プレスリリース

株式会社弘商が運営する「博多天ぷらたかお」における米飯類の産地情報の不適正伝達に対する措置について

農林水産省は、株式会社弘商（福岡県福岡市南区清水一丁目1番19号。法人番号2290001002072。以下「弘商」という。）が運営する「博多天ぷらたかお」21店舗で提供する米飯類の原料米穀の産地情報について、福岡県産米と福岡県産米以外の米穀をブレンドして使用していたにもかかわらず、店内で掲示しているポスターで「福岡県産米」と事実と異なる産地情報を伝達して、一般消費者に提供したことを確認しました。
このため、本日、弘商に対し、米トレーサビリティ法に基づき、産地伝達の是正と併せて、原因の究明・分析の徹底、再発防止対策の実施等について勧告を行いました。

1.経過

農林水産省関東農政局、東海農政局、近畿農政局、中国四国農政局、九州農政局及び内閣府沖縄総合事務局が、令和7年6月12日から11月25日までの間、弘商及び博多天ぷらたかお7店舗に対し、米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律（平成21年法律第26号。以下「米トレーサビリティ法」という。）第10条第1項の規定に基づく立入検査等を行いました。
この結果、弘商が運営する「博多天ぷらたかお」21店舗で提供する米飯類の原料米穀の産地情報について、福岡県産米と福岡県産米以外の米穀をブレンドして使用していたにもかかわらず、店内で掲示しているポスターで「福岡県産米」と事実と異なる産地情報を伝達して、少なくとも令和7年3月3日から6月23日までの間に、419,364食（米飯量換算83,824kg）を一般消費者に提供したことを確認しました（別紙1、2参照）。

2.措置

弘商が行った上記1の行為は、米トレーサビリティ法第8条第1項の規定に違反するものです（別紙3参照）。
このため、農林水産省は、弘商に対し、米トレーサビリティ法第9条第1項の規定に基づき、次の内容の勧告を行いました。

勧告の内容

⑴ 取引等を行った米穀等について、直ちに米穀等の取引等に係る情報の記録に関する省令（平成21年財務省令・農林水産省令第1号）に規定する作成方法及び記録事項が適正に記録されているかの点検を行い、不適正な記録については、速やかに適正な記録に是正するとともに、同省令第7条により保存すること。
⑵ 運営する店舗で提供する全ての米飯類について、直ちに米穀等の産地情報の伝達に関する命令（平成21年内閣府令・財務省令・農林水産省令第1号）に規定する伝達方法又は措置等により、一般消費者への産地情報の伝達が適正にされているかの点検を行い、不適正な産地情報の伝達については、速やかに適正な伝達に是正すること。
⑶ 不適正な産地情報の伝達の主な原因として、正しい情報を提供するという意識、米トレーサビリティ制度に対する認識及び法令遵守に対する意識の欠如が考えられるとともに、不適正な産地情報の伝達を防止するための管理体制及び商品管理システムに不備があると考えられることから、これらの事項を点検し、原因の究明・分析を徹底すること。
⑷ ⑶の結果を踏まえ、米トレーサビリティ制度に関する責任の所在を明確にするとともに、米穀等の産地情報の伝達について確実にチェックできる管理体制及び商品管理システムを整備するなどの再発防止のための対策を適切に実施すること。これにより、今後、提供する米飯類について、米トレーサビリティ法に違反する不適正な産地情報の伝達を行わないこと。
⑸ 全役員及び全従業員に対して、米トレーサビリティ制度についての啓発を行い、その遵守を徹底すること。
⑹ ⑴から⑸までに基づき講じた措置について報告書に取りまとめ、令和8年1月16日までに農林水産大臣宛てに提出すること。

参考

本件について、農林水産省九州農政局でも同様のプレスリリースを行っております。

米トレーサビリティ法違反の事実に対しては、食品表示連絡会議を構成する各行政機関(消費者庁、警察庁、国税庁、農林水産省)で連携しつつ、厳正な対応に努めてまいります。

添付資料

別紙1 不適正な産地情報の伝達及び提供数量一覧(PDF : 104KB)
別紙2 事実と異なった産地伝達の状況(PDF : 861KB)
別紙3 米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律（抜粋）、 米穀等の産地情報の伝達に関する命令（抜粋）、米穀等の取引等に係る情報の記録に関する省令（抜粋）(PDF : 281KB)
参考 株式会社弘商の概要(PDF : 337KB)