| 1.調査の目的2000年農林業センサスは、我が国農林業の生産構造、農業・林業生産の基礎となる諸条件等を総合的に把握することによって、農林業の基本構造の現状と動向を明らかにし、農林業施策及び農林業に関して行う諸統計調査に必要な基礎資料を整備することを目的に実施したものです。 2.調査の方法と調査組織
| 調査の種類 | 調査の方法 | 調査組織 |  
| 農業 事業体
 調査
 | 農家調査 | 調査客体の自計申告 調査
 | 農林水産省-都道府県 -市区町村-指導員-調査員
 |  
| 農家以外の農業 事業体調査
 | 農林水産省-都道府県 -市区町村-指導員
 |  
| 農業サービス事業体調査 | 農林水産省-地方農政局 -統計情報事務所-同出張所
 |  
| 林業 事業体
 調査
 | 林家調査 | 農林水産省-都道府県 -市区町村-指導員-調査員
 |  
| 林家以外の林業 事業体調査
 | 農林水産省-都道府県 -市区町村-指導員
 |  
| 林業サービス事業体等調査 | 農林水産省-地方農政局 -統計情報事務所-同出張所
 |  
| 農業集落調査 | 出張所職員による農 業集落精通者への面
 接聞き取り調査
 | 農林水産省-地方農政局 -統計情報事務所-同出張所
 |  
| 林業地域調査 | 都道府県の自計申告 及び出張所職員によ
 る面接聞き取り調査
 | 農林水産省-地方農政局 -統計情報事務所-同出張所
 |  3.調査対象及び調査事項2000年世界農林業センサスは、調査の対象により事業体を対象とする調査と地域を対象とする調査に大別され、その中でさらに農業と林業、事業内容などの調査事項により計8種類の調査に分かれています。以下の表に調査対象と調査事項についてまとめました。
 
| 調査の種類 | 調査の対象 | 調査事項 |  
| 農業 事業体
 調査
 | 農家調査 | 全国の農家及び農家以外の 農業事業体の全てとする。
 | (1)農家にあっては世帯員の状態、農家以外の事業体にあってはその経営の態様(2)農業労働
 (3)耕地等
 (4)家畜等
 (5)農業用の機械及び施設
 (6)農産物
 (7)その他の農業事業体の現況を把握するために必要な事項
 |  
| 農家以外の 農業事業体
 調査
 |  
| 農業サービス事業体 調査
 | 全国の農業サービス事業体 のうち農業事業体から委託
 を受けて直接的な農作業を
 行うものとする。
 | (1)経営の態様(2)農業サービス労働
 (3)農業用の機械及び施設
 (4)農作業
 (5)その他の農業サービス事業体の現況を把握するために必要な事項
 |  
| 林業 事業体
 調査
 | 林家調査 | 全国の林家及び林家以外の 林業事業体の全てとする。
 | (1)経営の態様(2)林業労働
 (3)山林
 (4)育林及び伐採
 (5)林産物
 (6)その他林業事業体の現況を把握するために必要な事項
 |  
| 林家以外の 林業事業体
 調査
 |  
| 林業サービス事業体等 調査
 | 全国の林業サービス事業体 等の全てとする。
 | (1)経営の態様(2)林業サービス等労働
 (3)林業用機械
 (4)育林及び素材生産
 (5)その他の林業サービス事業体等の現況を把握するために必要な事項
 |  
| 農業集落調査 | 全国の農業集落とする。 | (1)農業集落の自然的及び社会的経済的立地条件(2)農業集落の構成及び機能
 (3)農業生産基盤の整備状況
 (4)土地等
 (5)その他の農業集落の現況を把握するために必要な事項
 |  
| 林業地域調査 | 全国の林業地域とする。 | (1)自然的及び社会的経済的立地条件(2)林野の構成等森林資源 (3)森林の公益的機能 (4)林業生産の状況 (5)その他林業地域の現況を把握するために必要な事項
 |  2000年世界農林業センサス  調査票 4.調査の時期平成12年2月1日現在によって実施しました。ただし、沖縄県については、平成11年12月1日現在によって実施しました。
 また、林業地域調査については、平成12年8月1日現在によって実施しました。
 5.調査の法的根拠統計法(昭和22年法律第18号)、統計法施行令(昭和24年政令第130号)及び農林業センサス規則(昭和44年農林省令第39号)に基づいて実施しました。  6.調査の地域範囲は全国で実施しました。 7.2000年世界農林業センサスの主な変更点2000年世界農林業センサスの実施に当たっては、調査客体の負担軽減、農業情勢の変化等を踏まえ、次の変更を行いました。 (1)農業関係調査の変更点a.自給的農家の調査項目を簡素化調査客体の負担軽減を図るため、自給的農家に係る調査項目を大幅に簡素化し、農家世帯員及び土地面積といった、資源総量を把握するための基本的な項目に限定した。このため、1995年農業センサスまでは、自給的農家と販売農家を合わせた総農家の統計データが公表されているが、2000年世界農林業センサスでは、総農家に関する統計データは農家の世帯員数、経営耕地面積(貸借面積及び耕作放棄地面積を含む。)などに限られている。
 b.農業経営者、農業後継者の概念を導入農業経営の視点で、販売農家の農業構造を明らかにするため、1995年まで用いていた世帯主(家としての経済的責任者)及びあとつぎ(次の代でその家を継ぐ者)の概念から、2000年世界農林業センサスでは、農業経営者(農業経営の責任者)及び農業後継者(次の代で農業経営を継承する者(予定者を含む。))の概念を導入した。農業経営者とは、当該農家の農業経営に責任を持つ者をいい、農作業に従事せず作業等の指示を行うだけの者も含めた。
 ただし、親が稲作経営、子が施設園芸を行っているような場合など、実際は一つの農家で複数の農業経営者がいる場合であっても、便宜上いずれか1人を農業経営者とした。
 c.商品生産を行う農業事業体に着目した作付面積等の項目設定
 調査客体の負担軽減及び調査の簡素化を図るため、農作物の作付(栽培)面積及び家畜の飼養頭羽数については、商品生産を行う事業体について農業構造を明らかにする観点から、販売を目的とするものに限定した調査とした。なお、1995年農業センサスまでは、自給用も含むすべての面積及び飼養頭羽数を調査していた。
 また、農作物については1995年まで収穫面積の調査を行っていた。しかしながら、収穫時点では被害等により作付けしたが収穫できなかった場合など、当該農家が何を作ったかを把握できず、作物別の農業構造を明らかにすることができないため、2000年世界農林業センサスでは、収穫面積ではなく作付面積による調査とした。
 d.農業集落の国土・環境保全に果たす役割等を明らかにするための項目設定
 農業集落調査において、農業集落の国土・環境保全に果たす役割及び地域社会の維持に係る取組を明らかにするため、地域・環境資源の保全、都市等との交流事業の実態を把握する項目を設けた。 (2)林業関係調査の変更点a.林業事業体の定義及び実査対象の変更社会経済構造の変化を踏まえ、林業事業体の定義を今日の実態にふさわしい水準に変更するとともに、調査員及び調査客体等への負担軽減を図る観点から、林業事業体調査票による実査対象の下限を引き上げた。 <林業事業体の定義及び実査対象の下限の変更>
 
|  |  |  | 1990年 |  | 2000年 |  
| 定義 |  | 保有山林面積 | 10a以上 | → | 1ha以上 |  
| 実査対象 | 林家のうち農家林家 | : | 保有山林面積 | 10a以上 | → | 3ha以上 |  
| 林家のうち非農家林家 | : | 保有山林面積 | 1ha以上 | → | 3ha以上 |  
| 林家以外の林業事業体 | : | 保有山林面積 | 1ha以上 | → | 10ha以上 |  
 b.林業サービス事業体等調査の新設
 林業事業者の高齢化、不在村山林保有者の増加に伴い、林業生産活動の外部化・サービス化が進んでいることから、これらを含めた林業生産構造全体を把握することを目的として林業サービス事業体等調査を新設した。林業サービス事業体等調査では、素材生産及び林業に関するサービスを行う事業体のうち、委託を受けて育林若しくは素材生産を行う事業所又は立木を購入して素材生産を行う事業所を対象とした。従って、山林種苗の生産を請け負う事業所、林業作業の仲介(斡旋)を行う事業所などは、調査の対象としていない。
 なお、立木を購入して素材生産を行う事業所を対象としたのは、当該事業所が行う主伐作業量のウエイトが高いことから、作業の外部化の全体像を捉えようとしたときに、これらの事業体の主伐作業量を無視できないからである。
 c.林業地域の国土・環境保全等に関する役割を明らかにするための項目追加
 林業地域調査において、林業地域の国土・環境保全に関する役割及び山村振興、新たな森林整備の実態を明らかにするため、森林の公益的利用状況、上・下流の協力による森林整備の状況等を把握する項目を追加した。 |