食料・農業・農村政策審議会果樹・有機部会 第2回(平成31年1月21日)議事録
1.日時及び場所
平成31年1月21日(月曜日)12時58分~15時27分
農林水産省 第3特別会議室
2.議事次第
- 開会
- あいさつ
- 関係者ヒアリング
- 論点整理
- その他
- 閉会
3.議事録
12時58分 開会
- 嶋田課長補佐
では、大体皆さんおそろいですので、会議を始める前に、すみません、資料の確認を先にさせていただきます。
本日の会議ですけれども、前回に続きまして、御案内しましたように、ペーパーレスで御用意させていただいております。各委員の資料につきましては、タブレットのほうに入れてございますので、タブレットのほうを開いていただけますと助かります。ちょっと立ちにくいので御不便をおかけするかもしれませんが、申しわけありません。
タブレットの中で、PDFのファイルを入れてございます。既に画面のところに表示させていただいておりますが、ファイルがいくつかございまして、左のタブから順に御説明させていただきますと、委員名簿、それと議事次第、それと配布資料一覧、その先、資料がありまして、ちょっと1枚紙だけ資料1で関係者ヒアリングの御出席者の御紹介の紙をつけておりまして、資料2で補足説明資料をつけてございます。資料3で、第1回部会の議事録、これは後ほど御確認していただきますが、それをつけてございます。 参考資料というタブで、前回の第1回の資料を全部こちらでつけているという形にしておりますので、参照ができるような形にしております。
今回の資料は、資料1、2、3、それと参考資料1で前回の会議の資料という形でつけてございます。こちらにつきまして過不足があれば、手を挙げていただきましたら、担当が今お伺いします。
あと、操作の何かございましたら、言っていただければ担当が確認します。
あと、それと机上配布資料としまして、すみません、この会議室の配席図、それと本日の出席者名簿、それと資料1の関係者ヒアリングの資料でございますが、御説明の補足資料という形で、今回お越しいただきました関係者の皆様方から御提出いただいた資料を後ろにつけたものを、机上配布で資料1という形で配布してございます。こちらは関係者ヒアリングのときに使っていただくという形の資料でございます。配席図、本日の出席者名簿、それと関係者ヒアリングの資料1の後ろがついている資料というのを、クリップどめで配らせていただいております。
こちらももし何かないようなことがございましたら、言っていただければ、担当のほうでフォローさせていただきます。
特に今のところで特段ございませんでしょうか。
それでは、時間になりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会の第2回の 果樹・有機部会を開会させていただきます。
傍聴の皆様方も含めまして、携帯電話のほうは、電源をお切りいただきますか、マナーモードに設定をよろしくお願いいたします。
本日の審議会でございますけれども、この果樹・有機部会、15名の委員の方で構成してございますが、既に14名の委員の方に御参加いただいております。髙島委員につきましては、14時ごろ御到着ということでお伺いしておりますので、後ほど全員おそろいいただくという形になっております。
食料・農業・農村政策審議会令におきまして、審議会につきましては、委員及び議事に関係のある臨時委員の3分の1以上が出席しなければ、会議を開き議決することができないというふうになっているところでございますけれども、本日の出席者はこれ、3分の1を上回りますので、部会を開催させていただき、議論をしていただくということにしたいと思っております。
それでは、開会に先立ちまして、農林水産省生産局長の枝元より一言御挨拶をいただきます。
お願いします。 - 枝元局長
生産局長の枝元でございます。本日は、12月17日に続きまして2回目の開催でございますけれども、お忙しいところを御参集賜りまして、ありがとうございます。
本日は、流通・加工・小売などにかかわる事業者の皆様のお話を伺うこととしてございますけれども、プレゼンをいただく事業者の方たちにも御礼を申し上げます。その上で、今後、有機農業を推進していく上での論点につきまして、委員の皆様方の御議論をお願いする予定でございます。限られた時間ではございますけれども、ぜひさまざまな御意見賜れると幸いでございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。 - 嶋田課長補佐
ありがとうございます。
それでは、部会の審議に入らせていただきますので、以後の進行につきましては、部会長のほうによろしくお願いいたします。
部会長、お願いします。 - 上岡部会長
皆様、こんにちは。部会長の上岡でございます。
委員の皆様には、大変御多用の中、御出席賜りまして、まことにありがとうございます。
前回の第1回目の会議では、有機農業の生産者の皆様のお立場から御意見をいただいた、ヒアリングさせていただいたところでございますけれども、大変有益な御意見をいただいたものと思っております。委員の皆様には、前回、全ての委員の皆様にお声をいただくことができませんでしたので、本日はそういうお時間もあるかと思いますので、ぜひ忌憚ない御意見をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、今回の会議でございますけれども、前回会議で議論いたしました今後の進め方に従いまして、まず1点目は、流通・加工・小売分野のヒアリング、それから2点目に論点整理ということで行ってまいりたいと思いますが、議論に入る前に、事務局のほうから前回の議事録の確認と補足資料の御説明があるということですので、まずそちらのほう、説明を農林水産省よりお願いいたします。 - 及川課長
事務局になっております農業環境対策課長の及川でございます。今日はよろしくお願いいたします。
では、座って資料2、資料3について説明させていただきます。
まず、タブレット上の資料2、「有機農業をめぐる事情(補足説明資料)」をご覧くださいませ。
次に移っていただきますと、第1回検討会で出た主な意見についてということで、発言概要、項目、生産者、委員の皆様方ごとに発言概要を書かせていただいております。後ほど説明します資料3の発言の議事概要等から転写させていただいておりますが、こういった発言があったということをわかりやすくまとめさせていただいたものでございます。
このうち、それぞれ御意見、御質問があった部分につきまして、2ページ以降、説明させていただきます。
まず、有機JASよりすばらしい農業をしている方が有機JASを取りにくい障壁、あるいはそれを取り除く必要、どこに取りにくさの原因があるのか掘り下げて議論をしていけばよいといった井村委員、山内委員からの御質問に対しまして、2ページ目でございます、次をめくっていただきたいと思います。
有機認証を取得しない理由と対応、たたき台ということでございます。これにつきましては、今年、平成30年度に農林水産省で有機農業に取り組む地域の営農状況調査といったことで、15市町村から5名ほど、有機農業に取り組んでいる方々からの聞き取り調査といったものを今しておりまして、まだ結果は取りまとめ中でございますが、その中からまとめさせていただきました。
認証を取得しない理由としましては、作業負担の増加、経営負担の増加、技術的課題、販売に不必要、その他として有機JAS認証の受けとめ方ということでございまして、それぞれ具体的な事例という形で、事務手続、認証手数料の問題、飛散防止措置がとれない、また、特定の消費者に販売しており第三者の確認が不要、取引先が内容を確認し保証しているなど、また、有機JASを使用したくない、許可されている資材も使用したくないため、差別化したいといった御意見がありました。
これにつきまして、各項目に考え得る対応として、あくまでもたたき台でございます。今すぐの答えではなく、こういうことが考えられるのではないかということで、それぞれ作業負担の軽減につきましては、そういった認証取得の書類作成に活用可能なアプリケーションの普及、諸外国との比較・整理、あと、経営負担の増加につきましては、技術開発、流通コスト削減、販路拡大といったことで生産者の手取りをふやす施策の推進、技術的な課題につきましては、技術開発またはその技術の現場の普及促進、あと、有機JAS認証の受けとめ方については、やはりちゃんと周知をした上で、有機JASを満たした上でみずからの取り組みをアピールすること自体は否定してない点について周知するといったことが考えられるのではないかという形で、整理させていただいているところでございます。
続きまして、3ページ目でございます。
第1回のときに山内委員から、各国との比較を含む整理が必要という御意見がありましたので、直接支払、また有機認証の取得経費について整理させていただきました。
環境直接支払につきまして、日本とEUでの比較をさせていただきました。日本におきましては、一般的には反当たり8,000円、ヘクタールですと8万円という形になりますが、あと、ソバ等雑穀・飼料作物については、反当たり3,000円という形になっているところでございます。EUにつきましては、平成29年度の農林水産省の委託調査によりまして、三菱UFJリサーチ&コンサルティング会社によりまして取りまとめた報告書があるわけでございますが、この中から抜粋いたしまして、EUにつきましては、1年生作物、最大600ユーロ/ヘクタール、また多年生作物、果樹等でございますけれども、900ユーロ/ヘクタールということで、それぞれ最大値といったものを出させていただいたところでございます。
続きまして、有機認証、第三者認証の取得経費につきまして、各認証機関の公表情報に基づく試算値でございます。日本につきまして、51機関につきまして食品製造課のほうで試算したところ、大体、平均的には9万5,000円、いろいろばらつきありますが、大体、平均その程度という形。米国につきまして、我が課のほうで費用を試算できる情報を公開している認証機関を14機関見まして、比較検討するため、同じ野菜1品目、2.7ヘクタール、8時間といった条件を合わせた形で調べましたところ、平均しますと10万6,000円という形になっています。1ドル110円で試算させていただいています。ドイツ、イタリア、イギリス、スイスにつきましては、ちょっと古いデータで恐縮なんですが、 2011年の論文から費用を引用しました。その引用する際に、10ヘクタールという形での試算なので、単純に比較検討はできませんけれども、それぞれ5万、4万5,000円、6万3,000円、9万7,000円という形になっているというふうに把握させていただいているところでございます。
最後、4ページ目でございます。
前回、生産者のほうから発言がありました、第三者認証ということで、地域に焦点を当てた参加型認証を国際的にも推進する、そういったことをもっと検討してはどうかといった御意見がありました。それにつきまして、こちらの農水省のほうで調べましたところ、参加型認証、PGSといったものにつきまして、定義と運用状況について御報告を申し上げます。
まず、IFOAM、国際有機農業運動連盟におきましてPGSというのは定義されているところでございますが、地域に焦点を当てた品質保証システムということで、関係者の積極的な参加活動に基づきまして生産者を認証すると。具体的には、第三者認証よりも価格を抑え、資料作成の手間を抑制するため、生産者や消費者が参画し、取り組み水準の決定や生産の確認を実施しているという形だそうでございまして、この技術的水準につきましては、日本においては有機JASといったもの、各国で認めた有機認証基準と同様とすることが可能であり、それが推奨されているということが、IFOAM「PGS Guideline」といったところから読み取れるわけでございます。
実際、運用として、各国のPGSでございます。IFOAMのホームページ等からいろいろと検索いたしますと、現時点で、2018年12月現在では、全世界で8つのPGSが認知されているというふうに確認させていただいております。日本におきましては、有機JASと同等の取り組み水準を採用したオーガニック雫石がIFOAMのほうで登録されているということで、これは2018年12月に登録されたということでございます。これ以外に、各国や各地域で取り組まれているPGSがあり、43カ国で127のPGSが運用されているということだそうでございます。
最後、5ページ目でございます。
これはあくまでも参考情報でございます。第1回につきまして、いろいろと諸課題ありましたが、現行の基本的な方針におきまして、有機農業に関する課題、施策の推進内容については、以下のようになっているということがございますので、御議論、また、今日行います論点の議論等におきまして、御参考にしていただければというふうに思っているところでございます。
資料2については以上でございます。
引き続きまして、資料3でございます。
既に各委員には事前に内容をチェックしていただいたところでございますので、ここでは説明を割愛させていただきます。各委員の発言につきまして、このように整理させていただきまして、公表させていただきたいと思いますが、特段何かなければ、こちらで最終版とさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。 - 上岡部会長
ありがとうございました。
以上の御説明に対して、委員の皆様から御質問等はございますでしょうか。
三浦委員、お願いします。 - 三浦委員
資料2の2ページなんですけれども、具体的な理由のところの技術的な課題の中に、2行目に、生分解性マルチ等有機JAS使用禁止資材って書いてあるんですけれども、これは生分解性、ちょっと私も認識不足なんですが、要するに、今、田んぼで使う紙マルチはオッケーですよと。生分解性マルチというのは、畑で使って分解されるのはだめだけれども、分解されないマルチを取り除いて使うのはいいという、そういう認識でよろしいですよね。 - 及川課長
お答えさせていただきます。
有機JASの有機農産物検査認証ハンドブックといったものがあるわけでございますが、こちらのほうですと、今、三浦委員が言ったとおり、紙マルチにつきましては、基本的には使用可能というふうになっているところでございます。生分解性プラスチックマルチの使用につきましては、関係者による検討を行ったが、現行では活用できないと判断されていると。これは、結局、生分解性プラスチックの原材料が全てそういったオーガニック、バイオマスではないといったところが問題になろうかと思いますが、あえて、たたき台について、代替技術の開発というふうに書かせていただいたところにあるのは、今、プラスチック問題は、世界的にバイオマス利用への進展の中で、恐らく将来的にはそういったバイオマス利用を進めた生分解性マルチといったものも、開発可能ではないかというふうに思われるところでございますので、そういったことを期待して、ここでは代替技術の開発と書かせていただいたところでございます。現状の有機JASの世界では、今私が言ったように、生分解性マルチというのは認められていないという形になっているところでございます。 - 上岡部会長
山内委員、お願いします。 - 山内委員
3ページのヨーロッパ等との比較、資料ありがとうございました。2つ質問があります。
1つ目、日本のこの認証費用の幅がこんなにあるのは、何か理由はございますでしょうか。ドイツ、イタリア、イギリス、スイスは、ヘクタールが10なので、およそ4倍なので比較しがたいというお話でしたが、これを見ても、ヨーロッパは大分安いのではないかというふうに考えてよろしいでしょうか。 - 谷口室長
お答えします。
認証の費用に関しましては、認証機関がそれぞれ定めることになっておりまして、そのそれぞれの認証機関で求めるところが変わってきますので、それによってかなり幅があるのかなというふうに思っております。
ちょっとヨーロッパとの比較なんですけれども、この含まれているところが、認証の費用がどこまで含まれているのかちょっとわからないので、正確に比較することはなかなか難しいのかなと思っておりますけれども、ヨーロッパが特段安いというふうにはちょっと認識はしていないんですけれども。 - 上岡部会長
ほかにはいかがでしょうか。
井村委員、いかがでしょうか。 - 井村委員
2ページ目についてなんですけれども、これは聞き取りということなので、聞き取りが書いてあると思うんですけれども、ネガティブな要因として、一つ、JASには罰則規定がすごくありまして、やめられていかれる方の理由とかにもなっていると思うので、ネガティブな情報として、JASで何か不祥事といいますか、あった場合のその罰則規定というのは、皆さん委員にもわかるようにぜひ御紹介いただきたいのが一つと、あと、もう1点なんですけれども、3ページ目の料金のところですけれども、これ、認証費だけなのか、検査官の交通費だとか、そういったものも含まれているのかというのを聞かせてください。 - 谷口室長
まず、JAS法に関する罰則の話なんですけれども、当然、法律に基づく制度ですので、罰則もございますし、それ以前に行政処分という形で改善命令ですとか、そういったことが行われるということになろうかと思います。ただ、その運用に関しましては当然幅のあるものでございまして、違反の対応等に応じて、それが指導でとどまるものなのか、行政処分にまで至るものなのか、はたまた罰則に至るものなのかというのが変わってきます。特に、故意に使用禁止資材とかを使ったりとか、そういったこと、いわゆる違法性の高いものに関しては、行政処分ですとか罰則というところにつながろうかと思いますし、そうではなくて、意図せざる混入ですとか、そういったことに関しましては、防止の措置のとりようですとか、そういった実態をきちんと確認した上で、指導なり処分なりという形になってくるということになろうかと思います。
あと、この料金の話なんですけれども、こちらで挙げておりますJASの認証の取得費用という形で、ちょっと幅のあるところですけれども、これについては、認証に関する直接的な費用というところだけでして、実際に検査官とか来ていただく交通費とかは、これはまた別途、それは実費に応じて徴収するということになっております。 - 嶋田課長補佐
すみません。費用に関しましては、米国の費用と欧州の引用している論文につきましても、交通費等は入っていないというものの比較になってございます。 - 上岡部会長
よろしいでしょうか。
そのほかの委員はよろしいでしょうか。
では、次に進みたいと思います。
続いて、前回に引き続きまして、関係者からの御意見を賜りたいと思います。今回お越しいただきました皆様について、農水省より御説明をお願いいたします。 - 嶋田課長補佐
農水省農業環境対策課担当の嶋田でございます。
今回は、流通・加工・小売などにかかわる皆様方からのヒアリングということで、4つの団体、企業様から御参加をいただいたということにさせていただいております。机上に資料1という形で関係者ヒアリング、関係者の皆様方を御紹介している紙がございますので、これに基づいて御紹介をさせていただきます。
まず、産地に近い側ということで、たじま農業協同組合、JAたじまさんの担い手支援課長の谷垣様に御参加いただいております。
それと、加工のお立場から、ヤマキ醸造株式会社の代表取締役の木谷様、それと取締役の木谷様、補足説明という形で御参加いただいております。
それから、小売に近い側ということで、輸出入も含めて取り扱っておられますむそう商事様から品質管理部の里上様に御参加いただいております。
小売ということで、イトーヨーカ堂青果部セブンファーム開発担当のチーフマーチャンタイザーでございます久留原様に御参加いただいております。
以上の4名の方にお越しいただきました。 - 上岡部会長
それでは、どうぞ皆様、前のほうに御着席いただけますでしょうか。
早速ですけれども、では、皆様から御意見を伺っていきたいと思いますけれども、今回は分野が非常に多岐にわたってございますので、まずはJAたじまさんとそれからヤマキ醸造さんから流通や加工にかかわるお話を伺いつつ、議論を行って、その後、むそう商事さん、イトーヨーカ堂さんのほうから小売、それから輸出入のお話を伺いつつ、議論を行えればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、まずはJAたじまさん、ヤマキ醸造さんより、それぞれのお取り組みの御紹介ですとか有機農業に対するお考えなどを簡単にお願いできますでしょうか。
まずは、JAたじまさんのほうからお願いいたします。 - 報告者(谷垣)
失礼します。改めまして、たじま農協の谷垣です。よろしくお願いいたします。
今日、このような場にお声がけいただいたんですけれども、ちょっと緊張しておって、ようまとめができておらんかもしれませんけれども、私どもの流通につなげるところまでの取り組みを簡単に御報告をさせていただきたいと思います。ちょっとお手元にパワーポイントをまとめた資料があるかと思いますので、そちらのほうも御確認をいただきたいと思います。
私どもの農協、フラッグシップといいますか、一番目玉になる農産物、有名なのはコウノトリ育むお米です。コウノトリと共生する農業に取り組んでおります。秋篠宮さんが平成17年にお越しになって、野生復帰が始まりまして、約もう15年ですか、ぐらいになるんですけれども、そこのスライドにもあるとおり、日頃の暮らしの中にコウノトリがいる風景が広がるようになりました。
そのお米を産地として何とかせんとあかんというようなことは起こっております。資料の右下ですかね、なぜGAPにというところの次の資料のところにグラフが出ていると思うんですけれども、実は年々、面積がふえていっています。コウノトリが餌をとる場所というのは水田が中心ですので、その水田をコウノトリの餌となる生き物がいっぱい暮らす場所にすることが必要です。でも、これを販売しているのが、実は農協がほとんど買い取り販売をしています。この販路拡大をしないと、コウノトリの餌を確保することができないというようなことが起こりまして、何とかせんとあかん、産地がこのままだと危機になる、販路拡大せんと、値が崩れて再生産もできなくなるということで、大変なことになりそうでした。
平成28年に、次のページなんですけれども、米のブランド力強化というところ、出ているんですけれども、販路拡大しようと。頑張ってブランド力も上げて、高い値段で売れるようにしようということで、平成28年に営農振興大会というのをやりました。小泉進次郎さんにもお越しいただいたんですけれども。その方針を組合員と共有しまして、こんなことでグローバルGAP、まず取ろうやということをやりかけたところです。
取り組んだことなんですけれども、実はこのグローバルGAPの認証、後でも御紹介させていただくんですが、有機JASの認証もダブルの認証取得をしました。私たちの特徴は、グループ認証です。個別認証ではありません。グループ認証を行いました。生産は、組合員である農業者、流通はJAが責任を持つ、JA外に自分で出荷する分は認証の対象外ということで、農協が流通に対して責任を持った取り組みをやっています。
その次のスライドなんですけれども、農業のマネジメント、農場のコントロールとあるんですけれども、これがGAPで見る8項目です。有機JASはこの中の土壌と作物養分管理のところだけでして、実際にやってみた感想。その横に農薬の使用とあるんですけれども、これは農薬の保管管理だとか、GAPのほうではそこら辺の項目だけだったので、見る範囲が違っただけなのかなと。有機JASをやっている人が、GAP認証、取れそうな気はするんですけれども、取れないのは、ほかで何かむちゃとなるところがあるのかなとも思ったりしたようなことを思いました。
昨年の1月なんですけれども、無事に認証取得できました。その横に赤い点がポチっとついてあって、資料の5ページの上のところに赤い点、線がついてあるんですけれども、今回、4人の生産者で試験的に取り組んだんですけれども、誰もが言ったことがあります。みんなで取り組むから意味があるということを言われました。個人の取り組みじゃなくて、産地の取り組みになるべきだということを、みんなおっしゃられています。産地の信頼があって自分らの農業はできるんだということ、それから、コウノトリはどこへ行くかわからんのに、1人の取り組みだったらどないもならんというところです。
今年、グローバルGAPのお米で有機JAS認証の取得に向かって、紙袋の写真があるとおり、農水省さんの補助事業のお世話になりながら、今年、無事に秋に認証取得ができました。
さっきもお話をさせていただいたとおり、有機JASもグループで認証取得をしています。組合員が有機JASを取るのに、新たに書類や記録をつくったものというのは、一切ありませんでした。事務局は認証会社に出す書類を作ったのですが、農家さんは新たに作らなかったのですけれども、農家さんのほうの記録を新たにするということはありませんでした。ですので、GAPと有機JASというのはすごく親和性があるものなんだなというのを、取ってみて思いました。
グループ認証でよかったのは、みんなで解決できること、人数が集まると文殊の知恵になりますということで、ちょっと写真を載せているんですけれども、これは飛ばさせていただきまして、みんなで知恵を出して意見交換をして、ワーワー言いながら、「おい、これどうするんだ」って言ってできたことがよかったのかな、この取り組みをみんな広げたいなということを組合員の方もおっしゃられていましたので、ちょっと御報告だけさせていただきます。
みんなで集まってグループ認証を取得したんですけれども、資料の6ページのところですね、このメンバーの中で、自分のやり方以外は認めないとか、俺のやり方と違うから一緒になるのが嫌だとかいう人はありませんでした。というのが、みんなでつくってきた栽培暦なんです。暦はみんなでつくって、後でも御紹介をさせていただきます、先駆者の方が頑張ってつくってきたそのものを、栽培暦を活かしていって、各自の工夫、それぞれの圃場の工夫というのはそれぞれがやっていますので、そこはお互い不可侵というかあれで、共通の暦はみんなで守ろうやって、コウノトリのためにみんなで守ろうやというルールのところはみんなで一緒にやっているという、そういうことだからだと思います。
コウノトリ育む農法、もう一度あのグラフを出しているんですけれども、年々、面積ふえています。初期のメンバー、先駆者として本当に大変な苦労されて、その技術が広がった結果、ここまでなったと思います。俺のやり方でないとだめだとか、俺がやったんだとか、俺の言うことついてこいとか、そういうことを言う人は全くいなかった。個人の主張が強い農業だとか企業参入の農業だと、こんなことにならなかったと思います。全てのノウハウがクローズされてしまうんですけれども、それが逆にオープンになったことっていうのは、意味があったんじゃないかなと。大体、さっきも言いましたけれども、コウノトリはどこに飛んでいくかわかりませんし、どうやってつき合うんだってなったら、やっぱり地域のみんなでやりましょうなというのは、一番自然な流れなのかなというふうな思いがします。
1個、山の上のビニールハウスの写真があるんですけれども、こちらはおおや高原です。昔、農業の何でしたっけ、天皇賞をいただいて、平成何年だったかな、ちょっと取ったんですけれども、全量を有機栽培されて、コープこうべへ出荷されています。過去の詳しい経過は知らないんですけれども、個別認証なんです。でも、自分で販売しても有機JASなんですけれども、自分で販売する方はありません。全量をコープこうべに出されています。今年、ホウレンソウはよくとれたりしたこともあったんですけれども、値が安くなっても全量をコープこうべに出されました。
というのは、生産者の方は、今まで食べて産地を支えてくれた方にしっかり届けたいという思いがあったからというふうに言われています。ですので、そういうぐあいに自分で販売するということはされていませんでした。ですので、農協が縛ったとかではなくて、生産者のほうがそのように思って、届けることを一生懸命頑張っている。常に寄り添ってくれる消費者に届けることを優先されている事例もありますので、御紹介をさせていただきます。
最後なんですけれども、すみません、予定の8分をちょっと過ぎたんですけれども、コウノトリが生きるには、コウノトリの食べ物となる生き物が必要です。改めて、このためには、みんなで取り組むというのは要るのかなというのを、本当に産地のみんなが思っています。今まで販売するときに物語を伝え、今までコウノトリにいいですよって言って、買ってくれる人をふやそうふやそうとしましたけれども、実際はずっと食べて支え続けてくれる消費者をふやす必要があるので、物語を理解することを一生懸命、みんなで取り組んで、販売のとき、頑張ってきました。そのときにそれを担保するのに第三者認証というのを使って、有機JASやグローバルGAPを使って、これからやっていかんとあかんかなということを思っています。実際、海外からはそのように言われるようなことがふえてきたようです。
私たちの農協、こんなことで、環境だけでなく、経済にも社会にもやさしい農業になればということで、みんなで頑張っていますので、また引き続き御指導をいただきながら頑張っていきたいと思います。今日の流通のところにつながるちょっと情報がお届けが足りなかったかもしれませんけれども、御報告とさせていただきます。 - 上岡部会長
どうもありがとうございました。
続きまして、質問はまた後ほどしたいと思いますけれども、ヤマキ醸造さんの木谷取締役、お願いいたします。 - 報告者(木谷)
ヤマキ醸造の木谷と申します。よろしくお願いいたします。
私どもは、埼玉県の児玉郡神川町というところで、あと、埼玉県の本庄市というところで、おみそ、おしょうゆ、お漬物などをつくっている会社です。それなので、穀物関係、大豆、小麦、お米、あとお漬物のほうはやっぱり野菜、タマネギ、ナガネギ、ゴボウなどなど、いろんなものの有機食材を使っています。
それで、基本的には全て現状は国産の材料で、有機栽培もしくは特別栽培のもののみを使って加工品をつくっております。近々の課題としましては、少し特別栽培のものを有機栽培のものに、おみそ、おしょうゆなどを一部のお客様の希望でシフトさせていただいたんですけれども、有機大豆の作付け、作付けしても収穫が増えず、少し足らなくなってしまったと。本当に微々たるものですけれども、地元でも、私どものグループ会社、農業生産法人、豆太郎で、大豆、小麦などを作っております。
豆太郎は、基本的には野菜メーンなんですけれども、うちの商品があるので、大豆、小麦を作って頂いてます。大豆のメーン農場は東北のほうの圃場が一番多いですが、地元のも、農家の方が高齢化してきた部分もあって、もう貸したいですよとか、そういうところも結構出て来ております。その圃場を豆太郎で借りて、代表の須賀中心に大豆、小麦を作る計画を進めております。
今年、東北の大豆契約の農家さんを回らせていただいて、ヤマキは有機栽培の大豆がもっと欲しいので、有機商品ニーズがふえているので、もっと作付けを増やして頂けますか?と話をしたときに、ちょっとこれ以上はふやせないかなという話をされてしまったんですね。その理由としては、特栽にくらべて、有機になるとさらに除草が大変になってしまうので、そこの人か機械かお金をかけないとできないですと。もうちょっと買い取り価格を高くしてくれませんかと。現状、入札したものを買っていますので、その価格プラス有機で、1俵当たり6,000円とか前後ぐらいプラスで農家さんにお支払いしていたんですね。それだとちょっと足らないというので、少し調整したりしているんですけれども、大幅に値段もなかなか上げられないんですね、上げてあげたいんですけれども。
というのは1つ理由がありまして、うちも5年ぐらい前に少し大豆の価格が上がったときに、商品値上げさせていただいたんですね、10%~15%くらい。値上げ後、売り上げが1割ぐらい下がりました。それはそれでしようがないじゃないですかという意見もあったんですけれども、やっぱりこれからふやしていきたいとか、欲しいと言ってくださるお客様もいらっしゃるので、減っていいじゃないかという考え方はちょっと私になくて、あんまりここからまた価格に転嫁しちゃうと、なかなか今の御時世、売り切れない商品の価格帯になるなというのが、そのときの私の感想なんですね。それなので、なるべく今の価格帯をキープしながら、なおかつ農家さんにもつくってもらうということになると、有機に関してはもう少し援助が必要かなと。
これは私の、一部の大豆契約農家さんと話した時に考えついた意見です。合っているかどうかわかんないですけれども、こうしたらいいのかなというイメージです。
一つは、環境保全型とか経営所得の保証とかありますよね。環境保全型というのは、そういう特別栽培だとか有機栽培とかやっているところの農家さんに出ているんだと思うんですけれども、そちらの金額が、特栽と有機が現状同じなので、10アール8,000円と書いてあるんですけれども、例えばそれが有機だったらもう少し倍ぐらい出せますよとか、例えばですね。
もしくは、いや、それはちょっと難しいじゃないかという話になったときには、有機ってどうしても、除草の手間がすごくかかります。除草をしっかり行い、肥料は、うちの豆腐のおからとか入れると良いです。有機でもしっかり手間をかければ、慣行栽培に近い量を収穫できる畑もあります。しかし除草が甘かったりすると一般的にはやっぱり半分とかぐらいになってしまうのが現状で、その手間に対して収入が少ないので、プラスもうちょっと欲しいというところで、例えば、うちなんかは、JAさん通して入札したもので、プラス農家さんにプレミアムを、そのとれた大豆に対して6,000円くらい払っているんですけれども、JAの収穫検査に合格した大豆に対して、例えば国も5,000円なり6,000円なり、もし援助していただくことができるのであれば、農家さんの手取りがふえます。
農水省のデータで、国産有機大豆の量、概算ですけれども、年間1,000トンぐらいとかって書いてあったんですね。さらに減っちゃっている現状なので、例えば1,000トンに対して、計算が合っているかどうか自信ないですけれども、1俵5,000円払っても、8,300万とか、2,000トンでも1億6,600万くらいの予算ですみます。これで国産有機大豆が増やせるなら、とても有効な事だと思います。これから日本中の農地もあいてくるだろうし、ニーズのある農作物を作る事で、問題解決していくのが良いと考えております。
それには農業を行う人の収入を増やす事も大切なので、環境保全型の全額をふやすとか、それが難しければ、うちもそうですし、多分、国の方針もそうだと思います。作付けするだけでなく量をちゃんととってもらう事が目的なので、とれたものに対して一定の5,000円とか何なりのお金を補助できれば、大豆に関してですけれども、1億~2億の予算を用意出来れば、それでも随分変わるんじゃないかなというのが一つの印象です。
物流にまつわる部分なんですけれども、うちは有機の麦とかも少しやっていまして、生産量も、ニーズも少ないので、例えば東北でつくって、うちのほうに入荷しまして、使うときに精麦しますけれども、そのときにまた東北のほうに持っていって、またうちに戻すとか、ニーズが少ない物に関しては、加工する場所も現状少ないので、その辺が異常にコストが上がっちゃうところですね、物流費が。
例えば、地元のJAに設備があれば、もっと安く済みます。ただ、それもこんな少しの量だったら、そこまで配備するまでの話にならないと思いますが、量がふえてくれば、その辺も解決してくるかなというふうには私は思っていますので、日本全体で、有機農業をサポート出来れば、有機農産物はニーズありますので、おのずと増えていくと思います。御参考までに。
よろしくお願いいたします。 - 上岡部会長
どうもありがとうございました。大変有益なお話だったと思います。
委員の皆様のほうから、御質問ですとか、あるいは関連した御意見などございましたら、ぜひこの機会にお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
結城委員、お願いいたします。 - 結城委員
JAたじまさんにお願いいたします。
GAPと有機栽培というのが、非常に親和性が高くてマッチングするというようなお話だったんですけれども、GAPの中では特にグローバルをお選びになって取り組まれている理由というのは、どういうことなんでしょう。 - 報告者(谷垣)
実は、GAP認証を取ろうかといったときも、既に海外にいくつか出ているお米があったんです。そのとき、当時、まだJGAP Advanceだったんですけれども、海外の認証の分で、GFSIの関係の分でちょっとまだ御準備中だったということで、それでグローバルGAPを選んだというのは、それだけですね。 - 上岡部会長
ほかはいかがでしょうか。
勝又委員、お願いします。 - 勝又委員
JAたじまさんによろしいでしょうか。
このグラフで作付面積はこのぐらいどんどんふえていますというところがあるんですけれども、例えばそれに応じて、売り上げですとかお客様の数ですとか、そういったところはどういうふうに動いていらっしゃるんでしょうか。 - 報告者(谷垣)
年々苦労しておるんです。もう本当に苦労しているんです。無農薬・減農薬、年々ふえていっとって、再生産してもらわんと、先ほどの木谷さんからのお話じゃないですけれども、農家さんの再生産価格をしとかんと、コウノトリの餌を確保せんとあかんので。何とか物をふやそうふやそう、お客さんもふやそうふやそうって、あちこちで販売活動をやって、何とか今のところは売り切っていますけれども、しんどいです。 - 勝又委員
率直なことを聞かせていただくと、このグラフほど売り上げとか利益とかっていうのは、こういうグラフどおりではないという。 - 報告者(谷垣)
そうですね。全くそのとおり、農協がある程度かぶっているところもあります。なので大変です。なので、あの手この手でやっているんですが、例えば楽天市場もうちの農協、日本で一番最初に農協の中で出して、もう10年以上になるんですけれども、最初、本当、売り上げがなかったので。最近急にネット通販の売り上げがやっぱり伸びてきたりとかあれなんですけれども、大変しんどいです。何とかしたいです。 - 上岡部会長
すみません、青山委員からじゃあお願いします。 - 青山委員
ありがとうございます。欲張ってしまいますが、短くて結構ですので、お二人にお聞かせいただきたいんですけれども。
まず、JAたじまさんは、御苦労されていらっしゃるとはおっしゃっていたんですが、JAたじまのお米を買う方は、その安全性を評価して買っているのか、環境を守っているということに共鳴して買っていらっしゃるのか、どっちが感覚的に多いかというのを聞かせていただけますか。
ヤマキさんにも、特栽からどちらかというと有機のほうにやられたということは、やっぱり安全性をより求めている人が多いのか、どういうお客さんがいるからそういった生産者に対しての支援もされていらっしゃるのか、消費者側のちょっと需要というか、ニーズというのを少しお聞かせいただければ幸いです。 - 報告者(谷垣)
私どもでは、安全性で買っていただく方もあるとは思うんですけれども、このお米を食べることは、ほかのお米と違ってやっぱり環境にやさしい、あなたも環境を守る活動にこれを食べることで参加しませんかということを、メッセージとして伝えるようにしていますので、どちらが多いとかっていうことはあれなんですけれども、販売の中では私どもは環境のことを一生懸命言うようにしていますので、多分そちらの方のほうが多いんじゃないかなというふうに思います。 - 報告者(木谷)
販売のほうは妹が代表をやっていますので、ちょっとしゃべって、補足があれば私もしゃべります。 - 報告者(木谷)
すみません。印象なんですけれども、当社の場合ですと、やはり安全性のほうが現状多いのかなというふうに思っております。ただ、やはり環境に配慮したものなんだよというところの理解が、まだまだ伝え切れてないというところを感じておりまして、少なからず、工場見学ですとか説明会というのを定期的に設置しておりまして、そういったところに参加していただいたお客様というのは、環境にもこういった購入をすることで配慮ができるんだということを知られると、より一層、理解度が高まって、購入しようという意欲につながってくるのかなという印象を持っております。 - 上岡部会長
ありがとうございます。
では、千葉委員、お願いします。 - 千葉委員
ありがとうございました。
JAたじまさんにお聞きしたいんですけれども、2点ありまして、結構、苦労なされているというお話だったんですけれども、とてもすばらしい取り組みで、僕も以前、お話はほかの方から聞いたことがあって、環境保全型の直接支払というものが始まってから、すごくやっぱりふえていったという、一つのきかっけだったというお話も一つ聞いていて、それとともに僕が同じようなものを横展開していく地域がもっと出てくるだろうなと思っていたけれども、なかなか出てきてないようなのを僕感じていて、もっともっといろんな地域で広まるんじゃないかなと思ったんですけれども。
一つの要因として、ちょっと技術的な話になっちゃうんですけれども、冬場に冬期湛水をするということで、そういう農法というか、ものを取り入れてやったときに、やっぱり地域の農家さんでどうしても冬に荒起こししたいという方々がいらっしゃったりとか、入れなくなっちゃうと、水を入れてしまうと。どうしても水はつながっているので、田んぼは。そういうようなところがすごく難しかったのかなとか思ったり、弊害になっているのかなと僕はちょっと感じたりしているんですけれども、そういうことがどうだったのかなということと、あと、それよりもやっぱり販売であったりとか、コミュニケーションということが難しいということが弊害になっているのかなとか、感じていらっしゃること、ほかの地域でもっともっと進んでないなというところが、何かアドバイス等あったらちょっと聞きたいなと思ったのが一つ。
それと、もう一つが、資料2の補足説明資料の1ページ目に書いてある一番下の給食への食材提供等というのがあって、今現在、千葉県のいすみ市さん等では100%、給食に有機米を使っているみたいなところがあったりとか、そういうような活動というか、ものも兵庫県内でやられたりとかしているのかなということをお聞かせいただきたいと思います。 - 報告者(谷垣)
2つ目の給食なんですけれども、たじまの中、私どもの管内の中、3市2町、行政あるんですけれども、その3市2町のうち豊岡市だけは、学校給食、米飯でコウノトリ育むのお米を豊岡市のほうが今、気張って買い支えていただいて、やっていただいています。ほかの地域はなかなか、まだ行政もそこまでという感じですかね。
ほかの地域で広げるアドバイスというのを、やっぱり地域ごとにいろんな特徴ある農業があると思うので、それぞれの地域地域で合った農法で広げる必要があるんじゃないかなと思います。私どものところはコウノトリの餌をふやすのが目的ですので、冬期湛水でトロトロ層というのをつくろうというのは御存じだと思うんですけれども、あれをつくるのが目的であって、水を張ってとりあえず鳥に来てもらおうとか、そういうことではないんですよね。ですので、僕たちは、冬水田んぼのところについては、目的がトロトロ層をつくることが目的でやっているので、僕たちはそれで広げることはできたけれども、ほかの地域だとそれを目的としないケースもあると思うんですよね。ですので、その地域の実情に合ったみんなで栽培暦だとかルールというのをつくって、それをみんなで共有するという作業はやっぱり地域でやる必要があるんじゃないかな。そのときにはやっぱり農協というのが、今まで組合員とみんなで地域の産地づくりをやってきた農協が、すごくキーになるんじゃないかなというふうに思ったりもします。
そんな感じでもよろしいですか。 - 上岡部会長
よろしいでしょうか。
ほかの委員の皆様。
じゃ、三浦委員、すみません。 - 三浦委員
すみません、ヤマキさんにお伺いしたいんですけれども、いわゆる有機のダイズ等を使って加工されたしょうゆとかみそと、あと減農薬が原材料のものと、価格差としてどれぐらいあるのかということをお尋ねしたいんですけれども。 - 報告者(木谷)
弊社の場合は大体、倍ぐらいに設定しています。実際の価格自体はそこまで違わないかもしれないですけれども、大体、倍ぐらいの設計にしていますね。それなので、やっぱり今から上がっちゃうと、普及がなかなか難しいかなというのがあるので、なるべく原料の価格も上がり過ぎないようにするのが大事なのかなというふうに思っています。 - 上岡部会長
少しお時間のほうも押してまいりましたので、土谷委員と柚木委員のほうから一言ずついただいきたいと思います。 - 土谷委員
ありがとうございました。ビオセボンの土谷と申します。
私も、先ほどヤマキさんがおっしゃったように、補助金は効果があるという話をフランスのビオセボンからは聞いていましたので、そういうことも大事なのかなと思って聞いている一方、先ほどのコウノトリのお話なんですけれども、物語の提案というのが非常に重要だなというふうに私も思っています。ここはJAたじまさんでつくられているというか、組み立てている物語なんでしょうか - 報告者(谷垣)
地域のみんなで。だから、行政も、みんなです。だから、誰がとか僕がとかいうことは、一切言っていません。なので、ちょっと余談なんですけれども、去年、おととしかな、片岡愛之助さん、キャラクターになってもらっているんですけれども、イメージキャラクターで今やっているんです、販売活動。そうしたら、それもノリで、行政の豊岡市長がお友達なもので、「おい、やろうや」って言ったら、みんなで、「じゃあ、やろうやろう」って言ってお金を出し合って、キャンペーン、みんなで「やろうやろう」って。誰かがということではなくて、みんなで一緒に常にやっています。 - 上岡部会長
よろしいですか。
じゃ、柚木委員、お願いします。 - 柚木委員
すみません、ヤマキさんにお尋ねしたいんですけれども、いわゆる契約している農家の方々が若干減少傾向にあるかなというふうにお伺いしたんですけれども、一つは、そういう農家の方々が大分高齢化をされてきて、後継ぎの方が少なくなって、こういう状態になっているのかどうかという点と、それから、ヤマキさんみずからが農業法人をつくられて、生産にも直接かかわっていらっしゃるということでよろしいのかどうか。 - 報告者(木谷)
そうですね。 - 柚木委員
それから、借入れ可能な農地が耕作放棄地を含めてかなり出てきておりますけれども、ヤマキさんのほうの目から見て、有機栽培の大豆とか小麦に適した農地というのは、今はあまり使われてないけれども、潜在的には相当あるというふうに見えるのかどうか、その辺ちょっとお伺いしたいんですが。 - 報告者(木谷)
すみません。ちょっと私の話が幾らか補助金のほうに偏っちゃっている部分があるんですけれども。豆太郎の生産者ですとか、昔ながらにやっている方たちは、当然、補助金ももらっているんですけれども、もらおうがもらうまいが、やるタイプの人なんですよ。どっちかというと自給自足に近いので、そんなに収入がなくても、生き方としてやりますよというタイプの人が結構、豆太郎とか、ある程度の人数いらっしゃるんですけれども、多分その方たちだけだと、本当に限られていますので、やっぱり新規の人も少し取り組めるようにしないと、ふやすというのは現実的には大幅には難しいかなというところがあるので、ちょっとふやすという意味で、少しそういう交付金に関してのほうに行っちゃったんですけれども、もともとやっている方たちはそういうのはあまり関係ないんですね。もらおうがもらうまいが、やりますと。例えば豆太郎であれば、大豆をまくことで土がよくなるので、ほかの作物もよくなると、だからやっていますよと。あと、うちなんかも必要なのでやっていますよというコンセプトなんですね。
ちょっとかいわいで農家さんが少し減ってきているというのがあって、それがちょうど世代交代のときにやっぱり起こりやすいですね。例えば、お父様、お母様の時代にそういう生き方でやってきた。だけど、ちょっと収入が少ないので、あなた方の代は、ある程度自分たちの判断に任せる。強制はできない、そこまでは。というような感じで、その世代の人がちょっと迷っちゃっている。やりたい気持ちで、ちょっと機械買わなきゃいけない、ああどうしようかなとか、我々にも言うんですけれども、我々も出せる範囲では出しますとか。
あと、自分たちのかいわいでやるときに、これは本当に細かい話の部類に入っちゃうんですけれども、今、結構、市町村も合併してきまして、環境保全型も、本社がある神川町ですとかその隣の上里町ですとか、そういうところは出るんですよ。本庄市というところも合併して、児玉町とか、すごく畑があるところがあるんですよ。そういうところでちょっとやってくださいというときに、本庄市の場合は対象外ですよとかっていうのがあって、豆太郎もそこに、あいたところにやっぱり入っていかなきゃいけないので、あいたんだけれども、そこはそういうのは対象じゃありませんとかってあるので、やっぱりそこのあいたところで適したものがつくれるんであれば、そういうのを対象に入れていかないと、ちょっとそれもやりづらい原因の一端なのかなというふうに私は感じていますね。 - 上岡部会長
ありがとうございました。御質問も尽きないんですけれども、時間もあれですので、続きをまいりたいと思います。
では、続いてむそう商事様、イトーヨーカ堂様、おのおのの取り組みの御紹介、あるいは有機農業に対するお考えなどを簡単に御紹介いただければと思います。
では、最初にむそう商事の里上様、よろしくお願いいたします。 - 報告者(里上)
むそう商事の里上です。よろしくお願いします。
弊社は、30年前にアメリカの有機の認定を初めて日本で取得して、有機の大豆等を輸入し始めました。現在、国内販売の有機品としては約110品目扱っていまして、輸出については約100品目扱っていまして、約45カ国に輸出しています。年々、海外の有機の市場が伸びているということもありまして、売り上げとしては毎年5~10%ぐらいは伸びております。
一番輸出している国がEUなんですけれども、現在、問題が起こっていまして、EU向けに輸出した有機品からの残留農薬の検出というのがあります。特に有機のお茶なんですけれども、2年前に現地のお客さんから連絡がありまして、分析したところ、残留農薬、EUの基準値以内なんですけれども、検出されたというふうに言われました。これ販売できませんと言われたんですけれども、供給元さんが有機JASの認定を取っているJONAという認定機関があるんですけれども、そこに相談したところ、有機認定は残留農薬ゼロを保証するものではないということをちゃんと言っていただきまして、JONAさんはそういうことをホームページでもちゃんと書かれているんです。それをお客様にも説明して、何とか認定機関と交渉してくださいと言ったんですけれども、現地のEUの認定機関、CCPAEというところなんですけれども、そこは微量でも農薬が検出されれば有機としては販売できませんというふうな見解を出されて、現地では有機として販売できなくなりました。
EUの今後なんですけれども、将来的には有機品の残留農薬の検出基準を設けるというふうには言われています。有機品に残留農薬が検出された場合の取り扱いについては、現在、結論は出てないようなんですけれども、2022年から23年に再度議論されて、それまでは各国が対応ということになっているんですけれども、先ほどのCCPAEという認定機関、一部が残留農薬ゼロじゃないと有機では販売できないというふうに言われているんですけれども、今後もしかしたらもっとそういう認定機関がふえていくんではないかと、弊社ではすごい危惧しています。
商社としての希望を4ページ目に書かせていただいたんですが、EUや他国との残留農薬基準の差を埋める方向にしていただきたいというのがあります。というのが、弊社は40年以上、一般のお茶、非有機のお茶をEUに輸出していたんですけれども、ですが、2年前にやめました。というのが、日本とEUのお茶の基準というのがすごく差があり過ぎて、農薬によったら8,000倍、EUのほうが厳しいというのがあるんです。実際分析したら、EUの基準値内にできるお茶というのがなかったんですね。ですので、もうやめています。
その一般のお茶と有機のお茶が栽培しているときに、緩衝地帯というのが隣接のところってとらないとだめですけれども、認定機関によっては1メーターでいいというところもあるんですね。4メーターというところもありますけれども、やっぱり1メーターだけでしたら、農薬のドリフトというのが防げないという状況がありまして、静岡のお茶屋さんからも仕入れているんですけれども、すごいまじめに取り組んでおられているんですが、圃場の地図見せていただいたら、有機のお茶の圃場の周りに一般の非有機のお茶があって、これはドリフト避けられないなというのがあります。分析したらやっぱり出てきまして、EU基準内ではあったんですけれども、そういうことが問題になっています。
あと、諸外国が問題視して、禁止や規制を進める残留農薬基準の見直しなんですけれども、ちょっと一例なんですが、グリホサートという除草剤がありますけれども、これが有機のお茶からも検出されました。EU基準値未満だったんですけれども。EUとかでしたら、チェコは今年からグリホサートの使用を全面禁止にしていまして、ほかの国についても規制を厳しくしていこうというのがあります。あと、カリフォルニア州でもグリホサートが発がん性があるというので、Prop65というところに登録されたりとかして、いろんな国で議論されているんですが、日本では2017年12月に厚生労働省がグリホサートの規制緩和というのを発表しています。さらに緩くなっていますし、いろんな日本の中でも、ダイソーとかでもいろんなところで気軽に買える、何も発がん性とかの危険性があるとか、そういうのを全然話されてないと思うので、そういったことの規制をもっとしていただきたいなというのがあります。
あとは、JETROの分析支援サービスの継続、去年の12月まで利用させていただいていたんですけれども、やっぱり輸出するには、EUの基準で分析して、EU基準値内というのを確認してから輸出したいので、弊社としても会社でもやっているんですけれども、100品目以上あれば、そこまで費用的にはちょっと難しいので、こちらも協力いただければと思います。
次のページの商社としての要望2なんですが、EU・アメリカへ有機品を輸出する際の証明書というのが、発行していただく必要があるんですけれども、今、認定機関11社とやりとりしているんですが、認定機関によっては1,000円で発行していただけるところもあれば、1件5,000円、6,000円と請求してくるところもあるので、そういうところもなるべく下げていただけるように、農水の方から流していただければありがたいです。
あと、有機JASで海藻の認定基準をつくっていただきたいと書いたんですが、2016年から弊社は有機の海藻の認定をEUの基準で取得しています。めちゃくちゃすごく高いです、EUの検査を受けるのは。30万以上、1件かかります。あと、海外から、インドネシアから今、検査員呼んでいるんですけれども、それの費用も全部かかってきていますので、日本で有機JASでそういう基準ができて、今後、有機JASの同等性で海外に輸出できれば、すごいありがたいなと思っています。
あとは、ブラジル、韓国、台湾との有機JAS同等性を締結していただきたいというのと、次は、同等国でない国がNOP、アメリカの基準の認定やEU認定等を取得されれば、有機JASとして販売できるようにしていただきたいというのと、あとは、90%オーガニック、80%オーガニック等の有機の配合率を表示して販売できるようにさせていただければ、消費者へのアピールになるのではと考えています。
最後に、有機に携わる者としての、消費者としての意見でもあるんですけれども、去年の末に韓国のソウル市で、2021年から小中高の給食が無償化され、しかも有機給食になるという記事を新聞で読んだんですけれども、日本に考えてみますと、やっぱり給食無償化も有機化もすごく難しいことだなって、地域によっては有機のお米とか、先ほどおっしゃっていましたけれども、でも、日本全体で見たら、ちょっとほど遠いなって思うんですが、主食のお米だけでも有機になってほしいというのが、やっぱりオーガニック食品、食べてほしいというのは、一番食べてほしいのは子供ですので、子供が食べるきっかけになる。そして、親も有機についてすごく勉強になりますし、あと、学校の先生も有機について勉強する必要ってあると思うんです。ですので、そこから入っていけば、将来的にはもっと日本のオーガニックも伸びるんじゃないかなと思います。
以上です。 - 上岡部会長
どうもありがとうございました。
それでは、イトーヨーカ堂の久留原様、よろしくお願いいたします。 - 報告者(久留原)
イトーヨーカ堂の久留原です。
私はこちらの肩書きでもありますとおり、セブンファームという形の中で、2008年ですか、イトーヨーカ堂としての自社農場を持つという形の中でスタートしました。当初はJAさん、それからあと生産者の方々と、これ一緒になって、イトーヨーカ堂から出た食品残渣をたい肥に変えて、そのたい肥を使って作物を育てる、循環型農業をしていきますよという形でスタートしました。今のところ、全国に12カ所ですか、セブンファームという形の、生産者の方と一緒になってやっているんですけれども、その形の中で展開をしております。そのうち、今のところ9カ所がJGAP認証という形で、残り3カ所も19年度中に取得をするような形で動いています。
こういう計画を今年度、去年書くときに、あと何を進めていこう、あと、拠点をふやすのかという形の中で、これだけ環境循環型という部分の中で1つ抜けているものが、これは弊社の中でも一番同業他社と比べておくれているところ、有機ですね、有機のところが同業他社等と比較しても、全くできていないというところでした。一部、顔が見える野菜という形の中で、直接入り込んではいないところで買っていたわけですけれども、売り上げ的にはほんの微々たるものという形の中で、品目数だけでは二十五、六品目あったんですけれども、ほとんど展開している店がないというようなところでした。展開している店があったにしても、オープンケースで立陳で2尺あればいいですかね、という形でした。 私は、ここにじゃあ入っていこうという形の中で、去年あたりから動いて、各有機の生産者の方々と畑を回りながら進めてまいりました。やっぱり小売の部分からいうと、なぜじゃあ広がらなかったのだろうというところでいうと、店のマネージャーさん、責任者ですね、こちらのほうを聞くと、コーナー化をするに当たっての一番のネックというのは、売り場は少量多品目ですよね、当然、こちらの皆さんも御承知のとおり、やっぱりいかにアイテムをそろえていくかというところ。だけど、うちの販売力もない人から、1日その中でじゃいくつ売れるのと。1日5個ぐらいでしょうと。じゃ、それを1ケース、ロットを生産者の皆さん等を含めてやったときに、ロット30でやったときに、じゃあ、例えばホウレンソウなりというところが1日5個ずつ売れていったとしたら、売り場で何日間なるの。結局は半分以上はロスになるという形の中で、やっぱり売り場のほうでの維持ができないというのが、今のところの私が考えていた有機という部分でした。
どこかのところでアソートをして、じゃあ1つのコンテナの中に5個、6個と入れた形の中での供給をしていけばいいんじゃないかというような形で進めようと思っていました。各ところを回って、こういう形でというのを進めてきたんですけれども、たまたま去年の年末から1つ始まった有機のところがあって、そちらのところから年末から商品を入れていました。一斉品目だったので、これはできないから、しようがないから、1ロット、1ケース25入れでスタートしました。当然、現地の方々も販売販路があるわけですから、じゃ、とりあえず週2回、25入れで20ケースずつぐらいから始めましょうかと。10ケースか。10ケース、10、10で、週販20ケースから始めましょうという形で、年末の期間のところでスタートしました。店のほうも当初は10店舗ぐらいでスタートしました。今現在、本当に今日の朝、データ抜いたんですけれども、販売店舗は今現状、26店舗。週販で抜くと、大体50ケースぐらい、今売れています。
これ、自分のことで大変なんですけれども、今まさにおっしゃったように、ふと思ったのが、たまたま自分は娘に子供が生まれまして、俗にそれは世間で孫と言うのかもしれませんけれども、やっぱり離乳食で一番使うのってニンジンなんですよね。うち、弊社のほう、店の中に赤ちゃん本舗というグループ会社がありますので、この販売のところ、上位を探っていくと、意外に赤ちゃん本舗が店の中にあるところが売れているというところです。何が言いたいのかっていうと、やっぱり有機を食べる方々、非常にコアな人が多いと自分の中で先入観がありましたので、それをいかにワンストップでそろえてあげることが、その有機の部分をきちっと認識できるのかなと思って、じゃあ有機コーナーをそろえるために、店の部分で3尺、立陳できちっと品目をそろえて、これを供給するためにどうしようということを当初考えていて、いろんな品目を集めようと考えていたんですが、意外に、聞くと、だから店のところに聞いたり、グループ会社のなので店の中に入っている赤ちゃん本舗の方々に聞くと、やっぱりニンジンだったりカボチャだったりコマツナとか、離乳食の上位に来るという、ここのところって何でうちにないんですかとかって言われて、そろえることが全てじゃないなと。そうなってくると、お客さんを見て、お客さんのニーズにきちっと合うようにしていかなければ、これ、私たち小売の部分からすると、広まっていかないのかなというのは感じました。
ちょっと長くなりましたけれども、こういった部分の中で、まず店のお客さんを知る。その中でのアイテムをそろえていく。コーナー化をしていくのは非常に大事なことであって、それで、当然、離乳食だけが有機じゃありませんから。ただ、1つ考えたのは、何分、有機コーナー、お客さんに対しての全ての有機のアイテムを供給することが一番だと思ったんですけれども、これはちょっと今日の朝のデータを見ると、方針転換しまして、お客さんを見て、どのようなお客さんに対しての供給をしていくかって、ここをちょっと今、方向転換をして今後進めていきたいと考えています。
以上です。ありがとうございました。 - 上岡部会長
どうもお二方、ありがとうございました。
小売の現場のお話、それからヨーロッパの動きなど、御意見がございましたけれども、今の御発言に対して御質問、御意見があれば、お願いいたします。 では、伊藤委員、お願いいたします。伊藤委員、すみません、マイクのほうをよろしくお願いします。 - 伊藤委員
久留原さんにお伺いしたいのですが、お店で有機農産物を買われるお客様の、購入の理由について、もう少し深くお聞きできますでしょうか。お話にあった、離乳食の素材としてお求めになるお客様は、どちらかというと、安全性の視点で購入されているものと思われます。この他に、味覚が優れている、あるいは有機農法のベースにある、環境保全を評価して購入されている方など、実際に来店して購入されるお客様が、どのように感じていらっしゃるのか、教えていただけますか。 - 報告者(久留原)
自分とすれば、最初はコーナーを切ってそろえてあげて、そういった安全という部分を含めた形の中でやっぱり購入をされるだろうと考えていましたので、当然、芋、タマ、ニンジンから始まって、ホウレンソウとか、それからごく一般的な野菜の全てが有機野菜であることが必要だろうと。そういったお客さんに支持を得るために、有機野菜コーナーをつくって、3尺から始まって4尺と。要するに、それが有機野菜を置くことが来店動機になるだろうというような仮説を持って、そのために競合各社さんもそういった形でやられているんだろうと思っていました。
ただ、一つは、安心・安全という部分、離乳食ということで一番わかりやすかったんですけれども、あともう一つは、お客様が有機野菜という部分、当然、手間もかかりますのでコストも高いわけですけれども、あと、もう一つ、自分が畑を回った中で、茨城の畑だったですかね、そちらのほうで、有機の生産者が、よくいらっしゃる方なんですけれども、やっぱり自分で自信があるものですから、シュンギクだったんですけれども、「食べてみなさい」って言われて、畑で食うのかと思いつつ、しようがないから食べたんです。やっぱりうまいんですよね。その味というところも含めて、お客さんに認知をしてもらう。じゃ、本当に有機の安心・安全というところもあるし、あと、やっぱり大きく打ってこれから先、出ていかなきゃいけないのは、味という部分もPRをしていくことができれば、本当にお客さんが幾らかのお金を高く払っても、これはおいしいと。
どうしても安心・安全、セブンファームって、JGAPも確かに安心・安全なんですけれども、やはり普通の鮮度の部分、多少の違い、腕の違いってありますけれども、果物ほどなかなか味の違い、出せないものですから、じゃ本当に有機というところの味の違いというところをどうPRできるか。でも、やっぱりそのためには鮮度だと思いますので、それをどう売り場で表現をしながら、畑から売り場までの時間をどこまで縮められるかというのは、これから先の部分になると思います。
ですから、切り口とすれば、いろんな離乳食だったり、それから味の違いだったりという部分もあるんでしょうけれども、最初に目標とした有機を好まれるお客様に対しての品ぞろえを何とかしようというところはちょっと方向転換をして、やっぱり商品そのものの価値というところをどう売り場で具現化をするかというのが、今の自分の与えられた課題なのかなというのは感じました。 - 上岡部会長
ありがとうございます。
ほかの皆様、いかがでしょうか。
大山委員、よろしくお願いします。 - 大山委員
ありがとうございます。
先ほどのJAたじまさんのご報告ともちょっとかかわるのかもしれませんが、例えば米・麦・大豆の穀物系の場合と、先程のように生鮮野菜の流通では、取り扱いが当然違っていると思うのです。そのときに、例えば久留原さんがおっしゃっていたような、生鮮野菜を扱うときは、時間の制約とかいろんな課題があるんだと思うんです。今ある既存の流通、取り扱いシステムの中に、もし有機を少量多品目で入れていくといったときに、どういったことが課題になって、どういった工夫があり得るのかなというのをちょっとお聞きしたいんですけれども。 - 上岡部会長
もし御意見ありましたらどなたでも。
じゃ、イトーヨーカ堂さんからまずどうぞ。 - 報告者(久留原)
当然、生産者の方も、有機の生産者の方々の部分を言うと、やっぱりだから、サラダ関係を中心に、特に茨城とか千葉とか多いんですけれども、サラダ向けにいろいろな少量的な野菜をつくっている方々、多いです。ただ、自分が最初に目指したのは、やっぱり最初はベーシックじゃないのかなと思って、なかなか俗に言う鎌倉野菜みたいな、ミニ的な部分を一生懸命つくっておられて、本当のベーシック的なところって探すの難しいなというのは思っていました。ただ、味の部分からすると、それでもまずいいのかなと思ってきたのと、本当にお客さんが召し上がってみて、自分でも食べてみて、おいしいというところもやんなきゃいけないというところもあるのと、あとは、少量多品目というところを最初は目指したんですけれども、それもちょっと続けては、探して、模索してはいきます。
自分の中で最初考えたのは、各生産地から1カ所に集めて、それをこちらのほうでアソートして、最初申し上げたとおり、1コンテナに5品目、6品目を入れた形の中で出荷をするというのは一つ考えていまして、ある程度品目が集まってきたら、その辺もやろうかなとは思っています。簡単に言うと、うちからすると、2つコンテナ、3コロ、ロクイチキュウあたりを入れて、その中に5品目、6品目を入れて、2尺の売り場がコンテナ2つで全部賄うと。そのかわり、それをアソートにして、2日か3日サイクルごとに店に投入をすれば、店は常に鮮度のいいものが並ぶと。これが自分の考えで、有機の完成形だったんですけれども。
それもそうだけれども、じゃあ、ららぽーと横浜という店で、昨日あたり1日、データを見たら、1日に88パック、ニンジンを売っているんですよね。あっこんなに売れちゃうんだという部分。やっぱり若いお客さんなのか、店内の中に赤ちゃん本舗を併設していますから、そういった店が売れるだろうと。
じゃ、店によって違うんだなと。自分が考えた有機の売り場、これを全店、イトーヨーカ堂の店に供給することが最初の自分の仕事だと思ったけれども、やっぱり品目含めて違うニーズがある。じゃ、その店のニーズというのは、基本的には、店は当然売れれば発注しますから、そこのところに対してどう、その先には当然お客様なので。お客様に対して、そこの地域に住んでいるお客様にどのような商品を供給をしていく。お客様を見てもう1回、商品開発を練り直さないと失敗するなというのは、ちょっと今日の朝、気づきました。 - 上岡部会長
ほかの皆様、いかがですか。 - 報告者(谷垣)
少量多品目のことをどう実現させるというのを、実はちょっとうちもこの前、簡単な事例であれなんですけれども、有機農業教室を、うちの農協の中で直売所を持っているものですから、直売所のプロ農家、直売所に出すプロ農家って少量多品目じゃないですか。よし、じゃあその人らに有機農業を覚えてもらってやってもらおうって。家庭菜園の人もその教室に来て、1年間やって、僕、担当してやっていたんですけれども、そうしたら、最初は来たんですけれども、プロ農家、途中から来なくなったんです。少量多品目っていっても、やっぱりなりわいにするとなると、面積の拡大をある程度されるじゃないですか。そうしたら、「こんなことできるか」って言って、おっしゃられたんですね。
なので、最後まで来られた方が言われていたんですけれども、やっぱり農業で飯食っていこうとなると、ある程度の規模拡大をせんとあかんので、それをどうやって有機農業を入れるのかというのが課題だということをおっしゃられていたので、その少量多品目の規模というのが、どれぐらいのことなのかわからないなんですけれども、経営に合ったやり方、なりわいとして収入源としてきちっと所得を確保しながらやっていく、その供給の仕方というのを、ちょっと考えんとあかんのやなということを思ったりするようなことはありました。農家さんのほうもすごく悩まれているのかなというのがありましたので、ちょっと御報告だけさせていただきます。 - 大山委員
ちょっと私が質問したかった意図は、まさにそういうことなんですけれども、やっぱり米とか大豆とか、ある程度規格化が可能だし、貯蔵性があるという意味では、加工や流通の方が相当大きな役割を担うことになるのかなと思うんです。けれども、生鮮野菜は時間の制約が大きくて、かつ、大量生産というよりは、個々の野菜農家もどうしても小規模でロットが大きくなりにくいという、ここら辺の違い、品目の違いというのが当然ある。その辺で、流通の方がどういう対応をされていくのかというのが、多分、有機農産物流通の成否の鍵を握っているのではないかという気がするんですね。だから、久留原さんの御意見、すごく参考になると思いました。ありがとうございます。 - 上岡部会長
ありがとうございました。
ほかにはいかがでしょう。
井村委員、お願いします。 - 井村委員
ありがとうございます。
むそうさんにお聞きしたいんですけれども、ちょっと専門的なんですけれども、同等性を認め合う場合の例えばみそだとかしょうゆとかっていう原料は、国産のものじゃないと同等性って認められないんですよね、基本的には。 - 報告者(里上)
EUについては国産(もしくは日本と同等国産)で、アメリカについては、JASの産地は問われないです、原料については。 - 井村委員
問われない。なるほど。ということは、同等性が認められるようになって、原料として国産のものがふえているとか、そういったことはありますか。 - 報告者(里上)
そうですね。はい。ヤマキさんのおみそとしょうゆも輸出させていただいているんですけれども、切りかえて国産、使用されていますというのと、あと、ほかにもおみそ屋さんがあるんですけれども、麦、大麦を福井県で栽培していただいている、それまでは北米産だったんですけれども、それを国産に切りかえて、栽培していただいて、それで有機の面積がふえているということもあります。 - 井村委員
すごく国産に興味があるので、ぜひ頑張ってください。
あと、ヤマキさんとお二方に聞きたいんですけれども、グローバルGAPというのとオーガニックというのは、輸出するときにどちらがアドバンテージというか、求められる、あるいは売りやすいですか。お三方。 - 報告者(里上)
GAPについては、特にそんなに弊社のお客様には言われないです。それよりもまず有機です。 - 報告者(谷垣)
同じですね。今、海外の方からもオーダーが来ている中で、グローバルGAPを条件にされていらっしゃる方はないです。オーガニックは、くれということはおっしゃられます。 - 報告者(木谷)
そうですね。同じくオーガニックかどうかというところで、オーガニックでないものに関して、どういった管理をされているのかという質問を受けることはございません。 - 井村委員
すみません。誘導尋問みたいで申しわけありません。
あと、最後に、ちょっとさっき質問できなかったので。生産調整管理方針作成者に多分なっていらっしゃるんだと思うんですけれども、お米全体は来年はふやす方向なのか、現状維持か、減らすところ─地域ですよ、たじまさん。あと、減農薬だとか有機のものは一応、配分みたいなものはふやす方向にあるのか、現状維持か、減らしていくのか。 - 報告者(谷垣)
作付自体はふやしたいなと言っています。米の兵庫県、消費県ですので、県内に出したいんですけれども、でも、農地がそれ以上になくなっていくのもありまして、ふやしたいけどふやせないというような、今はそんな状態です。 - 井村委員
お米は意欲的につくっていく。 - 報告者(谷垣)
つくりたいということです。 - 上岡部会長
じゃ、佐伯委員、お願いします。 - 佐伯委員
まず、むそうさんとヤマキさんとの関連だと思うんですけれども、たしかヤマキさんのほうで、特栽から有機へのオファーがありますよと。それは国内消費ですか、それとも海外からの、要するに輸出向けでのオファーなのかということと、それから、むそうさんにもそうなんですけれども、いわゆる5%から10%伸びていますよという、オーガニックの輸出向けという考えでいいんですかね、そういう認識でいいんですかね。その中でどんなものが伸びているのか、あるいは、いわゆるバラエティーに富んで、どれがというわけじゃないけど伸びているのか、その辺をちょっとお聞かせ願いたいと思うんですけれども。 - 報告者(木谷)
有機のほうにシフトをするということに対しては、お客さんみんなすごい興味を持っていて、喜んでそっちに行きますね。ただ、入ってくる材料に対しての価格ってそんな高くできないので、加工の立場からすると、うれしい反面、結構苦しいというイメージは正直持っています。有機にしたほうがちょっともうからなくなっちゃうかなというところは、若干あるかなと、現状はですね。 - 報告者(木谷)
需要を見て有機に切りかえたかどうかというところの部分に関しては、一部会社の姿勢というのが大きくありまして、特別栽培という原料も扱ってはいるんですが、できれば有機栽培に移行していく上でのステップというような形で、生産者さんのほうにお声がけをかけながら、ふやしていっていただいたというような経緯があるので、そういった方々にもう特別栽培の一部を有機に転換してもらえないかですとか、そういった取り組みを40年あまりしてきたというところがありまして、もうそろそろ変えていただけないかというお声をかける中で、有機の原料もある程度確保できたものですから、切りかえを行ったんですが、お客様の反応としては、特別栽培というものがお客様に伝わりづらいと。減農薬ではあるんだろうけれども、言葉からわからないというようなところから、販売の部分でも難しいというようなお声を聞きまして、そういった中でも有機栽培にシフトされるお客様というのがたくさんいらっしゃって、結果としてちょっと原料が足りなくなってきてしまっているというようなところがございます。 - 報告者(里上)
有機の商品で伸びているのは、日本の伝統的な発酵食品、有機のたまりであったりしょうゆ、あとみそや、あとは有機の葛やあと有機の梅干しなどです。 - 佐伯委員
ありがとうございます。やっぱり日本食と結構結びついた部分でオーガニックとして伸びているという認識、全てがそうじゃないですけれども、そういう理解でよろしいんですかね。
いわゆる先ほど伸ばしていく上での加工の人たちとのスタンスというか、有機って最低2年半ぐらいかかるんですね。特栽から有機、転換期間中を認めれば、それはまた1年半ぐらいでいくと思うんですけれども、生産者と提携するときにその転換の間というのもある程度、特にヤマキさんなんかは、面倒を見るといいますか、価格面は、ちゃんと有機のJASの認証が取れるまでは、有機の価格はつけませんよというスタンスなのか、特栽の期間中で転換しようとしているときには、少しインセンティブを、もちろん補助金とか何とかっていうのはまた別問題ですね。ヤマキさん、企業としてどういうふうに、向き合い方を変えるのか、ちょっとお聞かせ願えますか。 - 報告者(木谷)
現状は有機になってからだったんですけれども、これからふやすということに関すると、そういう考え方も十分必要かなというふうには思いますね。ふやしていきたいというところがありますので。 - 佐伯委員
ありがとうございます。
最後にもう1点だけ、久留原さんのほうにちょっとお聞きしたいんですけれども、いわゆる生産物と消費って、我々いつも悩むんですけれども、農家側って割と青果で動かすものと、加工に耐えられるものといいますか、穀物なんかは特に時間を置いてもいいですし、青果でも時間を置いて動かせるものもあるんです、いわゆる鮮度をそれほど重要視しないと作物と、鮮度をすごく重要視する作物と。
私ども、オーガニックを伸ばす上では、販売先数というか、同じ業態の販売店舗数を伸ばすよりも、業態の違うところ、要するにチャネル数をふやしたほうが伸ばしやすいなというのがあって、それはなぜかというと、加工と結びついていけるようなところ、青果で売れるところ、それが何か1窓口でやっていただけると、例えばセブンファームさんが全部買いましょう、なおかつ、青果部門もいわゆる加工品部門も横ぐしを刺して、要するに丸ごと買いましょうよというような仕組みというのは、でき上がっていかないんですか。 - 報告者(久留原)
どちらかというと後進なので、今のところは、例えば今回やったニンジンの生産者の方についても、もともと売り先を持っている部分がありますから。ただ、安定した生食の部分で、イトーヨーカ堂さんのほうで販売していただけるんであれば、お願いしますねと。具体的に言うと、ニンジンあたりはMS中心でもらっていますので、「デカいところもいいですよ」って言ったら、「いや、もうこれ売り先決まってますから」って。要するにジュースですよね。やっぱりそういったところにも出していますから、今のところはないです。
ただ、これから先、それをセブンファーム自体でそういった部分、正直、中食がこれだけ伸びているので、やっぱりオーガニックのサラダもどこかでやってみたいなと。でも、これから先、どこまで物が集まるか、当然販路もありますので。ただ、そういったところをここから先はやってみたいなというところですね。まだそこまで全然広まってないんですけれども、ただ、一応、親会社の何とかイレブンさんのほうからは早くしろというのは言われていますので、ちょっとそこら辺のところには供給はしなきゃいけないと考えています。 - 上岡部会長
ありがとうございます。
なかなか御質問も絶えないんですけれども、少々お時間が来ております。どうしても最後、御質問したいという方がいらっしゃいましたらお願いしたいかと思いますが、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。この後、御意見賜りますので、そのときにお伝えいただいても結構かと思います。
では、ヒアリングのほうはこちらのほうで終了にさせていただきたいと思います。谷垣様、木谷様、里上様、久留原様、どうもありがとうございました。(拍手)
それでは、次に進ませていただきたいと思います。
前回と今回で輸出入の現場ですとか生産者の皆様、それから流通・加工・小売という皆様からそれぞれ御意見をいただきまして、部会としてさまざまな御意見を賜ったところですけれども、この部会としましては、有機農業の推進に関する基本的な方針について、意見を取りまとめていく必要がございます。これについて、前回第1回会議、今回の第2回会議で論点整理を行って、次回第3回で取りまとめていくという予定を決めたところでございますが、部会に御参加いただいている委員の皆様からも十分に御意見を賜りたいと思っておりますので、まず各委員の皆様から有機農業の推進に向けた論点について御意見をいただけますと、幸いです。時間がなくて大変恐縮なんですけれども、お一人様、1人2~3分でお願いしたく存じます。
それでは、いかがでしょうか。臨時委員の皆様からまずは御意見賜りたいと思っているんですけれども、お席の順番でもよろしいでしょうか。
それでは、結城委員のほうから、2~3分で恐縮ですが、御意見賜りたいと思います。よろしくお願いします。 - 結城委員
本県といたしましては、有機農業を農業総産出額アップへのプロジェクトの一つとして進めさせていただいている経過がございまして、その中で「有機農産物生産拡大・ブランド化プロジェクト」というプロジェクト名で、目標面積を掲げまして、それに到達するよう生産の拡大と技術の開発、それから県産有機農産物の評価の向上ということに取り組んでございます。その中の課題というのが、まず安定した生産が難しいので、栽培面積の拡大が進まない状況だということ、それから、新たに有機農業に取り組む農業者をサポートする体制を整備して、担い手を育成する必要があるということで、そういった面に力を入れていくということにしています。
もう1点、消費者の有機農業の理解促進、関心を高めて販路を拡大することが、目標達成に向けてのさらなる近道、大切なことなのではないかということを考えていますので、この有機農業推進については、県の視点としてもそういう点を論点としてはどうかということでございます。
それから、もう1点、本県としては、「米どころ山形」県というようなこともうたっていきたいということで、一つ、有機栽培や特別栽培というものを、新しい品種のブランド化のための商品コンセプトとして取り上げる、安全の部分で取り上げているということがございます。品質、食味、安全の三位一体の栽培方法を重視したお米ということで、これ実は「つや姫」のことなんですけれども、このことをするために、やはり品質、食味に加えて、栽培方法を有機と特栽に限ったというようなやり方をしてございます。
今回、わかりやすさの整理の中で1点、慣行栽培ではなく有機栽培を基準に考えてはどうかというふうな考えがありさまざまな意見の中でも、特別栽培というのはなかなかわかりにくい表現だというようなことがあるんですけれども、本県としましては、そういった特栽というものをいきなりなくされてしまうと、それによって、環境に配慮した安全・安心な米でのアピールとともに、なかなか難しい米の品質のばらつきをなくすというような効果もあったものですから、これが失われる点までは一気に踏み込めないのかなということです。特別栽培などについては、一気になくすというような形ではなくて、少し経過措置が必要なのではないかと考えているところでございます。
以上でございます。 - 上岡部会長
ありがとうございます。
続けて山内委員、お願いします。 - 山内委員
制度が複雑でわかりづらいというお話がありました。私はJAS認証一本化の方向は妥当な方向だと思っています。ただ、特別栽培は、農薬・化学肥料を少なく使うということへの一つのモチベーションになってきたと思います。全ての方が有機農業に転換することはできないわけで、たくさんの方が持続的な農業を目指すことができるような施策は必要だと思います。したがいまして、制度変更に当たっては、時間的猶予を設けるといった配慮は必要だと思います。
あと、認証のコストについては、低減させる必要があると思います。GAPと有機を合同で認証するといった可能性はないのでしょうか。GAPと有機は親和性があるとの指摘がありましたので、検討されてはいかがかと思います。
以上です。 - 上岡部会長
ありがとうございます。
三浦委員、お願いいたします。 - 三浦委員
私からはちょっと技術開発について若干述べさせていただきます。
今の有機農業の方向性、二極化しているとは言いませんけれども、大きくはやはり大規模生産というところ、そこで生産量なり供給量が拡大していくということも必要ですし、一方で、新規就農者であるとか、今日お話ありましたけれども、大豆なんかは割とまだ生産量も少ないというところで、比較的マイナーな作物に対してもやはり技術開発が必要なのかなというふうにも考えています。
それから、ちょっと以前にも言ったかもしれませんけれども、今、農業全体でスマート化というのをいろいろ言われていまして、この席でもやはり皆さん除草が大変だという話もありまして、我々もロボットの開発等々にも力を入れてやっている最中ではあるんですけれども、それ以外に、こんなものがあったらいいんじゃないかというところは、ぜひまた生産者のほうなり、あるいは関係者のほうから御意見などをいただければ、その中で必要なところをどんどんつくり上げていく必要があるのかなというふうに考えています。
それから、もう一つ、今日の議論の中で、特に有機と減農薬の差別化というところ、私も、これはちょっと技術開発とは直接関係ないんですけれども、思っていまして、技術からいうと、やはり有機、全く無農薬・無化学肥料でやるのと農薬を使ってもいいよというのは、これは全然難易度が違うというふうに考えています。そういう意味からいっても、海外とそういう認証の値段がどれぐらい違うかとか、その辺もあるんですけれども、それ以上にやはり減農薬と有機との差というのを直払いの差でつけていくとか、そういう制度的なものを整えることによって、より有機のほうにシフトしていただくというふうな政策は必要なのかなというふうに考えております。
簡単ですが、以上です。 - 上岡部会長
土谷委員、お願いいたします。 - 土谷委員
やはり今日と前回のお話をお伺いしながら、農業の輸出においても、国内の和食、インバウンドにおいても、とても有機というのは有効なんだなというふうに、今日のお話を聞きながら改めて思っています。その有機というものを成長させていくには、やはり支援というのが一つは必要で、技術的な支援とそれから先ほど言われた制度的な支援と両方要るんだろうなというふうに、生産のところは思いました。
もう一つは、流通のところ、私、流通なんですけれども、やはり集荷のところが非常に苦戦しています。先ほどJAたじまさんにお話をお伺いしましたけれども、川上で集めるということができない。したがって、我々もほとんど宅配便でやっていて、原価が宅配便を合わせると約倍になるという、生産者に入るお金じゃないところで同様に発生していますので、ここのルートは何としてでもつくらないと、先ほど言ったところに資するところにならないだろうと思っています。
もう一つは、最後、先ほどブランドの話、物語の話がありましたけれども、おいしさも含めて、谷垣さんおっしゃったみたいに、おいしさ、それから物語をつくっていくという、博報堂さんもいらっしゃいますけれども、そこは全ての町ができるとは私は到底思えなくて、ここの支援をすることによって価格に見合った価値を打ち出せると思いますので、そこの支援もぜひとも必要なのではないかというふうに今日感じました。
どうもありがとうございました。 - 上岡部会長
千葉委員、お願いします。 - 千葉委員
僕は、生産者ですので、生産者の意見として前回と今回と2回お聞きさせていただいて、今回は売り場、流通のほうのニーズとか今の現状等をお話聞いたんですけれども、前回の中で、まずは生産者がふえない、なぜふえないか。それは、とりあえずJASのなかなか難しい点があるよということであったりとか、やっぱり所得確保のためには、もう少し高価格で取引されればなということであったりとか、どうやって消費者とつなげる役の方々に、実需者の方々にどう役割を持ってもらうかみたいなことの話がありました。
ただ、今回やっぱり売り場、流通側のニーズというのを、僕も生産者であって、すごい勉強になったんですけれども、ヤマキ醸造さんがおっしゃっていた、価格を抑えながらも面積をもう少しふやして、今やっている方々がもうけが少なくてもいいよという方々ってなると、やっぱり次の人が続かないというのは、そういう環境にあるんだなというふうに思いました。とはいえ、消費者の子育て世代のニーズであったりというお話もありましたけれども、ニーズはある、けれども、どうしても高価格じゃなきゃできない。ここに一番の問題が生じているところ、ひずみというか、だなというふうに思ったのが一つで、それは僕の中では、やっぱりもう少し生産者がある程度これぐらいの値段でもやっていける、これぐらいだったら出口、皆さん買える値段だよ、再生産できるし、お客さんも買い続けられるよという、ある程度の指標とか、そういうものもやっぱり必要になってくるのかなというふうに思いました。
あと、生産者が消費者のニーズを知らないというのが一番大きいと思います。僕ももちろんその中に含まれますけれども、やっぱり消費者がこういうものを欲しがっていて、これをこれだけだったら幾らでも取引できるんだよって、もしかしたら実需者のほうの方々でしたら御存じな情報とかも、僕たちには届かないんですね。そうすると、やみくもに、この地域であれば、去年これ売れたからこれをたくさんやろうと。やったけれども、今年は売れなかった。どうしようどうしようと。でも、今年はあれが売れたと。だったらあれをもうちょっとふやそうと思ったら、みんな同じようにつくっていってというようなのを、ずっと繰り返しをしているんですね。やっぱりビッグデータとして、どれぐらいの需給のデータがあるかということを僕たちも知っていかないと、安定して、それを安心して生産ができないのかなというのはすごく感じました。
最後に、今日、せっかく土谷さんいらっしゃっていて、例えば生産者はこれだけ持っているんだよと。皆さん、これ、じゃ全部、横でつながって買おうと思えば、うちだけでは無理だけれども、あそこの人も横で連携したらこれはすぐはけるじゃんっていうものが、多分もしかしたら出てくるんじゃないか。そういう意味では、やっぱり市場というものがあったりとかっていうのが、これから重要になってくるのかなというのを感じました。 以上です。 - 上岡部会長
ありがとうございました。
佐伯委員、お願いします。 - 佐伯委員
一つは、数ある認証といいますか、そういったものがもう消費者にはわかりづらくなっているのは事実なので、それをやっぱり整理していくほう、どうすればいいのかというのは別問題としても、整理しないとかなりわかりづらくなってきているよ、特栽、あるいは例えばエコファーマーとか、あるいは各都道府県の認証とか、何のためにその認証を設けたのかということを、もう一度きちんと整理する、消費者のためであることが大半なんですけれども、そこは整理する必要があるなというふうに感じております。
あと、有機の場合に関しては、双方私はあると思って、生産者のための有機と消費者のための有機ということで、やはりそういった非常に、こだわったっていうのは失礼ですけれども、非常にそういった有機を求められている層の方はいらっしゃるということは、いろんな形でわかってはきているんですけれども。もう一方で、生産者のための有機というか、生産の持続性のための有機という観点がちょっと抜けているんではないだろうかという。化学肥料や化学合成農薬に依存した生産方法というのの、いわゆるそれの恐らく大半の原因であろう思われる非常に難しい対策の病害虫等が出てきております。そういったものを解決していく上で、もちろんリスクを補完する上でのいわゆる完全有機というのは、なかなか難しいとは思うんですけれども、そういった環境を守ることと土を守っていくことが、持続可能なというか、たかだか50年、60年で築き上げた近代農業じゃない形の、日本の国の本来求めるべき農業のあり方としての可能性は、有機農業にあるよということは、どこかで私は訴えていくべきなんだろうなというところは感じております。
あと、もう一つは、先ほどもセブンファームさんの方ともお話をさせてもらったんですけれども、やっぱり丸ごと買うシステムというのを持たないと、それは別に行政がやれとはいうんじゃないんです。むしろ我々の中間流通業者も含めて、あるいは小売業態も含めて、連携して有機農産物はまず丸ごと優先的に買おうよというシステムをどうやってつくっていったらいいのかなということは、考えていかなきゃだめだなと思います。せっかくつくられた─ヤマキさんなんかは多分、くずの大豆であっても、いろんなやはり加工形態を持っていますから、くずは例えばしょうゆにとか、いいものは豆腐にとかっていう、いわゆるカスケード化されていると思うんですよね。ほかの農産物でもそういったことを考えていかないと、有機でつくった価値というものが表現しづらくなっているなと思って。
あと、技術面でももう一つあって、ゲノム編集と遺伝子組換えってどう違うのかわかんないですけれども、もしあんなものが、ゲノム編集というのが本当に有機に活用できるようになると、あるいは、それはやっぱり遺伝子が変わっているからだめだと言われるかもわかんないですけれども、品種改良、すごく私、期待しています。加工向けの例えばニンジンなんか、べにかなでなんていうのは、もう7トン、8トン、平気でとれるんです。冬場であれば完全有機でできて、そういったものをさっき言った丸ごと使う。じゃあ、小さいものは青果流通できるんですね。有機でもし価値を高めるために、あるいは生産者の懐をよくするための育種って何なのかということも、農研機構さんにはピンポイントで考えて、難しいかもしれないですけれども、有機だからこそやっぱり価値が出せるよねという、何かそんな、普通、青果流通だと、こんなでっかいもの、500グラムを超えたら要らんよというのが普通の世界ですけれども、有機で加工してしまうと、それはもうオーガニックのニンジンに化けるので、そんな観点からも品種改良してもらいたいなと。
以上です。 - 上岡部会長
ありがとうございます。
勝又委員、お願いします。 - 勝又委員
私どもは広告会社で、生活者発想、生活している方々の観点から考えようということで仕事をしております。その観点から2つ、あと追加で1つということを話をさせてください。
一つが、JASとか特栽とか、そういったこと、こちらに関しては、本当に皆さんわけがわからなくなっているというのが生活者側があるかと思いますので、何らかわかりやすいことにしていく、それは最低としては必要じゃないかなというふうに思っております。
それから、全く本当に生活している側、日々買い物をして、食事をつくって、仕事もしてという立場からいいますと、なぜ有機を食べなくちゃいけないかって全くわからないんですね、正直申しますと。例えば、子供を生んだときには、多少、安全・安心に気を使うというところがございます。確かに、いろんな調査をしますと、子供を妊娠したときとか、そういったときに有機というか、安全なものを食べたいなという気持ちが起きるということは出ております。ただ、子供が成長していって、食費もふえるし教育費もふえるという中で、食費は減らさなきゃいけないというときになると、安全・安心ということよりは、まず生活を選ぶという方がほとんどです。
ですので、安全・安心ということ以外に、例えば先ほどの産地の話ですとか、つくっている方ですとか、安全・安心以外の有機の農産物が持っている価値、ストーリーというものを確実にその間に結びつけていく、何かそういったコミュニケーションが必要ではないかなというふうに思っております。産地に行くとか、生産者の方と手紙のやりとりもいいかもしれませんけれども、そういったこととか、何か関係していくということが非常にこれからは重要かなというふうに思っております。
それから、全く違うこととして、最初に話があった有機取得費用に関するところですけれども、確かに認証を取得する経費というのがかかるかと思います。それ以上に、有機の農家さん方と話していても、書類をつくったりですとか、書類を見てもらったり直したりという、その工数というか、通常、SEとかの世界ですとほとんど工数で何でも計算しますけれども、そういったところにかかる時間、人件費がかかっておりますので、そういったところもぜひ経費というか、そういったコストのところの計算で入れていただくと、より生産者の方もどのぐらい負担がふえるのかということもわかるのではないかなというふうに思います。
以上です。 - 上岡部会長
ありがとうございます。
大山委員、よろしくお願いします。 - 大山委員
勝又さんが個人的なことをおっしゃっていたので、私も今、思いついたことを1つお話させてください。
今日、お米の話とみその話がありましたけれども、これはたいへん大事な品目だと思うんです。実は学生とみそづくりを3年ほどやっているんです。有機農業運動で有名な山形県高畠町の米と大豆でみそをつくっています。お米もみそも一度家に置くと、ほぼ毎日と言っていいぐらいコンスタントに消費するようになります。そういう意味で、ずっと食べ続けることになります。みそがあると、大抵の和食に使えるものですから、食生活のベースをつくる、しかもそれを有機でつくるという、とてもいいことだと思います。
それで、本題については、2点あります。一つは、表示のわかりやすさはやっぱり必要だと思います。有機なのに、農薬を一部使っているんでしょうといった、批判めいた、揶揄されるようなことを言われることがありますが、限りなく使っていないとか、使うとしても本当に例外的なんだということを周知するようにしないと、なぜか無農薬のほうがすぐれているように受け取られることがあるというのは、多くの方にとって本意ではないと思うんです。そういう点の改善というか、それは必要ではないかなと思います。
2点目は、それとかかわってですけれども、JASの制度設計はある面でアメリカのUSDAのマーク(NOP)と似たようなところがあって、国で表示を一本化しているわけですね。ところがヨーロッパですと、EUの共通のマーク、EUリーフがありますけれども、それにプラスアルファで、例えばソイル・アソシエーションとかビオラントとか、いろんな団体、民間の認証団体のラベル表示がある。彼らにはそれなりの名声というか、評価があるからだと思いますけれども、国が決めている最小限の、ミニマムスタンダードとしての有機基準にプラスの何かを持っている。先ほどのむそう商事さんからの御発言も多分そういうことではないかなと思うんですが、国で決めている基準以上の要件が運用されている。ヨーロッパで、民間のマークをつけているところの業者さんでは、公的な有機表示があっても受け入れてもらえないという、そういうことが発生するんだと思うんです。
ですから、有機表示はわかりやすいほうがいいと言っておきながら矛盾するようかもしれませんが、やっぱり有機JASというのがベースにあって、これが周知されるということと、もしかすると“有機JASプラス”というのがあってもいいのかもしれません。その部分にいろいろな創意工夫の余地というか、発展拡大の余地をつくることになるのではないかなと思います。 - 上岡部会長
ありがとうございます。
井村委員、お願いします。 - 井村委員
1回目の議論ですごく印象的だったのが、伊藤委員のほうから消費者ということをまず最初に言っていただいて、私は生産者であるんですけれども、やはり今、大切なのは、消費者、食べてくださる方を中心に議論していくというのが、一番大事なことなのかなと思います。ということでいえば、やはり優良性、優良性がどこにあるのかというのを、もう1回農家はしっかり考えて、責任ある優良性をきちっと示していくべきだなというふうに思います。
消費者庁だとか公取の意見も1回聞きたいなと思うぐらいです。
もう一つは、有機農業のことにばかり目が行ってしまうんですけれども、やはり地域の農家としては、農業全体の中の多様な農業の一つとして、有機農業が議論されるべきだと思っています。というのは、やはり耕作放棄地の問題、高齢化の問題、担い手不足の問題、地域の農業は大変疲弊していますので、有機だけがいいということではなくて、農業全体の中で有機がどういう役割を果たしていくかという議論を一つしてほしいと思います。
それと、もう一つ、制度、技術的なところでいえば、やはり有機JASという基準がありますので、これを最低限の基準というふうに設けて、その後、先ほど先生もおっしゃいましたけれども、さらによい取り組みをなさっているところは、その優良性をしっかりしたエビデンスで言っていくような、そういう仕組みになればいいのかなという中で、一つ、JASという言葉が、日本農林規格というのは消費者にはあまり関係なくて、オーガニックマークだとか有機マークだとか、できればマークの変更も含めて、わかりやすくしてもらえればなと。
最後に、今回、JAたじまさん、本当にありがとうございます。やはり地域の取り組みというのはすごく私は大事だと思っていて、全体で考える仕組みというのもあるんですけれども、地域、ローカルが大変日本では大事だと思うので、ローカルでどんな取り組みができるか、それが支援できるような仕組みができれば、すごくうれしいなと思いました。 - 上岡部会長
ありがとうございます。
青山委員、お願いします。 - 青山委員
たまたまですが、ちょっとある大学で講師をしていまして、この今日、会議があるということで、学生を使って、有機JASを知っているかとか聞いてみました。そうしたら、有機JASということがあることを知っているというのは、84人の学生のうち半分ぐらい、52%だったんですね。ただ、内容まで知っているというのは15%でした。たまたまGAPを知っていますかというと、やっぱり51%は知っていて、内容まで知っているというのは15%と、名前は聞いたことがあるけれども、中身は知らない。一応、農業とか食料とか学んでいる学生でこれぐらいということなので、一般の人はまだまだ知らないということではないかと思います。
それがやはりわかりにくさというのにつながっていると思うんですけれども、原則的に制度をわかりやすくしていくということに私は賛成なんですが、その前にやることがあると思うんですね。今日、5名の方にお話を聞いて、本当に勉強になったんですけれども、農水省さんが資料を準備していただいたんですけれども、やっぱり生産者側からだけの視点が多くて、どんなニーズが、消費者のニーズがあるのかというのは、まだまだ私もそうですし、この資料からではなかなかわからなかったんですね。
10%高いなら買うとか、価格の問題なのかロットの問題なのかというのが、ちょっとそこに終始してしまったんですが、今日のお話を聞いたときに、やっぱり環境に共鳴しているとか、初めは安全性なんだけれども、フェース・トゥ・フェースで情報交換すると、環境のほうに理解をしてくれるとか、離乳食というアイテムがあるとか、あるいは何とかイレブンさんでサラダを求めているとか、また、オリンピックに備えてオーガニックレストランというものの企画もできるということで、シーンごとにオーガニックがすごく使われる、そういったシーンがどんどん出てくるかと思いますので、全部を生産振興するというよりは、どういうところで一番売れるのかとか売れそうなのかというような需要に関する詳細なデータを、まずはやっぱり生産者に出していただいて、その上で、期間を置いて、じゃ制度はこのように簡略化しますよというようなステップが必要ではないかなと感じました。
以上です。 - 上岡部会長
ありがとうございます。
柚木委員、お願いいたします。 - 柚木委員
ありがとうございます。
私のほうからは、一つは農地の利用の関係で、先ほどのお話にもありましたけれども、樹園地とか茶園ですね、これはやはり農薬の飛散の問題が非常にセンシティブということだと思います。そういう意味では、そういった樹園地なり茶園の農地の流動化を図る場合も、そういう観点をしっかりと捉えた対策をとっていかなきゃいけないなと。ややその点欠けているんじゃないかなと思いますので、しっかり我々も考えていきたいというのが1点であります。
それから、2点目は、前にも申し上げましたけれども、新規就農を円滑に進めていくという観点で、有機農業の生産団地化というような構想が持てるのかどうか。これは耕作放棄地の解消問題とも絡めて、そういう観点での少し突っ込んだ検討が必要じゃないかなというのが2点目です。
あと、3点目でございますけれども、今日のお話もお聞きして、この有機農産物の流通を考える上で、輸出を含めた非常に広域的な流通の問題と、それから地産地消といいますか、地域内の流通の話、これは少し分けて問題点、課題を整理をして、対策を打っていく必要があるんじゃないかと。とりわけ、地域内の流通でいえば、学校給食と有機農業との結びつきをつよめていくことが重要であると思います。
以上です。 - 上岡部会長
ありがとうございました。
佐藤委員、お願いします。 - 佐藤委員
すみません、福島県の佐藤ゆきえです。
私は果樹農家専門でやっておりまして、今日いろんな方のお話を聞きまして感じたところが、まず1点目が、JASのマークの明確化がされてないのかなというようなところをちょっと感じました。あと、やっぱり私たちはつくったものを食べてくれる消費者の方があって、初めてこの農業というのが成り立っているということが第一だと思うので、消費者の方がどんなものを求めているのかというところを突き詰めていきながら、私たち農業者はもっといろんなことを勉強しながら、環境に配慮するような持続可能な農業を続けていけるようにしていかなくちゃいけないのかなというふうに感じました。なので、とにかく前向きに勉強しながら、いいものをつくって、環境を守っていけるような農業者でありたいなというふうに感じました。
以上です。 - 上岡部会長
ありがとうございました。
伊藤委員、お願いいたします。 - 伊藤委員
私は有機に限らず全ての食べ物について、食べる人に向かって、すなわち消費者起点で仕事をすることが重要だと思っております。そのため、前回の部会でも消費者の有機の認知の状況について、正しく理解すべきだと申し上げました。
有機への期待は何か、と消費者にお尋ねしたときに、良く理解したうえで、お答えをいただける方は恐らくごく少数で、大部分の皆さんは、正しく理解をする機会を持てていないので答えようがないのではないでしょうか。これが有機の利用率が低い理由だと思います。
有機の需要をどのように増やしていくかを考えることは、イコールなぜ有機なのかということ、つまり有機の幹の最も重要なところを明確にすることが必要だと思います。
本日の様々なプレゼンテーションの中でも、お客様には、味覚の良さを評価される方もあれば、従来から安全性への関心もあること、一方で、ここまでの皆さんとの議論で出てきている、環境保全や生物多様性への貢献は、言葉だけでは、お客様にお伝えするのが、なかなか難しそうです。これらを解りやすく、有効に消費者と共有する努力が必要ですが、これを誰が担うのか、考えることも重要だと思います。
いわゆるマーケティング活動の主体者は誰か。現在までのところは、国と生産者や農協の皆さんが頑張っておられますが、この活動にかけられる予算は、それほど多くないものと思います。バリューチェーンに関わる、全ての人々の総和が力になることを踏まえると、発言力のある元気な若い農業者の集団と、先端を行く流通の皆さんを中心に纏めていく力が必要、そして消費者の情報が、生産者に短いルートで繋がっていくことが大事だと思います。
現在の農業は、これらの繋がりが非常に少ないのが大きな課題ではないでしょうか。
バリューチェーンをどのように繋げて、誰がコントロールするのか、これは重要な宿題だと思います。
前回と今回の議論を通じて、有機を含めて多様な選択肢を提供することが、国の政策であるとの前提のうえで、特に有機の位置を高める、その方法を、さらに深く考える必要があることを感じました。
私自身、最近になって慣行農業という言葉に接しましたし、有機農業以外にも、無農薬や、これらとは異なる自然農法など、たくさんの表現が次々出てきましたが、言葉が多過ぎます。ここにおいでの皆さんの知恵で解りやすくすると、整理がついてスポンと腹に入るんじゃないか、そんな気がしています。
ありがとうございます。 - 上岡部会長
ありがとうございました。
髙島委員、よろしくお願いします。 - 髙島委員
すみません。前回も欠席で、今日もおくれてしまい、すみません。意見を申し上げればいいですか。 - 上岡部会長
はい。 - 髙島委員
ちょっと前回の議事録等も拝見させていただいて、不十分ながら意見申し上げますと、皆さんが御指摘のことと重なるところは大きいんですが、やっぱり何のために有機農業を広げるんだっけという目的を明確にしないと、議論が進まなくなるんじゃないかなというか、有機農業を広げるにはどうしたらいいかというのは、何かの目的のために有機農業を広げるんだと思うんですけれども、何が目的のためにやっているのかということをステップバックして整理しないと、非常に難しいと思います。
今、伊藤さんがおっしゃったように、安心・安全であるとか味とか、対お客様ということでいうと、いくつかベネフィットがある中で、僕が感じているのは、安心・安全を広げるために有機農業を広げるのは、無理なんじゃないかと思っています。というのは、私たち、有機系の宅配事業を3つやっていて、オイシックス、大地を守る会、らでぃっしゅぼーやというふうにやっていて、そのお客様に有機野菜と無農薬野菜と特別栽培野菜と減農薬野菜を安心な順に並べてくださいって言うと、全てのブランドで1位は無農薬野菜なんですね。有機野菜より上です。
私たちのお客さんは、世の中では多分、最も理解の高い部類に属するお客様でさえ、理解をしていないという現状を覆すのは、非常に難しいなと。覆す必要性がそもそもあるのかというふうに思いますし、やっぱり日本のお客様の場合は、ビオセボンのお客さんとかもそうだと思うんですけれども、有機だからビオセボンさんに行くんじゃなくて、ビオセボンさんが好きだから行くという人のほうが多いと思うんですね。どのお店、どの小売業が信頼できるかを選択しているのであって、そこのプロダクトにどのシールがついているかというのは、選択の重要なポイントではないというふうに感じます。
さらに、安心・安全のニーズはすごい下がっているというふうに思っていて、日本のお客様で農薬とか、野菜がすごい不安だみたいなことのニーズが今、顕在化しているかというと、放射能のときにそういうニーズが顕在化しましたが、僕らもこの事業を20年、30年、40年やっているブランドがあるんですが、過去に比べて今そういうニーズはむしろ減っているなというふうに思っていて、そんなに困ってない。
何が安全だかわかんなくて、不安でしようがないみたいな消費者の方がそんなに多くないというふうに思うので、安全のために有機を広げるという必要はあんまりないというか、じゃないんじゃないかなと思っていて、じゃあ意味あるんだっけという、有機農業というものを広げることにほかに何かの意味あるんだっけということを考えると、あるとしたら、一つはやっぱりサステナビリティのマーケットということで、持続可能なものを食べるということをよしとするという文化は、残念ながら日本にはほとんどないし、そこは単に有機ということだけではなくて、大きな問題だと思っているんですが、そういったものをしっかりと日本でもマーケットをつくるという意味で有機をやるんだったら、意味あるかもなと思うのと、もう一つは、これも前々回ぐらいに申し上げていますけれども、輸出のためにはあるかもなというふうに思っていて、昔と違って、日本のものだったら何でも安全というふうにはアジアの方々も思ってくれてはいないので、そういう方々に対して、しっかりと価値を伝えるために使うというのはありかなというふうに思いますが。
議論が手段から目的を考えるというのは、そもそも逆だなというふうには思うんですけれども、でも、目的を明確にして、その目的を果たすために有機が使えるのであれば、この手法を使っていくというのが議論の進め方としては正しいのではないかと思います。
以上です。 - 上岡部会長
ありがとうございました。
皆様から本当にいろいろな御意見をいただいたところでございますけれども、やはり今日、一つのキーワードとしては、消費者がどう考えているかというところもあったかと思いますが、いずれにしましても、有機農業だけではなくて、農業はビジネスでございますので、やはりなりわいとして成り立たなければならないというところを、どう支援していけるかというところにあるかなというふうに思っております。皆様方の御意見をこれから農水省さんのほうでまとめていただきますけれども、やはり短期的にどういう支援ができるのかと、中期的にどういう支援ができるのか、長期的にどうしなければならないのかというところで、じゃあ短期的には、技術なところで、合鴨農法などの話、前回ありましたけれども、そういった技術を開発しましょうとかいうところも大事ですし、短期・中期的には、やはり法制度とか表示の問題をどうしていくかということもありますし、あとは、新規就農者、有機農業をやっている方々がどういう方々なのか、また、やろうとしている方々がどういう方々なのかということで、その生産者の状況を把握しながら、それに見合った支援が必要なのかなというふうにも思いますし、片や、売り先をどうしていくかというところの流通の体制もどうしていくかというところもあるかと思うんですけれども、やはり長期的には、消費者にいかに理解してもらうかというところは、私は非常に大事なんではないかなというふうに思っているんですけれども。
今日も委員の皆様、それから今日、ヒアリングにお越しいただいた皆様からも出てまいりましたけれども、先ほども髙島さんのほうからもサステナビリティということも出ましたけれども、環境にどう配慮していくか、持続可能な我々は消費をどうしていくかですとか、先ほども食生活のベースをつくるというお話が出ましたけれども、そういった意味では、味覚の教育をどうしていくかと。伊藤委員もいらっしゃいますけれども、味覚の教育をどうしていくかというところがあると思います。
先ほど、むそうさんからのお話で、日本の有機の発酵食品が非常に海外で売れているということなんですけれども、一方で、日本ではしょうゆやみその消費は落ちているというところで、しっかりとした食生活だったり味覚教育というものを、子供たちにやっぱりやっていく必要があるのではないかなと。そこでは、給食ということもあると思いますけれども、今日もたじまさんいらっしゃっていますけれども、たじまさんもやはり次世代の子供たちにどう伝えていくかという教育、次世代教育もかなり熱心にやられているのかなと思いますし、ヤマキさんのほうからもそういったお話がチラッとあったかと思います。消費者庁のほうでもエシカルな消費者をどうつくっていくかということもあると思いますので、ぜひ長期的には子供たちを中心に教育ということも、農業の価値、そこに有機の価値も含めてということになるかと思いますが、まずはそういったところを大事にしていかないといけないかなというふうに感じております。
最後にあれですけれども、今、供給カロリー、1人当たりの供給ベースでのカロリー、2,400キロぐらいで、頭打ちになっていますけれども、一時期はもうちょっと2,600あって、今は2,400ということで落ちていますけれども、本当に頭打ちなので、量的には頭打ちかなと思いますが、じゃ質はどうなんだろうと、自分たちが食べているものの質はどうなんだろうと考えたときには、それはまだまだ改善の余地があるのかなというふうに私は感じております。
というところで、私の意見は取りとめがないんですけれども、そういったことでちょっと申し上げたいと思いました。
すみません、皆様からたくさん御意見をいただいたところではございますが、もう少しさらに言い残したよ、さらにこういった視点の議論が大事なんじゃないかというようなところがありましたら、少し、10分ぐらいあるかと思いますけれども、ぜひいただきたいなと思います。いかがでしょうか。
よろしくお願いします。 - 報告者(木谷)
ヤマキ醸造の木谷です。すみません。
先ほど、髙島社長が何のためにという話をいただいて、アッと思ったんですね。何のためにということは、やっぱり言っておかなきゃいけないかなというところがありまして、これは何のためにってなると、多種多様な御意見があって、私なんかの感覚ですと、私、食品業界、長かったので、いろんな会社に行ったりヤマキに入ったりしているんですけれども、基本的には、 だとか自分の家族とか仲間が食べて、いいという、かなり自己満足的な部分もあるんですけれども、それを供給すると。だから、限りなくオーガニックになるという感覚なんですけれども、やっぱり皆さんのいろんな意見聞いて、多種多様なニーズがあって、価格もお求めになりたい価格というのがたくさんあると思うので、慣行品、特栽、有機というものを含めて、一つは、国内の農業を活性化させるには、一つ必要なのかなというところがありまして、だから、現状からすると、豆とかに関しては、結構特栽とかでもうちのかいわいの農家はすばらしいものをつくっているので、それがだめとかって全く思わなくて、むしろちょっと消費者にはわかりづらいので、説明の仕方とか、私もすぐ思いつかないので、無責任な発言になっちゃうんですけれども、一つは必要なのかなと。
ただ、慣行とか特栽とか、特栽が一方、評価されなくなると、有機のほうに行く確率より、どっちかというと慣行に行っちゃう確率が高いと私は見ているんですよ、大豆とかそういう穀物に関しては。それなので、ある程度きっちり評価して、それよりもオーガニックだとかそういうものを、少しでいいんですけれども、少しだけ生産者に援助していただいて、よりふやす、多くするということができれば、ベストなのかなというふうにちょっと感じました。 - 上岡部会長
ありがとうございます。
今の御意見を踏まえてでも結構ですし、いかがでしょうか。
特にこの部会では有機を推進していくということですので、全体的に確認しておかなければならないことなどがありましたら、ぜひこの機会に出していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
髙島委員は、少し今日はおくれてこられたんですけれども、何か言い残したことがあればと思いますが、どうでしょうか。 - 髙島委員
まさに、今も御意見いただいたんですけれども、やっぱりいろんな思いがある中で、有機農業を促進することを与えられちゃうと、すごくやりにくいなという感じなんですよ。何のためにというのと、その何のために側のKPIみたいなものに落ちるといいと思うんですよね。有機農業が何%になると、結果的に安心・安全な、例えば食の不安感が消費者の中で減るといいよねとか、あるいは、農家さんの一人当たりの売り上げや利益がこれぐらいふえるといいよねとか、何かの目的があって、その目的をかなえるために有機農業を推奨するということだと思うんですけれども、何の目的もなく、単にこれが今、何%のものが何%になりましたってなっても、ちょっとだから何がうれしいんだっけというふうな感じにならないように、本質的な側のKPIがあわせてわかると、いろんなものの議論の判断がしやすいんじゃないかなというふうに思います。 - 上岡部会長
ありがとうございます。
目標が何かということだと思いますけれども、これに対して皆様からの御意見をいただきたいと思うんですけれど、いかがでしょうか。
井村委員、お願いします。 - 井村委員
今回あまり議論されてないところの一つで、輸出はオフェンスというか攻めなんですけれども、ディフェンスというのが一つあって、もう金沢のスーパーでもメキシコ産のアスパラだとか、生鮮でも入ってきているような状況で、外国から安価なオーガニックのものがたくさん日本の市場に入ってくるということが今後起こり得るのかどうか、そこも一つやっぱり議論として、国内の農業を振興していくためには大切な視点かなというのを、最後につけ加えます。 - 上岡部会長
ありがとうございました。
今の御意見─勝又委員、お願いします。 - 勝又委員
井村委員ではなくて髙島委員のなんですけれども、ここの中で欧州とか米国とかの比較ということを、たくさん数量的に、定量的になさっているんですけれども、もしかしたら定性的に見ていくと、生産者の方と消費者の方が近しいとか、何か定性的な違いがあるような気がするんですね。なので、定量的な違いだけじゃなくて、そういった定性的なところが何が違うのかっていうのも見ていくのが、もしかしたらKPIの一つになるのかなというふうに思いました。 - 上岡部会長
ありがとうございます。CSAみたいな感じですね。確かにそうかもしれません。そのあたりはまた何かの機会にぜひ質的なところもやっていただければと思うんですけれども。 それ以外はいかがでしょうか。そろそろお時間も迫ってまいりましたけれども。
じゃ、大山委員、お願いします。 - 大山委員
今のお話に付け加えさせてください。先ほどのお米もそうですし、学校給食のお話がありました。例えばヨーロッパの有機農業に支援効果のある政策には、いろんな形の支援があるんですけれども、その中の一つに政府調達というのがありますよね。要するに、政府や自治体が需要を創出するという話ですよね。だから、学校給食で、例えばお米は非常に導入しやすい品目だと思うんです。しかもコンスタントに消費してもらうという意味では、すごく安定的な需要を創出できるんだと思うんですよね。
アメリカでも、例えばフードスタンプという制度は似たような効果がありますね。いわゆる低所得層への食料支援が目的ですが、連邦政府や州政府の支出は、農業関連予算の中でそこそこのシェアがありますよね。政府調達で需要をつくって誘導していくというのは、一つの政策支援、生産者に対する支援になり得る。そういったことも検討していいのではないかと思います。 - 上岡部会長
そうですね。食育の教材として使ってもらうというイメージもあるかなと思うんですけれども。ありがとうございます。
いかがでしょうか。もうお一方ほどもしありましたら、最後にお願いしたいと思います。 じゃ、お二方。じゃあ、土谷委員、お願いします。 - 土谷委員
先ほど髙島委員がお話しされていたことに付随してなんですけれども、やはり消費者に直接接する現場から見ると、安全・安心だけでは難しいというのもおっしゃるとおりで、じゃ一方でサステナブルというと、ほかはサステナブルでないのかという、非常に難しいものがあって、非常に目的が難しいところが表現としてあるかというふうに私は認識をしています。やはりそれでも、さっき目的っておっしゃっていたみたいに、でも、よりサステナブルなんですよということは示していければ、訴え方としては大分変わってくるんじゃないかというふうに思いますので、そこの目標が、今のがだめというわけじゃないけれども、よりサステナブルにするには、こういうことを取り組んでいくことが大事なんだよということが、少しでもお子様たちも含めて伝えていけると違うなと思います。
これは以前、水産で私がMSC・ASC認証をずっと取り組んできたときに、魚だと最初、誰も見向きもしなかったんですが、さすがにサンマがとれないとかイカがとれないとかになって、初めて気づいてきたというところなんですが、なかなか農業においてはそこが難しいだろうというふうに思いますので、やはりよりサステナブルだということがわかる何かメモリみたいな、メジャーみたいなものがあると、いいなというふうに思います。 以上です。 - 上岡部会長
千葉委員、お願いします。 - 千葉委員
髙島委員の目的というのは、僕は確かにそのとおりだなというふうに思うんですが、有機農業ってかなり多面的機能があって、それぞれ情報がまず消費者の方々であったりとか実需者の方でも生産者のほうでも、なかなかじゃあ多面的ってどんなものがあるのということを網羅されてないと思うんですよね。まずそこが一番ウイークポイントかなとは思っていて、その中でそれぞれがかかわり方や役割があって、その目的はそれぞれで僕はいいんじゃないかと。
ただ、ここの場では、やっぱりもうちょっとそういう情報をしっかり外に出すということが足りてないということを認識していくのが、一番なのかなというふうに思いますし、今、先ほどから盛んにサステナブルの話が出ていますけれども、有機農業は基本的には太陽エネルギーの循環が中心なんです。ということを、じゃ、どういうことなのかなということであったりは、多分、一番エネルギーという問題はほかでもたくさん出ていますから、いろんなこととかかわっていけるのが、実は農業だと、人の営みだという、食はということが、一番大事な、教育というお話も先ほどから出ていましたけれども、みんなが共通する言葉なのかなというふうに思うので、あまりほかの農業とどうこうと比較するよりは、有機農業はこういう農業だよということを、ただ単に示していくことのほうが僕はいいかなと。
井村さんがずっとおっしゃっている農業全体というのは僕もずっと感じていますし、僕らの世代が踏み台になって、次の世代につなぎたいということで僕は活動していたりする中で、やっぱり次の世代に何かを残さないように、ちゃんと基盤をつくって渡していけるような農業って何だろうということを、それぞれが考えて選択していくのが必要なことなのかなと。それには一番、情報をしっかり表に出していくことしかできないのかなとは思います。 - 上岡部会長
ありがとうございました。
皆様の御意見も尽きないところではございますけれども、そろそろお時間となってまいりました。何を伝えるかの部分についても、これからまた整理をしていけたらと思っております。
それで、この段階で論点を絞っていくというのは非常に難しいんですけれども、部会長としてちょっと御提案をさせていただきたいのですが、今回出たさまざまな御意見を踏まえまして、次回会合までに事務局にて論点を整理いただいた上で、委員の皆様の間でさらに深掘りができたらいいのかなというふうに思っております。そうしますと、次回、第3回で取りまとめということではございましたけれども、それはちょっと難しいのかなと思いますので、取りまとめにつきましては、第4回目で検討してはどうかというふうに提案をさせていただけたらと思います。
そういったことで、このような方向で、あと2回検討を行ってはどうかと考えますけれども、委員の皆様、御多用とは存じますけれど、いかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
事務局としてはそちらの方向で支障はございませんでしょうか。 - 及川課長
支障ございませんので、また、日程調整させていただきまして、進めさせていただきたいと思っております。 - 上岡部会長
じゃあ、この方向で事務局におかれましては次回の会議の調整を進めていただければと思います。
以上で本日の議事を終了としたいと思いますけれども、委員の皆様、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
以上で、有機農業に関します第2回果樹・有機部会を終了させていただきます。
皆様、大変お疲れさまでした。ありがとうございました。
15時27分 閉会