平成21年台風第9号に関する農林水産関係被害と対応
平成25年12月10日
農林水産省
1 気象概況
- 日本の南海上から湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定となり、西日本から関東地方の広い範囲で大雨となった。
日本の南海上に台風9号が発生し、太平洋上を進み、関東の南東沖に達した。
【主な観測地点の72時間降雨量】
2 被害状況
農林水産関係(下表は各県等からの報告を取りまとめたもの)
区分 | 主な被害 | 被害数 | 被害額(百万円) | 主な被害地域 |
農作物等 | 水稲、野菜等の冠水、土砂流入等 | 998ha | 220 | 香川県、岡山県、高知県、福島県、兵庫県、京都府、大分県 |
営農施設 | 29箇所 | 9 | ||
家畜等 | 3 | |||
農地・農業用施設 | 農地の損壊 | 4,062箇所 | 3,402 | 兵庫県、岡山県、大分県、高知県、香川県、徳島県、福島県、京都府 |
農業用施設等の損壊 | 3,057箇所 | 6,526 | ||
林野関係 | (民有林) | 兵庫県、高知県、徳島県、京都府、栃木県、岡山県、愛媛県、大分県、和歌山県、新潟県、静岡県、福島県、香川県、群馬県 | ||
林地荒廃 | 282箇所 | 6,837 | ||
治山施設 | 14箇所 | 78 | ||
林道被害 | 650箇所 | 1,234 | ||
林産物 | 30箇所 | 208 | ||
(国有林) | ||||
林地荒廃 | 21箇所 | 377 | ||
治山施設 | 2箇所 | 50 | ||
林道被害 | 357箇所 | 701 | ||
水産関係 | 漁港泊地の埋そく | 2箇所 | 12 | 兵庫県、高知県 |
共同利用施設 | 3箇所 | 21 | ||
水産物 | 約5万尾 | 4 | ||
合計 | 19,682 |
注)災害救助法が適用されている市町村は、兵庫県佐用郡佐用町、宍粟市、朝来市、岡山県美作市。
<参考>人的被害(消防庁情報:9月11日11時30分)
死者:25人、行方不明者:2人、負傷者:23人
3 対応状況
体制・情報収集・調整
【省内等】
- 農林水産省内において「平成21年台風第9号に関する災害情報連絡室」を設置(8月10日9時30分)
- 近畿農政局内において、災害対策連絡会議を開催(8月11日9時30分、8月12日13時00分)
- 農林水産省内において「台風第9号及び駿河湾を震源とする地震に関する関係局庁連絡会議」を開催(8月12日11時00分)
【政府対応等】
- 「平成21年(2009年)台風9号による災害に関する政府調査団」に農村振興局防災課災害対策室長、林野庁山地災害対策室長を派遣(8月11日)
- 同政府調査団に近畿農政局整備部次長、中国四国農政局整備部長等が合流(8月11日)
農林水産物及び関係施設に関する対応
【激甚災害の指定】
- 「平成二十一年八月八日から同月十一日までの間の豪雨及び暴風雨による災害」として激甚災害に指定し、農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置等を適用 (9月11日閣議決定、9月15日公布)
【農作物関係】
- 地方農政局を通じて各都道府県に対し、被害を最小限に抑え、生育の回復を図るための適切な対応が行われるよう技術指導を徹底することを旨とする通知を発出(8月11日)
【農地、農業用施設関係】
- 農村振興局から地方農政局に対し、災害査定を受ける前に復旧工事に着手することができる「査定前着工」の活用等を文書により通知(8月10日)
- 中国四国農政局が被災による農地の冠水防止のため、備前市の要請を受けて災害応急用ポンプを貸し出し(8月10日~)
- 近畿農政局担当官を派遣し、兵庫県下の被災状況を調査(8月11日)
- 農村振興局から台風9号による被害状況の早期把握について、地方農政局等に文書を発出(8月17日)
- 農業農村災害緊急派遣隊(通称:水土里災害派遣隊)として、農村振興局、近畿農政局及び中国四国農政局の担当官を派遣し、兵庫県下及び岡山県下の被災状況を調査。(8月18~19日)
- 近畿農政局担当官を派遣し、兵庫県下の被災状況の調査及び災害復旧に係る技術支援を実施(8月24~27日)
【林野関係】
- 被災状況の把握と今後の対応を検討するため、林野庁担当官を大分県竹田市へ派遣(8月11日~12日)
【水産施設関係】
- 漁業活動に支障が生じる漁港泊地の埋そく2箇所について、応急工事を実施(8月11日、13日)
【金融関係】
- 日本政策金融公庫神戸支店において平成21年台風第9号に関する特別相談窓口を設置。(8月10日)
- 関係金融機関に対し、被害農林漁業者等に対する資金の円滑な融通及び既貸付金の償還猶予等が図られるように依頼(8月10日)
- 日本政策金融公庫岡山支店において平成21年台風第9号に関する特別相談窓口を設置。(8月11日)
- 農林中央金庫(大阪支店、岡山支店、本店農林水産環境事業部及び投融資企画部)において平成21年台風第9号による被害にかかる相談窓口を設置(8月12日)
【共済関係】
- 経営局から農業共済団体等に対し、事務連絡にて農作物関係の技術指導通知の発出を周知するとともに、共済金の早期支払体制の確立等がなされるように改めて指導(8月11日)
プレスリリース
- 被害農林漁業者に対する償還猶予等に関するプレスリリース
- 9月10日付で上記プレスリリースに被災農林漁業者向けパンフレットを追加しました。
- 「平成二十一年八月八日から同月十一日までの間の豪雨及び暴風雨による災害についての激甚災害並びにこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令案」について
お問合せ先
大臣官房地方課災害総合対策室
担当者:川島、関川
代表:03-3502-8111(内線3808)
ダイヤルイン:03-6744-0578