1 農業生産活動における環境負荷の低減
(1)環境負荷低減に向けた横断的な取組
ア令和7(2025)年4月に閣議決定された基本計画に基づき、令和12(2030)年までを目途に集中的に推進すべき取組として、食料・農林水産業のグリーントランスフォーメーション(GX)への投資の呼び込みや食料生産を脅かす気候変動への適応等を盛り込む「みどり加速化GXプラン」の策定に向けて検討を進めました。
イ全ての補助事業等において、最低限行うべき環境負荷低減の取組の実践を試行的に要件化しました。
ウみどり法の認定等を通じた農業者や、環境負荷を低減して生産された農産物の加工・流通・販売や環境負荷の低減に資する資材・機械の供給等を行う関連事業者への支援を進めました。
エ気候や農業条件が類似するアジアモンスーン地域の新しい持続的な食料システムの取組モデルとして、みどり戦略を提唱し、令和5(2023)年10月に策定した日ASEANみどり協力プランに新たなプロジェクトを追加の上、令和7(2025)年10月に同プランを改定しました。
オ令和7(2025)年5月に、我が国が有する食料安全保障に資する温室効果ガス排出削減技術の海外展開を後押しするため、農林水産分野GHG排出削減技術海外展開パッケージ(ミドリ・インフィニティ)を策定しました。
カ令和7(2025)年6月に、ミドリ・インフィニティの実行ツールとして、「みどり脱炭素海外展開コンソーシアム」を設立し、同年11月に開催された国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)を始めとする気候変動国際交渉等の場で、同コンソーシアム構成員の取組事例等について、積極的に発信しました。
(2)気候変動対策の推進
アパリ協定を踏まえた森林減少・劣化抑止、農地土壌における炭素貯留等に関する途上国の能力向上、耐塩性・耐干性イネや温室効果ガス排出削減につながる栽培技術の開発等の気候変動対策を推進しました。
イアジアモンスーン地域での気候変動緩和等に資する技術の応用のための共同研究を推進しました。
ウ令和7(2025)年4月に施行された「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律」(令和6年法律第56号)により法定化された二国間クレジット制度(JCM)について、アジア開発銀行(ADB)等と連携し、農業分野の案件創出を促進しました。
エ令和7(2025)年4月に策定した「農林水産省地球温暖化対策計画」に基づき、農林水産分野における地球温暖化対策技術の開発、マニュアル等を活用した省エネ型の生産管理の普及・啓発、省エネ設備の導入等による施設園芸の省エネルギー対策、施肥の適正化、J-クレジット制度の利活用等を推進しました。
オ農地からの温室効果ガスの排出・吸収量の国際連合への報告に必要な農地土壌中の炭素量等のデータを収集する調査を行いました。また、家畜由来の温室効果ガス排出量の算出の精緻化(せいちか)に必要な家畜の消化管由来のメタン発生量等のデータを収集する調査を行いました。
カ農産物については、ガイドラインに基づき環境負荷低減の取組を評価し等級ラベル(愛称:みえるらべる)で表示する「見える化」の普及を図りました。
キ畜産物(牛肉・生乳)については、温室効果ガス簡易算定ツールの算定実証を行い、販売実証を開始しました。
ク加工食品については、令和5(2023)年に策定されたカーボンフットプリント(CFP)算定ガイド案を用いて実証を行い、令和7(2025)年4月に加工食品共通CFP算定ガイドを公表しました。
ケ気候変動やスマート農業技術に対応した品種や病害虫抵抗性品種等の新品種の開発を推進するとともに、低コスト・高精度で多品目に利用できるスマート育種支援システムの試行版を構築しました。
コみどり戦略で掲げた各目標の達成に貢献し、現場への普及が期待される技術を「「みどりの食料システム戦略」技術カタログ」として紹介しました。また、同カタログに掲載された技術をテーマとして、関係者が持つ技術情報を共有・議論・発展させる「みどり技術ネットワーク会議」を全国レベル・各地域レベルで開催しました。
(3)生物多様性の保全等に関する取組の推進
ア「農林水産省生物多様性戦略」(令和5(2023)年3月改定)に基づき、農山漁村が育む自然の恵みを活かし、環境と経済がともに循環・向上する社会の実現に向けた各種の施策を推進しました。
イ生物多様性保全効果の取組を温室効果ガスと合わせて等級ラベルで表示する「見える化」を推進しました。
ウ環境保全型農業直接支払制度により、有機農業や総合防除といった生物多様性保全等に効果の高い営農活動に対して支援しました。
エ令和7(2025)年4月に施行された「地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律」(令和6年法律第18号)に基づき、自然共生サイトの認定を行いました。
オ化学農薬の使用低減に資するスマート農業技術、病害虫抵抗性品種、生物防除資材の導入等による総合防除の普及を、指導者を活用しつつ、推進するとともに、化学農薬の使用量低減技術や病害虫抵抗性品種等の開発、生物防除資材等の新規資材の審査等を推進しました。
カ有機農業については、有機農業指導員の育成や新たに有機農業に取り組む農業者の技術習得等による人材育成、産地における販売戦略の企画・提案・助言を行う専門家の派遣、生産から消費まで一貫して推進する取組の支援、有機農業推進のモデル的先進地区の創出等を進めました。
キ有機JAS認証の取得を支援するとともに、諸外国・地域との有機同等性の交渉を推進しました。
ク有機藻類JASについて、JASの見直しの基準に則り、その妥当性を判断するための検討を進めました。
ケ「有機農業の日」特別期間の実施等を通じて、有機農業や有機農産物について消費者に分かりやすく伝える取組を推進しました。
コ農畜産業における廃プラスチックの排出抑制や資源循環利用の推進に向けた先進的事例調査や生分解性マルチ等の実証を行いました。
(4)バイオマスや再生エネルギーの利活用の推進
ア基本計画に基づき、地域の未利用資源等を活用し、地域の農林漁業関連施設等で循環利用する「農林漁業循環経済地域」を創出し、資源・エネルギーの地産地消の取組を推進しました。
イバイオマス活用推進基本計画に基づき、素材、熱、電気、燃料等への変換技術を活用し、より経済的な価値の高い製品等を生み出す高度利用等の取組を推進しました。
ウ関係府省の連携の下、地域のバイオマスを活用した産業化を推進し、地域循環型の再生可能エネルギーの強化と環境に優しく災害に強いまち・むらづくりを目指す「バイオマス産業都市」の構築に向けた取組を支援しました。
エ「農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律」(平成20年法律第45号)に基づく事業計画の認定を行い、支援措置を講じました。
オ家畜排せつ物等の地域に存在するバイオマスを活用し、エネルギーの地産地消を推進するため、バイオガスプラントの導入を支援しました。
カバイオマスである下水汚泥資源等の利活用を図るため、エネルギー利用、りん回収・肥料利用等を推進しました。
キ「農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律」(平成25年法律第81号)を活用し、農林地等の利用調整を適切に行いつつ、再生可能エネルギーの導入と併せて、地域の農林漁業の健全な発展に資する取組や農山漁村における再生可能エネルギーの地産地消の取組を促進しました。
ク農山漁村における再生可能エネルギーの導入に向けて、現場のニーズに応じた専門家による相談対応、様々な課題解決に向けた取組事例について情報収集し、再エネ設備導入の普及を支援したほか、地域における営農型太陽光発電のモデル的取組や小水力等発電施設の調査設計、施設整備等の取組を支援しました。
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