2 専門調理師・調理師の養成・活用
近年、外食への依存度が高くなっており、飲食店等における健康に配慮したメニューや商品の提供、行政等による食に関する分かりやすい情報の提供が重要となっています。また、急速に進む高齢化、生活習慣病の増大や食の安全・安心を脅かす問題の発生などの食生活を取り巻く社会環境が大きく変化するとともに、厨房機器の多様化などの調理を巡る環境も変化してきていることから、時代に即した専門的知識・技術を有する専門調理師等の養成が求められています。
専門調理師等は、「調理師法」(昭和33年法律第147号)に基づく資格であり、専門調理師については厚生労働大臣認定として「日本料理」、「西洋料理」、「麺料理」、「すし料理」、「中国料理」及び「給食用特殊料理」の計6種類があり、また、調理師については都道府県知事免許として交付されています。
令和2(2020)年4月1日現在、調理師養成施設数は283校(令和元(2019)年度282校)であり、令和元(2019)年度には調理師免許が29,039件(平成30(2018)年度30,612件)交付されています。専門調理師は、令和2(2020)年度の専門調理師認定証書交付数が243件(令和元(2019)年度484件)となっています。
公益社団法人調理技術技能センターでは、高度な調理技術を生かして地域における食育推進運動のリーダーとして活躍できる専門調理師を養成するために、「専門調理師・調理技能士のための食育推進員認定講座」を開催しており、修了者を「専門調理食育推進員」に認定しています。この推進員名簿を各都道府県に送付し、食育推進活動等における専門調理師の活用を促しています。
公益社団法人日本中国料理協会は、専門調理師等による中学校等での出張給食授業の実施や、行政や調理師団体等が主催する食育事業の体験活動等の実施に協力し、地域の食育活動を推進しています。
令和2(2020)年度においては、大阪、熊本などの各府県で、児童養護施設、老人ホーム、公共施設、専門学校及び避難所等を訪問し、中国料理を提供しています。
公益社団法人全国調理師養成施設協会では、全国の調理師養成施設において、近隣住民等を参加対象とした「食育教室」を開催し、健康に配慮した食生活の大切さを講義する、親子調理実習を通じて一緒に食べる楽しさを伝えるなどにより食育の普及啓発に努めています。
令和2(2020)年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策を講じて、調理師養成施設において、オープンキャンパス等の行事にあわせて「食育教室」を実施しました。
また、食育推進活動で活躍できる調理師として、食育実習等を含む一定のカリキュラムに基づく講習及び試験による食育インストラクターの養成を行い、卒業後、食育インストラクターの知識を活かして食育のセミナーを行う調理師もおり、こうした活動を通じて食育の推進に資しています。
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