令和7年度第1回(令和7年9月10日)議事録
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日時及び場所
令和7年9月10日(水曜日)9:00~12:20
農林水産省 第2特別会議室
出席者
委 員:小針委員(部会長)、宮島委員(Web参加)
臨時委員:新井委員(Web参加)、鯨本委員、中宮委員、松田委員、矢野委員(Web参加)
専門委員:有田委員、有馬委員、石栗委員、小椋委員、小山委員、島尻委員、嵩原委員(Web参加)、田中委員、松谷委員(Web参加)、森本委員
オブザーバー:高橋様、松島様
農林水産省:山口農産局長、山口農産政策部長、参鍋地域作物課長、末口砂糖類調整官、地域作物課課長補佐(伊藤、松下、板橋、梅島、飯塚、阿部)
議事
(第1部)
砂糖及びでん粉をめぐる現状と課題について
令和7砂糖年度に係る砂糖調整基準価格(案)及び令和7でん粉年度に係るでん粉調整基準価格(案)について
糖価調整制度の持続的な運営を図るための取組について
(第2部)
関税・外国為替等審議会の答申への対応について
概要
参鍋課長:皆様、おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会甘味資源部会を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙中にもかかわらず御参加を頂きまして、誠にありがとうございます。私は本部会の事務局を務めております農産局地域作物課長の参鍋でございます。
まず最初に、本日の開催方式ですが、本日は議事が大きく二つに分かれることから、2部制での開催とさせていただきます。
本日はオンライン併用での開催とさせていただいておりまして、5名の委員の方がオンラインでの参加となっております。参加委員は宮島委員、新井臨時委員、矢野臨時委員、嵩原専門委員、松谷専門委員の各位でございます。
なお、甘味資源部会の臨時・専門委員につきまして改選がございまして、今回の甘味資源部会から新たに鯨本臨時委員、石栗専門委員、小山専門委員に御出席いただいておりますので、御紹介をさせていただきます。
また、本日は里井臨時委員が御欠席となっておりますが、専門委員を除きまして、審議会委員及び臨時委員7名に御出席いただいておりますので、食料・農業・農村政策審議会令第8条第3項において準用されます、同条第1項に規定する本部会の開催に必要な定足数を満たしておりますことを御報告申し上げます。
なお、本部会は公開とされております。資料、議事録につきましても全て公開することとされておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、開会に当たりまして、農産局長の山口から御挨拶を申し上げます。
山口農産局長:皆さん、おはようございます。ただいま御紹介あずかりました農産局長の山口でございます。食料・農業・農村政策審議会甘味資源部会の開催に当たりまして、一言、御挨拶申し上げます。
まず、委員の皆様におかれましては、御多忙のところ本日の甘味資源部会に御出席を賜り、厚く御礼申し上げます。また、本年は高温・大雨などの異常災害ですとか、あるいは様々な原料・資材の価格の高騰が続く中、関係者の皆様におかれましては、厳しい事業環境において砂糖・でん粉の安定供給に御尽力を賜っておりますこと、改めて御礼申し上げます。
本年4月、新たな食料・農業・農村基本法に基づく初の食料・農業・農村基本計画が策定されました。この計画におきましては、砂糖・でん粉が食料安全保障上重要な物資であり、その安定供給は極めて重要であることを踏まえまして、糖価調整制度の持続可能性の向上に取り組むこととされております。
この糖価調整制度についての足元の状況を申し上げますと、砂糖につきましては、近年の国際的な糖価の高騰や円安の進行により、砂糖勘定の収支が急速に悪化する中、制度関係者の御理解と御協力の下、収支両面からの収支改善の取組が行われることで、制度の持続的な安定運営を通じた砂糖の安定供給が図られております。
また、でん粉につきましても、その原料となるかんしょやばれいしょが国内の需要に対して十分に供給できていない状況にある中、病害虫対策の徹底のほか、農作業受委託の推進、品種転換、省力化機械の導入などにより、生産性の向上を通じて国内生産の維持・拡大に努めていただいているところでございます。 本日の部会におきましては、このような状況を踏まえまして、令和7砂糖・でん粉年度における調整基準価格等につきまして、御議論の上、御答申を頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。
委員の皆様におかれましては、それぞれの立場からどうぞ忌憚のない御意見を賜りますようお願いを申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。本日はよろしくお願いいたします。
参鍋課長:カメラの撮影はここまでとなります。以降、撮影は御遠慮ください。
それでは、第1部の議事に入りたいと思います。
小針部会長、よろしくお願いいたします。
小針部会長:おはようございます。それでは、ここから私が議事を進行させていただきます。
本日の第1部では、輸入粗糖などから徴収する調整金の水準を算定する基準となる砂糖及びでん粉の調整基準価格について、農林水産大臣から食料・農業・農村政策審議会に諮問がありましたので、このことと、令和4年12月に決定した「持続的なてん菜生産に向けた今後の対応について」における令和8砂糖年度までの交付対象数量及び指標面積に係る検証等について、併せて御意見を伺います。
なお、諮問内容については、委員の皆様方からの御意見、御質問を頂戴した上で、最後に議決を採らせていただきます。本日の審議を踏まえた当部会における議決は、規定により食料・農業・農村政策審議会の議決とみなされることとなります。
それでは、まず諮問の前に、砂糖及びでん粉をめぐる状況、糖価調整制度の持続的な運用を図るための取組につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
参鍋課長:資料について御説明をいたします。
まず、資料1-1、砂糖・でん粉をめぐる状況の資料を御覧ください。
まず、1ページ目からまいります。
我が国における砂糖の供給は、近年、輸入原料糖が100万トン前後、国産糖が60万トンから70万トン前後で推移しております。このうち国際糖価や為替の影響を受ける輸入原料糖の価格は、直近では下落傾向にあるものの、依然高い水準です。また、砂糖の消費量については、足元、緩やかな回復がありましたものの、長期的には減少トレンドとなっております。
2ページ目、さとうきび・てん菜の位置付けです。
さとうきびは、鹿児島県南西諸島や沖縄県における基幹作物、てん菜は北海道畑作の輪作体系を構成する重要な作物であり、砂糖製造業などの関連産業と相まって、地域の雇用・経済を支えております。
3ページ目からはさとうきびについてになります。
収穫面積はここ数年約2万3,000ヘクタール程度、生産量は120万トンから130万トン前後で推移しております。令和6年産の生産量は、順調な生育を受けて約140万トンとなりました。また、1戸当たりの収穫面積については、微増傾向となっております。
4ページ目にまいります。
さとうきびの生産費は、作業委託の進展などで物財費は増加傾向、機械収穫への移行などにより労働費は減少傾向にあり、全体としては横ばいないし減少の傾向にあります。作業受託組織の育成・強化や、土作り、適期の株出し管理などの適切な栽培管理が課題となっております。
5ページ目にまいります。
こうした中で、適期作業の実施、作付面積の拡大に向けて、生産性向上に向けた取組が進展しております。こちらのページ、具体例を紹介させていただいておりますが、ビレットプランタを用いた植付けの拡大、スマート農業技術の活用、あるいは株出し栽培に適した品種の開発・普及などが行われているところです。
6ページ目にまいります。
甘しゃ糖工場につきましては、工場の老朽化に伴う施設更新や人件費等の増加により、製造コストは全体として上昇傾向にありますが、コスト低減のために設備の集中管理など、労働生産性の向上の取組を進めております。令和6年産は前年産を下回るキロ当たり107円の見込みとなっております。
7ページ目からはてん菜についてでございます。
令和6年産てん菜は作付面積が約4万8,900ヘクタールと、前年から減少したものの、単収は平年を大きく上回りました。本年産の作付面積は約1,000ヘクタール減少した4万8,000ヘクタール程度というふうにお聞きをしております。
8ページ目にまいります。てん菜の生産の状況でございます。
てん菜の作付規模が拡大傾向にある中で、直播栽培は令和6年で50%まで普及をしております。生産費については、直播栽培の普及等により労働費は減少傾向、一方で、昨今の資材費の高騰もあり、物財費は増加傾向にあり、全体では増加の傾向にございます。
9ページ目にまいります。
労働負担が大きく、生産コストの高いてん菜については、省力機械の導入や作業の外部化・共同化、化学肥料低減などの省力化、コスト低減の取組を推進しております。そのほか効果的な褐斑病対策の検証などの取組も行われているところです。
10ページ目、てん菜糖工場の状況にまいります。
令和6年産のてん菜糖の製造コストはキロ当たり88円の見込みとなり、人件費や輸送費の増加により全体としては上昇傾向にありますが、低糖分の原料により大きく上昇した令和5年産と比べると減少する見込みでございます。
11ページ目、資料のとおり、精製糖工場の分布と精製糖工場の再編合理化による経営体質の強化の状況を紹介しております。
12ページ目にまいります。砂糖の需要拡大に向けた取組でございます。
平成30年から職員がSNSなどで砂糖に関する情報発信等を行う「ありが糖運動」を展開しておりまして、本日御出席の中宮委員にもアンバサダーになっていただくなど、関係の皆様と連携して取り組んでおりまして、本年3月には公募により公式マスコットキャラクター「かんみぃ」を決定するなど、継続して取組を行っております。
また、左に写真がありますとおり、先月上旬のこども霞が関見学デーにおいて、親子参加型の綿菓子作り体験や砂糖・でん粉のクイズなどのほか、「かんみぃ」の出演もございまして、2日間の来場者数は全体の約4割に相当する約2,400名を記録するなど、多くの方に砂糖・でん粉に関する知識、これらに触れていただく機会を設けることができました。御協力を頂きました関係者の皆様には、この場をお借りして改めてお礼を申し上げます。
以上が砂糖の関連になります。
続きまして、でん粉についてです。
13ページからですが、でん粉についてはその需要の約7割が糖化製品、そのうち異性化糖は約半分を占めております。また、供給につきましては、86%がコーンスターチ、とうもろこしによるもので、国産いもでん粉の占める割合は7%程度となっております。
14ページ目にまいります。でん粉原料用ばれいしょ・かんしょの位置付けです。
かんしょは鹿児島県、宮崎県を中心に代替の困難な基幹作物であり、でん粉原料用は約9割以上が鹿児島県での生産です。また、ばれいしょは北海道の輪作体系を維持する重要な作物で、でん粉原料用は全量、北海道での生産です。これらはでん粉製造業と相まって、地域の雇用・経済を支えております。
15ページ目にまいります。
でん粉原料用かんしょの作付面積は、農家戸数の減少などにより減少傾向、単収もサツマイモ基腐病の影響で落ち込んでいるところです。また、生産費は、特に平成30年以降、基腐病対策に必要な種苗費や薬剤費等の物財費が増加し、全体も増加の傾向にございます。
16ページ目にまいります。
今申し上げたサツマイモ基腐病についてですが、これまで防除技術の普及や抵抗性品種の開発・普及などを進めてまいりました。こうした対策の効果もありまして、近年発生率は減少しておりまして、7年産の発生状況は現時点では前年と同程度又はそれ以下と聞いておりますが、引き続き注視が必要な状況と認識をしております。
17ページ目にまいります。
こうした状況の中ででん粉原料用かんしょの確保に向けまして、健全種苗の利用や多収性品種の導入、労働負荷軽減の取組などに対して支援を行うことで、その安定生産を図っているところでございます。 18ページ目にまいります。
かんしょでん粉の生産量は足元では1万トン程度となっており、操業率が減少傾向、こうした中で工場再編の取組を進められており、現在14工場の体制となっております。
19ページ目からでん粉原料用ばれいしょについてです。
生産の動向についてですが、近年、作付面積あるいは生産量が減少傾向にある中、令和6年産のでん粉製造量は、直近5年で見ますと最も高い水準となる見込みでございます。一方、生産費は、近年の肥料費高騰などの物価上昇により増加傾向にあります。
20ページ目にまいります。
ばれいしょの安定生産に支障を来す病害虫、ジャガイモシストセンチュウについてですが、品種転換による対策が進められておりまして、でん粉原料用品種については令和4年度までに抵抗性品種、コナヒメなどへの転換、これがほぼ完了をしております。一方で、生食用・加工用も含めた全体の作付面積割合は、主産地の北海道において58.9%にとどまっておりまして、引き続きその導入が必要と考えております。 21ページ目、種子用ばれいしょの安定供給です。
植物防疫法に基づく、検査に合格したもののみが流通する種ばれいしょが、労働負担が大きく、高齢化も進んで生産者数が減少する中で、病害虫のまん延防止の観点からほ場の確保が困難となっており、作付面積も減少しているところです。このため、AIを用いた病株の検出技術などの開発を推進するなど、生産の省力化による安定供給に向けた取組が行われているところです。
22ページ目にまいります。ばれいしょ生産の省力化関係です。
労働力負担の軽減がばれいしょ生産において課題になっているところですけれども、例えば収穫と倉庫前での集中選別を組み合わせた作業体系の改善など、省力化を推進しているところです。
23ページ目にまいります。
ばれいしょでん粉は、生産量が減少する中で片栗粉用あるいは加工食品用など、その特徴を生かした用途の販売拡大・安定化に向けられた取組が進められております。また、ばれいしょでん粉工場についても再編合理化の取組が進められておりまして、現在は14工場の体制となっております。
最後、24ページ目になります。
昨年の甘味資源部会で委員からの御指摘がありましたことも踏まえ、異性化糖工場の状況について、精製糖工場と同様に、工場の分布と共に工場の再編合理化による経営体質強化等の状況をまとめたものを掲載させております。記載のとおり、異性化糖業界でも経営体質の強化が推進されている状況です。
以上が砂糖・でん粉をめぐる状況についての説明でございます。
引き続き、資料1-2に基づきまして、糖価調整制度の持続的な運営を図るための取組について御説明をいたします。
1ページ目を御覧ください。制度の全体像となります。
糖価調整制度は、この砂糖の事例でございますけれども、輸入精製糖に高い水準の関税・調整金を課しながら、粗糖を輸入する精製糖企業から調整金を頂くことで、輸入粗糖の価格を引き上げるとともに、この調整金を財源として、甘味資源作物の生産者や国内産糖の製造事業者に対し交付金を交付することで、国内産糖の価格を引き上げて価格調整を行うものです。
2ページ目にまいります。
図のとおり、この砂糖・でん粉の調整金は、調整基準価格と平均輸入価格の差に調整率を乗じて単価が決まっており、これらの各指標のうち、調整基準価格について本日御審議を頂くところでございます。
3ページ目にまいります。
ALICの砂糖勘定の状況について、表のとおり引き続き厳しい状況となっております。令和6砂糖年度におきましても、国際糖価の高止まりあるいは円安の影響などにより、調整金収入と交付金支出の差は約19億円の見込みです。ただし、令和6年度補正予算における60億円の国費投入により、累積差損は598億円となる見込みでございます。
4ページ目、持続的なてん菜生産に向けた今後の対応についてです。
本制度の安定運営、砂糖の安定供給のため、これまでも関係者の御理解と御協力の下で収支改善の各般の取組を行ってまいりました。てん菜については、持続的なてん菜生産を図るため、令和4年12月、「持続的なてん菜生産に向けた今後の対応について」を決定したところです。これにより、てん菜の交付対象数量を令和8砂糖年度に55万トンとすることとしており、交付対象数量等について毎年この甘味資源部会において検証を行うこととしております。
5ページ目、ただいま申し上げた検証に関し、各項目の状況をお示しいたします。
検証については、調整金収支の状況、砂糖需給の動向、てん菜の生産状況、てん菜糖業の経営状況といった四つの観点から行ってきております。調整金収支については、令和6砂糖年度で累積差損が598億円の見込みと相当厳しい状況に変わりはなく、また砂糖需給の動向についても近年緩やかに足元で回復しているものの、コロナ前と比較すると大きく減少をしている状況です。また、てん菜の生産状況について、令和7年産の作付面積は約4万8,000ヘクタールとなり、交付対象数量を面積換算した本年産指標面積の5万500ヘクタールを下回る見込みです。一方で、糖業の経営を圧迫していたてん菜等の在庫については、8.9万トンと適正水準になっているとの報告をお聞きしております。
以上のような状況を踏まえると、引き続き令和4年12月に決定をいたしましたてん菜方針に沿って、関係者の御協力を頂きながら、令和7砂糖年度の交付対象数量も、達成に向けて取り組むことが必要と考えております。
以降は、制度の安定運営を図るための各般の取組でございます。
6ページ目ですけれども、これは加糖調製品からの調整金の徴収でございます。
平成30年以降、この加糖調製品を調整金の徴収対象に位置付け、調整金を砂糖価格の引下げなどによる国産の砂糖の競争力強化に活用してきました。第2部でも御議論いただく予定ですけれども、引き続き加糖調製品の輸入状況等を踏まえ、CPTPPのステージングに合わせた暫定税率の引下げによる砂糖の競争力強化の検討が必要と考えております。
7ページ目は、異性化糖の調整金に係る運用見直しでございます。
令和6年4月から異性化糖の換算係数について見直しを実施し、13年ぶりに調整金が発生したところであり、引き続き適正に算定を行ってまいります。
8ページ目です。これまで申し上げた取組のまとめになりますけれども、砂糖の安定供給の確保のためには、国内の甘味資源作物の生産や、国内産糖の製造事業者を支える糖価調整制度を堅持する必要があると考えております。このため、制度の関係者の方の理解と協力の下に、てん菜方針の決定や加糖調製品からの調整金徴収の開始、異性化糖の運用見直し、関連指標の適切な設定を行ってきておりますが、引き続き国産の砂糖が効率的・安定的に供給される環境を作り、制度について国民の支持を得ていくためにも、全ての関係者の不断の努力というものが必要となると認識をしております。
最後のページ、でん粉勘定についてです。
でん粉勘定については、令和6でん粉年度の単年度収支はほぼ均衡しているものの、累積の赤字は4億円程度となる見込みです。
以上が糖価調整制度の安定的な運営を図るための取組についての説明でございます。
小針部会長:ありがとうございました。
本日付けで農林水産大臣から食料・農業・農村政策審議会に諮問がございますので、事務局から諮問文を読み上げていただき、資料の説明も併せてお願いいたします。
参鍋課長:諮問文を読み上げさせていただきます。御手元の資料1-3でございます。
農林水産大臣発、食料・農業・農村政策審議会、大橋会長宛てとなります。
諮問。
砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律第3条第3項の規定に基づき、令和7砂糖年度に係る砂糖調整基準価格及び令和7でん粉年度に係るでん粉調整基準価格について、貴審議会の意見を求める。
続きまして、資料1-4、令和7砂糖年度に係る砂糖調整基準価格(案)及び令和7でん粉年度に係るでん粉調整基準価格(案)について御説明をいたします。
1ページ、おめくりください。
砂糖調整基準価格、でん粉調整基準価格につきましては、輸入品・国産品の価格調整を行う基準となるものです。具体的には、特に効率的な原料作物の生産費に特に効率的な製品の製造経費を加えた額を基礎として算定をしております。砂糖については甘しゃ糖、てん菜糖についてそれぞれ算出した上で、供給量の割合によって加重平均し、一本価格として調整基準価格を算定しております。また、でん粉の調整基準価格についても同様に、かんしょでん粉とばれいしょでん粉の効率的なコストをそれぞれ算出いたしまして、加重平均して算定をいたします。
続きまして、2ページ目を御覧ください。具体的な価格の水準となります。
砂糖調整基準価格につきましては、前年度の製品トン当たり15万3,200円となっております。これは、てん菜糖の効率的な製造経費については、輸送費・人件費の上昇により増加、甘しゃ糖の効率的な製造経費についてはほぼ横ばいであるところ、褐斑病被害からの回復動向も踏まえ、相対的に製造経費の低いてん菜糖の供給数量割合が増加していることを勘案して定めたものです。
一方で、でん粉の調整基準価格については、前年から5,590円増加の製品トン当たり18万7,830円でございます。これは、ばれいしょでん粉については、燃料費や輸送費の増加に伴う製造販売経費の増加、かんしょでん粉については、サツマイモ基腐病まん延に伴う操業度の低下による製造経費の増加と同病病害対策に係る物財費の増加などを勘案して定めたものでございます。
諮問内容は以上でございます。
小針部会長:ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明を踏まえ、委員の皆様方の御意見を順にお伺いしたいと思います。まず、会場にお越しの委員、向かって右側の森本委員からお席の順に御発言を頂きました後、オンライン参加の委員の方については、委員名簿の順に御意見をお伺いすることといたします。
それでは、森本委員、お願いいたします。
森本委員:精糖工業会会長、森本でございます。
それでは、結論をまず申し上げます。諮問されました令和7砂糖年度の砂糖調整基準価格については、15万3,200円/製品トンということで異存はございません。
時間がない中ではございますが、危機水準にある制度の財政基盤や調整金負担の在り方に関することですので、御了承を頂きたいと思います。
まず、制度と財政基盤の現状ですが、糖価調整制度の財政基盤である農畜産業振興機構、ALICの砂糖勘定の累積債務は、昨年の甘味資源部会の時と比較すると令和6砂糖年度末で598億円の見込みとほぼ同水準で、借入限度額800億円を超えかねない危険水準にあることは変わりはございません。しかしながら、ただいまの御説明を伺った限りでは、残念ながら1年間たっても制度の公平・公正な運用見直しには踏み込まれておられません。すなわち、農水省は今年度も昨年度同様に、補正予算の緊急対策交付金60億円のような措置を実施されるということでしょうか。
まず、その制度の危機を招きました理由ですが、農水省が近年、ALICの砂糖勘定の累積赤字の拡大を食い止めるために様々な政策を講じてきており、そのことは精糖工業会としても評価しております。令和4年12月に決定されたてん菜糖の交付対象数量を段階的に削減する「てん菜方針」は、精糖工業会としても「国内産糖と輸入糖の供給アンバランス」を解消するために強く要求してきたものですが、糖価調整制度を所管する農水省からすれば、また北海道の生産者も、需要のある作物への転作等で作付面積は減少され、協力されたということも苦渋の選択であったのではないかと思われます。
糖価調整制度は、国家の重要品目である甘味資源作物、すなわち沖縄・鹿児島南西諸島のさとうきびや北海道のてん菜ですが、このような甘味資源作物の支援や国内産糖企業の振興、そして食料安全保障、国家防衛や離島振興という観点から「国策」として設けられているもので、国内産糖の交付対象数量やその前提となるてん菜の作付面積の削減は対極に位置しています。なぜ農水省はこのような選択をせざるを得なくなったのか、それは、輸入糖だけに過度な負担を課すことにより、その結果として相対的に価格競争力を増した異性化糖への代替を促進して、砂糖消費の更なる減少を招く「負のスパイラル」を加速させたからです。
結果、中長期的には制度の財政基盤を毀損させることになりました。異性化糖が砂糖と同じカロリーを有した甘味料であるならば、長期的に見て砂糖と同様に消費量は減少したはずですが、実際には砂糖の消費量が過去35年間で約260万トン超から約180万トンまで減少する中、制度の財政基盤を支えている輸入糖は、約170万トンから約100万トンまで減少しております。一方、調整金負担をほとんど負担してこなかった異性化糖は、約80万トンを維持しております。結果として、糖価調整制度は今回を含め、3度目の崩壊の危機を招くような恒常的な財源不足の構造になっております。
次に、累積赤字の解消策ですが、糖価調整制度に必要な財源である調整金を徴収する仕組みにおいて、その対象である輸入糖、異性化糖、加糖調製品の間で、異性化糖の調整金負担は他の対象商品と比べて極めて低く、著しくバランスを欠いております。過去35年の合計で輸入糖の調整金額1兆6,720億円に対し、異性化糖の調整金額は1,090億円と、極めてアンバランスで不公正です。輸入糖と異性化糖の調整金が公正な水準に是正され、国内産砂糖が異性化糖と公平な競争ができるよう、適切な調整金を迅速に徴収することを求めます。これによって糖価調整制度に必要な安定的な財源や、精製糖業界と異性化糖業界との公平・公正な競争の場が確保されます。
糖価調整制度は砂糖とでん粉の価格調整に関する制度が盛り込まれておりますが、資料1-2のページ3、ページ9で御説明がありましたように、ALICの砂糖勘定は調整金負担に加え、国費約100億円を投入しても甘味資源作物や国内砂糖業に対する巨額の累積赤字となる一方で、でん粉勘定は調整金収入だけで単年度収支が均衡しており、累積赤字もないような状況です。
このような状況下、化学合成物である高甘味度甘味料を除く甘味市場における輸入糖、異性化糖、加糖調製品は、令和5砂糖年度を例に取りますと、砂糖換算の数量でのシェアは、それぞれ輸入糖53、異性化糖35、加糖調製品が12のパーセンテージになりますが、調整金負担の割合は輸入糖58%、異性化糖は僅か4%、加糖調製品38%となっており、異性化糖の負担が極めて少ないことは数字でも明らかであります。また、スターチ糖化業界では二重の調整金負担を負っていると主張される方もあるようですが、甘味とでん粉の市場は全く別物であり、異性化糖として甘味市場に参入している以上、甘味資源作物や国内産糖の支援に対する調整金を負担することが当然のことと考えております。加えて、異性化糖産業は、主製品のコーンスターチやコーンオイル、水あめ、飼料用のミールやフィードなど、多数の副産物を併せて生産しており、精製糖業と比べて固定費負担が軽いと思われます。
特に令和6年4月から異性化糖調整金の運用見直しによる調整金徴収の再開がなされました。これ自体は一歩前進と評価しておりますが、いわゆる激変緩和措置を導入してしまったことで、加えて国際糖価が下がったことにより、輸入糖と異性化糖の調整金単価の格差は、異性化糖調整金の運用見直し前の約8,500円/トンから、令和7年7~9月期においては約1万8,000円/トンと、むしろ拡大しております。1年以上経過してもこのような激変緩和措置を継続することは、得べかりし財源を逸失することになり、制度の大義に反するものとして、直ちに廃止することを求めます。仮に農水省は異性化糖業界への保護措置としてこれを継続するのであれば、異性化糖からの調整金収入の逸失分を国費で別途負担すべきではないでしょうか。
所管官庁である農水省は、糖価調整制度は甘味資源作物の農業者及び国内産糖業を支援するために設けられた制度であるという大義、原点に立ち返って、精製糖業と異性化糖業との民間企業間の公平・公正な競争環境をゆがめることのないよう、制度の適正な運用に努めていただくことを求めます。また、異性化糖業界に対しては、同じ制度にある一員として自らの責任を果たしていただきたいということを強く期待します。
最後に、我々精製糖業界は、糖価調整制度の重要性を十分に認識し、系列を超えた合従連衡とそれに伴う精製糖工場の閉鎖等の大胆な設備の廃棄を繰り返しながら、多額の調整金負担等を通じて、その使命と責任を果たしてまいりました。自負を持って今後も継続していく覚悟の下で、農水省に対して制度運営の改善を求めています。現在のような制度の「不公平・不公正」が放置されれば、「負のスパイラル」から「自己崩壊的なループ」に陥るのではないかと危惧しております。民間企業である以上、我々の負担にも限界があり、近い将来、沖縄・鹿児島の甘しゃ糖業を支え切れなくなることも想定されます。
また、現在てん菜方針のその後について検討がなされておりますが、てん菜糖の交付対象数量やてん菜の作付面積の設定に当たっては、その裏付けとなる財政基盤の確保が前提であるというのが精糖工業会としての立場です。制度の運営責任者である農水省当局には、制度の「公平性・公正性」が担保される中で、甘味に関わる関係者全体の「自助」・「共助」が十二分に発揮されるよう対応するとともに、それでも足らざれば、「公助」により政府の責任で国費を拡充していただくことを強く求めます。食料安全保障の視点からも、我が国の農業を特定の業界に偏ることなく、オールジャパンで支えていく体制を早急に構築されることを期待します。
本日述べた以外にも重要な要請事項はございますが、7月16日付けで農林水産大臣宛てに要請書を提出しておりますので、これで終わりといたします。
以上です。
小針部会長:ありがとうございました。
それでは、続きまして田中委員、お願いいたします。
田中委員:私、日本甘蔗糖工業会の田中でございます。
先ほど農林水産省から御説明のありました令和7年度砂糖調整基準価格につきましては、異存ありません。国内甘味資源を支える糖価調整制度の令和6砂糖年度の単年度収支は黒字となりましたが、累積赤字がまだ598億円もあり、製糖会社としても危機感を抱いております。さとうきび産業においても、産業全体の効率化を更に推し進めていかなければならないと強く感じております。
発言の機会を頂きましたので、鹿児島県南西諸島におけるさとうきび産業の課題についてお話をさせていただきます。
離島にとりまして農業産出額の3割を占めるさとうきびは、なくてはならない基幹作物であり基幹産業でありますことは、御理解いただいていると思います。その基幹作物であります鹿児島のさとうきび生産状況を見ますと、15年前と比較しますと、生産農家戸数は33%減少、収穫量も20%減少していますが、1農家当たりの収穫面積は1.1ヘクタールから1.5ヘクタールまで増加しています。これは、1農家当たりの収穫面積、いわゆる管理するほ場面積が増加することで、適期植付け・適期管理や地力向上に向けた取組が行き届かず、単収を落としているものと考えており、危機感を持っています。
製糖工場は小さいながらも装置産業であり、現在のさとうきび収穫量以上ないと存続ができません。また、関連産業であるさとうきびや産糖製品や糖蜜を運ぶ陸運会社や農作業を担っている会社も、現在のさとうきび収穫量以上ないと存続が難しい状況であります。それでは製糖工場の集約によるさとうきびの減産対応や合理化ができないのかという話になりますが、離島であるがゆえにさとうきびの離島間輸送が困難であるため、それもかなわない現実であります。
生産農家戸数の減少に歯止めを掛けることが困難な中、つまり労働力が減少していく中、さとうきび収穫量を現在以上に確保するためには、本年3月までに各地で策定した地域計画の確実な実行が重要であると考えています。農地の集積・集約により、ほ場を大区画化し、デッドスペースの削減による単収向上を目指し、併せて農作業の機械化、スマート農業の活用による少ない労働力で時短を可能にして、適期植付け・適期管理の実践による単収向上を目指していく必要があります。我々製糖会社も先頭に立ち、島の意識改革と時間軸を意識した地域計画の確実な実行に向け貢献していきます。
製糖工場も、島の人口の減少、生産年齢人口の減少により、人手不足が顕在化しております。季節従業員の確保や社員の確保が難しくなっておりますので、安定した操業を継続するためには、自動化・効率化の投資を続けていかなければなりません。今回の新基本計画実装・農業構造転換支援事業などの助成事業は、老朽化した工場設備の更新を含めた投資への後押しとなり、大変助かっております。生産年齢人口の減少は、関連業界である陸運会社や農作業を担っている会社にも大きな影響を及ぼしています。離島ではさとうきびに関連する業者の一つのピースでも欠けてしまいますと、産業全体が維持できなくなりますので、島全体の課題として我々製糖会社も貢献できればと考えています。
最後に、私ども製糖会社はさとうきびで離島の経済を支え、国民の食料自給に貢献するとともに、さとうきび栽培から始まるさとうきび運命共同体の一員として島全体で危機感を共有し、一層の効率化を皆様とともに推進してまいる所存でありますので、これまでと同様、島ごとのきめの細かな御支援をお願いいたします。
以上でございます。
小針部会長:ありがとうございました。
続きまして、島尻委員、お願いいたします。
島尻委員:こんにちは。日本分蜜糖工業会の島尻でございます。
本日の令和7砂糖年度の調整基準価格については、異存ございません。
沖縄県の令和6年・7年期のさとうきび生産状況については、生育初期の一部干ばつや台風もありましたものの、おおむね良好な天候に恵まれ、順調な生育となりました。特に南北大東の単収については30%から50%と大きく増加し、県全体では前年比で24.5%の増加となりました。分蜜糖向けさとうきびの生産量については、60万7,000トンから76万9,000トンと26.7%増加し、3年ぶりに70万トン台に回復しました。県全体の原料生産量についても前年に比して27.2%増の84万5,000トンと、昨年まで続いておりました減産傾向から一転して回復基調になっております。
原料の増加に伴いまして、前期は多くの工場が年内操業を開始し、1月上旬には全ての工場が製糖を開始した状況です。操業については、中盤まで天候も比較的良好で、原料搬入も順調に推移しておりましたけれども、終盤の天候、あるいは原料の増加に伴いまして操業期間が延長され、全工場の操業終了については4月以降となりました。
また、県外出荷しております糖蜜が糖蜜船の故障により輸送が滞る事態となり、工場内の貯蔵タンクにひっ迫が生じ、一部工場では操業の遅延などが発生しておりました。そのため各社はほ場への散布などの対策を講じたものの効果は限定的で、操業日数の延長に伴う人件費等の経費の増加が発生しました。今後の対応としまして、貯蔵体制やほ場散布の方法など、活用方法について検討してまいりたいと思っております。
一方、働き方改革については、時間外労働の縮減に対し、シフト体制を2直2交代制から3直2交代制又は3交代制へ移行し、正職員、季節工及び外国人材の活用について対応しております。なお、不足が生じておりました一部の工場においては、管理職の応援やシフトの調整で対応しております。今後、更なる人材確保が課題であり、職場のPRや大学・高校へのリクルート活動を強化し、安定的な人材確保に努めてまいります。
最後に、築60年を経過しております工場の老朽化については、年次計画に基づき、各種事業等の御支援を頂きながら進めております。昨年度新たに創設されました新基本計画実装・農業構造転換支援事業の活用に向けて現在取り組んでいる状況でございます。
製糖工場を取り巻く環境については、環境問題、老朽化の取組、働き方の改革への対応、物財費の高騰等により、依然として厳しい状況にあります。前期は増産による収支改善が期待されましたが、操業期間の延長に伴う人件費等の経費増加が大きく、結果として経営環境の好転までには至りませんでした。このような状況下で工場の安全・安心で安定した操業を維持し、生産農家の所得確保を図ることは、地域産業の持続的発展に重要であると認識しております。
今後も引き続き県・国・市町村等の御支援、御協力を頂き、計画的かつ着実に進めていけるよう取り組んでまいりますので、引き続き御指導、御支援のほどよろしくお願いいたします。
以上でございます。
小針部会長:ありがとうございました。
続きまして、小山委員、お願いいたします。
小山委員:日本スターチ・糖化工業会の小山でございます。
まず、本日示されました令和7砂糖年度の砂糖調整基準価格(案)及び令和7でん粉年度のでん粉調整基準価格(案)について、異存はございません。
特に我々工業会が深く関与させていただいておりますでん粉価格調整制度につきましては、近年、とうもろこしシカゴ相場の高止まりや円安の影響を受け、コーンスターチ用輸入とうもろこし価格が急上昇したことから、でん粉勘定の単年度収支が大幅な赤字となっておりましたが、最近になりようやく単年度収支も落ち着いてきたと認識しております。
また、農林水産省様の制度運営が適切に行われてきたことで、累積赤字の状況も低く抑えられていると認識しております。今後とも調整金収支の健全化と北海道及び南九州の国内産いもでん粉産地への適切な指導を継続していただき、円滑な制度運営をお願いしたいと存じます。我々でん粉業界としても、可能な限りでん粉制度の円滑な運営及び国内産いもでん粉の活用に協力してまいりたいと考えております。
次に、砂糖勘定周辺について少々意見を述べさせていただきたく存じます。
近年てん菜の作柄が良かったこと、また国際糖価の急上昇と円安の進行により調整金の単年度収支が急激に悪化し、累積赤字が増大していることから、何らかの対策を講じる必要があるとして、異性化糖については一昨年6月、農林水産省様より新たに異性化糖調整金の負担のための運用見直しについて御提案を頂きました。私ども工業会の中では農林水産省様の御提案について様々な意見がございましたが、糖価調整制度の持続的な運営が重要であるとの観点から、工業会としての見解を取りまとめ、御提案に応じるとの回答を差し上げまして、昨年4月より新たな運用方法の下、調整金負担が開始された次第であります。
しかしながら、砂糖勘定の収支改善がなかなか進まない中、一部では異性化糖に更なる負担を求める声もあるとお聞きしております。糖価調整法では、国産糖と輸入粗糖から精製される砂糖との価格を調整した上で、さらに国内で販売される砂糖と異性化糖の価格を調整し、国産糖、輸入粗糖から精製される砂糖及び異性化糖の価格競争力を同一の水準とすることで、砂糖と異性化糖のそれぞれの特徴に見合った需要が確保されると認識しております。
仮に異性化糖に対して糖価調整法の趣旨を超えた大きな調整金負担が求められた場合、異性化糖の販売価格が急激に上昇し、価格競争力を失うことで需要量が大きく減少することが予測されます。異性化糖は、コーンスターチ用輸入とうもろこしを原料として弊工業会会員が製造販売するコーンスターチ需要の4割を占めます、極めて重要な需要先であります。また、本日、農林水産省様から御説明いただきました資料1-1の最後のページにも記載がございますように、異性化糖は出荷量に応じて異性化糖調整金が課されておりますが、原料となる輸入とうもろこしに対してもでん粉調整金が課されてございます。
この異性化糖需要が大きく減少した場合、これに伴いコーンスターチ用とうもろこしの輸入量も減少し、でん粉調整金負担が増加することで、コーンスターチを原料とする異性化糖の製造販売コストが更に上昇して、異性化糖需要が更に減少するという、負のスパイラルを生じさせてしまうことが想定されます。私ども工業会会員が負担しておりますでん粉調整金は、でん粉勘定における調整金収入の94%を占めておりますので、危惧される状況が現実になった場合、いずれはでん粉価格調整制度の運営に必要な調整金収入が不足し、北海道畑輪作におけるばれいしょの作付面積やJA系9工場の操業の維持及び南九州畑作地域におけるかんしょの作付面積やかんしょでん粉工場の操業の維持に、マイナスの影響が生じてしまうと考えております。特に北海道畑輪作では、てん菜とともにばれいしょも輪作体系を構成する基幹的な輪作作物でありますので、農林水産省様におかれましては、砂糖勘定の収支改善対策がでん粉原料用ばれいしょの作付に影響を及ぼす可能性があることも御考慮を頂き、対策を検討いただきたいと考えております。
糖価調整制度に関してはおおむね以上になりますが、ここで国産でん粉に関し意見を述べさせていただきます。
私ども工業会の会員の中に、北海道に工場を持ち、長年北海道のばれいしょでん粉を主要原料として異性化糖を製造している会員がございます。北海道におけるばれいしょの作付面積が回復しない中、昨年度から全量供給が難しいというお話を頂いており、当会員としては、今後の北海道の工場の維持について、検討しなければならなくなっているというお話を伺っております。
仮に当会員の工場が撤退した場合、これを機に北海道を中心としたユーザー様の工場運営に多大な影響が及び、ひいては北海道経済への大きな負のインパクトが想定されますことから、工場を是非とも存続させたいとの意向と聞いておりますが、そのためにはどうしても北海道ばれいしょでん粉の安定的な供給が不可欠となります。ばれいしょについては、でん粉用原料だけではなく加工用も不足しているとお聞きしておりますので、北海道の生産者様におかれましては、是非ともばれいしょについて需要に対応した作付面積の拡大をお願い申し上げます。
既にお時間、十分頂戴しましたので、コーンスターチを取り巻く状況については、簡単に述べさせていただきます。
コーンスターチにつきましては、平成30でん粉年度には約230万トンの生産がございましたが、製紙、紙の方ですね、こちらの需要が減少傾向にあることや、コロナ禍に見舞われた直後、異性化糖の需要量が1割ほど減少し、まだ回復していないことから、令和6でん粉年度の生産見通しは約210万トンとなっており、平成30でん粉年度から約1割減少しております。
特にコーンスターチ需要の約4割を占めます異性化糖需要のうち、6割が清涼飲料などの飲料需要でございますので、どうしても天候に影響されます。また、基本的には気温が高くなる夏場に需要増となるのですが、暑過ぎる夏においては消費者様の外出機会が減少することから、逆に需要減少となってしまいます。今年の夏は順調なインバウンドの拡大を背景に需要拡大を期待しておりましたが、この数年暑過ぎる夏が続いている中、今年は更に昨年以上の酷暑となっており、需要も伸び悩んでおります。現状としましては、暑さも落ち着くであろう9月ないし10月からの需要回復を期待しているところでございます。 以上、意見とさせていただきます。お時間を頂戴し、ありがとうございました。
小針部会長:ありがとうございました。
続きまして、小椋委員、お願いいたします。
小椋委員:北海道農業協同組合中央会の小椋です。よろしくお願いいたします。
現在、てん菜とばれいしょ生産に関しまして、日頃より農水省の皆さんには大変お世話になっておりますことをまずもってお礼申し上げます。ありがとうございます。
先ほど提案ありました砂糖及びでん粉の調整基準価格、これについては異論はございません。
また、糖価調整制度、また砂糖勘定の収支改善に向けて、異性化糖調整金の運用見直しや指定糖調整率の制定、これを行っておられます。このことに関しても評価申し上げたいと思います。
その上で何点かお話をさせていただきますけれども、令和4年にてん菜対策が決定されてございます。その後、私も令和5年より本部会に参加しておりますが、てん菜対策の検証、これに関わる資料がほとんど変わっておりません。全くこの検証が一体本当にされているのかどうなのか、非常にこの点は不満を抱えているところであります。
また、てん菜対策決定以降でありますけれども、てん菜から他の作物の転換面積でありますけれども、既に7,000ヘクタール、これを超えてございます。また、本年は直播の割合も58%に達しておりますし、てん菜生産者は糖価調整制度の安定運営に向けて、十分に責任を果たしているところでございます。
しかしながら、砂糖勘定の収支悪化の原因はほかにあることは明らかでないでしょうか。この点は十分農水省の方で協議、検討、取り進めを願うところであります。
また、そのような状況の中でありますけれども、我々生産者は、将来の見通しを持って農業を展開していくためには、令和8年度の特例数量や令和9年度の交付対象数量の早期開示を再三求めてきているところでありますが、しかしながら一向にその方向性が示されない状況であります。
そういう中でありますけれども、北海道農業における持続的な輪作体系や地域経済を守っていくためには、てん菜、この生産が必要不可欠でありますし、先ほど資料にもありましたけれども、北海道農業には輪作が必要不可欠という説明もございました。この面も踏まえて、令和9年以降の交付対象数量、これらを速やかに農水省の方で提示いただきたいと思いますし、本年の4月に政府の方針として閣議決定されました食料・農業・農村基本計画、これに令和12年のてん菜の作付面積が5万ヘクタールと開示、設定をされてございます。これらを前提に、私たちとしましては今後のてん菜の作付、また指標についても取り進めをしていきたいというふうに考えているところであります。
次に、でん粉ばれいしょについてでありますけれども、ばれいしょでん粉についてもここ数年、道産ばれいしょでん粉の需要に供給が追い付いていない状況が続いております。ユーザーの皆様には大変御迷惑をお掛けしているところでありますし、私たちJA北海道グループとしても積極的な作付推進を図っているものの、高温・干ばつ等々によりまして生産が不安定になっていることもあり、令和7年度の作付は、昨年から320ヘクタール減少の1万3,487ヘクタールになっているところであります。
今後、安定的なばれいしょでん粉の供給を継続するためにも、引き続き生産振興に取り組む所存でありますけれども、そのためには何といっても種ばれいしょの生産が重要であります。近年、高温等々により原々種の萌芽不良、これが非常に多く発見される状況であります。何といっても種ばれいしょの元である原原種、これの生産振興、また安定的な原々種の生産を維持しなければ、ばれいしょでん粉の生産も追い付かないところであります。今後国においても、原々種の生産振興に向けた検討、また国からの支援等々も十分に今まで以上の御検討を頂きながら、このばれいしょでん粉の生産振興に向けた検討、また対応をよろしくお願いを申し上げまして、私からの意見に代えさせていただきます。よろしくお願いします。
小針部会長:ありがとうございました。
続きまして、石栗委員、お願いいたします。
石栗委員:今回から初めて出席させていただきました日本ビート糖業協会の石栗と申します。よろしくお願いいたします。
農林水産省を始め、関係者の皆様につきましては、てん菜及びてん菜糖に関しまして格別の御理解と御支援を賜っておりますことを、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
先ほど来御提案いただきました令和7年度に関わる砂糖調整基準価格及び糖価調整制度の持続的な運営を図るための取組等々につきましては、異存ございません。
この機会を頂きまして、てん菜糖業の現状について少しお話をさせていただきたいと思います。
まず、てん菜の作付及び整備状況ですけれども、本年のてん菜の作付面積は昨年に比べまして約900ヘクタール減の4万7,965ヘクタールとなりました。慢性的な生産者の高齢化及び労働力不足、更には肥料価格高騰、近年の温暖化による低糖分での収益低下等により、生産意欲が減退しておる状況にあります。本年も残念ながら令和8年の指標面積5万ヘクタールを大幅に下回る状況となっておりまして、北海道畑作農業における輪作体系の一翼を担い、地域経済への貢献に真摯に取り組んできた我々としても、大変憂慮すべき事態であるという具合に考えてございます。
本年産てん菜は、4月の断続的な降雨あるいは季節外れの降雪、雪ですね、などが影響しまして、春作業がやや遅れぎみで進みました。初期生育もちょっと若干遅れぎみ。ほ場間、地域格差が非常に大きかったということが特徴として挙げられます。7月に道東地方を中心に記録的な猛暑日が続いたということで、生育も思うようになかなか進まなかった。そうは言いながらも、7月の下旬以降は周期的な降雨も頂き、ほ場の乾燥は解消されて、生育は回復傾向にあります。今後、気象庁発表の3か月予報では、高温傾向が経過するということでございますが、褐斑病の急激な病状進展、あるいは低糖分が危惧されるところでございます。
てん菜糖業は、地域と共に事業を継続していくために、製造コスト低減が重要課題でございます。我々は生産者とパートナーシップで支え合う車の両輪の関係ということを常に念頭に置きまして、耐病性、省力化、低コスト化の効果が期待できるような新品種の導入、あるいは新たな栽培技術の研究というものを進めております。
糖価調整制度維持に重要な砂糖消費拡大につきましては、農林水産省の「ありが糖運動」、あるいは関係団体と連携して取り組んでおります。
独自の取組としましては、例年8月に千歳空港で北海道ビート糖フェア、ここではてん菜、てん菜糖、お砂糖について正しい知識と情報を道内外の皆様に紹介して、多くの方から好評を頂いております。また、北海道内ですけれども、小学生を対象とした食育活動にも力を入れております。
最後に、てん菜糖業は非常に状況としては厳しい環境下にございますけれども、今後も北海道の地元に根差した企業として、てん菜糖の安定生産に努めるとともに、糖価調整制度の健全な維持を図るため、関係者の皆様と協力して取り組んでまいりますので、引き続き御支援、御指導をよろしくお願いいたします。 以上でございます。
小針部会長:ありがとうございました。
続きまして、有馬委員、お願いいたします。
有馬委員:JA鹿児島県中央会の有馬でございます。日頃より甘味資源作物に係る御指導、御支援を賜り、農水省の皆様始め、関係者の皆様、厚く御礼申し上げます。
まず、先ほど御説明いただきました令和7年度の砂糖及びでん粉に係る調整基準価格については、異存ございません。
ここで、せっかくの機会ですので、先ほども農水省から詳しい説明ございましたが、鹿児島県の甘味資源作物の生産状況等々を御報告申し上げます。
まず、さとうきびについてですが、令和6年産は、収穫面積の増加や台風の影響が少なかったということに加えて、単収が増加する中で、生産量は前年産より約7%増の55万9,000トンとなって、また一方で糖度は平年を若干下回るといいますか、ほぼほぼ平年並みというような状況でございます。
令和7年産につきましては、7月1日現在でございますが、収穫見込み面積は前年比で123ヘクタール増の9,689ヘクタールとなっております。また、生育状況は、一部の島で6月から7月に掛けて干ばつの被害が確認されております。また7月以降、特に徳之島でイナゴが発生して、今後の被害拡大が懸念されております。この点、さとうきび増産基金の発動も受ける中で、現場におきましても防除対策を進めているところでございます。
次に、でん粉原料用かんしょでございます。令和6年産の収穫面積は前年産より220ヘクタール減少の1,600ヘクタールと、大幅な減少となっております。また、生産量も2,700トン減少し3万6,800トンと、大変厳しい状況となっております。この中でも、我々JA系統でもでん粉工場を抱えておりますけれども、令和6年度のでん粉工場の希望需要量の充足率は37%であり、依然低水準ということで、でん粉工場の経営も大変厳しい状況になっております。
これらの要因は、先ほどからあります農家戸数の減少だとか高齢化という中で作付面積自体の減少、また基腐病の影響等々もございますが、現場では焼酎用など他用途等との引き合いということが強いという状況にございます。この焼酎用との競合というのが、先ほど言いましたでん粉工場の充足率37%という中で、本県の酒造メーカーの充足率は90%ということで、全体のパイ自体が縮小しているという厳しい状況のなかで、でん粉工場の方がかなり充足率が低いという状況。
このような中で、鹿児島県が中心となっていただいて、JAやでん粉の商系工場、また酒造会社も入っていただいた中での協議会を設置して対策を協議する中で、抵抗性品種の栽培推進、また集荷開始時期や在圃期間のルール化というものを決める中で、県全体で適正な収穫、収量、確保していきたいということで検討を進めております。
令和7年産の作付状況は、前年、同程度ではないかと見込んでおります。また、基腐病の発生状況につきましても、7月31日時点でございますが、1.2%の発生ということで、昨年同様、発生を抑えられている状況です。ただ、近年、基腐病以外で茎根腐細菌病というのも発生が僅かながら確認され始めて、この点についても基腐病と同様、今後の状況を注視してまいりたいと考えております。
最後になりますが、糖価調整制度の砂糖勘定についてでございます。先ほどからございますとおり、国際糖価の高騰、また円安の影響等々もある中で、急激な収支改善はなかなか厳しいという状況にございます。我々生産者団体として、本県のさとうきびは、御案内のとおり台風常襲地帯の中での防災作物であって、離島の地域の雇用経済を支える代替の利かない基幹作物でありまして、この糖価調整制度の下支えがあることで、何とか生産者は経営安定を図っているというような状況でございます。
ただ、一方では、生産現場でもその努力をということで、様々な製糖副産物を活用した土作りだとか機械化の促進等々を通じた生産コストの低減対策を進めておりますし、コスト削減や、JAグループでも受託作業の増大などを通じた生産振興対策を図っていっております。なかなか生産資材価格、高止まりする中で、このコスト削減、難しいところもございます。また、受託作業を進める中での物財費の高騰等々、裏腹な悩みもございますが、農家戸数が減少をする中で、何とか生産農家が経営継続できる、農家所得を確保できる、そういうようなものを通じた担い手確保対策というのも鋭意進めてまいりたいと思います。
今後とも国の生産振興対策等々の支援を頂きながら、何とか営農継続、進めてまいりたいと考えておりますので、引き続きの御指導、御支援賜りますようお願い申し上げて、御報告とさせていただきます。
以上でございます。
小針部会長:ありがとうございました。
続きまして、有田委員、お願いいたします。
有田委員:全日本糖化工業会の有田でございます。
本日の砂糖並びにでん粉の調整基準価格については、特段の意見はございません。
せっかくですので、全般の意見を申し述べたいと思います。
先ほど森本委員の方から砂糖と異性化糖の問題、いろいろ出ておりましたが、私ども全日本糖化としましても、異性化糖の問題というのは大きな問題があるということで、農林省とも話をしております。そういった中ではなかなか解決策が難しいという状況にございますけれども、私はこの会にもう20年近くおるのですが、農業の仕組みというのがこれ全然良くなっていないんですね。もう20年見ていて、だんだん悪くなっていく方向にあって、それから、日本も人口がこれから減少していく、農業は老齢化していく、難しい問題がいっぱい山積みだということなので、このままの状態で消費者に全部負担を掛けていっていいのかということが、一番大きな問題じゃないだろうかというふうに思います。
もう一度いろんな状況を見て、新たな仕組みに変えていくべきじゃないかと思います。私は経営者としては農業というのは大変だということは分かりますけれども、実際に発展していかなきゃいかんのに、物財費が余りにも高過ぎるというところがもう最大の原因です。ですから、そういうことがないような形にしなきゃいかんし、砂糖にしても国際価格から見れば、消費者は倍ぐらいの負担をしているわけですから、こういうことを前提に抜本策を考えるべきじゃないかなというふうに思っています。それはなかなか難しいので、今年の調整金はこれはやむを得ないだろうということなんですけれども、こんなことをいつまでも続けるわけにいかないだろうと思っています。企業であれば、潰れてしまいます。農業だって同じように潰れていっちゃうんです。だから、抜本策を考える方がいいというふうに思っています。
今日もNHKで、久米島で深層水から発電できると、養殖もできるというようなことが出ていましたが、そういう新しいものをどんどん取り入れた方が、みんなが良くなっていくというのが実態じゃないかなと思っています。そこに目を向けていかないと、この制度は良くなっていないんですよね。毎年見ているんだけれども、よくなっていない。ここに大きな問題があるんだろうと、私自身はそう思っています。この産業に関係していますけれども、今の制度での改善は難しい、これが実態だろうと思っています。
それだけ申し述べて、私の意見としたいと思います。どうもありがとうございます。
小針部会長:ありがとうございました。
続きまして、松田委員、お願いいたします。
松田委員:女子栄養大学短期大学部の松田です。私は、栄養の立場で4点コメントをさせていただきます。1点目は、てん菜、さとうきび、ばれいしょの生産量は、気候変動の影響を受けますがこれは環境負荷による地球温暖化が関係しているものと思われます。農林水産省が策定したみどりの食料システム戦略では生産・流通・加工・消費において環境負荷の低減を目的とした政策を進めています。例えば、生産については、化学肥料や化学農薬を何年までに何%減らす、流通については、持続可能な配慮した輸入原材料の調達の実現を掲げています。世界的に環境は危機的状況にあります。報告のなかで、化学肥料を減らすとありますが、目標値がありません。具体的目標値が必要であり、また、その成果の検証も必要ではないでしょうか。甘味資源業界に、より環境負荷の低減を踏まえた政策を希望します。2点目は、今年、日本人の食事摂取基準2025年版が発表され、炭水化物の章の中に単糖類や二糖類など糖類が記載され、さらにadded sugarやfree sugarなどが加えられています。WHOは、free sugarを10%エネルギー未満、望ましくは5%エネルギー未満を推奨しています。日本は、added sugarとfree sugarの摂取量の把握が難しいこと、また、日本人の糖類の摂取量が他国で推奨されている量より少ないことから、今回の食事摂取基準2025年版では糖類の策定は見送られました。将来、糖類の食事摂取基準が策定となれば、より日本人の糖類の摂取量は減少するものと考えられます。3点目は、糖類の消費量拡大に向けて、糖類に関する出前授業をしてはいかがでしょうか。正しい情報の普及に苦慮している農林水産関連政策の一つにゲノム編集があり、栄養士・管理栄養士養成校に出前授業の案内を配布しています。本学でも学園祭で企画し、専門家に講義をしていただいたことで、学生だけでなく一般の方々に対して正しく理解していただけました。糖類は、高校の家庭科でもありますので、高校への出前授業もありだと思います。
4点目は、でん粉の活用について、我が国の平均年齢と健康寿命の差は、男性で約9歳、女性で約12歳です。この年齢差は不健康な年齢であり、介護が必要な年齢ともいえます。今後は、在宅での介護が増え、在宅で介護食を作ることになります。介護食にとろみ剤は不可欠で、とろみ剤としてでん粉の需要が増すと考えられます。とろみ剤は使い方が難しいので、より簡単に使えるとろみ剤の開発が望まれます。
松田委員:令和7年砂糖年度に係る砂糖調整基準価格及び令和7でん粉年度に係るでん粉調整基準価格について、異論ございません。
小針部会長:ありがとうございます。
では、続きまして、鯨本委員、お願いいたします。
鯨本委員:初めまして。離島経済新聞社の鯨本と申します。初めての会議になりますので、ちょっと勝手が分かっておりませんけれどもご容赦ください。
まず、今の令和7年砂糖年度に係る砂糖調整基準価格及び令和7でん粉年度に係るでん粉調整基準価格については、異論ございません。
私自身は、全国の有人離島に特化したメディアと、あと地域振興のお手伝いを2010年からやっております。その中で沖縄振興審議会ですとか奄美群島振興審議会の委員もさせていただいているのと、個人的には黒糖焼酎の本を書いたこともありました。いつもは島の方々と交流しながらいろいろな営みを見続けております。
全国の島というと417島、有人離島がございまして、その中で306島、本土と橋が架からない島があります。そこに大体56万人住んでいるんですけれども、この半分が鹿児島・沖縄の島の人たちになります。ですので、約20数万人という、離島でいうとかなり多くの方々が住んでいます。私自身がこの業界に特化していないというところもありまして、少し広い視点で捉えていきたいなと思っております。
広い視点で捉えますと、日本は海の広さですと世界6位の広さになります。広いんですけれども、その半分を有人離島に文化的な営みがあることによって支えられている状態にございます。ですので、その島々の産業は非常に重要で、本当に国益に資するような重要なことを皆さんもなさっていると理解をしております。
ただ、今日のお話を伺いましただけでも、かなり複雑な問題が絡み合っているものなのだと理解しております。ですので、さとうきびですとかその関連産業に関しましては、短期的には現在の農家さんですとか各産業の方々が崩壊しないように、制度による支えが必要になってくると理解しております。ただし、中長期的に考えていきますと、社会変化がどうしても起きてきますので、その対応に関しましては業界を超えてアイデアを出し合って、解決策を考えていくことを重要に考えております。
この社会変化というところでは、三つほど問題があります。まず、目標としては、持続可能性を考えていかなければいけないことと、広く日本列島というところが安全で健康で豊かに暮らせる島国を目指していくべきだと考えております。
問題のところでは、一つ目は安全保障の問題になります。ほかの省庁ですと、今、国土強靱化というところに力を入れられていらっしゃると思います。そういったところでは国内の自給率を上げていかなければいけないと思っています。ただし、沖縄だけでも食料自給率って34%ほどと聞いておりまして、うち、カロリーベースですと、さとうきびを抜かすと10%程度しかないと聞いています。そこに対して人口約140万人、観光客等も含めますとかなりの方々が滞在されていらっしゃるので、食料自給の観点からすると既に沖縄は食べていけていないです。食べていけない島々は、やはり長期的には生きていけません。ですので、国土強靱化の観点でも、さとうきびだけでもいいのだろうかと考えるべきだと考えております。
その暮らしていけない、自給力を上げていかなければいけないんですけれども、皆様も御認識のとおり、担い手不足です。人口がどんどん減っておりまして、私たちが調べている住基人口では、2018年から2025年までの8年間に、奄美群島だけで1万人減っております。11万人から10万人に減っている。それほど減っている状態にあります。しかも担い手が減っただけじゃなくて高齢化しておりますので、若い働き手が少ないという問題があります。保育士ですとか医者ですとか学校の先生とかも減ってきますので、更に人が減っていくという状態があります。
更に農地を担う方もいらっしゃらないと伺っておりまして、今日の朝、テレビつけておりましたら、10年後の農地の担い手がいない地域では、沖縄がワーストでした。76%も10年後の担い手がいらっしゃらないといいますので、相当深刻な話だと思っております。
この社会変化の中で最も厳しいと思っているのが交通です。物流と交通の問題になります。先ほどどなたかおっしゃっておりました、今年の春に種子島の方で糖蜜を運ぶ船が故障して、製糖工場がストップしてという話を皆さんも御存じだと思うんですけれども、この問題というのはあらゆるところで出てきます。これは離島かいわいでは別の問題として私たちは認識しておりまして、国土交通省とか内閣府の皆さんとかにも話は伺ってはいるんですけれども、離島の航路の問題に関しては、専門家の方も船員不足が一番厳しいとおっしゃっています。ただ燃料費が高いとか船価が高いという問題であれば、補助でどうにかなります。ですけれども、船員不足に関しては、もうもはや手後れと言われております。ですので、これから先、普通に人を運ぶというところも厳しくなりますし、物流というところもどんどん減っていくんじゃないかと言われております。ですので、私たちとしても、この話に関しては国土交通省海事局内航課ですとか、いろいろな省庁を横断して話をしていかなければならないと考えております。
どうすればいいのかというところは非常に難しいんですけれども、さとうきびですとか、そういった産業に関して、本当に必要な量はこれから先も安定化を図っていく必要があると思いますし、そこに対してDXですとか効率化というところは確実に必要です。担い手の確保も大事だと思います。また、気候変動等もありますので、そこに対する対応も必要だと思います。
このロジスティクスですとか航路の問題に関しましては、いろいろな方々と会議をしていかなければならないと考えておりますので、我々も1か月後に有楽町で離島関係のシンポジウムを開くんですけれども、そちらでは国交省の海事局内航課の課長と、又は航路事業者と、あとAI等の技術で新たな航路を開こうとされている方など、分野を超えて議論していき、この問題に関して広く社会に伝えていかなければと考えております。
以上になります。
小針部会長:ありがとうございました。
それでは、オンラインで参加の皆様の御意見を伺いたいと思います。
まず、宮島委員、お願いいたします。
宮島委員:まず、諮問されたことに関しましては、私も異論はございません。今も話題になりました、いわゆるどうやって世の中にもっと消費を増やしていけるかというところなんですけれども、本当に皆さんいろいろな形で工夫はされていると思います。一方で、今、伝えたいことをちゃんと国民にしっかり伝えるということの難易度がどんどん上がっておりまして、それは私もメディアの立場として非常に日々苦しんでいるところです。広く説明会とか、例えば「ありが糖運動」に関しても、残念ながら例えば今周りに聞いたときに、「知っていますか」と言って、「知っています」と言う人は少ない状態にあるんですけれども、どこをターゲットにどういう形で伝えるかということを、少し深掘りしなければいけない状況になっています。先ほど栄養学のいろいろなイベントなどとか学生さんとか、そういった専門の方々を通じてという話もありましたし、ちょっ
と今までのマスに対する説明とは違う形で、ピンポイントで伝えていくことが必要かと思います。
それとともに、砂糖の場合は、砂糖というか、糖類の場合はネガを払拭することが非常に大事だと思います。例えばみんながいいと思っていて進めていても、糖類を悪のようなふうに見る報道が少し広がると、それで相当後ろに戻ってしまいますので、そういったところをどうやってちゃんと潰していくかというような視点も大事だと思います。やっぱり国産の糖をしっかりと育てるというか、維持していくということは大切と思っておりまして、世の中の理解を広めるということが非常に大事だと思います。
一方で、制度面です。すみません、今日、私最後までいられませんので、制度面のところ、第2部のこともまとめて言ってしまおうと思います。
私は10年間、関税の審議会に出ておりまして、この2部で提出する書面の受け手側もやっておりました。関税部会の委員の雰囲気なんですけれども、非常に難しい問題なので、今の制度をある程度維持をするということは妥当と、少なくともその年においては妥当という判断にはなるんですけれども、一体この先どうするつもりなんだろうということが分からない状態でいます。これが正常な状態で未来永劫持続するのかということに関しては、もちろん違うんじゃないかと思いますので、多分今年も関税の審議会に出して、これに対して大きな反対が出るというわけではないかもしれませんけれども、少なくとも私の記憶だけでも、もう3年か4年は同じようなやり取りをしていまして、将来に問題はあるとは思いますけれども、今年はこれでいいでしょうというようなふうに、毎年しのいでいるわけです。
でも、中長期的にどうなるのか、持続可能なことなのか、まさに今日お話を伺った関係者の方からも、これは抜本改革が必要ではないかというお話が出ていますので、難しいとは思うんですけれども、毎年この延長でいいというふうなことにせずに、いよいよ本質的に10年後、20年後を見たときにどうすればいいかということを真剣に取り組む必要があるかと思っております。
以上です。
小針部会長:分かりました。ありがとうございます。
続きまして、新井委員、お願いいたします。
新井委員:東京農工大の新井です。
私、農業経済学を専門としております。ふだん東京にいながら、ちょっと後の予定の関係でオンラインでの参加となりました。失礼をお許しください。
まず、諮問のございました令和7砂糖年度に係る砂糖調整基準価格及び令和7でん粉年度に係るでん粉調整基準価格の算定案につきましては、異存ございません。皆様の御努力というものに敬意を表します。 それと、せっかくの機会でございますので、私が今行っている研究からの少し知見を御紹介させていただいて、何か議論の共通の土俵となればと思っております。
昨年は、製糖工場の労働力不足への対応ということで御紹介させていただきました。私は、やはり先ほどからお話もございました、農業に関わる労働力の不足に大変に関心持っておりまして、特に沖縄、鹿児島そして北海道の方も回らせていただいてございます。今年は農の現場で特に沖縄の方をお話しさせていただきたいと思います。
端的にまとめます。農林業センサスという、農業に関する国勢調査のようなものでございまして、今年も行われる予定ですけれども、一回前のときの発表を受けて、2015~20年にかけての沖縄の値が急激に下がったことがわかりました。経営耕地面積、そして農業経営体、あとは基幹的農業従事者の数が、全国でも突出して下がったという、ちょっとショッキングな数値でございました。これがなぜなのかということの分析が余り進んでいなかったので、先般まとめたところでございますけれども、どうも定年帰農が弱まっているというのが私の結論になりました。
こうしたものを調べるときには、私の場合、世代別のボリュームというふうに注目してございます。それはそもそも生まれた子供の数、つまり世代別の人数が違うこと、その後彼らが農業に入る入らないということが、時代、特にその方が学卒のときの経済状況といったものに左右される、ということがございます。それでもどの世代も大体50代終わりか60代になるときには農業に入ってきて、その数が増えるものなんですけれども、ついにといいますか、沖縄本島の方で2015~20のときに定年帰農がすごく弱く、むしろ減ったというような状況でございました。
それを、なぜなんだろうと更にまた考えたんですけれども、他の就業機会というものの状況を見ますと、やはり昨今、50歳から60歳ぐらいまでを対象とした農外の雇用というのが確実に増えています。沖縄でも、2000年代の半ばから増えてございます。沖縄は長年雇用が難しいと言われておりましたけれども、2010年代からは有効求人倍率は1より上がってございます。それより少し前から、50歳代、60歳代といった者も農外に雇われるということが増えているということと、どうも関連付くのではないかと思っております。
これは裏を返せば、農業を従来担ってきたボリュームのある方々に、いかに魅力的な農業であっていただくか、ということに関わってきます。先ほど来、議論されておりますように、さとうきびを始めとする農業が農業所得を約束するような、こうしたものでなければならない、ということの大きな基礎になるんではないかと思ってございます。
引き続きこうした動向を見てまいる所存ですけれども、内地に比べても農業人口が残っていた沖縄において、こうした激しい農業人口減少がついに進行しているということで、農業に人を残すことと、同時に、少ない人間でもできる体制づくりというのがいよいよ喫緊の課題として登場している、例えば集団化のようなことなんかも考えていかなきゃいけないのではないか、そのように考えている次第です。
お時間頂戴いたしました。どうもありがとうございました。
小針部会長:ありがとうございました。
続きまして、矢野委員、お願いいたします。
矢野委員:矢野と申します。よろしくお願いいたします。名簿の方では大学学長となっていますが、こちらの会議の方へは農業経済学を専門とする大学教員として参加させていただいております。
まず、御提示を頂いた令和7年度の砂糖及びでん粉の調整基準価格について、現在の制度上の公式によって算定されたものであると考えますので、異論はございません。
この機会ですので2点についてコメントをさせていただきたいと思います。本日でなくてもいいのですが、もし機会がありましたら農水省のお考えをお聞かせください。
一つは、他の委員も既に詳しく御指摘されていましたように、ALICの砂糖勘定等による調整金制度の維持に関する不安についてです。
昨年議論に参加させていただいたときも、令和5砂糖年度時点において72億円の大きな単年度赤字、期末残高でマイナス638億円という、限度額が800億円を超えそうな大変厳しい状況であったわけですが、平成22砂糖年度、当時私はALICの法人評価委員として関わっていたこともあり、当時のような大規模な国庫補填が必要とならざるを得ないのではないかということを危惧していました。先ほどの御説明にもありましたように、このたび緊急対策交付金が投入されて、若干の期末残高の圧縮がみられておりますけれども、大きな赤字残高あるいは構造的な問題というのは、やはり解消されていないという状態が長く続いていると思います。今後、国際糖価が低下する兆候もありませんし、国内の砂糖需要が劇的に増大する傾向というのも今時点ではなかなか想定できず、現在のこういった制度スキームでは、収支的にも赤字を解消して制度を維持する方法というのがなかなか私自身も思い浮かんでいないところです。
砂糖に関しての調整金制度の破綻というのは、やはり今まで多くの委員のお話にありましたように、甘味資源の作物生産者から製造企業、あるいは実は本当に消費者にまで大きな影響を与えると考えていますので、これまでも換算係数の見直し等で、今回、異性化糖からの調整金徴収という具体的な動き、改善的な動きというのが進められているということを承知していますが、より根本的な制度自体の構造的な見直し等の議論、これがやはり必要ではないかと思っています。こういった見直し、構造的な見直し、制度の見直しの議論が始まっているのかどうか、これについて農水省のお考えを聞かせていただけるようでしたら、お願いしたいと思います。
二つ目は、先ほどから何人かの委員の御意見にもありましたように、砂糖の需要拡大に向けた取組です。 長年、各方面で御尽力されていること、特にこの本会議で皆さんの意見を聞きながら承知して、大変重要な活動であると認識しているところですが、この活動、運動などを、糖価調整制度を調整金制度の維持という視点からあえて少しシビアに見た場合、いま一つその成果、効果をどのように評価したらいいのかというところ、自分自身、得心できていない部分があるというのが事実です。もう少し取組を具体的に、いつまでにこういった目的を持って行うという、指標となるアウトカムや計画スケジュールというようなものを共有し、みんなでそれに向かって進めていこうというような流れが必要なのではないかなと感じています。
なぜこのようになかなか得心できないを振り返ったとき、例えばウェブ上、今回の会議資料でもそうだったんですが、砂糖等の需要拡大のページにSAFの持続可能な航空燃料への利用などの話が書かれています。ウェブ上で公開されております昨年度に実施された甘味資源原料の新規需要開拓支援事業の採択先の報告書なども読ませていただいたんですが、果たしてこのSAF等の他の用途利用、甘味資源の他の用途利用への需要、これが大きく増えたとして、それがどのような形で糖価調整制度の維持に貢献するのかというところ、少しその辺りの農水省のお考えも聞かせていただきたいなと思っているところです。
そういった他用途利用を含めて甘味資源の需要を増やそうとしているのか、あるいは糖価調整制度の維持のいかんにかかわらず、まずは甘味資源原料あるいはそれを使った製造製品の安定需要がある市場を作ろうとしているのかといったところです。個人的には砂糖の需要拡大と甘味資源作物の需要拡大というのは、その目的は必ずしもイコールではないときがあると思っていますので、それぞれの取組の目的、あるいはそれぞれのアウトカム指標の設定など、政策的に何か御議論されていることがあれば、教えていただければうれしく思います。
私の方からは以上です。よろしくお願いします。
小針部会長:ありがとうございました。
続きまして、嵩原委員、よろしくお願いいたします。
嵩原委員:JA沖縄中央会の嵩原です。まず、先ほど御説明がありました砂糖並びにでん粉の基準価格につきましては、私の方も異存はございません。提案どおりということで了解したいと思っております。 せっかくの機会ですので、私の方からも少し御意見申し上げたいと思います。
まず、沖縄のさとうきびにつきまして、日頃から農水省の皆さん、生産振興に御支援賜りまして、感謝を申し上げます。
前期のさとうきびの生産につきましては、先ほど分蜜糖工業会からも報告がありましたとおりですけれども、量でいいましたら85万トンと、久しぶりに豊作型の結果ということになりました。糖度の方が若干低かったので、質的には少し下がったのですが、量が増えることで生産者の所得を上げることができると、そういったことに一定の結果が出たということで、我々も生産者の皆さんに長年申し上げてきました、「まずは増産だ」というところの一定の成果が表れたということで、安堵しているというところであります。
昨今の生産コストが高い情勢というところは相変わらず続いているわけでありますけれども、所得が増えたということもあって、生産者の皆さんとの対話の中では、余りそういった生産コスト高騰や高止まりに対する不満は、前年ほどは強くは聞こえなかったというところもありました。今期もいろんな自然条件に左右されるというさとうきびの特性については変わりはないわけですけれども、今のところ比較的安定的に推移しているというところで、2期連続で増産の結果が出るのではないかということで、期待をしているところであります。
また、今回、先ほど報告の資料の中にもありましたけれども、生産費の調査で若干下がっていますが、これは機械収穫が普及する中で、労働費、人件費の方が下がっていくということで、生産コストが下がっているという統計の結果が出ておりましたけれども、実態としてはいろんな資材が高い状況下で、肥料とか農薬の投入を抑えたり、あるいは機械の更新を控えたりと、生産者の方がちょっと生産性向上という面に関して若干ネガティブに作用するような行動を取っているということの裏返しでもあったりします。これがさとうきび生産全体へどう影響するかというところは、注視していかないといけないだろうと捉えております。
また、これはさとうきびに限らず日本農業全体の課題でもあるのですが、高齢化の問題は相変わらず続いておりまして、先ほどから臨時委員の方からも沖縄の農業の現状あるいは離島の状況について、関連する御意見、御提言なんかもありましたので、大いに参考にしたいとは思っているんですが、沖縄の離島で農業を継続するというところの難しさというのが、近年顕在化してきているというふうに考えております。日本全体が人口が減っているわけですので、農業人口が減っていくというのは止めることはできないんですけれども、その後を継ぐ中堅・若手の生産者、数は少ないんですが、そこに農地とかの経営資源をいかに集めていくのかというところは、今、まさに最大の課題となっているんだろうと思います。
先ほども出ましたけれども、今朝のニュースでも、沖縄の農地については後継者が決まっていない割合というのが全国3位と、ワースト3位ということで、非常にこの農地の集積あるいは引継ぎというところに関しては、今の状況でいいますと全く先が見えていないというか、失う可能性も十分ある中で、せめて優良農地に限っては集めていく努力というのが今、まさに求められているんだろうと思います。
一方で、機械化がここまで進んできますと、沖縄本島みたいな狭隘なほ場で作っているさとうきびにおいても、やっぱり高齢化の裏返しとして機械化が進んでいる状況の中で、これは結果的には零細の農家にとっては所得を圧迫する要因にもなっていたりするわけです。なので、そこで農地を集めて経営規模を大きくしていくという取組を併せてやっていかないと、採算性という意味ではマイナスになってしまいますので、うまくバランスを取りながら、農地の課題に対しては取組をやっていく必要があるんだろうと考えております。機械化はいろんな取組の中で法人としての経営上の課題も抱えておりますので、これについても生産振興の中で是非農水省には支援をお願いしたいと思っております。
そして、これも先ほど委員の方からちょっと話がありましたが、今、各市町村単位で地域計画を作って、その実践が始まろうとしているのですが、その地域計画そのものが現状容認型というか、将来ビジョンがあんまり反映されていない形に今なっておりまして、これをもうちょっと効果を上げていかないといけんだろうと、誰にどうやって集めていくのかというところも落とし込んだ形での農地計画というのが、やっぱり今求められているんだろうと思っております。そこについては農業団体だけでは当然できません。行政だけでもできないところがあると思いますので、これは関係者が一丸となってやっていかないといけない問題だろうと考えております。
最後になりますけれども、この糖価調整制度の堅持というところに関しては、農水省を始め、関係の皆さんも含めて非常に御尽力いただいていますこと、北海道のてん菜方針に基づいている取組についても、沖縄のさとうきびの生産の側としては、大変感謝を申し上げておきたいというふうに思っております。いろんな皆さんの支えのおかげで、沖縄のさとうきびの5年先、10年先の姿というものが展望できるんだろうと思っておりまして、価格補償的な、所得補償的なこの仕組みの良さ、そこを踏まえた上で、我々産地としては持続的な生産、安定生産というところに全力で取り組んでまいりたいと考えているところであります。
私からの意見は以上になります。ありがとうございました。
小針部会長:ありがとうございました。
続きまして、松谷委員、お願いいたします。
松谷委員:松谷でございます。御説明いただきました令和7年度の調整基準価格については、異存ございません。
私どもは、ばれいしょでん粉、かんしょでん粉及び輸入でん粉を原料といたしまして、加工でん粉とでん粉分解物を製造販売しておりますので、原料でん粉の供給におきましては、北海道のばれいしょでん粉及び南九州のかんしょでん粉に日頃から大変お世話になっております。心から感謝いたしております。
海外からの輸入も多くございますが、異常気象や国際情勢の影響を大きく受け、供給不安が生じている状況でございます。最近ではタイとカンボジア国境封鎖によりまして、両国間の往来ができず、キャッサバ芋が大変不足ぎみとなっております。また、ヨーロッパでは日本と同様に生食・加工用でん粉とでん粉、ばれいしょでん粉が競合し、作付面積の取り合いが続いており、原料いも価格が大変に上昇したままになっていること、また、対ユーロ為替において年明け以降、厳しい状況が続いております。海外産でん粉は少しでも国内産でん粉へシフトしたいと考えておりますけれども、供給量に制限が掛かっているため、外国産でん粉から国産でん粉へのシフトができない状況となっております。国内の皆様は安心・安全な国内産を求められますので、自然と国産でん粉への期待が高くなります。
このような状況で、関係者の皆様の御尽力のおかげで継続的に供給いただいていることは大変有り難いと考えております。それぞれの産地に厳しい課題を抱えている中、継続的な取組や新しい取組に御尽力いただくことで、でん粉・いも作りが魅力的なものになるよう、継続的な施策をお願いしたいと思っております。国内産でん粉を原材料といたしまして、加工でん粉やでん粉分解物を日本から世界に輸出できることができればと、大きな夢を持っております。
最後になりますけれども、農林水産省の方々、また関係者の方々の今までの御努力に感謝し、更なる御尽力をお願いしたいと思っております。
ありがとうございました。
小針部会長:ありがとうございました。
それでは、各委員から頂いた御意見等につきまして、事務局から回答をお願いいたします。
参鍋課長:各委員におかれましては、御発言をありがとうございます。頂きました御発言について回答をさせていただきます。順不同になる部分もあるかと思いますけれども、御容赦を頂ければと思います。
まず、森本委員と関連で小山委員から、砂糖・異性化糖の調整金あるいはそれぞれの負担の在り方について御意見を頂きました。先ほど資料の中でも御紹介させていただきましたけれども、令和6年4月から異性化糖調整金については運用を見直しまして、当面の措置ということで、額を増加しながら御負担を頂いているところです。一方で、その徴収の在り方については、まさに今し方御発言を頂いたとおり、様々な御意見があるということは承知をしております。引き続き関係者の声をお聞きしながら、この制度の安定運営に向けて議論を深め、検討を続けていく必要があるというふうに考えております。
田中委員、島尻委員、あとさとうきびの関係ですけれども、有馬委員と嵩原委員から、各産地の生産の動向、製糖の状況、工場の安定操業に向けた取組やさとうきびの効率的な生産、農地や機械の更新を含めた中長期の課題などについて、甘味資源作物の関係で御意見を頂いたと承知をしております。
工場のお話から申し上げますと、労働力の確保や省力化、さとうきび生産における担い手確保、生産性向上については、これまでも工場の省力化の取組、さとうきび生産の機械化などへの支援を行ってきたところです。特に中長期ということでは、現在産地においてさとうきび増産プロジェクトの改定に向けた話合いが進んでいると承知をしております。そうした議論の進捗に応じて、我々としても産地と協議をしながら、現場の実態を踏まえた持続的な生産・操業を後押ししてまいりたいと考えております。
いもでん粉の関係ですが、小山委員と、小椋委員からは種ばれいしょの関係で御意見を頂いたと思います。あと、松谷委員からも国産芋でん粉の安定供給について、また、小山委員からはでん粉工場の操業度向上についてもお話しいただいたと思います。
ばれいしょについて、でん粉原料用品種、御指摘の萌芽不良については、これはセンターの方で改善のための措置を講じていると承知をしておりますし、また我々生産振興部局としても、種芋の供給力強化のための事業というところで支援をさせていただいております。また、産地でも優良栽培技術の横展開などを取り組んでいただいていると承知をしております。
また、かんしょの方ですけれども、病害虫対策ですとか省力機械の導入など、あとは委託事業の件、生産の維持・拡大に取り組んでいただいているほか、工場でも再編整備の取組が進められていると承知をしております。国としてもユーザーの皆様に安定的に国産のでん粉が供給されるということ、あるいは工場の方でも操業度を上げていただくといったことにつながるように、産地の取組を引き続き後押しをしてまいりたいと思います。
小椋委員の御発言の中で、てん菜の交付対象数量等に関する部分で資料が変わっていないという御指摘がありました。てん菜方針については、制定のときに示した枠組みに沿って検証を続けさせていただいております。その中で、このてん菜の作付面積が指標面積を下回り、またてん菜糖の在庫量も適正水準にあるという足元の状況は、ひとえに産地の御尽力の結果であるという認識をしているところです。
その上で、てん菜方針以降、今定められている数字以降の部分については、中長期的な砂糖の消費動向、あるいは昨年、国費による累積債務の補填などを行いましたが、そうした引き続き累積債務の解消に取り組んでいく必要があるという状況を踏まえまして、資料1-2の検証においては引き続き取組が必要とさせていただいたところですけれども、今後の方針、現在以降の数字については、累積赤字の状況なども踏まえつつ、負担側でありますとか財政当局も含めて、制度関係者、それぞれのお立場からの御意見も伺いながら検討を行っていくものというふうに認識をしております。引き続き生産現場からも様々なお声、頂ければと存じます。
石栗委員からは、てん菜糖工場における製造コストの低減の話、あるいはてん菜糖の安定生産について話を頂きました。これはこの制度全体の話にも関わると思いますけれども、消費者国民の皆様に御負担を頂いて、持続的に国内産糖の生産を続けていくという観点から、コスト低減の取組は極めて重要でこの制度の前提になっているというふうに認識をしておりまして、国としても省力機械の導入に対する支援を行うなど、現場の取組を支援させていただいているところです。引き続き製造コストの低減、あるいは国内産糖の安定的な生産が図られるように、関係の皆様と協力しながら取組を進めてまいりたいと思います。
また、石栗委員の発言の中で、需要拡大の取組について言及を頂きました。事業者各社で取り組んでいただいているイベントであるとか、小学生の食育活動などについても言及を頂いたと思います。需要拡大については松田委員、宮島委員、矢野委員からも言及を頂いたと思いますので、この場で併せて発言をさせていただきます。
砂糖は脳や体のエネルギー源でありまして、もちろん甘いだけではなくて、防腐効果や発酵促進力などにも優れているということで、様々な食品や料理に使用されていて、これを安定供給していくということは食料安全保障上、重要な責務だと考えています。その需要拡大発信については、当省が行っている取組としては、資料で御紹介させていただいた「ありが糖運動」の中で情報発信に努めているところです。この点について宮島委員から、必ずしも周りの人に聞いたら知らないと、あるいは矢野委員から目標の部分をどうしようというのかというような御発言があったかと思います。
需要拡大の発信については、業界の方でも、精製糖業界もそうですし、北海道の方では長く様々な取組を続けられていると思います。また、「ありが糖運動」も、当課の職員、必ずしも広報の専門ではない立場ではありますけれども、それぞれ工夫をしながら少しずつできること、様々な機会を捉えてやれることをやっていくというのが足元の状況でございます。すぐに結果をという部分、なかなか難しいところもあるかと思いますけれども、御理解を賜ればと思います。
有馬委員から、さとうきび、原料用かんしょの生産対策についてお話しいただきました。全体が減少している中で、原料用かんしょを様々な用途に向けられるということで、それぞれで需要を満たせていないという状況ですので、やはり全体の底上げをしていく、増産をしていくということが重要だというふうに認識をしています。基腐病の対策については、これまでも補助事業などにより支援させていただいているところですけれども、発生状況、足元では数字は抑えられているということですが、これを注視しまして、被害軽減に向けた取組を継続的に支援するほか、新品種、新たな品種も出てきておりますので、この普及でありますとか、工場の方でも取り組んでいただいている作業受託組織の展開、そうした安定生産につながる取組、これを後押しをしてまいりたいと思います。
有田委員から、この制度全体について良くなっていないのではないかということ、これは宮島委員と矢野委員からも、制度の持続性に関する御質問を頂いたところであります。この糖価調整制度、昭和40年にできた古い制度でありますけれども、産地の方からはこの制度の堅持という声、今日も頂きましたけれども、累次の法改正、あるいは本当に無数の運用改正を経て、様々な困難な問題がありながら、産地や関係の皆様とも協議をしながら、それぞれの時代に合うように、少しずつ制度の在り方というのを、その時々の関係者が工夫をして、結果として足元の数字としてはてん菜は、ここ数年生産量は減少しておりますけれども、さとうきびの方で見ますと収穫面積は20年ほど安定しているということで、この制度が寄与していた部分もあろうかと思います。引き続きその時代の状況、あるいは生産動向であったり、収支の状況も含めてですけれども、そうしたものを見つつ、望ましい制度の在り方というものを模索していくというのが、この制度に必要なことではないかなというふうに考えております。
松田委員からは、環境負荷の低減に関して御指摘を頂きました。環境負荷ということでいいますと、例えば、さとうきび自体が原料として搬入した後の方の圧搾したバガスを燃料に回すということで、ある意味離島という限られた状況で、その循環的な性質を有しているということは言えるのではないかと思います。その中で、てん菜についても環境に配慮ということで、環境負荷低減のための農薬・肥料の低減の取組、こうしたものも支援させていただいていますし、あとさとうきびについては、まさに糖蜜など製糖副産物、地域の有機質資源、これを循環させる取組を支援しているところです。政府全体としての取組の中で、甘味資源作物についても環境負荷の低減が図られるように、産地の取組を支援してまいりたいと思います。
松田委員からは、でん粉の情報発信についても御意見いただいたと思います。でん粉については本当に様々な用途というのがあって、砂糖よりも更に個々の用途が知られていない面もあるかと思いますので、情報発信、重要だと思っています。これも業界の方ではそれぞれ取り組まれているかと思いますけれども、我々農水省でも「消費者の部屋」での情報発信などもやっておりますし、あるいは今年は、実は御紹介させていただいた「ありが糖運動」、こども霞が関デーのイベントでは、でん粉の展示も一緒にさせていただきまして、子供にでん粉を触っていただくというようなこともさせていただきました。引き続き業界の取組も踏まえつつ、我々としても必要な情報発信ということをしていければと考えております。
鯨本委員からは、物流などを含めた離島の持続可能性、その中での糖価調整制度の位置付け、他分野との連携などについて、御指摘を頂いたと認識をしております。離島の課題は甘味資源作物だけではなくて、多岐にわたるということかと思います。この制度の枠組みということで申し上げると、まさにさとうきびは熱帯が原産でございまして、高温や乾燥の条件下で非常に高い光合成能力あるいは、台風への高い耐性を有しますので、台風常襲地帯である鹿児島はや沖縄の離島地域で、基幹作物の位置付けにあります。そして、それが糖価調整制度の下で産地として位置付けられることで、甘味資源作物と国内産糖の安定供給が図られているということ、地域の農業や工場を通じて地域経済の発展にも寄与してきたものと認識をしております。一方で、御指摘のとおり、離島の持続可能性ということでは、農林水産業に限らない課題に引き続き対処する必要があると考えておりますので、関係省庁の施策の動向もよく把握した上で、この制度の運営、甘味資源の振興を図ってまいりたいと思います。
新井委員からは、沖縄県における定年帰農者の減少についてお話を頂いたと思います。資料のリンクも、委員の了解の下で昨日共有させていただきました。昨年に引き続き貴重なインプットをありがとうございます。沖縄のさとうきびの収穫面積ということで見ますと、近年、比較的安定的に推移をしてきたわけですけれども、データの方で見ますとこの定年帰農が減少しているということで、我々としてもよく勉強させていただきたいと思いますし、また、農業への参入ということですと、必ずしもさとうきびだけということではなくて、省として様々な支援策を講じているというふうに理解をしていますが、このさとうきび、甘味資源作物の枠組みでも作業受託組織の育成など、定年帰農をしてさとうきび生産に取り組みやすい環境の整備につながる取組を支援してまいりたいと思います。
矢野委員の御指摘の中で、制度の部分は先ほどお答え申し上げたとおりですが、SAFに関しては、現時点ではこれ制度上の位置付けに関して何ら定まった方向があるというものではないと考えております。SAFに持っていくにも、まさにさとうきびそのものから作るのか、あるいは廃糖蜜を活用して作るのか、様々な選択肢あると思いますし、一方でコスト面での課題もあると思います。現時点では様々なその可能性を議論をしているという段階であると承知をしております。
まとめた部分がありますので、答えを漏れた部分もあるかと思いますけれども、ありましたら御指摘を頂ければと思います。
小針部会長:ありがとうございました。
ただいまの事務局からの回答につきまして、特段の御意見がございます場合には、挙手又は画面上の挙手ボタンを押してお知らせください。よろしくお願いいたします。
それでは、更に御意見等がないということであれば、この辺りで議論を終了いたしたいと思います。
本日は、各委員の皆様方から各々の立場に立った貴重な御意見を頂きました。本日、農林水産大臣から諮問のありました調整基準価格(案)については、本部会としては事務局から説明のありました案で御異議なしということで、議決してよろしいでしょうか。もし御異議がございます場合には、挙手又は画面上の挙手ボタンを押してお知らせいただければと思います。
それでは、ただいま皆様から御意見を頂きましたが、食料・農業・農村政策審議会令第8条第2項の規定により、議事の決定に必要とされている委員及び議事に関係ある臨時委員で会議に出席した者の過半数が異議なしとのことですので、本件については適当と認める旨を議決いたします。
冒頭で申し上げましたとおり、本部会の議決については審議会の議決とみなされることとなりますので、後ほど食料・農業・農村政策審議会として農林水産大臣に適当と認める旨の答申をいたします。
なお、農林水産大臣への答申については、答申文にて行うこととなっておりますが、前例に倣って行いますので、文面については部会長一任とさせていただきたいと思います。
また、資料1-2、糖価調整制度の持続的な運営を図るための取組についてのうち、てん菜等の交付対象数量及び指標面積についての検証について、事務局の説明がありました案でおおむね異論がないという形での御意見を承ったと考えております。農林水産省においては、次年度の検証に向けて適切な対応をお願いいたします。
それでは、一旦進行を事務局に戻します。
参鍋課長:小針部会長、ありがとうございました。
それでは、第1部はこれにて終了させていただき、一旦休憩に入ります。第2部は11時35分から再開いたしますので、よろしくお願いいたします。
(休憩)
参鍋課長:それでは、会議を再開いたします。
第2部では、オブザーバーとして関税・外国為替等審議会関税分科会の委員でいらっしゃる高橋様、松島様の2名の方に御参加を頂いております。
ここから第2部の議事に入りたいと思いますので、引き続き小針部会長に議事進行をお願いしたいと思います。
小針部会長:それでは、ここから私が議事を進めさせていただきます。
本日の第2部では、加糖調製品の暫定税率の検討に関する関税審議会の答申への対応について事務局より説明を頂いた後、委員の皆様方の御意見を伺いたいと思います。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。
参鍋課長:それでは、後半第2部ということで、資料2に沿って関税審議会の答申への対応について御説明をいたします。議論の時間を確保するため、説明はポイントを中心に手短に行わせていただきたいと思います。
表紙をおめくりいただきまして、1ページ目、目次になります。
ローマ字のA.で、昨年度の関税審議会での指摘や答申について御説明した後、ローマ数字のB.以降で、令和8年度関税改正要望の対応方針及び今年度の関税審議会での説明ぶりについて御説明いただきます。
中表紙をおめくりいただきまして、3ページ目にまいります。昨年の関税改正要望の内容でございます。 昨年までに引き続きまして令和7年度、今年度もCPTPP税率のステージングに合わせて、加糖調製品の5品目について暫定税率の引下げを要望し、認めていただきました。図は粉乳の調製品を例として示しておりますけれども、図の中の赤い部分のWTO譲許税率と暫定税率の差分、ここが調整金になりますので、暫定税率が引き下がることによりまして、調整金の幅が拡大することになります。
続いて、4ページです。昨年度の関税審議会での議論で出された主な意見です。
全体を御紹介しますと、糖価調整制度の維持のために暫定税率引下げはしっかり講じられるべきであるとの御賛同の意見を頂きました、これは三つ目のポツですかね、頂きました一方で、新たな基本法の中で改めてしっかりと議論を進めていく必要がある、あるいは糖価調整制度を超えた別の対応策というのを考えていく必要があるのかということで、それは二つ目のポツに記載をしております。あるいは、四つ目のポツでございますけれども、ステークホルダーがそれぞれ努力をしていくということ、特にコスト削減の努力をすることが非常に重要といった御指摘も頂きました。
次のページにまいります。そういった御意見を頂く中で、5ページ、昨年の答申内容です。
下に赤枠があって、その少し上部分ですけれども、昨年の関税審議会でも暫定税率引下げを行うことが適当であるという答申を頂きました。ただし、赤枠の部分ですが、今後の検討に当たってということで、政策効果について検証及び報告を求める、あるいは関連制度の今後の在り方及びその在り方の実現に向けた具体的な取組を進めて、それらの進捗状況などについて明らかにすることを求めるという答申を頂いたところです。
続きまして、6ページ以降で、昨年度の答申や指摘を踏まえた今年度の関税審の対応方向等について御説明いたします。
7ページ目ですけれども、昨年度の関税審を踏まえて、一番上の黒四角にありますとおり、引き続き暫定税率の引下げの関税改正要望を行うこととすることを考えております。その際、2番目の四角以降ですけれども、この制度は調整金負担という実需者負担の仕組みであり、国産の砂糖価格を引き下げることで国民負担の軽減を図り、消費者から支持されることが重要、あるいは生産者、製糖業者のそれぞれが生産・製造コストの削減に向けた不断の努力を続けること、制度運営の面では、輸入糖と国内産糖のバランスを確保し、また調整金収支の均衡を図る、このほか砂糖の需要拡大を図るといったことを説明してまいります。
また、最後の四角にも書いているとおりで、砂糖については、国境離島における代替の利かないさとうきび、あるいは我が国最大の畑作地帯の輪作体系の維持に欠かせないてん菜の生産を支えており、単に経済合理性のみでは評価できない背景を有しているということも、要望の中で御説明をしてまいりたいと思います。
続きまして、8ページです。
先ほど申し上げたとおり、今年も来年度に向けてCPTPP税率のステージングに合わせた引下げ要望を提出することを考えております。右上の部分にはこの検証結果を記載して、今後、加糖調製品の輸入量など直近の状況などを踏まえて、暫定税率を引き下げることが必要である根拠を記載します。これを実現するためには、財務省の主催になりますけれども、関税審議会の方で、加糖調製品が今後も国内の砂糖産業の脅威となり得ることであるとか、国内産糖に係る競争力強化の取組などについて説明し、納得していただく必要があります。本日ここで御意見を頂きました上で、今後の関税審への要望あるいは説明等について、検討を進めてまいりたいと思います。
9ページ目、10ページ目からは関税審での説明の具体的な中身に入ります。
10ページ目は、加糖調製品のこの調整金制度です。
上の枠の中の三つ目の文章になりますけれども、三つ目の丸ですね、平成30年12月のCPTPPの発効に合わせて加糖調製品を調整金の対象としておりまして、この調整金を国産の砂糖の支援財源に充当し、競争力強化を図っているところです。
11ページ目は、砂糖と加糖調製品の需給動向です。
下の青いグラフの方は加糖調製品でございまして、真ん中ですね、輸入が自由化された平成2年以降、大幅に増加をして、国内の砂糖の需要を代替してまいりました。ここ数年は、輸入量は輸入価格の高騰などで減少傾向でしたけれども、直近の令和6砂糖年度では減少傾向が一服して、引き続き相当量の輸入がなされていると認識をしております。
12ページ目が甘味全体の需要量です。
左の棒グラフ、これは砂糖、異性化糖、あるいは砂糖含有量に換算した加糖調製品をまとめた甘味全体の需要量の推移となっております。この中で加糖調製品は、右側に円グラフを示していますけれども、用途が菓子向けあるいは飲料、パンというように、砂糖と共通する部分が多く、競合関係にあるものと考えております。
13ページにまいります。加糖調製品の直近の輸入動向でございます。
棒グラフは、ココア調製品、粉乳調製品など、品目別に色を分けて積み上げていますけれども、全体としては平成28年をピークに輸入量は減少傾向にあります。一方で、青の折れ線グラフ、これはCIF価格、調達価格を示しておりますけれども、令和2砂糖年度以降、急激に上昇して、これに伴って輸入量が加速して減少しているというようなことになっています。
一方で、直近、令和6砂糖年度、これは6月までの状況を5砂糖年度と比較したものですけれども、ピンク色の部分、ココア調製品のところは増加をしておりまして、この直前までカカオ豆の不作で、カカオ豆の価格が、需給逼迫していったことが、その価格が下落をしてココア調製品についてもそれに伴って下落に転じたこと、これが原因ではないかと見ております。
こうした形で加糖調製品の輸入量というのは砂糖以外の原料の動向、混ざっている方の原料の動向にも影響を受けますので、近年減少傾向ではありますけれども、状況によって輸入増加の可能性もあるということで、依然としてその脅威というものが存在していると認識をしております。
14ページは加糖調製品からの調整金収入の推移と政策効果です。
左側の表は、集計期間が7から6月までですけれども、年別の加糖調製品からの調整金収入の推移で、令和6年は輸入量やCIF価格の上昇、暫定税率引下げの効果もありまして、前年よりも多い106億円となっております。政策効果としては、この調整金は、右側の図にあるとおり、輸入原料糖からの調整金軽減と併せて国内産糖の支援の財源として充当して、競争力の強化に寄与しているものと考えます。
1枚中表紙ありまして、16ページ以降です。ここからは関税審で報告を求められている国内産糖に係る競争力強化の取組状況について御説明をします。
この16ページは全体の動向を取りまとめていますけれども、左はさとうきび、右側はてん菜の動向で、さとうきびについては、機械収穫への移行などにより労働時間が減少傾向で、生産費の減少に寄与しています。てん菜については、肥料投入量や防除回数が多く、物財費が高止まりしていますけれども、移植から直播への切替えなどで生産の効率化を図っているところで、労働時間が減少の傾向にあります。
甘しゃ糖工場について、左下になりますけれども、工場の集中制御化や自動設備の導入により、製造コストの低減を進められていると承知をしております。また、てん菜糖工場の方も、工場の再編合理化による効率的な生産体制の構築でありますとか、あるいは原料輸送車両台数の削減などにより、製造コストの低減を進められていると承知をしております。
17ページは、さとうきび、てん菜のコスト削減の各論となります。
先ほど紹介した話の例になりますけれども、さとうきびについては、データを活用したスマート栽培などの効率化、あるいは多回株出し栽培に適した新品種の開発なども進められているところです。また、てん菜については、直播の拡大や特定の除草剤に耐性を持つ品種の普及などを含めた、減農薬・減肥料によるコストの削減あるいは省力機械の導入、作業の外部化・共同化などにより、育苗移植・収穫時間の削減が推進をされているというところでございます。
続いて、18ページですが、これは各工場の方、16ページで申し上げた製造コスト削減の具体例になります。
甘しゃ糖工場、幾つか例を載せておりますけれども、設備の集中管理や自動化による労働生産性向上などの事例、てん菜糖工場については、工場再編合理化の取組事例でありますとか、原料輸送車両の台数削減の事例を御紹介しております。
19ページ、これは1部でも御紹介してございますけれども、精製糖企業の状況です。企業合併などにより経営体質の強化を図りつつ、この砂糖の安定供給に貢献しているという状況をまとめております。
以上のとおり御説明しました国内の砂糖関係者の競争力強化の取組ということ、これを引き続き関税審の場でも御報告をしてまいります。
続きまして、中表紙一つめくって21ページから、ここから制度の中長期的な在り方及びその実現に向けた取組です。
この内容、第1部でもお示ししたところでありますけれども、21ページは砂糖勘定が引き続き厳しい状況にありまして、令和6砂糖年度においても、国際糖価が高止まり、あるいは円安の影響などにより、調整金収入と交付金支出の差は約19億円の赤字の見込みで、補正予算における60億円の国費投入により、累積差損は598億円の見込みとなっております。
また、22ページも第1部でお示ししたものです。
関税審委員ではこの制度の在り方自体について問題意識を持っている委員もいらっしゃるということで、制度関係者にとって不可欠なこの制度を維持、安定供給をしていくための収支改善の取組をここでまとめてお示しをしています。その一つ目がこのてん菜方針でございまして、砂糖の消費量が減少し、てん菜糖業の抱える在庫が増大して厳しい経営状況にあるという中で、令和4年12月に持続的なてん菜方針に向けた今後の対応を決定いたしました。本日1部でも御議論いただきましたけれども、その内容について本審議会で引き続き検証を行っていただいているところです。
続いて、23ページです。
令和6年4月からの異性化糖の調整金に係る運用見直しについても、関税審の場で御説明する方針です。換算係数について見直しをして、13年ぶりに調整金が発生しているところでして、引き続き適切に算定をしてまいります。 24ページも先ほど御紹介した砂糖の需要拡大です。
先ほど触れた「ありが糖運動」のほかは、国内製造の砂糖への置き換えの支援や輸出の拡大などについても、ここで紹介をしてまいりたいと思います。
25ページですけれども、1部でも少し御議論いただいたSAFの件です。
砂糖の消費量が減少を続ける中で、他用途利用の検討というのも重要であると考えておりまして、関税審の委員からも国産SAFの実現可能性の検討について御指摘があったところです。農林水産省はSAFの官民協議会のメンバーとして参画をしておりまして、この協議会での議論を踏まえて、今年2月に閣議決定されました第7次エネルギー基本計画では、2030年のSAF供給目標量が設定されたというふうに承知をしております。農水省においても、甘味資源作物のSAF利用に関するシンポジウムの開催などを通じて、様々な議論を、可能性の検討を推進しているところです。
最後のページには、以前の調査でございますけれども、国産さとうきびなどを原料としたSAFの製造コストも試算しておりますので、御参照いただければと思います。
以上で第2部の説明となります。この方針にて今年度も関税改正の要望を行ってまいりたいと考えております。御意見を賜ればと存じます。
小針部会長:ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明を踏まえ、委員の皆様方の御意見を伺いたいと思います。オンライン参加の委員の方は、御意見がございます場合は、画面上の挙手ボタンを押していただき、こちらから指名をさせていただきます。指名されましたら、カメラとマイクをオンにして御発言をお願いいたします。また、会場にお越しの委員の方は、御意見がございます場合は挙手をお願いいたします。
森本委員、お願いいたします。
森本委員:資料2の7ページで農水省から示された関税審での意見、答申を踏まえた対応方針(案)については、異存ございません。
本件については毎年度同様の意見を申し上げていますが、CPTPP税率の設定水準に応じた加糖調製品の暫定税率の引下げは、交渉受入れ際の政府としての約束であり、引き続き措置されるように求めます。加糖調製品の調整金は、糖価調整法の本来の趣旨から考えれば、本来は徴収された金額そのままは輸入指定糖の軽減に充てられるべきものであります。しかしながら、現在はALICの砂糖勘定の累積赤字が危険水域にあるため、やむを得ず国産砂糖の価格引下げ幅も最低限にとどまっています。
第1部で申し述べた繰り返しになりますが、持続的・安定的な制度の財政基盤を確立するために、昨年の補正予算と同様に、財政負担による補填措置を継続するとともに、異性化糖調整金について運用見直しに関する激変緩和措置を直ちに廃止し、輸入糖と公正な水準に是正され、適切に徴収することを求めまして、終わりにしたいと思います。
以上です。
小針部会長:ありがとうございます。
ほかに御意見ある方、挙手にてお願いします。それでは小椋委員、お願いします。
小椋委員:小椋です。
今ほど提案されました加糖調製品の暫定税率引下げを求めることに関しましては、賛同いたします。また、加糖調製品制度を活用し、輸入糖の調整金負担軽減を継続していくことは重要かと思いますので、今後とも鋭意継続をお願いしたいと思います。
さらに、今回の甘味資源部会、全体を通じまして意見述べさせていただきたいと思いますけれども、甘味の消費が減少を続ける中、食料安全保障の観点から、国民の皆さんに対する砂糖を始めとした甘味、この供給の在り方、またそのための制度の在り方について、いよいよ再検討をする時期が来ているものと考えるところであります。今後、十分に内容を検討するように、農水省としても取り進めの方を切に願うところであります。
以上です。
小針部会長:ありがとうございます。
ほかに。石栗委員。
石栗委員:ビート協会の石栗です。
今回の関税審議会の答申対応に関しましては、異存ございません。
加糖調製品の暫定税率を段階的に引き下げまして、確保した調整金を原資として国内砂糖の競争力を後押しするという取組につきましては、CPTPP等による国内砂糖生産への影響を低減するための措置として理解しており、感謝申し上げます。てん菜は北海道農業の輪作体系に非常に重要な作物であり、てん菜糖業は地域経済にも大きな影響を及ぼしております。これを持続可能なものにするためにも、糖価調整制度の維持は必要不可欠でございます。農林水産省におかれましては、今後も加糖調製品の暫定税率引下げに御努力を何とぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
また、先ほど第1部で、松田委員から環境負荷に関する御発言がありました。てん菜糖業としましても、持続可能な開発目標であるSDGs、これを踏まえまして、環境面に配慮した取組を種々行っております。農林水産省様が策定したみどりの食料システム戦略に呼応した、てん菜を原料としてあらゆる段階での効率化、低環境負荷の実現等、あるいは脱炭素の取組、このようなもの、また新たな用途開発、糖蜜からのSAF開発や、糖蜜を活用した取組等々、てん菜を使い尽くすということを念頭に置きまして、新たな道を開きながら環境負荷の低減にも努めてまいりますので、今後とも御指導のほど何とぞよろしくお願いいたします。
小針部会長:ありがとうございました。
有田委員、お願いいたします。
有田委員:勉強のために伺いたいんですが、関税審で関税を下げるということは、高いと言っているのと同じだろうと思っているのですが、私も結果的に何が高いのかなと考えた時に、下げる方がいいだろうと思います。加糖調製品というのは、輸入しているメーカーとして見たら、国内の砂糖が高いから、海外で作って原料として輸入したいことに間違いないと思うんです。そういうことに対応していくことが、企業としては、農業を企業として私なんかは捉えているんですけれども、当たり前のことだろうと思っています。
じゃ、一体何をしたらいいんだろうなと考えると、よく話に出ています、日本人は遺伝子組換えが嫌いだけれども、遺伝子組換え食品を世界一食べているのは日本人だと、こう言いますよね。それはなぜかといったら豆腐がそうだから、納豆がそうだから。遺伝子組換え大豆がもう圧倒的に多いと言いながら、実際には遺伝子組換えを一番やっていないのは日本なんですよね、だから、そういう意味で努力はまだ相当できるんじゃないかなと僕自身は考えているんですけれども、その辺はいかがなんですかね。
小針部会長:後ほど回答はまとめてお返しします。
ほかに御意見ある方、挙手にてお願いいたします。
そうしましたら、オブザーバーとして御参加いただいております高橋様、松島様の順番で、コメントありましたらお願いできればと思いますが、よろしいでしょうか。
高橋オブザーバー:御説明ありがとうございました。
国内産糖を守るために糖価調整制度を維持していくということは、理解しております。それで消費者団体から参加させていただいておりまして、消費者ができることが何だろうという考えたときに、やはり砂糖とか糖化の甘いもの、甘味の消費を拡大するということが大事なんだなと思っております。先日、私どものセンターで「調味料としての砂糖」というテーマでセミナーを行ったときに質問が出ました。「砂糖を取ると糖尿病になりますよね」という質問なんですけれども、そこで先生がお答えになったのが、「砂糖を取るから糖尿病になるわけじゃなくて、糖尿病になったら砂糖なり、そういうものを控えなくちゃいけない」と、そこは原因・結果の原因ではない。
そういうことを私たちは知らなかったわけで、先日インシュリンを打っている友人に会って、「糖尿病になったら砂糖とか取っちゃいけないんだよね」と聞きましたら、砂糖が悪いわけじゃなくて、カロリーが問題なんだと。砂糖じゃないと。なので、なぜか私たちは砂糖と糖尿病というのをすごくくっ付けて考えてしまって、消費者団体で勉強していても分かっていない人がすごく多いので、このイメージを何とか変えたらいいのではないかというふうに考えました。
以上です。
小針部会長:ありがとうございます。
松島様、お願いいたします。
松島オブザーバー:本日、初めてこの会に参加させていただきます松島と申します。今年3月に関税審議会の企画部会の委員に就任いたしまして、その関係でこの場にもオブザーバーとして参加させていただきます。
この会議に参加するに当たりまして、過去の関税審議会の議事録を拝見しますと、委員の先生方、経済系とか国際貿易の関係の御専門の方々が多いので、基本的には自由経済というものの重要性を主張されていらっしゃいます。その中でこの糖価調整制度という仕組みを説明して御理解いただくというのは、なかなか大変な仕事じゃないかなというふうに思います。先ほど担当課長の方から、制度についての理解も十分にされていないという指摘もございましたけれども、そこは丁寧に説明していくということだと思っております。 特に今年の3月に関税審議会の委員の改選がございまして、企画部会も21名の委員がいるんですけれども、その5名が新任の委員となりました。この秋に今日御説明がありました点を農水省の方から御説明されるということだと思いますけれども、そのことも念頭に置きながら、いろいろ説明ぶりとかを工夫されたらいいんではないかなというふうに思っています。
まず、3点ほど申し上げたいんですけれども、一つは、糖価調整制度で精製糖企業の方から調整金を頂いて、それを財源として甘味資源作物の生産者とか国内産糖の製造事業者の方を支援していくという、特殊な仕組みを設けているということもあって、なかなか制度が複雑ということもあります。ただ、その制度の趣旨を考えれば、内外価格差がある中で、国内での生産を維持するために必要なコストを消費者に負担していただくという観点からは、関税もこの糖価調整制度も変わらないところもあるので、特殊性も大事なんですけれども、そういう基本的な趣旨や目的といったものも説明していただくと、理解が進むんではないかなと思いました。
2点目は、国境措置で国内の農産物生産を守っている仕組みとして、米とか麦とか乳製品等がございますけれども、そういった作物というのは全国的に生産されているので、皆さん、関税審議会の委員の方々もなじみがあると思うんですけれども、甘味資源作物は北海道と沖縄、南西諸島という、まさに地域の作物なので、その生産を維持していく必要性といったことについても、新任の委員の方も念頭に置きながら、丁寧に説明する必要があるのかなというふうに思ったところでございます。
最後は、この資料にも丁寧に書いてありますけれども、先ほどお話しした経済が自由であるべきという方々に対して、この砂糖についても、消費者負担ということをいかに削減していくのかというのが一番の説明のポイントだと思いますので、今回資料にありますような具体的な生産コストの削減の取組の成果とか、また今後の取組方針といったものを丁寧に説明するということが、関税審議会の中での支持を得る上で大事になるんではないかなと思っております。
以上でございます。ありがとうございました。
小針部会長:ありがとうございました。
ただいまの各委員、またオブザーバーから頂いた御意見等につきまして、事務局から御回答を頂ければと思います。
参鍋課長:御意見、ありがとうございました。頂いた御発言について回答をさせていただきます。
森本委員からこの方針に沿って関税改正を行うべしということで、これに沿って臨んでいくとともに、負担の在り方については、第1部でもお答えをしたとおり、関係者の皆さん、御意見伺いながら議論・検討を進めてまいりたいと思います。
小椋委員からは、制度の在り方そのものに関する御指摘いただきました。これも第1部の方でお答えをしたかと思いますけれども、この制度、古くからある制度ではありますけれども、その時々の状況に応じて工夫をして、持続可能性というものを模索してきたということで、今後もまさに足元の状況を踏まえつつ、不断にこの制度を見直していくという基本的な考え方になろうかと思っております。
石栗委員の御発言でございますけれども、みどり戦略の関連で当方の御回答、不十分な分、補足説明を頂きまして、どうもありがとうございます。
有田委員の御発言の件ですけれども、恐縮です、大豆の部分、ちょっとお答えを申し上げられないんですが、国境措置を下げるという部分に関しては、これは譲許が決まっている中で暫定の税率を下げて、その準拠と暫定の空いた隙間を調整金で頂くという、この加糖調製品の制度に起因する若干技術的な話でございまして、実は国境措置の水準自体は下がらないという、そういう話でございます。
それと、高橋様から御指摘を頂きました需要拡大のための発信の話、具体的な御事例を基に紹介を頂きまして、ありがとうございます。この砂糖に関する基本的な知識の発信、重要だと思いますので、例えば先般のこども霞が関デーでも、業界の皆様にも御協力を頂いて、クイズを作ったりということで工夫をいたしましたし、業界の方でも取り組んでいらっしゃると思いますので、我々もそうした取組、協力して、あるいは後押しをしてまいりたいと思います。
松島様から頂いたコメントの関係ですけれども、この関税審の先生が新任の方という情報もありましたので、事前説明、我々、関税局と一緒に行っていきますけれども、その過程で制度の在り方、あるいは経済合理性だけではないというところを含めて、丁寧に説明をしてまいりたいと思います。この点はさっきの有田委員の御質問とも関連するんでしょうが、まさに砂糖というものが様々な形で食生活に組み込まれているという事実を考えますと、この調整金の制度自体は、特殊な部分もある制度だと思いますけれども、調整金であれ関税であれ、国民に御負担を頂くということ、それは余り変わらないという御指摘、そのとおりかと存じます。そうした中で国民の皆様に御負担を頂くということに関連して、この制度の持つ意味あるいは周辺の事情、事実関係というものを丁寧に説明をしてまいりたいと思います。
私からは以上でございます。
小針部会長:ありがとうございました。
ただいまの回答につきまして特段の御意見がございます場合は、挙手又は画面上の挙手ボタンを押してお知らせを下さいと思います。
森本委員、お願いいたします。
森本委員:高橋委員からおっしゃったことはよく言われることでございまして、皆様が御存じないと。それで、精糖工業会では、今度、国内産糖三団体と一緒に、学研に発注して、「砂糖のひみつ」という本を全国の小学校図書館に配ることを決定いたしました。自らの予算で今やっております。
それで、砂糖も異性化糖もカロリーは1グラム当たり4キロカロリーで一緒です。砂糖が、高橋委員がおっしゃっているとおり、糖尿病は砂糖が直接的な原因ではありません。虫歯は砂糖のみでなる訳ではありません。その辺のことも「砂糖のひみつ」に盛り込んで、小学生の皆さんに読んでもらうことにしています。 砂糖は体の中に入ったらブドウ糖と果糖に分解されますけれども、異性化糖も組成としてはブドウ糖と果糖ですが、甘さの水準がちょっと違うというところがございます。
また、加糖調製品が何故こんなに増えたのかというと、実態として「法の網目を潜り抜けている」ということです。例えば、砂糖とココアと混ぜると、チョコレートの原料になりますが、ある一定量の砂糖の数量を超えない限り別扱いになります。直近の事例でいいますと、小豆と砂糖を混ぜると、あんこになりますが、ある事業者様はもともと中国からいわゆる加糖調製品であるあんこを輸入されていたのですが、あんパンの後ろの食品表示に原産国を「中国」と書かざるを得なくなったため、色々考えられた上で、消費者に販売するに当たっては国産に変えられたことがございます。
ココアでは、カカオが世界中で足りない状態になっていることも含めてこの加糖調製品がここ数年数量的に減っているという現状もございます。
あと、一番問題なのは、ソルビトール調製品というのがありますけれども、ほとんど韓国から入ってきていますが、韓国が輸入砂糖、輸入原糖を保税で加工して、自らのソルビトールと混ぜて日本に入ってきています。これが結構大きく砂糖のマーケットを食ってしまっています。
砂糖の消費には、国際糖価が上昇や円安などで減っている分ももちろんございますけれども、日本の消費者に正しく情報を提供していくと、違う面もまた見えてくると考えています。
以上、補足として御説明申し上げます。
小針部会長:松田委員、お願いいたします。
松田委員:高橋委員のおっしゃる通りですが、WHOでは、free sugarの過剰摂取が、肥満、虫歯、2型糖尿病の発症につながることをあげています。海外ではいえることかもしれません。最近、2型糖尿病発症メカニズムについて、エネルギー摂取量を介さない糖類の別の代謝経路が関連すると考えられるとの論文が報告されましたが、我が国では、肥満、2型糖尿病の発症要因は、エネルギーの過剰摂取と考えます。虫歯はこまめな口腔ケアで予防可能です。正しい知識の普及が大切です。
小針部会長:ありがとうございます。
それでは、他に御意見等がなければ、この辺りで議論を終了したいと思います。
本日事務局より説明がありました内容につきましては、本年秋に開催される関税審議会において、加糖調製品に係る暫定税率の検討の議論において御説明いただき、関税審議会の委員の方々の議論に資するものとしていただき、最終的に暫定税率引下げの御理解が得られるようお願いしたいと思います。
本日は貴重な御意見、ありがとうございました。
それでは、進行を事務局に戻させていただきます。
参鍋課長:小針部会長、ありがとうございました。
事務連絡でございます。本日の資料は、第1部で御了承いただきました砂糖及びでん粉の調整基準価格を反映したものも含めまして、この後、農林水産省のホームページに公表させていただきます。また、議事録につきましては、委員及びオブザーバーの皆様に御確認をさせていただいた上で、発言者の御氏名とともに公表をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
それでは、本日の甘味資源部会を閉会させていただきたいと思います。ありがとうございました。
閉会
※中宮委員は、やむを得ない事情により途中退席し、会議終了まで戻ることができなかったため、当日は発言できなかったが、発言を予定していた意見内容は以下のとおり。
○中宮委員
糖価調整制度および糖価調整金について、制度そのものに異論はありません。ただし以下の点について意見を申し上げます。
(ア)糖価調整金の使い方について
この制度の目的や調整金の使途として、国内産糖の原料生産者を守ることは毎年議論されています。特に離島では代替作物が乏しく、製糖用原料の生産は地域維持において極めて重要です。しかし現行制度は単年度ごとの運用にとどまっており、来年、5年後、10年後にどのように生産者を支えていくのかといった中長期的な議論がほとんどなされていません。離島に人が住み続けることは、農業政策だけでなく国防や地域社会の維持にも関わります。したがって、単年ごとの調整にとどまらず、中長期的な視点での制度設計を検討していくべきだと考えます。
(イ)砂糖の有用性と正しい知識の普及について
近年、砂糖は「健康に悪い」といったイメージが先行し、消費減少傾向が見られます。本会議資料でもその点が指摘されていましたが、背景には砂糖の有用性に関する周知不足があると考えます。 たとえば和菓子においては、古来より砂糖を用いることで添加物を使わずに保存性を高める技術が発達してきました。砂糖は過剰摂取さえ避ければ、味や香りの調整、保存性の向上など、多くの利点を持つ食品です。こうした正しい知識を広める活動なくして、単に「砂糖の消費を増やそう」と発信しても効果は乏しいでしょう。また、会議資料や一般的な発信において「砂糖」が一括りにされがちですが、菓子職人の視点からするとこれは大変もったいないことです。 氷砂糖、双糖、グラニュー糖、上白糖などは、それぞれ純度や特性が異なり、甘味の切れ味、焼き色のコントロール、褐変反応などに影響を与えます。しかし、こうした違いを踏まえた使い分けが十分に理解されていません。先日、高校生による和菓子コンテストで審査員を務めましたが、参加者の多くが調理専門学科に在籍しながらも、指導教員を含め砂糖の基礎知識が十分に浸透していないと感じました。したがって、一般消費者への情報発信だけでなく、教育者や製菓業界従事者への知識普及も不可欠だと考えます。
(ウ)加糖調整品は砂糖の代替になり得るのか
海外から輸入される加糖調整品について「砂糖の代替になるのでは」との議論があります。しかし、(イ)で述べたように砂糖の特性が正しく理解されていれば、単に価格が安いからといって加糖調整品に切り替える流れには必ずしもならないはずです。砂糖は種類や精製方法、結晶の仕方によって味や性質が大きく異なります。その特性を理解するプロであれば、加糖調整品は砂糖の代替にはならないと判断できるでしょう。さらに、一般消費者にも正しい知識を伝えていくことで、単に「安価なもの=良いもの」という誤解を解き、砂糖本来の価値を理解してもらえると考えます。
お問合せ先
農産局地域作物課
担当者:板橋、下條、棚原、岩城
代表:03-3502-8111(内線4843)
ダイヤルイン:03-3502-5963




