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農林水産省

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新田開発と渡部斧松

秋田のむらづくりの先賢

秋田県男鹿市
1793年(寛政5年)~1856年(安政3年)

斧松
渡部斧松の肖像

滝の頭湧水
滝の頭湧水

なまはげで知られる寒風山の山裾から八郎潟へ広がる地域は、水の確保が難しく、誰も開発できなかった原野でした。足軽の子に生まれた渡部斧松は、「滝の頭湧水」に着目し、水路の建設と原野の開墾に叔父とともに取り組むこととしました。

水路を掘り始めたのは1822年(文政5年)、285メートルにも及ぶトンネルをわずか半年で開通させたものの、土質が砂質だったためその後何度も崩れ落ちてしまいました。崩れたトンネルの補修は、掘ること以上に危険なため、鉱山から鉱夫の助けを借りましたが、遂に6名が犠牲となってしまい、もう誰も工事に参加しなくなりました。とうとう斧松は自分の体に縄を結びつけ、「もし万一のことあれば、私の体を引き上げてくれ。」と言い残し、土砂崩れと必死に闘いながらトンネルを完成させました。斧松のこのような姿勢に周りの人々も動かされ、事業着手以来1年8ヵ月にして約2キロメートルの水路が開通したのです。

水を確保した斧松は開墾を進め、1825年(文政8年)には「渡部村」を開村し、天保の大飢饉を乗り越え、備蓄米の積立、防風林の設置、市場の開設、村法の制定など画期的な経営を進め、村は著しい発展を遂げました。

秋田藩も斧松の功績を認め、藩の開発を取り締まる役に登用しました。命を受けて新田開発を指導した面積は、藩内の1,300ヘクタールにも及ぶと言われています。

参考情報

担当

秋田県 農林水産部 農地整備課 調整・企画班
TEL:018-860-1828
FAX:018-860-3863

お問合せ先

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代表:03-3502-8111(内線5561)
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