3 大規模自然災害からの復旧

令和2（2020）年度は、令和2年7月豪雨、令和2年から3年までの冬期の大雪等により、農作物、農業用機械、農業用ハウス、農林水産関係施設等に大きな被害が発生したことから、以下の施策を講じました。

（1）災害復旧事業の早期実施

ア被災した地方公共団体等へMAFF-SATを派遣し、迅速な被害の把握や被災地の早期復旧を支援しました。

イ農地・農業用施設、共同利用施設、山林施設、漁港施設等の被害に対して、災害復旧事業等により早期復旧を図りました。また、被災した農業者の早期の営農再開を図るため、図面の簡素化等、災害査定の効率化を進めるとともに、査定前着工制度の活用を促進しました。

（2）激甚災害指定

被害が特に大きかった「令和2年5月15日から7月31日までの間の豪雨による災害（令和2年梅雨前線豪雨等）」については、激甚災害に指定し、災害復旧事業費に対する地方公共団体等の負担の軽減を図りました。

（3）被災農林漁業者等の資金需要への対応

被災農林漁業者等に対する資金の円滑な融通及び既貸付金の償還猶予等が図られるよう、関係機関に対して依頼通知を発出しました。また、7月豪雨等により被災した農業者等が借り入れる災害関連資金について、貸付当初5年間実質無利子化する措置等を講じました。

（4）共済金の迅速かつ確実な支払

迅速かつ適切な損害評価の実施及び共済金の早期支払体制の確立並びに収入保険に係るつなぎ融資の実施等が図られるよう、農業共済団体を指導しました。

（5）特別対策の実施

ア 令和2年7月豪雨による被災農林漁業者への支援

令和2年7月豪雨により、九州地方を中心に全国各地域で、果樹・水稲・葉たばこの浸水被害、農業用ハウス・機械・施設の損壊、林地荒廃等、農林水産関係に多大な被害が発生したことから、農林水産省では、令和2（2020）年7月5日、「緊急自然災害対策本部」を設置し、被災した農林漁業者が営農意欲を失わず一日も早く経営再建できるように、令和2（2020）年7月30日に「令和2年7月豪雨による農林水産関係被害への支援対策について」を決定・公表しました。

具体的には、<1>災害復旧事業等の促進、<2>農業用ハウス、農業用機械、共同利用施設等の導入等の支援、<3>共済金の早期支払等、<4>災害関連資金の特例措置、<5>営農再開に向けた支援、<6>被災農業者の就労機会の確保、被災農業法人等の雇用の維持のための支援、<7>農地・農業用施設の早期復旧等の支援及び災害への対応強化と生産性の向上等を一体的に図る取組等への支援、<8>林野関係被害に対する支援、<9>水産関係被害に対する支援、<10>停電への対応、<11>災害廃棄物処理事業の周知、<12>地方財政措置による支援等を行いました。また、予備費、補正予算において、災害復旧に必要な予算を措置しました。

イ 令和2年から3年までの冬期の大雪による被災農林漁業者への支援

令和2年12月からの大雪により、東北及び北陸地方を中心に、農業用ハウスや畜舎等の倒壊、果樹の枝折れ、倒伏等、多くの被害が発生したことから、農林水産省では、令和2（2020）年12月17日、「緊急自然災害対策本部」を設置し、被災した農林漁業者の不安に応え、一日も早く経営再開できるように、令和3（2021）年2月2日に「令和2年から3年までの冬期の大雪による被災農林漁業者への支援対策について」を決定・公表しました。

具体的には、<1>共済金等の早期支払、<2>災害関連資金の措置、<3>農業用ハウス、共同利用施設等の導入の支援、<4>経営再開、経営継続に向けた支援、<5>災害復旧事業等の促進、<6>鳥獣被害防止施設の復旧等の支援、<7>林野関係被害に対する支援、<8>水産関係被害に対する支援、<9>災害廃棄物処理事業の周知、<10>地方財政措置による支援等を行いました。

（6）その他の施策

地方農政局等を通じ、台風等の暴風雨、高温、大雪等による農作物等の被害防止に向けた農業者等への適切な技術指導が行われるための通知の発出や、MAFFアプリやSNS等を活用し農林漁業者等に向けて予防減災に必要な情報を発信しました。

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