第3回 フードガイド(仮称)検討会 議事録
日時:平成17年3月31日(木曜日)10時00分~12時00分
場所:厚生労働省共用第7会議室
1.開会
2.フードガイド(仮称)のデザイン及び名称について
3.ターゲットを絞った問題提起について
4.その他
5.閉会
出席者:
【委員(五十音順)】伊藤 俊一 | 社団法人日本フードサービス協会会員企業・株式会社ジョナサン広報担当 |
伊藤 廣幸 | 社団法人日本フランチャイズチェーン協会CVS担当部長・株式会社ローソンFCサポートステーションシニアリーダー |
尾坂 昇治 | 株式会社シナジー代表取締役 |
武見 ゆかり | 女子栄養大学栄養学部助教授 |
津志田 藤二郎 | 独立行政法人食品総合研究所食品機能部長 |
中村 丁次 | 社団法人日本栄養士会会長 |
永田 浩三 | 日本放送協会番組制作局情報番組センター部長 |
服部 幸應 | 学校法人服部学園理事長 |
早渕 仁美 | 福岡女子大学人間環境学部教授 |
針谷 順子 | 高知大学教育学部教授 |
松谷 満子 | 財団法人日本食生活協会会長 |
宮川 誠一 | 日本スーパーマーケット協会販売促進委員会委員・株式会社ライフコーポレーション首都圏販売促進部首都圏販売演出課長 |
横田 倫子 | 消費科学連合会企画委員 |
吉池 信男 | 独立行政法人国立健康・栄養研究所研究企画・評価主幹 |
【事務局】
岡島 敦子 | 厚生労働省大臣官房審議官 |
高橋 直人 | 農林水産省大臣官房審議官 |
中島 誠 | 厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室長 |
姫田 尚 | 農林水産省消費・安全局消費者情報官 |
古畑 公 | 厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室栄養指導官 |
姫田消費者情報官
それでは定刻になりましたので、第3回「フードガイド(仮称)検討会」を始めさせていただきます。
まず御出席者でございますが、本日、田中委員が御出席の予定でございましたが、急遽都合により欠席されるということを伺っております。
また、厚生労働省の岡島審議官は国会の都合で遅れて出席させていただくということでございます。
では、初めに配布資料の確認をいたします。
まず、座席表があるかと思います。
それから議事次第。
その後、資料1、2と付いたものがございます。
参考として「世界のフードガイド」、「食生活指針(ビジュアルデザイン)」「フードガイド(仮称)を構成する内容(案)について」というものがございます。参考1、2は前回お配りしたものと同じものでございます。
不足等がございましたら、事務局にお申し付けください。
カメラ撮りは冒頭のみということになっております。
携帯電話の電源等はお切りいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 それでは、進行を吉池座長にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
吉池座長
皆さんおはようございます。それでは議事に入らさせていただきます。
次第に従いますと、まず最初にフードガイドのデザイン及び名称について皆様方から御議論をいただきたいと考えております。
前回、尾坂委員からデザイン案の御提案がありまして、皆様からいろいろな御意見をいただいたところでございますが、それらの意見を踏まえまして、今回より絞り込んだフードガイドのデザインを尾坂委員の方にお願いをして、今回御提案をしていただきたいと思います。
それでは、尾坂委員よろしくお願いいたします。
尾坂委員
尾坂でございます。よろしくお願いいたします。
前回に引き続き、私からデザインの提案をさせていただきます。デザインやネーミングについては、盗用とか流用とか、まだ確定する前に流れますと、トラブルが起こる可能性がありますので、今、配布しております資料については、前回同様委員と事務局に限り配布して、その後回収をさせていただきますので、お取扱いの方よろしくお願いいたします。
また、今日はスライドを使って皆様方に見ていただくようにいたしました。これも携帯電話等のカメラで撮られると困りますので、まだ確定ではございませんので、できるだけ流れないよう、撮影等は行わないようによろしくお願いいたします。
それでは、説明させていただきます。配布資料に全体のイメージの縦のものと今日は横のものと2つ資料がございます。よろしいでしょうか。
まず、1ページ目からスライドがありますので、お手持ちの資料でもスライドでも結構ですのでご覧ください。
まず「フードガイド(仮称)レイアウトについて」。前回のコマの形がバランスという意味を非常に含んでいるのでいいのではないかと。あと、国際的にもコマを使った例がないので、日本というイメージが非常に出ていいのではないかという御意見をたくさんいただきました。今回は、コマをテーマにサービングのバランス、加工食品のバランスという2点を伝えるものとして、形状をコマに見えるような形で組み上げてみました。
上からいきますと、ちょっとスライドでは見にくいのですが、真ん中の軸みたいなのが水分というふうに水を表しております。
その下が主食。御飯、パン、麺です。5サービング。サービングの後には盛という漢字を一応入れております。これにつきましては、5盛がいいのではないかとか、いろいろと検討を相当行いました。例えば、5盛とか3盛とか何点何盛とか、聞くと非常に何かちょっと違和感があるので、ではサービングと一応言って、説明のために(盛)を入れてみたらどうだろうという意見が出まして、ではひとまずサービングという言葉を、まだ耳慣れないのですが、ただ、新鮮に感じて逆に話題になったり、この言葉が世の中に広がっていったり、そういう意味では盛よりいいのではないかと。
日本の場合についてかなり調べてみましたら、盛とか装うとかいろいろなことがあるのですが、やはりサービングと同じようなものは、あまり漢字でもなじみにくいものが多くて、一番近いのは盛だったんですけれども、1盛とか2盛とか大盛とか、何かちょっとサービングとは違う意味があるんですけれども、今回はサービングということをメインに出してみました。
一番上に主食、5サービング。
その下に副菜です。4から5サービング。野菜、きのこ、いも、海草料理等です。
次に主菜、3サービング。肉とか卵料理、魚、大豆食品等が入っております。
その下は、牛乳・乳製品と果物。2サービング。
これが全体で1日分ですので、やはり1日分と書いた方がいいのではないかということで、一番下に1日分という表記を一応入れております。
「タイトルのメッセージ」ですが、食において必要な摂取バランス量、このコマを見て、上の立体のボリューム感において、パッと見てもわかるという形にしたいと。
あと、大事なものが上からきているというイメージも入れました。
菓子や嗜好飲料につきましては、ひもをイメージするような、ちょっと左側にすっと書いているんですが、こういうもので表現しようと。この段階で、油とか塩分とかの表現はしないということで、一応進めております。
次に、軸を付けないとコマに見えないから軸を付けようという検討の中で、では軸を何にしたらいいかと。何か右側のように木の棒を付けてもおかしいので、先ほど申し上げましたように水分というのを、今お茶とかミネラルウォーター等水分は非常に重要なので、これを真ん中にしたらどうだろうかということです。摂取物としても重要であることを示すために、軸に使いました。
これが3ページでございます。
これは、使用例で1つのこういう形になるんですという例なのですが、前回皆様方から御意見をいただきまして、ダメな部分がパッとわかるよう、バランスを表現したいということで、バランスのいいものは真っすぐ立っていますが、バランスが悪いものは上からチーズを切ったような形で、ボリュームが欠けてくる。したがって、コマがうまく回らない。あるところをとり過ぎると、そこが拡大しすぎて、ひずんでくるという形の表現になっております。
これは、軸を上から見まして丸でやりますと、少なくても何か真ん中に小さい円が出てきますので、端から何等分したカットを欠けていくように、あとで説明しますが、こういう形の方がバランスが悪いのはよくわかるのではないかということで表現してみました。
次に5ページ目になりますが、使用案の例で、毎回毎回フルカラーで刷られる場合ばかりではないものですから、単色とか色がかなり限定された中で使うとか、そういう場合にはこういう使い方もあるのかなということで、ベタで使った場合、上の3点、これはアメリカなんかも全部背景色を一緒にしている経緯があります。推奨は下のカラーで見せたいのですけれども、白黒の場合は右側の濃淡で見せるようになっています。
実際の表記の仕方で、かなり小さくなると中の絵がつぶれてしまいます。つぶれたときには、色だけのバランスで見せようかという話になっておりまして、大体3cm角ぐらいまでは十分料理が見えるということを基本に、今作っております。ただ、白黒ですとどうしてもちょっと料理が見えにくくなってきます。
これについても多少明度を調節しまして、できるだけ見えるような形で今、調整中でございます。基本的には、カラーでも白黒でも見えやすいようにしようと。
あと、回るような印の上のぐるぐるというのは、おそらくつぶれてきますので、小さい場合には必要ないかというふうに思っております。
次は料理の素材集です。例えば、今、入っている料理が代表的な料理なんですが、この他にいろいろ検討されている料理、もしくは日常的によく日本人が食べる料理、あとは業界において、こういう料理をこの中にレイアウトしたいというものにつきましては、素材集を用意しまして、ある程度基本的な素材集になるんですが、それを自由に組み立てていただけるような、コマに当てはめて使用できるような形で、考えております。 これは無限に作るわけにいきませんが、代表的な日本でよく食される料理、素材については、表現していって、皆様方で例えば御自分のレストラン、もしくはチェーン店で使う時には、その店に近いものが入れられるというようなものが、展開できるように考えております。
次に、先ほどのバランスが崩れた場合や、良い場合、量でわかるように割ってみようということで、割ったパターンを付けました。
上から見まして、主食5サービング。だけれども、5分の2しかとれていないというときは、こういう形の立体の中でこのボリュームですと。
次の副菜も同じでございます。
こういうブロックで考えると、例えばバランスについて仮称のフードガイドの勉強をする時に、こういうブロックを作って学習できるとか、組み立ててみるとか、紙で作ってみるとか、そういうこともできますし、これからいろいろ画像が3D化してきます。そういう場合に、アニメーションができたり、そういういろんな使い方があるのではないかと。
左側がラインが白いタイプで、右側が黒いタイプ。黒いタイプの利点は抜けているときに、そこがわかりやすいと。例えば、とったところだけであとは白にしてしまっても、黒い線だけは残りますので、表現としてはわかりやすいということで、白と黒を今、用意しております。
1食分の摂取量を示す時も、お昼御飯は1日5サービングとらなければいけない中の2つをとっていますと。お昼御飯はこの2つ分ですと。
副菜については、この2つ分で、主菜については、3分の1の部分ですと。
果物と乳製品については、半分とれていますとか、こういう1回の食事の摂取量もこれでわかるというふうな形で、表現をしております。
次に「ネーミング案」でございますが、前回いろいろ皆様方からいただきました案を日本語にしなければなりませんが、その前にカタカナ英語というんですか、もうほとんど日本語になっているものもあります。それも含めてちょっと整理をしてきました。
上から「食事指南」「きょうのごはん」「日本の食事」「食事基本指針」「健康食針」「食事ガイド」「ちゃんと快食」日本ということを強調して「Jフードガイド」「毎日の快食」「新日本の食事」「私の食事」「みんなの食事」「食事バランス」「コマ型フードガイド」「フードバランスガイド」「食事バランスガイド」「フードタップ」タップとはコマのことです。「食事コマ回し」「食事バランスゴマ」「コマ型食事指南」「にっぽん食べ方指南」「食べ方簡単ガイド」。
これらを整理する中で、ガイドというのはさすがにもう日本語にバスガイドさんなんて、おそらく外国人に言うとほとんど伝わらないような言葉があり、もう日本語化しているものがかなりあります。そこで、ガイドというのは、もう日本語だろうなということです。
あと、フードも日本人はもうわからない人はいないくらい浸透していますし、あとはバランスも日本語に直すとどういうふうに言っていいかわからないようなものがありますので、もう日本語として中に組み込んでみました。
それを絵と組み合わせてみました。これはまだ決定でも何でもないんですが、例えばこんなイメージになりますというものを出してみました。
これは「食事指南」です。表示の時にこういうふうになっています。
あと「コマ型食事指南」。前回先生方からもイメージとして絵と言葉がちょっと硬いものの方がいいと。あまりここでキャッチのように飛ばないで、ちょっと硬くてみんながわかって、年齢層を超えてカッチリわかるということで選んでおります。絵と比較して一緒に見るとわかります。
「にっぽん食べ方指南」。
「食べ方簡単ガイド」。これも文字と組み合わせるとあまりおかしくないんです。
あとは「フードバランスガイド」。バランスというのを1つのキーワードにしまして、これを真ん中に入れています。全部カタカナなのですが、実はほとんど日本語の構成のようになっていますので、これでわからない人はほとんどいないのではないかなというような、カタカタばかりで、これは日本語が入っていないという気持ちもするんですが、カタカナも日本語というふうに考えていただければと思います。
あとは「コマ型フードガイド」。コマということを1つポイントにしまして、打ち出してくると。
こういうネーミングにつきましても、このあと御検討いただきますが、一応こういう絵と組み合わせた形で表現いたしました。
大体、説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
吉池座長
どうもありがとうございました。
大変すばらしいデザインの案と、また名称の案についても御提案をいただいたところでございますが、今の御説明について作業部会を代表いたしまして、武見委員からこの表現の内容、考え方について少し補足的な説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
武見委員
基本的なことは尾坂委員の方から御説明いただいたとおりなのですけれども、お配りしている資料の方でいうと一番ベースの2ページ目のところをご覧いただきたいんですけれども、やはり平面ではなくて立体で使っていくということを考えた時に、主食、副菜、主菜と段で重ねていくようなことにするか、もう一つは今の食生活指針にある扇形のような並びにするかとか、そういう意味でもいろいろ尾坂委員と少し考えてみたんですけれども、先ほどのお配りしている資料で7ページ、これを見ていただくとわかるんですけれども、やはりとらなければいけない全体量のどれぐらいをとったかというようなことを立体で表していく時に、こちらの表現の方が多分使いやすいのではないか。日本人は大半の方が分数という感覚で、このぐらいのことはわかるし、多分立体の場合はこちらの方がいいのではないかということで、この形をとってきました。
それから牛乳・乳製品と果物のコマの一番下の部分なのですけれども、これは平面に重ねるとどちらが大事とか、あるいは量がどうということが難しくなるので、むしろ縦方向に並べて表現する。しかも、サービングも多分そんなに多くはない。このサービング数につきましては、あくまで案というか今日のためのたたき台というか、今後少し詰めることになっておりますので、参考程度にご覧いただきたいのですが、いずれにしてもそんなに大きなサービングではないので、この形でも立体でわかるのではないかということにいたしました。
コマの中に表現する事例の食物なのですけれども、これはどこをご覧いただいてもいいのですが、あくまで食べる場面、食べる所でわかるようなデザインということで、主食、主菜、副菜については料理ですし、果物とか乳製品はそのまま、いわゆる食品と同等の形になってくるということは、いわゆる食べる状態でわかるということでデザインをさせていただきました。
菓子・嗜好飲料の位置付けなのですけれども、これは当然私たちが食事がよりおいしいとか満足するとか、そういうことに関して非常に大事な位置付けになっているものなので、そこを何とかうまく表現できないだろうかということで、コマのひもという形で表現を考えてみました。ひもがあることによって、より上手にコマはよく回って、より豊かになるみたいな、そういう大事なものという位置付けで何かうまく表現できないだろうかと。ただ、具体的な絵のデザインとかその辺はどうするかというところまでは、まだ決まっておりません。今日はこういう形で示してあります。
どのぐらいとるかということについても、これもまだ検討中ですが、おそらく具体的なサービング数というよりは、ほどほどにとか適量にとか、そういうような表現になっていくのではないかというふうに考えております。
サービングの数につきましては、本当にあくまで現在作業部会の方で作業中というか、今後詰めていく段階ですので、暫定的なものということでご覧いただければというふうに思っております。以上です。
吉池座長
どうもありがとうございます。
これらについて、事務局から何か補足する点がございますでしょうか。
姫田消費者情報官
少し補足させていただきます。
まず、名称につきましては、前回合議でやるとあまり良いものにならない場合が多いというような御意見もあったものですから、それで専門家にお任せしようということで、今回尾坂委員に御協力をお願いして、デザインも含めて提案していただいた次第でございます。
今回のデザインの検討点は、4点ございます。
1つは基本の話ですが、今、尾坂委員からコマを考えて全部プレゼンテーションいただきましたけれども、基本形をどうするかということ。
2つ目は、文字情報でございます。主食、主菜、副菜グループについて、主食については、御飯、パン、麺。主菜については肉、魚、卵料理、大豆食品。副菜については、野菜、いも、きのこ、海草と表現しているけれども、これでよいかということでございます。 3つ目でございますが、今のサービング(盛)という形で数量を提示しておりますが、それがこれでよいかと。もっとわかりやすいものあるいはもっと日本的な表現、和語とかそういう表現はないのかなということも含めて御議論いただきたいと思っております。
最後は、今、申し上げたネーミングでございますが、これについて御提案いただいたものを中心に、どうするかということがあります。
この4点について順次御検討いただければと思っております。
普及の話に関連いたしますけれども、尾坂委員からも御説明がありましたように、フードガイドについて、別にいろいろな料理の素材集を作っていただくことも考えております。
やはり普及に当たっては外食の方々、あるいは小売の方々などが使いやすいものにしていきたいと考えております。ですから、その利用場面において、適宜一定のルールの中で、必要に応じて料理を入れかえて活用しやすいようにということを考えております。
例えば、イタリアンレストランでは、うどんをつけていてはちょっと困りますので、そこをパスタ類にするとか、あるいは、スーパーのお総菜売り場では、販売する具体的な料理にしていただいてもいいのかなと考えております。
尾坂委員から御提示いただいたように、食品のパッケージにフードガイドの絵を入れていただく場合を考えまして、フードガイドを小さくしたもの、それから背景色、白黒というようなものもバリエーションとして示していきたいと考えております。
しかしながら、ただ、むやみやたらに基本形から変えていい、ということではなくて、一定のルールの下に利用規定を作るということを考えています。例えば、イタリアンレストランでも全部上の主食のところがパスタばかりになってしまうと、目的を達しません。そういう意味では一定のルール、利用規定などを作っていきたいということで、これにも十分に皆さんの意見を聞きながら、活用しやすいものにしていきたいと思っております。
ポスターなどについては、今、武見先生から一応事例ということでございましたけれども、サービングの単位量と料理サービング数、単位は今仮置きですけれども、その単位の意味をわかりやすいような形で示し、数量がきちっと入ったポスターにしていきたいと考えております。
以上でございます。
吉池座長
今、事務局から御説明いただいたように、4つの宿題があるようでございます。最初の1つ目、2つ目のところは尾坂委員から御提案いただいたデザインそのものについて、またそれらを主食、主菜、副菜、果物、牛乳・乳製品、菓子・嗜好飲料といったグループで表現していくということについて、まず議論をさせていただきます。その後、サービング(盛)という御提案がありましたが、そのことを検討し、その後に、名称について、皆様から御意見をいただいて、できるだけ具体的なところまで積めていきたいと思います。
委員の先生方には、この縦長の紙をご覧いただきながらデザイン、名称についていろいろ御意見をいただけたらと思いますが、その時、事務局から説明があったように活用の場に応じて、いろいろなバリエーションが今後出てくるので、店頭に貼るポスターとか、個々の食品に対応させて貼るもの等については、尾坂委員から御提案いただいた大枠について、いろいろと御意見をいただけたらと思います。いかがでございましょうか。
委員の先生方の御意見を反映させた形で、随分良いものを作っていただいたと私自身は思っているところであります。
何かございますでしょうか。針谷委員、どうぞ。
針谷委員
第1点について、質問、意見も併せてお伺いしたいと思うんですが、1つはデザインのことなんですが、コマのデザインということで、このような円錐形を作っていただいたと思うんですが、食事あるいは食卓にイメージがつながるようなデザインにもう少し近づけないだろうかというふうに思いました。そのことで、少し食卓の豊かな楽しい雰囲気というのが出ると良いように思います。
例えば、食事のイメージとしてコマはいろいろな形があると思います。日本で言えば、物相型ということになると思うのですけれども、そうしますと例えば、御飯、食卓をイメージするので御飯茶椀であるとか、汁茶椀のようなイメージに少し近づけられないだろうかというふうに思いました。
それともう2つありますが、1つは、主食、主菜、副菜のバランスですが、このようなバランスでよいでしょうかということなのですが、先の食生活指針のデザインでは、エネルギー比で主食が50%、主菜が25%、副菜が20%、果物が5%、計100 %というようにデザインされたように伺いました。円錐形で体積と高さということで大変わかりにくいところもあるのですが、その点はいかがでしょうかということで質問です。
それともう1つは、このデザインをどのように活用していくかという教育段階で少し考えて見ました。コマ回しを教えるわけではないと思うのですが、やはり比喩的に回る原理で食事のバランスを説明することになると思います。そうしますと、重心が低い方がよく回る。どんな形でも回っていれば倒れないということになると思うのですが、このガイドをバランスをとる方向で使うのか、それともアンバランスのことを強調して使うのかというのがあると思いますが、バランスをとってくださいという積極的な方向で進めるとなれば、バランスがとりやすいということであれば、重心が下の方がとりやすいというふうに思いますので、そうなると主食が一番重要だと私は思っておりますので、主食は下の方になるのがよいのでしょうか、そんなふうに感じました。
以上です。
吉池座長
3点いただきましたが、まず2点目については、私の方で整理をさせていただきたいと思います。
実際、どのような形で表すかについては、今日の議論ということではなくて、ワーキンググループのこれまでの検討の結果であり、その後いろいろ整理の仕方が変わってきたので、今後更に細かい検討をするということは先ほど武見委員がおっしゃったことでございます。そこについては針谷先生も含めたワーキンググループの課題とさせていただきたいと思います。ですから、今日は細かい議論は控えたいと思っております。
1点目の食卓のイメージ、これをどのように表現するかというのは、いろいろなアイデアがあるかと思いますが、これについては1つの御意見として伺っておきます。ただ、先ほど尾坂委員の方からもいろいろなバリエーションで使えるという話がありましたので、食卓をイメージさせるのも1つのバリエーションと考えられます。
1つの課題としては、外食が多く、「食卓」とはほど遠い方々に対してのハッとさせるようなメッセージをということもあるので、従来の食卓を囲んでということに必ずしもとらわれる必要がないと思います。そういうものを大事にするようなイメージも1つあっていいのではないかと私個人は思っておりますが、今後デザインを具体的に詰めていく、またバリエーションを作る時の参考とさせていただきたいと思います。
3番目のこれをどう重みづけて組んでいくかということについては、先ほど武見委員からの説明の中にもこういう形での輪切りの構成・順番でという御説明があったかと思うのですが、今の針谷委員からの御質問について、もし武見先生何かあればおっしゃっていただけたらと思います。
武見委員
針谷委員のおっしゃること、確かに下が基本というのはすごく良くわかるんです。ただ、それを主食はいいのですけれども、今度は面積比で表していく時に、例えば牛乳とか果物が一番上の非常に薄い層になってくるような感じになった時に、面積としては非常に広くなりますから、多分これはやはりサービング数のイメージ、数字の大きさが具体的にイメージできるようなデザインに最終的には落ち着いていくのかなという気はするのですけれども、それが逆転したときに上の方に薄く広い層として牛乳・乳製品、果物がくることになるのだと思うのです。
それでちょっとわかりやすいかなというのもあって、今回は尾坂委員の方から出たこちらの案でどうだろうかというふうに考えたのですけれども、確かに難しいなという気はいたしますが、どうしましょうか。
吉池座長
針谷委員、どうぞ。
針谷委員
面積とデザインと料理の数とか、出現頻度とかは、実際と合わせると大変難しいということは私もよく承知して発言したつもりなのですけれども、もう少し何か食卓のイメージに近いところで出てくるとよいというふうに思ったので申し上げました。
吉池座長
尾坂委員、どうぞ。
尾坂委員
貴重な御意見をありがとうございます。非常に私どももデザインをやる時に、今の針谷委員と同じことを考えまして、お椀を使うとか、丸くしてみるとか、底も丸くしてしまうとか、いろいろ作りました。その時に、こういうものというのは、作図規定というみんながさっと書けないといけないというのが1つありまして、その人によって私はこんなお椀、私はこんなお椀と書き出すと、バランスが崩れてきてしまうので、むしろすっきりまずこういう形にとどめておいた方が、アールというのは非常に難しいですから、右と左を書いた時もずれてきます。そうやってみんなが勝手にやり出すと、何か形がバラバラになって、どれが本物かわからなくなるということで、では真っすぐにしてみようと、そういうことで硬くなるのですけれども、あと先がちょっととがり過ぎている、これはちょっと丸くしないといけないと思います。
そういう意味で、実は幾つか作ってみたものがございました。その中で、そういう話がありましたので、ちょっと真っすぐに。あと、バラバラにパーツにしたときに、下の方はこういうふうに、上の方は真っすぐになったり、アールが全部の段階で変わってくるので、これは物を作る時も、子どもたちが加工をする時も結構難しい形になるのだろうなということを想定して、ちょっと硬いんですけれども真っすぐに、今回はそれで御提案させていただきました。
以上でございます。
吉池座長
他に何かございますでしょうか。服部委員、どうぞ。
服部委員
見せていただきまして、いろんな要求をこれに詰めるのは大変だろうなというふうに思っているんですが、パッと見たときにカラーリングの問題なのです。色彩の問題は、黄土色がやはり食欲にはつながらないなというふうに思いますので、私はささいなことなのですけれども、そういったカラーリングをもう少し考えていただくと、後の考え方というのは、幾らでもふくらんでしまうものですから、もうきりがないと思うのです。ですから、バッチにするというお話もありましたぐらいで、パッと目立つ、すぐわかりやすい、それには国際的にもわかりやすい食に関連したカラーリングというのを少し考えていただくと、これがより理解されやすいのではないかと。他の国、英国なんかはそうですけれども、お皿であるとか器が一部載っています。日本は特殊事情でどんぶりとかいろいろあるものですから、仕方ないと思っています。
ですから、先ほど行政側でもお話しされていましたけれども、イタリアンだったらイタリアンでパスタであるとか、それによって変えられる何かパターンを別に用意されているということであれば、別にこれはおにぎりだけ出てきても、外国人なのだろうなと。この頃は理解されているかもしれませんが、それでもわかりにいくものがありますので、そこの部分をきちっと押さえてくだされば、もうこれは言い出したらきりがないと思いますので、もう私はカラーリングとその2点だけです。
よろしくどうぞ。
吉池座長
今、御指摘のことについてデザイン面から何かあれば、尾坂委員よろしくお願いいたします。
尾坂委員
御指摘のとおりでございまして、何かさっき形も同じなのですが、おいしく見えたり、楽しく見えなければいけないということがやはり大事だと思います。
例えば、食材の中の色を使ってやってみるとか、レモンの色とか、そういう食材の色をちょっと入れて検討をしてみたいと思います。
吉池座長
今、御指摘いただいたことは、今後に活かしていけるということのようです。
それでは宮川委員、どうぞ。
宮川委員
今のお話に関連するのですけれども、実際にお店の店頭であるとか、いろんなところで掲示をするケースを考えた時に、ある程度サイズも十分な大きさを確保できるかどうかわかりませんし、それからある程度遠目でもサインというか見やすさというのは、1つのポイントになるかと思うのですけれども、これを拝見いたしますと非常に色はきれいなんですけれども、色として若干暗いかなと。わかりやすい色、コントラストということも関連するかと思うのですけれども、できるだけ明るい色目を使いたいなというちょっと感想を持っているものですから、検討要素としてちょっと加えていただきたいかなというふうに思うのです。
吉池座長
先ほどの服部委員の御意見ともつながるところでございますが、今日御用意いただいた資料の5ページをご覧いただくと、もう既にいろいろなパターン、大きさでの御検討をされていますが、今日の意見はできるだけくみ取っていただいて、更により良いものにしていただけたらと思います。
他にどうでしょう。早渕委員、どうぞ。
早渕委員
すみません。ちょっと聞き漏らしたかもしれまんが、一番下の牛乳・乳製品と果物のところだけ、縦割りになっていますね。そこがずっと何分の1とかとした時に、上と同じように輪切りの方が、あとで展開しやすいのではないかと思ったのですが、あえて縦割りにされたのは、なぜなのですか。デザイン的にとか、そういうものでしょうか。
尾坂委員
これも幾つかパターンを作りまして、輪切りのパターンも作ったんですが、どっちを上にしていいかわからないと、そういう序列がつけにくいということで、あえて縦割りにしようかということで、今、御提案させていただいております。ですから、例えば、序列をこっちを上にした方がいいということがでれば、横でも全然構わないと思います。見た目には、確かに横になっている方がスムーズに見えるとは思うのですけれども、序列がついてしまうので、あえて縦割りにしております。
吉池座長
横田委員、どうぞ。
横田委員
先ほどもちょっと出ましたが、総合的な食品を扱っているところはよいとして、いわゆるイタリアンレストランとかおそば屋さんとか、そういうある程度主食が偏るようなところのデザインというのは、どういうふうに考えていらっしゃるか、ちょっとお聞きしたいです。これをまたちょっと展開していくというようなお話だったものですから。
吉池座長
尾坂委員、どうぞ。
尾坂委員
前回の料理ごとに整理をいただいたものをベースに主食に入るのか、副菜に入るのか、その中に当然、肉とかいろんなものが中に入っているので難しいんですけれども、料理としてとらえるとパスタは例えば主食に入れていくという形で、私どもは今、理解しているのですが、その辺は是非ともちょっと御議論をいただいた方がいいと思います。
吉池座長
松谷委員、どうぞ。
松谷委員
御専門の方が入ってくださるからさすがだと思って、先ほどから見ていたのですけれども、本当にあの時にいつもとがった方が上になるのを、逆転の日本のコマの形にしたという時に、ああそうかなと思って大変何か期待ができたのですけれども、これが印刷物になった時は、これはおさまりが悪いだろうなという感じで、どういうように構成していったらいいのかなと。これは次の問題としてお考えいただくのでしょうけれども、おさまりがなかなかつきにくいだろうなということが1つです。
もう1つは、つまらないようなことですけれども、主食は5サービングで、副菜が4から5サービング、そして主菜が5サービングと。日本の主食、主菜、副菜という今まで使い慣れていた言葉がちょっと量の問題で考えた時に、これが頭の中でひとひねりしなければならないかなと。だから、そこの数字の書き方を何か主食、主菜、副菜に対して5だとか3とかというサービングの数字をどう入れるかということを考えていただくと、それで何かわかるようになるのではないかなと今は思っているところです。
先ほど先生がおっしゃったように、これは本当に要求したら食卓風景だ何だかんだで、いろいろな面が出でくるわけです。だから、どこで割り切るかということを判断しなければならないですから、私は今のところウーンと思いながらも、しかし考えてくださったなという感じで今、見せていただいたわけなのです。
吉池座長
今いろいろな御意見もいただきまして、どういうふうに整理をするか、また実際の活用を考えた時の展開ということで御意見をいただいたわけですが、それらについて武見委員の方から何か、例えば牛乳・乳製品と果物が縦割りのこととか、順番が主食、主菜、副菜と結果的にちょっと逆転するようなことになってしまっていることについて少しコメントをいただければと思います。
武見委員
牛乳・乳製品と果物については、さっき尾坂委員がおっしゃったとおりなのです。序列がやはりどちらがというのはつけにくい。それを仮に置く面積で、実際の量は同じなのだけれどもとやっても、やはり違って見えてきてしまう時に、前回の委員会の時に基本的な組み合わせということで主食、主菜、副菜、それにプラスして積極的にとりたいものということで、果物と牛乳・乳製品、ある意味ではここはやはり同列に出てきたというので、そこの基本とその次の積極的にとりたい2つのグループということで、縦割りの方がいいかなという判断に一応検討する中ではなってきたと思います。
それと、あと主食については、松谷委員がおっしゃったことは本当に実はそのとおりで、サービング数に合わせると、主食、副菜、主菜と今まで何となく言い慣れていたことと逆転してしまって、正直これは本当にどうしたらいいのかなという気もするのですが、とはいえ、やはり面積比でどれをしっかりとって、その次がどれでという感じになると、こうなってしまうのかなという気がして、そこをどう表現していくか、あるいは文章上との整合性みたいなものも今後出てくる。主食、主菜、副菜を基本にといった時に、上から見ている順番が違ってしまいますので、これはちょっと工夫が必要かなという気はしています。
もう1つ、一番最初に針谷委員がおっしゃった主食が一番ベースになるという考え方、私も今もう一回ここをずっと見直しながら、自分で絵を描いたりして見ていたのですけれども、確かにバランスが崩れるということを考えると心棒が揺らいでしまうというところはあるとは思うのです。それが本当にうまく表現できればいいと思うんですが、ちょっとそこをもし良かったらもう一回尾坂委員に、その可能性があるのかないのか、つまり結果としてそれによってその後の使い勝手、例えば1食当たりで考えた時にどう使えるかということとかが使いにくくなってしまうのであれば、もうそこは割り切って、こちらのデザインということもあると思うのですが、仮にそれでうまくいくような置き方がもしも可能なのであれば、やはり心棒がしっかりしている。つまり主食をベースにというところが説明しやすいことにはなるのかなというふうに今ちょっと思いました。
吉池座長
ベースをどこに置くかということに関しては、コマということになると心棒になるわけですが、現時点の案では一番上にきています。一番上は一番目立つ部分でもあり、この件については、今の整理を基本にしながら、武見委員の今の御発言について検討の余地はあると思っています。
また、武見委員から最初に説明がありました菓子・嗜好飲料をひもで整理をすることについても、いろいろな工夫をしたところです。それについての量的な事柄は、ワーキンググループでの検討課題ですが、主食・主菜・副菜と同じ並びで表現されているわけではないので、「ほどほどに」といった表現が考えられるのではないかという御意見だったと思います。このことについてはいかがでしょうか。
中村委員、お願いいたします。
中村委員
私は、コマの軸に水を採用されたというのは大変良いアイデアだと思っております。特に、最近高齢者の脱水の問題が大変深刻な問題になり始めてきております。水を栄養素という概念の中に加えられたということで、これはヒットになるのではないかなと思います。
もう1つ、今の吉池先生のお話にも関連するのですが、油脂類というのが姿を消しているわけでございます。現在、日本人の油の摂取量が多くなっているので、これを控えなければいけないということは趣旨としてわかるのですが、全く油はとらなくてもいいのかというと、ちょっと私は臨床の場にいるので極端なケースになるのかわからないのですが、最近若い女性の過激なダイエットでやせが大変大きな問題になっておりますが、ダイエットをやっている人たちの中に油抜きダイエットというのをやっている人たちがいまして、この中には必須脂肪酸欠乏症だとか脂溶性ビタミン欠乏症のような皮膚症状がもう明らかに出ているようなケースが幾つかあるのです。だから、全く姿を消すのではなくて、食べるサービングサイズは決めなくてもいいかもわからないが、ひもぐらいには姿を出しておいた方が、やはり必要なのだという意味で大事なのかなと思って、その2つの点です。
吉池座長
ありがとうございます。
伊藤委員、どうぞ。
伊藤(俊)委員
ちょっとここで1つ確認をさせていただきたいのですけれども、ちょっと先走った質問かもしれませんけれども、例えば、このビジュアルが採用されますということで、これは基本的に私は全く問題ないというふうに思っております。
ただ、外食業界を考えてみますと、当然先ほども例えばイタリアンレストランはどんぶり御飯というわけにはいかないということで、そこにはパスタなんかが載ってくるのだろうということでしたけれども、先々これが決まって使っていくということになった場合の業態というか、店舗に応じた商品というのを自分のところの店舗、もしくは会社で決めてビジュアル化してもいいのか、それとも行政の方がそこのところを何パータンか指定されてくるのか、あとは和食、ファーストフード、一番わかりやすくいいますと今ちょっといろいろ問題があります牛丼屋さんなんて非常に単品商売なので、そのときに表示がどうなってくるのか。ポスターの記事だけということで、いいのかどうなのか。その先々の展開がどうなってくるのかなということを少し御説明いただければありがたいかなというふうに思います。
以上です。
吉池座長
先ほど今後の普及について姫田情報官の方から御説明がありましたが、今、御質問もありましたし、今後具体的にその点について議論をするかと思いますが、今の時点でどこまでどう整理をすればいいか、少し御説明いただけますでしょうか。
姫田消費者情報官
今、伊藤委員からお話がありましたように、それぞれの業態に合わせて、できるだけ使えるものということで、1つは尾坂委員の方にバラエティーに対応できるよう、これをこれに入れかえられるというようなものを作っていただこうと思っております。ただ、全体のフードガイドの趣旨を逸脱するようなことになってしまっては良くありませんので、特に実際に使っていただく方々の意見を聞きながら、一定のルールを決めていかないといけないと考えているところでございます。
そして単品商売のところでは、フードガイドの中でこれとこれが満たされていますという表示をされるのではないかなと。要するに牛丼であれば、主食部分と主菜部分が満たされています。更に、付け合せでサラダをとれば、ここで3つとれますというような御商売をされて、サラダの売り上げに貢献させるとか、そういうことになるのではないかなと思っています。
吉池座長
尾坂委員、どうぞ。
尾坂委員
その点は、やはり大分検討して、また逆に悩むところなのですけれども、基本的にはかなりの数の料理のメニューを出していきたいと思うのですけれども、すべてを出すことは絶対にできません。それと、牛丼とか中に複合されているものは、例えば7ページをちょっと見ていただきたいのですけれども、これは1食分でこういうバランスのものがありますと。ここに絵が入っているのですけれども、この絵を無くして色だけにして、ここに牛丼をボンと1個だけと。例えば、こうやって色だけにしておいて、ここに全部とって、ここに牛丼1個だけで、こういう感じということです。そういう表現とか、お弁当1個だけ書いて、こんな感じとか。そういう表現かなという気はしています。
それでも、全く違った料理があって、私どもが全然ここに適さないというものは、今後ちょっと検討していかないと、まだそこまでは全部詰めていないのが現状でございますが、色だけで表現するというのも逃げとしてはあると思います。
吉池座長
今の事柄については、おそらく次回からの中心的な話題となりますので、ちょっと本日はまだいろいろな課題がございますので、基本的なデザインとそこに盛り込まれている基本的な文字情報ということですが、コマについては形としてはこれで進めると。前回も皆さんそういう御意見があったので進めたのですが、これについては基本的によろしいかと思います。
その表現振りとしましては、色使いについては少し御意見がありましたので、できるだけそれに近づけるようなこと。
また、中身をどう組み合わせて表現するかというのは、いろいろな技術的なこと等を考えて今の案ということでございますので、これを中心としながら御意見いただいたことについて何とか検討の余地があるのであれば、少し検討をしながらということで、基本線としてはこれで進めさせていただきたいと思います。
また、文字情報については特に菓子・嗜好飲料の取扱いについて、今回ひもとしてこのような形で出させていただくということについては、新たに御提案した部分でもありますが、それについても特に異論がないという理解でよろしいでしょうか。
針谷委員、どうぞ。
針谷委員
文字情報のところなのですけれども、水分を入れていただいたのは本当にすばらしいことだと思っていますが、料理レベルで表現をしているので、できたらお茶、水という方が表現としては良いのではないかというふうに思いました。
それと、次回でも良いかもしれないのですが、主食、主菜、副菜は料理レベルでというふうに考えていますので、できたらおにぎりもパンもお皿を入れていただきたいというふうに思いました。
私は御飯をしっかり食べたいと思っておりますので、御飯のサイズが大きいのが良いので、ちょっと言いにくくもあるのですけれども、やはり使う時には実際の料理のサイズと整合性がある方が良いのではないかと思いますので、例えば御飯でしたら2膳分を書くとかというふうに工夫できないかと思いました。これは次回になるかと思います。以上です。
吉池座長
絵の表現ぶりについては、またいろいろな形で検討、調整ができると思いますので、今回は御意見として承っておきたいと思います。
また、水分については同じ並びにすると、「水分」の後に括弧を付けて、今おっしゃったような「お茶」などを表現することは考えられると思います。
それでは、基本的なところでは皆さん御異論も無いようですので、これで進めさせていただき、次にはより完成に近いもので御提案させていただきたいと思います。また、詳細な検討が必要な事柄ついてはワーキンググループの方で併せて検討していきたいと思います。
それでは、次の課題であります数量の単位についてはこの検討会以前からも「サービング」に代わる言葉がないかということで、いろいろと議論をしてきたわけですが、なかなか良いアイデアが無い中で、先ほど尾坂委員の方から「サービング(盛)」という御提案をいただいたところでございます。これについて何か御意見はありますでしょうか。
永田委員
いろいろ御苦労されてサービングということで、一応お示しになっていらっしゃるということで、私もこれは積極的に受け止めたいと思っているのですけれども、やはり単位と言った時に、普通は量は一定というか、御飯のサービングも牛乳のサービングも同じみたいなイメージがどうしてもあります。だけれども、それぞれが違う量だということをパッと一般の方にわかってもらうために、我々メディアも含めて、しっかりそれをアピールして伝えていくのかというのは、結構大きな課題かなというふうに率直に思います。
これは私は不勉強なのですけれども、専門の方たちの間ではもう当たり前の単位として普通に普及しているものなのでしょうか。ちょっと教えていただきたいです。
松谷委員
私も地方でいろいろと皆さんが指導している実際の姿を見ていますけれども、サービングという言葉は決して全体の誰もがわかる言葉ではないと私は思っております。ですから、これから教育していかない限り、それは出てこない。サービングという言葉がそのままここで言っている趣旨とイコールにはなりにくいというところがあると思います。
吉池座長
津志田委員、お願いいたします。
津志田委員
私もアメリカのフードガイドを前に見た時に、サービングで出ているのですけれども、それを理解するのにかなり苦しんだといいますか、わかりにくいなというふうに思いました。今回、使われるのは非常に良いと思いますので、若い方々は横文字にかなり慣れてきていますので、何か説明を少し付けたような形にされるといいのかなというふうに考えています。
吉池座長
無関心層も含めてわかりやすく、敷居を低くした形の表し方ということを目指しているわけですが、こういう料理は何サービングというような基本的なところはいずれにしてもある程度の関心を持っていただかなければいけないと思います。新たな言葉が登場して、その中身も理解していただくという意味では、「サービング」という言葉があまり使われておらず、また知られていなくても大きな障害にならないかと思っております。
逆に、みんなが比較的頭の中にイメージしやすい「単位」という言葉はあまりにもいろいろなところで、いろいろなふうに使われてしまっているので、混乱を起こす元になると思われます。あまり新しいこととしてわざわざ勉強しようかという気分にはなかなかなれない中で、そういう意味では今まで知らない言葉が新たに出てくるのは、良いのかと思っています。
ただし、それを「()」と表現するとした場合に、例えば「皿」とか「杯」とかいろいろな表現を今まで考えたりしていたわけですが、今回は「盛」という提案ですが、ほかに何かいいアイデアがあればいただきたいと思います。
どうぞ。
伊藤(廣)委員
サービングの表記ですが、先ほどの資料にもありますように、御飯は軽く1杯、炒飯は1皿、食パンは1枚が1サービングといったように、食品ごとのサービング単位を表記しておけば、あえて「盛」という表現まで使わなくてもわかりやすいのではないかなと思います。かえって「盛」で全てを表現してしまおうと思うと、無理があり過ぎるのではないかという気がします。
吉池座長
「サービング」という表現ですっきりさせたいという気持ちもあるわけですが、新しい英語のカタカナ語がポンと出てきて、横に説明が付かないと、違和感があるのではないかということで、「盛」という言葉を何か数えるものとして積極的に押し出すというよりは、横にとりあえず付けているといった苦労の結果だと思います。今、伊藤委員がおっしゃったように「サービング」だけですっきりといけば一番良いわけですが、そのままポンと出すよりは現状としてはイメージがわく形だとは思うのですが、いろいろ御意見いただきたいと思います。
早渕委員、どうぞ。
早渕委員
やはり基本的にはサービングで盛と書くよりもSVの方が、1盛よりは1SVの方がいいような気はするのですけれども、ただ、サービングに関してはやはり今、認知されているものではありませんので、やはり教育の中でいわゆるサービングの基準量、それを明確にしていく。やはり御飯1杯といっても、普通に1杯というのは人によって結構違います。
ですから、炭水化物50g を1サービングとしようと今度はしていますので、教育の中で炭水化物が50g ぐらい含まれる御飯1杯というのは、一体どれぐらいなのかというのをきちっと教えることでお父さんはこれより多くとか、スポーツマンはこれを2杯とかというように、サービングというものの一応の定義をここできちっと炭水化物約50gとか、主菜たんぱく質約12gということが明確になれば、今、栄養士にしても食生活改善に関わっている方が、その基準に基づいてサービングをきちっと理解する必要がありますし、また教育の中できちっとしていけば定着すること自体がすごく改善につながるのではないかなというふうに思っております。
吉池座長
後ほどの名称のところでもカタカナ語をどうするかという話が出てくるのですが、事務局的にこの「サービング」というカタカナ語でポンと出てくると何か支障を来すのか、また括弧で何か日本語がはまっていた方がよいのかどうか、何かありましたら御発言いただきたいと思います。
高橋審議官
事務局ということではなくて、最近の政府全体といいますか国全体としての取組というほどではないのですけれども、できるだけ外来語をそのままカタカタに直すのではなくて、ここは日本ですからやはり日本語にしていただきたいと思います。
それから、今お話をずっと伺っていて、これはもう一回ワーキンググループでする話かもしれませんけれども、サービングという言葉そのものを日本語にどうするかという話と、もう1つはサービングという概念についてです。言葉は直しても概念が果たして本当にはっきりできているのか、そこは専門家の間でも少しギャップがあるのではないかという気がしますけれども、概念の問題と、その概念をきちっと一緒にした上で日本語としてどういう言葉を当てはめたらいいのかということです。ちょっと私ども素人目で見ていても、下の方で例えば、1サービングは炭水化物なら50g 、たんぱく質1サービング約12gと出ていますけれども、なぜこういう量かというのはやはりピンとこないところがあります。
やはり基本的には一番単純な例えば御飯1杯が1サービングと言えれば一番楽なのです。あと非常に難しいのは、主食のもの、副菜のもの、主菜のものが、それぞれ全く別のものなのに、なぜ同じ単位がはまってくるのか。これは普通は非常に理解しにくいので、そこの概念の整理と当てはめる言葉、それにふさわしい日本語を作るということです。
吉池座長
サービングの概念については、これは米国でも食品表示の上での表現とフードガイドでは異なっていたり、ある意味便宜上の表現という割り切りも必要になりますし、これについてはワーキンググループ、また以前からの検討でもある程度整理がついたことと思われます。ただし、それをどう伝えるかはいろいろ工夫は必要と思いますが、基本的にはある程度整理済みで今の議論に及んでいると考えています。
名称の話になった時に、委員の意見では「サービング」だけでも良いのではないかというお話もあるのですが、事務局的な事情からカタカナだけではというようなこともおありのようなので、「(盛)」というのが出てきたのだろうと思っております。
「サービング」そのものを完全に何か日本語で置き換えるとなるとなかなか難しい訳で、良い言葉があればもうとっくに出てきているはずです。そんな中で、やはり「サービング」という言葉で良いのではないか、また普及啓発を考える際にも、今後そこをうまく普及していけば良いのではないかという議論だったと思います。
「サービング」という言葉については、どうも委員の御意見を伺うと、全く消して何か新しい表現をするというのは難しそうだと思っているのですけれども、その辺についてはいかがでしょうか。もうこれだというのがあれば、それはそれで整理をしたいと思います。
横田委員、お願いいたします。
横田委員
私自身はちょっと英語圏のところにいたもので、全然抵抗なく初めから受入れているのですけれども、サービングという言葉自体に一番抵抗を感じるのは、我々の年代かなとは思うのです。
サービングに該当する日本語が無いということなのですが(盛)というのは、これは全部を(盛)とすることはなくて、物によってサービングで1杯、2杯とか、1皿とか何個とか、そういう形にはできないでしょうか。
吉池座長
この考え方のやや難しいこととして、「単位」という言葉をあえて使わせていただきますが、これはある意味で便宜上置いた「単位」であって、必ずしも実際に供与されるもの、御飯茶椀だったらそれが「1杯」なわけですが、それとイコールではない訳です。
逆にいうとある程度個々の日常的な呼び方と区切りをつけないと、逆に混乱を起こすおそれがあります。例えば、あるところでの整理では「1皿」と表現をした時に、「皿」は皿として実際に出てくるものなのだけれども、単位として表した時には「皿分」を使うかとか、皿と「皿分」は何が違うのだとか、そういうややこしい話が出てきます。そういう意味では、日常的な「1杯」というところから、違う形で割り切ってこれは"単位"として表すものですという整理もいるのかなと思います。
ただし、カタカナ語だけだとイメージがわきにくいので、単位的なものとしての「盛」となる訳ですが、それが現実の「1皿」とか牛乳「1本」とかとはイコールなものではありません。逆にそれを対応させずに「サービング」の説明的な意味合いで「盛」を付けるというのが今の形です。
いずれにしても、そこの部分は日常的な「1皿」で出てくるものが何サービングというように、単位的に整理をしなければいけないので、ある程度の慣れや学習は、いずれにしても必要になると思われます。敷居を低くしても、そこのところは最低限必要になると思っています。
横田委員
だとすると、盛というのは無くてもいいような気がします。
永田委員
私も盛というのは、無くてもいいのではないかなというふうには思っています。ただ、普及の度合いをどのレベルにするのかということがあって、例えば私が見ていてもみかん小が2個とりんご中ぐらい半分が1サービングで、牛乳は1本で2サービングとかと言われても、もう1時間後には全部忘れてしまっているかなというぐらいで、多分教える方だって結構御苦労されるのではないかなというのが実際にあって、ただ、フードガイド設立の精神で言えば、さまざまな食材をバランス良く食べていくということを強く訴えかけるのだということで言えば、このコマはとても有効でしょうし、その中に盛られている円から伝えるメッセージもインパクトとしてはあると思いますので、これが具体的な現場でどう本当にバランス良く食べるという行為につながっていくのかというところまでの距離をどう縮めるのかというのが、現実場面としては難しいことだとは思いますけれども、ただ、これ以上簡単には逆にしにくいかなと、とても悩ましい御苦労の結果こうなっているのだなというのが率直な感想です。
吉池座長
中島室長、どうぞ。
中島生活習慣病対策室長
大変御苦労いただいてあれなのですが、実はお伺いしていると国民の方々にやはりサービングというものを学んでいただくという前提でフードガイドを作るのか。できる過程において専門的観点からはサービングというエビデンスみたいなものがあって、国民にはそこのサービングという概念はわかってもらわなくてもいいのだけれども、ビジュアルな形でどういう基本的な知識を持ってもらうのかというところがポイントになるのかなと思うのです。
今日のいろいろな御議論をお伺いすると、やはりまずは教育が重要だからサービングという概念をというのですが、例えば国民に1サービングは炭水化物50gだ、たんぱく質12gだということを暗記しろというのかというと、それはおそらくそうではないのだろうと思うので、やはりサービングというものを全面に国民に理解してもらうというよりも、特に私どもの健康づくりという点では、野菜不足なものですから野菜350gというのは、ビジュアルにするとどうなんだというイメージを持ってもらう。それをサービングが4から5ということではなくて、大体ひじきの炒め物がこれぐらいの鉢にのっているものを大体5つぐらい食べないといけないのだということをきちっと教えていただく方がありがたいのかなと。
すなわち、新たにサービングという概念を国民の方々に学んでいただきたいということであれば、なかなか定着しないのかなという危惧があって、もう率直にわかりやすく目で見て反射的に脳裏に反映させるような、そういうものの方が今後、特に私ども食生活改善という点ではありがたいかなと思っております。
吉池座長
学んでいただくといった場合、概念というかたんぱく質云々ではなくて、指折り数えて御飯が「1」なのか「2」なのかとか、そういう意味で学ぶということです。1とか2とか指折り数える際に、数字の後に「盛」なのか「杯」なのか何なのか付かないとさびしいという感覚もあります。そうした時に、そこに付くものが「サービング」なのか「盛」なのか「杯」なのかという、今、室長がおっしゃったようなことは、語尾の話だけです。多くの人は、ビジュアルにこのぐらいであるとか、指折り数えてでいいんですが、そこの語尾のところに何かを付ける必要があると思います。多くは、これまで御指摘いただいたような検討のプロセスの中での整理であると思うのですが、ただ、そこが何も名前が無いということでも困るということだと思います。
中村委員、どうぞ。
中村委員
日本語の複雑さの基本的問題に今、触れているのではないかなというような気がしているのですが、例えば主食のところでも御飯は1杯と言うのです。おにぎりにすれば1個と言うのです。パンにしてしまえば1枚と言ってしまうのです。だから、これを普遍的に表現する単位として何かを作らないと、これがくくれないという今、問題に我々は直面しているわけです。
先ほどお話があった、ではサービングサイズはどうやって決めたのかというと、これは実は栄養のことがわからない人たちにわかりやすく量を表現するためにサービングサイズを決めているわけです。だから、どの国も1回に食べる標準的な量を1サービングにしているのです。これを我々は一般的によく食べる常用量という表現をしている。だから、日本では御飯1杯、りんご1個、卵1個みたいなものが1単位になっているのです。欧米ではそれをサービングサイズといったわけです。
私は思うのですが、こういうものを基本に決めていく原理原則というのは、やはり原則にのっかってやったら良いと思うのです。ただ、そのストーリーの中のどの部分まで国民に教育するかというのは、これはまた教育の技法の問題ですから、作る過程の原則は崩さない方が良いと思うわけです。
私もずっと栄養指導をやっていたのですが、原理、原則の中のどこの部分まで学習できるかは、受ける側の能力によるわけです。例えば、食品交換表というのを我々臨床の現場で持っているのですが、これが丸々わかる人もいるし、全くわからない人も、単位が計算できない人も、足し算ができない人も、割り算ができない人もいるわけで、それはそういう人に合った教育方法を今度我々専門家がやるわけです。だから、サービングサイズが計算できない人には、では御飯にしたら1杯、パンだったら1枚という方法を個々にとっていくわけです。
だから、教育技法の問題と決めていくプロセスの問題というのを混乱しない方が私は良いと思います。
吉池座長
服部委員、どうぞ。
服部委員
サービングという外来語ですけれども、これは訳すと提供量なのです。ですけれども、これを読む人は摂取量と読むと思うのです。ですから、その辺をいろいろな言葉あると思うのですが、一番日本語として、もし括弧として付けるのか、サービングが括弧になるのか私はわかりませんけれども、摂取量という一番わかりやすい、だれでもわかる言葉、あとサービングを訳すと提供というのは、きっとこれは国がこういう形でやると言ったから提供という言葉になったのか私はその辺がよくわからないのですけれども、5つの単位をとりなさいというわかりやすい言葉に何か直していかなければいけないのかなと。
先ほどからいろいろな議論を皆様おっしゃっているのを伺っていると、盛というのは何か急にボンと出てきて、盛とは何という、そういう感覚があるので、それに1杯とか1枚とか1個とたくさんあるのです。ですけれども、これだけ摂取しなければいけないなと、最終的にはそうだと思うのです。その摂取というのを何か活かしていただければ、方向が出てくるのかなとちょっと感じたものですから、一言だけ申しました。
吉池座長
松谷委員、どうぞ。
松谷委員
先ほど厚生労働省の室長のお話がありましたけれども、これから普及啓発をする、誰がやるのと私は聞きたいわけです。保健所の栄養士さんたちは住民に対してこういう保健指導はしないという形になってきていますし、市町村の保健センターなり市町村が直接的に行う。その人数がまたあまりたくさんいない。ですから、他のさまざまな職種の人たちがさまざまにこれを自分流に解釈して、流れていく傾向があるものですから、私は本当にこれから教育しなければみんなにわからないようなものは、ここのところのガイドの中に、作り方としてはちょっと賛成できないのです。
以上です。
吉池座長
これについては、指折り数える語尾のところをどうするか、表現のことになりますので、今日、もう一つの課題である名称の議論を少しさせていただいて、全体像からどう表現をするのかを時間を見ながら戻りたいと思います。
それでは、名称についてですが、資料1ということで、前回出されたものを事務局でもう一度整理をしているということであります。 事務局的としては、先ほどもありましたように、適切な日本語での名称が望ましいということがあったということです。
資料1の2ページ目のキャッチフレーズについては、今回の議題にはせずに、本名の名称についての議論をしたいと思います。
また、これとは別に尾坂委員の方からの御提案が先ほどあり、カタカナもうまく使えばというような御発言もあったわけでございます。
一応、前回も議論がありましたが、本日意見をいただいて手を挙げて多数決というつもりはございません。まず御意見をいただいて、今後どう絞っていくかについては、事務局と調整をしながら進めていきたいと思います。まずは御意見をいただきたいと思います。できるだけ絞り込みの方向に行くような形での御意見をいただきたいと思います。
武見委員
先ほどのなるべくカタカナを使わないという御意見も良くわかるのですが、やはりバランスというのを日本語にするのは逆に誤解を招くような気がするので、これは仕方がないんじゃないかと思います。
ガイドもそういう部分がありますけれども、場合によっては指南とかそういう言葉にならなくもないと思います。
それと、私は是非日本語にした方が良いと思っているのはフードという言葉なのです。やはりフードというと食品、そこからイメージするものと、今回、主食、主菜、副菜は料理とか、いわゆる食べる場面でといった時にフードをカタカナで書いた時のイメージと、そこはちょっと違うと思うので、これは食事とか食べ方とか、多分食べ方が本当は伝えたいことなのかもしれないのですけれども、そこは日本語にして、日本語とカタカナ併記まぜこぜというのでは、何とかうまく収まらないものかというふうに思います。
吉池座長
今、カタカナとの関係で御意見をいただきましたけれども、具体的にこういう表現が良いのではないか、資料1、または尾坂委員からの御提案のことも含めていただければ、絞り込みが進むと思いますので、御意見をいただきたいと思います。
伊藤(廣)委員
私は前回も申し上げたのですが、フードガイドのキーワードはやはり「バランス」ではないかと思います。
今、武見先生からもお話がございましたように、「バランス」はそのまま表現し、「フード」を日本語で表現しますと、「食事バランスガイド」ということになるのかと思いますが、私もそういう表現が一番良いのかなという見解でございます。
以上でございます。
吉池座長
早渕委員どうぞ。先に手が挙がったようです。
早渕委員
私もバランスが入った方が良いと思うのですが、キャッチフレーズに入れるということもあり得ると思います。
というのは、既に食事摂取基準と食生活指針というのがありますので、それとの対応とかはいかがなのでしょうかと。そこら辺と合わせると、食べ方指針とか、名称としては、むしろお役所的に御提案をいただいた方が良いのかなと。それでキャッチフレーズでよりわかりやすくということを考えても良いかと思います。
吉池座長
少し意見をいただいてから、まとめて事務局サイドからいただきたいと思います。
針谷委員どうぞ。
針谷委員
ちょっと表現として古いかもしれないのですが、80年代に言われている日本型の食事ということで、これがずっと定着しないままに外国化してきたという反省を踏まえると、日本型というのを入れることも考えていただいたらいいかというふうに思いました。英語では、日本ということが入るようなのですけれども、それと合わせる意味でもお願いしたいと思います。
吉池座長
他に何かございますでしょうか。
服部委員
キャッチフレーズは別にして、名称はものすごくシンプルで、エッと思うようなものではなくて、食事バランス表示とか、食事バランスガイドとか、本当にこのものをズバリ言っているシンプルなものにすべきだと思うのです。
ですから、向こうのフード・ピラミッド・ガイドみたいな言い方がありますけれども、一言で、あまりゴチャゴチャしてしまうと、結局、また他の方向に行ってしまうような気がするので、それでキャッチフレーズは毎日の食事のバランスを良くとか、そういうソフトな部分、あとは簡単にして欲しいなと。お願いいたします。
吉池座長
他に御意見はございますか。
横田委員どうぞ。
横田委員
特に意見ということではなくて、私の考えとして、17番の食事バランスの目安、ガイドより目安の方がちょっと一瞬考えるかなというイメージで、直感的にこれです。
吉池座長
ありがとうございました。永田委員、お願いします。
永田委員
尾坂さんが作られた2ページのフードガイドとなっていて、下にフードバランスガイドと付いていますね。これが見た目には美しいなという印象があります。
前の発言で、私も指南とか、いろいろ面白くとか言ったのですけれども、世の中に公的にメッセージを伝えるという時には、やはりシンプルでパッとわかるというのが良いかなと思っていて、実はフードガイドが良いのかなという印象を持ちました。
吉池座長
他にございますでしょうか。できたら全委員からこの点についていただけたらと思います。
どうぞ。
伊藤(俊)委員
これを広く国民といいますか、皆さんに普及させるということでしたら、私の1つの考えなのですけれども、いわゆる簡単なことというのは大事なのかなということで、例えば簡単ガイドみたいな、19番に簡単ガイドとあるのですけれども、要はあまり難しいことではないのだというのをちょっと表現するというのも必要かなということで一言申し上げました。
以上です。
吉池座長
津志田委員お願いいたします。
津志田委員
私もバランスという言葉が非常に普及しているので、食事についてはバランス良く食べればいいだろうということになっていますので、できればバランスが入った方がいいのかなと考えます。ですから、食事バランスガイドみたいなものの方がいいかと思います。
吉池座長
今までいただいた御意見は、まず全体としてシンプルにということと、バランスというのは重要なキーワードであるということと思います。
永田委員からは英語の表記で「バランス」が入った上で「フードガイド」と、尾坂委員からもそういう提案をいただいています。皆さん「バランス」ということが、今回一番伝えるべき事柄であるということは一致していて、「バランス」について、それに代わる日本語はまず無いのだろうと思います。
また、「フード」というのを「食事」と表現するか、また「ガイド」といった言葉も要るのだろうと思いますが、それが「指南」ですとか、「目安」「ススメ」といったそれに代わる日本語になるかと思います。
また、先ほど「食生活指針」「食事摂取基準」との関係の中での表現に関して事務局への質問とも言えるような御発言がありましたので、今までの委員の御意見を受けて事務局から説明をいただけたらと思います。
まず、姫田情報官、いかがでございましょうか。
姫田消費者情報官
今、座長の方からおまとめいただいたようにシンプルでということ。
それから、なるべく日本語をということの中で「バランス」と言葉をどう扱うかということがあります。
それから、できれば私どもとしては、何か教えてやるんだということにならないようなものにしたいと思っています。
ですから、ちょっと出ていますけれども、指南とか基準とか、そういう役所が押し付けたということにならないようなものが良いのかなという感じは持っておりますが、そういうことも含めて、それとおっしゃったようにシンプルなものということでありますから、そういうことも含めて事務局、ワーキンググループとか、尾坂委員達と相談しながら考えられればと思います。
もう一つは、これは全体の話にもなりますが、最終的にはここでというよりは、パブリック・コメント等をかけて、それで一番を決めますということではないのですけれども、広くいただいたご意見も参考にしながら決めていければと思っております。
吉池座長
事務局、厚労省側から何かございますでしょうか。
中島生活習慣病対策室長
姫田情報官が御発言されたとおり、基本的にはそうです。
ただ、私ども大臣等にフードガイドといった時は、大臣はもう一つピンと来ないなということでございました。
私どもの方は、1つはシンプルなものじゃないといけないということと、もう一つはちょっとひねりがあるというか、役所的ではないと言いますか、何と言うのでしょうか、ちょっと関心を持とうかなというのが、例えば福沢諭吉の『学問のススメ』みたいなものをもじって何とかのススメとか、何か連想して、あっ何だろうと、そういうところで何か関心を持っていただけるような、これはキャッチフレーズにおとすのか、本題にするのか、シンプルかつちょっと気になるという名称であればありがたい。
それから、なるべく横文字はというところもございまして、そこら辺を総合的に御勘案いただければと思っています。
吉池座長
時間的なこともありますので、今までの議論を踏まえますと、資料1と尾坂委員の御提案から、50ほど名前が並んでいる中で、5~6個ぐらいのパターンにはしぼることができると思っていますので、調整は座長と事務局の方に一度お預けいただき、委員の先生方からも御意見をいただくとともに、パブリック・コメントも事務局はお考えのようですので、そういうところからも広く意見をいただくということで進めさせていただきたいと思います。
服部委員どうぞ。
服部委員
ちょっと確認なのですけれども、食生活指針を作らさせていただいた時に、こういったものができましたね。これはある意味でフードガイド的に作ったものなのです。
このコマガイドができると、食生活指針に載せているこの部分というのは、コマに替わるのでしょうか。もし替わらないとすれば、ここにかなり具体的にとり方というか、そんなに細かくはないけれども、一応バランスがあるので、むしろコマ型のフードガイドの方はもっとシンプルにしてしまって、これと両方が一緒になって整合性のあるものとしてワンセットとすべきなのかどうかと、その辺をどういうふうにお考えなのかというと、今更言うのはおかしいのですけれども、これだけちょっと確認させてください。
吉池座長
食生活指針との関係というのは、先ほど早渕委員からも質問がありましたが、その辺について整理をして御説明いただきたいと思います。
中島生活習慣病対策室長
実はあまり厳密に考えていなかったというのが率直なのと、農林水産省、更には文部科学省との関係もあり、あくまで私の個人的な考えですが、 実は1回目に私どもの当初の意見を申し上げたわけですが、食事摂取基準というのは、ある意味ではプロが指導していく際のエビデンス。それを国民の目から見てわかりやすくということで食生活指針を作った。
ところが、松谷委員の方からも御意見が出ましたが、国民の中の認知度はあまり無いということであります。
ある意味で食生活指針というのは、指導要領のちょっとわかりやすいバージョンで、厚生労働省としてフードガイドにお願いしたいのは、教科書的に一方的に上からものを言うとか、指導するというのではなくて、ターゲットを絞ってせめてこれだけはということがパッと感覚的に把握できるものということで、食事摂取基準が専門家向け、教科書が食生活指針だとすると、フードガイドが副教材的なものといいますか、こういうものに関心を持っていただく一つのきっかけであり、またここと内容がかぶる部分があるのでしょうけれども、そういうものなのかなと。
それで、今後はフードガイドを中心に普及啓発させていただくということに行政としてはなっていくのだろうと。そして、矛盾の無い形で作っていくのだろうということで、私自身、自分でも今発言していて整理できてないと思いながらなのですが、改めてまた農水省、文科省とも時期を見て考えていきたいと思います。
吉池座長
実際の普及啓発の展開の中では、今回のフードガイドを中心に進めていき、また仕組みの整理はこれからしていただくということかと思います。
それでは、名称については、私が先ほど説明させていただいたような形で落ち着けたいと思うのですが、サービングについては、中島室長の先ほどの御発言のようにプロセスと考えれば気が楽なのですが、そうはいいながら何か呼び名を付けなければいけません。「(盛)」というのもどうかという意見もありますし、日本語としても幾つか今日いただいた御意見から整理をしたいと思います。先ほどパブリック・コメントという話が事務局からございましたが、「サービングサイズ」の名前についてもう少し議論をしたいのですが、事務局の進行上のこともありますので、補足説明をしていただきました。
「サービングサイズ」に関しては、ここでは御意見をいただいたということでペンディングにして、一度議論を止めさせていただきたいと思います。今日、これまでいただいた御議論の中で、特に全体についての御意見はありますでしょうか。
どうぞ。
早渕委員
デザインと絡めてなのですが、いろいろ伺っていまして、一番最初に戻るのですけれども、コマのデザインを、針谷先生からもありましたが、一番下に主食が入った方が、サービングとかを何も考えずにパッと見た時にわかるということを考えると、水があって、下がないと回らないですね。だから主食がないと回らない。
極端に言えば、水と主食があれば回るコマなのです。やはりどうしても主食が下になると、かなりコマの多くの部分を取るのですが、逆に主食をこんなにいっぱいとらなければいけなくて、その上に主菜と副菜があって、その上に牛乳と果物があるところ、回ったときに色は薄いのですけれどもきれいなのです。
ですから、何とかビジュアル的にパッと見て、サービングとか何とかわからなくても、コマを回すためには軸になる水が要って、主食が要るんだ、下がないと動かないと。イメージ的には、やはり主食が下にいくと主菜、副菜と、先ほどの松谷委員の御質問も解決できそうな気がいたしまして、それでまた御検討いただければありがたいなと思いました。
吉池座長
1つの御意見として承り、それが表現できるかどうかというのは、ワーキンググループの作業にも関わるので、先生もその一員としてこれからたくさん作業をしていただき、御検討いただきたいと思います。
基本的には、今日御提案したものを中心にして、幾つか検討していくという方向で進めさせていただきたいと思います。
尾坂委員どうぞ。
尾坂委員
私は、こういう内容のことについては一番素人なので、さっきピンと来るものと言われまして、これを作っていて常々私はサービングというのがやっとわかってきたのですけれども、実際にはわかっていないです。この量を見るとやっとわかるわけです。 その時に思ったのは、例えばこの絵で見まして、主菜の3サービングはハンバーグと焼き魚だけなのです。実はいろいろな物を入れているのですけれども、これをとると、素人目には一日このぐらいとればいいのかというのがパッとわかるというのを思いつきました。 例えば、おにぎりをもう一個入れておけば、これが5サービングだということであれば、素人は一日こんなものかという量的なものが入ってくるので、さっき言われた、パッと見て、教育は勿論大事ですけれども、教育無しでも、こんなものを一日とればいいのだというのが、例えば果物だとりんごを1個とればいいのだなと。そういうものも結構大事なのかなと思いまして、次回はそういうものを検討して、そういうビジュアルでやっていきたいと思いました。
吉池座長
永田委員どうぞ。
永田委員
私もまさにそのことを思っていました。やはり、これがあまり複雑になってしまうといけないのですけれども、これが基本系だというメッセージを量的にも触れた方がいいのではないですかね、ものとして。
吉池座長
量的にシンプルに表わすということが当初のフードガイドの目的ですから、その辺は表わし方、また量的な部分をどう整理していくかは、ワーキンググループの作業に関わりますので、作業を進めながら今いただいた御意見を検討していきたいと思います。
針谷委員どうぞ。
針谷委員
もうほとんど出尽くしているのですけれども、サービングという言葉を新たに覚えていくということと、5、3、5というサービングを一日に表わしたときに、こういうふうにとればいいのだなという一日単位のイメージというのが違っていると思うのです。
サービングサイズの5、3、5というのは、基本的には日常のお料理の単位ということで考えてきていますので、それが加わると非常にイメージしやすいものになるのではないかと思います。
吉池座長
ありがとうございます。細かい議論はワーキンググループ、また今日終わりましてからも、各委員から事務局等にお寄せいただきたいと思います。
また、次回も普及啓発に向けての議論を中心的にすると伺っておりますので、サービングという名前以外のところは一度整理をさせていただいて、事務局から今後の展開も含めて御説明いただきたいと思います。
姫田情報官、よろしくお願いいたします。
姫田消費者情報官
それでは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、この後のフードガイドの取扱いでございます。まず1つはフードガイドの名称とか、今日御議論いただいた内容について、広く国民の皆さん方から十分に意見を伺おうということを考えております。
まず、絵については今日も大分厳しくさせていただいていますけれども、これは盗用のおそれもあるということで、公表は控えたいと思います。
そこで意見を伺う内容としては、1つは、今、御議論いただいたフードガイドの名称について。 もう一つは、主食、主菜、副菜といったフードガイドの区分の考え方について、そして料理で示すという考え方について、特に今のことについては十分検討会では共通認識になっていますが、むしろそういうことを問うという形にしたいと思っています。
それから、一日に食べる量で示すということも問いたいと思います。
フードガイドの名称と、あと今また御議論になっているサービングという表現についてはかなり御意見をいただけると思っています。そういうことについて今後座長ともご相談させていただきながらパブリック・コメントもして、御了承いただければと思います。
吉池座長
今日までの議論の中での大枠について、パブリック・コメントを求めていくという御説明だったかと思いますが、これについては何か御意見はございますでしょうか。
特に反対がなければ、こういう形で広く御意見を求めるということは非常に大事なことですので、事務局の方でそのように進めていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
吉池座長
それでは、パブリック・コメントについてはそのようにさせていただきたいと思います。
本日は、もう一つ議事がございます。実際にフードガイドができて、普及啓発し、どう活用していくかにもつながるわけですが、議事の3番目のターゲットを絞った問題提起について、事務局から論点について説明をお願いいたします。
古畑栄養指導官
それでは「ターゲットを絞った問題提起の構成と流れについて」ということで、資料2をご覧ください。
委員の皆様方からターゲットを絞った問題提起と、現場での実践という意味でどうやったらいいのかなというアイデアとお知恵をいただければと思っておりますが、時間も限られておりますので、本日は少しイメージの紹介ということにとどめ、いずれかで議論していただきたいと思っています。
第1回目でも御紹介しておりますけれども、ターゲットを絞った1つとして、30~60歳代の男性の肥満。これは10ページの方に参考としてデータを付けてございます。
男性の肥満ということに対して、どのような取組みをしていったらいいだろうか。肥満とはこんなに怖いものなのだということをお伝えした上で、ではどんなことに気をつければいいのかというようなアプローチの仕方と、どうすれば実践できるのというような流れの中で絞り込んだまとめ方でいかがかと思っています。さらに、肥満の原因につながる問題として、過食、摂食パターンの異常、運動不足、遺伝というものがございますけれども、まずは原因をきちんと理解していただくことが重要と考えています。
その上で、肥満になれば、こんなに怖い病気にもつながるのだということの理解もしていただくということも大事ではないだろうかと思っています。これが進めば重症化して虚血性心疾患、脳卒中、糖尿病の合併症に陥り、更には生活機能低下につながり、ひいては、どんどん悪化していくということで、それを防止するためには、この度御議論いただいているフードガイドで実践に向けてどうしたらいいのかということでございます。
次に3ページ目にはどんなことに気を付ければいいのかということで、幾つかのデータに基づき、ここでは5つに絞った事項に整理してみました。これで良いのかどうか。もっとこれは絞った方が良いとか、もっと事項があった方が良いのではないかということも御議論いただきたいと思っております。
その上で、どうすれば実践できるのかと。具体的なメッセージ例ですとか、わかりやすいキャッチコピーというものをそれぞれ強調すべき点とメッセージをどう送るのかということも併せて考えていただきたいと思います。また、コンビニですとか、外食などの場においてもバリエーションがまた変わってくるのだろうと考えております。
また、3つのターゲットという中で、8ページに野菜をどうやってとったらいいのかというようなこと。ここには数字または文字で表わしていますが、絵を加えてもう少しわかりやすくという方法もあるのかもしれないなということなのですが、とりあえず今回は野菜をとるにはどうしたらいいのか。例えば、ラーメン、牛丼、カレーライスなどは、少しは野菜は入っているけれども、もっと野菜をとるにはどういった料理選択をすればいいのかという知恵も何か必要ではないだろうかということです。
それについて、では生野菜だけでは一日350 g食べられないのだという時に、下の例として、キャベツの量ではございませんけれども、ゆでると同じ量でもたくさん食べられるというようなことにもつながってくる。
9ページの図案のイメージでございますけれども、やはり肥満という考え方からしますと、料理別に見ますと、右の方に行けば行くほどエネルギーと脂質の量が増えるというようなことも目でわかるように紹介したい。
量といった意味では、もう少し検証してみなければいけないのですけれども、これも料理の絵を入れたり、いろいろなわかりやすい方法で実践に向けて何か取り組めればなというイメージで作っています。
また、ちょっと戻っていただきまして、4ページに2つ目のターゲットとして「単身者」がございますけれども、単身者にはどのように日常の食生活を実践すればいいのかと。こんな食生活をしていませんか、それからどんなことに気をつければいいのか、そして実践というようなことで、もう少し整理をしてみました。次に、5ページにはどんなことに気をつければいいのかということを少し強調点を入れてみております。
その上で、どうすれば実践できるのかというようなキャッチフレーズも入れてはどうか。また、それぞれの売場等でのバリエーションもあるかなと思っております。
3つ目のターゲットの「子育てを担う世代」ということですが、やはり子育てを担う世代の中で、子どもの食生活の実態はどうか。参考として17、18ページにも示してございますが、子どもの肥満が増えているとか、子どもの食事の特徴は何だろうかといったこともしっかり見た上で、ではどんなことに気をつければいいか、どうすれば実践できるかという流れの中で7ページに整理してみたわけでございます。
ここでは3つほど強調すべき点を絞ってみましたけれども、どうすれば実践できるのかということで、またわかりやすいキャッチコピー、ビジュアルというものも必要ではないだろうかということで、整理してみました。
本日は時間も押しておりますので、たくさん御議論をいただく時間はありませんが、よろしくお願いしたいと思います。
吉池座長
では、時間が限られておりますので、まずフードガイドができて、特に健康づくりという観点からの展開事例の中心的なものとして、3つのターゲットを考えるという御提案の部分について、また、少し具体的には、3ページ、5ページ、7ページのところで、それぞれのターゲットに対してフードガイドと絡めながら、特に強調して伝えていく事柄が整理されています。
この中身についての議論は、またどこかでしっかりやらなければいけないかと思いますが、今日はターゲットについての、アプローチの仕方について御意見をいただきたいと思います。
もう1つは、今後展開するためのイメージをもう少し委員が共有しなければいけないので、その辺について何か御質問があれば受けたいと思います。
中島生活習慣病対策室長
ちょっと補足説明をさせていただきますと、健康づくりという点で最大のターゲットは中年男性の肥満と単身者だということ。
あえて極端なことを言えば、是非ともやってもらいたいのが、もっと野菜を食べてもらいたいということと、油物を控えて欲しいということ。そして単身者の方にはそれに加えて確実に朝御飯をとって欲しいと、このメッセージを徹底して訴えていきたいと思っているわけです。
ある意味でフードガイドの第一編というのは、教科書的にバランスの良い食事というのはこういうものだということなのですが、今の「健康日本21」の進捗状況を見ると、一人ひとりの国民、肥満の方に、まずこの本を読んで勉強してくださいでは、到底間に合わないので、まず野菜をとりなさいと、それから油物を控える。
昨日の新聞では、ファミレスでは朝食にもかなり積極的に取り組んでいただけるということも記事にもなっておりましたので、大変心強いわけですが、そういう野菜、油、朝食をとるというところを徹底して訴えたいと思っているのですが、本当にそれでいいものなのかどうか。
それから、訴えようとする時に、こんなちょっとした工夫があればできるのではないかみたいなもののヒントをいただければ、今後ワーキンググループ及び事務局の方でターゲットを絞ったチャプターを作っていく時に大変参考になるなということで、今日とりあえず御提示したということです。
吉池座長
今、中島室長から更に重要点にポイントを絞った御説明がございましたが、主にこのことについて、何か御意見、御質問があれば受けたいと思います。
伊藤委員どうぞ。
伊藤(俊)委員
厚生労働省の方で、ターゲットの方のABCという順番、特に30~60歳代の男性肥満、私もその中の年齢に当然入っているわけなのですけれども、私がそうやって生活している中で、専門家ではないのですけれども、それよりも今の若年層の食の乱れ、そっちの方が私は将来的には非常にダメージが来るのではないかと。
変な話、中高年はある程度、それは勿論質によって感覚的には違いますけれども、比較的健康に気を使っている、特にスポーツジムなんかは割と多いみたいなことを考えていると。
それよりも、将来を担っていくであろう若年層にもう少しターゲットを絞るといいますか、そっちも少し力を入れていった方が、私はいいのではないかと思います。
吉池座長
御意見どうもありがとうございます。
針谷委員どうぞ。
針谷委員
私も伊藤委員に賛成したいと思います。その出発点が多分小学校、中学校から始まると思いますので、是非お願いしたいと思います。ターゲットの中にそこを一つ入れていただけたらと思います。
吉池座長
ほかに何かございますでしょうか。
永田委員どうぞ。
永田委員
30~60歳代の男性の肥満ということを考えてみた時に、私が実際に毎日やっています『生活ホットモーニング』という番組で、夫の健康などということをテーマにした時に、主立った視聴者層は在宅の女性なのですけれども、そういう人達は夫の健康にあまり興味がない。
御本人達も、今、伊藤委員がおっしゃいましたけれども、自覚はあるのだろうと思いますけれども、それが具体的なアクションになかなかつながらない。我々もときどきいろいろ番組をとおして調べたりしますけれども、データは極めて悪くなる一方ということで、今、厚生労働省の方から御説明がありましたけれども、やはりこの人達は、幾ら訴えても聞く耳を持っていないし、女性達も、別に女性の責任だというつもりは全くないのですけれども、夫の健康にもあまり関心がない中でどうするのかというのが、本当にそう簡単ではないと率直に思います。
吉池座長
ありがとうございます。
どうぞ。
服部委員
30~60歳代の男性なのですけれども、確かにそれぞれ皆さんがおっしゃったような形で、問題はものすごく含んでいるのですけれども、勿論すぐに解決しなければいけない問題だと思いますが、やはりこの人達がどういう背景でこうなってきたかということを考えると、やはりそれまでの食育、小学校、中学校ぐらいからの物の食べ方というか、食品の選び方みたいなものをきちんと教育してこないとこういうことになってくるので、若いころからの食育は必要だろう。
更に、大人のための食育として、これはまた重要な部分でしょうから、すぐに解決したい、両面から進めていただきたいと思います。30~60歳代だけ絞ってしまうと後の人達が、また30~60歳代の層がいつまで経っても増え続けるだけだと私は思うものですから、よろしくお願いいたします。
吉池座長
武見委員どうぞ。
武見委員
先生方おっしゃるとおりだと思うのですけれども、ある意味ではターゲットの3番目「子育てを担う世代」というところに、今の若い方たちのというところが1つ入ってくるのだと思います。
ただ、前回からの議論になっておりますように、まず、作るものは成人向けということで考えているということで、成人向けの基本を子育てを担う世代にも使っていただいてということになっていくのではないかと思います。それが1点です。
もう一つは、メッセージということ、何に気をつけていただくかを、私は必ずしもどうにも変わりようがない30~60歳代の男性に、御自分の行動変容をしてくださいということもあるとは思うのですけれども、一方で、こういうメッセージが具体的にできたような食事とか、教材とか、それこそ外食の業界の方とか、いろいろな団体、実際に提供する側のところに、それが具体化したものを出していただいて、御本人は考えなくていいから、それを食べていただければ、あるいはバランスの良いものをとったら、すごくお得があるとか、そういうような仕組みを作って変えていかなければいけないのではないかなと、御本人が変わることは私もあまり期待しておりません。やはりそれにつながるような、いわゆる環境づくりというようなことをやっていかなければいけないと思います。
吉池座長
他に何かございますでしょうか。
伊藤委員どうぞ。
伊藤(廣)委員
30~60歳代の男性の肥満対策への啓蒙あるいは啓発の仕方ということで申し上げますと、農林水産省と連動して食育という視点から実験的に展開させていただいたコンビニチェーンがございました。この取組は、主食、主菜、副菜を色で表現し、不足の食品を見た目で分かるようにしたのですが、このときに、買い合わせ行動があった年齢層が実は30~60歳代の男性の方であったと聞いております。いわゆる不足している食品を買い合わせることによって、ご自分なりに、バランスを考えた食事をとろうと行動されたものと思います。
そういった意味では、まさに行動に出てくれる方の層というのが、おそらくこういう年齢層かなと思います。主婦の方達は、基本的には普段から食生活に非常に気を使っておられますから、商品を見て何が不足しているか当然分かっておりますので、あえて商品に表現された不足商品を買い合わせしようという行動にはなかなかならないのではと思います。
それから、若い方達は、健康や食事のバランスなどといったことにそれほど意識していないということもあり、商品に何が不足しているか表現されていても、なかなか行動につながらないのではと思います。そういった意味では30~60歳代の男性の層をターゲットにすることは、購買行動につながる可能性があることからも良いのではないかと思います。
吉池座長
他にございますでしょうか。
早渕委員どうぞ。
早渕委員
ここのターゲットというのはバックグラウンドだと思うのですけれども、勿論食育という面で子ども達は小学校から高校まで大事なのですが、そこは教育の中である程度されますので、この場合のいわゆるターゲットというのは、今おっしゃったように、自分で自分を守らなければいけない30~60歳代の男性たちのための環境づくりという面でも、やはりある面抜けている部分を、まず当面やろうというところでもいいのかなと思います。
教育のところは、栄養教育とか、いろいろなところでやっていきますので、ここの当面の目標と考えさせていただいていいのかと思うんですが。
吉池座長
いろいろ御意見をいただきました。より若い時からというのは非常に重要なことだと思いますが、今回、まずは成人を中心にという出発点もございますし、外食産業その他の食環境の幅広い整理ということと相まって、今回、事務局からこういうターゲットを御提案いただいたわけでございます。今日いただきました御意見を踏まえながら、また再整理をして次のステップに進めていただきたいと思います。
それでは、今日御提案いただきました個別のターゲットに関してのメッセージ例等もありますので、それについても何か御意見があれば事務局の方にお寄せいただきたいと思います。また、大枠のところでも御意見があれば、今日は時間が限られていましたので、事務局にお寄せいただきたいと思います。
大体今日の議事は尽くしたように思いますが、ほかに何かございますでしょうか。特になければ、今日積み残した部分も少なくないわけでありますが、今後のスケジュールについて事務局から御説明をお願いいたします。
姫田消費者情報官
今日の御議論を受けて、最終的にもっと具体的にしてまいりたいと思います。これは座長と御相談しながら、あるいはワーキンググループでしていきたいと思っています。
第4回については、4月26日の火曜日でございますが、10時に開催したいと考えております。 検討内容につきましては、積み残しのことを最終的に御提示できればと思っているのと、今後のフードガイドの普及啓発戦略についてということで考えております。
それぞれ、今も伊藤委員からもお話があったように、かなり業界としてもいろいろと実験事業の中で何らかやれる方向性というのも出てきていると思っておりますし、また、業界もボランティアではないということは承知しております。そういった中で自分たちの企業行動としてうまく結び付けられるような普及戦略ということを考えていただければと思っています。
そういうことも含めて、厚生労働省、農林水産省、そして関係団体を代表されている委員の方々から、それぞれ5~10分程度意見を発表していただいて、それを基に議論したいと思っております。 また、具体的に御発表いただく中身につきましては、後日事務局から委員の方々へ御連絡いたします。
また、この間に御意見等がございましたら事務局の方にお寄せいただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
吉池座長
次回のこと、また今後の進め方について説明いただきました。何か御質問はございますでしょうか。
特になければ、本日皆様方からたくさんの御意見をいただきましてありがとうございました。これで、第3回の「フードガイド(仮称)検討会」を閉会したいと思います。