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農林水産省

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第4回農業の「働き方改革」検討会 概要

日時

平成30年2月28日(水曜日)10:00~12:05

出席者

出席者:(委員)

会津委員、丸田委員、三浦委員、山田委員、鈴木委員、德田委員、名越委員、深沼委員、堀口委員

(ヒアリング対象者)

阿部梨園  佐川氏
株式会社ベジアーツ  山本氏
有限会社フクハラファーム  福原氏(近畿農政局からTV会議参加)

(農林水産省)

大臣官房  天羽総括審議官
経営局  大澤経営局長、德田参事官、森田経営政策課長
佐藤就農・女性課長(司会)、久保女性活躍推進室長

概要

【ポイント】

  • 阿部梨園、(株)ベジアーツ、(有)フクハラファームからヒアリングを行った後、検討会の取りまとめ骨子案について議論。
  • 取りまとめ骨子案について、委員等からは、「なぜ」働き方改革が必要なのか分かりやすく示すべき、通年雇用を実現するための作業の平準化を明記すべき、異業種経験者や経営体外の人材の意見を活かすべき、基本的な労働法規に関する啓発が必要、法人だけでなく個人経営体の取組を促すことも必要、等の意見があった。
  • 今回の議論を踏まえ、次回検討会に向けて取りまとめ骨子案を修正することとなった。

1.農業経営者等からのヒアリング

ヒアリング対象者から、働き方改革に関する取組について紹介があり、委員との間で質疑が行われた。主なやり取りは以下のとおり。

(山田委員)
阿部梨園では組織を変えるために、100を超える改善に取り組まれたとのことだが、最初に何をされたのか。

(佐川氏)
最初はインターンの立場で、経営の実態が分からなかったこともあって、事務所の掃除や送料の一覧表の作成など、目に見えることから行った。少しの変化だが、変化が目に見えることが他の取組のきっかけにもなる。

(堀口委員)
社員教育でどのような点に気をつけているのか。

(佐川氏)
個人経営体であり、もともとは従業員に作業指示を行うくらいだった。一方で、若い人は、全人的な教育・自分のキャリアが描ける指導を求めている。一般の企業に勤めた経験からも、若い人に対して一般企業並みの指導が必要との考えがあり、従業員の能力を評価するために100項目の星取り表を作る等の取組をしている。

(深沼委員)
通年雇用を増やしていくために、農閑期や農繁期の対応はどうしているのか。

(山本氏)
長野での農閑期に対応するために、埼玉に土地を借りている。ただし、移動の問題もあるので、2年前から栗の栽培を初めており、長野県内で従業員が通年で働けるよう取組を始めている。

(佐川氏)
栃木の梨については、冬場も剪定誘因の作業があり、農閑期はほとんどない。ただし農繁期は存在するので、冬にも出来る作業のリストを作るなど、労働のピークカットに取り組んでいる。

(福原氏)
収穫期以外でも、種子の準備や、ほ場の整備、機械のメンテナンス等、年間で仕事がある。なお、12-2月に休みを増やしている。

(鈴木委員)
阿部梨園では、労働基準法で農業では一部適用除外となっている部分も適用しているとのことだが、どのような取組をされているのか。

(佐川氏)
労働時間を週40時間、週休2日としている。また、個人経営体では加入が必須ではない社会保険にも加入している。実際に超過勤務が発生した場合は、賃金を割り増ししており、こうした取組によって、超過勤務は発生しないよう意識が高まるという効果もある。

2.取りまとめに向けた議論

本検討会の取りまとめ骨子案について、委員等から以下のような発言があった。

(会津委員)
採用のマッチングを減らす仕組み作りが必要であり、就職前に実態をどこまで見せられるかが重要。
経営者に労働関係法規の知識が不足しており、特に個人事業者向けに、研修の支援や普及が必要。

(丸田委員)
経営者の意識を変えることと、従業員の育成をすることが両輪だと考えている。経営者が気づいたときには手遅れだったとならないよう、補助金の要件に働き方改革の取組を入れて推進してはどうか。
また、「やりがい」と労働時間の短縮とは切り分けるべきではないか。4年制大学の卒業者は、楽かどうかではなく、日本の食を支えることなどに「やりがい」を見いだす場合もあるのでは。

(三浦委員)
「なぜ」働き方改革が必要なのか、いかに周知できるかが重要。経営者も人から直接指摘されないと分からない面があり、推進に当たっては、農協など農業経営者に近い組織の意識改革も必要ではないか。
過去には自分も、GAPは農作物の付加価値のためのものだと思っていたが、GAPに取り組むことで働き方改革にも繋がるというアプローチも大事なのでは。
農業女子プロジェクトのメンバーは、異業種経験を経て農家に嫁いだ方も多く、農業の現状に、「なぜ」という問題意識を持っている人も多い。女性が得意なSNS等で周知するとともに、農業女子プロジェクトの参加企業にもCSRと位置づけて協力してもらってはどうか。

(山田委員)
来年から始まる農林水産省の農業経営者サポート事業を大事なこととして掲げたらいいのではないか。佐川氏は掃除など見える所から取り組んだとのことだが、農業者にはそもそも見えていない所があるのではないか。見えていない所を見る目が必要であり、外の人材にも力を借りて、意識を変えないといけない。
農の雇用事業と働き方改革を関連づけて、「なぜ」を自動的に理解させることも必要ではないか。また、GAPに取り組むことで、実際に働き方が変わるので、そのことを周知しながら推進していくのが良い。

(鈴木委員)
労務管理を含む、基本的な労働法規について、啓発の必要性を強調してほしい。また、農業では、労働基準法の一部適用除外があるが、適用しなくて良いということで終わるのではなく、自分の経営体では従業員のことを考えて、例えば、一年変形労働制を取り入れるなど、意識改革が必要。
経営体において、育児や介護の休暇制度があるにも関わらず、従業員に伝わっていない例があったなど、経営者が従業員に情報を伝えることも重要。

(德田委員)
農業高校では、パートタイムではなく、フルタイムの農業者になってもらうことを念頭に教育しており、そうした者が参入しやすくしてほしい。説明会やインターンの受入方法が重要。
子供の成熟が遅くなっており、農業高校を出て18歳で農業に参入するより、農業大学校に行って20歳過ぎで参入した方が、後々長く働ける場合もあるのではないか。高校から農大、農大から法人のプロセスを意識して関係機関の連携を強化することが必要。

(名越委員)
農業に新しい人材を取り入れて活性化させることが重要。中小企業庁のミラサポを活用するのも良い。北海道の芽室町でワイナリー作りの取組が進んでいるが、その発端は、今は東京に居る方だった。その方は、都市にアイディアが、地方に資源があると言われていた。リアルな話しの場が必要。
また、農業大学校出身の方でも、一般企業に就職する方が多く、農家出身でないと農業ができないという思い込み、収入に不安がある等といった懸念があるとのことである。そうした観点からも話しの場が必要と思う。ジャパンハーベストとも連携したら良いのではないか。

(深沼委員)
骨子案にある、農閑期や農繁期について柔軟な制度を導入する等の項目より先に、まず通年雇用するために業務の平準化に取り組むべきことを明確にしてはどうか。

(堀口委員)
移住に興味のある人が増えているが、特に女性で、農業の実態がどうなのか詳しく教えて欲しいという方が居る。長野県に酪農で就農された方で、地域との関係が良好であったので熊本に家族をおいて覚悟を持ってやってきたという方が居るが、そうしたストーリーを伝えて行くのが大事ではないか。農業女子アワードに部門を設けて表彰をするのも良いと思う。また、佐川さんの話されていた、一般の企業で受けてきた新入社員研修の情報を伝えられるような場も重要。

(山本氏)
農業者同士で話していても、人手が足りないという話は良く出るが、足りていないのは、パートなのか正社員なのか区別ができていないように思う。経営者向けの教育がとても必要。

(福原氏)
経営者の意識改革はすごく重要だと思う。一方、高齢の方や、既に苦労して成功を収めた方の場合、なかなか考え方を変えられないのではないか。次の世代の経営者に対して、どのように教育していくかが重要。
また、自分が経営継承した際には、普及員や日本政策金融公庫の支援を受けたが、そうした外部の助けが無ければ、経営の変革は難しいのではないか。

(佐川氏)
個人経営体は法人経営体にくらべて足腰が弱く、働き方改革も、経営体の状況に応じて進めることが必要ではないか。また、事業承継は働き方改革を進めるチャンスでもあり、事業承継を進めること。
また、個人農家について、経営人材とまでは言わなくとも、友人であるとか、外部の方に入ってもらうことで、働き方改革の足がかりになるのでは。

(大澤経営局長)
骨子案について本日もいろいろなアイデアをいただいた。なるべく前回までの皆様の御意見を入れたつもりだが、役所の抽象的な表現になっているところもあり、もう少し農家の方にわかりやすい言葉にしたいと思っている。
その意味で「1.今こそ経営者による『働き方改革』が必要なとき」のタイトルについては、より意識改革の必要性が伝わるよう修正したい。また、三浦委員の御意見のように「なぜ」ということを強調したものをどこかに入れたい。
骨子案で設定した3つのステージについては、本日の意見を伺い、ステージ1が不十分ではないかと感じた。経営者が自らの働き方を見つめ直すこと自体のハードルが高いという意見があり、山田委員からは見えていないものを見る目が必要という意見があったので、それに近い言葉を入れていきたい。
また、ステージ1について、個人経営体が働き方改革に取り組むのは大変だと承知しているが、休みが無い状況を見直すところから始めるなど、個人経営体の方にとっても大事なことだという内容を入れたい。それから、作業量の平準化は後段でも強調したいが、ステージ1でも必要と思う。
ステージ2について、深沼委員からの、業務の平準化をもっと強調するべきという御意見はその通りだと思うので、業務の平準化を一つの独立した項目とした上で、その後に休職制度等のいろいろな工夫があるというような形にしたい。
ステージ2の項目の中で、「基本的な労働関係法令の内容について理解する。」については、本日の鈴木委員の御意見を伺って、もう少し充実させる必要があると思う。特に労働時間について、労働基準法の適用除外だから何でも良いというのではなく、むしろそこをどう柔軟にしていき、農業の特色を出しながら働き方改革に繋げていくかという内容が必要と思う。
本日、特に充実したいと思っていた3,4について、出会いの場が大事である等の御意見があったので追加していきたい。また、既に書かれているインターン、マッチング、GAPや発信の仕方といった推進手段について、もう少し充実させる必要があると思う。
その他、委員から重要な指摘やとても良い言葉をいただいたので、骨子案に反映してまいりたい。

(以上)

お問合せ先

経営局就農・女性課

担当者:佐藤(大)、村岡
代表:03-3502-8111(内線5193)
ダイヤルイン:03-6744-2159
FAX:03-3593-2612