第6回 フードガイド(仮称)検討会 議事録
日時:平成17年6月21日(火曜日) 10時00分~12時00分
場所:厚生労働省専用第15会議室
1 開会
2 フードガイド(仮称)のデザイン及び名称の決定
3 フードガイド(仮称)検討会報告書案の検討
4 閉会
出席者:
【委員(五十音順)】伊藤 俊一 | 社団法人日本フードサービス協会会員企業・株式会社ジョナサン広報担当 |
伊藤 廣幸 | 社団法人日本フランチャイズチェーン協会CVS担当部長・株式会社ローソンFCサポートステーションシニアリーダー |
尾坂 昇治 | 株式会社シナジー代表取締役 |
武見 ゆかり | 女子栄養大学栄養学部教授 |
田中 清三 | 全国飲食業生活衛生同業組合連合会会長(代理 加藤隆 副会長) |
中村 丁次 | 社団法人日本栄養士会会長 |
遠藤 景子 | 日本放送協会番組制作局情報番組センター部長 |
服部 幸應 | 学校法人服部学園理事長 |
早渕 仁美 | 福岡女子大学人間環境学部教授 |
針谷 順子 | 高知大学教育学部教授 |
松谷 満子 | 財団法人日本食生活協会会長 |
宮川 誠一 | 日本スーパーマーケット協会販売促進委員会委員・株式会社ライフコーポレーション首都圏販売促進部首都圏販売演出課長 |
吉池 信男 | 独立行政法人国立健康・栄養研究所研究企画・評価主幹(座長) |
横田 倫子 | 消費科学連合会企画委員 |
【事務局】
岡島 敦子 | 厚生労働省大臣官房審議官 |
高橋 直人 | 農林水産省大臣官房審議官 |
姫田 尚 | 農林水産省消費・安全局消費者情報官 |
古畑 公 | 厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室栄養指導官 |
古畑栄養指導官
おはようございます。
定刻になりましたので、第6回「フードガイド(仮称)検討会」を始めさせていただきます。
本来であれば、私ども中島室長の方が進行役でございますが、国会公務等のために、私が代わって進行させていただきます。
最初に委員の交代がございましたので、ご紹介させていただきます。
日本放送協会番組制作局情報番組センター部長の遠藤委員でございます。
遠藤委員
遠藤でございます。よろしくお願いいたします。
古畑栄養指導官
遠藤委員におかれましては、6月1日付で他部署に異動されました永田委員の業務上の御後任ということでございますので、よろしくお願いいたします。 本日、津志田委員が所用で欠席でございます。また、田中委員の代理として、加藤様に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。また、松谷委員は少々遅れて出席というお知らせがきております。
それでは、初めに配布資料の確認をさせていただきます。
まず、本日の座席表、 議事次第、そして、資料「フードガイド(仮称)検討会報告書案」。
参考資料として、デザイン中の料理データ及び食事摂取基準との比較表。
また、委員限りでございますが、フードガイドの図案もお配りしてございます。資料につきまして、不足等がございましたら、事務局の方にお申し出いただければと思います。
カメラ撮りにつきましては、冒頭のみとなっておりますので、これにてお席の方によろしくお願いいたします。
また、携帯電話の電源もお切りくださるようお願いいたします。
議題にもありますように、事務局としては委員の皆様方の合意が得られた場合でありますけれども、本日デザインと名称について決定し、公表したいと考えておりますが、公表するまでには従来どおり慎重に取扱いをさせていただく必要があるということでございまして、その旨御理解をお願い申し上げます。
したがいまして、本日も作業部会からデザイン案の御説明をいただく際に、スライドを使用させていただくことになっておりますが、写真撮影等をしないようによろしくお願いいたします。
それでは、今後の進行につきまして、吉池座長にお願いいたします。
吉池座長
おはようございます。
それでは、議事に入りたいと思います。本日の議事の内容でございますが、2つございまして、フードガイド(仮称)のデザイン及び名称を決定するということでございます。それに引き続きまして、検討会報告書案の検討ということで、いよいよ完成に向けての議論・検討をしていきたいと思っております。
前回の本検討会におきましては、先生方からまずデザインについて御意見をいただきました。それを最終的な形に、どのように反映をさせていくかということにつきましては、座長の私の方に御一任いただき、作業部会の先生方には一度お集まりいただくとともに、多くのメールのやりとりをさせていただきました。ここにそれらの検討をした結果について、御報告をさせていただき、皆様方からの御了解をいただきたいと思っております。
それでは、今日お示しする内容については、作業部会の武見委員からの御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
武見委員
よろしくお願いいたします。
お手元に配られましたイラスト、もしくは左にプロジェクターで映るようですが、どちらかをご覧ください。
一応、上に名称が初めて出てきておりますけれども、これについては後ほど説明させていただきます。
まずは、イラストのところをご覧ください。前回までにいただきました皆様の御意見を前向きに検討して、作業部会の尾坂委員にイラストを再度修正していただくことをお願いいたしました。これについては、今まで同様、配布は委員だけということでお願いいたします。
前回からの大きな変更点について、御報告させていただきます。
まず、上からの料理、食品の並びについての変更はございません。
一番大きく変更した点としては、上から3段目の「主菜」のところです。主菜の中の魚と肉のイラストのところが、いわゆる半分という形を示すようなイラストに変わっております。
前回は例えば、ハンバーグ小とか、そういう形の表現をしていたのですが、実際に小といっても人によってイメージなさるものがいろいろだろうということで、むしろ通常のサイズでどうしたらいいかということを示す方が良いだろうということになりまして、それぞれ半分というふうな形の表現にすることによって、むしろ摂り過ぎを防ぐような形を強調したものになっております。
2点目として、前回中村委員からは、コマは回ると安定する。回るということは運動だから、回転しないと安定しないというか、バランスがうまくとれないのだという辺のことをうまく表現できないかという御提案がありましたので、今回ちょうど上の軸のところに運動をイメージするようなイラストを追加していただきました。
3点目として、前回、松谷委員から日本の魚料理として食文化を考えた場合に、お刺身というのはなくていいのかという御意見がございましたので、一番右側の料理例のところになりますけれども、主菜のところで2つ分と書いてあるところがちょうど魚料理が並んでおります。その一番右側に刺身を追加してあります。
1つ分のところには、納豆も追加してありますということで、日本の食文化をできるだけ反映した形で料理例を出すようにいたしました。
前回は、一番左のコマの中に描いた料理のイラストを全部合わせると、かなり上限ぎりぎりになっていたのですが、今回は少しその辺を調整いたしまして、例えば「主食」は、一番上の段をご覧いただきますと、パンが1、御飯が2膳で3つになります。うどんで2つ分ですので5つ。おにぎりが1つ。合計6つ分という形になりますので、前回7つ分で出しておりましたものを6つ分というふうにしました。
1つ空きまして「主菜」のところも絵を見ていただいていた方がよろしいと思うのですが、卵、目玉焼きが1つ分。冷奴が1つ分。魚料理は、大体すべてを2つ分としておりますので、半分で1つ分。肉料理は、1皿が3つ分になりますのでは、これを半分にして1.5 ということになりますので、4.5 というふうな形の変更をしております。
この辺の栄養素類については、後ほどまた御報告があると思います。
もう一つ変更で、色についてなのですけれども、前回服部委員からできるだけ淡い感じで、すてきな感じにという御意見がありました。
一方で、宮川委員からはきれいというだけではなく、見やすい、見てぱっと目に入るということも必要だろうという御意見がありましたので、非常に難しいその辺の調整を尾坂委員にお願いした結果このような形になっておりますが、今、尾坂委員に伺いましたところ、打ち出しはやはり紙の質とかプリンターによっていろいろあるということで、色のトーンとしてはあちらをご覧いただくのもよろしいかと思います。
イラストについては、最後です。前回、津志田委員から水とお茶の摂取量と絵のボリュームというのは、いわゆる量的には整合性がとれているのだろうかというふうな御意見が出されました。これについは、作業部会で検討いたしましたけれども、水分としては料理から摂る水分量もかなり多いわけで、そうしたことを逆にイラストで表現するのはちょっと難しいということで、今回「水・お茶」のところについては、面積で割合を示すということについては、難しいのでこのままの形でという結論に至りました。
以上がイラストについての説明です。
次に、名称についてということで「食事バランスガイド」という名称について御説明いたします。
これについては、何をどれだけ食べたらよいかということを一般の人に伝えるものだということを一番わかってほしいわけですが、国際的にはこうしたものを英語ではフードガイドというふうに言うわけです。その言葉とやはりつながる形の名称が良いだろうということが1点目です。
検討会のこれまでの議論でも、いわゆる食事のバランスをとる、全体のバランスをとるということがキーワードだろうということが出てきましたし、デザインにも回転する、運動することによって、よりバランスが確保されるコマの形を採用したということがありますので、名称にバランスという言葉を入れてはどうかということになりました。
フードというところについてなのですが、食品、単品の組み合わせではなくて、主食、主菜、副菜という料理を基本としたもので示していく。実際には、一つひとつの料理ではなく、食事全体のバランスということになりますので、名称としては、食事バランスガイドいう表現が一番妥当、適当なのではないかということで、作業部会の方で結論に至りましたので、その形で今日の資料を御用意しております。
以上です。
吉池座長
ありがとうございました。
イラストについては、最後のここ数日も尾坂委員は大変精力的にお仕事をしてくださいまして、見るたびに格好よくなって、今日お示しする形になりました。また、個々の食品等については、作業部会の先生方に細かい検討をしていただきまして、現在のような形にさせていただいたわけでございます。
もう一つ、私の方から補足で説明させていただきたいことですが、参考資料として横長の栄養素等の数値が示してある紙をご覧いただきたいと思います。
前回、服部委員から、このようなコマの中の料理を食べるとどのぐらいのエネルギー量になるか等についての御質問がございました。作業部会では、いろいろな組み合わせについて、どのぐらいの幅になるかということを検討しながら進めてきたわけでございますが、
例としてお示しするとどうなるかということでございます。
エネルギー量をご覧いただきますと、2,150kcal ということで、大体2,100 ~2,200kcal の間におさまるだろうと思っております。
また、そのほかの栄養素につきましては、これは針谷先生の方にデータベースの作業の最後の仕上げをお願いしているところですが、今お示ししてあるような栄養素について、参考資料として基本情報を示していくというふうに考えております。これらを4月から新しくなりました日本人の食事摂取基準に照らし合わせて見ますと、性・年齢階級、また身体活動レベル等によって、基準値が異なるわけですが、成人を想定して18~69歳で、エネルギーベースとして2,000kcal 、2,400kcal を想定したときの食事摂取基準を下にお示ししております。このような組み合わせですと、主要な栄養素については、食事摂取基準で示
しているような栄養素の摂取量を担保ができるということでございます。
また、脂肪エネルギー比でいきますと、左の下の方にございますが、エネルギー構成比ですと23%、また主食のエネルギー比が50%という結果になっております。
また、食塩につきましては、フードガイドの絵の中では直接的には示されないわけですが、仮にこのデータベースで計算をすると、うどんの汁を半分残したと想定して、12.7g ということです。食塩については、味付け等によってかなり変わりますので、比較的標準的な味付けで食べるとこのぐらいということになり、実際にはいろいろな工夫により減らすことができると考えているところでございます。
このようなものも参考として、今日お示しさせていただきました。
それでは、作業部会の武見委員、私の方から御説明を申し上げましたが、事務局から何か補足することはございますでしょうか。
古畑栄養指導官
先ほど武見委員の方から「食事バランスガイド」のデザイン、そして名称につきまして御説明いただいたわけでございますが、特にこちらから追加させていただくということはございませんけれども、「食事バランスガイド」という名称の下にキャッチフレーズとして「あなたの食事は大丈夫?」という文言が入っていますけれども、前回の検討会においてキャッチフレーズについては、今後食品の売場等々で普及・活用しやすくなるようにということで、固定的なキャッチフレーズではなくて、その場その場に適したもので、自由に付けてはとご提案されたかと思います。
これにつきまして、特に御意見がありませんでしたので、コンセンサスが得られたものと考えております。したがいまして、今回はデザイン全体のバランスがわかるように、図案では仮のキャッチフレーズを入れさせていただいているところでございます。以上でございます。
吉池座長
それでは、今、御提案をいたしましたデザイン及び名称についてでございますが、先生方から特段の御異論がなければ、このような形にさせていただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
松谷委員
私どもも検討しましたけれども、こちらの例示の方の食品で、食パンにもバターを付けるかもわからないと。スパゲッティーがまた油が入ると。そして、きのこソテーとか、サラダだとか、今度はから揚げとか、こういうお料理がみんな入ってきているわけなのですが、ここで2,100kcal 余りだと言うけれども、調理をすれば脂肪の量が加わったら2,200 以上になってくると。アメリカの場合だったら、脂肪は摂り過ぎないという形で入れてあったわけですけれども、調味料の一環として考えるのだという形の中で、油の問題がぶれているわけですけれども、こういうのはやはり現実の問題として指導する時には、非常に難しさがあるのではないかというのが私どもの中での討議だったのですけれども、その辺はちょっといかが説明したらいいかお教えいただきたいと思います。
吉池座長
大変貴重な御指摘ありがとうございます。その点に関しましては、後の報告書案のところでも御説明をさせていただきいと思っておりました。料理に含まれる油の問題、また食塩の問題については、なかなかこの区分でのイラストとしては表現がしがたいと。また、そこに戻ってしまうと、それこそ食材、調味料ベースの話になってしまって、本来の趣旨からは外れてしまうことになるということで、絵の上では特段には表現しないということで、先生方の御了解も得られて進めてきたかと思います。
しかし、現実には今、松谷委員がおっしゃるとおり、気をつけなければいけないということには変わりがないわけです。そこにつきましては、後ほどまた作業部会から必要があれば補足をお願いしたいのですが、料理を具体的に示す中で、ある一定以上油、あるいは脂肪が含まれているものや、食塩について気をつけたいものについては、何かマーキングをするといったような、追加的な情報を付けることを考えています。
当然、つくるという視点ではなく、食べる側から食品選択する時も、そのような油を多く使った料理を多く摂らないということについては、併せてターゲット編でもかなりはっきりとしたメッセージでうたっております。そこについては適用の中で総合的に考えていくという整理になってございます。
針谷委員
追加の説明ですけれども、松谷先生のおっしゃってくださった参考資料のエネルギー総量が2,116 ということで、これに油が追加されるのではないかというような御懸念だったと思いますが、この資料の中には、普通に調理をして使う油も含まれた料理で示されておりますので、油が入ったエネルギー量ということで御理解いただきたいと思います。
吉池座長
ありがとうございます。
ほかに、特に何かございますでしょうか。
横田委員
私ちょっと前回欠席してしまったのですが、決められる段階のデザインのところで「主菜」の部分があります。お魚が半分という表示は、理屈からいったら確かにわかるのですけれども、この場合、お皿も半分消してしまうと私たちの方としては、見やすいなという感じがあるのです。ただ、理屈から言えば、これで確かにそうですが、よく一瞬で目に入る状態というのは、やはりお皿から半分消してしまうという、そういうことが可能なら、そちらの方が見やすいのではないかとちょっと感じました。
吉池座長
尾坂委員、デザインについていかがですか。
尾坂委員
ありがとうございます。
これも実は両方意見がありまして、両方つくってみまして、やはりお皿半分だと料理に見えなかったものですから、点線にしようと言って何度もこれは検討がありまして、今はこういう形になっております。
あと、ついでに補足させていただきますと、これは皆さんのプリントアウトの紙だと色が違います。実際は、これよりももう少しクリームがかった色というふうに考えいただければいいです。あと、黄色はやはり飛びますので、実際はもう少し濃い目の色をやっておりますが、いろいろなプリントアウトがあったり、いろいろな紙がありますので、ちょっと私の反省で、もう少しメリハリが効いた色にしておかないと、いろいろなところでデータを入れても、いろいろなふうに見えてしまうということでは、もうちょっと単純な色にした方がいいかなと思います。そういうところの調整をもう少しかけたいと思っております。
料理の件は、幾つか並べてみまして、ちょっとおかしいなということで、実はこれに戻った経緯がございます。
以上です。
吉池座長
色使いによってイメージも変わるということで、それについは次回予定されていると思いますが、作図規程、色指定等のところで更に調整をするということでございます。また、デザイン面で、魚の半分、皿をどうするかということについては、作業部会でも十分検討した結果、このようになったということで御理解いただきたいと思います。
服部委員
これは、後から出る話かわからないのですが、今、日本語で出ておりますけれども、インターナショナルにつくる場合、少なくとも英語のものを併せて今回いつの時期かわかりませんが出していただきたいなという希望があります。
それと18~69歳までというのは、これをご覧になった方が、これは赤ちゃんが食べられるわけではないのですけれども、小学生はそういうものをはっきりと明示がどこかにされるのでしょうか。
吉池座長
適用の対象範囲については、後ほどの報告書案のところで説明をさせていただきます。
これにつきましては、食事摂取基準と比較をするという目的で、給食等の基準を考える時に整理をした表を下に持ってきています。参考、比較のために18~69歳という参考値を持ってきています。実際のフードガイドの適用範囲につきましては、後ほど御説明をさせていただきたいと思います。
服部委員
それと0~17歳まで、70歳~それ以上までというのは、今後おつくりになる御予定はないのですね。
吉池座長
私の説明が悪かったのかと思います。ここは、食事摂取基準がさまざま対象によって幅があるので、どこかでまず中央値的なもので検討する必要があるので、置かせていただいたということです。適用の範囲については、後ほど報告書案で説明をさせていただきたいと思います。そういう意味合いで、18~69歳と書いてあるだけです。
服部委員
あと、英語の方はよろしいのですね。
吉池座長
英語の方につきましては、後ほど事務局の方から、また今後の展開についての御追加もいただけたらと思います。
服部委員
すみません。出しゃばって先に話してしまいました。
吉池座長
ほかにございますでしょうか。
遠藤委員
このバランスガイドを見まして、細かなところまで皆さんの配慮が行き届いているガイドだと思って、私は本当に感心したのですけれども、1つ非常に素人の感想なのですけれども、5~7とか2とか書いてあるところの「つ」の下にSVとありますね。これは本当に要るのかなというのがあります。ここまで素人さんにかみ砕いて書いていただいたのに、多分皆様にはおなじみの言葉だと思うのですけれども、ちょっとそこが疑問になりました。
よく病院などでこういったもので指導される時は、むしろ単位という言葉で指導されているやに思うのですけれども、それだったら何もSVではなくて単位の方がいいか、あるいは「つ」だけでいいかというところもちょっと1つあるような気がするのですが、いかがなのでしょうか。
吉池座長
これにつきましては、長い議論がございました。特に、前任の永田委員の方からもいろいろな御意見をいただきながら、最後ここに落ち着けてきたということがございます。今、新たな目でいただいた御指摘はごもっともなことだとは思いますが、「単位」という言葉につきましては、これは糖尿病の患者さんの指導用とか、もう既に固まったものがあるのでかえって混乱を招くと考え、最初にまず外した表現が「単位」というものでございます。苦肉の策で「つ」ということになったのですが、SVについても、これも今、括弧で表記をしています。後ほど報告書案で御説明をさせていただきますが、状況によっては「つ」だけ、またいろいろな専門家の中での議論をするときには、「1.5 つ」とか言うと舌をかみそうなので、SVというようなことでの整理も要るのだろうということで、状況によって使い分けるとしてございます。
そういう意味で、ここだけ見ると(SV)というのが少し邪魔のようにお感じになられるかもしれませんが、いろいろ幅広く普及啓発していく上では、これが現時点では最良の選択だろうということで、このような表現に落ち着いています。よろしいでしょうか。
伊藤(廣)委員
「主食」「副菜」「主菜」の色使いの確認なのですけれども、あえてこれを意味づけするとしたら、主食については、例えば、稲であるとか麦であるとかの稲穂の黄金色になっているというようなイメージの黄色というようなことだと思います。
そして副菜の野菜というのは、当然グリーンというイメージが一般的だと思います。
あと、主菜の肉、魚といったことについても赤身の肉であるとか、魚であるとか、こういったようなイメージから、こういうカラーというふうな意味づけをしておいてもよろしいかということで、ちょっと御質問なのですけれども、いかがでしょうか。
尾坂委員
基本的に今まで3色で黄色、赤、緑ということで分類をずっとされてきた経緯がございますので、これを壊すわけにはいかないのです。
武見委員
3色分類と全くイコールではないのですが、イメージとして今おっしゃっていただいたような、穀物のところが黄色、野菜関係が緑、いわゆるたんぱく質源のものが赤というのは、かなりある意味では定着したイメージもあるということで、そことの整合性も図りつつということです。
ただし、3色分類とは全くイコールということでは、必ずしもございません。
吉池座長
よろしいでしょうか。
特にございませんでしたら、今回提案をいたしましたデザイン及び名称ということで、先生方には御了解いただいて、これで決定をして先に進むということにさせていただきたいと思います。いかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
吉池座長
どうもありがとうございます。
それでは、このデザイン、名称をもって、この検討会の決定とさせていただきいと思います。
それでは、次に報告書案が資料としてかなり分厚いものになっております。残り1時間で、これについて一通り検討させていただきいと思います。
このパートを見ていただきたいのですが、まず1枚おめくりいただくと「目次」ということで、前回も御説明をいたしましたが、3部構成になっていて「フードガイドについて」の説明「フードガイドの活用について」3番が「参考資料」となっています。参考資料についは、まだ細かい数値等の確定の作業を作業部会で進めていただいていますので、一部作業中というものがございますが、これらについて案を示させていただきます。
まず第一部の「フードガイドについて」でございますが、武見委員の方から御説明をお願いいたします。
武見委員
それでは1ページ目をお開きいただけますでしょうか。報告書案の1ページ目になります。
1ページ目に「フードガイド作成の目的」ということで、この検討会でもずっと議論されてきたことをとりまとめてございます。一つひとつ読みませんけれども、頭のところでなぜこういうものが必要か、今までにどういう形の取組みがされてきたかというふうな食生活指針のことですとか経過を説明し、その上でどういう課題があるかと。要は、いかに行動に実際に結び付けていただくというところが大事なのだということ。
ターゲットとして、どんな世代、層が考えられるかということを2つ目の段落に入れてあります。
3つ目の段落のところに、したがってというか、このため、食生活指針を具体的な行動に結び付けるものとして、食事の望ましい組み合わせやおおよその量をわかりやすくイラストで示したものをつくっていくのだと。本当にわかりやすく示すということで、つくってきたというふうな経緯が書いてあります。
だれにも親しみやすいものを目指しているということ、いろいろなところで活用を図れるものにしたいということが書かれており、一番最後には、こうしたフードガイドを使った取組みを進めることによって、バランスのとれた食生活の実現が図られ、国民の健康づくり、生活習慣病予防、食料自給率の向上に寄与したいと。そうした大きな目的を整理してあります。
2ページ目には、今お手元に配られておりますイラストの図が挿入される形になります。 3ページからに、このイラストの説明が並んでおります。
3ページ目は、主にコマの中に入っている料理の説明ということで、イラストだけを見ても、例えばそれがどのぐらいの重量のものなのかとかいうことはわかりませんので、そうしたことについて具体的な情報を載せた形になっております。
4ページ目にまいります。
4ページ目は、イラストの右側「料理例」のところに示したものについて、例えば重量で言うと、1つ分は御飯が軽く一杯100gといった形で情報を載せてあります。料理例に挙げる料理については、前回御説明があったと思いますが、作業部会の方で針谷委員が日常的によく日本人の食事の中で出現頻度の高いもので、わかりやすいものということで整理していただいたものが出てきております。
あと、下の方にはイラストについての解説ということで、なぜこうなのかとか、運動をどう取り込めるのかというような説明も4ページ目には入れてあります。
5ページ目にいきます。
5ページ目については「フードガイドの内容等について」ということで、今日冒頭で私が説明させていただいたようなことも、ここに少し入っておりますが、まずは「フードガイドの名称及びキャッチフレーズについて」ということで、なぜ食事バランスガイドという名称かという御説明。
キャッチフレーズについては、先ほど事務局の方から説明がありましたように、使う方が自由に入れられるものにしてあるというふうなことを説明しました。
「フードガイドの区分」として、いわゆる主食、副菜、主菜を基本に、果物と牛乳という5つの区分が原則ですということで、今まで議論されてきたものが書いてありますし、油脂・調味料については、区分としては整理されないけれども、ほかの形でやっていくということを載せています。
6ページ目にまいります。
6ページ目は「表現の方法」として、料理で表現したことということで、先ほど3色分類の話も出ましたが、従来わかりやすい、生活者にとって食品の単位で見ていくというやり方が幾つか使われてきて、非常に定着した部分もありますので、そうしたところとの整合性のような説明が書いてあります。
2.のところには、表現の期間を1日単位としたことを説明してあります。1食単位、1日単位、いろいろあるけれども、1日単位としてイメージすることは、一般の方にもわかりやすいのではないかというようなこと。
しかしながら、エネルギーの摂取とかこういう商品をどう食べるかということは、1日単位の食事で判断するのではなくて、より長期的・習慣的な摂取を併せて考慮する必要があるといったことについても加えてあります。
先ほどから御質問が出ている対象のところなのですが、基本形としては、成人を対象としております。
エネルギー量としては、おおよそ2,200kcal 。プラスマイナス200 ですから、2,000 ~2,400kcal ぐらいということになります。これによりほとんどの女性、身体活動量の低い男性がここに含まれる形になります。
また、この活用については、これまでも議論がありましたように、生活習慣病予防の視点からは、30~60歳代の肥満者、単身者、子育て世代に焦点を絞った形になっているということを書いてあります。
4.からは、各料理区分の量的な基準や数量の考え方が、ずっと次のページの7ページまで説明してございますので、これについては、この検討会で議論されてきたことを整理してあります。
最後5.のところに、先ほど遠藤委員から御意見の出た単位のことが書かれておりますけれども、1つ(SV)と表記するということで、今回出したのは、言うなればこれは新しい1つの単位だと思います。それは、各料理について、1回当たりの標準的な量を大まかに示す量という、一番普通の方にとってわかりやすい1回量というイメージを出すということで、それが「つ(SV)」になったわけですが、一番下の行に書かれていますように、使用する場面に応じて、どちらか1つで使うことも可能というふうな形のことで説明をしております。
最後8ページのところにいきますけれども、今の数量の整理の仕方は、あくまで日常的な把握しやすい単位で示すことが原則であるという、つまり細かく基準量の炭水化物なら何g とか、そういうことではないということで、特に一番最後のエのところなのですけれども、これらの量的な整理は、主として料理を提供する側が行うものであり、一般の生活者にとっては、細かい栄養素量とか食品重量といった数値を意識しなくても、1つ、2つと指折り数えて使えるようなことを意識してつくってあるということを最後に付け加えてあります。
ということで、非常に大ざっぱになのですけれども、フードガイドについてという前半の説明をさせていただきました。
吉池座長
本報告書案ですが、先生方には、今日このような文案を初めてお示ししますものですので、細かい表現等については、今日のこの時間が終わりました後も、また事務局に御意見をいただくという形をとりたいと思います。
今日は、限られた時間ですので、大きな枠組み等、また重要点について御指摘をいただきたいと思います。先ほど武見委員からお話がございました中での活用の1つのポイントとして、先ほど先生方からも御意見をいただいたこととも関わりますが、7ページの5つの料理等の区分の説明が続いている後で、「菓子・嗜好飲料については、コマを回すためのひもと表現をし、楽しく適度に」というメッセージを付けてあります。
また、「油脂・調味料については、基本的に料理の中に使用されているものであり、別途区分を設けたり、イラストとして表現をしないこととした。しかし、これらは食事全体のエネルギーやナトリウム摂取量に大きく寄与するものであり、実際の食品選択の場面で掲示される際には、総エネルギー量、脂質及び食塩相当量も併せて情報提供されることが望まれる」ということで、先ほど申しましたように、フードガイドの活用の上で、料理等にマークを付けていくということに加え、これまでの外食等の成分表示が、数値だけではなかなか現実的な利用、理解につながっていないということがあります。例えばエネルギー量ですとか、食塩、脂質量を数値として表示できる場合は、それらとうまく組み合わせることによって、必要な方に対しては、きめ細かな情報も併せて提示できるというようなことを表示する側にもお願いをしたいということで、こういう表現をとっているところでございます。
また、8ページ目のところの「ウ」ですが、カレーライス、カツ丼等の主食と主菜といった組み合わせによる複合的な料理については、今回、コマの絵のところでは、このようなものについては、シンプルな例に限るということで、あえて避けているところがございます。
しかし、現実には、このような食べ物、料理をたくさん摂るわけでありまして、これについては、余り細部に陥らない程度に、単純化した形でカレーであれば1食分が2つとか3つで、主菜としては、2つですといったように、両方指折り数えてくださいというような提示の仕方をすることを考えています。
これについては、今日は参考資料としては、まだお示しできておりませんが、具体的な例等を交えて、わかりやすく頭の整理、数かぞえができるような情報提供にしていきたいと思っているところでございます。
また、対象について、基本形としては成人を対象とするというような表現をとっておりますが、具体的な次の活用について、もう少し年齢層を広げたときに、どういう適用、活用が可能がどうかについては、また改めて御説明したいと思います。
それでは、今このパートIについて、御説明いたしましたことについて御意見をいただきたいと思います。いかがでございましょうか。
松谷委員
サービングについては、それぞれのところで入れても入れなくてもいいのだということでしたね。だけれども、これから国の農林水産省も厚生労働省もお出しになる時には、常にサービングは入るわけですね。だから、地域の方々に向かってやっていく時には、サービングというのが必ず入ると思います。
その時に、私たちの対象とするところでは、サービングではなくてやっても、片方の資料がそれが全部入るとするならば、今度はこれからの説明との違いをしなくてはならなくなるので、私はサービングというのは、先ほどありましたように新しい1つの単位の言葉として、ここで確立していきたいという思いが言葉の中にあったような感じがいたします。
したがって、初めから地域の普通の農家の家庭の婦人、あるいは一般の消費者、そういう人たちに対しても、サービングというのをやはり入れていくべきなのかどうかということを、今ちょっと判断しかねているところなのですが、入れても入れなくてもいいというのが1つの考え方なんですね。
武見委員
今の案としては、そうです。
吉池座長
現時点の整理としては、場面によって使い分けていただくと考えています。また、一般的な話になりますが、余り固定的にイラストにしても考えてしまうと、普及が十分できないということもあり、一方余りにいろいろなバリエーションができても困るということで、その辺はどの範囲での使用、またモディファイが可能がどうか、後ほど事務局の方からも説明をしていただきます。できるだけ柔軟に、かつ本質的な意味合いが通じるような形での活用を考えていただきたいと思います。
尾坂委員
小さいことなのですけれども、4ページの下の「イラストについての解説」というのは、2ページのフードガイドイラストの下辺りに本当は付いた方がわかりやすいかなということを思います。何でコマなんだろうと最初に疑問が出ます。
もう一つ、これはコマというふうに、ここでは呼んでいるのですが、実際にコマと呼ぶのかどうかということです。これは、まずイラストなのですけれども、ピクトグラムという絵文字までは単純化されていないのですけれども、この場合は、イラストでいいのかなと。呼び方とか、ここの部分で、この部分から左側をコマと呼ぶのか、使うときにちょっとその辺の区分だけは中で簡単に説明をしておいた方が、使いやすいのではないかと、そういうふうに思いました。
以上です。
吉池座長
貴重な御指摘ありがとうございます。また、ここは事務局の方で整理をしていただきたいと思います。
ほかにございますでしょうか。
報告書のところで本日の時点では、中身は「フードガイド」と名づけて書いておりますが、これは、本日「食事バランスガイド」という正式名がようやくつきましたので、最終報告書案には、「食事バランスガイド」という形で全部置き換えをさせていただきたいと思います。
ほかにどうぞ。何かございますでしょうか。
それでは、また活用のところをさらってからでも御意見はいただけますので、先に進まさせていただきたいと思います。
9ページから「フードガイドの活用について」ということで、1日の食事をどのように組み立てていくかということでございますが、この部分については、作業部会の早渕委員の方から、御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
早渕委員
では「フードガイドの活用について」御説明をさせていただきます。
これは、1日の食事計画をする際に、フードガイドをどのように活用していただいたら良いかという、あくまで例なのですけれども、考え方をお示ししました。
まず、食事の仕方は人さまざまですので、9ページにちょっと枠で囲んで示しておりますが、やはり1日の活動量とライフスタイルを考えて、各料理区分の適量範囲を自分なりに、あるいは対象者の方に合わせて設定すると。
その範囲で、好みの料理を選んで食事を組み立てる。その時の1つの指針となるもの、あるいは指標となるものであるということです。
その結果、やはり栄養素レベル、食品レベルの細かい数値にこだわらず、基本は楽しく食事をしていただくことですので、楽しく食事をしていただいて、上には1か月程度の期間でと書いていますけれども、ある程度の期間の中で、体重の変化、あるいは腹囲の変化を見て、食事量と活動量の自分自身のバランスがどうであったかと。自分の組み合わせ方、あるいは量の多少はどうであったかということを考えてくださいと。
そして、それを毎日の食生活に生かしていってくださいということで、基本的には一般の方に、これを料理の区分で各区分から1個、2個と数えてもらって、基本的には先ほど武見委員から御説明があったように、各料理区分の料理を幾つ食べたかということで、ときどきチェックをしていただく1つの目安にしてほしいということです。
10ページなのですが、一応幾つか例をということでしたので、ここでは献立例を挙げました。
その前に食事の組み立て方ということで、まず「1日分の適量を把握する」ということで「性・年齢・体位と活動量から、1日に何をどれだけ食べたらよいのかを考える」ということで、ここで一応真ん中のところがほとんどの女性、身体能力の低い高齢者を含む男性ということで、御説明のあるところが中心なのですが、あと一応これは目安としてですが、1,600~2,800 kcalぐらいまで、一応ちょっと増える、あるいは減るということで示しています。
基本的には、1日分の食事量は、活動量に応じて、各料理区分における摂取の目安について、あくまで参考にしてくださいということです。
例として示してあります2,200 kcalプラスマイナス200 のところにおきましては、同じようなサービングになっているのですけれども、少ない人、あるいは多い人に関しては、主食の量、あるいは主菜の内容、食材とか調理法とか、量を加減してバランスのよい食事にしてくださいということです。
「食事の目的と好みを考えて料理を選ぶ」ということに関しては、基本的な考え方は、そこの10ページの下にお示ししてありますが、先ほど武見委員から御説明のあったところとかなりかぶっておりますので、ここは省略させていただきます。
11ページなのですが、ここに具体的な献立例を3つ挙げました。
フードガイドの図。これは1日当たりで示してありますので、それを例えば朝、昼、夕に食事として食べた場合は、こんな感じになりますということで、当てはめたにすぎないのですけれども、この場合、あくまで御説明にありましたように、いろいろな料理を少しずつ提示したような形になっていますので、当然ながら、この日はいろいろなものをちょこちょこと食べたような内容になっていますが、いずれにしても、縦に朝、昼、夕、横に主食、副菜、主菜、乳類、果物となっていますが、合計したものが先ほどの説明にありましたように、それぞれ合計が主食は6、副菜は6、主菜は4.5 、乳類は2、果物は2というふうになっております。
献立の2「20歳代OLの場合」ということで、これはどちらかというと朝がパンで、お昼は外食でパスタを摂ったりとかというような食事の場合、先ほども松谷委員の御指摘にもありましたように、洋風になるパターンなのですけれども、どうしてもそういう場合バランスが崩れがちなので、夕食は魚中心の和風献立ですというような例として、組み立てました。
献立3は「事務職男性の場合」ということで、一応2,400 kcalを想定したのですけれども、この場合は、主食が7サービングになります。あと、副菜、主菜などは同じなのですけれども、この場合、実はお肉料理が3サービングなのです。1日5サービングに抑えるためには、肉で3サービング摂りますと、あとが2サービングしかありません。それで朝晩どういうふうに食べるか。あと2食をどのように食べたらいいか。でも、ちゃんと食べられますと。それなりに献立も組み立てられますので、工夫することによって、1日上手に食べてくださいという例としてお示ししました。
なお、この料理に関しては、1つの料理モデルを組み立てまして、栄養価計算をしておりまして、一応範囲に収まるということも確認しました。
吉池座長
ありがとうございます。
補足で10ページをご覧いただきたいのですが、先ほど服部委員からの御質問もございました。
今回、学童期等については、直接的なターゲットとしては、考え方としてどちらかというと、まず成人に対してということの整理かと思いますが、基本的にエネルギーの総量で考えると、1,600 ~2,800kcalぐらいの幅というのが、大体6歳ぐらいの子どもから高齢者までカバーできる範囲になるというような形でございます。
以前のアメリカのフードガイドですと、3歳からカバーしているわけですが、6歳という数字を持ってきた理由としては、新しい食事摂取基準ができまして、それに基づいて食品表示のための基準値というものが厚生労働省の食品の部署で議論がされ、まもなく決定されようとしているわけです。そこでの基準が6歳以上の国民の方々の年齢分布等について考慮をした時に、エネルギーは2,100 kcalになるわけですが、エネルギーや各栄養素についての"物差し"が示されることになります。
そういうことを考えまして、同じ6歳以上を想定し、エネルギーの幅として、このぐらいの幅のものを典型的に示すかということについては、2,200kcalからプラスマイナス200 ということで、整理をしています。
身体活動量が中等度以上の男性については、実際には活動量等を見ながら、もう少し食べてもエネルギーオーバーにはならないわけですが、典型的なもの、共通項として2,200kcal を中心としたもので表しています。
実際の活用においても、それらを中心としながら、あとはプラスマイナス「1~2つ」ぐらいのさじかげんで運用、適用はできると考えております。
今、ここまでのところで何か御質問、御意見ございますでしょうか。また、あとでもお受けできますので、よろしければ次の部分で、特に焦点を絞った活用ということで、13~16ページ、また具体的なページとしては、参考資料について武見委員からの御説明をお願いいたします。
武見委員
それでは、13ページをご覧ください。
13ページには、フードガイドを活用する中心のターゲットということで、30~60歳代男性の肥満者、単身者、子育て世代、そこに焦点を絞った活用について説明を入れてあります。
なぜ、この3つの対象層が重点というか、焦点を絞って取り組まなければいけないかということで前半に述べてありますが、それについての具体的なデータとしては、17ページからに参考資料1という形でいかに肥満が増えているか、肥満によって生活習慣病が増えてきているかといったような、これは前回の検討会でも出された資料と基本的には重なっている部分が多いのですけれども、そのことが18~20ページまで書かれております。
18ページには現状、19ページには対策として、基本的には運動と食生活の改善ということで、取り組んでいかなければいけないということ。全体を書いていく上で、コンプレッションのアプローチが必要だということの説明になっています。
20ページ目には、具体的な改善の目標として「健康日本21」の目標を示したり、BMI、標準体重を知ろうとかです。
あと、一番下の「あなたは大丈夫?上半身肥満」というところで、これはウエスト、お腹周りのことというのが実は生活者にとってわかりやすいという前回永田委員から出たような意見がありましたので、そのことの指導などを追加した形で、なぜ対象層が大事なのかということの説明が、ここの参考資料1になります。
恐れ入りますが、13ページにもう一度お戻りください。
ということを受けた形で、それぞれの3つの対象層に対して、どのようにメッセージを伝えていくかという整理があります。
まず「30~60歳代の男性肥満者」というところで、大きくは「対象の特徴」と「メッセージ」というふうになっていますが、対象の特徴としては、国民栄養調査等の結果で、若い世代ほど油の多いものを控えているものが少ない。実際油ものを摂っているということになります。若い世代ほど野菜の摂取量が少ない。最も摂取量の多い60歳代でも一般人の目標である350gに達していない。外食の利用頻度が多いほど、野菜摂取量が少ないといったようなことがわかってきています。
ただし、30~60歳代男性肥満者だと非常に幅がありますので、生活習慣病予防という視点からは、特にメッセージとしては30~40歳代を中心のメッセージにしてはどうかということで、そこにあるメッセージの1.~3.を考えました。
これについては、参考資料2をご覧いただくのがいいと思います。
恐れ入りますが、22ページをお開きくださいますでしょうか。
22ページのところに、ずばり「肥満が気になる方へ」というメッセージの出し方をしております。ただし、これはあくまで1つの例であり、場合によってはこうしたことがそのままパンフレットなどにもなっていくようなということで、今回の資料を用意してございます。
メッセージの1.は「食事はバランスが基本、夕食は軽めに!」ということで、やはり夕食偏重になっていくということが肥満にもつながりますので、そのことに触れてあります。
そこに下線でフードガイドのバランスの良い例と悪い例を図示というのは、これはイラストが今日までに出せませんでしたので、今日決まりましたところで、具体的に場合によっては、バランスがあって倒れてしまうようなものとか、そういうものを入れていく形になります。
2つ目のメッセージは「油料理を控える!油料理は高エネルギー!」ということで、具体的に料理の選び方で、これだけ違うと。先ほど松谷委員から御指摘いただいたようなことが、すぐわかるような図を入れたりしながら、訴えていきたいということです。
23ページにいきまして3.の「野菜をもっと食べましょう!野菜料理は1日5皿程度」というメッセージを3つ目に入れました。
野菜が不足すると、生活習慣病の危険を高めるというエビデンスは、国際的にもたくさん出ておりますので、そうしたものとか、あるいはフードガイドで野菜グループを強調したものを使い入れていく。
また外食では、野菜が不足しがちだというふうなメッセージを具体的に入れていって、どうしたらいいかの方策までを入れたという形になっております。
24ページには、なぜそれが必要かという、そのままパンフレットになるようなイメージで、データを後ろに付けてあるという形で構成してあります。
このまま参考資料の方で御説明させていただきますが、25ページをお開きいただけますでしょうか。
2つ目のターゲットである「単身者の方々へ」というところになります。
この方たちについては、特徴としては、いわゆる朝食の欠食率が非常に高い。特に20歳代は非常に高いということ。外食や調理済み食品への依存度が非常に高い方が、特に男性で多いということ。そして、先ほども申し上げましたように、外食が多ければ野菜摂取量が少ないとかというようなこともわかっておりますので、1つ目のメッセージとしては、朝食を欠かさず摂るというメッセージを出しました。
そこには、どうしたらいいかということで勿論主食、主菜、副菜はそろえていただきたいのですけれども、それもできない人は、こんな組み合わせをというところまで、かなり譲歩したメッセージもその下には入れてあります。
2つ目のメッセージは野菜のことになります。
これについては、案としては先ほど御説明したものと同じになっていますが、場合によっては、もう少しターゲットを寄せた形の説明になってもいいのかもしれません。
26ページには、3つ目として食事が基本ということで、まず食事からきちんと摂りましょうというと。つまり健康食品とか栄養補助食品とかサプリメントなどに頼るのではなく、まず食事からですというメッセージを出していこうということで、3つのメッセージを入れました。
27ページは、先ほどと同じ構成です。「最近のデータから」ということで、そうした中で取り上げたようなことについての現状はどうなっているのかということを理解していただくためのデータを入れてあります。
28ページ目からが「子育てを担う世代の方々へ」のメッセージということになります。 最近の母親となる世代の低体重、やせが増えているといったような問題もある中で、やはり基本的な食習慣を子どもとともに見直していただく。子育てをしながら一緒に保護者の方もというふうなイメージで、1番目は「『朝食は欠かさず、3食楽しくたべる』を親子で習慣に!」というメッセージを一番最初に持ってまいりました。
それから「食事はバランスが基本!」ということで、3つ目が野菜という次のページになります。
一応、どのターゲットに対して、何を一番先に出したいかということでメッセージの順番なども前回とは少し違う並びにしてありますので、この辺についても御意見をいただければというふうに思います。
以上です。
吉池座長
これまで2度ほど事務局の方から、案として提出させていただいたのが、今回参考資料として後ろに付けているグラフですとか、いろいろなパンフレット的な絵の部分ということになってございます。報告書の構成としましては、本文のところに、なぜこういうようなターゲット集団が出てきたのか、そのポイントが何なのかということを簡単に解説をして、実際の活用、適用については、参考資料を基にしてさまざまな展開を考えていただくという構成にしたいと思っております。
また、今、武見委員からお話がありましたように、メッセージ等の構成についても、前回先生方から御意見をいただいたことを踏まえ、作業部会としての議論を重ね、このような形で落ち着けております。また何か御意見があればいただいて、最終のものにしていきたいと思います。
ここまでのところで何か御意見ございますでしょうか。
それでは、一通り最後までさらって、また御意見いただきたいと思います。
「今後の普及活用に向けて」というまとめの部分でございますが、14、15、16ページが、そこに該当いたします。これについても武見委員の方から御説明をお願いします。
武見委員
14ページから説明させていただきます。
「今後の普及活用に向けて」ということで、まず頭のところに総論的な部分というか、いろいろな形で取組みを展開していく必要があるという総論を入れてあります。
最初のパラグラフのところでは、特にいわゆるマスメディアなどを通じた情報発信とか、インターネット上のホームページ、政府広報、シンポジウム、各種のイベントを活用していくといったこととか、パンフレット、ポスター、食事の自己チェックシート、携帯ストラップ、塗り絵など、子どもや一般の方々に親しみやすい、いわゆるグッズものもつくって、とにかくまずこういうものがあるということを知っていただくということを積極的にやらなければいけないということ。
2つ目のパラグラフのところには、具体的には食品産業の分野でどう活用していってほしい、普及していくかというふうなことについて説明してあります。これについては、また後ほど少し詳しく説明いたします。
最後のところに、前回からも出ているように、やはり食習慣ということを考えると、成人だけではなく子どもたちが大事ということで、今後は学校教育の現場でもというふうなことの一言も入れてございます。
具体的な活用法の例としては(1)~(4)に整理してありますので、順次説明させていただきます。
まず(1)が「都道府県、市町村等における活用法」ということで、これまでこうした都道府県、市町村等の行政の中で、いわゆる個人を対象とした栄養指導などであるとか、健康教室であるとかというふうないろいろなこと。地域のボランティアの方たち等を育成し、そうした方と一緒に取り組んでいくことであるとか、あとは健康づくり協力店といった、いわゆる外食、飲食店と協力した事業、食環境整備などがいろいろ展開されてきているけれども、そういう中でも、今回からフードガイドというものを活用していただいて、広く今まである事業等を組み合わせた形で、さらなる展開を図っていく必要があるということについて述べてあります。
また(1)の3つ目のパラグラフの最後の方には、特に男性であるとか、単身者の方に焦点を絞っているということから、職域との連携、子育て世代ということでは、学校との連携です。地域保健と職域、地域保健と学校、そうしたところの連携が重要であるということ。
最後には食品産業関係のところの部署や、そうした団体関係者との連携が不可欠であるということを入れてあります。
それを受ける形で(2)が「スーパーマーケット、コンビニエンスストア、外食等における活用法」ということになっております。
こうした場というのは、いわゆる一般の方々が食事をなさる場であり、食物を入手される場ということで、特に健康とか栄養に関心のない方たちもそこには来てくださるわけですから、そういうところでいかに積極的にフードガイドを使った情報提供を行っていくか。 15ページのちょうど3行目辺りです。外食産業においては、ポスターの掲示のほか、メニューにおける掲載、これは情報の提供になります。プラスフードガイドに沿ったセットメニューの開発というとことで、もう出される食事そのものをフードガイドに合ったような形の定食なり何なりを開発していただくといった、そういう形の取組みも期待したいということが書かれてあります。
しかしながら、食品産業と一口に言っても、本当に個人経営の小規模なものから大規模な企業までいろいろあるわけで、それぞれの立場でどんな活用の仕方ができるかということを国でマニュアル等を作成して、そうしたことはいろいろな立場の方に取り組んでいただける仕組みをつくりたいということを、その後の段落に書いてあります。
ということで、大体食品産業への普及ということを一通り説明してあります。
(3)のところが「管理栄養士等専門家による活用法」ということで、特に管理栄養士等専門家が実施する栄養指導、栄養教育の場面において、どう活用していただきたいかということです。
前半の方は、これまでこうした専門家が栄養指導、栄養教育で使ってきたいわゆる基準であるとか、教材としては、勿論一番ベースになるものは、食事摂取基準ということになりますが、それを少しわかりやすい形で食品の組み合わせで示すやり方、いわゆる6つの基礎食品とか3食分類とかというものも使ってきました。
そして、食生活指針ができた時には、主食、主菜、副菜という考え方もかなり使われるようになって、実際ビジュアルガイドもありましたので、そうしたものを既に活用してきているという経過を踏まえた時に、15ページ一番下の段落をご覧ください。
今回策定されたフードガイドは、一般の人々がいわゆる栄養教室等での改まった学習をしなくても、手軽に、気楽に、バランスのよい食べ方がでるようになることを目指しているということですので、何しろ一般の方にとってのわかりやすさ、使いやすさを重視しているということなので、そうしたフードガイドの特徴なり目的を十分に理解した上で、栄養指導、栄養教育の場に活用していただきたいということを書いてあります。
学習される方によっては、既にそういう食品レベルでの知識をお持ちであったり、栄養素についてのいろいろな知識をお持ちであったりするわけで、そうした対象の方の知識であるとか、あるいはどのぐらい学習したい意欲があるのかといった学習への準備状態です。そうしたものをきちっと専門家として適切に判断し、アセスメントし、そしてその方、その集団に合ったフードガイドの活用方法をやっていくことが専門家の仕事だろうというふうなことを、そこに書かせていただいております。
こうしたことを進めるには、勿論日本栄養士会等の協力を得て、管理栄養士、栄養士の方の仕事場であるいろいろなところで、とにかく積極的に使っていただきたいということを最後にいれさせていただいております。
(4)は「地域における食生活改善ボランティア活動の取組等による活用法」ということで、前回これを別立てにという御意見を受けた形で追加した項目になります。
地域においては、食生活改善のための草の根的な活動を長年実施してきていらっしゃる食生活改善推進員の方とか、あるいは食文化の継承をねらった食育であるとか、農業体験で食育をやろうとか、本当にいろいろな動きが今、食育を巡っては社会の中にございます。 そうしたいろいろな立場のところでも、ある意味ではフードガイドというものとつなげた形での情報提供なり、学習を提供をしていただくと。そういうことを進めていっていただきたいし、それができるように必要があれば説明会をやり、あるいはそういう方たちの学習の場へ関係者が出かけていって説明をすると。そうしたことをやることによって、いろいろなところで食に関する学習とか活動をやる人たちがフードガイドを使える、あるいはフードガイドをわかって使ってみようというふうな動きをしていきたいということになります。
勿論、その中には消費者団体等の非常に積極的な活動をしていらっしゃるグループも多いですので、そういうところでも是非御自分たちの活動の中に取り込んで、やっていっていただきたいというふうなことの願いを込めた案になっております。
以上です。
吉池座長
特に最後の部分は、これが単発の打ち上げ花火で終わらないように、息の長い、社会に広く広がり、インパクトを持った形として展開されるために重要なことであります。また、4月に先生方には各団体等でどのような形の普及啓発に向けての取組みができるかいろいろと御披露もいただいたところですので、より前向きな意見や肉づけを是非ともいただきたいと思っております。何かございますでしょうか。
伊藤(俊)委員
今、14ページからの「今後の普及活用に向けて」というところの説明を聞いたわけなのですけれども、14ページ目の上の段落の下3行のところに、学校教育の現場も活用できるということで、ここで学校教育というのが若干表現されております。
例えば、ここのところで外食とかスーパーとか、そういう食を提供する側等とのところで、これは非常に納得できるというか、本当にそのとおりなのでしょうけれども、学校給食を含めた学校教育のところが若干弱いような気がするのですが、そこのところはいかがなのでしょうか。
吉池座長
そこは、後ほど事務局の方から今後の展開も含めて、御説明いただきます。教育だけではなくて、給食ということについても今後どのような展開が考えられるかについては、補足をお願いしたいと思います。
服部委員
今、大変これはよくできていると思っていますが、14ページの「今後の普及活動に向けて」という下に(1)~(3)の総論に当たるのかどうかわからないですが、この中に、家庭教育、学校教育、社会教育という3本を入れていただくと、今、伊藤委員が言われたようなことがカバーできるのではないかということです。
もう一つ、その上にせっかく食育基本法が通ったのですから、あとから出てくるのは知っていますが、ですけれども、ここにまず象徴的に入れていただかないと、後から出てくるのはよくわかるのですが、もっと象徴的に扱っていただきたいなというのがお願いです。
吉池座長
食育基本法との関わりも含めて、後ほど事務局の方から御説明をお願いしたいと思います。
ほかに何かございますか。
松谷委員
服部先生は養成施設関係の中にいらっしゃるわけですけれども、ここの中で栄養士会とか関連施設と言っているけれども、その前の段階で栄養士養成施設協会、養成施設でもっての教育が卒業してきても、学校で習った形をそのままやってきて、非常に地域で混乱していることがございます。それはもう皆さん方が大体御判断できると思うのですけれども、だから養成施設でもって、この辺の基本的教育をして出てきて、そして社会活動をする。そして、栄養士会の方もこれで進めるということで、養成施設というところが全然入っていないわけなのですけれども、それは是非入れていただきたいと思います。
吉池座長
貴重な御意見をありがとうございました。
具体的に日本栄養士会という名前も出てきておりますが、その辺中村委員、いかがでございましょうか。
中村委員
恐らく食事バランスガイドをどのように活用するかということは、前回もお話したのですが、まず科学的な論拠を基に使用方法を展開するマニュアルをつくらなければいけないかなと考えております。そして、実際に私どもが使う時には、パンフレット、リーフレットを使いながら栄養指導のいろいろな場面にこれから使っていきたいと思っております。
当然、恐らく栄養士、管理栄養士の養成する教科書には、これは載ってくるだろうと思います。だから、教科書に載ってくれば、教育の中で学生たちは習得していくだろうというふうに考えます。
もう一つ、栄養士会とはちょっと離れたことなのですが、お願いがございます。
14ページ~15ページにかけて、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、外食等に関するところで、少し触れさせていただきたいのですが、食品製造業の方々に、ここの文章だと情報の提供をということなのですが、もう少し踏み込んで、食品加工をする時の加工単位をサービングサイズを意識しながらつくっていただけるようなことができないか。
例えば、おにぎりが1サービングと書いてあっても、恐らくバラバラのおにぎりが出ているので、おにぎりをつくる時には、100gの御飯のおにぎりを基準にしてつくっていくとなると、教育をする側の方も非常に優しくなる。あるいは、何かの食品の1パッケージをするときに、サービングサイズを意識しながら加工していただきたいという、もう少し踏み込んだ提案ができたらいいなと思っているのですが、いかがでしょうか。
吉池座長
今、大変貴重な御指摘をいただきました。
加工、流通する単位が、例えば米国等の例ですと、ポーションサイズという表現もとっておりますが、それがどんどん大きくなることによって、みんなが無意識のうちにたくさん食べ、胃袋が広がっていき、それが肥満につながっていくというような状況もあるようです。そういう意味合いで、これが社会に定着をし、またよりいろいろな意味でのレファレンスとなるようなデータが整っていけば、その次のステップとしては、今、中村委員がおっしゃったようなことにつながり、社会全体としてポーションサイズが大きくならないようなことにつながるのだと思っています。そこは、もう一度整理をさせていただきたいと思います。
ほかに何かございますでしょうか。
それでは、また後ほどにも御意見があればいただくとして、大筋のところでは、これまで御説明したことについては、御異論がなく、最後に向けて整理をしてよろしいということで、進めさせていただきたいと思います。
それでは、参考資料3~5について姫田情報官の方から御説明をいただくとともに、先ほど質問が出ている学校教育、給食との関わり、食育基本法との関わりについても少し補足をいただけたらと思います。
姫田消費・安全局消費者情報官
まずそちらの方からお話しますと、食育基本法につきましては、先日成立いたしまして、これから基本計画をつくっていくという段階に入っております。基本計画をつくる中で、当然私どもの考えとしては、フードガイドをしっかりと位置づけていくと。勿論、食生活指針なども、基本法の中に食生活に関する指針をつくると書いてございますので、そういうことも含めてしっかりと基本計画の中に位置づけていこうと考えております。
当然、基本法は、主要な官庁として内閣府と文部科学省、厚生労働省、農林水産省の4府省が中心になって、そして全省庁挙げて政府として進めていくものでありますから、そういう意味で、これからの学校教育の場でも、基本は食育をしっかりと進めていくということになると思います。
本日もオブザーバーで文科省にも参加していただいておりますので、これからどう展開していくかということについては、しっかりと3省を中心に話を進めてまいりたいと考えているところでございます。
特に、食育については、報告書にも記述がということでございましたが、やはりフードガイドそのものが食育の大きな一環として進めていくものでございますので、そこは御意見のように、またきちっと位置づけていきたいと考えているところでございます。
参考資料につきましては、お手元の目次の3、4、5については作業中ということで書いてございます。いわゆる「区分別料理一覧表」「主な料理・食品のサービングサイズ一覧表」「総エネルギーとサービングサイズの関係」というようなものは、今、針谷委員が作業をされているところでございます。 主に外食店なんかでサービングサイズを表示する際の参考になるようにということで、国民栄養調査でよく食べられている料理の100 をピックアップしていただいておりまして、作業をしていただくということになっております。
あと、また参考資料6の「フードガイドのイラストの作図規程」につきましては、尾坂委員が、参考資料7の「フードガイドの使用基準」については、事務局でそれぞれの作成中という状況でございます。
次回の7月5日の最後の検討会には、作図規程と利用規程を正式に提示するということで考えております。現在、作成中の利用規定については、是非フードガイドを広く普及し、活用していただくということで、できるだけ自由に利用していただくということが基本だと思っています。使いやすいような利用規程にしたいと思っています。ですから、間違った使用を防ぐための基本的なルールだけで、できるだけ自由にということにしたいと思います。
また、今回お示しした基本形のほかに、例えばイラストが小さなものについては、コマの部分のみを使うとかというようなフードガイドのイラストの一部を使用したり、縮小版を使用したりというようなこと、一部の部分だけを強調して色を付けて、ほかはモノクロにして使うとか、あるいは場合によっては印刷の関係でモノクロにしかできないというような場合とか、そういうものについても活用できるように尾坂委員が応用編のイラストを作成していただいているところでございます。
こういうようなものもインターネットでダウンロードして、使えるようにということも考えておりますので、ホームページでそういうものを提示して、自由に使えるようにということでございます。
先ほど古畑指導官からお話がありましたキャッチフレーズにつきましては、当初御議論あったように、できるだけ自由に付けられるようにということで考えております。
ただ、イラストの部分を余り自由に付け替えると、結果論として間違ったものになるということもございますので、何らかの形で御相談を受けることも必要ではないかなということを考えておりまずか、これはまた次回の検討会までに少し考えて、まとめてお示ししたいと思っております。
吉池座長
ありがとうございます。
いろいろな形での表現ができるように柔軟にということではございます。一方、例えば、自社製品だけをずらっと並べたようなコマがあってもどうかなということがあるようですし、また、主食と主菜を入れ替えた偽物コマが出回っても困るわけですので、そこについてはある一定の基準で使っていただくというようなことでございます。
その辺の具体的な利用規程等については、次回お示しいただけるということでございます。
高橋審議官
最後に服部委員の方から、一番最後のところで食育という言葉がわずかしか出ていないというお話をいただきましたけれども、今お話を聞いて、もう一回ざっと全体を考えてみますと、たしかフードガイドは今日お決めいただきました図面と名称ということに、この会議の精力の95%は使ってきたと思いますけれども、確かにお話のとおり、食育基本法が成立してみて、例えば、今まではできていた作業というのは、食生活指針の更に具体的な道具と言いますか、1つの普及の手引きとして「食事バランスガイド」とか何かやってきたわけですけれども、食育基本法が改めて成立してみると、もうちょっと広いところからライトが当たっているのだと思いますけれども、その中でもう一回フードガイドがどういうふうに使われるのか、ちょっとその辺はもう一回私どもとしても、新しい目で見直してみたいと思います。
吉池座長
それでは、今、御説明いただきましたことに御質問、御意見等ございますでしょうか。
それでは、本日いただきました御意見をふまえ、さらに追加の御意見、御指摘があれば、事務局の方に今週中ぐらいにお寄せいただきたいと思いますが、それらを踏まえ、また作業部会の先生方には最後お骨折りいただくことになるかと思いますが、作業部会及び事務局の方で、最終の報告書案の作成をお願いしたいと思います。
そのほか、本日議論していただくこと、また御発言を特にされたいことがあれば、今お受けしたいと思いますが、いかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
それでは、連絡事項、今後のスケジュール等について、事務局の方からお願いをしたいと思います。
古畑栄養指導官
それでは今後のスケジュールということでございますが、最初に服部委員の方から英語で何か表記しないのですかという御提案がございましたが、この辺は、食事バランスガイドという名称について、また、主食、副菜、主菜等を含め、作業部会の先生方に、より広く普及していただくというような観点からお知恵をいただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。先ほど、今回の「食事バランスガイド」という名称、デザインが決定したということでございますので、この検討会の終了後、農林水産省の3階の記者会見室にて12時から吉池座長よりレクチャーをしていただくというようなことでございます。記者の皆様方におかれましては、そちらに御参集をお願いできればと思っております。
また、本日決定しました「食事バランスガイド」につきましては、改めまして受付の机の上の方に用意させていただいておりますので、本日傍聴の皆様方におかれましては、お持ち帰りいただければと思っております。念のため、混雑を避けるために事務局から配布させていただくということで、御希望の方は、そのまま席でお待ちいただければと思っております。部数の限りがございますので、お一人様1枚限りとさせていただきますので、御了承いただきたいと思います。
なお、先ほども御案内しましたが、第7回につきましては、7月5日に開催する予定でございまして、次回は最終回として報告書案を決定させていただければと思っております。
具体的な活用ということでございますが、作図規程、利用規程という表現でございますが、皆様にいろいろ広く活用していただくという意味では、ガイドライン的なものとして、7月5日までにお示しする予定でございますので、それまでお待ちいただければと思います。
報告書案につきましては、本日いただきました御意見、また追加の意見については、今週までということで、座長とも相談しながら作成したいと考えております。次回最終回として、報告書の内容を決定していただければと考えておりますので、各委員におかれましては、御出席のほどよろしくお願いいたします。
以上でございます。
吉池座長
ほかに何かございますでしょうか。
それでは、これで本日の会議は終わりにさせていただきたいと思います。皆様方から大変活発な、また前向きな御意見をいただきまして、次回でようやく完成するということで、大変うれしく思っております。
それでは、これをもちまして第6回「フードガイド(仮称)検討会」を閉会したいと思います。本日は、どうもありがとうございました。