待しています。


記者

   先ほどもありました、米国産の生じゃがいもについてお伺いをします。
   もし仮にですが、病害虫の侵入リスクを払拭できない場合、輸入解禁を認めないという判断もあり得るのでしょうか。


大臣

   先ほども申し上げたとおり、これは科学的に、確実な根拠で、病害虫が侵入するリスクを払拭できないということであれば、当然、輸入することはできないということです。


記者

   もう1点、お米についてなのですが、コスト指標について、簗前農林水産大臣は、就任時に、食料システム法を農政の全体に根づかせたいとした上で、概算金の形成なども含めて、現場でのコスト指標の運用を、省内で検証するというふうにお話をされて、そういった指示をされたとお話をされていました。
   こちらの指示は、武部大臣にも引き継がれていらっしゃるのでしょうか。お考えをお伺いしたいです。


大臣

   簗前大臣がそのように指示したということは、承知しております。しっかりと、概算金も含めて検証をしていきたいと思っておりまして、引き続き、簗前大臣と同様に、調査については進めてまいりたいというふうに思います。


記者

   具体的に検証の方法であったりとか、いつ頃その検証結果を発表されるかという、もし見通しとかがあれば伺いたいです。


大臣

   今現時点で、いつまでにということは、ちょっと申し上げることはできないのですけれども、適切に進めていくように、農水省にも指示をしているところです。


記者

   備蓄米の運営方針についてうかがわせてください。
   簗前大臣は、買戻しについて、時期を逸することなく迅速に進めないといけないとおっしゃっていました。改めて、武部大臣の備蓄米運営方針について伺えますでしょうか。特に、買戻しについての御見解をお願いします。


大臣

   まず、令和7年産の買戻しについて、滞りなく進むように、しっかりと進めてまいりたいというふうに思います。
   食料安全保障上の観点から、備蓄米を適正水準に戻すということは、大変重要なことだというふうに思っています。なので、計画的にこれを進めていくこと、適正な水準まで進めていくことが大事だというふうに思っていますので、引き続き、しっかりと、備蓄米の適正水準への戻しについては進めてまいりたいというふうに思います。


記者

   進めるにあたって、何か、特に注意しないといけない条件とか要件とか、どのような状態だと買戻しを進められるかなどは。


大臣

   まず、今年の米の見通し、作況も大事な指標だというふうに思いますし、在庫も大事だと思います。また、先ほど冒頭も申し上げましたけれども、この長雨ですとか災害の影響については、まだ組み込んだデータが出てきておりません。それでも、予想する711万トンを超える作柄になるのだろうというふうに思います。
   また在庫も、今、積み上がっておりますので、仮に備蓄することによって、市場に米が供給できなくなるとなったら、本末転倒になってしまいますので、ですから在庫ですとか、或いは、実際の収量ですとか、そういったことをしっかりと、指標を確認しながら、市場に米が滞ることがないということを確認しながら、適正に、計画的に備蓄を進めていく必要があるというふうに思います。


記者

   米に関して2点うかがわせてください。
    1点目、冒頭で、主食用米以外も含めて需要開拓を進めるということをおっしゃっていたかと思います。こちら、具体的に、政府としてどのような役割を担っていくのか、民間も大事な役割があると思いますが、どのようなことを期待されているか、具体的なところをお聞かせください。


大臣

   まず、例えば米粉用について言えば、米粉の製粉するコストが高いということがあって、他の小麦粉と比べると、なかなか利用しづらい、価格的に難しいということもあるのだろうと思います。であれば、その需要を、メーカーサイドといいますか、製粉サイドに対して、価格を下げる、そのための設備投資等も必要になってくることもあるというふうに思います。
   それから、契約的にも、しっかりと複数年契約をしていただいて、農家の方も、実需者の方も、安定的に取引ができていくということは、農家の皆さんにとっても、生産者にとっても大事だと思いますし、メーカーサイドにとっても、これを、すぐ、主食用米が高くなったので、これまで調達していたものが調達できなくなるとかということがないように、安定的な取引をするために複数年契約を進めていくとか、それを政策として後押しするとか、そういったことが必要になってくるんじゃないかというふうに思っています。


記者

    2点目、米の生産、「需要に応じた生産」について伺います。先ほど来、長雨についての言及ありましたが、まだデータ出ていませんが、影響が出れば予想しているよりも収量が減る可能性があるかと思います。
   実際、今年は在庫が積み重なっており、生産量も需要よりも多いので、収量がある程度減っても、供給が減る、供給不足になるということは少ないかと思いますが、仮定の話になってしまいますが、もし「需要に応じた生産」が進んでいて、需要どおりに生産されていたら、このような長雨があった際に対応できないのではないでしょうか。
   気候変動リスクが高まっている中で長雨というのはなかなかこれまで経験がなかったことかと思いますが、気候変動が進む中で、「需要に応じた生産」で、米を安定的に国民に供給し続けることができると考えていますでしょうか。


大臣

   まず、需要がどのようになっているかということを、精緻に調査する必要があるのだろうと思います。それによって、生産者の皆様方も、多様なお米の需要がこうなっています、主食用米の需要がこうなっています、それに応じて生産をしていくということの、基本的なデータになるので、その需要を、なかなか正確にとらえるのは難しいのかもしれませんけれども、ある程度余裕を持った需要の予測をしていく必要をまずしなければならないというのが1点。それと、我々は、「需要に応じた生産」をするので、米の生産量が落ちるというふうには基本計画は作っていないのです。
   2030年に818万トンを生産するという増産目標を持っていますし、その増産をするために、主食用米だけではなくて、多様なお米についての需要も拡大して、その拡大に応じた生産強化をしていくということをやっていきますので、「需要に応じた生産」をするから、何か災害が起きた、長雨が続くので「需要に応じた生産」では食料供給に滞りが出るんじゃないかとは思ってはいません。
   併せて備蓄米があり、不作が何年か続けば、当然、米が取れなくなったときに、しっかりと備蓄を、適正な100万トン、ありますけれども、これもしっかりと備蓄していくことで、災害とか、取れなかったときの対応ですとか、米の供給が滞らないようにするという、その政策の一環として備蓄があるわけなので、いろんな政策を組み合わせて、安定的に米を供給していくってことが大事なのだろうというふうに思っています。なので、「需要に応じた生産」をすると、災害が起きたとき、長雨が続いたときに米が足りなくなるのではないかということは、備蓄も含めた、様々な今の、新たな水田政策で、米の増産、多様な米も含めた増産をしていくという、我々そういう基本計画を持っているので、足りないことが起きないように、この前のような米不足が起きないように、安定的な供給をしていくということを、精緻に需要を計ったり、その中で必要なものを作っていくということをしていきたいというふうに思っております。


記者

   まず米政策について伺います。
   先ほどの備蓄運営の質問の関連ですけれども、予想収穫量は来月の発表分以降に長雨の影響などを反映される見通しですけれども、大臣としてはこの追加の買戻しの判断にはその数字を見極める必要があるとお考えでしょうか。


大臣

   その指標も大事だというふうに思っています。
   この長雨や災害の作況も、見極める必要があると思いますし、それから在庫の積み上げがどうなるかということも見極めなければならないと思っております。まずは今、21万トンの令和7年産の買戻しについて、滞りなく行っていくこと、それから、作況や在庫を見ながら、適正に備蓄水準まで買戻しをしていく、或いは入札をするということをやっていく必要があるのだろうと思っています。


記者

   そうすると、追加の判断は、基本的には来月以降になるということなのでしょうか。


大臣

   現時点で、今、いつ、次の判断をするかということは、時期的なものは申し上げられませんけれども、様々な指標が出てきたところで判断をしっかりとするということだと思います。


記者

   あと、需要の開拓、拡大の重要性を強調されているかと思います。なかなか難しいところもあるかもしれませんが、大臣としての現時点での具体策があれば教えてください。


大臣

   米ですか。


記者

   米です。


大臣

   足りていないところあるのですよね。例えば、加工用米、足りていません。
   それから、これからもちろんお米の輸出のアクセルを踏んでいこうというふうに思っていますし、新規開拓米もこれもしっかりと作っていただいて、輸出に向けていきたいというふうに思っています。
   それから、ブランドを高めるためにえさに飼料用米を使っていらっしゃる畜産農家の方々もいらっしゃいます。これが、主食用米が高くなったときに、手に入らなくなったという、そういうような声もありました。ですので、安定的に、畜産農家が利用する飼料用米も安定的に作っていかなければならないだろうというふうに思います。
   そしてまた、業務用米も、これだけひとり家庭が増えていく中で、コンビニですとか、中食ですとか、レストランですとか、炊飯器を持って、お米を家庭で炊いて食べるという家庭が少なくなっているのもまた事実なのだろうというふうに思います。そうすると、業務用米ですとか、多収量米ですとかを作っていただいて、コストを下げて、たくさん作っていただいて、業務用にまわしていくとか、いろいろそのマーケットに応じたその米を作っていく必要があると思います。ですので、多様な米を需要に応じてしっかりと生産していく、それが、しっかりと生産者の皆様方の所得に結びついていく、そうなるための新たな水田政策を、今、検討している最中でありますので、需要も喚起しながら、供給力もしっかりと作っていくことを、併せてやっていきたいと思っています。


記者

   最後に1点、このタイミングでの御就任となりまして、先ほど農林水産行政を停滞させるわけにはいかないという思いがあったという旨の御発言あったかと思います。簗前大臣は1か月足らずでの辞任となりまして、今回、大臣の御就任のタイミングというのは、農政は停滞してしまった後での御就任だったのか、或いは停滞する前に御就任となったのか、このあたりは、大臣どのように御認識されているか、ここをお聞かせいただけますか。


大臣

   簗前大臣も私も当選同期で、これまで農林部会長も簗前大臣は務めておられましたし、農政に一生懸命やられてきた方で、一緒に農林水産をともに前に進めてきたという間柄であります。
   彼が大臣に就任したときに、まさに、適任な、能力のある、そして農政に通じた、政策に通じた方が大臣になってよかったなというふうに思いました。その時、感想を持ちました。
   ですので、農政を前に進めて、農林水産業を前に進めていただける大臣だなというふうに、頑張って欲しいという思いを持ちました。
   ただ、今回の発言が原因となって、例えば御本人もお辞めになるときお話されていましたけれども、農林水産行政を停滞させるわけにはいかないと、その思いはそのとおりなのだろうと思います。もちろん、御発言についてあってはならないことですし、御本人も猛省されていると思いますけれども、農林水産行政に対する思いというのは大変強い方なので、その思いで、お辞めになる決断をされたのだろうというふうに思います。
   同じく、農林水産行政を歩んできたものとしては、簗前大臣が農政で頑張りたいと思っていた思いも含めて、農政を停滞させるわけにはいかないという思いを共有して、その強い思いを、私もしっかり前に進めていく必要があるのだと思っています。そういった意味で、農林水産大臣として、食料安全保障の確立ですとか、新たな水田政策ですとか、仕上げなければ、畜産もそうですし、水産も海洋環境がこれだけ変わって、森林・林業も基本計画ができました。新しい計画も、水産、作らなければなりません。そういう大切な局面にあるので、これを停滞させるどころか前に進めていくという、そういう覚悟でしっかりと大臣を務めていきたいというふうに思います。


報道官

  よろしいでしょうか。それでは大臣会見を終了いたします。

以上