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農林水産省

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概説


1 施策の重点

令和2(2020)年3月に閣議決定した新たな「食料・農業・農村基本計画」を指針として、食料自給率・食料自給力の維持向上に向けた施策、食料の安定供給の確保に関する施策、農業の持続的な発展に関する施策、農村の振興に関する施策及び食料・農業・農村に横断的に関係する施策等を総合的かつ計画的に展開しました。

また、令和2(2020)年12月に「農林水産業・地域の活力創造プラン」を改訂し、強い農業・農村を構築し、農業者の所得向上を実現するための施策を展開しました。

さらに、TPP11、日EU・EPA、日米貿易協定、日英EPA及びRCEP協定の効果を最大限に活用するため、令和2(2020)年12月に改訂された「総合的なTPP等関連政策大綱」に基づき、強い農林水産業の構築、経営安定・安定供給の備えに資する施策等を推進しました。また、東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所(以下「東電福島第一原発」という。)事故からの復旧・復興に関係省庁が連携しながら取り組みました。

2 財政措置

(1)令和2(2020)年度農林水産関係予算額は、2兆3,109億円(このほか、臨時・特別の措置1,008億円)を計上しました。本予算は、「農林水産業・地域の活力創造プラン」等に基づき、「強い農林水産業」と「美しく活力ある農山漁村」を実現していくための施策として措置しました。具体的には、<1>農林水産物・食品の政府一体となった輸出力強化と高付加価値化、<2>「スマート農業」の実現と強い農業のための基盤づくり、<3>担い手への農地集積・集約化等による構造改革の推進、<4>水田フル活用と経営所得安定対策の着実な実施、<5>食の安全・消費者の信頼確保、<6>農山漁村の活性化、<7>林業の成長産業化と「林業イノベーション」の推進、<8>水産改革の実行による適切な資源管理と水産業の成長産業化、<9>災害からの復旧・復興と防災・減災、国土強靱(きょうじん)化に取り組みました。

また、令和2(2020)年度の農林水産関係補正予算額は、第1次補正予算で5,448億円(うち、ALIC事業950億円)、第2次補正予算で658億円(うち、ALIC事業108億円)、第3次補正予算で1兆519億円を計上しました。

(2)令和2(2020)年度の農林水産関連の財政投融資計画額は、5,268億円を計上しました。このうち主要なものは、株式会社日本政策金融公庫による借入れ5,200億円となりました。

3 立法措置

第201回国会及び第203回国会において、以下の法律が成立しました。

  • 「家畜改良増殖法の一部を改正する法律」(令和2年法律第21号)
  • 「家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に関する法律」(令和2年法律第22号)
  • 「種苗法の一部を改正する法律」(令和2年法律第74号)

また、令和2(2020)年度において、以下の法律が施行されました。

  • 「厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律の一部を改正する法律」(令和2年4月施行)
  • 「農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律」(令和2年4月施行)
  • 「家畜伝染病予防法の一部を改正する法律」(令和2年7月施行)
  • 「家畜改良増殖法の一部を改正する法律」(令和2年10月施行)
  • 「家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に関する法律」(令和2年10月施行)
  • 「肥料取締法の一部を改正する法律」(令和2年12月施行)

4 税制上の措置

施策の総合的な推進を図るため、以下を始めとする税制措置を講じました。

(1)「人・農地プラン」の中心経営体として位置付けられた認定新規就農者に利用させるため、農業協同組合等が取得した一定の償却資産に係る課税標準の特例措置を創設しました(固定資産税)。

(2)「農業競争力強化支援法」(平成29年法律第35号)に基づく事業再編計画の認定を受けた場合の事業再編促進機械等の割増償却等の対象業種に農業資材の卸売・小売事業を追加しました(所得税・法人税、登録免許税)。

(3)農業経営基盤強化準備金制度を1年延長しました(所得税・法人税)。

(4)農林漁業用A重油等に対する石油石炭税の免税・還付措置を3年延長しました(石油石炭税)。

(5)農地中間管理機構への貸付けによる農地の利用の効率化及び高度化の促進を図るための農地の保有に係る課税の軽減措置を2年延長しました(固定資産税・都市計画税)。

5 金融措置

政策と一体となった長期・低利資金等の融通による担い手の育成・確保等の観点から、農業経営の特性に応じた資金調達の円滑化を図るための支援措置である農業制度金融の充実を図りました。

(1)株式会社日本政策金融公庫の融資

農業の成長産業化に向けて、民間金融機関と連携を強化し、農業者等への円滑な資金供給に取り組みました。

農業経営基盤強化資金(スーパーL資金)については、実質化された「人・農地プラン」の中心経営体として位置付けられたなどの認定農業者を対象に貸付当初5年間実質無利子化する措置を講じました。

(2)民間金融機関の融資

民間金融機関の更なる農業融資拡大に向けて株式会社日本政策金融公庫との業務連携・協調融資等の取組を強化しました。

認定農業者が借り入れる農業近代化資金については、貸付利率をスーパーL資金の水準と同一にする金利負担軽減措置を実施しました。また、TPP協定等による経営環境変化に対応して、新たに規模拡大等に取り組む農業者が借り入れる農業近代化資金については、実質化された「人・農地プラン」の中心経営体として位置付けられたなどの認定農業者を対象に貸付当初5年間実質無利子化するなどの措置を講じました。

農業経営改善促進資金(スーパーS資金)を低利で融通できるよう、都道府県農業信用基金協会が民間金融機関に貸付原資を低利預託するために借り入れた借入金に対し利子補給金を交付しました。

(3)農業法人への出資

意欲のある農業法人の財務基盤の強化や経営展開を支援するため、「農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法」(平成14年法律第52号)に基づき、農業法人に対する投資育成事業を行う株式会社又は投資事業有限責任組合の出資原資を株式会社日本政策金融公庫から出資しました。

(4)農業信用保証保険

農業者等の信用力を補完し、円滑な資金供給が行われるようにするため、農業信用保証保険制度に基づき、都道府県農業信用基金協会による債務保証及び当該保証に対し独立行政法人農林漁業信用基金が行う保証保険により補完等を行いました。

(5)被災農業者等支援対策

甚大な自然災害等により被害を受けた農業者等が借り入れる災害関連資金について、貸付当初5年間実質無利子化する措置を講じました。

甚大な自然災害等により被害を受けた農業者等の経営の再建に必要となる農業近代化資金の借入れについて、都道府県農業信用基金協会の債務保証に係る保証料を保証当初5年間免除するために必要な補助金を交付しました。



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