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食料・農業・農村政策審議会果樹部会 第6回(平成27年3月18日) 議事録

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日時及び場所

平成27年3月18日(木曜日) 15時30分~17時11分
三番町共用会議所2階 大会議室

議事

(1) 果樹農業振興基本方針について

(2) その他

概要

菱沼園芸作物課長
皆様、こんにちは。
定刻になりましたので、若干2名の委員の先生方が遅れておりますけども、ただいまから平成26年度第6回の食料・農業・農村政策審議会果樹部会を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、本当に年度末ということでご多忙中にかかわらずご出席いただきましたこと、厚く御礼申し上げる次第でございます。
本日、議事に入る前までの間、私、菱沼のほうから進行をさせていただきたいと思っております。
よろしくお願いいたします。
ます初めに、生産振興審議官の鈴木より、委員の皆様にご挨拶申し上げます。

鈴木生産振興審議官
食料・農業・農村政策審議会果樹部会の開催に当たりまして一言ご挨拶を申し上げます。
年度末のお忙しい中、また急な会議の日程のセットだったかと思いますが、多くの委員の皆様にご出席をいただきましてありがとうございます。
委員の皆様には、昨年の6月以降6回、それから現地調査が2回、合計しますと8回ということになるかと思いますけれども、ご検討いただいてまいりました。
本日は、新たな基本方針(案)のご審議をお願いするということでございます。
前回の果樹部会で骨子をお出ししまして、不足していた視点、それから考え方、表現ぶりなど委員の皆様から貴重なご意見を頂戴いたしました。
今回、前回いただいたご意見を踏まえまして基本方針(案)のほうを準備いたしております。
委員の皆様方におかれましては、限られた時間でございますけれども、それぞれのご専門のお立場から忌憚のないご意見をいただきまして、よりよい基本方針になりますようご議論いただきますようにお願いを申し上げまして私の挨拶とさせていただきます。
よろしくお願いいたします。

菱沼園芸作物課長
それでは、議事に入る前に配布資料の確認をさせていただきたいと思いますが、配布資料につきましては資料1から4がございまして、まず資料1が、果樹部会の委員一覧であります。
資料2は、今までとこれからのことを示しております審議の進め方であります。
さらに資料3といいますのが、本日お諮りさせていただきます果樹農業振興基本方針(案)でございます。
あと資料4につきましては、その基本方針を簡略化といいますかポンチ絵でA3の資料で示したものをお配りしているところであります。
さらに、果樹をめぐる情勢ということで、果樹に関するデータを示した資料というのも用意させていただいております。
足りないところ、落丁等がありましたら、事務方までお申しつけください。
よろしくお願いいたします。
よろしいでしょうか。
それでは、委員の出席状況と部会の成立についてご報告申し上げますが、本日は、山口委員、徳田委員、林委員、三森委員がやむを得ない事情でご欠席となっております。
あと横田委員、大西委員につきましては若干遅れてこられるということでございます。
そういたしますと、19名の委員の方々いらっしゃる中で15名のご出席ということでございますので、本部会は成立しているということを確認いたします。
よろしくお願いいたします。
それでは、ここからは部会長に議事進行をお願いしたいと思います。
よろしくお願いいたします。

三石部会長
それでは、ここから私のほうで議事を進行させていただきます。
本日の議題は2つありまして、1つが、果樹農業振興基本方針について、2、その他の2点となります。
審議の進め方ですが、事務局から、さきにご説明いただいた資料3と資料4が用意されておりますので、まずは資料の内容を事務局から説明いただきます。
その後、各委員からご質問、ご意見を頂戴したいと思います。
それでは、事務局から説明をお願いします。

菱沼園芸作物課長
本体についてのご説明でございますので、時間がかかるかと思います。
大体30分から40分程度かかるのではないのかなと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
まず、資料3ということで「果樹農業振興基本方針(案)」という冊子にさせていただきましたが、めくっていただきまして目次がございます。
目次、第1から第6というその他まで含めたものがございますけども、まず、中身についてご説明しますが、「第1 果樹農業の振興に関する基本的な事項」ということで、まずは「果樹農業をめぐる状況」を示しております。
この中では、2つ目の段落でも、果実の生産量が非常に多かったものが、かなり落ちてしまっているといったこと、これがやはり普通の方が読んでも分かるようにというお話でございましたので入れさせていただきました。
さらに、4番目の段落のところでありますが、やはり果実は嗜好性ということを随分我々としても使わせていただきましたけども、そういう言い方ではなくて、果実の消費といいますのが、菓子などの競合だとか消費者の収入の増減に左右されやすく、他品目への代替が可能な品目といったように、明確に書くようにというお話がございましたので、こうさせていただいたところです。
このような、非常に脆弱が見られる中で、これから他産業に匹敵する農業所得を確保するといったことから、関係者が一体となってしっかりした施策を講じていく必要があるだろうということを、このめぐる状況では示しております。
続いて、「(2)果実の需給構造」でありますけども、これは棒グラフ等でお見せしましたけども、生鮮果実の生産量が減少傾向で推移しているということであります。
2ページ目をお開きください。
その一方で、輸入果実では、果汁等の加工品の輸入量が増加しているということ。
そういった中で、我々としては、3番目の段落でありますが、国内市場の縮小が見込まれる中で、簡便制や利便性を求める消費者ニーズの高まりをどのように対応していくのかこれから検討していく必要があるだろうということです。
今回の基本方針の中で、やはり基本的考え方を設けようというふうに示しました。
そうしたところで、(3)でありますが、振興に向けた考え方ということで、まずはキーワードといたしましては「果樹農業の好循環」ということ、さらには「「連携」の強化」ということを示しました。
そういった中で、果実というものは一般的に、一般の方々がどのようにこういった基本方針を読むときに引きこもれるようにという形で、最初の段落でありますが、「果実は、古くは」ということで、このような「水菓子」と呼ばれるなど、非常に身近にあったといった歴史がある。
さらには、栄養面でもビタミン、ミネラルの摂取源として重要な食品であって、機能性成分も含まれているといったような果実の定義といいますか、しっかりした役割について示させていただきました。
そういった中で、必ずしも食生活に欠かせない食材・必需品として位置づけられていないといったところで、果実がどのように振興していくのかということが大事だ。
そのためには生産・流通・加工・消費・輸出、各分野を含めて全体を見渡す視点で、施策を講じていく必要があるだろうということを示しております。
さらに、規模拡大や次世代への承継が円滑に進むように、農業所得が好循環で回るようにということで、果樹農業好循環を生み出すための施策が必要だといったことをうたっております。
キーワードとしては「連携」ということで示しておりますが、例えば「連携」としてはどのようなものがあるかと申しますと、2ページの下から1、2、3、4といったような様々な「連携」を構築していく必要があるだろう。
それを具体的にということで3ページですが、「例えば、」ということで、産地内における「連携」だとか、産地と消費地の「連携」だとか、産地間競争から産地間「連携」への移行といったこと、さらに、各分野間の「連携」といった形で、例示を示しながら、各連携についてこういったことをやる必要があるだろうということを示しております。
これが基本的考え方になるわけでありますが、さらに3ページでありますが、2)、一番下の段落でありますけれども、「新需要創出の推進」といったことが大事であろう。
これも色々と、どうして新需要の創出が大事なのかということを一般の方々にわかるようにということで、4ページのほうに示しておりますが、やはり今まで随分つくっていたと、昭和54年に350万トンだったところが、平成25年は90万トンに減少。
そういった中で、作っていれば売れるといったものではなくなってきているので、そういった部分をどういうふうにしていくのかということを示しております。
4ページになりますと、「消費面での対策の推進」ということを記載しておりますが、これはやはり生産から入るよりも消費のほうから入っていこうという今回の考え方で示しております。
まさにバリューチェーンのことを踏まえた上で示しておりますが、(1)の前段では、数字的に少なくなってきているということを示しておりますし、2番目のパラグラフでは、「200グラム運動」、「ファイブ・ア・デイ」を展開していると。
さらに、こういった適量を食べるために必需品であるということについて科学的見地から理解を広めることが必要であろうというふうに示しております。
まさに嗜好性じゃなくて、きちんと食生活に取り入れるべき必需品ではないかと、そういったことをうたうべきだといったご意見がございました。
そうしたことを示しております。
さらに、下の段落あたりにいきますと、サプライチェーンを構築するということで、最近ではコンビニエンスストア等の様々な売り方、学校給食への供給体制というのがあるのですから、ここら辺はしっかりやるようにということを示しております。
消費の中で(2)でありますけど、対象を明確化した対策を講じるべきであろうということを示しております。
そこにいきましても、生産・流通・加工・販売・消費の「連携」といったものが大事であろうということを5ページあたりから示しておりますが、我々はカットフルーツということをいろいろと示しておきましたけども、どうしてカットフルーツが必要なのかということが理解できないということもありますので、今りんごを余り食べない理由としては、皮をむくだとか手間暇がかかるといったことがあるのでということで一般の方々に分かりやすいように示したところであります。
さらに、科学的知見に基づいた医療関係の有識者との「連携」といったところで、健康面からも検討していこうといったこと。
さらには、産地側の対応と消費者側のニーズのギャップがあるので、それを検証した上で、対象を明確化した消費拡大の対策をやる必要があるだろうということで明示的にも示しております。
5ページの下の「(3)食育の一層の推進」、これはかなり食育の関係で随分議論といいますかご意見を頂戴いたしました。
やはり明確に家庭での食育というのを進めるべきだと。
幼少期からしっかりした食べ方を身につけなければならないのだということ、食生活に取り入れる環境整備するのが大事であろうということ。
さらには、文科省、厚労省、様々な関係省庁と連携してしっかりやるべきというようなことで、段落ありますが、「今後も、関係省庁や」云々と連携してということで新たに示させていただいています。
さらには、食育ということで、小学生の農業体験とか家庭内での食育促進を保護者を対象にして進めていく。
やはり家庭から入っていくのだろうというご意見が非常にあったので示させていただいています。
続きまして、中学生におきましては、やはり食育にあっても科学的知見、やはりこういったデータ等がよく分かる年代になりますので、そういったような科学的知見に基づいた情報提供をしていこう。
ただし、機能性成分については、サプリメントで食べられる等はいけませんので、やはりサプリメントに頼らないでバランスのよい食生活を実践することが必要だと、こういったことを踏まえながら施策を講じていこうではないかということであります。
(4)でありますけども、バリューチェーンということで、新需要創出ということであります。
これについても様々な先進事例がございます。
加工業務用の新需要等もありますので、こういうことで攻めていこうということを示しております。
2番目の段落では、特にホテル・レストランといった外食産業や業務向けのところについて利用拡大が期待されるのではないのかなということ。
次の段落におきましては、世代別でしっかり施策を講じていこうということで、若年層に対してのニーズ、その若年層のニーズに対してどのように進めていくのかといったこと。
さらに、高齢者によってもいろいろとニーズがあります。
食べやすい形状にしたり、売り方、包装の仕方もあります。
こういったところをしっかりやっていくということであります。
6ページの下のほう、(5)でありますが、原料原産地表示、さらには機能性表示といったものについてしっかり取組をしていこうではないかということを示しております。
特に機能性表示につきましては、科学的知見の研究が進んでおります、うんしゅうみかんのβ-クリプトキサンチン、これらについては何とか表示になれるように取り込んでいこうと。
また、さらには、りんごについてもいろいろと成分がございますので、これについてはまだまだ科学的根拠の情報の蓄積だとか、その定量方法の標準化といった様々な科学的知見をつくるための支援が必要だといったようなお話でございましたので、こういった連携をしながら推進していくということを明記させていただきました。
続いて、「生産面での対策の推進」でありますが、7ページであります。
農業経営モデルをしっかり作って、それを普及させるようなことであります。
下の段落のところにあります、農業経営モデルにつきましても、「マルチドリップかんがい方式」やりんごの「新わい化栽培」といった新しい技術がたくさん出てきている。
このようなことを組み込んだ農業経営モデルを作って、しっかり農業所得を向上させるようなものを作っていこうということであります。
めくっていただきまして8ページでありますが、そういった農業経営モデルを「果樹農業振興計画」の中に入れ込んで、果樹園経営の指標を作っていくことが大事だということであります。
8ページの2でありますが、「果樹経営のキャリア展望の策定と普及の推進」と示しました。
我々は農業経営モデルは随分作っておりましたけども、やはり農業経営モデルというのは先進的な、そこのゴール地点でありまして、いろいろと現地調査をさせていただきますと、そこまでにいくにはどうしていいか分からないという方々がたくさんいらっしゃいました。
したがって、一つ一つ就農してから段階段階にどのように規模拡大していくのかといった農業経営キャリアプランのようなもの、ロードマップを示すことが大事だろうと、これを国がまず作ります。
それを踏まえて、産地にあっては同じようなキャリアプランといったものを作っていこうではないかと、このようなことを新しい政策として考えております。
8ページの下のほう、3ですが、次世代への承継ということでありますが、9ページへ行きますが、果樹農業は整枝や剪定等について非常に専門的技術が必要だということであります。
こういったときに試験研究機関や普及組織の全面的なバックアップによって研修プログラムを作って技術習得できる仕組みが必要だろうと、このようにやっていかなければならない。
これはかなり現地調査の中でも、随分担い手の方々が言われましたので、明記させていただきました。
「また、」ということで2番目であります果樹農業、土地利用型農業とは異なり、省力化が可能となる基盤整備がなされた園地が必要だということ。
したがって、こういった基盤整備がされた園地であれば、次世代にすぐさま承継できるということで、こういうやり方をしていく必要があるだろう。
このためにはということで、農地中間管理機構を活用した園地集積を進めるということを考えております。
ただ、委員の先生からは、農地中間管理機構は水田農業に非常に近いものであるので、なかなか果樹園の特性に基づいた他集積方法が必要だろうというお話がございまして、そういった中で産地協議会が中間管理機構と調整をしながらしっかりやっていこうではないかということを示しております。
そういった中で、ソフト・ハード両面で宸記就農者を参入しやすいようにしていこうということであります。
さらに、作業の共同化の要請が非常に強かったわけでありますから、こういった作業の受委託等の調整ができるようなものをしていこうということであります。
9ページの4でありますが、園地集積とか規模拡大であります。
これはやはり下のところの「このため、」のパラグラフでありますけれども、中間管理機構を活用するのですが、やはり園地というのは傾斜地が点在しているといったことで、産地協議会と連携しながら、新たな仕組みを作っていこうということで考えております。
10ページでありますが、やはり集積するだけではなくて、基盤整備が必要でありますので、園地集積の改植ですとか、大規模園地整備と連携した集積をやってほしいとう要望がありますので、そういったことについてしっかり行う。
さらに、先進事例を見ますと、やはり水田農業と違って、園地独自のルールというのがあるわけでありまして、3段目に書いてありますように、1、2、3、4と様々な果樹園独自のルールというのを作ってやっていこうと。
これはやはり産地の協議会の中で作っていただいて、中間管理機構と連携しながら集積をしていこうということであります。
労働力の確保ということで5でありますが、これについては、生産地だけではなくて県、市町村、産地一体となって雇用の確保をしていかなければならないということであります。
「例えば、」ということで、いろいろと現地の中でも動きが出てきております。
こういったことを進めていく必要があるだろうということで、11ページの前半にかけて1、2、3、4、5ということで事例も示しております。
こういうことを進めるような外部委託を進めていこうではないか、分業化を図っていこうではないかということ。
さらには、熟練技術を有しない者でもできるような「樹体ジョイント仕立て」といったような新しい技術ということも導入する必要があるあると示しました。
6、「耕作放棄地」と書いていますが、企画部会のほうでも、「耕作放棄地」という名前をやめて新しい言葉に直すということではございますので、これは丁寧に書かせていただきたいと思います。
語句を直します。
たまたま「耕作放棄地」と書いてありますが、中山間地域を中心に、そういった放棄地が多いわけでありまして、これについても、3段目のパラグラフでありますが、規模拡大志向と規模縮小志向の農家の調整・斡旋を行っていくといったことや、11ページの一番下でありますが、手間暇かけない加工業務用の園地というのに転換できる、実際やられているところもありますので、そういうような加工原材料専用園地に転換していく必要があるだろうと、そういったことを支援していこうと考えています。
12ページであります。
やはり果樹共済のセーフティネット措置をしっかり行うようにという話がございましたので、具体的に危険段階物共済掛金率のより一層の推進といったことも進めて書いておりますし、さらには収入保険制度、これについても明記させていただきました。
収入保険制度の導入については、制度の法制化に向けて検討を進めるとともにという文言も入れて、農業災害補償制度のあり方について検討していくということを示しております。
12ページでありますが、「新品種・新技術の開発・普及」ということであります。
やはり新品種でありますぶどうの品種「シャインマスカット」が非常に売れている、伸びているといったこと、これがまさに経営の好循環に貢献しているということで明記させていただきました。
さらには、新しい技術で「新わい化栽培」というのがありますけども、こういったものを具体的にどんなものが、どういう栽培方法なのかということを示しております。
そういった中で試験研究機関、生産出荷団体、生産者のほかに、流通・加工・販売の方々が様々な方々が連携を密にして、こういった新品種・新技術の開発というのを進めていくような体制を構築していくのが大事だと考えています。
13ページでありますが、1ということで、優良品目・品種への転換でありますが、果樹経営支援対策事業は、26年度で終期を迎えておりましたが、27年度も引き続き実施していくということを示しております。
特にこの事業についての運用の見直しもしっかりやっていくということで、具体的に定額助成の話だとか、新品種の新植を一定の要件下で認めるといったことを示しております。
改植するに当たっては苗木が必要だということで、次の段落、「また、」の段落でありますけれども、優良種苗の安定供給体制の整備、大苗育苗をしていく。
さらには、モノレールといったことの園地整備もしっかり行っていくということを示しております。
13ページの一番下の段落でありますが、落葉果樹では、花粉が必要になりますけども、その輸入花粉に依存している場面が非常に多いわけでありまして、依存しないような形で何とかできるようにということを考えていこうということで、14ページのように、輸入花粉についての項目を設けさせていただいております。
新品種の育成についてということで、14ページの上から2番目の段落からは、新品種の育成について記載しておりますが、やはり類似品種の育成だとか、これに投じて研究資源とか労力の重複だとか効率性の低さというのが非常に見えるというお話がございましたので、これを是正する仕組みがあるだろうと。
例えばということで、関係者が集まって役割分担を決めて、そこに合うような環境整備を作ることによって、新品種の目標を決めて普及していく、研究普及していくといったことが大事だろういうことで書かせていただいています。
2で、新技術の開発・普及ということで、様々な新技術の内容を示しておりますが、14ページの一番下のところでありますが、ロボット技術、ICTといった「スマート農業」、こういったこともしっかりやっていく必要があるだろう。
そのためには、今までの普及センターだけの普及だけではなくて、開発メーカーが普及していくといった体制や取組も推進していく必要があるだろうということです。
さらには、農業用アシストスーツ、これは「人力作業を補助する装着型の機械」と示しておりますが、こういったアシストスーツが開発されておりますので、高齢化を背景になかなか労働力も大変ですので、軽量化が図れるような技術も導入していこうということであります。
「ブランド化の一層の推進」ということでありますが、これについては、ブランド化戦略をしっかり立てていこうということを示しております。
そのためには、食品分野に限らず様々な分野とのブランド化戦略を分析してブランドの構築を図っていく必要があるだろう。
まさに、これらはこういうことでバリューチェーンをつくっていく必要があるだろうということであります。
下のところ、最後ですけれども、産地間「競争」、産地間「連携」というので強化する必要があるだろう。
そのためには、そういった成果といたしましては、16ページですが、デコポンのような全国的共通ブランドということを育成していく必要があるだろうというようなことであります。
一方、そういう全国共通ブランドも必要だけれども、囲い込みの中でしっかりしたブランドを作りたいという方々もいらっしゃるわけですので、16ページの2段目の段落でありますが、地理的表示保護制度、こういった活用をしながら商標登録を促進してしっかりしたブランドを確保しながら戦略立てて販売していくといったことが必要だろうというのを明記させていただきました。
3番目のパラグラフでありますが、これは20年前から集出荷ラインというのを随分整備してきていましたけども、やはり随分古くなったとか、大規模流通方式が非常に採用されてきて、今老朽化が進んでいるといったことがありますので、新しい集出荷体制の整備ということも必要だろうということを明記しました。
16ページでありますが、(3)最近の流通・消費事情にあった需給調整対策ということであります。
これは有田の現地に行きまして、うんしゅうみかんの極早生問題について結構議論になりました。
そういった中で需給調整をしっかりやっていくということで、産地間「連携」の重要性を十分認識して、適切に対応していこうではないかと、連携強化といったことであります。
特に議論になりましたうんしゅうみかんの極早生品種につきましては、17ページのパラグラフ4番目、「さらに、」ということで示しておりますが、極早生品種については「連携」を前提として、もう適正な生産量へ誘導していく、中晩かんの方へ転換していくといったことを明確に示しております。
17ページの(4)、下のところでありますが、6次産業化への支援ということで、新需要創出の中でも6次産業化、様々なやり方があります。
18ページの方にも「とりわけ、」ということで、加工技術の話や樹のオーナー制度、グリーンツーリズムのお話を載せております。
こういった果樹農業者が主体となって6次産業化の取組に対してしっかりと支援を行っていくということを明記しております。
18ページの(5)でありますが、鳥獣被害対策、地球温暖化ということで、鳥獣被害対策については、データも示して非常に厳しいものがあるということを訴えておりまして、その中でも鳥獣被害防止特別措置法に基づいて、着実なる施策を実施していくということ。
地球温暖化につきましては、高温の影響で、非常に被害が出てきているということがあります。
そういった中で、地球温暖化影響調査レポートを取りまとめて、これをしっかり都道府県のほうに提示して普及を図っていこうということを示しておりますし、果樹の品目転換というのが必要になるわけでありますから、そういった作柄安定技術だとか、高温でも着色しやすい品種、こういったものを導入していこうということを示しております。
こういった中で、やはりもう一つ足りないのは病害虫の項目であるというお話がございましたので、19ページのほうに、最近で発生いたしましたウメ輪紋ウイルスの病気だとかキウイフルーツのかいよう病の新系統、こういった病気が確認されておるという話をさせていただき、しっかりした発生予察なり発生先の対応ということをやっていこうということを明記しております。
19ページでありますが、「輸出面での対策の推進」ということで真ん中に示しておりますけども、これについては、目標ということで、平成32年までに250億円に持っていくといったことを示しております。
具体的にはということで、オールジャパンで体制を作っていく必要があるだろうということ。
インドネシア、タイ、ベトナムといった新興市場を中心に輸出をかけていこうと。
そうした中で、やはりしっかりしたかなめが必要だということで、青果物に関する輸出団体の設立の検討を行うということで、3月末までには何とか設立させていきたいと考えております。
こういった「多品目周年供給体制」ということが必要。
さらに輸出の加速化ということで20ページ、環境整備の推進ということを示しております。
なかなか輸出するに当たっても、植物検疫の問題がありますので、そういったことにつきましては、優先順位を明確化して、国家間での交渉をしながら戦略的に対応していこうということを考えております。
さらに環境整備ということで、向こうの新興市場のところに輸送拠点を設ける必要があるだろうというお話がありまして、そういったところでは、向こうの団体の方々の施設を使いながら、冷蔵コンテナ等を使いながら大規模輸出ができるような体制を作っていく必要があるでしょうし、羽田空港のハブ化なり那覇空港のハブ化というようなことからも、そういったところの保冷庫等の拠点施設を作っていく必要があるだろうというふうに示しております。
21ページについては、「第2」ということで、本日初めてお見せする資料でございますけども、これは食料・農業・農村基本計画の中に位置づけられております長期見通しで、生産の努力目標を示しているところであります。
めくっていただきまして22ページでありますが、これは品目ごとに、うんしゅうみかんから始まりまして、パインアップルまでありますけども、25年度の生産数量を示しております。
そうした中で、需要と供給のバランスなり、さらには輸出の増加といったようなことを見込みながら、平成37年度の目標ということで数値を示しております。
それとあわせて、作付面積もあわせて示しているところであります。
全体を見ますと、この主要品目の中で合計といたしますのが、生産数量298万8,000トンとでありますが、305万5,000トンにしようということであります。
内訳として特筆すべきところといいますのが、やはり極早生問題等もありまして、需要のバランスを見ながら、うんしゅうみかんについては減らして、中晩かんのほうに増やしていくといったようなこと。
りんごにつきましては、りんごジュースの関係もございますし、さらには、輸出の関係で延ばせることできるのではないかということでこういった数字にさせていただいているということであります。
あとは大体需要と供給のバランスについて長期見通しを見ながら作らせていただきました。
「第3」ということでありますが、23ページであります。
「栽培に適する自然的条件に関する基準」でありまして、やはり高品質な果実をつくるに当たっては、地域において平均気温だとか、どの程度の気象状況がいいんだといったようなことを示す必要があるということになっております。
これにつきましては、各試験研究機関からのモニタリング調査等を行いながら、色々と調べさせていただいた結果取りまとめたものでありまして、非常に字が小さいわけでありますが、24ページであります。
「栽培に適する自然的条件に関する基準」ということで、品目ごとに平均気温、冬場の最低気温だとか降水量といったものを示しております。
そういった気象災害を防ぐための基準としては、具体的に様々なことを書いております。
25ページでありますが、「第4
近代的な果樹園経営の基本的指標」。
これも食料・農業・農村基本計画の中の農業経営モデルと言われているものでございますけども、このようなものを果樹の基本方針の中にも指標として載せさせていただいております。
めくっていただきまして26ページでありますが、10アール当たりの生産量だとか労働時間といった目標とすべきものとして提示させていただいております。
これらについても、先進事例を見ながら、さらには、最近の状況等を見ながら作らせていただきました。
27ページにつきましては、「果樹園経営の指標」というようなことで、かんきつ、りんご、様々な品目ございますけども、どのぐらいの経営規模で、どのぐらいのものを、どういうふうに作って、単収をこれだけ上げると、労働時間はこの中で粗収入、経営費を引いたところの1経営体当たりの所得はこれだけだよといったことを示させていただいております。
これは関東以西・以北といったようなところで、地域に応じても大体モデルとして使っていただきたいと思っています。
これが先ほど本文にも示した農業経営モデルということでございまして、これらを今度を踏まえて、産地の方々が産地計画をつくっていただくというようなことになります。
これが本日新しくお示ししたものであります。
28ページでありますが、「第5」ということで、果実の流通及び加工の合理化といった事項を設けております。
具体的にということで、「生産者による流通販売戦略の策定」といったものを示しております。
やはりしっかりした売り方をしていかないと、せっかく作っても売れていかないということがありますので、流通販売戦略を設けようということで示しております。
最初の1段落目には、市場流通も大事ということで、基幹的な流通の一つとされているということを示しておりますし、そうした中でも様々な流通も出てきたといったことが2番目のパラグラフに載せております。
コンビニだとか、またカットとかストレートジュースというのが好まれるといったような、加工品も好まれてきているということを示した中で、そういった状況の中で、多様な販売ルートを確保できるよう流通販売戦略を策定していこうではないかということです。
(2)でありますが、バリューチェーン。
先ほどから消費分野の話でも随分出てきましたけども、やはり生産・流通・消費までいったバリューチェーンをつくっていく必要があるだろう、高付加価値化をしていく必要があるだろう。
そうした中で、繋いでいくためには、行政機関も一体となって生産・流通・加工・販売の各段階の関係者が連携して、このバリューチェーンを構築していくというのが課題であるということを示しております。
具体的にはということで「例えば、」ということで、新しい技術の中で、こういったようなバリューチェーンが出てきておりますので、こういうことを進めていく必要があるだろう。
「さらに、」ということで課題もあります。
やはり加工用とかそういった業務用向けに当たっては中間事業者の育成だとか、加工業務用の低コスト・省力化といった栽培技術の開発だとかいった様々なことがあります。
こういったことを克服して安定的な契約取引をできるための環境整備を図っていきたいと考えております。
果実流通の高度化の推進というようなことでありました。
ここはかなりモーダルシフトの話をさせていただきましたけども、野菜ではモーダルシフトは分かるけれども、果実の場合は、やはり産地のブランドごとに流通をしていくのではないか、だから、なかなか他県と競合したとか協同したとか、一緒になって販売するのは難しい、流通するのは難しいのではないかという話がございました。
モーダルシフトについても、やはり果物はどうなのかなというご意見もありましたので、「具体的には、」で、1ということで、県単位だけでなくて広域連合による集出荷体制の移行といったようなことが必要であるのではないか。
さらには、トラック輸送から、これは鉄道輸送ではなくて、大型トレーラーへの切替のようなもので効率的に運べるような方法が必要だろう。
あとはパーフェクト・コールドチェーンといったものをしっかりやっていく必要があるだろうということで明記しました。
(4)でありますけども、やはり加工原材料の確保ということで、安定して確保しなければならないということがあります。
最近では、うんしゅうみかんやりんごについては、異常気象で作柄が不安定ということなので、やはり国産原材料を確保するためにはということで、作柄安定に死する栽培管理技術の導入が必要。
そのためには、30ページでありますが、「例えば、」ということで、様々な技術なり被覆資材といったことを導入していく必要があるだろうと示しております。
あとは、これは「一方で、」ということで、生鮮用だけではなくて、長期契約で加工専用りんごの大規模経営を行っている方々もいらっしゃいますので、こういったことも頭に入れながら、先進事例を入れながらこういった園地も供給産地を育成していく必要があるだろうということだと思っております。
3番目の「また、」のところでありますが、果汁工場の稼働率、これは非常に低くなってきて、赤字部門だということであります。
こういったところの再編整理統合というのが必要であろうということであります。
あとは輸入果汁等の競合というのがかなり果汁については厳しい課題があるわけでありますけども、最後のところに示しましたが、輸入果汁との競合がほとんどないストレート果汁といったようなものについては、早く製造転換をしていく必要があるだろう。
そうした中で原料の価格の引き上げといったことがどういうふうにできるのかといったことを検討する必要があると示しております。
「果実加工分野への進出の推進」ということで、やはり生果だけではなく6次産業化も入れながら商品開発をして、新しい果実加工品を作っていく必要があるだろうということを示しているわけでありますが、こういったことも飲料や製菓メーカーの方々と連携していく必要があるだろうということがありました。
31ページでありますけども、特にということで示しましたのは、県や市町村の方々が新たな地域特産品としてこういった新しい開発をしていく必要があるだろう。
やはり三森委員もお話されていましたけども、一人だけの生産者だけでは徒手空拳でなかなかいかない、難しいということがあります。
そういったことで、県とか市町村の方々が地域特産品の中で開発していく必要があるだろうし、やはり売り方なり加工品の作り方というのはなかなか難しいということがありますので、専門知識を有した指導者の方の育成が必要だということもお話がありましたので設けさせていただきました。
「第6
その他必要な事項」ということで、いろいろとご意見いただきましたのは、最近では、ガソリンなりA重油の値段、落ち着つつはありますが、燃油等の資材価格の高騰ということで、これは非常に大変だと、ハウスみかんがなくなるといったような話もございました。
そうした中で、燃油価格の対策をしっかりやるようにということで、省エネルギー設備の導入だとか、高騰の影響を受けにくい経営構造への転換を進めるといったような文言を入れさせていただいております。
あとは意見の中でかなり出ておりましたのが、東日本大震災の中の原発事故に伴う風評被害、これが非常にまだまだ払拭されないといったお話。
これについては、しっかり放射性物質の基準値に基づいた出荷制限を行っておりますけども、さらなる安全確保されるように、我々、被災地や消費者の方々と連携しながら、食品の信頼確保に努めていく必要があるだろうということを明記させていただきました。
以上が基本方針の中身、内容になるわけでありますが、今回は委員の方々のご意見等を頂戴しながら、いろいろと段落ごとに直させていただいたところもありますし、さらには、生産の目標といった数字だとか、自然条件に関する基準だとか、果樹経営の基本的指標というか果樹経営の経営モデルですね、こういったことを新たに示させていただきました。
私のほうからは以上でございます。

三石部会長
ありがとうございました。
それでは、これから委員の皆様からご意見等をお願いしたいと思います。
松本委員、お願いします。

松本委員
大変私事で恐縮なんですけども、ちょっと私用で中座をしなければならないもので、大急ぎで述べさせていただきたいと思います。
一言だけ、意見というよりは感謝申し上げたいと思います。
大変長きにわたっていろいろとご意見を申し上げてきたわけでありますけれども、事務局の方々は大変適切におまとめいただいたということで敬意を表したいと思います。
また一つ、8ページですか、果樹経営のキャリア展望ということで、キャリアアッププラン、これから作成するということを記載いただいているわけでありますが、これは大変、若い方々にとっても希望のあるというか元気の出る、そういう施策あるいは計画だろうと思います。
ぜひ引き続きいいものを作っていただきたいという要望を申し上げまして、大変恐縮でありますけれども、中座をさせていただきたいと思います。
どうも皆様、恐縮ですが、失礼いたします。

三石部会長
ありがとうございました。
そのほかにご意見ございますでしょうか。
どうぞ、鈴木委員。

鈴木(忠)委員
1点ちょっと細かい話で非常に申しわけないんですけども、1ページの導入の部分ですよね、「果樹農業をめぐる状況と基本的考え」の2つ目の段落で、「うんしゅうみんかの生産量が大きく減少する一方で、その他の品目は生産量が増加したものが多く、」というふうに書かれておりますが、この昭和50年代から比べると、ほとんどの品目が減っているという認識なんですよ。
りんごにしろ、もも、かき、なし、ほとんどの品目が減っていると思うのですが、この辺の書き方、導入部分でどうなのでしょうかというのが1点お聞きしたいと思います。

三石部会長
いかがですか。

宮本総括
こちらにつきましては、54年からの比較ということでは、確かに減っているのですが、その他の品目の中には、品種によって面積が増えているということもあってこう書かせていただいたのですが、少し書きぶりは、そのあたり誤解のないように整理したいと思います。

鈴木(忠)委員
ちょっとこの書き方だと誤解を受けるような感じがしますので。

宮本総括
近年増えているような品目とかも……

鈴木(忠)委員
品種ではあるんですけどね。

宮本総括
そうですね。
はい、わかりました。

三石部会長
それは事務局のほうで少し修文をお願いします。
その他にご意見ございますでしょうか。
安齋委員。

安齋委員
11ページの耕作放棄地対策ですが、「耕作放棄地」という名前は変えるということなんですけれども、地方においては不在地主が大変多くなっておりまして、それがかなり問題になっておりますので、そこをもう少し入れていただけたらと思いますけれど。

三石部会長
わかりました。
しっかりと承ります。
ありがとうございます。
そのほかにご意見ございますでしょうか。
大西委員。

大西委員
まず全体を通じて大変に骨格のところから我々の意見もしっかり入れていただいて、そういう点では私としては妥当だというふうには思うんですけども、やはりこれからどう訴えていくのかとか、それから生産者の方に今の危機と、一方で、その危機を克服できるという部分をもう少し訴えていただきたい。
例えば、基本的な考え方の部分で随分「連携」という言葉で基本的な考え方のところにも入れていただいているんですけれども、実は本文のほうでは、9ページとか10ページとか15ページでは、要は、いろいろな施策ですね、園地集積とか改植事業とか、そういうのをしっかりサポートしていって、産地をしっかり基盤を維持していくんだよと、危機はあるけど、こうやっていくんだよというところを書かれているんですけど、どうも「連携」という言葉に引きずられているのか、基本的な考え方のところでもう少し生産者が安心できるというか、やる気が持てるというか、そのあたりがもう少し、これは本旨に出ていくほうの話かもしれませんけど、ぜひ組み合わせていく考え方、地域全体で産地を育てていくという考え方で、具体的な方法は既に出ているので、そのあたりをぜひ強調いただければなということであります。
それから、商品名のところ、4ページ以下でも、原料原産地表示を入れていただいて、そういう点では、今回の大きなテーマである加工用部分というのをしっかり打ち出していただいているので、このあたりにしっかり、これは消費者の皆さんもでしょうけれども、加工品の国産のものというのを需要拡大していくという方針をわかりやすく打ち出していただくといいかなと思います。
それから、7ページ以降の生産のところで、さきほども農地中間管理機構の補足ございましたけれども、一方でそれに加えて、実は利用調整事業も長野ですと、JA長野とか信州うえだで結構リースと事業みたいなものがあって、結構、農地中間管理機構と加えてそういう事業も踏まえながら、さっきいろいろルールの話もありましたけれども、そういう具体的な例を入れていただくと産地もわかりやすいのかなと思います。
それから、やはりこれも本文に入っていますけど、果樹園、それからかんきつ園はどうしても傾斜なので、そういう点ではやはり園地再編というところがすごく重要だと、これはもう入れていただいているので、そのとおりなんですが、ぜひこれを進めていただきたいと思います。
それから、28ページのところで流通販売戦略、生産者側が取り組むべきということであるんですけども、どこかで引き金を引かないと、結局今やっているものをもう一つ段を上げていこうというところなので、ここは施策のところかもしれませんけど、ぜひそういう取組を引き金引くような、これは政策かもしれませんけど、ぜひお願いしたいと思います。
それから、25ページの果樹園経営の基本的指標のところで2つ大きく、労働時間を中心にしたものとモデルがあるんですけど、どちらかというとモデルの方は最先端の技術を入れ込んだというので、これはこれで、これをベースにもう少しどうわかりやすく現場に、とあるんですけど、前段の方の労働時間はすごくいいと思うんですけど、参考値で、恐らくこれは現行ベースにやっておられるので、大体あの収量を見ると、大体労働時間と大まかな収益みたいなのが若干あると、あくまで参考値ということでやると、今の自分の労働力で大体これぐらい目指していけばいいのかなと何かわかりやすいのかなと、これは今からでは無理かもしれませんけど、今後実際この方針を生かしていく上では、そういうものがあるとわかりやすいのかなと思った次第であります。
以上であります。

三石部会長
様々な視点からありがとうございます。
事務局、どうぞ。

菱沼園芸作物課長
基本方針こうやって取りまとめているところでありますけども、これからは、できましたら、策定が済んだらば、我々としては本当に産地だけではなくて、生産・流通・加工・消費の方々、様々な方々と議論といいますか、こういうことで打ち出していきましょうということでやろうと思っているんです。
そうしますと、この文章だけでは、生産者の方々が読んでも、もういいよとなってしまいますので、実際今の大西委員のお話あったように、例えば具体的にはどうするんだとポンチ絵を使ったり、こういった先進事例の方々がいますよということで分かりやすいような形でセミナーを開いたりとかそういうことを進めていきたいなと思っていまして、今までのご意見をいただきながら、足りないところは足りないところでそういったようないろいろなセミナーだとかブロック会議だとか様々なところで訴えていきたいなと思っております。

三石部会長
今の点は昨日の企画部会の基本方針でも似たような議論が出ています。
作ったものをいかに我々がよく理解して、その後でそれを今度はいかによく伝えていくか。
それを聞いた人たちもしっかり理解して頂かないと、実行もできませんので、それはこれからみんなでやっていくという形になりますので、ぜひまたアドバイスをお願いしたいと思います。
そのほかにご意見ございますでしょうか。
鈴木委員、お願いします。

鈴木(敏)委員
4月から機能性表示ということで、私も関心があって色々調べたところ、サプリメントというようなことで、サプリメントを作っている会社は非常に大企業ですから、非常にいろいろな投資をしてやっていると聞いています。
私は実際、青果物を売っています。
青果物がやはり体の機能をよくするというふうに理解していますし、医者さんにアンチエイジング学会なんかにいろいろ勉強しに行きますと、食べ物で健康を得て、足りないものをサプリメントというようなことであります。
ですから、やはり食育を踏まえて、本当に科学的見地でそういったベースで消費という、どうすれば消費が伸びるのかということをやはり、消費の面でいくと大事なことかなと。
食べることがいかに健康にいいことかというような、簡単に言えば、消費者が本当にコスト的に高いとか安いではなくて、サプリメントはそこそこお金出して買えますけども、果物、ちょっと高いねと、ベースが違うよと、やはり健康を得るんだよということを全面に訴えていきたい。
食育に関しては、非常にこれでいい文章で書いてあるし、給食という括りは非常にまだまだ難しいとは思いますけども、そこはやはりいろいろな形の中でサポートして、小学校ぐらいまでの間に最低限の時期のおいしい物を食べる。
日本の農薬については非常に安心・安全でやっていますから、何回も水で洗ったり、お湯で洗ったりということなく、おいしい時期に、おいしい物を食べさせるということを記憶していかなきゃいけないなと。
提供する方からも大事なことかと思います。
もう一つは輸出で、今国で騒いでやっています。
FBI作戦なんということを私もこの間読みましたけども、非常に海外へ行きますとポジティブリストだとか農薬のガイドラインが国によって違う。
グローバルスタンダードの農薬の基準が今ないわけですから、非常に今回のミラノ万博でも特例で持っていくというような話を、これは果樹じゃないですけども、伺っています。
輸出促進に当たって、やはりその辺の基準値見直しというのかな、やはり今度TPP、いろいろ取引の各国と協議するわけですから、その辺の確認事項もやっていかないと、どこかでつまずくということがあるではないかと思います。
それと関心あるのは、輸出団体の設立ということですから、どういった形で3月を進めていくのかお聞きしたいなと思いまして。
以上です。

三石部会長
ありがとうございました。
それでは、事務局のほうからお願いします。

岡田流通加工対策室長
輸出の全国団体の設立の段取りということですけども、既に準備委員会というのはもう立ち上がっておりまして、実は明日、第2回目の会合ということで、今のところ予定でいくと、30日にもう一度その会議を開きまして、大体こういう団体にしましょうというところの合意まではほぼできているという状況ですので、今月中にはほぼその形はできるかなと思いますが、公表のほうは関係団体の方と調整してということになるかと思います。
先ほど輸出環境整備の農薬のお話もありましたけども、これは果樹のお話じゃないんですけど、やはりそういう団体ができると、例えばお茶ですと、アメリカのインポートトレーランス、いわゆる農薬の設定について国からのお金を使いながらそれを設定していくような、そういう活動が今度できるようになりますので、そういうところは品目ごとの皆さんのご意見を伺いながらプライオリティをつけて、そういうインポートトレーランス、要は、輸出重点国も含めて整理しながらしっかりと体系的に効率よく進めていこうと考えております。

三石部会長
ありがとうございました。
どうぞ。

菱沼園芸作物課長
輸出については我々一生懸命やっていかなきゃいけないということで議論も出まして、意見も出ました。
20ページ、輸出のための課題ということで色々と出された中で書かせていただきました20ページの1パラですけども、輸出先国の植物検疫というのがまずあって、あと残留農薬基準という問題があって、放射性物質の関係もあります。
さらには、輸出先国の商習慣の違いで決済が落ちないとか様々なリスクがあるんだと、こういったリスクをどういうふうに解決していくのかということで、例えば植物検疫とか残留農薬基準については優先順位を決めて、りんごを早くやったほうがいいというならりんごをやるし、この国ではみかんをターゲットにしているんだから、みかんなんだよということで優先順位を決めながら、こういった残留農薬基準のことも変えていかなければならないということでやっていきたいと思っています。
あと機能性表示の話がありましたけれども、先ほど申し上げましたけども、我々としては何とかうんしゅうみかんのβ-クリプトキサンチンを一つ取り上げて第1号にしていきたいなと、それをビジネスモデルではないですが、そういうことでいけば、他のものも色々とあってくるでしょうと。
ただ、我々としては、ご意見いただいたように、サプリメント等に走ってしまうといけないので、ちゃんとした売り方をしてやっていきましょうよと、そういう点は消費拡大というのは考えながらやっていかなければいけないということは頭に入れながら進めていきたいと思っています。

三石部会長
ほかにご意見よろしいでしょうか。
田中委員、お願いします。

田中委員
生産者の立場から二、三お話ししたいと思うんですが、事前の報告書の中といいますか案の中で、4ページにも、生産者の立場から言いますと、「よいものは売れるはず」という、この文言、ちょっと柔らかくなったなという感じはするんですけども、やはり作るほうにとってはモチベーションが捉え方によってはちょっと変わってくるかなという部分があります。
全般的にこの10カ月間、いろいろなお話、各分野の先生方からお聞きしまして、本当に勉強になったと思いますし、自分たちの部会の中でしっかりと生産者に伝えていきたいと思っています。
ただ、果実全体の話ですので、ここの部分については控えさせていただいておりました。
ただ、今私ももう30年この仕事しているわけですけども、ずっと引っかかる部分があります。
それは、隣に橋本委員がいらっしゃいますけども、何度も言いましたように、品目による利益率といいますかマージン率あるいは値入価格、あるいは固定費、そういうものをひっくるめた中で、やはり果物全体の価格構成と小売店のあり方、経営と考えるときに、昨年ああいった極早生みかんの暴落はありました。
ただ、そのような中でも、やはりみかんに対する利益というのは、果物の中で一番合っております、現実に。
量販あるいは青果店、それぞれのお店で多少異なることだとは思います。
このみかん自体の生産量が本当に激減していくと、昨年のような暴落があったりすると生産者の意欲も落ちますし、ほかの品目の価格の形成が崩れるのではないかと自分は懸念しています。
なかなか利益を出せる品目と出せない品目、しかしながら、店頭に置かなくては消費者のニーズには応えられない、そういったところの査定といいますか、そういうのも以前は農水の中でもされていたというふうに思いますし、その資料も見せていただきました。
ですから、やはり関東圏内あるいは東北、特にみかんの場合は東北、北陸あるいは北海道あたり、6割から7割の消費量があります。
ですから、この部分でだけの捉え方ではなくて全体の捉え方として考えていただきたいということと、いかにしてこのみかんを残す必要があるかというのをもう少し精査していただきたい。
流通の面では本当にそれは思います。
あれだけの市場価格の暴落があったにもかかわらず、廃棄処分も一部ありました。
しかしながら、それが利益はものすごく生んだというところも店によってはあっております。
ですから、うまいものを消費者に届けたいという部分では切り捨てられるのはしようがないんですけども、切り捨てなくてそういうものが流通に乗っているというのも、逆に言えば消費者を裏切っているなというふうなところはあります。
そういったところの調整をやれる機関が必要じゃないかと。
そうすれば、生産者ももっと納得して、もっといいものをつくらなくてはいけないと、そういった方向に行くと思います。
そういうものを見ている産地が、やはり何で自分たちはこれだけの価格しか取れないのだろうと、末端の価格は全然下がってないではないかと、そういったところのジレンマがあるので、そこは今後の課題といいますか、早急な是正も必要だと思いますし、果物全体の価格を左右するみかんでありますから、そこをどうやって残すかと、この文化はなかなか崩れることはないと思います。
例えば、自分も大阪から東北まで調べましたけど、東北に至っては、今バナナが一番消費があると、金額も高いというふうな統計が出ているんですけども、東北においてはみかんがナンバーワンなんです。
その後にバナナが10ポイントぐらい下がっているんですね。
そういうところで、土地柄等もありますので、そこら辺も加味していただいて、今後この生産者の、28ページに、生産者による流通販売戦略の策定とありますけども、なかなかこれは生産者側としては難しいところがある。
流通業者の方に委ねるしかないというところがありますので、そこは本当に真剣に見直しをしていただきたいなと思っております。
以上です。

三石部会長
ありがとうございました。
ほかにご意見はありますでしょうか。
横田委員、お願いします。

横田委員
生産者の立場としてお話しさせていただきます。
中山間地の果樹に関しては、大量に専門に作られている方だと分からないかもしれないんですが、今言われている高齢化ということで生産者が廃業してしまう、そういったところの棚、ぶどうにしてもかきにしても何にしても、果物が手を入れないほ場があるということになると、その近隣の果物を作られている方はしっかりと生産をしているにもかかわらず、廃業したところの木々が枯れ始め、虫は入り、病気にもなる。
それを何とか食い止めなきゃいけないということで、本当に元の部分で地域の合ったやり方はあるのかなと思うんですが、実質的、では、どこが、中間機構が始まりましたが、正直言って、その地域の廃業した果物の生産者の農家さんを把握できているのか、できていないのかというのはどこが見るんだということなんですね。
それがはっきり、これだけ消費の面でも生産の面でも議論されている中で、元の部分がきっちりしていない限りは生産どうのこうのではないのではないかと私は思うんですが、ここの部分を、私は生産者でありながら農業委員ということで、地域の農地のパトロールや農家さんとのコミュニケーションはありますので、その中で、どこへこの農地をお貸しして、新しい苗木を植えて何年か待つよりは、今まで管理されたその苗木を誰かが作ってくださるという、そういうシステムがはっきりした構図ができない限りは、10年、20年、50年、100年、果物が日本の国でどれだけ作れていくんだろうかという、そういう危機感を感じるんです。
すみません、とめどもない話で、どこがどうすればいいのかというところですね。

三石部会長
ありがとうございます。
非常に大事なポイントだと思います。

菱沼園芸作物課長
まさに本当に大事なところでありまして、中山間地域、私たちも視察させていただきましたけども、本当に点でやらなくなってしまうと広がっていってしまうというところであります。
そういった中で、耕作放棄地の対策の推進だとか労働確保のところでも書いたんですけれども、やはり新しいやり方でNPO法人を作ってみたりとか、労働力の調整・斡旋をしながら組織を作って、耕作放棄化をさせないんだといったこと、そういったことが先進事例で見えておりますので、そういったことを明記させていただきました。
そういうようなシステムをこれから作っていかなければいけないだろうと思っていますし、農地中間管理機構でそこまではできません。
やはり産地協議会の方々が新しい労働力調整組織だとか見回りをしながら、あそこが危なそうだから、こうしようではないかといったようなこと、そういうことをやっていただくということが必要になってくると思います。
我々としては、そういったつもりで色々と書かせていただきまして、一番そこが大事な問題だと思っています。
それとあともう一つ、田中委員のほうからも、本当に一番の問題は、単価の問題と需給の問題だという話がございました。
それで我々としても本当に田中委員からいつもお話いただいたので、どうするべきかなというところがあったんですけども、新しく入れさせていだたいたのは、販売戦略プランといったものを作っていこうと。
これは生産者がと書いてありますけども、やはり生産者だけでは無理であって、流通の方々とかいろいろ契約取引をしてつながって販路をちゃんと見つけた上で、この値段で作っていこうじゃないかとか、そういったようなちゃんとした戦略というのを作る必要があるだろうと、それは今まで出したことがなかったわけです、果樹の方針の中では。
やはり1つはキャリアプランの話と、新しい販売戦略といったものを作っていこうじゃないかと、こういうことを呼びかけているつもりで書かせていただきまして、一番大事なところだと思っております。

三石部会長
ありがとうございました。
ほかにご意見はございますでしょうか。
福士委員、お願いします。

福士委員
私も生産者という立場から、特に私の場合はりんごなんですけれども。
先ほど横田委員が言いましたように、やはり生産現場というのは、根底にあるのは、今60歳以上が7割とも言われる。
やがては、頑張っても70ぐらいでしょう。
となれば、自然に跡継ぎがなくなれば廃業になって耕作放棄地という、今まではそういう形だったんですよ。
そこで、農地中間管理機構の話出ましたけれども、やはり生産者、何となくそういう言葉は聞いていても、どういうものなのかというのを周知していない、これは現実であります。
最近我々も三度ほどその研修会をやってやっと理解ができた。
登録制から始まって、とりあえずそれをやらなければだめなんだということなんです。
それに加えて今回の支援対策事業、改植の事業ですが、あそこにやはり農地中間管理機構が、こういった整備もしながら貸し出すというものもまたここに明記されている。
それは本当に必要なことだと思います。
様々研修をやったんだけれども、それに対して非常に生産者に有利な形のものができ上がってくるということも知りました。
とにかく産地を元気よくするためには、面積、恐らく面積は減っていくんでしょう。
けれども、また新植等をあわせて、やはり新しいものを置いて生産量を上げていくということが非常に大事だと思います。
それに、最近、多品目の品種も出てきまして、勝手にしないものやら、そろそろそういったものにも火がついてきている。
これはやはりみんな認知してくるからそういうものに移行していく考え方としてね。
我々は、やはり主力の品種というものは一番大事にしていて、それを守るためにということで加工もあわせて考えているんですけれども、やはりこれからTPPが妥結ということになれば、追い追いこの関税もなくなっていく。
濃縮果汁はどんどん入ってくる。
そうすれば、やはり国内、今、青森県で13社ですか、ある中で、一生懸命ストレートジュース等々、ほかの加工品もつくっております。
けれども、やはり生産する側とすれば、やはり通常、初期にやって作ったものから1割加工出ます、全体の数量から。
そういったこともありまして、なかなか原料の供給量もそうですし、価格も安定しないというのが現状。
だぶつけば安いし、足りなければ高いしというのはそういうことなんですけれども、この高齢化、若いときみたいに仕事ができない方々、こういった方々もあります。
通常の栽培、今度は手入れ等々大変困難でやれなくなってきている。
ここには手間をかけないものを作ってもいるんです。
それが非常においしくできるものもあって、今、流通もしているんですけれども、それをやりましたら、要するに、りんごは秋の一番忙しいときに葉っぱを摘むのが一番手間かかるんですよ。
これをやらないで生産するといことになれば、加工が最低3割出ます。
非常に味のいいグレードアップしたものなんだけれども、やはり流通できない、系統選果でいけばですね、そういったものができる。
そういったものを加工専用といいますか、そういったものに向けられないものかなという。
一部ではそういう取組があるんですけれども、これによって高齢になった方々もずっと生産できるという体制、ちょっと作っていけるのかな、そのように考えて、とにかくここにも出ていますように、37年度の目標書いてありますけれども、生産量が多くなっています。
この生産量を何とか減らさないでいけることを、今でも模索しながら指導に当たっているという、そういう現在であります。

三石部会長
ありがとうございます。
そのほかにご意見ございますでしょうか。
横田委員。

横田委員
今、大西さんがお帰りになったのであれなんですが、果樹は農協出荷、それ以外に直売、それ以外に何かって思うんですが、やはり農協の出荷は規格の中で価格が決まってくるのかな。
これからはジュース、加工に力を入れるとなると、大手企業さん、確実に決まった金額でB品、C品でも出荷ができる、そういうシステムが必要なのかな。
決して農協さんが悪いわけではないですが、正直言って、農家さんは農協さんに泣かされている部分というのは、言いづらいですがあったのではないかと思います。
大西さんいなくてよかったです。
すみません。

三石部会長
ありがとうございます。
鈴木委員、お願いします。

鈴木(忠)委員
私も農協なのでその辺の話をいたしたいと思いますけども、農協出荷というのはあくまで委託なので、イコール市場出荷なんですよ。
農協が買っているわけではないので、あくまで委託で斡旋して市場に出荷しているというだけですから。
その中で、ここの28ページかな、流通及び加工の基本的な事項というところで色々書いていただいて、ここまで踏み込んで書いていただいたのは非常に私もありがたく思っているんですけども、この中では市場流通、基幹的な流通の一つなんだけれども、産地自らが流通販売戦略を策定して、それに即して販売経路を構築することを加速化させるというような。
ここで市場流通だけに頼らずという書き方をしてあるんですけども、全くこのとおり、よくここまで踏み込んで書いていただいたなというふうには私思っています。
裏を返せば、市場流通の市場というのは、あくまでこれも農水省の中での管轄の部分がかなりありますので、逆に言うと、市場流通をそれにあわせてどう変えていくかということも、管轄は違うかもしれませんけど、踏み込んで考えていかないと、この辺はうまく進まないのかなと思います。
その辺が先ほど田中委員からも話があったところにも繋がってくるんだろうとは思いますけれども、その辺はトータル的に考えていただければと、これから大変なんですけどもね、当然、農協も産地も市場流通だけに限らず、自分で自ら売っていくということもしていかなければいけないということを思いますけれども、そこもあわせてぜひお願いいたしたいというふうに思います。

三石部会長
貴重なご指摘と意見をありがとうございました。
鈴木委員、お願いします。

鈴木(敏)委員
市場流通で一言だけお話ししますけども、非常に多方面にかけていろいろな売り方でいいと思います。
私どもの卸売市場というのは、基本的に調整機能を持っているというふうに私は思っておりまして、生産物が需要と供給でマッチングして常に入るかといったら、ノーです。
その中で、今、兼業が増えて、特に果樹園芸につきましては、月曜日半場が非常に多い。
ところが、ニーズは週末というところで、卸売市場というのはやはり多様化、多方面のお客さんの中で対応している。
最終的には、調整機能をもっているということです。
ですから、ネット販売ですとか独自の道の駅ですとかいろいろなところで多様化して売ることは結構だと思います。
ただ、その中で私どももやはりきっちり産地のほうに調整機能を持った中で、これからもう少し従来競売であったものがなくなり、商物分離か一致かという、非常に色々な課題もありまして、これ局が違うと思いますけど、いろいろな課題の中で、市場の、いかに皆さんと一緒に機能を発揮できるかということが課題だと思っています。
ですから、生産サイドの方は、いろいろな多様化で販売されているのは十分結構だと思いますけども、最低限の天候次第とか色々環境の中での調整は我々持っていると自負はしております。
以上です。

三石部会長
ありがとうございました。

菱沼園芸作物課長
今回の流通の関係で多様な流通ということで、市場流通を基幹的な流通と私どもは位置づけていまして、市場流通を否定することは全くなくて、やはり加工とか様々な業務用筋の契約取引とかもこれからどんどん進んでいくんだろうと思っております。
そういうところで様々な多様な売り方をしていくというのが産地に求められているのだろうということで、それは共通認識であって、そうした中で、市場の方々も、実際、市場の卸の方々も、新しい別組織を作ったり子会社を作ったりして、その産地と実需者を結ぶ中間事業者になっていくというような形がありまして、それもやっているんですね。
ですから、市場の方々も新しい多様なルートを作らなければいけないということで、でも、今自分の機能ではできないから子会社を作ったりとか、別会社とか何とか作りながらやっていくということで、皆さん同じなんです。
生産も流通も同じことを考えているんだけども、それをどうやって連携させてやっていこうかなということが、そのためには流通の販売戦略というのをみんなで考えていきましょうよということであって、本当に多様な、売り先がみんなめちゃくちゃというかたくさんなっているわけで、そういうことを考える必要があろうかなということで提案させていただいたということを思っております。

三石部会長
どうぞ。

鈴木生産振興審議官
詳しい話は課長のほうが答えるのが正しいので、審議官は審議官らしい話をちょっとさせていただきたいと思います。
基本方針の案のところの議論としては、それぞれのお立場から本音のお話が出て非常にいいなと思っていまして、先ほど課長が申し上げた「連携」というのが本当になっていくためには、ある程度本音でお互いの思いだったりとか、こういうことになっているんだよというのがないと、連携というのはきちんとできていかないという、どうしてもこっちから見たときに、あ、あいつらみたいなものはどうしてもあるので、その辺のところは、やはり実際上のこの後の産地と市場さんだったり加工業さん、そういう中で議論がなされて組まれていくというのがいいので、この雰囲気のままそれぞれお持ち帰りいただいてしていただくのはいいなと思ったのが一つと、実は、先ほど福士委員からお話があったように、産地のほうもいろいろ変わってきている中、やはりそれぞれの産地で、ちょうどここの中で提案させていただいているように、新しい人も入ってこないといけない、そういうことでキャリアプランのところ、それから耕作放棄とか、そういうところはどういうふうにやっていくのかも、実はいろいろなやり方がある中、産地ごと、やはり農業委員の方もですし、農協の方もですし、農家の方もですし、皆さんで協議会ということで書いておりますけれども、考えをいただくそのつくり方とあわせて、またできたものをどういうところへ、どういう作り方をして、どう入れていくかというのが、産地で作るほうの戦略、さらにそれを繋げていくところが販売戦略。
それにはきちんと相手側の皆さんと話して、こういうことで作って、これぐらいの値段で、これぐらいの量という部分と、しようがない、ちょっと豊作のときはお願いねという部分もやはり産地としてはないともたないよねというのがあると、じゃあ、そこをどう市場というのをきちんと考えていただく。
そういう点では、この文書でやると、ここのところでこうとあるんですけれども、園芸のほうで、やはり産地の皆さんにはトータルでお考えいただけるような形を資料を作ってですし、また皆さんがおそろいのところでは、全体としてどのようにつながって消費者の人のところへ提案していくのかという観点の、ここの基本方針をそういう形の資料を作ってお話をさせていただくと、よりよい果樹の世界ができるのかなと思いまして、そういう点では結構いいことは書いてあるんですけど、こういう文書にすると、こっちとあっちとあっちにあって、産地から見るとどこ見たらいいんだというふうに思われるかなという部分はあるんですが、それはまた議論をしていただく場所にあわせて園芸作物課のほうできっと作ってもらえるんだろうと審議官としては期待をしております。

三石部会長
ありがとうございました。
具体的な動きの中での連携が必要ということですね。
今回は方針(案)ですので、できるだけ今までご発言のない委員の方にも皆さん発言をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
松田委員、お願いします。

松田委員
今回の基本方針(案)に関して研究開発側から見ると、今までの基本方針よりはかなり技術開発の部分が書き込まれているかなというのが正直な印象です。
裏返せば、それだけこれからの果樹生産を支えるために新しい技術をどんどん開発しなければならないという重みはあります。
ここに一例として書かれてあるスマート農業、やはりこれからの省力化を考えると、作業の機械化を進めるという部分が重要ですので、技術開発のほうも今、農林水産技術会議事務局の補正事業等でここの部分を進めています。
ただ、技術が開発された際には、どうしても機械なりいろいろな施設の整備に新たな経費投入が必要になってきますので、今でも事業の中で新技術導入の事業はありますが、ぜひ新技術をその都度適用していただきたいと思います。
あともう一つは、消費拡大についてですが、今後、科学的知見に基づいて果物の必要性を訴えていくという中で、私が思っているのは、やはり最終的にはお医者さんなり、あるいは栄養士の方にその認識を持ってもらって、いろいろなところで発言してもらうのが、実際は消費者の方に一番伝わる方法かなとは思っています。
消費者の方に、こちらからいろいろな情報発信はしていますが、やはりそこの発言の重さというのは、お医者さんから言われた、あるいは栄養士さんからこういう指導をされたというほうがかなり大きいかと思います。
果樹研究所では、かんきつのβ-クリプトキサンチンについて、研究者がお医者さんや病院管理栄養士の方が参加する学会に行って、いろいろな成果をアピールしていますが、やはり果物の必要性については栄養士なりそちらのほうをどうにか活用できないかと今思っているところです。
以上です。

三石部会長
ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
香髙委員、お願いします。

香髙委員
非常に私なんかが見てもわかりやすい基本方針ができたのではないかなと思いまして、関係者の方々には非常に感謝申し上げます。
率直に、これのさらにその前の段階での原案のときにも申し上げましたけれども、やはりどうしても果樹とか果実の世界というのは、専門家の中で議論が終始しがちで、今ずっとるお話しになっていた議論というのも、正直言ってやはりまだ従来の域を超えていないし、もしステージをもう少し身近なものとか、あるいは売り方をどうするかというふうに考えるのであれば、私なんかは素人ですけれども、もうちょっとどう売るかをよくわかっている方々の専門家の方々も入れ込んだような議論の場というのも今後はあると、もっとよりよい方針というのが作れるのではないかなと率直に思いました。
いつも果樹絡みのお話を聞いていると非常に気になるのが、ちょっと定性的なんですけれども、私的には非常に奥ゆかしさというのが感じ取れてしまうということと、それの裏返しなんだと思うんですけれども、若干今の世の中のスピード感についていっていないなというような面があります。
奥ゆかしさという意味で言うと、これまでの農政というのが、メインのところに米ががんとあって、その他の作物というような形で果樹とか野菜というのが置かれていたということが多分背景にあるんだと思います。
企画部会の中でも、これまで私も再三指摘しましたけれども、これから儲かる農業をやっていく上では、野菜とか果樹とか、こういったものがメインになっていかなくてはいけないので、こういう資料の書き方も非常に注意してくれということは再三言ってきましたので、ぜひその業界の方々というのももっともっと自信を持っていただいて、世間にアピールしていただければ、世の中というのは、それをちゃんと受け止める素地というのはしっかりあると思いますので、よろしくお願いしたいなと思います。
それから遅れると言ったのは大変恐縮なんですけれども、例えば機能性の部分なんですが、ここのレポートにもありますけれども、これからデータを集めるというような感じで、もう世の中は、その機能性の話が少し出た段階で、大企業なんかは、それに向けてものすごく集中投下、資金も人も集中投下しているんですね。
にもかかわらず、生産の現場が何となくこれからうんしゅうみかんで売っていくんだみたいな形のスピード感では、それこそサプリメントの業界には到底太刀打ちできないと思うので、もう少し、これもだから生産者の方がやるべきなのか、それとも専門家の方を別にまた業界として抱え込んでやるべきなのかというのはまた議論の余地があると思いますが、若干ほかの業界とのスピード感という意味では残念な、実力があるにもかかわらず、それがうまく打ち出せないのではないかということを強く懸念しています。
それからもう一つは、地位向上に絡んでなんですけれども、この最後のところでいろいろな果樹の銘柄があると思うんですけれども、かつこの議論は、やはりうんしゅうみかんとりんごの生産量が多いということで、ずっとメインのトピックスになっているんですが、果たして一般の方々が結果的にうんしゅうみかんとりんごが市場に多く出回っているから買うけれども、実際の生活でどの果物を選ぶかというところで、果たしてそれが本当に今メインとして捉えているかというと、大分私はギャップがあるのではないかと思います。
例えば、果樹ではないのでここに入っていないけれども、いちごとか、こういったものというのは非常に手に取りやすい果物として消費者に身近なんですけれども、何か政策からすっぽり抜け落ちているような感じで、逆に言うと、そういうような政策から切り離された果実のほうが県単位でものすごく積極的に売り込みをやったりとか、我々マスコミに対してもPR活動とかが正直積極的なんですね。
ですから、新品種が出れば、県ごとにいろいろなPRやったり、すごいところでは、この間、栃木県の知事さんが、いちごの王様の格好をしてPR活動をしたりとか、ものすごいことをやっているんですよね。
やはりこれまで国に守られているとか、国に頼らないと何か踏み出せないという特殊事情というのはあったんだと思うんですが、逆に言うと、もっと自由にやられればやられるほどいろいろなアイデアも浮かぶし、我々も受け止めやすくなるので、そういった意味で、ぜひ自信を持ってPRなどやっていただければなと思います。
ずっと私がこの議論を聞いていてもう一つ思ったのは、ケーキとかお菓子とかの競合にあると、だから、すごく価格的にもきついんだと、売り方難しいんだということなんですけれども、そういう事実はそうなのかもしれないんですけど、ある意味、それはマイナスの固定観念のような気がするんですね。
消費者は、体に悪いと、余りよくないと知りながらも、デパ地下で1個こんなちっちゃい400円のケーキを平気で買うんですよ。
だから、購買力がないわけではないんです。
だけど、八百屋さんでざるに入った一山700円とか500円のみかんを買うかというと、そこは手が出ないんですよ。
それは何でなんだろうというと、やはり売り方の面で非常に何か、今の消費者へのPRというのが適切じゃないんじゃないかなと思うんですね。
こういったことも、様々今までできないな、難しいな、やはりだめなんだろうと思っていたようなところに多分何か突破口があると思いますので、ぜひ、より多くの方々を巻き込んだ議論を今後していただいて、この基本計画が実現するように向かっていただければと思います。
私もファンであり、かつサポーターの一人として何かできることがあればご協力したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

三石部会長
貴重なご指摘と将来に対する我々の姿勢、こういったものまで含めてありがとうございました。
こうなると、ぜひ販売の最前線にいらっしゃる橋本委員にコメントをいただきたいと思います。
よろしいでしょうか。

橋本委員
今お話しのとおり、この基本案でいうと3ページのところでちょっと気になったというところであわせてお話ししたいと思うんですけれども、基本的な考えの中で、やはり「連携」が大切というお話の中から、2)のところにいくと、やはり産地側から新需要創出の推進という形の書きぶりになっていきまして、最後も、産地側から新需要を創出していくことが重要であるというふうに結ばれているんですけども、産地側からももちろん大事なんですけども、やはりここは「連携」という部分で、それぞれの繋がるチェーンの、それぞれがやはりいろいろ工夫をして新しい需要を生み出すという役割があると思いますし、常々販売する人間としては、最後のところでもさらに価値を乗せられないかと、価値を伝えられないかというところに気を配っております。
そういう形で、価値さえ伝われば、当然、その価格という部分は、価値と価格というところで評価が決まりますので、そういうところで、ここだけは産地の視点も非常に重要視してほしいんですけども、やはりサプライチェーンの中で、各段階が連携して取り組んで新需を創出するべきというふうに考えておりますので、そこの書きぶりだけ少し訂正していただければ、修正していただければ、そういう新しい消費者の人に買ってもらえるような提案も、もっと幅広く出てくるのではないかというふうに考えます。

三石部会長
ご指摘ありがとうございます。
どうでしょう、時間もある程度限られてきましたが。
深澤委員、お願いします。

深澤委員
りんごの輸出の話なんですけど、青森でりんごの輸出を始めて117年になりますけど、今年の26年産のりんごが輸出のレコードを作りそうだと。
3月の速報で2万6,000トンぐらい輸出されていまして、これまでの記録を上回ることが確実になっているという状況です。
今年好調だった要因というのは、何といってもやはり円安が一番なのかなと。
台湾の貿易関係業者が、とにかく儲かった。
それから、台湾の消費者もみんな円安だということをよく知っていまして、今年は青森のりんごが安くいっぱい食べられるねという声が随分ありました。
そういう中で幾つか特徴的だったのが、「早生ふじ」と「トキ」という中性種のりんごの輸出量が非常に増えました。
まだ量はそんなに多くはないんですけど、9月に前年の6.3倍、10月に2.4倍と。
これで2カ月販売期間が広がったんですね。
最初に割とおいしい甘いりんごが出るものですから、それに引きずられて後期販売も順調に推移してきている。
今年、旧正月が2月18日ということで、非常に販売期間が長かったというのもいい成果に結びついたんですけど、あと一つは、香港市場が非常に伸びています。
これまで作ったことのないくらいの記録を更新し続けていまして、しかも、台湾では余り人気がないんですけど、香港へ行くと「王林」という品種が非常に評価されていまして、量が増えている。
こういった特徴的な動きが幾つかございまして、輸出の記録を更新するということに繋がったのかなというふうに思っています。
そういう意味で、2万6,000トン、3万近くの数量が行き渡って、これが日本の果物、青森のりんごなんですけど、日本の果物というブランド力を浸透させつつあるのかなというふうに思っていますので、この計画で書かれているように、青森がひとつ先行する形にはなるかもしれませんけど、日本の各産地が続くように頑張ってまいりたいなというふうに考えていますので、よろしくお願いいたします。

三石部会長
ありがとうございました。
いかがでしょうか、葛西委員、薮野委員。
葛西委員、よろしいですか。

葛西委員
一応、加工場としての立場から言いますと、まず、基本方針の中で22ページの生産数量が現状を維持していってくれるというのが、まずこのようになっていただければいいなと。
まず加工場というのは、原料があってこそ加工場でありますので、まずこれを維持していただければなというのが、これの基本方針として私はうれしく感じました。
それと、また原料のほうに入りますけれども、確かに青森県の実態を見ましても、りんごの関係なんですけども、りんご専用の加工農園というのは非常に収入からいって無理だと思うんですね。
ただ、この中で書かれている定年者とかNPO法人とか、やはり私もこれは数年前から考えていたことなんですけれども、若い方はやはりこれからいろいろと子育てといったものにいろいろお金かかりますので、やはり定年した方、私も今60になりますけれども、まだまだ農業ぐらいはできますので、やはりここに書かれている、じゃあ、その定年者をどのようにして農業就農者に持っていけるのかということが、まずこれが問題だと思いますけども、私もこれは数年前から考えていました。
それと、加工についてはいろいろここにも書かれていますとおり、今までですと、結局、加工品というのは、果実飲料というのは、あくまでもやはり嗜好品でありまして、実際、大手メーカーさん相手一つとっても、3年ともたない相手も結構あるんですよね。
じゃあ、我々もといったら、りんご果汁、例えばここにはストレート果汁というのもありますけれども、あくまでも嗜好品として考えた場合、これが伸びていくのかなというのはちょっと疑問があります、幾らおいしいものであっても。
ですから、嗜好品というよりも、やはり先ほどからいろいろ話がありますとおり、機能性を生かしたアイテム、これはりんご単品だけでは限られていると思うんですね。
ですので、例えばかんきつ類とりんごとの組合せ、こういった機能性がりんごとかんきつ類がどれがいいのか。
私聞いたところとすれば、簡単な話では、りんごにはビタミンCというのが余りないんですけれども、うんしゅうみかんのジュースとりんごジュースを一緒に摂取するとビタミンCの吸収率が非常にいい。
ですから、これからはやはり単品だけでは非常に難しいと思うんですよね。
ですから、あらゆる国産の果実とのコラボをした加工品の開発というものを取り上げていかなければならないのかなと思うんです。
ただ、機能性が、みかんには何があって、ぶどうには何があって、りんごには何があるというのは、まだ私の段階ではわかりませんけども、やはりそういったものにも機能性も、個々の果物の機能性も、これも国を挙げていいところと、例えばそれとそれとをぶつけた場合にはどういう機能性があるのかといったものに着手していくと、先ほど香髙さんがおっしゃったように、大手のメーカーさんにも負けないぐらいのサプリにも負けないような加工品もこれからできていくのではないかなと私は思っております。
以上でございます。

三石部会長
ありがとうございました。
商品における連携ですね。
品目同士の連携ですね。

葛西委員
そうです。

三石部会長
ありがとうございます。
薮野委員、よろしいですか。

薮野委員
ずっと度重なる検討を重ねてきたので、内容に関しては、私は特に意見等はございません。
ただ、県の行政に携わる者として、この新しい方針をどういうふうにやっていくか、これから産地計画の見直しであるとか指針の作成であるとか、そういう作業が待っているわけなんですけども盛り込むだけでなく、実際にどうやっていくかということを考えると、まさに背筋が伸びる思いでいます。
前回の方針でもそうだったんですけども、明記されている部分については、やはり施策がちゃんと講じられてきて、その成果というのが広がって、課題は別として、施策の成果が広がってきているものもあるのかなというふうに感じています。
だから、今回の新しい方針についても、明記されている部分に関しては、効果的な施策が講じられることを期待しております。
だからこそというんじゃないんですけども、産地とか現場が望むことと、国の考えることというのが乖離してはならないなというふうに思っております。

三石部会長
ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
田中委員。

田中委員
もう最後でしょうで。
先ほど香髙委員のおっしゃったこと、常日ごろから自分たちの組織の中でも、この果樹という部分は、永年作物の部分だけでくくられています。
消費の部分とのかち合いはあるので、何とかいちごとかメロンとか、とにかく果物というくくりの中での話は本当に必要だというふうにずっと思っていました。
そういう中で消費構造も違います。
いろいろ話あったんですが、果樹というのは、やはり永年作物で、急な方向転換が難しいと思います。
そういう中で、今、高齢化の中という話もありましたけども、若い人たちに継承していく上では、やはりどういった形で地方に、生産地に定着させるかというのが一番大切なことだと自分は思っています。
国の方針が農業成長戦略の一つだと、地方創生もあるんだという話があっております。
そういうことであればといいますか、自分はそういうことはなくてもという考えなんですが、今まで地方では、雇用創出あるいは活性化あたりでいろいろな工業団地をつくられてきました。
そこがちゃんと成り立っているところもあれば、そうではないところもある。
これから本当に1次産業、特にこの果樹を考えていただくのであれば、こういった形で機械化ができる農業団地の造成を本当に本腰入れてやっていただきたい。
これをやらなくては、やはり若い人たちは地方には定着しないと思います。
みかんの産地も和歌山県産、愛媛県産、本当に急傾斜地あります。
基本的にはそういったところを残すのは必要だとは思いますけども、今後将来のことを考えたとき、やはり大胆なやり方も一方では必要だと思いますので、そういうところも考えていただきたいなと。
今から5年先というのは、水田とか畑作は急な方向転換も結構可能だと思います。
自分もみかんで飯を食う前は、野菜中心の農家でしたので、みかんでやるまでに大変苦労しましたが、やはりそこのところが今後若い世代に継承していく上では必要だと思いますので、そこを検討していただければ幸いだと思います。

三石部会長
ありがとうございました。
それでは、最後に私も部会長という立場ではありますが、一委員として簡単にコメントを、予定にはありませんが、30秒ぐらいしたいと思います。
個人的には、果樹というのは将来的に日本農業のコアに十分なり得る潜在力と機能性、さらには可能性を持っていると思っています。
特に消費とうまく結びついた場合に、本当に10年ではなく20年、30年先を見たときに、日本を代表する農業部門になっていく可能性は十分あると思いますので、ぜひこの点を、この基本方針をしっかりと実行した中で、将来を見据えて産地、それから流通、消費、みんながうまく連携しながら発展させていければ良いかなと思っております。
皆様のご協力を得まして、若干時間過ぎてしまいましたけども良い議論が出来ました。
終了時間が過ぎましたので、本日はここで終わりにしたいと思います。
今回配付した基本方針の案ですが、おおむね皆様方のご了解をいただけたかなと感じております。
ただ、若干のご指摘の部分、それから書きぶりの部分、ここら辺は、もう次回が答申となりますので、ご意見の取り扱い、それから事務的な修正部分、こちらのほうを、皆様お忙しいところでもございますので、私のほうで事務局と相談するという形で、部会長への一任という形でご了解をいただければと思いますが、それでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

三石部会長
それでは、今年度の果樹部会の議論、これで本日は終わりにして、来週は基本方針の答申ということになります。
熱心にご議論いただきまして、本当にありがとうございました。
それでは、若干時間過ぎましたが、進行を事務局へお返しします。

菱沼園芸作物課長
本日はご多忙中、本当に長時間にわたりましてご議論いただき、ありがとうございました。
本日いただいたご意見につきましては、先ほどお話ございましたとおり、部会長とご相談の上詰めたいと思っております。
次回の果樹部会では、基本方針の答申を予定しているということでございまして、本日の部会の概要は、部会長にご確認いただいた上で、農水省のホームページに掲載する予定にしております。
さらに詳細な議事録につきましては、これまでの果樹部会と同様に、後日、委員の皆様にご確認いただいた上で、農水省のホームページに掲載したいと考えております。
よろしくお願いいたします。
何かご質問等あれば。
よろしいですか。
それでは、本日はまことにありがとうございました。
これで締めさせていただきます。
どうもありがとうございました。