2 都市と農山漁村の共生・対流の促進
都市と農山漁村の共生・対流とは、都市と農山漁村を行き交う新たなライフスタイルを広め、都市と農山漁村それぞれに住む人々がお互いの地域の魅力を分かち合い、「人、もの、情報」の行き来を活発にする取組です。
食料の生産から消費等に至るまでの食の循環は、多くの人々の様々な活動に支えられており、そのことへの感謝の念や理解を深めることが大切です。一方で、ライフスタイル等の変化により、国民が普段の食生活を通じて農林水産業等や農山漁村を意識する機会が減少しつつあります。そのような中で、生産者等と消費者との交流や都市と農山漁村の共生・対流等を進め、消費者と生産者等の信頼関係を構築し、我が国の食料需給の状況への理解を深め、持続可能な社会を実現していくことが必要です。
第4次基本計画においては、都市住民と農林漁業者との交流を促進するため、都市住民への農山漁村の情報提供と農山漁村での受入れ体制の整備等を推進することが定められています。このため、農林水産省では、地域の創意工夫による計画づくり、農業者等を含む地域住民の就業の場の確保、農山漁村における所得の向上や雇用の増大に結び付ける取組を支援するとともに、農山漁村を訪問する旅行者の満足度を高める取組に対しても支援を行い、農山漁村の活性化を推進しています。
また、農山漁村地域に宿泊し、滞在中に地域資源を活用した食事や体験を楽しむ農山漁村滞在型旅行である「農泊」を推進しています。具体的には、「農泊」をビジネスとして実施できる体制の構築や、食や景観等の地域資源を魅力ある観光コンテンツとして磨き上げる取組のほか、古民家等を活用した滞在施設等の整備、優良地域の国内外へのプロモーション等、農泊の推進に必要なソフトとハードを一体的に支援しています。
さらに、「観光立国推進基本計画」(平成29(2017)年3月28日閣議決定)においては、「農山漁村滞在型旅行をビジネスとして実施できる体制を持った地域を令和2(2020)年までに500 地域創出することにより、「農泊」の推進による農山漁村の所得向上を実現する。」ことが位置付けられました。令和3(2021)年度末時点では、「農山漁村振興交付金」により、累計599地域を採択しています。
令和3(2021)年度は、新型コロナウイルス感染症への対応のため、「農泊施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン」等の周知・徹底を促進し、安全・安心な農山漁村地域での教育旅行(*1)等を推進しました。
1 学校行事の旅行(遠足)・集団宿泊的行事である修学旅行、遠足、移動教室、合宿、野外活動等(公益財団法人日本修学旅行協会)
また、内閣官房、総務省、文部科学省、農林水産省及び環境省は、子供たちの学ぶ意欲や自立心、思いやりの心、規範意識などを育み、力強い成長を支える教育活動として、子供の農山漁村での宿泊による農林漁業体験や自然体験活動等を行う「子ども農山漁村交流プロジェクト」を推進しています。内閣官房や文部科学省では、送り側となる学校に対して、学校等における宿泊体験活動の取組に対する支援等を行っています。総務省では、送り側・受入れ側双方が連携して行う取組を中心に支援しており、都市・農山漁村の地域連携による子ども農山漁村交流推進モデル事業等を実施し、モデル事業の取組事例やノウハウの横展開を進めるためのセミナーを開催しています。農林水産省、環境省では、受入れ側となる農山漁村等の体制整備に対して支援しています。令和3(2021)年度には、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、受入れ団体における感染予防のガイドラインをウェブサイトに掲載するなど、感染予防の取組の支援を行いました。
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