2 「早寝早起き朝ごはん」国民運動の推進
（1）子供の生活習慣づくりの推進
高知家（こうちけ）の早寝早起き朝ごはん
フォーラム2021チラシ
朝食をとることは、栄養補給だけではなく、脳や消化器官を目覚めさせ、体内時計のリズムを整えることになり、適切な生活習慣の育成と、心身の健康の保持につながります。
文部科学省では、子供の健やかな成長に必要となる、十分な睡眠、バランスのとれた食事、適切な運動等、規則正しい生活習慣づくりを社会全体の取組として推進しています。
令和3（2021）年度は、独立行政法人国立青少年教育振興機構と連携・協力し、「早寝早起き朝ごはん」国民運動を促進するための「早寝早起き朝ごはん」フォーラム事業を全国3か所で実施するとともに、中学生の基本的な生活習慣の維持・定着・向上を図るための「早寝早起き朝ごはん」推進校事業を全国10 か所で実施しました。
「早寝早起き朝ごはん」国民運動
（独立行政法人国立青少年教育振興機構）
URL：https://www.niye.go.jp/services/hayanehayaoki/（外部リンク）
（2）「早寝早起き朝ごはん」全国協議会との連携による運動の推進
絵本「にこにこ げんきの おまじない」
©やなせスタジオ
「早寝早起き朝ごはん」全国協議会は、平成18（2006）年に発足し、幅広い関係団体や企業等の参加を得て、「早寝早起き朝ごはん」国民運動を文部科学省と連携して推進しています。令和4（2022）年2月現在、全国協議会の会員団体数は338で、様々な年齢層の子供や保護者に向けたガイドブックの作成・配布、全国フォーラム・総会の企画・運営等、子供の基本的な生活習慣の確立や生活リズムの向上につながる取組を展開しています。令和3（2021）年度は、「早寝早起き朝ごはん」の効果に関する調査研究の報告書を作成・発表し、新聞等で取り上げられました。本調査では、子供の頃、「早寝早起き朝ごはん」をよく実践していた人ほど、大人になった現在の資質・能力（*1）が高い等の調査結果が出ており、「早寝早起き朝ごはん」の重要性を、広く普及啓発しました。
また、専門家による講演やトークセッション等を通し、子供の生活リズムについての知識や理解を深めるために、毎年3月に全国フォーラムを開催しています。なお、令和3（2021）年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、全国フォーラムは中止となりました。
1 自尊感情、共生感、意欲・関心、規範意識、人間関係能力、職業意識、文化的作法・教養、へこたれない力の8項目
事例：「よく寝て元気！鹿野（かの）中生、リフレッシュ大作戦！！」
（「早寝早起き朝ごはん」推進校事業）
茨城県鹿嶋市（かしまし）立鹿野（かの）中学校
鹿野中学校では、生徒の生活習慣の実態を把握するためのアンケートを実施したところ、朝食摂取率が90％を超えている一方、就寝時刻の遅れによる睡眠不足の傾向にある者が多いことが分かりました。これを受けて、生活習慣の改善を軸とし、朝食摂取率の更なる向上とともに、栄養バランスのとれた食事の摂取、睡眠習慣の改善を目指して、生徒たちが講演等で知識を得て、演習で心身のつながりについて実感を伴った理解を深めることができるような取組を行いました。
具体的には、生活習慣に関するアンケートを全学年で定期的に実施したり、食育委員会に所属している生徒たちが主体となり、生徒全員が朝食の摂取状況や朝食の内容を記録するなどの取組を行いました。また、「睡眠」「食事」「運動」に関する講演会や演習等を実施しました。特に「食事」に関する内容では、学年ごとに栄養教諭による食育の授業を行い、1年生では「朝食はなぜ大切か考えよう」、2年生では「ファストフードを利用した上手な昼食のとり方を考えよう」、3年生では「元気のもとは食事から～食生活を見直して受験期を乗り切ろう～」をテーマとして学びました。「睡眠」に関しても、生徒たちが考案した睡眠に効果的なストレッチをリーフレットにまとめ、学校内や公民館で周知するなど、地域とも連携して取組を進めました。
その結果、1学期の始めと2学期の終わりでは、朝食摂取率が、1年生98.7％から97.3％、2年生94.6％から96.0％、3年生90.5％から92.1％と、2・3年生で増加するとともに、朝食も栄養バランスを意識した内容が多くなるなどの改善が見られました。また、就寝時刻が24時以降の生徒の割合は17.0％から13.2％へ減少しました。
全国的には新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止による休校等で、生徒たちの生活習慣に乱れが見られましたが、鹿野中学校では上記の取組のほかにも、生活習慣記録カード等を活用して生徒自身が生活習慣の実態把握、振り返り、改善策の設定を行うことによって、「睡眠と健康を意識した生活習慣改善」への意識付けを図ることができました。
講演会の様子
食育の授業の様子
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ダイヤルイン：03-6744-2125
FAX番号：03-6744-1974
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