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17年9月号文字情報

味の再発見! 昔ながらのニッポンの郷土料理 第5回

徳島県 そば米汁

サラサラと食べられて小腹を満たす、素朴な料理
徳島県と聞けば、鳴門(なると)海峡のうず潮を思い出す人は多いだろう。その速い流れにもまれた、「鳴門鯛」や「鳴門わかめ」は県を代表する特産物だ。しかし、徳島県は北を讃岐山脈、南を四国山地に挟まれた、山の国でもある。その四国山地の山あい、県最西部の祖谷(いや)地方に伝わる郷土料理を、今回は紹介したい。その名も、そば米汁である。

そば米とは、そばの実を蒸して、殻を取り乾燥させたもの。まずこれを10分少々ゆでる。その間にいりこのだしでにんじん、ちくわ、とり肉を煮て、酒、みりん、うす口しょうゆで調味する。具材に火が通ったら、先のそば米を合わせ、サッとひと煮立ちで完成だ。

出来たての熱いうちにフウフウと汁をすすってみてほしい。漂うそばの香り、いりこととりのコク、そしてにんじんの甘み……なんともよい味の相乗効果が生まれている。そばだけに食べ心地は軽く、「ちょっと小腹がすいたときによく作りますよ」という声は県人から多く聞かれた。

祖谷地方は渓谷が多く、米づくりには適さなかったので、古くからそばづくりが盛んであった。県全域でそば米汁が食べられるようになったのは、戦後になってのことだという。

「その後、食べものは豊かになったけど、このおいしさを知って、みんなやめられなくなったんでしょうね」と笑うのは祖谷育ちのあるお母さん。

現在はこのそば米汁、お湯をかければすぐ食べられるフリーズドライのものも売られており、現地での人気のほどがうかがえる。

祖谷地方は徳島市内から車で2時間以上かかり、決してアクセスがいいとは言えない。しかし近年「日本の原風景を体験できる場所」として観光人気が高まっている。みなさんもいつか訪ねてみてはいかがだろう?

[写真1]
撮影/島 誠 料理制作/三好弥生

[写真2]
祖谷のかずら橋(徳島県三好市)

[写真3]
そばの実は今回の祖谷地方のほか、山形・酒田地方でも伝統的に「むきそば」という料理名で、だし汁と共に食べられている。

文/白央篤司
フードライター。研究テーマは日本の郷土食と「健康と食」で、月刊誌『栄養と料理』(女子栄養大学出版部)などで執筆。著書に『にっぽんのおにぎり』(理論社)『ジャパめし。』(集英社)などがある。
ブログhttp://hakuoatsushi.hatenablog.com/[外部リンク]

特集1 魚を食べよう

四方を豊かな海に囲まれた日本では、魚食文化が発展してきました。
しかし、近年魚離れが進んでいます。もう一度、日本の魚介類のおいしさを見直してみませんか。

魚介類の名前、わかるかな?
[図1]
※答えは11ページにあります。
(c)川口ゆきひろ

新鮮でおいしい魚が豊富な日本は世界有数の魚食大国

魚介類の消費が年々減っているわけ
日本は世界有数の豊かな漁場を持つ国。海だけでなく、清流や湖沼にも恵まれていることから、古来豊かな魚食文化が発展してきました。

世界的に見ても、私たち日本人は多種多様な魚介類を消費していますが、その量は年々、減り続けています。「食料需給表」によると、平成13年度には1人当たりの年間消費量が40.2キログラムもありましたが、この年をピークに、平成27年度は25.8キログラムにまで減少しました(グラフ1参照)。

その主な要因として「調理が難しい・面倒」という消費者の意識が強くなっていることがあります。一方で、肉類の消費量は伸びているため、ますます魚を食べる頻度が落ちているのです。

手軽においしく魚食の魅力を見直そう
とはいえ、魚介類を食べる頻度について「増やしたい」と考えている人は7割近くいます(グラフ2参照)。決して魚介人気が衰えているわけではありません。

また、水産物の消費を増やすために有効な取り組みとして、「前処理済みの商品を増やす」「調理方法やレシピの提供を増やす」「鮮度の高い商品を増やす」といった声もあります(グラフ3参照)。

こうしたことを受け、魚介類をもっと手軽においしく食べてもらうため、漁業者や販売業者などによりさまざまな取り組みも行われています。

次ページ以降、おいしい魚の選び方から、調理、盛りつけや食べ方のコツなどを紹介します。魚の魅力を再発見し、もっと食べる機会を増やしてみてください。

魚介類の1人当たり年間消費量
出典/農林水産省「食料需給表」
[グラフ1]

魚介類を食べる頻度について
出典/農林水産省「食料・農業及び水産業に関する意識・意向調査」(平成 27年度)
[グラフ2]

水産物の消費を増やすために有効な取り組み
[グラフ3]

取材・文/大沼聡子
写真/島 誠

定番の魚5種類の目利きおいしい魚の選び方
魚の鮮度や味を見分けるには、どんなところを見ればいいのでしょうか。食卓にのぼる頻度の高い魚について、プロに目利きのコツを教わります。

マグロ
真っ黒な魚体をしていることが「マグロ」の呼び名の由来。市場には主にクロマグロ(本マグロ)、ミナミマグロ、メバチ、キハダ、ビンナガの5種類が出回る。スーパーなどで売られるさくは"スジ"が注目ポイント。スジが目立たないものは刺身で食べやすく、しっかり入って目立つものは、生では食感がよくないので、ねぎま汁など加熱調理に向く。

赤身
[写真1]
クロマグロの場合は深い赤色、メバチマグロ(写真)の場合は鮮やかな赤色がよい
スジが目立たないものが口当たりがよい。色つやがよく黒ずんでいない

中トロ
[写真2]
クロマグロの場合は深みのあるピンク色、メバチマグロ(写真)の場合は薄いピンク色がよい
脂のきめが細かい

カレイ
卵のおいしさが味わえる、晩秋から冬の時期に旬を迎えるカレイ。市場には主に、マガレイ、マコガレイ、アサバガレイ、アカガレイなどが出回る。背びれ近くにあるエンガワには、特にコラーゲンが豊富に含まれ、濃厚な味わいがある。ヒラメとよく似ているが、「左ヒラメに右カレイ」といわれ、カレイは腹部を下にしたときに顔が右にくるのが特徴だ。

[写真3]
身が厚く、しっかりとした張りがある
卵がまとまっていて、流れ出ていない

サケ
主に秋に旬を迎えるシロザケ、養殖の盛んなギンザケ、海外から輸入されるベニザケなどが出回る。「時しらず」「時鮭」と呼ばれるものは初夏にとれるシロザケで、産卵前なので脂がのっていて美味。また、サケの身は赤みを帯びているが、分類としては白身魚。赤みの正体は、身に含まれるアスタキサンチンという色素で、エビやカニの色素と同じ。

[写真4]
全体につやがあって美しい
鮮度が落ちると白っぽくなる。できるだけオレンジ色が濃いほうがよい

サンマ
漢字で書くと「秋刀魚」。銀色に輝く魚体が刀を連想させ、秋が旬であることが由来である。オホーツク海で育ち、寒流に乗って南下する回遊魚。夏に北海道でとれ始め、秋に三陸沖にやってくるころには、脂ののりがピークとなり味がよいといわれる。新鮮なものは内臓を取り除かずに、塩焼きにして味わうとおいしい。

[写真5]
厚みがあって尾まで太っている
首の後ろに丸みがある
腹が銀色に輝いている
肛門が引き締まり、内臓が出ていない

サバ
マサバ(写真)とゴマサバがあり、後者は皮の模様に斑点がある。「秋サバ」と呼ばれるのは、秋になると脂がのっておいしくなるマサバのこと。ゴマサバはさっぱりとしていて、夏の時期はマサバよりも味がよいとされる。「サバの生き腐れ」といわれるくらいに鮮度が落ちやすいため、新鮮なものを手に入れて、できるだけ早く調理するとよい。

[写真6]
皮の模様がくっきりして光沢がある
全体につやがあって美しい

解凍品はここをチェック!
冷凍技術の進歩により、水産物は鮮度とおいしさを保ちながら冷凍しておけるようになりました。ただし、解凍して売られている魚はパックの中をチェック。「ドリップ」と呼ばれる水分が多く出ていると、味が落ちている可能性が高いので、少ないものを選びましょう。

[写真7]
教えてくれた人
小川貢一 さん
築地の仲卸三代目、料理人を経て、現在は魚アドバイザー・プロデューサーとして活躍。漫画『築地魚河岸三代目』(小学館)の監修を担当したほか、『築地 魚の達人 魚河岸三代目 小川貢一』(集英社)等、著書多数。

取材・文/大沼聡子
写真/島 誠
監修/小川貢一

基本がわかれば、意外と簡単魚をおいしく焼く、煮る、揚げる
魚料理はちょっとしたコツを知っていれば、シンプルな調理法でおいしくつくることができます。前出の小川貢一さんに、定番レシピを教わりましょう。

焼く

サンマの塩焼き
[写真1]
そのままグリルで焼くだけだから簡単。
おいしく焼くには、塩のふり方にコツがあります。

材料(1人分)
サンマ:1尾
塩:適量
大根おろし:適量

つくり方
1.サンマに軽く塩をふり、冷蔵庫に10分~1時間置く。
2.グリルを強火で2分ほど予熱し、庫内の温度を上げる。その間、サンマを冷蔵庫から出し、表面に出てきた水分はそのままの状態で、さらに塩をふる。尾びれには飾り塩(写真2参照)をする。
3.グリルの網に頭が奥になるように置いて焼く。表面が色づいて、脂が落ちるようになったら焼き上がり。器に盛り、大根おろしを添える。

[写真2]
ポイント
飾り塩で美しい焼き上がりに
尾びれはそのまま焼くと、焦げて取れてしまう。あらかじめ塩をまぶしておくことで(飾り塩)、焦げを防いで美しく焼ける。

[写真3]
きれいに焼き上げるには、グリルを予熱しておくことが重要。

煮る

カレイの煮つけ
[写真4]
白いご飯がすすむ煮つけ。
みりんを使うとカレイの身がかたくなるので、加えません。

材料(2人分)
カレイ(切り身):2切れ
A.しょうゆ、酒、水:各50ミリリットル、砂糖:大さじ2、しょうが(スライス):1かけ分(Aはしょうゆ、酒、水、砂糖、しょうがスライス)
針しょうが(しょうがのせん切りをさらしたもの):適量

つくり方
1.鍋にたっぷりの湯を沸かし、カレイをサッと湯通しして、水に取る。水の中で、余分なぬめりやうろこがあれば取り除く。
2.やや深さのあるフライパンにAを入れて強火にかけ、沸いたら1.を入れて落しぶたをし、再び沸いたら弱火で15分ほど煮る。煮汁が煮詰まってきたら、水を適量足す。
3.器に盛り、フライパンに残った煮汁をかける。針しょうがを飾る。

[写真5]
ポイント
煮つける前に湯通しする
カレイのおいしさは卵。湯通しすることでくさみがなくなるだけでなく、表面を固めて、煮汁に卵が流れ出すのを防ぐ。

[写真6]
煮汁を飛ばしながら魚にからめる。

揚げる

サバの竜田揚げ
[写真7]
下味をつけたら、粉をまぶして揚げるだけ。
おかずにも、お酒のつまみにもなる一品。

材料(2人分)
サバ:2分の1尾分(切り身2切れ)
A.しょうゆ、酒、みりん:各大さじ1、しょうがのしぼり汁:少々
塩:適量
片栗粉、小麦粉:適量
揚げ油:適量
レモン(くし形切り):1切れ

つくり方
1.サバは切り身をそれぞれ3等分に切り、軽く塩をふる。
2.Aをボウルに合わせて、1.を20分~1時間ほど漬け込む。脂がのっているサバは下味がつきにくいので、長めにするとよい。
3.片栗粉と小麦粉を1:1で混ぜ合わせ、軽く汁けをきった2.にまぶす。
4.揚げ油を180度に熱し、3.を揚げる。サバから出る泡の大きさが小さくなり、衣が色づいたら引き上げる。器に盛り、レモンを添える。

[写真8]
ポイント
片栗粉と小麦粉が1:1
竜田揚げは片栗粉のみをまぶすつくり方が定番だが、小麦粉を混ぜると衣がかたくなりすぎずにカラッと揚がり、魚の身もふっくら。

取材・文/大沼聡子
写真/島 誠
監修/小川貢一

見た目もきれいに、隅々まで食べつくす魚の盛りつけ方と食べ方
簡単な盛りつけ方のコツを知っていれば、魚料理の見栄えは格段に違ってきます。魚の美しい食べ方もご紹介します。

刺身を盛りつける
刺身を盛りつけるときは、皿の位置を固定し、奥から手前に順番に盛りつけていきます。
奥にはつまを置き、そこに立てかけるようにして順に盛っていくとよいでしょう。

[写真1]
ポイント
・大根のつま、青じそは奥に置く。
・奥に色の濃い魚を置き、手前に白身の魚を置く。
・刺身の数の合計は、奇数にするのが和食のしきたり。
・刺身と刺身の隙間には、ほじそや食用花などを飾ると、まとまりがよく美しく見える。

さくの切り方
さくの刺身を家庭で切る場合、2通りの切り方を覚えておくと便利です。

[写真2]
【そぎ切り】
タイやヒラメなど、身が薄めの魚にはこの切り方。一切れの面を大きく出すことができる。左手で身を押さえながら、包丁をねかせて、さくの左側から切る。

[写真3]
【平切り】
マグロやブリ、カンパチなど、ある程度、厚みのある魚の場合は、この切り方。まな板に対して垂直になるように包丁の刃を入れ、さくの右側から切る。

魚料理の盛りつけ

[写真4]
サンマの塩焼き
尾頭つきの魚を盛る場合は、頭を左にする
大根おろしはざるなどで水けを切り、軽くまとめて手前右に置く。ここに置くのが最も食べやすいため

サバの竜田揚げ
[写真5]
奥に3切れを並べ、立てかけるようにして手前に3切れを置く
揚げものは全体に山高になるように盛ると美しく見える
レモンを添える場合は、手前右に置く

カレイの煮つけ
[写真6]
カレイの切り身は、黒い皮が上にくるようにする
針しょうがはやや高さが出るように、中央に天盛りにすると美しい

魚の食べ方
尾頭つきの魚を食べるときは、頭から尾に向かって食べ進めていくと、無駄なく美しく食べることができます。サンマの塩焼きで実践してみましょう。

[写真7]
1.サンマの中骨に沿って、上身に箸で切り込みを入れていく。

[写真8]
2.上身の上半分(背側)を頭に近いほうから尾に向かって食べ進む。サンマの塩焼きの場合は、大根おろしも添えながら味わう。

[写真9]
3.下半分(腹側)も同様に食べ進む。

[写真10]
4.頭を左手で押さえながら、骨をはずす。

[写真11]
5.はずした骨は、皿の奥側に置く。

[写真12]
6.下身は好みでわたと一緒に頭から尾に向かって食べ進む。このとき、わたは頭側の3分の1にうろこが詰まっていることがあるので、食べなくてもよい。

[写真13]
7.頭と骨と尾を残して、きれいに食べきることができる。

魚介類の名前、わかるかな?
(答え)
(1)イカ (2).サケ (3)タイ (4)カレイ (5)マグロ (6)イセエビ (7)サンマ (8)カサゴ (9)サバ (10)アマダイ (11)カツオ (12)カンパチ (13)クエ (14)シマアジ (15)タコ (16)カジキ (17)アナゴ (18)ズワイガニ (19)タチウオ (20)メバル (21)ヒラメ (22)アカムツ (23)ブリ (24)アンコウ (25)トビウオ

取材・文/大沼聡子
写真/島 誠
監修/小川貢一

地元の魚が堪能できる漁港めしを食べよう
漁港内や、その近くにある食堂・レストランでは、新鮮な魚介料理が手ごろな値段で食べられます。
一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。

[北海道]根室(ねむろ)・花咲(はなさき)漁港
とれたて浜ゆでの花咲ガニが食べられる
根室湾側の根室港区と太平洋側の花咲港区からなる漁港。サンマの水揚げ量が日本一で、花咲ガニも有名。「かに屋めし屋大八」では、花咲ガニのむき身がたっぷりのカニラーメンが人気。
[写真1]
カニラーメン/1,200円

[写真2]
かに屋めし屋大八
北海道根室市花咲港68
http://www.daihachi-shokudo.com/[外部リンク]

[富山]新湊(しんみなと)漁港
雄大な立山連峰を望む港で海の幸を味わう
漁港では早朝だけでなく昼にも競りがあるので、鮮度の高いズワイガニやホタルイカといった魚介が仕入れられる。このほか、富山湾の宝石といわれるシロエビやブリも有名。

[写真3]
紅白丼/2,300円

[写真4]
新湊きっときと市場・きっときと亭
富山県射水市海王町1
http://kittokito-ichiba.co.jp/floor/kittokitotei[外部リンク]

[宮城]気仙沼(けせんぬま)漁港
震災からの復興が進み、活気が戻りつつある
カツオ、サメ、カジキ等が水揚げされ、マグロ等の遠洋漁業基地でもある。漁業組合直営の「北かつ まぐろ屋 田中前店」ではメカジキの希少部位「かまとろ」や各種マグロ料理が食べられる。

[写真5]
メカジキ かまとろステーキ/680円

[写真6]
北かつ まぐろ屋 田中前店
宮城県気仙沼市田中前1-3-18
http://www.maguroya-honten.com/menu11.html[外部リンク]

[神奈川]三崎漁港
水揚げした遠洋マグロを関東一円に供給
卸売市場2階にある食堂。マグロの刺身、たたき、皮の煮こごりなどが入った三崎マグロ三昧定食をはじめ、三浦半島の旬の野菜と新鮮な魚介を使ったメニューが食べられる。

[写真7]
三崎マグロ三昧定食/1,810円

[写真8]
三崎水産物地方卸売市場食堂(三崎食堂)
神奈川県三浦市三崎5-245-7
三浦市三崎水産物地方卸売市場2F
https://sites.google.com/site/misakidining/[外部リンク]

[大阪]中之島漁港
都市再生プロジェクトで生まれた都会の漁港
「水都大阪プロジェクト」で整備された安治川(あじがわ)沿いにあり、全国の漁港から新鮮な魚介が直送される。夏はビアガーデンでバーベキューも楽しめる。

[写真9]
漁港BBQ/3,500円~(全コース飲み放題つき)

[写真10]
中之島漁港 ビアガーデン
大阪府大阪市西区川口2-9
http://nakanoshima-gyoko.jp/[外部リンク]

[静岡]焼津(やいづ)漁港
天然のミナミマグロが揚がる遠洋漁業基地
遠洋漁業基地の焼津地区と沿岸・沖合漁業の小川地区からなる漁港。小川魚市場の組合食堂は一般の利用も可。新鮮な駿河湾の魚をふんだんに使った駿河定食や丼もの等が食べられる。

[写真11]
駿河定食/1,500円

[写真12]
小川港魚河岸食堂
静岡県焼津市小川3392-9
https://www.yaizu-uonaka.or.jp/uogashi/[外部リンク]

[大分]佐賀関漁港
ブランド魚の関あじ、関さばが味わえる
高級魚として有名な関あじ、関さばに加え、ブリやタイ、イサキ等も水揚げされる。名物の定食等を提供する漁港内の「関の漁場(りょうば)」には県外からも多くの客が訪れる。

[写真13]
関あじ・関さば定食/2,500円
※写真はイメージです。

[写真14]
関の漁場
大分県大分市大字佐賀関2016-4
写真協力/大分市観光協会

[鹿児島]枕崎港
カツオの一本釣りは高知と並んで有名
マグロ、アジ、サバ等も水揚げされる漁港。江戸時代から続くカツオ節の製造も盛ん。漁港を一望する「レストランぶえん」ではカツオ腹皮(マグロなら大トロの部位)の丼などが食べられる。

[写真15]
枕崎鰹大トロ丼/980円

[写真16]
枕崎お魚センター・レストランぶえん
鹿児島県枕崎市松之尾町33-1
http://makurazaki-osakana.com/restaurant/[外部リンク]

※価格はすべて税込み価格です。

取材・文/大沼聡子  写真/島 誠

特集2 カキ

欧米では「r(あーる)」のつく月(9~4月)に食べるものといわれるカキ。良質なタンパク質を含み、「海のミルク」と呼ばれる二枚貝の秘密に迫ってみましょう。

グリコーゲンやミネラルが豊富で栄養満点
カキは世界の海に200種類ほどいるとされています。このうち、日本近海には30種類ほどが生息しています。日本で食用とされているのは、ほとんどが養殖されたマガキです。このほか食用のものに、イワガキ、スミノエガキ、イタボガキがあります。

カキは栄養が豊富です。身から出る白い汁はグリコーゲンといううまみのもとであり、肝臓の働きを助けてくれる成分です。ミネラル類も多く、鉄は貧血を改善し、亜鉛は新陳代謝を促す効果が期待されます。

日本人とカキの関わりは、貝塚からカキ殻がよく出土することから縄文時代から食べられていたことがうかがえます。文献としては8世紀にまとめられた『出雲国風土記(いずものくにふどき)』に「北方に名産あり」として、カキのことが書かれています。ただし、生食を盛んにするようになったのは、明治時代から。西洋人の影響を受けてのことでした。古くから生食をしていたのはフランスで、皇帝ナポレオン1世も好物だったといいます。

養殖の主流はロープを吊り下げる垂下式
日本で養殖が始まったのは広島県で、450年ほど前とされています。 現在広く行われている「垂下式」という養殖方法は、大正時代に開発され、それ以降、生産量が飛躍的に伸びました。垂下式では、ホタテの殻に穴を空け、ロープを通して海中に吊り下げます。そうすると、海中を漂っている生まれたばかりのカキが付着します。この種ガキを1年から3年かけて育てます。

近年、養殖技術の進化は目覚ましく、稚貝を陸上で大量生産するといった新たな方法が次々に開発され、実用化されています。

年間生産量1位は広島県で、これに宮城県、岡山県が続きます。また、産地ブランドとして知られているのが三重県志摩市の「的矢(まとや)かき」、北海道厚岸(あつけし)町の「カキえもん」、北海道寿都(すっつ)町の「寿かき」など。ちなみに「あっけし」はアイヌの言葉で「カキがとれる場所」の意味です(諸説あり)。イワガキのブランドでは、鳥取県の天然ものの「夏輝(なつき)」などがあります。

[写真1]
マガキ
食用のカキの大半を占める
夏場に一気に産卵するため、身がやせて水っぽくなる。産卵期を過ぎると再び味がのってくるため、寒い時期が旬とされ、10月から翌年4月にかけて水揚げされる。クリーミーな味わいが特徴。

[写真2]
イワガキ
夏が旬の大ぶりのカキ
「夏ガキ」と呼ばれるように夏を旬とする。少しずつ産卵するため夏もあまり味が落ちず、春から夏にかけて出荷される。産地は日本海側に多く、天然ものも珍重される。ジューシーな味わいが特徴。

[図1]
養殖カキの年間生産量
全国164,380トン
※種苗養殖を除く 出典/農林水産省「平成27年漁業・養殖業生産統計」

取材・文/下境敏弘
写真/島 誠
イラスト/あべかよこ

カキの生態の世界的権威に聞いた  カキの不思議
カキにまつわる疑問について、かき研究所理事長の森 勝義さんにお聞きしました。

Q.カキは泳ぐの?
A.生まれてから2~3週間のカキの幼生期といわれる期間には足があります。それだけでなく光を感じる目もあります。カキの幼生は足と目を使い、海中を動き回って貝殻や岩、ときには船の底など気に入った場所を見つけてくっつきます。付着すると足も目も退化して、その後はいっさい動かなくなり、あとはひたすらえさである植物プランクトンを食べ続け、太っていきます。

Q.海水を浄化する力があるの?
カキは1日に200~400リットルもの海水を飲み込み、えさの植物プランクトンを取り込みます。海水ろ過能力を利用して海洋環境を改善。アメリカの首都ワシントンの東にあるチェサピーク湾ではカキの能力を用いた浄化活動が行われています。
[イラスト1]

Q.オスとメスがいるの?
A.原則として雌雄同体です。例えば、ヨーロッパヒラガキは完全な雌雄同体タイプで、体内で受精し、子どもは泳げる状態で生まれます。マガキはこれと異なり、メスが卵子、オスが精子を放出して海中で受精しますが、産卵期を過ぎると性別がなくなり、翌年の産卵に向けて再び性別が決まります。海の栄養状態がよいとメス、悪いとオスになる傾向があります。
[イラスト2]

Q.食用以外の用途にはどのようなものがある?
A.カキの殻を焼いてから粉砕した粉は生薬になります。ほかにも壁や塀の建材、肥料、養鶏の飼料、上下水道の浄化剤、消しゴムの添加剤など、カキの殻にはさまざまな用途があります。古くからの用途として、イタボガキの殻の粉を日本画や日本人形の顔料にする「胡粉(ごふん)」があります。肉は亜鉛など栄養素を多く含むことからサプリメントの材料とされます。

Q.日本産のカキが世界中で食べられるようになっているそうですが?
A.日本の種ガキのアメリカへの輸出が始まったのは1920年代です。1970年代にフランスで病原性微生物により、カキ産業が壊滅的なダメージを受けたとき、これを救ったのも、日本産のマガキでした。輸出だけでなく、世界各地で養殖の技術指導も行われた結果、マガキ養殖はアフリカ、南米などにも広がり、今や世界のカキ年間生産量400万トンの55パーセントを占めると試算されるほどです。世界に生息範囲を広げたマガキを観察し、比較することで各地の環境変化を把握できる、と研究者の間では、地球環境保全の指標生物として認知されるようになっています。
[イラスト3]

Report
「かき小屋」で存分にカキを味わう

水揚げされたばかりの殻付きのカキを自分で焼いて食べる。九州の唐津や糸島、広島、東北の松島や石巻などの産地にあるのが、かき小屋です。

今回伺ったのは仙台市の中心部から遠くない「かき小屋仙台港」です。新鮮なカキが食べ放題、しかも時間無制限ということもあって人気の店で、1日に1万個出ることもあるとか。 扱うのは宮城県の牡鹿(おしか)半島近海などで育ったマガキが主ですが、時期によっては北海道産や天然のイワガキを入荷します。

「おいしいカキは、貝柱が乳白色で、光沢があり、ぷっくり膨らんでいます」

木村 壮店長によると、お客さんは平均して20個程度、多い人は100個以上も食べられるそうです。

[写真1]
「三陸地方の生産者を支援しようと、福岡県唐泊漁協および、宮城県漁協の有志のみなさんにご協力いただき、2012年にオープンしました」と言う店長の木村さん。

[写真2]
1.炭の上は熱いので軍手をはめてから、殻の平らな面を上にして網の上に並べる。

[写真3]
2.内部まで熱を加えるためフタをして5分間待つ。各席に砂時計が置いてある。

[写真4]
3.十分な時間熱を通したのになかなか殻が開かない場合、カキ用のナイフで開く。

[写真5]
4.殻をむき、カキ専用のポン酢やしょうゆなど好みの調味料をかけて食べる。

取材協力/かき小屋仙台港
http://kakigoya.jp/

家庭でカキを楽しむときのポイント
カキには「生食用」と「加熱用」がありますが、鮮度に違いがあるわけではありません。「生食用」のカキは、細菌が規定量以下でなくてはいけません。一定の基準を満たしたものだけが、「生食用」として販売されています。この基準を満たすために、収穫後、きれいな海水につけてカキ体内の細菌を減らしたりしています。

一方、「加熱用」のカキは、生食することを想定していないので、新鮮なものでも絶対に生食せず、十分に加熱して食べる必要があります。それぞれうまみや食感の違いがあるので、鍋やフライにするなら「加熱用」、生で味わうなら「生食用」のように、調理に合わせて選びましょう。

下ごしらえとして洗うときは、ボウルなどに入れ、塩を入れて軽く混ぜます。このとき、片栗粉を入れるとぬめりがとれます。この後、水を入れて洗うと汚れが浮き出てきます。すすぐ際も真水ではなく、3パーセントの濃度の塩水を用いるようにします。真水で洗うと成分が外に出やすくなり、加熱すると小さくなるのはこのためです。

[イラスト4]
カキを洗うときは、海水並みの塩水がよい。

[写真6]
森 勝義さん
「一般財団法人かき研究所」理事長・東北大学名誉教授。カキをはじめとする水産動物の生態の解明に取り組む。2005年より「世界かき学会」会長。

取材・文/下境敏弘
写真/島 誠
イラスト/あべかよこ

輝く! 未来を担う生産者 vol.5

材木座水産/神奈川県
海は毎日違う。だから、漁がたまらなく面白い
観光地として人気の鎌倉。でも、海の幸の宝庫であることはあまり知られていません。
11年前に初の女性漁師が誕生。育てた弟子も活躍するなど若手漁師を牽引しています。

[写真1]
鎌倉漁業協同組合の正組合員になったときに造った「第二桃丸」の前で。名前にちなんだ桃色の線が目印。

鎌倉の海の豊富な魚介類に魅せられて
日本有数の観光地、神奈川県鎌倉市。その海で漁が行われていることをご存じですか。「地元の人からも『鎌倉に漁師がいるの?』と言われます」と笑うのは「材木座水産」の前田桃子さん。女性として初めて鎌倉漁業協同組合の正組合員になった漁師です。

生まれも育ちも鎌倉ながら、特に海に興味はなかったという前田さんが、なぜ漁師に? それは15年前、材木座で漁業と水産加工販売を手掛ける「もんざ丸 前田水産」でアルバイトを始めたことがきっかけでした。仕事の内容は、船から揚がってきたシラスの加工や販売。ところが、働き始めて2年後、シラスが大不漁になり、前田さんの仕事がなくなってしまったのです。ここではシラス漁のほかに定置網や刺網(※1)、みづき(※2)などさまざまな漁を行っていたため、前田さんは当時の社長でもある「もんざ丸」の親方に頼んで、船の仕事を手伝わせてもらうことに。

「いろいろな漁を体験させてもらいました。中でも、海底を直接見ることができるみづき漁では、鎌倉の海に多くの種類の魚介類がいることを知って感動。そのすばらしさに魅せられてしまいました」

それから、親方のもとで前田さんの漁師修業が始まったのです。

答えがすぐ返ってくるのが漁業の楽しさ
鎌倉には漁港がないため、波が打ち寄せる浜から海へ、直接船を出さなければなりません。風があり、波が高いと男性でも危険が伴います。そんな困難も仲間たちに助けてもらいながら、ひたすら漁に出続けた前田さん。

「自分で考えて網を仕掛けると、答えがすぐに返ってくる。それがたまらなく面白くて楽しい。タコ、カマス、イセエビ、サザエ、ヒラメ、アワビ……獲物によって漁法も漁具も違うし、海の状況も毎年違います。覚えることがたくさんあって夢中で漁に出ました」

その姿勢が鎌倉漁業協同組合に認められ、2006年に准組合員、2008年には正組合員に。そして前田さんに憧れて、自分も漁師になりたいという桑原桃子さんを弟子にするまでになりました。

「自分が弟子だったころ、親方は余計なことをごちゃごちゃ言わなかったので、私もそれを心がけました。その少し前から、若い漁師が増えていたから、彼女も気は楽だったんじゃないかと思います」

2012年、前田さんは公私ともに信頼する親方と入籍。しかし、その1週間後に親方は逝去。

翌年、女の子を出産し、弟子育ての次には、子育てをすることに。

おばあちゃんになっても漁師でいたい
今では長女も5歳。毎朝7時に保育園へ送り届け、7時30分に漁へ。「本当は4時に出たいんです。前日に仕掛けた網を、翌朝早くに揚げたいから。でも、今はしょうがない」。自分のやりたいことに全力を注ぎたい、と「もんざ丸 前田水産」から離れ、昨年「材木座水産」を立ち上げました。水揚げしたタコやワカメの加工も一人でこなしています。

「漁師に定年はありません。漁に出られる限り、いくつになっても腕をあげ、進化することができます。だから私はおばあちゃんになってもずっと漁師でいたい。そして、鎌倉の海の豊かさを多くの人に知ってほしいと思っています」

※1 刺網:帯状の網を仕掛け、魚を絡めてとる漁法。
※2 みづき:船端から眼鏡で水中をのぞき、もりでサザエなどをとる漁法。

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「材木座水産」で加工し、卸売りしているワカメとタコ。

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タコ漁に使うかご。

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前日に網を仕掛けた場所へ向かう。

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この日とれたのはヒラメ、タカノハダイ、カワハギ、メバル、サザエなど。「史上最悪の不漁! まあ、こんな日もある」と前田さん。

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機材を積んだ船を浜から押し出し、直接海に出る。

[写真7]
「師匠は男の人に負けないほど、かっこいい漁師です」と、弟子の桑原さん(左)。昨年独立した24歳の若手漁師ながら、今では前田さんのよきライバル。

[写真8]
漁師たちは海から戻ると、漁具の手入れや修理をする。「私は保育園のお迎えや家事があるからできなくて。だから、時間ができると網の修理をしていますが、どこに仕掛けようか、考えるだけで楽しくなります」。

[写真9]
とにかく漁が好き!子育てと家事以外の時間は漁のために使ってます
道具もすぐ使えるよう、網の横に用意されている。

Profile
前田桃子さん
1978年生まれ。上智大学文学部卒業。2002年、「もんざ丸 前田水産」でアルバイトを始める。2006年に鎌倉漁業協同組合の准組合員に、2008年に正組合員に。2012年、結婚。「もんざ丸 前田水産」の社長を経て、2016年に「材木座水産」を立ち上げる。一女の母。
所在地/神奈川県鎌倉市材木座6-1-31

取材・文/岸田直子
撮影/原田圭介

MAFF TOPICS

MAFFとは農林水産省の英語表記「Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries」の略称です。「MAFF TOPICS」では、農林水産省からの最新ニュースなどを中心に、暮らしに役立つさまざまな情報をお届けいたします。

あふラボ スジアラの完全養殖に成功
デリケートな高級魚を養殖に導く
スジアラは、赤い色をしたハタ科の魚で、日本では沖縄をはじめ南西諸島に分布しています。沖縄では「アカジン」と呼ばれ、ハマダイ、シロクラベラとともに三大高級魚の一つとして知られています。「ジン」とは方言でお金のこと。つまりアカジンは"大変高価でお金になる赤い魚"という意味があります。

沖縄だけでなく、中華圏(中国本土、香港、シンガポール、台湾等)でも人気は高く、高額で取り引きされています。特に中国ではおめでたい赤い魚として、お祝いの席では欠かせません。

昨年、そのスジアラの完全養殖が、世界で初めて成功しました。

「スジアラの資源を守りながら、もっと多くの流通ができるよう、30年ほど前から養殖の研究が行われてきました。ふ化したスジアラの仔魚(しぎょ)は、大きさが1.7ミリメートルほど。3ミリメートルはあるマダイやヒラメに比べて体や口が小さい分、苦労もいろいろありました。高い水温に生息するためエサを食べないとすぐに体力が消耗し、死んでしまうので、特別に小さいプランクトンを用意して対応しました。ほかにも、水流を弱くするなど、さまざまな工夫をしました」(国立研究開発法人 水産研究・教育機構 生産技術グループ長 小磯雅彦さん)

成長してからもスジアラの養殖には、細かな配慮や時間が必要だったとのこと。

「ちょっとした刺激にも驚きやすい、デリケートな魚なので、1つの水槽に少数しか飼えません。また、全長32センチメートル(800グラム)ぐらいまで育てるのに2年半はかかります」

こうした研究開発を経て、今後は商業化に向けて取り組んでいく予定です。海に出なくてもできる養殖は、高齢化が進む沖縄の漁業者にとっても、新たな仕事の形態として、期待されます。

観賞魚のように鮮やかな赤い色が特徴のスジアラですが、見た目と違い、味は上品で淡泊。料理法は刺身、寿司のほか、煮つけ、中華風から揚げあんかけなどさまざまです。

現在は1キログラムあたり3千円前後の高値で市場に出回っていますが、完全養殖により、手ごろな値段で食べられる日が待ち望まれます。

[写真1]
スジアラの親魚。赤い体色に水色から黒っぽい水玉模様が特徴。全長50センチメートル。

[写真2]
ふ化して21日目の仔魚。全長1センチメートル。

[写真3]
完全養殖で生産された、ふ化後60日目のスジアラ。
全長3.2センチメートル。

[写真4]
室内の水槽でていねいに世話されながら育つ。

[写真5]
高級料理として名高いスジアラ。究極の美味と称される
沖縄では刺身のほか、塩水で蒸し煮にするマース(塩)煮も好まれている。加熱すると身がゼラチン化して透明に。中国では身をやわらかく、半生のような状態で煮る料理法もあり、料理人の技が光る高級料理だという。

あふトリビア
中国では慶事のときによく食されるスジアラ。とても高価で、上海のレストランでは1品2万円程度で提供されることもあります。

NEWS1 「こども霞が関見学デー」を開催
夏休み恒例の「こども霞が関見学デー」が8月2日(水曜日)、3日(木曜日)の2日間にわたり開催されました。農林水産省でも子どもが見たり、体験したり、作ったりと楽しめる30のイベントを用意しました。

イベントの内容は、木になるりんごの数を計測する「測って、遊ぼう! 統計ランド」、バナナからDNAを取り出してみる「食べ物をたのしく科学してみよう!」、木製はがきを使って暑中見舞いを作る「大好きな人へ木のはがきをおくろう!」、さかなクンによるお魚セミナー「ギョーさん、おさかなを知ろう!」など。トラクターや林業機械の搭乗体験など、今回初めて行ったイベントも含め、子どもたちは農林水産業について楽しく学んでいました。なお、今年の参加者数は7,222人となり、参加府省中1位でした。

[写真6]
イベント「組紐づくり&ブレンド緑茶づくりにチャレンジ!」
石うすを使った抹茶作りに挑戦。

[写真7]
イベント「花育(はないく)教室」
花に関するクイズに挑戦。
フラワーアレンジメントも体験。

[写真8]
食堂メニューの一例
「こども霞が関見学デー」に合わせ、特別に子ども向けメニューを提供。

NEWS2 「全国豊かな海づくり大会」を福岡で開催
「全国豊かな海づくり大会」は、水産資源の保護・管理と環境保全の大切さを広く伝えるとともに、つくり育てる漁業の推進を通じて日本の漁業の振興と発展を図ることを目的に開催しています。

昭和56年に第1回大会が大分県で開催され、今年の第37回大会は「育もう 海 人 地域 みんなの未来」をテーマに福岡県で開催されます。

式典行事では、資源管理や栽培漁業、漁場環境保全に功績のあった団体等への表彰、若手漁業者によるメッセージの発信などが行われます。海上歓迎・放流行事では、漁船等によるパレードや稚魚の放流が行われます。

また、関連行事会場では、これらの模様の映像を中継するほか、海を通じた国際交流で育まれてきた伝統や文化などの福岡県の魅力を紹介する企画展示や特産品の展示販売、ふれあい体験などのイベントも行われます。

豊かな海づくりの状況を知る機会として、足を運んでみてはいかがでしょうか。

[写真9]
漁船等による海上パレードの様子。

[写真10]
県内でとれる魚種の稚魚を放流。

[写真11]
庄内浜文化伝道師マイスターによる、地魚さばきの実演。
※写真はすべて第36回大会のものです。
写真提供:山形県

第37回「全国豊かな海づくり大会」福岡大会
開催日:平成29年10月28日(土曜日)、29日(日曜日)
会場:福岡県宗像市 宗像ユリックス本館(式典行事)鐘崎漁港(海上歓迎・放流行事)
関連行事会場:宗像ユリックス屋外施設
ほか県内4会場

詳細はこちらへ!
全国豊かな海づくり大会[外部リンク]

取材・文/細川潤子

NEWS3 平成28年台風被害からの復旧に向けて
農林水産関係被害とこれまでの状況
昨年8月、台風第7号、11号、9号、10号が連続して日本列島を襲い、このうち、北海道では、観測史上初めて1年に3つの台風が上陸しました。

この一連の台風により、北海道、東北地方を中心に、ばれいしょ、たまねぎ、スイートコーンなどの農作物や、農業用ハウス、畜舎、集出荷施設、乳製品製造施設、さけ・ますふ化場などの施設、農地・農業用施設、林地、漁港等に大きな被害が生じました。

さらに、9月には台風第16号が鹿児島県に上陸した後、和歌山県に再上陸し、九州を中心に西日本の広い範囲で大きな被害が生じました。

農林水産省では、被害の発生を受け、「緊急自然災害対策本部」を設置するとともに、農林水産大臣、副大臣、大臣政務官が被害を受けた各地の現地調査を行いました。また、農業土木技術者をはじめとした各分野の専門家を現地に派遣して被害状況の把握に努めました。

こうして把握した被害状況や地方公共団体からの要望等を踏まえ、補正予算で必要な予算を確保しました。査定前着工制度を活用した災害復旧事業の促進、共済金の早期支払い、農業用ハウス、畜舎、共同利用施設の再建修繕等、被災した農林漁業者の経営再開に必要なさまざまな支援を行いました。

この支援を活用することにより、北海道において土砂の流出、堆積が生じた農地約4700ヘクタールでは、自力復旧が可能な農地を除いた約500ヘクタールについて災害復旧事業を進めました。平成29年秋までに約4600ヘクタールで営農再開が可能になる見込みです。

また、北海道で被害が生じた集出荷施設等の共同利用施設では、12施設で災害復旧事業を進めてきましたが、このうち11施設については28年度中に復旧が完了し、残り1施設についても、29年夏までに復旧が完了しました。

農林水産省は、被災された農林漁業者の皆さんが希望をもって経営を継続できるように、引き続き、全力で支援を続けていきます。

[写真1]
再建された農業用ハウスで栽培されるミニトマト。

[写真2]
台風10号の被害にあった北海道芽室町(めむろちょう)上美生(かみびせい)のばれいしょ畑と美生川。

台風第7号、第11号・第9号、第10号、第16号による農林水産関係の被害額
農作物等:486億円
農地・農業用施設関係:501億円
林野関係:450億円
水産関係:216億円
被害総額:1,653億円

復旧が進む農業関係施設
ポテトチップス工場│北海道南富良野町
[写真3・4]
平成29年6月27日
空知川(そらちがわ)の決壊により土砂流入した工場を、共同利用施設災害復旧事業を活用して復旧。

農地(スイートコーン畑)│北海道帯広市
[写真5・6]
平成29年7月14日
札内川(さつないがわ)の決壊により土砂流入した農地を、農業農村整備事業を活用して復旧。

農地(たまねぎ畑)│北海道北見市
[写真7・8]
平成29年6月19日
無加川(むかがわ)の決壊により崩壊した農地を、農地災害復旧事業を活用して復旧。

乳製品加工施設│岩手県岩泉町
[写真9・10]
平成29年7月19日
小本川(おもとがわ)の氾濫により土砂に埋まった施設を、強い農業づくり交付金(平成28年台風被災施設整備等対策)により再建中。

取材・文/細川潤子

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