食料・農業・農村政策審議会食糧部会 議事録(令和7年10月31日開催)
PDF版はこちら(PDF : 321KB)
開会
午後3時00分 開会
- 国枝企画課長
ただいまから食料・農業・農村政策審議会食糧部会を開会いたします。
委員の皆様方におかれましては、お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
初めに、食料・農業・農村政策審議会委員につきましては、10月27日に改選が行われ、中嶋康博委員が会長として選任されるとともに、中嶋会長のほか、井岡智子委員、徳本修一委員、宮島香澄委員、八木洋憲委員、山嵜哲志委員の6名が食糧部会委員に指名されています。
また、臨時委員としてこれまでお務めいただいておりました金戸良彦委員、平田勝越委員、藤尾益雄委員が退任され、新たに小倉久仁彦委員、樫山直樹委員、山﨑元裕委員が就任されておりますので、この場でご紹介させていただきます。
それでは、開会に際しまして、根本農林水産副大臣からごあいさつをお願いいたします。 - 根本農林水産副大臣
ただいまご紹介賜りました農林水産副大臣の根本幸典でございます。食料・農業・農村政策審議会食糧部会の開催に当たり、ごあいさつを申し上げます。
委員の皆様におかれましては、本日、お忙しい中ご出席を頂き、心から感謝を申し上げます。
10月21日に高市内閣が発足しました。地域を活性化させ、食料安全保障を確保する観点から、農林水産業の振興が重要との考えの下、引き続き必要な取組を推進してまいります。
さて、今月公表した統計では、令和7年度産主食用米の収穫量は大幅な増加となりました。猛暑や渇水の中で尽力された全国各地の米生産者の皆さんに心から感謝を申し上げます。この結果、米の需給に関しては需要を上回る十分な供給が確保され、不足感を払拭したと言える状況に入ったと考えております。生産者、消費者、そして流通関係者の皆さんに対して、こういった情報提供をしっかり行い、冷静な対応を促すとともに、需要に応じた生産に向けた取組を進め、米の安定供給の実現に努めていく考えです。
本日ご審議いただく米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針における米穀の需給見通しは、そのための重要な指針となるものでございます。一つとして、9月にご議論いただいた令和7年度産米に係る需給見通しについて、予想収穫量のデータを反映し精緻化するとともに、二つとして、新たにお示しする令和8年から9年にかけての需給見通しは、各産地において令和8年産米の作付の検討につながる重要なものであり、慎重なご議論を頂きたいと思います。
そのほか、今般、一連の米をめぐる状況により明らかになった米の流通実態の把握、米の備蓄政策の課題について、食糧部会の皆様方からご意見を頂き、今後の検討に生かしてまいります。
本日の部会においては、各委員の皆様それぞれのお立場から忌憚のないご意見、活発なご議論をお願いし、私のあいさつといたします。
本日はよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。 - 国枝企画課長
ありがとうございました。
根本副大臣は、公務のため、ここで退席をされます。
カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、ここで、食料・農業・農村政策審議会の本審委員の改選に伴いまして、食糧部会の部会長の選任をお願いしたいと思います。
部会長の選任につきましては、食料・農業・農村政策審議会令第6条第3項の規定に基づきまして、本審に属する委員の互選によることとなっております。
本審に属する委員につきましては、先ほどご紹介しましたとおり、井岡委員、徳本委員、中嶋委員、宮島委員、八木委員、山嵜委員の6名の方が指名されてございます。この6名の委員の中から食糧部会の部会長を互選していただく必要がございます。
井岡委員、いかがでございましょうか。 - 井岡委員
井岡でございます。
平成22年から令和元年まで食糧部会長をお務めいただき、また直近も企画部会長として基本計画に関するご議論を取りまとめておられた中嶋委員に是非お願いいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 - 国枝企画課長
ありがとうございます。
ただいま井岡委員から中嶋委員を部会長に推薦する旨のご発言がございました。徳本委員、宮島委員、山嵜哲志委員、いかがでございましょうか。 - 徳本委員
私も中嶋委員で良いと思います。 - 国枝企画課長
ありがとうございます。
本日ご欠席の八木委員からも、中嶋委員に部会長をお願いしてはどうかと言伝を預かっております。
皆様から推薦がございましたが、中嶋委員いかがでございましょうか。 - 中嶋委員
皆様からのご推薦ということでございますので、お引受けしたいと思います。よろしくお願いいたします。 - 国枝企画課長
ありがとうございました。
それでは、食糧部会の部会長には中嶋委員が選任されましたので、お手数ですが、こちらの部会長席にご移動をお願いいたします。
それでは、ここで中嶋部会長から一言ごあいさつを頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。 - 中嶋部会長
中嶋でございます。改めまして、よろしくお願いいたします。
いま井岡委員からもご紹介いただきましたとおり、以前に食糧部会長を務めておりました。その時から比べると、米をめぐる情勢は非常に大きく変わっております。それから、基本法の改正もあり、新しい基本計画も始まっております。その中で、この5年間、集中して日本の農業を立て直す、そういう方策を推進するということでございますが、やはり米はその中で最も柱になるものだと思っております。こちらで検討いたします基本指針は、米の経済、そして政策を安定して運営する大事な計画だと思っておりますので、皆様とともにしっかりと審議したいと思います。どうぞお力を頂ければと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。 - 国枝企画課長
ありがとうございました。
それでは、この後の議事進行につきましては中嶋部会長にお願いをいたします。 - 中嶋部会長
それでは、議事に入る前に、私から部会長代理の指名を行いたいと思います。
部会長代理は、食料・農業・農村政策審議会令第6条第5項の規定に基づき、部会に属する委員及び臨時委員のうちから部会長があらかじめ指名することとなっております。
部会長代理に関しましては、これまで部会長代理としてお務めいただいており、食糧政策にも知見が豊富である宮島委員を指名したいと思いますが、いかがでございましょうか。よろしいでしょうか。(異議なし) - 中嶋部会長
ありがとうございます。では、そのようにしたいと存じますので、宮島委員、よろしくお願いいたします。 - 宮島委員
よろしくお願いいたします。 - 中嶋部会長
それでは、本日の議事の進め方について確認いたします。
本日は、米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更につきまして、農林水産大臣から食料・農業・農村政策審議会に諮問がございます。事務局から説明の後、委員の皆様からのご意見、ご質問を頂戴した上で、基本指針変更の案が適当であるかどうか議決したいと思います。
また、そのほかの議題として、米の流通実態の把握、米の備蓄政策について事務局のご説明の後、ご意見のある方からご発言を頂きたいと思います。
議題が多いため、円滑な議事進行にご協力を頂ければ幸いです。
それでは、まず議事の(1)諮問事項である基本指針の変更について、事務局から資料のご説明をお願いいたします。 - 国枝企画課長
改めまして、農産局農産政策部企画課長の国枝でございます。
諮問につきましては、お手元に配付させていただいております資料1のとおりでございます。読み上げ等は省略させていただきます。
続きまして、資料2の米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更案について、参考資料の2を使いまして要点をご説明いたします。
基本指針につきましては、前回の食糧部会、9月19日にご審議を頂きまして、この中で7年、8年の需給見通しを議論いただいたところでございます。
1ページは、この時の基本的な考え方として、それまでの需要見通しでは、1人当たりの消費量について人口減少等の需要のマイナス・トレンドを継続の前提としていた点、それから生産見通しについて、次年度の期末在庫量の水準を踏まえて設定をし、玄米ベースのみで算定をしていたことについて、見直しを行いました。需要の見通しにつきましては、人口減少とか、直近の1人当たりの精米ベースの消費量の実績でありますとか、インバウンドの需要、それから精米の歩留りを考慮して幅で設定をし、それから玄米ベースのみでなく精米ベースでの把握をしたということがございます。
また、生産見通しにつきましては、9月に行ったという事情も反映しまして、8月15日現在の反当たり収量見込みを考慮して、こちらも幅で設定をしました。
これにつきまして、今回は10月末の段階で出てきております統計上のデータとかを反映させていただくということが主でございます。
2ページに計算の内容を書いてございますけれども、資料は3ページをお開きください。
ここから先は、説明の便宜上、基本的に玄米トンの数字を説明させていただきます。
左側が9月にご審議いただいた上で決定した需給見通しでございます。
今回、右側に吹き出しのありますとおり、5か所につきましてデータを更新しております。
一番上の今年の6月末の民間在庫量、それから備蓄米の供給量につきましては数字が確定しておりますので、更新をしております。
4番目の需要量は、需要実績の反映、そ人口の最新のデータを踏まえて更新をしているというところがございます。
とう精数量の反映に伴う補正については、後ほど説明します。
2番、生産量のところでございます。9月には各都道府県の生産の見通しを用いまして、上位値と下位値の幅で設けた728万トンから745万トンという数字で説明しておりましたけれども、9月25日現在の予想収穫量が10月10日に公表されております。この数字をはめて再計算しているものでございます。
予想収穫量につきましては、今回から統計上で示しております生産者ふるい目の幅以上でいきますと715万トンになります。これは今までどおりの1.7ミリ以上の幅でいきますと、その一つ上の欄、748万玄米トンにります。
生産者ふるい目幅以上のお米について、主食用にどれくらい回っているかをこれから基本に考えていくわけですけれども、この生産者ふるい目と、今までの1.7ミリの間の部分については、大体32万トンくらい存在することになります。
今回の需給見通しへの反映に当たりましては、この32万トンのどれくらいが主食用に回っているか、今回から始めた分類ということもありまして正確なデータはないんですけれども、また昨今の価格の推移からしまして、この32万トンに相当するものは恐らく主食用に回っているんではないかというふうに考えられ、今回は全体を足した748を主食用米等の生産量としてカウントする処理をしてございます。
これに伴いまして、一番下、来年の6月末の民間在庫量は、215万トンから229万トンという水準になろうかと考えてございます。
これが7年、8年の需給見通しのデータの更新でございます。
4ページ以降は、それぞれの計算に使いましたバックデータ等を示しています。
5ページは、生産量につきまして、ふるい下の流通の概念図をお示ししております。生産者の方からしてみれば、黄色い四角のところ、ここでふるい上になったものを主食用米として流通・販売されていますけれども、1.8、2.0等、各県によって違いますが、ここのふるい上から1.7ミリまでの間のお米が更にふるいにかけられて、主食用に戻ってくるもの、加工用にいくものがあるわけです。これが今後どれくらいに流通していくのかについては調べていきたい、これから見通しを作成するに当たって精緻化していく必要があろうかと考えております。
それから、先ほどちょっと言及いたしました需要の方でございます。
1人当たりの需要見通しにつきましては、6ページで9月にお示ししたとおり、長い間のトレンドではなく直近5年間の平均値、最大値という二つの数字を使って幅でお示しをしたところです。
7ページですけれども、真ん中辺りにAというふうに書いてございますけれども、最新のデータで、需要実績の確定、左下の方のC、人口の統計を反映させています。このほかにBでは補正処理をしています。5年間の最大値は、次の8ページは玄米から精米へのとう精数量の実績を真ん中の表に示していますけれども、7年・8年産につきまして、7月・8月段階のとう精実績を見ますと、過去の平均値と比べまして若干少なくなっていたことを鑑みまして、前のページで計算をいたしました1人当たりの消費の最大値が、恐らくそこまではいかないんだろうということで、最大値を補正しているということでございます。
このような処理を行いましたのが、7年、8年の見通しでございます。
9ページは今後の需給見通しの策定のカレンダーですけれども、8年、9年の需給見通しについて、赤で囲ったところをこれからご説明します。
10ページに具体的な変更の計算の過程を書いていますけれども、11ページが8年、9年の主食用米等の需給見通しとなっています。
計算の過程といたしまして、右の方に1、2、3と、このような順番で数字をはめています。
まず最初に1番目、需要量の計算しております。これは、1人当たりの需要量、インバウンド等、7年産について9月に計算をしたのと同じ計算式を当てはめまして、データについては8年の人口や、インバウンドの8年の見通し、この辺りの数字を入れて計算したものが、694から711という数字でございます。計算過程については次のページに書いていますが、省略いたします。
その次ですけれども、8年、9年の需要量が694から711であるという結果を踏まえまして、今度は(イ)の生産量でございます。この需要量に応じた8年産米の主食用米の生産量としまして、711万トンという数字を設定しております。これは需要見通しが694万トンから711万トンとあるのに対しまして、余裕を持って設定をするということで、この幅の中の一番上位の値である711という数字をそのまま置いたということでございます。生産の目安として。
これに伴いまして、その次の年、9年の6月末の民間在庫量が215万トンから245万トンという水準になろうかと見通されるわけでございます。
この数字につきまして、いろいろ先行して報道が出ておったということもありますので、具体的には「減産である」というか、政府が方針を転換したような報道が幾つか見られておりましたので、ここについてちょっと解説をさせていただきたいというふうに思います。
先ほど見ていただきました、7年の生産量につきましては、748万トンという数字が入っておりました。これと比べて、8年産の主食用の生産量につきましては711万トンとなっておりますので、この数字を二つ比べると、確かに8年産は小さい数字が入っておるので、これを捉えて「減産」というふうに表現されたメディアの方が多かったということでございます。
ただ、我々といたしましては、この数字を入れたことで、減産ということを打ち出したわけではございません。どういうことかと申し上げますと、3ページを見ていただけますか。この748万トンという数字は、7年産を取り巻く環境に応じて、この年については備蓄米の買入れ、平年ですと大体21万トンでございますけれども、この買入れを行っておりません。ですので、備蓄米の作付けに相当する分が、恐らく大体主食用に回っておるであろうということが一つございます。
それから、7年産につきましては、10月10日の統計にございましたとおり、反当たり5キロで、平年よりも豊作であったということがございます。この豊作による上振れ分と、それから備蓄米が主食用としてカウントをされたということを鑑みますと、8年産の711万トンという数字、これに同じように21万トン分、それから豊作分を併せて考えますと、大体近い水準になるというふうに考えてございます。
数字がこのようになっておりますので、今回の8年産の見通しについて、少なくともこれで減産を考えているということはありませんということは明確に申し上げたいと考えております。
11ページに戻っていただきます。
8年産の需給見通しにつきまして、※印として二つ書いてございます。
1点目につきましては、備蓄米の買入れでございます。7年産については状況に鑑みて買入れを行っておりませんでしたが、8年産につきましては政府買入れは21万トンを予定しているということです。
この需給フレームは主食用米の需給見通しになっておりますので、以前より、備蓄米に係る数量については、このフレームの中には入っておりませんでした。この主食用米の711万トンの外に、備蓄米相当分があるということです。
それから、※印の2番目です。これは7年産の方にも注記してある、同じ内容ですけれども、政府備蓄米は今回合わせて約59万トン放出をしています。これに相当する分の買戻し、又は買入れを需給の環境が改善した場合に実施をすることを、これまでも基本指針の中で書いてございましたけれども、この点につきまして、今後の需給状況等を見定めた上で行うということをこちらにも書いてございます。
なお、これは9月の需給見通しにも注記をしましたけれども、この需給見通しは国産の主食用米の需給見通しということになっています。主食用米としては、SBSですとか枠外輸入が入ってきておりますので、このフレームに示されているもの以外に外国産の主食用米が一定程度流通をしておるということは、引き続き基本指針の方にも記載してございます。
基本指針の数字についての説明は以上でございますけれども、資料として幾つかお付けしております。解説をしておきますと、16ページをお願いいたします。
16ページ、インバウンドの需要の方を書いてございます。計算に使いましたのは、真ん中に赤で囲ってあります07月08日年、それから08月09日年の推計でございまして、これは6年の結果から、2030年、令和12月13日年に6,000万人という政府目標に向かって直線的に訪日外国人数が増加することを前提に作成した数字であるということです。
次の17ページでございます。前回の食糧部会の中で消費量について、年齢層と、それから消費量に関係が、よく分析をしましょうというご意見を頂きましたので、これも踏まえまして数字を付けさせていただいております。
2025年の需要量の試算で見ますと、例えば20歳から29歳は1人当たり54キログラムになっておりますけれども、70歳になりますと44.6キログラムという水準になっています。年代によって、大体10キロぐらい差があるということが分かります。また、人口は各年齢層によって違いますので、この推移によって需要がどのように増減するのかということも研究する余地があるところかと考えております。
22ページに、先ほど述べました民間輸入の状況についても資料を付けさせていただいております。枠外輸入ですけれども、昨日、財務省の統計が公表されておりまして、9月の数量が6,534トンとなっています。枠外輸入につきましては、昨年から国内の価格を反映しまして、日に日に伸びておりまして、7月には2万6,000トン辺りまで伸びておりました。7月に比べると9月の数字は約4分の1になっておりますが、引き続き高い水準であるということには変わりはないと見ております。
補足も含めまして、説明は以上です。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局からの説明を踏まえまして、委員の皆様にご意見を伺いたいと思います。ご質問、ご意見がある方は挙手をお願いいたします。ウェブ参加の委員の方々からも、Teamsの挙手機能により挙手をお願いいたします。
恐れ入りますが、ご発言は1人3分以内でお願いできればと思っております。
それでは、いかがでございましょうか。どなたからでも結構でございます。
それでは藤間委員、お願いいたします。 - 藤間委員
JA全中の藤間でございます。よろしくお願いいたします。
まずは基本方針の変更案についてですが、米の消費量や精米歩留りなどの数値の精査、更新が進められた上で、令和8年産米の生産量が需要量の最大値と同じ711万トンが、いわゆる需要に応じた生産として示されたことについて、現段階では妥当だと考えてございます。
ただし、生産量711万トンと、7年産より減らす見通しであっても、令和8年6月末、そして令和9年6月末の民間在庫量は、適正と言われている180から200万トンを超えることから、備蓄米の買入れ・買戻しや周年供給事業等の流通対策に万全を期す必要があると考えてございます。
特に8年産米で備蓄米の通常買入れについては、生産現場が円滑に取り組めるよう早期に入札方針を提示していただきたいです。また、備蓄米の買戻し等については基本方針の中で、「今後の需給状況等を見定めて行う」と明記されておりますが、食料安全保障の観点から適正備蓄水準の回復を進めていただきたくお願いいたします。
次に、需要に応じた生産です。現在も、また先ほども鈴木大臣、また根本副大臣の方から「需要に応じた生産」と、しっかり発言を頂いておりますが、生産現場では今でも「需要に応じた」が抜け落ちて、「増産」や「減産」という言葉だけが独り歩きをして混乱をしているということもよく聞きます。今後、8年産米の作付推進に混乱なく取り組めるよう、需要に応じた生産、また8年産で21万トンの備蓄米の買入れを予定していることなども踏まえて、生産現場へ丁寧に説明いただきたくお願い申し上げまして、私からの発言とさせていただきます。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。
4人若しくは5人の委員の皆様からご発言を頂いた後、事務局の方からお答えいただこうと思っております。
それでは、ほかの方いかがでございましょうか。
それでは山田委員、お願いいたします。 - 山田委員
丁寧なご説明、誠にありがとうございました。
今のご説明の中で、今回の基本指針については私の方は異存はないと思っております。前回の食糧部会で示された見通しからも大きく外れているということでもありませんし、07月08日年産の需給見通しについては、ふるいの目幅などの調整も踏まえて、その数量は確保されているということの、従来の方向性と大きく変わっていないと認識をしています。
ただ、現在お米がまだ高いというのが今の喫緊の課題じゃないかと思っております。その時に一番重要なことは、今日もこの議論をされていますけれども、本当に需給見通しがどうなっているのかという、この情報がとても大切なんだと思っています。
釈迦に説法ではありますけれども、価格は需給バランスによるものですから、要するに需給の情報をいかに適切に伝えるかということが大変重要なんだろうと思っています。
先ほど副大臣の方からも、もう不足していないという状況になっているんだというお話は頂戴していますけれども、では本当に生活者がみんなそういうふうに認識しているのかどうかというのは改めて検証すべきだと思いますし、そういうことを踏まえた中で、先ほどもご説明にありましたように、08月09日年産の711万トンという数量がちょっと独り歩きをして、ちょっと減らしているんじゃないかとか、そういう議論が出たというのはミスリードにつながることになるかと思うので、今日ご説明いただいたことは、我々はこうやってご説明いただくから、ああ、そうだなって納得するのですけれども、正直言って一般の人たちがどこまで理解できるかというと大変難しいのだろうと思うんです。
前にも申し上げたのですけれども、この手の類いをいかに丁寧に生活者なり市場関係者にちゃんと伝えて、そのことを踏まえて、いわゆる需給バランスというものは価格とか、そういうものに影響してくるという、ここをもっともっと考える必要はあるのではないのかなと。そうではないと、市場関係者含めて、生活者も含めてですけれども、この数字に対する信頼感だとか、そういうものが損なわれてくるということになると、もっともっと価格については、いわゆる適正な、要するに購買行動にはつながらないのではないかなというふうには思いますので、是非この辺のインフォメーションの仕方は改めてご検討いただければなと思います。
以上です。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。
それでは澁谷委員、その後に山嵜委員、お願いいたします。 - 澁谷委員
米屋の澁谷と申します。
基本指針につきましては、確定値に基づいて今後の見通しを出していただいているというふうに考えておりますので、妥当ではないかと考えております。ありがとうございました。
在庫量について、本当に多くの方が注目していて、米価にも大きく影響を及ぼすと思っておりますので、これからも動きを見ていただきながら、柔軟に、できるだけ確定値に近付けていただけるように精査していただき、発信をお願いいたしたいと思います。
その上で3点ほど、米穀店の店主としてお話をさせてください。
1点目は、現在の米穀店の最新の状況についてです。
令和7年産がスタートしたんですが、やっぱり新米の売行きというのは非常に厳しい、売れていないという声が多く寄せられています。日本米穀商連合会が10月10日に行った調査によると、令和5年産と比べて、約7割の米穀店で「販売数量が減っている」というふうに回答がありました。お客様から「米価の高騰によって購入量を減らしたい」という声ですとか、「以前よりもお米を控えている」という声も入ってきておりまして、価格面が一つの要因になっていると考えております。
一方で、私たち小さな米穀店も、昨年に比べてこれだけ大きく値上がりした玄米の仕入れに対して本当に苦慮しております。販売数量の減少だけでなく、資金的な面が回らないといったことで非常に厳しい状況が続いています。
実際に先ほどのアンケートでも、直近の経営課題として一番大きかったのが運転資金の確保でした。安定して消費者にお米を届けていくという意味で、令和のお米騒動の時もそうだったんですが、私たち米穀店も一定とはいえ、その役割を担っているというふうに自負しておりますので、どうか私たち米穀店も続けていただけるように、現状の課題も理解していただいて、何らか一緒に考えていただけたらありがたいと思います。
次に、在庫量についてです。
本日発表いただいたとおり、今年度のお米というのは本当に十分に在庫がある状況と認識しています。令和8年6月の在庫量をこれまでと比べて、過剰と言える水準になっているのではないかと感じています。これだけの在庫量ですと、令和8年産の米価にも大きく影響を及ぼすと思いますし、備蓄米の買戻しも含めて、講じられる対策を強く発信していただいて、来年、令和8年産、農家さんが安心してお米作りを続けていただけるように、更に消費者の皆さんに安心してお米をお届けできるようにメッセージを出し続けていただければと思います。
ここは本当に個人的な思いなんですけれども、これだけ十分にお米がある中で、先ほど山田委員も仰っていただきましたが、価格が安定しないという状況はなぜなのかというふうに感じておりまして、一部、例えば投機的な面があったのではないか、ほかに何が要因があるのか、本当に理由が思い当たらない状況にあります。もし、現状の価格について何か分かることなどがありましたらメッセージを頂ければと思います。
最後に、簡単に外国産米についてお話しさせてください。
今回の資料にもありましたが、枠外輸入というのは本当に止まることなく増え続けているように感じています。我々、小さなお米屋さんにも業務用のお客様から、本当に国産がこの価格だと厳しいので、外国産米の提案はできないかというお問合せも実際に頂いております。残念ながら、私たち小さな米穀店では、外国産米の流通・仕入れルートというのはないので、提案ができない。つまり、取引がなくなるおそれすらあります。この枠外輸入の数量というのは本当に見過ごせないものになってきていると感じています。現在の需給、在庫には盛り込まれていないんですが、今後加味していく必要があるのではないかと思います。その点いかがでしょうか。
また、SBSの残留農薬については検査をしっかり行われているというふうに聞いているんですが、民間輸入の残留農薬等の検査についてはどのようになっていますでしょうか。
以上3点、米穀店の小売の立場でご質問、ご意見をさせていただきました。ありがとうございました。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。
それでは、この後、山嵜哲志委員にご発言いただき、そこで一旦区切って事務局の方からご返答いただきたいと思います。
それから、今ウェブで井岡委員と岩村委員が手を挙げていらっしゃいますので、その後にご発言いただきたいと思います。
それでは山嵜委員、お願いいたします。 - 山嵜委員
ありがとうございます。新潟の山嵜と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
ご説明ありがとうございました。内容に関しましては異議等ございませんが、少し危惧する点がありましたので、その点、次回というか、翌年、また今後に関わるような時に改正だったり、できることがあれば良いのかなというふうに思い、意見させていただきたいと思います。
正直、まず需要量の方なんですけれども、どうしても我々生産者側からですと、30年間、ずっと価格が落ちていたものに対してですので、今後値段が上がった際にどれだけ消費が落ちるのかなという点を見ると、ここはもう少し正確なものというか、下方の需要量なのではないかなというところが正直現場からの視点ではございます。逆に我々生産者からすると、買っていただけるのかという不安もございますので、それも踏まえてちょっと一考していただければなというふうに思っております。
あと生産量に関しましてですけれども、ここまで米価が上がっている現状、現場ですけれども、当社管内の話にはなってしまいますが、連日、離農したいので経営地を買っていただけないだろうかというお話を、もう既に数件ほど受けております。正直、これは例年より多い件数で今のところお話が来ているので、当社としても受け答えられないなというところが現状なのかなというふうに思っていますので、逆にこの生産量を維持できるのかというところも現場としてはなかなか難しいのかなというふうに思っているのが、現状です。
あと消費量の方は、本当に以前の価格だったらというところと、そのバランスが本当に大事なのかなというふうには思いますが、ただ、7・8年産に関しましては、もうできているものですので、8・9年産に対してどう動いていただけるのかというところが今後発信のキーポイントになってくるのではないかなというふうに思いますので、ご意見させていただきました。
以上です。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。
それでは、事務局の方からご発言いただければと思いますが。 - 国枝企画課長
ありがとうございました。
まず、藤間委員の方から、8年産につきまして、今後の在庫量等が例年より多い状況なので、備蓄や周年事業を活用して流通に万全を期すようにというご意見を頂いております。確かに需要量と生産量というのは大分報道されて目立つわけでございますけれども、ご指摘がありました民間在庫の数量がどれくらいになるか、例年はそこが注目されているわけですけれども、7年産、8年産についても、ここは大変重要な数字になっていると考えています。
今お示しをしておる生産量を生産したらこれだけの在庫になるというふうに計算をしておりますので、実際にどのように動くかを見ていかなきゃいけないですし、在庫については買入れを進めていくということも、方針としてはお示しをしております。時期的に、いつ、どういう水準でというところはまだお示しできないんですけれども、どこかの時点でしっかりやっていくという考えではあり、そこについては明確にお伝えをしておきたいです。
備蓄米の入札方針、早めに示してということは、もちろんそのとおりです。作付計画の時期は例年と同じだと思いますので、それに間に合うように方針については示していかなければならないと考えております。
それから2点目、需要に応じた生産ないし増産、あるいは減産というか、現場で混乱も起きているという指摘でございます。今回報道にこの数字が先に出てしまいまして、我々が思っているのと違う評価がされて伝わってしまい、現場で混乱があったところについては大変申し訳ないと思っております。
以前からご説明しておりますとおり、特に今回大臣が交代をされたことで、いろいろインタビュー等も受けておられますけれども、基本計画の中で2030年に818万トン、加工なり輸出なりも含めて増産をしていくという方針は全く変わっておりません。このことについても、きちんと皆様にお伝えをしていかなければいけないと思いますし、山田委員からもございましたけれども、丁寧なコミュニケーションをしっかりしていく必要があると考えてございます。
いずれにしましても、増産なり減産なり、「需要に応じた」という方が大事であるということは重要なポイント、ご指摘かと思います。
次に山田委員からご指摘を頂きましたコミュニケーションに関する話は、数字が独り歩きしてしまっているということです。確かに我々から丁寧にご説明は差し上げておりますけれども、一般の方にはなかなか難しいというご指摘も、そのとおりであると思います。これから、生産現場の方に向けては来週ぐらいに、全国会議等をさせていただきまして、各都道府県の方、現場の方に向けてきちんと今の考え方も丁寧に説明をしていきたいと考えておりますし、今までのやり方ではないような情報提供のやり方も考えていかなきゃいけないと考えてございます。
店頭のお米の価格が高いのが喫緊の課題ということは、生産現場の方のお話にもありましたけれども、消費者の目線からしたら、そこが一番、この一年間のずっと課題でございます。需給見通しの数字につきましては大臣もお示ししておりましたけれども、本当にそう感じられて、認識されているのかというところも、これは重要なご指摘かと思います。今年我々も経験のない値動きをしており、この価格に対してどのように需給が動くのかというのも、今までの考え方、経済学的な見方なり、経験からすると大分違う動きをしておりますので、なかなか我々も正確なというか、当たる情報が発信しづらいわけでございますけれども、なるべくタイムリーな情報発信と、現場でどう動いているか引き続き情報をしっかり取って流通を把握していくということかと思っております。
それから、次に澁谷委員からもご意見を頂きました在庫量を幅のある数字でお示ししているということであります。これは確定値に近付いて一つの数字になっていくのは良いこともあるかと思いますけれども、一つの数字になると、当たったのか外れたのか上か下かとなります。今まで一つの数字でお示ししていたところからすると、今回生産量が一つの数字になったことで幅は小さくはなったわけで、前回9月よりも見通しは狭い範囲でお示しすることになったわけです。いずれにしても一つの数字が良いのかどうかはともかく、なるべく精緻な数字をお示ししていくように、数字の更新は進めていきたいと考えています。
新米の売行きが悪いというお話も頂いております。本日15時に9月末の段階の民間流通在庫、販売の状況のデータも公表しておりますけれども、その中でも集荷については平年よりちょっと良いくらいで、集荷段階から卸段階の販売段階の数字があまり良くないという統計も出ております。米穀店の運転資金のご苦労という話もございました。どういう施策が使えるのか、農水省だけではないかもしれませんけれども、よく研究させていただきたいと思います。
それから、在庫の量が高いことによって8年産の米価、それにも恐らく影響があるだろうということでございます。こちらについても我々も経験のないところなので、どうなるかは注視していかなきゃいけないと思いますが、生産者の方が再生産なり次の生産にためらうことがないように、とにかく安定して生産を続けていただけるように情報発信についても含めてしっかりやっていく必要があると思っております。
それから、外国産につきまして、今まで作ってきました需給フレームが国産で、継続性もあって引き続き国産の枠組みで作っていますけれども、枠外がこれだけ大きくなっていくと、実際の消費がどれくらい外国産に食われているかはきちんと把握していかなきゃいけないと思いますし、実際に国内産の価格が戻った時に、外国産が引き続き使われていくのか、元に戻るのかも大事ですので、注視をしていきたいと思います。
これが需給フレームの枠の中で捉えられる数字として出せるのかどうなのか、ここはなかなか難しい面もございますけれども、問題意識としては非常に強く思っているところでございます。
あと輸入に関する残留農薬については、手元に具体的なご説明ができませんので、改めてさせていただきますが、原則としては各事業者の方が食品衛生法の基準を守る義務があると、そこについては変わりはないということであります。
続きまして、山嵜哲志委員でございます。幾つか危惧する点ということで頂いております。
30年価格が下がり基調にあったところで、今年ぐっと上がったので、これが需要にどうなるかということですけれども、我々も、今までの価格がこれだけ上昇した局面ですので、価格弾力性がどうなのかとか、研究材料がなかなかないものですから、調べていかなきゃいけないという問題意識は持っております。
それから、周辺で離農される方が多いというお話も聞いております。確かにここ、価格が高くなったんで、もう一年は頑張ってみるけれども、その次の年にまた価格が戻ったらどうなるかなというような話もよくいろいろ聞いてございます。稲作農家の方々はトレンドで毎年5万人くらい減っている状態でもありますので、これが価格の乱高下によって減っていくスピードが更に加速することがないように、ほかの施策も含めてきちんと対応していきたいと思っております。
価格についての情報発信もございます。ご価格、需給に関する情報を、需給フレーム、基本指針の改定というお示しの仕方もあるんですけれども、それ以外に、先ほど申し上げました民間の取引のデータでありますとか、こういうのは日々公表はしております。この中で需給に関わることについても、基本指針の数字の変更に関係するものとか、そうじゃなくても有益な参考になる情報は効果的に発信をしていきたいと考えてございます。
差し当たり以上です。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。よろしいでしょうか。
それでは、委員からのご発言を再開したいと思います。
井岡委員、そしてその後、岩村委員、ご発言ください。よろしくお願いいたします。 - 井岡委員
ありがとうございます。一般財団法人消費科学センターの井岡智子と申します。
今回の指針に対してはいろいろな精査をされておりまして、特に異議はございません。ただ、ここで消費者としての意見と質問を三つほど述べさせていただきます。
まず一つ目ですが、私は平成5年の米騒動についてよく覚えておりまして、その年の夏は冷たい雨が降る記録的な冷夏でした。江戸時代のような飢饉が起こるのかと思いました。
その翌年の春に日本食品がほとんどない国へ家族4人での海外赴任が決まり、お正月用に餅米を持っていきたいと探しましたが、全く手に入りませんでした。
そんな経験から、今回の米騒動は大変驚きと理解ができないところがありました。酷暑がお米に与える影響はある程度知っておりましたが、「日照りに不作なし」という言葉もあります。
私は昨年の南海トラフ地震臨時情報も一つの増要因となったのではと考えていました。多くの方々が防災対策のためのローリングストックをしていなかったのかと思います。
日本の短い粒、短粒のジャポニカ米は世界的には少数派と聞いています。しかし、日本人にとって、日常の日本食ではやはりジャポニカ米が好まれています。そのためには国内需給を安定させていただくことは必須と思います。
二つ目として、生産者と消費者との乖離の課題についてです。
昨年改正された食料・農業・農村基本法の14条では、消費者の役割が明記されています。消費者はそのことを理解した上での行動を期待されていると思います。しかし、今回の米騒動はほとんどが農家であった昔と違い、今や農村や農業は地理的にも社会的にも遠い関係の中での騒動だと思います。消費者は米の流通を始め、米の値段のことなど知らないことがかなりあったということに気が付きました。なぜ米の値段が2倍以上になったのか、農家の生産後の流通は複雑になっていて、知らされていない、置いてけぼりにされた感がありました。知らないことは不安を生み、不満につながります。水田という現場もなかなか見る機会も少なく、理解を進めようにも進まないのが今の消費者です。
主食の確保は食料安全保障にとって大問題です。消費者も知らなくてはいけないと思っていても、それがなかなか分かりづらい、もっと分かりやすく伝えていただきたいと思います。正しい情報を得るのが難しい世の中になっています。消費者に対し、正確な情報に基づき理解を深めていただくためにも、私たち消費者団体も協力していきたいと存じます。
三つ目は、備蓄米についてです。
まず5年間程度となっていますが、この5年を算出された根拠を教えていただきたいと存じます。棚上げ備蓄方式になったことは分かりましたが、5年持ち越し米は初めから主食用以外の飼料用などとしての販売ということになっているようです。また、備蓄期間が長期化したものは売渡しには機動性に欠けることも明らかになりました。
備蓄米は始まって以来3回目の放出で、前の2回は東日本大震災、熊本地震、どちらも災害用の主食でした。今後も災害関係で、いつ、どれくらいの需要があるかは全く読めないわけですが、この5年間の年月を少し短くするということなどご検討いただけないかと思っております。
今回の騒動では、低所得者層が大きい影響を受けています。特に次世代を担う子どもたちを守らなくてはなりません。ただでさえ格差が広がっているのが現実です。それを埋めるためにも備蓄米の無駄のない使い方のご検討を是非していただけますようお願いいたします。
以上です。どうぞよろしくお願いいたします。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。
それでは、岩村委員お願いいたします。
それから、今ウェブで3名の方が手を挙げていらっしゃいますので、この後、宮島委員、小林委員、菅原委員の順番でご発言いただきたいと思います。
では、岩村委員お願いいたします。 - 岩村委員
ご指名ありがとうございます。聞こえておりますでしょうか。 - 中嶋部会長
はい、聞こえております。 - 岩村委員
今回の変更案には様々な工夫が凝らされており、当方から異論はございません。
その上で大きく2点、意見を申し上げます。
まず米価ですが、総じて見る限り、依然として高止まりが解消していません。前年比で見れば、消費者物価に与える影響はこの先減衰していくということかと思いますが、その水準はなお高い状況にあります。今次の総合経済対策においても物価高対策は極めて重要な要素で、国民の関心も高くなっています。。食料安全保障の確保という観点からも、国民一人一人が毎日に口にする食料を、アフォーダブル、手頃に入手可能な価格で購入できる環境を整備するのは農政の根幹であると考えております。したがって、生産者はもとより、消費者にもしかるべく目配りし、バランスの取れた対策を是非お願いします。
その一環として、先ほど来議論のあった、増産なのか減産なのかという点についてです。「減産ではない」とはっきりご説明がございましたけれども、一般国民にはなかなか判断が困難ですし、生産者サイドでも混乱が生じていないか、懸念しています。政策が二転三転しているという印象を与えないためにも、分かりやすいコミュニケーションや、発信の仕方を工夫する必要があります。
米価を政策変数にしないということは農水省の従来からの方針と認識していますし、それはそれで理解いたしますけれども、今般、米の供給をめぐり様々な混乱が生じたということも踏まえ行動経済学の知見なども利用しながら先々の分析をされるというのも一案と考えています。
それから、2点目として、国内需要だけではなく輸出戦略も重要と考えています。供給サイドからグローバル市場を積極的に開拓、獲得する施策をお考えになってはどうかということです。
経団連では先月、渡邊次官との懇談会を開催し、「農外企業との連携によるコメ等の農産物輸出促進プロジェクト」を含む、農水省と経団連の連携プロジェクト等について説明を伺い、検討を進めているところでございます。また食文化の輸出も含む、我が国農業の活性化に向けて、一層緊密に連携したいと考えておりますので、引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
以上です。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。
続きまして、宮島委員。 - 宮島委員
どうぞよろしくお願いします。
まず、今回示された指針に関しまして、私も異論はございません。特に今回、幅で示す。つまり、一点決め打ちじゃないというような示し方は方向性として非常に重要だと思っておりまして、了承いたします。
ほかの委員もいろいろ仰いました中で、1点だけ私からお伝えしたいと思います。
今回、事前に数字が独り歩きしたと、世の中に誤解されたというようなお話がありました。皆さんどう思っていらっしゃるか分かりませんけれども、この数字の表というのは、一般の人にも分かりにくいだけでなく、例えば農水省のこの表を初めて見る記者ですとか、関係者でも慣れていないとなかなか読み下せないなと思っております。
それに対して丁寧なご説明をされるというのがお答えであるんですけれども、実はたった今の最大の問題は、世の中は丁寧な説明を苦手としているような状況になっていることだと思います。つまり、報道の現場にいますと、昔に比べて、3分見てもらえたはずの動画が、若い人には30秒から1分じゃないと見てもらえない。3分以上話をしたら解説も聞いてもらえない。そういうような状況の中で丁寧な説明をするということを軸にし続けたら、丁寧な説明を聞く気がある人にしか伝わらないままなのではないかと思います。
もちろん統計というのは継続性も大事なので、今までやってきた方法と大きく変えることができるかどうか分からないんですけれども、少なくとも今回いろいろなところが大きな転換を迎える中で、今の形よりももうちょっと分かりやすい単語の使い方や分かりやすい形でぱっと示せないものか、メッセージが誤って伝わることがないように、何か工夫の余地がないかということを考えていただければと思います。よろしくお願いします。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。
続きまして小林委員、お願いいたします。 - 小林委員
皆さんこんにちは、小林でございます。
まず今回の基本指針の変更について、これまでにない視点から様々な検証を頂いたことに心より御礼申し上げます。白米と玄米ベースでの整理に加えて、農家のふるい目を活用したふるい下の流通の実態の把握、インバウンドの需要や消費トレンドから一歩踏み込んだ年齢別の消費量まで、今までの部会での意見等を含めて試算していただいた点というのは本当にありがたく感じており、基本指針の変更についても妥当だと感じております。
その中で、私から肌感をお伝えできればと思います。
既に委員の皆様から分かりやすい情報発信、コミュニケーションについての懸念もご指摘がありましたし、今宮島委員からのお話もありました。私も伝えるというお仕事をしている中で、立場によって見え方が異なり、齟齬が生じることもあると感じています。産地の目線、報道の目線、消費者の目線、それぞれの視点があるからこそ幅広い視点で議論を進めていくこと、それぞれの情報を丁寧に発信する、分かりやすく発信する、受け手に関心を持っていただくことの難しさを感じています。
その中で正に宮島委員が仰られたとおり、どういう伝え方をするかは試行錯誤が必要だなと感じています。また、話題の中心になる価格については、澁谷委員はじめ、米穀店の肌感というお話もありましたし、山田委員始め事務局の皆様からも「需給に応じた価格」についてお話もありましたが、一農家としては急激な価格変動による混乱や離農が起きないようにと願うばかりです。
また、これらの現状を受け、作付が主食用米に偏ってしまっていて、加工用、飼料用米が不足をしているという現場の声をよく聞きます。
弊社では今年、米粉事業に取り組んでいるんですが、お米を持ち込んだ製粉工場の方々始め、その加工を担当する飲食事業の方からも、米粉用米、米粉が足りていないというお声を聞いて、原料不足が現実に起きているということを実感しました。
加工用米や飼料用米の不足が続くと、ほかの食品の価格にも影響が出てくる可能性がありますので、安定した生産体制の確保が必要だと考えています。
ただ、その一方で、実際に農家の立場で今回取り組んでみたところ、価格の低さや収益性の面で、作ってもなかなか厳しいという気持ちになるのも正直なところでした。私自身も実際に作るまで、ここまで収益面が厳しいとは感じていなかったので、驚くとともに、ではこれを今後どうしていくのが正解なのかと見えない状況でございます。
主食用米に視点がいきがちではありますが、それだけではなく、今後加工用、飼料米等も含めて全体を見渡しながら、持続可能な生産と消費ということについて考える必要があるのではないかと今感じております。
以上です。ありがとうございます。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。
それでは、続いて菅原委員にお願いしたいと思います。そこでまた一旦切りまして、事務局からご回答を頂きます。
では、菅原委員お願いいたします。 - 菅原委員
菅原です。音声大丈夫でしょうか。 - 中嶋部会長
はい、聞こえております。 - 菅原委員
よろしくお願いします。
ご説明いただき、ありがとうございました。説明いただいた内容を私は妥当だと思っております。
その上で、生産者の立場から一言ご意見申し上げますと、需要に応じた生産というのは、とても大事だと思っています。ただ、反面、それによって増産、減産だったり、価格が上がったり下がったりというのは経営していく中で不安定ですし、継続して生産していくというのは難しいなと感じています。
それから、今後人口も減っていきますし、生産者も、担い手も減っていくと感じます。その中で需要に応じた生産量を継続できるのか、必要量を確保できるのかという課題も出てくると思います。生産者ですとか現場のことも含めて考えてもらいたいなと思っています。
以上です。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。
それでは、農水省の方からご発言いただければと思います。 - 国枝企画課長
様々な意見をありがとうございました。
まず井岡委員でございます。平成5年の冷害をご記憶があるということでございます。その時との違いということでご指摘もございました。
この中で一つ、ローリングストックというお話がございました。南海トラフの情報が出た時に棚からお米がなくなったということがありました。実際6年の8月ぐらいに需要が伸びていまして、この時に買いだめという現象もあったのではないかと、家庭内のストックがどれくらい増えたかは正確に取れていないので推定なんですけれども。家庭内での備蓄、これは以前からも推奨をしているところですし、これが各家庭内の備蓄として定着していくことも重要なのかなと思います。
ジャポニカ米の重要性というお話もございました。私の個人の経験からしても、国外産の中粒種、アメリカ産のカルローズだったり、昔に比べたら大分食味も上がっているということもありますけれども、国内での食料安全保障という観点からも、日本国内でのジャポニカ米の生産というのもしっかり維持していく必要があろうかと思います。
それから、生産者と消費者の関わりが遠くなったと。以前から言われている社会的な問題、これは大変重要な問題かと思っております。私なんかも岐阜の田舎の人間ですので、秋は田んぼで野球をやっていましたけれども、うちの息子は全然そんなことをしたこともないので、稲刈りした後の田んぼがいかに歩きにくいかとか、よく転ぶとか、そういうことも知らないわけです。私もなるべく子どもを実家に連れていくようにしていますけれども、今東京なり都会に住んでいる方へ、生産の現場の方から消費者の方に情報を提供していただく、それによって不安ないし不満という余計なものが生じていくのを減らしていくということも大事だと思いますし、逆に消費者の側から生産現場にアクセスをして知っていく機会というのも、積極的に双方向から作っていくことが良いのかなというふうに思ったところであります。
それから、備蓄に関してご質問がございました。5年間持っている理由は何かということでございますけれども、今備蓄の適正な水準が100万トンということにされておりまして、これを5年間置いておりますのは、主食用として品質の保持が可能な期間がおおむね5年くらいというふうに見込まれたということが当時の考え方として言われております。ただ、これは人によるんでしょうけれども、5年たったものを食べてみて、美味しかったか、そうじゃなかったかと、いろいろな意見がところどころ出ておりますけれども、5年たってもきちんとちゃんとした倉庫で、冷蔵で保存がされておりますので、ぎりぎり大丈夫かなということなのかどうか、そこは食味によるかと思います。これを3年間とかに短くするというご提案もありましたけれども、3年間で回していくということになれば、別の資料ではございますけれども、備蓄運営上の課題に関わるところもございますし、また3年間で回すということは、毎年の買入れの量とか、倉庫のコストでありますとか、財政負担とか、その辺の課題にも関わっていくので、ここら辺をよく勉強していきたいというふうに考えて検討しているところであります。
あと備蓄米の無駄のないということでございましたけれども、これは基本的には主食用に戻さないということで棚上げ備蓄をやっているわけですけれども、飼料用だけではなく、ほかに加工用とか、今年でありますとお酒用に備蓄米を使っていただくこともありますので、様々な用途で有効活用するということかと思います。
それから、次に岩村委員から、米価の高止まりにつきまして、今高市内閣の中で経済対策、物価高対策の一環としてということで総理からも指示が出ております。農水省としても、大臣からは例えば「おこめ券」をどういうふうに重点支援交付金を使ってやっていくか発言をされております。アフォーダブルな、それなりの値段で買える環境を整えていくということは、これまでは随契備蓄米を提供するということもやっておりました。今後は量的に足りている時には備蓄米を出さない、という鈴木大臣の発言もございましたけれども、その中でどのような対策があるのかということは考えていきたいと思います。
増産・減産ということについて、一般の国民の方、それから生産の現場の方にきちんと伝わる、それから政策が二転三転しているというような印象を持たれないような情報発信の工夫というのはしっかりしていきたいと思っております。
輸出についてもご指摘がございました。これも35万トン目標というのを掲げておりますので、これは農水省の中でも農産局、それから輸出・国際局の方でもそれぞれ連携してやっていくということになりますし、農産局の中でも、来年4月に米の輸出について組織改革をして新しい組織も立ち上げて進めていくことも考えています。
宮島委員。丁寧な説明はなかなか世の中に、皆さんに聞いてもらえないというのは、これは正にご指摘そのとおりかと思います。需給のフレームを我々も、データの継続性とかもありますけれども、今までこういう形式でずっとやってきましたというので、その延長でやっているところも少なからずありますので、今のご指摘も踏まえて、フレームで示すのは示すところとして、それ以外にどのような表現でどのように伝えていくか、ただの数字ではなくて、これがどういうふうに解釈したら良いのかをきちんとお示しするということが大事なのかなと考えたところであります。
それから、小林委員から肌感ということでいろいろご指摘いただきました。
ご指摘の中で、米粉について今年取り組まれているということでありましたけれども、確かに今年、7年産については、足りないということで増産になっておりますけれども、この内訳として、主食用以外の飼料用、餌用であったり加工用、ほかの用途であったものから主食用に相当量が回っておるというのが現実でございます。今お話ございました加工用とか米粉用とか、こちらの方のニーズにもきちんと対応していかなきゃいけないということで、主食用の需要ももちろん満たしていかなきゃいけませんけれども、それ以外の用途についても需要がございますので、こちらの方についても水田活用の直接支払交付金、これで支援させていただいているところもあります。例えば資料用でいけば、耕種と畜産農家の結び付きでありますとか、こういうところも併せて、主食用以外についてもしっかり生産を支援していきたいと考えてございます。
最後、菅原委員からご意見を頂いております。生産の現場に、生産を継続していくに当たって価格の上下というのは大分不安な材料になって、継続に支障が生まれるというところもそのとおりかと思います。担い手なりが減っていく中で、農水省の中で生産性の向上であるとかというふうに、人口減少への対応もしておりますけれども、それだけでは今後の必要な需要が確実に満たせるのか、水稲の生産者の数が毎年5万人減っていくという中でどれくらい維持できるのか、そこはきちんと考えて継続性のある生産体制にしていかなきゃいけないと考えてございます。
以上であります。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。
それでは、残りの委員の方々にご発言いただきたいんですが、すみません、まず答申のご意見を頂くことは非常に大事なので、それをきちんと対応したいと思いますけれども、後半の部分の議論も少し伺いたいので、誠に恐れ入りますが、ご発言は3分以内にということでお願いいたします。
今、山﨑元裕委員と徳本委員に手を挙げていただきました。そして、小倉委員、その順番でお願いいたします。 - 山﨑(元)委員
ありがとうございます。手短に。
まず、基本指針につきましては特段異論ございません。
その上でなんですけれども、収穫量調査、また在庫調査については疑義が若干残っております。以前のやり方を踏襲するのみではなくて、精度を高めるための見直しをできるだけ早く進めていただきたいとお願いします。
また、惜しむらくは、7月30日の食糧部会において、9月19日の基本指針と同等のものが示されなかったことです。作付面積が10万ヘクタール強増加している事実が判明しているわけですから、平年作であれば50万トンを超える増産が見込まれることを明確に示せていれば、言うならば完全な需給緩和の中での極めて異例な高価格と言える現状を招かずに済んだのではないかと強く思っています。今後は避けたい事象です。
また、足下の需給事情につきまして少しご報告させていただきます。価格と在庫見込み等については皆様からお話がありました。
昨年9月には6年産の新米、これは素早く提供されていましたが、本年はいまだに備蓄米、輸入米、そして行き場を失った6年産が、業務用はもとより小売店等でも多く販売されている状況にあります。このような厳しい環境の中でスタートした当7年産ですが、需給事情とはかけ離れた高値となっているため、販売者は様子を見つつ、必要最小限の当用買いでしのいでいる状況になっています。
その7年産米の販売数量ですが、9月の売り始めからもたついた上に、輸入米及び売れ残りとなりました6年産の影響を受けて、前年と比べまして減少する可能性が強いと予想しています。消費者の購買傾向における変化、こちらが一過性ではなく定着し、当年産の国産米需要が減少する可能性についてご留意いただきたいと思っています。
ともすれば、これまでの硬直的な基本指針だけではなくて、予見性を高めること、こちらが必要ではないかと感じています。
さらに、指針では、基本5年の間での買戻しについて記載されていますけれども、いつ、どのように発動されるのか予想が付いていません。11ページでしたか、「今後の需給状況等を見定めた上で行います」では皆目分からず、実需者を含む流通業界としましては年間の販売戦略が策定できない状況にございます。
ちょっと離れますけれども、昨日、私ども全米販の関連のクリスタルライス、こちらで取引会がございました。そこの状況ですけれども、上場数量につきましては前回、要は先月と比べまして2割ほど増えております。一方、上場平均価格ですが、前回と比べますと約1割下げました。また、落札数量ですけれども、7%に満たない程度のものです。要するに、出回り当初とは高値で推移したけれども、業者間の現物取引では、もう投売りが始まりつつありますが、まだまだ成約には結び付かないと。これは先ほど申しましたけれども、先行き、今年度の7年産の販売計画、あるいは米穀年度の販売計画、立てようがないものですから、とにかく手元に米を置いておきたくないという状況になってしまっています。
もうまとめますが、これからなんですけれども、農林水産省におかれましては、業界との意見交換を是非ともお願いしたいと思っています。現場で日々、集荷、あるいは仕入れ、販売を行っている業界の生の声を聞いていただく機会の頻度を高めていただきたいと思っています。公式調査には遅効性がありまして、現場感覚とのずれが大きいからです。現場との意見交換、あるいは情報交換によりまして数字の見方、トレンドの先行き等について、より精度高く把握していただくことにより、需給事情の分かりやすい発信に役立つのではないかというふうに考えています。
最後になりますが、もう一つお願いしたいところが、中長期的な見通しの必要性、こちらを強く感じています。今回、令和の米騒動と言われる事態に陥ってしまった、その要因ですが、変化の速度、あるいは変化の幅、これらが大きくなっています米の生産、流通、消費、あらゆる現場の実情把握が遅れたことだと考えています。
国で中長期の米政策の見直しを検討されていると承知しておりますが、関係者がそろっています食糧部会においても今後は議論していけたら良いなというふうに考えておるところです。
以上です。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。
それでは徳本委員、お願いいたします。 - 徳本委員
トゥリーアンドノーフの徳本です。よろしくお願いします。
まず、基本指針の変更については問題ありません。ありがとうございます、関係者の皆様。
需給の見通しが実際、数字が立った上で我々、現場から農家として出荷していて、本当にかなりまずい状況になっていると。皆さんが今どの程度危機感を共有できているか分からないですけれども、正に6年産と備蓄米含めて、これが繰越しだぶついて、しかも早生の品種があれだけ概算金が高上がりして、そこで特に前半部分で高止まりした。今日も流通業者さんにも、たくさん来ていただいておりますが。その辺が正に今後どうなっていくかというところで、今回のメンバーの中でも今回もう一つキーになるのが店頭の小売価格なんです。特に大手チェーンの店頭小売価格というところで、今回本当に僕、ある種緊急事態だと思うので、ある種そこと、本当にこの危機を、どうやって流通を乗り越えていくかということは考えていかないと、今の概算金で買ったものを本当に流通させていく。常に高止まりの状況でマーケットに出さざるを得ない状況の中で、非常に厳しい状況が待っているんじゃないかなというふうに。日に日に僕らの中でも、いろいろな悪いうわさといろいろな状況が出てきているので、小売含めた全体のサプライチェーンの中で、さっき山﨑委員からもありますけれども、きちんと今回の、今跳ね上がっているところをどうやってマーケットに発信して流通させていくか、ここは本当に向き合っていかないといけないかなというところがまず一つ。
さっき中長期という話もありましたが、正に需要に応じた供給というメッセージがありましたが、農家の山嵜委員からもさっきあったんですけれども、僕も中山間地でやっていまして、正に供給のところが、今の状況だと、今後我々必ず米価戻ってくると思っているので、そうなったら更に離農が進むだろうということで、水田が更に流動してくるんです。そういう中で我々の地域の担い手も本当に受け切れなくなっていて、なので基本的にはいかに生産性を高めていくかというところは現場も本当に考えていかないと、需要に応じた供給という、供給の柔軟性と弾力性が特に向こう四、五年で一気に失われてくると思うので、ここは我々現場も、今いろいろ物議醸し出している節水型乾田直播とかいろいろありますけれども、品種改良含めて、いかに生産性を現場が高めていくか、いかに少ない人数でこれから現場をマネジメントしていくかということが中山間地含めて問われているので、そこもしっかり食糧部会、需給にももろにリンクするところなんで、そこもしっかり議論していきたいというところと、すみません、もうまとめますけれども。
あと、さっきの供給のトレースのところで、恐らくこれは坪刈り8,000か所から来ていると思うんですけれども、ここももう少し簡易化して精度を上げていくための、我々も今衛星技術も使っていますが、DXにおける、どうやって供給をちゃんとグリップしていけるかというところはすごく非常に重要なポイントだと思っていて、つまり坪刈りと実際の我々が刈るコンバインのロスとか含めて、特に大規模になればなるほど必ずずれるので、これ兼業農家さんと大規模でも必ずパーセンテージ変わるんです。なので、この辺の坪刈りと実際の収量のずれというのは今後見直していかないと、ここもかなり大きなロスになるので、この辺もしっかり議論していきたいなと。
あと水活交付金のメニューが、さっきもありましたけれども、今年増産になったのは、基本的には米価が高くて、みんな転作したんですよ、要は飼料米から。あと麦・大豆をやっている農家とかも。そっちの方がもうかるから。来年以降、今後米価が下がるとなった時に、必ずこれは量減りますから。そうなった時に、これだけ周りの物価が上がっている中で、今飼料米の8万、例えば3万5,000、麦・大豆の、これが全く今時代に、コストにそぐわなくなってくるので、今後、転作の柔軟性を含める上でも、水活交付金もきちんと次の世代を見据えた議論、てこ入れをしていかないといけないということで、我々も今耕畜連携にも力を入れているので、酪農家さん、畜農家さんも今回の米価のこと、非常に大きなダメージを受けているので、その辺もしっかり連動しながら、どうやって生産性を高めていくかということ、重要だと思っていますので、その辺を議論していければと思います。
以上です。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。
それでは、その後に小倉委員、その後に樫山委員、お願いいたします。
まず、小倉委員お願いいたします。 - 小倉委員
武蔵野ホールディングスの小倉と申します。主に中食・外食をやっている会社です。ご丁寧なご説明、非常に分かりやすかったです。ありがとうございます。
心配している部分は外国産米の民間輸入部分です。本年度の民間輸入は中食・外食中心に相当量入ってくるだろうと予測しております。関税を払っても国産米と同等程度の価格になってしまう全農概算金の付け方、ここは7年産米の非常に大きな課題と考えております。今回の概算金を基にした販売価格では需要は確実に下がってくると考えます。今回設定された範囲を超えるような需要の下がり方が、出てくるのではないかが非常に心配な部分です。
需要をより喚起していくやり方、策は必要と思います。「おこめ券」というのがお話としては出ていますが、例えば全農概算金に何かしらの対策、少し手を入れていくようなことも必要なのではとも考えますし、そこに何かの手を打っていく事は、投機的な買いという持続的でない買いに対しての牽制球、ふるいにかけるような一つの要素にはなってくるんではないかなと考えます。
持続的な取り組み、実需と結び付いた原料、玄米の販売や購入は、生産者の安心と設備投資というところに絶対につながっていくと思っております。例えば玄米購入においても登録制、免許制などの検討だったりとかを併せてやっていくと、お米全体の動きがより透明で見える化というところにつながっていくんではと感じております。以上です。 - 中嶋部会長
ありがとうございます。
それでは、樫山委員お願いいたします。 - 樫山委員
樫山と申します。今回初めて参加させていただきます。農業生産法人の方をさせてもらっていますが、皆さんたくさん仰っていましたので、私としては生産現場の意見として、あと個人的な意見ですけれども、お伝えさせてもらえたらと思います。
米の価格ですけれども、決して高過ぎないと思っています。お茶碗1杯にした時のお米の価格というのは、今の現状の小売単価からしましても60円とか70円とか。食パン1枚も50円、60円、ちょっと良いのを買うと80円、100円します。そんな中で、急激に高くなり過ぎたという問題はあるんですけれども、今の価格が高過ぎるということは僕は決してないと感じております。
といいますのも、今までが安過ぎたせいで、過去20年間、生産者数が3分の1に減ってきておりまして、今後20年後、また更に3分の1に減るという予測も立っています。
昨年来の米騒動の原因というのは何なのか突き詰めますと、いろいろ要因はあると思うんですけれども、生産現場の肌感としまして、シンプルに生産者が減っているということです。生産者が減った分、大規模な法人が引受けはしているんですけれども、規模が大きくなればなるほど反収は下がります。管理がずさんになるからです。ですので、生産量が減ったというのが一番の原因じゃないかなと。この傾向はずっと変わりなく続いていくと思っております。ですので、価格がどうのこうの、それは国がどこまで価格形成に介入するのかという議論もあると思うんですけれども、例えば経営としましては、当社は昨年、お米の売上げが6,000万上がったんです。たくさんもうかったなと思っていたんですけれども、蓋を開けてみれば経費が5,000万円上がっていまして、1,000万しかもうかっていなかったと。すごくしんどいなという感じをしています。
来年以降、価格が下がった時に経営を続けていけるのか、ものすごく不安に感じております。といいますのも、最低賃金は常に上昇しておりますし、そのほかの経費もずっと上がる一方です。ですので、価格転嫁ができない相場で価格形成されてしまう農業という特殊性から、どういうふうに価格形成をしていくのかというのは議論が必要なのかなというふうに思っています。
例えば、一般食料品は経費が上がれば11%値上げしますで通りますが、僕たちはその決定権を持っていないということが一つ大きな問題だと思います。
あと国が増産・減産といっても、それを決めるのはあくまでも相場からによる、生産現場の方々ですので、そういう面では飼料米とか加工用米とか、そういう違った品種に、その水活のお金によって判断するわけですから、その辺をコントロールできるような政策を打っていく必要があるのかなと思っております。
あと数量の把握についてですけれども、在庫量とか調べても調べ尽くせないと僕は思っています。生産者の方に毎月出荷した数量を報告してくださいというのはどうでしょうかという相談も受けたことがあるんですけれども、そんなのできるはずもないし、流通業者を全部洗い出すなんていうのもできるはずもないし、農水省の方々はそんなことに汗かくことはすごく無駄。無駄というか、かわいそうに思いますし、そうではなくて、根本的な原因を見抜いて、それを変革していくような政策の方に注力すべきではないかと思っておりますので、数量の把握に関しては一つ提案ですけれども、ヤミ米のことについては度外視しますが、穀物検定協会から上がってくる検定数量、これを参考にすべきではないかと思っております。
流通段階での数量の把握に関しましても、JA系統以外の登録のある方々の数量をどういうふうに洗い出しするかということは検討することは必要かなと思っておりますので、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
以上です。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。
それでは、稲垣委員、最後は山﨑委員、お願いいたします。 - 稲垣委員
どうも稲垣でございます。すみません、大幅に遅参してまいりまして、前の日程があったものですから、事務局のご説明も聞けませんでしたし、かなりの委員の方のご意見を聞き逃してしまいましたので、ちょっとすっとんきょうなことを申し上げるかもしれませんが、そういった事情でございますので、お許しください。
まず需給計画の話でございますけれども、これについては皆様方も同じ思いだろうと思いますけれども、私は全然満足していないんですが、現下の状況の下で、利用可能なデータの下ではこれでしょうがないかなということで、消極的、あるいは緊急避難的に賛成ということを言わせていただいた上で何点かご意見を述べさせていただきたいと思います。
まず最初は、結果として出てきた需要、この一連の騒ぎの中で一番大きかったのは、私は需要の読み違えということだと思っていますし、その原因は、恐らく南海トラフの話とかご指摘あったんだろうと思いますが、いろいろあると思うんですけれども、いまだによく、特に定量的によく分かっていないということです。その中で、取りあえず結果として横張ったというような需要になっていまして、トレンドが変わったんじゃないかというマスコミの記事なんかもありますけれども、どうも私にはそうも思えない。人口は減っていくし、高齢化は進展していくという中で、増える要素といえばインバウンドぐらいしかなく、本当にダウントレンドが変わったのかというのは、甚だ疑問ではありますけれども、今の状況であれば、先ほど緊急避難ということを申し上げた、こういう需要の置き方しかないのかなと思っております。非とも、これも前回も申し上げたと思うんですけれども、少し安定して様子が見えてきたところで、もう少し需要の推計の仕方を研究していただくように、随分精米ベースを入れたりやられていると思うんですけれども、ここは抜本的に見直しをお願いしたいというふうに思っています。
それから、生産量のところ、ふるい目の変更を1.7ミリから生産者ふるい目ベースにしたというのは、生産者の実感に合わせるという意味で良かったというか、もっともなことだというふうには思ってはいるんです。ただし、ふるい下米からまた戻ってくる分、この推計というか、把握というのは非常に難しいと思います。
今回は、これも緊急避難なんだけれども、この状況の下だから、ほとんど食っちゃうと、戻ってくると置いていて、それで間違いはないと思うんですけれども、もう少し落ち着けば、これが加工用とかなんかに回っていく分があってしかるべきですので、これをどう把握するかというのは非常に難しいだろうと思いますし、そこはまた勉強していただきたいというふうに思います。
それともう一つ、そもそもがここでやっている需要って、本当に積み上げている需要じゃなくて、常に生産量から在庫量を引くということでやっていますから、実を言うと生産量の見方を変えると需要は違う数字になっているはずなんです。今回は、さっき言ったようなことであまり狂っていないから良いんですけれども、今後ここの生産量の見方を変えるということであれば、過去のデータに遡って需要の数字を少し調整をしていただかないと推計が狂うことになりますので、そこもご研究をお願いしたいと思います。
それからもう一つ、ご世の中では、減産だ、減産だと言われておりますが、ただ備蓄米の買入れまで合わせれば決して減産ではないんで、何となくこういう言い方をするとちょっといかんのかもしれないんですが、政治的な動きで増産論と減産論の闘いみたいな話で、大体、私も役人をやっていた時の経験からして、こういう数字が我々も聞く前に漏れている時は、大体政治の方へご説明されていった時に漏れているんで、書いている記者の方もいつも役所がお付き合いしているんじゃない人たちも多いものですから、そういう二項対立にとらわれがちだということもあって、私も苦しんだことがありますけれども、これはなかなか難しい。
ましてや、宮島委員からもご指摘がありますけれども、今丁寧な説明をしてもなかなか聞いてもらえないという世界で、大変だと思いますが、これは本当にそうはいいつつ、特効薬はないけれども、きちんとやっていただきたいというふうに思います。
それから、これは感想というか、結果的に在庫の方を見ると随分増えるというか、200万トン近いことに結果的になっていますが、これはいかんせん大き過ぎるかなというふうに思わなくはないんです。ただバッファーなんで、これはこの現下の局面ではしようがないかと思いますが、ここの水準もまたよく議論していただきたいと思います。
結局、政府備蓄米の水準を回復するとなれば、60万トンぐらい、需要バッファーを持っていますからということなんでしょうけれども、そこは慎重にやっていただきたいし、またこれもほかの委員からご指摘があったと思うんですけれども、備蓄米の買戻しについて、正直言えば、そんなの買い入れる事態になってみないと分からないやと事務方は仰ると思いますが、あらかじめ頭の体操をしておかないと、BCPとか何かと一緒で、どうせそういうようにはならないんだけれども、きちんとシミュレーションをしておかないと実際発動できないと思いますから、それはよく考えておいてください。
それと、これは私もよく分からなくて言っているんで申し訳ないんですが、価格が何でこんなに下がらないのかなと。私ニュースを見ていたら、どこかの卸の方が、年を明けたら下がると言っていたんだけれども、その根拠もよく分からない。ただ、私の感覚で言うと、この需給であれば、少し価格は調整されるはずなんだけれども、思うほどいかないのは、これも先ほどから話が出ている概算金が高くなっていて、概算金に引きずられているというのがあると報道等されていますけれども、それも含めて価格形成について需要を機敏に反映できない、流通の目詰まりという話を備蓄米放出の時にやりましたけれども、どうも価格形成の目詰まり状態というのが起きているんじゃないかなというような気もして、そこはシステムというか、仕組の中で解決できるんで、そこをお考えいただきたいということです。
それから、いろいろな数字を取るという話、これもなかなか難しいんじゃないかというご意見もありましたけれども、それはできる範囲でやっていただきたいと思います。一方であまり生産者、流通業者に負荷をかけるようなことがあってはならないと思いますので、ここはよくよく考えていただきたいし、その中でも、これこそ特に流通の分野なんか、POSシステムとかできていますから、ITを使うということですね。昔、米穀手帳というのがあって、消費がよく分かる。すみません、私も年なんで、見たことはありますけれども、使ったことはありません。そういうシステムがあって、そんなもの、ばかげた─ばかげたと言っちゃいけない。この世界になってくると、スマホで米幾ら食べたかというか、買ったか登録できるようになってくるんで、そうなるともっと細かく取れるかもしれない。そういったことも含めてIT化の話はご検討ください。
あとは備蓄の話。備蓄の数量を前提にしてきましたけれども、これが本当に要るのか、現下の状態を踏まえて。これは私の持論ですけれども、大体供給に対するバッファーというのは、1は民間の在庫、2が輸入、3に虎の子の政府備蓄ということだと思うんで、ここの数字で考えた方が良いと思うし、これは流通業の方がたくさんいらっしゃいますので、何を言っているんだ、ばかがと言われるかもしれませんけれども、第一義的にショックがあった時には、民間在庫のところで吸収していただくというのが筋だと思うし、今までは価格があまりに低過ぎて、そんなコストも取れなかったんだと思うんですが、ここまで戻ってくれば、そういったことの可能性があるんじゃないかなというように思っていますので、それもご検討いただければと思います。
すみません、ちょっと長くなって申し訳ございません。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。それでは、最後に山﨑美穂委員お願いします。 - 山﨑(美)委員
今日は詳細なご説明をありがとうございました。基本指針の変更につきましては、異論はございません。
国内米価が高いということも影響しているかと思いますが、参考資料の3、10ページにもありますように、新規需要米、新市場開拓用米の作付が減っております。輸出を実施している生産者の立場から現在の状況を踏まえ、1点意見を述べさせていただきます。
弊社は輸出先の上位にアメリカが入っており、トランプ関税が始まった当初はさほど影響がありませんでした。しかし、間に入っている貿易会社が今まで関税を現地価格に転嫁していない状況により、新米価格交渉の際に今後トランプ関税の15%と新米価格の値上げのダブルでの上乗せになり、交渉が厳しい状況となっており、影響が出る可能性が見込まれます。
国は輸出を35万トンということですが、先ほど新しい組織も立ち上げとのことですが、このような状況の中で今後の具体的な方針や対策をお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。
今日ご参加いただいた皆様からは、一通りご発言を頂きました。
本日ご欠席されている長部委員から事前にご意見書を頂いておりますので、これは事務局より代読をお願いしたいと思います。これはコンパクトに。 - 国枝企画課長
長部委員から、基本指針については賛成、問題ないということでございます。
それから、酒造好適米についてご意見を頂いております。主食用米の価格が高騰する中で、酒造好適米、加工用米についても価格が高騰しており、値上げを行わざるを得ない状況。日本酒の文化が引き続き継続されるように支援をお願いしたいという内容でございます。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。
それで、私がまだ発言していないので、ごく簡単に最後にお話しさせていただきたいと思います。
今日は皆様からいろいろご意見を伺いまして、今回の基本指針に関してはご同意いただいたのではないかなというふうに理解いたしました。
ただ、その中で需要に応じた生産を行うに対しても、基本指針の内容をいかに国民の皆様に、もちろん生産者の方、消費者の方、流通業者の方、全てのステークホルダーにですけれども、説明をするのかということが非常に重要だというお話がとても大事ではないかなというふうに思いました。
今回一つ重要なことは、来年の在庫、それからその後の在庫の状況を見る限り、消費者の皆様、国民の皆様に提供するお米は十分にあるということをきちんとお話しできているのではないかと。それが実現するように生産見通しを出しているということを是非きちんと発信していただきたいと思います。
ただ、この生産がちゃんと実現するのかというのは、今後の経営環境に非常に左右されます。米の価格が高い云々も検討の対象ではありますが、安定するということが非常に大事。生産を継続していくためには安定する環境を用意しなければいけない。このことは情報の発信によって大きく左右されてしまうんではないかということを肝に銘じて、食糧部会も、それからご担当の農林水産省の皆様も対応していただければというふうに感じた次第でございます。
消費者、需要の内容というのは私は非常に多様になっているんではないかなと思っております。基本計画を作っている過程で、そして基本法の改正をする過程で、食料安全保障の在り方というのを非常に大きく変更いたしました。その時にマクロの食料安全保障だけではなくて、国民一人一人の食料安全保障、ミクロな視点での食料供給というものをちゃんと考えていこうという大事なメッセージが発信されたところでございます。
多様な消費者に対してお米をちゃんと届けていくような、そういう体制が作られるということは大事です。私は多様な消費者に対応するような方針を示すことが、逆にこれは需要を作り出していくんだろうと思います。需要に応じた生産と申し上げますが、需要はこれは作るものであると思いますので、そこら辺も検討していただきながら、この基本指針の運営というのを考えていければと思った次第です。
最後、ちょっと余計なことを申し上げたかもしれませんが、以上、私のご発言とさせていただきます。
それで、お時間がございませんので、もしこれはというところがあればコメントをお願いしますが、よろしくお願いいたします。 - 国枝企画課長
ご発言ありました統計の把握については、別の資料でお示ししておるような見直しを進めていきたいとも考えておりますので、またご意見をお願いします。
業界とのご意見交換、是非やっていきたいと思います。
今回備蓄や流通把握についてテーマを設けさせていただいたように、農村の把握でありますとか、他の様々なテーマについても意見交換をこの場でやろうというご意見も頂きました。諮問・答申だけではなくて、そういう機会としても食糧部会の場を活用させていただきたいと考えております。
それから価格について、コスト費用というのを今検討しておりますので、これについてもお示しをするようにさせていただきたいと思います。
大変手短ですみません。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。
それでは、皆様から頂いた意見をまとめまして、さらに、今後の検証に向けて事務局において検討していただくということとして、本部会といたしましては、本日、農林水産大臣から諮問のありました米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更案については適当と認めてよいと考えておりますが、いかがでございましょうか。
(異議なし) - 中嶋部会長
ありがとうございます。それでは、異議なしと認めます。
なお、農林水産大臣への答申につきましては書面にて行うことになっておりますが、その文面につきましては私にご一任願いたいと存じますが、よろしいでしょうか。
(異議なし) - 中嶋部会長
ありがとうございます。
それでは、予定の時間の4分前ぐらいになってしまったんですが、最後に議事(2)につきまして少しだけお時間を頂ければと思います。
米の流通実態の把握と米の備蓄政策についてでございます。
それで、事務方からご説明をと思ったんですが、時間がございませんので、もう既に事前に委員の皆様はお話を伺っているということを前提にいたしまして、ここでもしご意見のある方がいらっしゃいましたらご発言いただきたいと思います。
ただ、私、先ほど伺っておりますと、流通実態の把握、それから備蓄政策に関しては既にご意見を頂いた方もいらっしゃいます。その時に触れなかったという委員の方がいらっしゃれば、その方を優先してご指名をしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
それでは、山﨑元裕委員。 - 山﨑(元)委員
ありがとうございます。全米販、山﨑でございます。
簡潔に申し上げますと、流通実態の変化は確実に進んでいるところでございまして、これまでも農林水産省で公表されている、あるいは調査に基づいて公表されている数字がございますが、調査で捕捉されている米穀の流通の割合が米サプライチェーン全体の中で狭まってきているというふうに感じています。なので、調査のカバー対象を広げ、調査数値の精度を高めていただきたい、そのように感じています。
それから、これは繰り返しになりますが、丁寧なご説明、ありがたいんですけれども、簡潔に要点が分かりやすい資料等を作っていただけると、とても助かるなと思っています。
もう一点だけ、次のステップになってしまいますが、備蓄米なんですが、備蓄米の制度の運用見直しのご検討をお願いしたいと思っています。政府備蓄米の販売先はいかようにあるべきなのか、買戻し条件は必要なのか、備蓄米放出のトリガー、これはどうあるべきなのか、価格介入を目的として運用してよいのか否か、このような事項を検討して立て直していただく必要を感じています。また、その際には、先ほど来お話ししましたけれども、米流通業者、また小売の業界や業務用の業界の皆様も検討の場に加えていただくようお願いしたいなと思っておるところです。
以上です。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。
少しだけ延長したいと存じますが、ご都合のある方は途中で退席していただいても結構でございますので、それを踏まえて進めさせていただきたいと思います。
ほかにご発言したい方はいらっしゃいますでしょうか。
それでは、藤間委員お願いいたします。 - 藤間委員
先ほどもありましたが、今回の流通実態の把握は、大口の集荷・卸売業者だけに限られており、今般もJAグループのみ概算金の報告が求められ、報告をしております。一方で資料の14ページ目にありますように、集荷業者以外の業者、こちらの方も大半を占めておりますので、そちらもしっかりと調査を頂いて、その実効性を高めていっていただきたいというのが1点です。備蓄制度については、食料安全保障の強化において非常に重要なものだと考えてございますので、制度全体を強化していただければと思います。
以上です。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
それでは、長部委員からこちらの事項についてもご意見書を頂いておりますので、事務局からご紹介いただければと思います。 - 国枝企画課長
長部委員から、備蓄米につきましては酒米、焼酎などについて特段の配慮を頂き、感謝している。
今5年のサイクルですが、3年に短縮する案も検討できるのではないか。
それから、備蓄米、31万トン放出しておりますけれども、買入れ、買戻し、どのようにして進めていくのか。山﨑委員と同じような意見でございました。
流通実態の把握につきましては、今届出制になっておりますけれども、主食である米の取扱いの重要性から、より責任を持った制度、仕組も必要ではないかというご意見でありました。
以上です。 - 中嶋部会長
ありがとうございました。
改めてご確認させていただきますが、どなたか発言される方はいらっしゃいますか。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。ちょっと私の進行が悪く、最後はばたばたになってしまったことをおわびいたします。
今非常に重要なご意見を頂戴いたしました。このご意見につきましては、今後、事務局においてしっかりご検討いただければというふうに思っております。
それでは、本日の議事につきましては、これで終了いたしました。
では、進行は事務局にお返ししたいと思います。本日はどうもありがとうございました。 - 国枝企画課長
ありがとうございました。ちょっと私もしゃべり過ぎました。すみませんでした。
それでは、以上をもちまして本日の食糧部会、終了いたします。長時間にわたり、ありがとうございました。
午後5時02分 閉会
お問合せ先
農産局農産政策部企画課
代表:03-3502-8111(内線4971)
ダイヤルイン:03-6738-8961




