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食料・農業・農村政策審議会 果樹・有機部会(第2回果樹関係) 議事録

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1.日時及び場所

日時:令和元年12月11日(水曜日)14時26分~17時30分
会場:農林水産省 第3特別会議室

2.議事次第

  1. 開会
  2. 挨拶
  3. 議事
    (1) 第1回部会及び現地調査における意見等の整理
    (2) ご議論いただきたい事項の提示
    (3) 委員からの話題提供
    ・西本委員
    (4) 意見交換
    (5) その他
  4. 閉会

配布資料はこちらから

3.議事録

午後2時26分 開会



  • 光廣課長補佐
    皆様こんにちは。定刻前ではございますが、遅れていらっしゃる柚木委員以外、全員おそろいでございますので、始めさせていただきたいと思います。
    ただいまから食料・農業・農村政策審議会果樹・有機部会(第2回果樹関係)を開催いたします。
    委員の皆様方におかれましては、ご多忙中にもかかわらずご出席いただきまして、誠にありがとうございます。
    議事に入るまでの間、当部会事務局の園芸作物課、私、光廣が司会進行を担当いたします。よろしくお願いいたします。
    まず初めに、生産局長の水田よりご挨拶申し上げます。
  • 水田生産局長
    皆様、こんにちは。生産局長をしております水田でございます。
    本日はお忙しい中、この審議会にお集まりいただきましてありがとうございます。果樹・有機部会(第2回果樹関係)の開催に当たりまして一言ご挨拶を申し上げたいと思います。
    さて、本部会につきましては、新たな果樹農業振興基本方針の策定に向けまして10月から審議を開始したというところでございます。第1回の部会では果樹農業の現状と課題につきまして事務局からご説明させていただきまして、その上で皆様よりご意見等を頂戴したところでございます。
    また、その後11月、現地調査をさせていただきました。長野県松本市におきまして、りんごの省力樹形、これを導入している産地の先進的な取り組み、こういったものを見ていただいたということでございまして、果樹農家の方々と意見交換をしていただいて大変にありがとうございました。
    本日、第2回ということでございますけれども、これまでいただいたご意見等を整理いたしまして、論点を明らかにした上で、消費ですとか流通ですとか自然災害ですとか、様々なテーマを中心にいたしまして、さらにご議論をいただきたいというふうに考えているところでございます。
    皆様におかれましては、これまでいただいたご意見、これを踏まえまして、次期の基本方針の策定に向けまして活発なご議論をいただきますようお願いを申し上げましてご挨拶にかえさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 光廣課長補佐
    大変申し訳ございませんが、水田ですが、この後別件公務がございますので、ここで退席させていただきたいと思います。
  • 水田生産局長
    恐縮です。どうもすみません。よろしくお願いいたします。
  • 光廣課長補佐
    続きまして、本日の資料についてご説明いたします。皆様、お手元のタブレットをご確認ください。
    まず初めに、一番左上のところの資料でございますけれども、議事次第と委員名簿がございます。
    そして、資料1といたしまして、第1回部会及び現地調査における意見等の整理と論点。上のほうの03資料となっているところでございます。こちらについては、机の上にも紙の状態でも配布をさせていただいております。横のホチキスどめの資料でございます。
    そして、04となっているところが資料2ということで、第1回部会及び現地調査における主な論点。
    そして、05のところが資料3となっておりまして、第2回部会においてご議論いただきたい事項という形になっております。
    そして、06のところでございますけれども、資料4ということで西本委員ご説明資料でございます。
    次、07となっているところで、資料5で今後の審議の進め方でございます。
    次、08となっているところで、こちらは参考資料1で、省力樹形の例ということで、かんきつ類、りんご、ぶどう、なし、もも、かきについて、それぞれ2つずつ省力樹形の例を提示しているものでございます。
    そして、次に09となっているのが参考資料2でございます。こちらの資料ですけれども、野菜やくだものの外観や販売方法に関する意識調査の結果でございます。本調査ですが、今年の8月下旬から9月上旬にかけて、野菜及びくだものの購入意向に関して、野菜を週1回以上、かつ、くだものを月1回以上購入している20歳以上の方を対象に調査を実施いたしまして、1,101名から回答をいただいた結果ということでございまして、参考までにここでお配りさせていただきます。
    次に、10ということで、参考資料3でございます。こちらは、第1回部会の際に事務局より説明させていただいた資料でございます。
    また、机の上には本日の座席図と出席者一覧及び資料1を配布させていただいております。
    ご不明な点等ございましたら、事務局の者が今立っておりますので、事務局のほうまでお申しつけいただければと思います。
    続きまして、委員の出席状況でございます。本日は、磯崎委員、堀切委員、高梨委員、堀内委員がご欠席、そして柚木委員でございますけれども、遅れての参加となるというご連絡をいただいております。
    結果、本日委員及び臨時委員20名のうち、16名の皆様にご出席をいただけるということでございますので、本部会が成立していることを確認し、ご報告させていただきます。
    では、ここからは上岡部会長に議事進行をお願いしたいと思います。
    部会長、よろしくお願いいたします。
  • 上岡部会長
    皆様、こんにちは。お忙しい中ありがとうございます。
    それでは、これより私のほうで議事を進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
    まず、議事次第のほうをご覧ください。本日の議事でございますけれども、まず第1番目に、第1回部会及び現地調査における意見等の整理ということでございます。第2番目にご議論いただきたい事項の提示、それから第3番目に委員の皆様からの話題提供、それから第4番目に意見交換、5番目にその他ということで5点となっております。
    まず初めに、本日の審議の進め方につきまして事務局よりご説明をお願いいたします。
  • 光廣課長補佐
    それでは、本日の審議の進め方についてご説明させていただきます。
    タブレットの資料5をご覧ください。上のほうで07となっているところでございます。
    今後の審議の進め方についてということで、本部会ではこれまで10月1日に第1回の部会、11月5日に現地調査を開催しまして、委員の皆様や生産現場の皆様からご意見等を頂戴してきたところでございます。
    今回は、これまでにいただいたご意見等を整理し、論点を明らかにした上で、これまでの審議の中心となってきた生産面の主な論点と、さらにこの2回の部会でご審議いただきたい事項として、消費・流通・自然災害等に関し事務局よりご説明をさせていただきます。
    その後、西本委員より昨年7月に発生した西日本豪雨災害への対応を中心に、果実の流通や担い手、労働力確保等の課題と果樹産地における実情等について話題提供をいただきます。
    その後、二部制で意見交換等をさせていただきたいと思います。第1部については消費・流通・自然災害等について、そして第2部については、それらも含めて、テーマを限らずに幅広くご意見を頂戴したいというふうに思います。
    以上でございます。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
    まず、事務局より議事のうち、まず第1番目の第1回部会及び現地調査における意見等の整理、それから2番目にご議論いただきたい事項の提示について、ご説明のほうをお願いいたします。
  • 光廣課長補佐
    それでは、机上に配布しております資料1とタブレット上にございます資料2、資料3を用いまして、説明をさせていただきたいと思います。
    タブレット上は、04、資料2となっているところを開いていただければと思います。
    まず資料1でございますが、前回、第1回の部会と11月に長野県松本市で実施した現地調査における意見等を事項別に整理し、そのご意見等を踏まえまして、基本方針策定に当たっての論点となり得るものを表にまとめたものでございます。
    このうち、特にご意見の多かった1ページ目の左側、1の「(1)労働生産性の向上に関する意見等」、あと2ページ目の「(2)担い手・労働力確保に関する意見等」のうち「担い手、後継者、新規就農者の確保と樹体を含めた園地の継承」については、この後、別途資料2を用いて説明をさせていただきます。
    以下、時間の関係もございますので、抜粋的に説明をさせていただきたいと思います。
    3ページ目の「労働力確保の課題と対応」についてでございます。
    これについては、収穫や摘果等の短期間の労働ピーク時における臨時雇用の確保が課題であり、雇用労働力の確保に向けた受け入れ体制の構築や環境整備を図るとともに、他産地、他産業との労働力の融通や外国人労働力、農福連携など新たな視点で人材確保に取り組む必要があるのではないかという論点が示されております。
    4ページ目、「(3)園地整備・規模拡大に関する意見等」については、「条件不利地・耕作放棄地の課題と対応」に関しまして、やはり全ての園地を維持することは困難であり、今後残していく園地と山に返していく園地を分けて対策する必要があるのではないか、労働生産性の向上が望めない条件の不利な園地については手放していくことも必要ではないか、といった論点が示されました。
    「(4)生産資材に関する意見等」では、苗木の生産・供給について、大量の苗木を必要とする省力樹形の普及の推進や日本ワインブームによる醸造用ぶどうのニーズの高まりなどで、安定的な苗木の供給が求められているところであり、計画的で安定的な苗木の生産・供給体制の構築を推進する必要があるのではないかという論点が示されました。
    5ページ目、「(5)研究・技術開発に関する意見等」については、スマート技術等の農業技術の開発において、もっと農業者や生産現場の意見を取り入れて行う必要があるということや、生産者と研究開発機関の連携が重要、といった論点が示されました。
    6ページ目の「2.市場拡大のための対策の推進」のうち「国内市場(国内消費)に関する意見等」については、果実の消費の形態が多様化しており、加工のしやすさ等への対応が一層重要となること、健康機能性や機能性表示は消費拡大のツールとして重要であるということ、そして、幼少期からの食育が非常に重要であるということ等の論点が示されました。
    7ページ目の「(2)海外市場に関する意見等」については、輸出拡大を行っていくためには、植物検疫への対応やGAP・HACCPの取得、選果作業の機械化への対応などが必要である、といった論点が示されました。
    「3.流通・加工の合理化の推進」については、出荷規格の見直しやパレット輸送システムによる流通の合理化、それに加えまして、規格外品の販売や市場外流通の可能性といった論点が示されました。
    次に、冒頭別途説明するとしておりました、「労働生産性の向上」と「後継者・新規就農者の確保と園地継承」について、資料2を用いて説明いたしますので、タブレットの資料2をご覧ください。
    それでは、資料2についてご説明をさせていただきます。
    まず、1ページ目をご覧ください。
    ここでは、「労働生産性の向上と省力樹形の導入」について、これまでにご議論いただいた内容をまとめさせていただいております。
    まず最初に、我が国の果樹農業についてですが、農家数の減少や高齢化等の影響により生産基盤が脆弱化する中で、産地の生産力を増強し、需要に応じた生産量を確保していくためには、労働生産性の抜本的な向上が必要です。
    一方、現在手作業が中心で労働集約的であり、面積当たりの作業時間がほかの品目と比べてもかなり長くなっている我が国の果樹農業において、労働生産性の抜本的な向上を実現していくためには、作業を効率化することで作業時間が削減でき、早期成園化も可能で、さらに機械化にも対応している省力樹形の導入が効果的と言えます。
    ページの左側ですけれども、省力樹形についてこれまでにご紹介させていただいた内容と、省力樹形についていただいたご意見をまとめた省力樹形導入のメリット及び課題になります。
    メリットについては、作業時間の軽減、せん定等の作業が簡単となること、高収量化、機械化への対応などが挙げられます。
    一方、課題といたしまして、小さな木を密植する栽培体系が基本であるために、導入に際して大量の苗木を必要とすること、あと前回第1回の部会で甲斐委員のほうから省力樹形の自然災害への対応力についてご質問をいただきましたが、ご指摘のとおり、成木化しても木が小さいということで、根の張り方も大木である慣行樹形よりは弱くなるということで、強風や自然災害への対応として、支柱を設置することが必須となります。
    一方、そういった対応をすれば、台風等による果実の落下等の被害について従来の栽培方法よりも小さいという意見が現地視察の際にあったところです。
    また、木が小さく、樹体が乾燥に弱いということで、多くの水を必要とする栽培体系であり、水の確保が難しいところでは、かん水設備の整備が必要となるということについて前回第1回の部会において石岡委員からご意見を頂戴したところです。
    そして、こういった導入時に必要となる資材や設備の影響がありまして、初期コストが高くなるということについてご意見をいただいたところであります。
    ページの右側でございますが、先日の長野県現地調査でご視察いただいたりんごの省力樹形である高密植栽培について、慣行樹形との比較を行ったものでございます。
    労働時間は約5割減り、そして、収穫は植えつけ2年目から可能となり、3年目には成園化が可能、収量は慣行栽培の約1.7倍ということが現場でも示されております。
    ここで資料の訂正をさせていただきたいのですが、「早期成園化」のところで「植え付け後5年目に成園化」とありますが、当日に長野県からいただいた資料では、「3年目」とありますので、「3年目」に修正をお願いいたします。ホームページ上の資料についても、後ほど修正をしたいと思います。
    続いて、2ページ目をご覧ください。
    ここでは、「後継者・新規就農者の確保と園地継承」について、これまでにご議論いただいた内容をまとめさせていただいております。
    果樹農業においても、生産者の高齢化と後継者不足が非常に深刻でございまして、後継者と新規就農者の確保及びスムーズな経営継承が課題となっております。
    その際、果樹については、野菜などと異なりまして、未収益期間を伴う永年性作物であるといった特性がございますので、経営継承の際に、上物であります樹体についても考えていく必要がある、というご意見が前回第1回の部会で挙がりました。
    果樹においては、樹体を含めた園地と経営の継承をセットで進めていくことが鍵となります。
    その事例といたしまして、第1回部会において寺地委員と岩下委員より、委員ご自身の関係する取り組みとしてご紹介いただいた、樹体を含めた園地と経営継承、あるいは新規就農をセットとした担い手の確保の取組事例について、このページではより詳しくご紹介をさせていただいております。
    左側の事例 丸囲み数字1でございますが、こちらは寺地委員にご紹介いただきました鳥取県湯梨浜町における事例でございます。東郷梨生産部、JA鳥取中央が主体となりまして実施した水田を活用した新しい園地の造成と就農支援の事例等があります。
    まず、水田の梨園地への新規造成によって優良園地を確保いたします。園地造成には、国や県、町の補助事業を活用し、残りの自己負担分についても生産部会が立てかえ、就農後、収益が得られるようになってから長期の分割払いとすることで、新規就農者等の入植する方々の就農時の負担を大幅に軽減しています。
    造成した園地には、ジョイント栽培等の省力樹形を導入し、作業性のよい園地とした上で、新規就農者などに受け渡します。
    就農希望者については、県内外から希望者を呼び込みまして、それの研修から独立までをパッケージで支援をして、産地が一体となって育成をしている、という事例でございました。
    次に、右側の事例 丸囲み数字2でございます。こちらは、岩下委員にご紹介いただいた、株式会社クピドファームが実施しております、法人が地域の未利用園地を活用して新規就農を支援するという、ぶどう栽培における取り組みの事例でございます。
    地域のあいている園地をクピドファームが借り受けまして、研修ほ場として新規就農者等が研修を受けます。研修に際しては、クピドファームが技術指導を行います。その際、園地をドローンで撮影して、俯瞰図として視覚的に把握した上でせん定指導に活用したり、こちらはちょっと見にくいんですけれども、写真の上のもの、こちらが冬にぶどう園の上から写真を撮ったものでございます。
    また、クピドファームが独自に開発した摘粒アプリを活用したりするなど、スマート技術を活用して効果的に研修を行っております。研修生がひとり立ちできるようになれば、最終的には自営農園として研修生に引き渡しをすると。左側のイメージにありますように、これを繰り返すことで、地域の樹園地の荒廃を防ぎつつ、新規就農者の参入と園地継承をセットで推進しているという事例でございました。
    次に、資料3の説明に移りたいと思います。タブレットのところでいいますと、05、資料3となっているものをお開きいただけますでしょうか。
    資料3、第2回部会においてご議論いただきたい事項についてご説明をさせていただきます。
    第1回部会と現地調査でのご審議を踏まえつつ、今回の第2回部会においてご議論をいただきたい事項について、その導入を兼ねて説明をさせていただきたいと思います。
    まず、1ページ目をご覧ください。
    ここでは加工をテーマに、国産加工原料果実の不足や新たな加工需要等につきまして現状と課題をご説明させていただきます。
    まず最初に、国産果実の加工仕向け量でございますが、これは左側の緑のグラフでございますが、特に近年減少しているところでございます。これは、国産果実全体の生産量が減少していることに加えて、ここ最近、生果が高値傾向で取引されているということや、生産者の高品質な果実生産により、昔であれば加工に回るような規格外品、こういったものが少なくなっていることなどから、基本的にはつくったものが生果向けに出荷されて、加工用に回っていかないということによるものと考えられます。
    供給過剰の頃は、生果用に生産したうちでも、一定量は加工原料に回っておりましたが、現在の供給不足基調で、加えて、先ほど申し上げたような状態である現在、果汁ジュース等の加工業者は原材料を確保することが困難になっているということを聞いております。実際の果汁加工業者の声といたしまして、良食味で規格外率も低く、ほとんどが生果仕向けに回ってしまうことで、加工原料みかんの集出荷量が年々少なくなっていること、それに加えて集出荷量の減少によって運賃等の生産コストが割高となって負担となっていること、こういったことで工場の安定経営が困難となっているというような声が寄せられているところです。
    その一方で、日本ワインブーム等によって、国産ぶどうの醸造用仕向け量は増加傾向であるなど、新たな加工需要の拡大も見られます。こちらは、左下のグラフで示しているものでございます。
    また、右上のカットフルーツの販売量の変化のところでございますが、アンケート結果を例として掲載しておりますが、カットフルーツの販売量が増加傾向であるという、流通加工業者への聞き取り結果がございます。こういったことから、カットフルーツなどの消費者の簡便化嗜好の拡大といったものが見てとれるのではないかと思います。
    また、右下のグラフでございますが、20代、30代といった若い世代ほど果実加工品の購入度合いが高いというアンケート結果がございます。果実加工品のニーズ自体は全世代的に増加している中、特に若い世代ほどそのニーズが大きいという結果が見てとれるデータでございます。
    こうした加工ニーズに対応するためにも、やはり国産の加工用原料果実を安定的に確保する体制づくり、こういったものが必要ではないかと考えており、この後ご議論をいただければと思います。
    続いて、2ページ目をご覧ください。
    ここでは流通をテーマに、出荷規格、梱包資材の見直し等について現状と課題をご説明させていただきます。
    流通現場においても、選果場や輸送業者の労働力不足が深刻化しております。前回第1回部会においても、委員からトラック輸送の人員不足や運賃の値上げ等についてのご発言がございました。流通の問題は、果樹農業や農業分野だけで解決するのは困難な課題ではございますが、果実流通分野でも、その合理化に向けてできることがあると考えます。
    例えば、出荷規格についてでございます。果実の出荷規格について、左上のところにりんごの出荷規格の一例をお示ししております。主に外観によって分類する等級や、大きさによる分類である階級によって、例のものをそのまま使いますと、45もの出荷規格まで細分化されるということになります。
    これに加えて、糖度によりさらなる細分化が行われる場合もございます。
    こういった規格の多いことが、選別作業にとどまらず、収穫や箱詰め、出荷管理や輸送等の出荷に関連する幅広い作業において労力が必要となる要因となっております。これを効率化・省力化するために、出荷規格の簡素化を進める必要があるのではないかと考えます。
    また近年は、段ボール等の資材費の上昇や輸送運賃の値上げ等により流通コストが上昇しておりまして、こういった梱包資材等の見直し等による流通の効率化も必要ではないかと考えます。
    ページの左下に事例としてお示ししておりますのは、これはトマトの事例でございますが、包装資材及び出荷規格の簡素化の事例になります。
    出荷規格を8段階から2段階に思い切って簡素化して、包装資材を段ボールから専用コンテナに変更するということで、出荷時の容器コストの大幅な低減や販売単価の向上、選果場の労力軽減等を達成している事例でございます。
    右上では、出荷規格と包装簡素化のメリットを紹介しております。どちらも労力の軽減やコストの軽減の効果がございます。
    最後、ページの右下のところでございますけれども、包装資材等の見直しによる流通の効率化の事例として、プラスチックコンテナの活用とパレット化による省力化・作業の効率化について記載しております。
    これらの資材の活用については、かんきつ産地においても導入の実証がされている事例がございまして、集出荷施設の整備等とあわせることで、効率的な集出荷作業が可能となり、労力・コスト低減につながる技術であると考えております。
    最後に、3ページ目をご覧ください。
    ここでは、自然災害・気候変動・鳥獣害をテーマに、それらに強い産地づくりに向けた現状と課題をご説明させていただきます。
    近年、局地的な豪雨や地震、台風による大規模な災害が頻発しております。
    ページ左側において事例としてご紹介させていただいておりますが、まず一番上の今年、関東・東北地方を中心に、河川の氾濫によって広範囲に及ぶ果樹園地への浸水等の甚大な被害をもたらしました台風19号でございますとか、本日話題提供いただきます西本委員のご地元でございます愛媛県のかんきつ産地に甚大な被害をもたらしました、西日本を中心に全国的に記録的な大雨被害となった平成30年7月豪雨、そして一番下の一昨年の7月に九州地方の果樹産地を襲った平成29年九州北部豪雨被害など、果樹産地においても、ここ数年、毎年連続して甚大な被害が発生しているところです。
    また、近年頻発しております異常気象は、果実生産及び品質にも大きく影響します。夏の高温による日焼け果の発生や天候不順による着色不良等が果実品質に与える影響は大きく、それらは生産量の減少にもつながるものでございます。
    最後に、ページ右下では、鳥獣害について現状をお示ししております。農林水産被害を見ますと減少傾向で推移しておりますが、イノシシの捕獲頭数は増加傾向ですし、私もよく現地に意見交換に行かせていただきますと、鳥獣害の被害がひどいということは農家の皆様からよくお聞きするところでございます。依然として鳥獣害は産地における大きな問題となっております。
    今後は、これら自然災害や気候変動、鳥獣害に強い産地づくりが必要であるというふうに考えます。
    以上で事務局からの説明を終わらせていただきます。この後の意見交換の際にご議論をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    続きまして、委員からの話題提供といたしまして、西本委員お願いいたします。
  • 西本委員
    話題提供の機会をいただきまして、ありがとうございます。
    まず表紙でございますが、これは昨年、西日本豪雨災害で被害に遭いました吉田町の玉津地区でございまして、またこれは一部でございまして、ひどいところは山の原形をとどめていないというようなところもございます。
    次のページなんですが、昨年の西日本豪雨から1年5カ月が経過いたしたわけでございますが、えひめ南管内も多くのボランティアの皆さん、また行政の厚い対応・指導等によりまして、被災地は着実に復旧・復興に向けて前進をしております。
    被災地の現状と今後の問題点等について、従来と重複する部分もあるわけでございますが、お話をさせていただけたらと思います。
    昨年の7月5日から8日の間に約600mmの雨量がございまして、時間最大雨量は91mmでございました。
    県内、他の作物もあるわけでございますが、総体では475億、うち、7割強が樹園地の流出等を中心とする農地・水利施設・農道等の被害でございまして、被害額は354億でございました。
    甚大な農業被害が毎年恒常的に発生する今日、生産者の経営被害を最小限にとどめるためには、農業共済、特に樹体共済、また収入保険の加入率の引き上げ等は喫緊の課題。一方、一部今回の被災を受けまして、制度の見直し等も必要ではないかなというふうに感じております。
    その下に再編復旧というようなことで今対応を進めておるところでございますが、これは島でございまして、松山市の沖に興居島という島があるわけでございますが、左のような現状を区画整理を行いまして、平たん地にした上で、特に愛媛では「紅まどんな」とか「せとか」とか、また最新では「紅プリンセス」とかいったような新しい品種を次々につくっておるわけでございますが、そういう高級かんきつを施設でつくっていきたいと。
    手取りのいい人では、キロ当たり手取りは1,000円ぐらいになれる農家もあるようでございます。今年、この興居島の隣の釣島というところが先般愛媛県の「日本農業賞」の愛媛県代表に決定をいたしたところでございます。
    3ページ目が、これは今治の大三島地区というところでございますが、これは申請の予定でございます。
    この問題につきましては、耕作放棄地を再編するわけでございますが、竹林とか放任園がございまして、その竹林等につきましては農地ではございませんので、対象外になるというようなことでございますので非常に効率が悪いというようなことで、できればそのようなものも一体的にできるような体制にならないのかなというようなことで希望をいたしておるところでございます。
    それから、4ページでございますが、災害に強い園地づくり、いろいろあるわけでございますけれども、先ほどの玉津地区の場合は山成開墾であったわけでございますが、私どもの隣の西宇和でございますけれども、西宇和はこのような石積みの段畑が多いということで、災害はえひめ南地区から見ると非常に少のうございました。1つにはやはり段畑の影響もございますし、それからもう一点は非常に園内道がたくさん走っておるわけでございますが、園内道の縁石を高くいたしまして、大雨のときには農道が排水路、貯水路、もしくは承水路にもなるというようなことで、その辺が多少─多少じゃない、大分違っておったのかなと。ですから、今後の園内道の導入については、急傾斜地では園内道が河川を兼ねるような設計にすべきではないかなということを痛感いたしております。
    それから、共済の関係でございますが、特に果樹共済、それから樹体共済の制度があるわけでございますが、樹体共済の場合は、かんきつの場合は愛媛はもう皆無に等しいというようなことで、この辺、制度はあっても利用率は低いということで記入しておりますが、問題点は後で指摘するわけでございますが、収入共済につきましては、愛媛の場合、青色申告の加入者数も比較的多いわけでございますが、果実の場合は1,045戸ということで大変多い加入でございまして、愛媛県全体では果樹の加入者が約75%を占めておるというようなことで、今後まだまだふえるのではないかなというふうに思っております。
    それから、6ページ目にそれぞれの問題点を書かせていただいておるわけでございますが、特に激甚災害に指定されるような自然災害につきましては、大幅な収入減少に加えて、想定外の経費も発生するわけでございます。そのようなことで、経営の継続が困難になると。また、園地整備には最低4~5年の期間を要すると。
    それらを踏まえまして、激甚災害に指定された地域につきましては、収入保険加入者に対する支払率や被災者の収入保険の基準収入の算定等について特別な配慮が必要ではないかと。5カ年の継続でございますので、園地が流れてしまうと、収入が減ったままだんだん基準値が下がってしまいますので、ですから、健全な園地では、それは健全化をするわけですが、ひどい被害になりますとそれが機能しないということでございます。
    それと、果樹共済では温州みかんやりんご・ぶどう・なし等の樹体被害に対応するための樹体共済が制度化されているが、対応されている県は極めて限定的というようなことで、調べましてここに書かせていただいておるわけでございますが、温州みかん等も4県で241戸しか加入されていないというようなことでございます。
    愛媛県でもキウイフルーツ等は払われているわけでございますが、この支払い対象被害の発生度につきましても事務処理の煩雑性等もございまして、広い園地を1本ごとに管理せないかんと。また、みかん、りんご等では改植等が園地の中で頻繁に行われますので、1本1本の管理が非常に難しいというようなこともございますので、これまで比較的低調で、生産者も掛金負担金もあり、加入者が少なかったと。
    そういうことで、災害評価は、1本評価からドローンを活用した目視による簡素化な損害評価等ができないものかと。それから、また掛金の引き下げや事務処理の簡素化などをして、生産者が加入しやすい制度の見直しをしていただいたらというふうに思っております。
    それから、先ほどの説明で問題提起がありました、後ほど議論いただくわけでございますが、特に過剰時代から不足の時代に入りまして、選果の規格の見直しというようなことで、みかんあたりも非常に、360万tから70万tの時代に入ってまいりまして、私ども産地も今9つの選果場があるわけなんですけれども、当面4選果場、できればもう1選果場に集約していきたいと。大体1選果場を運営するのに、平均すると60人ぐらい労働者が要るんです。ですから、選果場だけで西宇和がみかんシーズンになりますと600人あまりの選果場の従業員が要ると。それがなかなか確保しづらいということもございますし、それからラインが多ければ多いほど、今非破壊のセンサーとかはまっておりますので投資も非常に高くつくというような面もありますので、その辺、従来は外観、いわゆる等級・階級による評価でありましたが、センサーが導入されまして、味による評価ができておりますので、その辺を中心とした─米も今整粒歩合から食味中心に変わっているようでございますが、その辺も見直しをしていただけたらなと。これは産地みずからがしていかないかん部分もあるわけでございますが、話を聞きますと、一産地だけやったんではなかなか効果はないというようなことでございますので、できれば国のほうでもこういう後押しをしていただければというふうに思っております。
    それから、担い手確保の関係でございますが、特に規模拡大がかんきつの場合─まあ、先般、松本へ行ったりんご農家でも、収益はあるけれどもなかなか規模拡大はできないという話がございましたが、一方では着実に就農人口は減少しておるわけでございますので、私どもJAでも法人化、これは生産に特化した法人化をつくりながら、そこに周年雇用なり研修体制なりをつくりながら、事業継承できるような体制をつくっていきたいというようなことで対応しております。
    そのような中で、ここにも書いておりますが、農家の子弟が困難となった場合の経営継承というようなことで第三者の事業継承、それから法人化による第三者の受け入れ、またかんきつの集落営農法人の設立、または選果場の組織化による法人化等、農地の集積と農業経営の実施というのを書いておるわけでございますが、隣の高知県では、県立の農業担い手育成センターというようなことで、県でそういう事業を請け負われておるわけでございますが、できれば農業大学校等を有効に利用しながら、各行政が今はある面ではJA任せみたいなことになっておりまして、その辺にも切り口を入れていただく必要があるのかなと。
    一番下に、愛媛県内への移住者、これは非常に驚く数字で、平成28年までは大した数字じゃなかったんですが、平成29年度では1,085人、平成30年度では1,715人が県内へ移住をされておるというようなことで、ですから、この辺を少しでも第一次産業に従事していただければと。特に20代が25%、30代が18%というようなことで若い人の移住が非常に多いようですので、このようなところに一次産業への期待をいたしておるわけでございます。
    それから、9ページでは、これは愛媛ではJAによりまして、これはJAえひめ中央というところが取り組んでおりますのは、営農支援センターをつくりまして、そこで研修をさせまして就農させていくというようなことでやっております。研修は61名やられたが、実際に就農された方は35名というようなことで、農家の子弟等も含めると5カ年間で147名でございます。
    10ページでは、これは私の地元のJAにしうわの取り組みでございますが、ここでは「ひと」の取り組みと「農地・施設」の取り組み、2つに分類をいたしまして、農家を先ほど申しましたように家族から法人経営にしながら、安定した後継者の育成と、それから結婚の問題も、家族経営ですと農家に限定をした、いわゆる奥さんを労働者と想定したあれになってしまいますけれども、法人化の中で、奥さんが他産業に従事をしても、研修生等でやっていけるような雇用制度で対応したらどうかというようなことで、法人化して人材の確保・育成、そして継承というようなことで、今研修会、それから就農相談会等を行っておりますし、特に外国人も含めた受け入れを積極的に考えております。
    それから、またJA出資型の子会社をつくりまして、農家の育成なり園地の確保なり、優良園地を守る対応をいたしております。
    特に私どもの産地の場合は、南予用水というようなことで国営の用水事業がございますので、特にクーラーかん水、クーラー防除等。ですから、それを守るためにも、どう地域全体を守っていくのかというようなことで、組織がもっと積極的にしながら対応をしていこうと。
    それから、令和3年度の事業として、集落営農法人の提案をいたすようにしております。
    それから、最後に11ページは労働力の確保というようなことで、今現在、みかん採取、最盛期なわけでございますが、平成27年に愛媛のマスコットで「みきゃん」というのが載っておりますが、舌田小学校というようなことで、真穴・川上のちょうど、市内から行きますと手前に廃校になった小学校があるわけでございますが、そこは総務省のふるさと創生資金を活用いたしまして、今大体90名ぐらい宿泊研修のできる施設で、あと小学校、保育所等を対応して、現在、今年で360名程度全国から来ていただいておるわけでございますが、産地がみかんのシーズンだけは非常に活気に満ちております。ですから、これが3分の1でも残って、年中そういう研修体制ができればなというふうに思っておりますのと、それから、その左側に全国の地図を描いて、提携といいますか、農作物の、今JAにしうわでは北海道のJAふらののにんじんが終わった後、西宇和のみかん採取、その後、沖縄のサトウキビというふうなことで対応しておるわけでございますが、どうも山形のさくらんぼもそこへ仲間に入りたいというような話も来ておるようでございますが、いろいろな手だてをしながら、私も団塊の世代最後、満70歳になりましたが、僕もよく言うんですけれども、やはり70になっても所得1,000万取れるような農業の経営体をつくっていけば、ある程度地域は活性化していくんではなかろうかということで、組織もありとあらゆる手段を使いながら地域の活性化に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
    以上、話題提供をさせていただきます。ありがとうございました。
  • 上岡部会長
    どうもありがとうございました。
    事務局のほうからは第1回部会と、それから現地調査を踏まえた論点整理をしていただきまして、西本委員のほうからは愛媛県のかんきつを中心とした今の現状についてお話をいただきました。
    これから意見交換に移りたいと思うんですけれども、まず事務局からのご説明もありましたので、もし委員の皆様からご質問等ございましたらいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。もちろん、それを踏まえた上でご議論をしていただいて結構なんですけれども、もし質問があるということであれば、挙手にてお願いしたいと思います。
    では、菊地委員お願いします。
  • 菊地委員
    大したことないんですけれども、今日いただいた資料の中で、第1回の意見交換の整理と論点の文章の中で私の「菊地」の「地」が違っているんで、直していただけるとありがたいです。
  • 光廣課長補佐
    大変失礼をいたしました。修正をさせていただきたいと思います。
  • 上岡部会長
    ほかにはいかがでしょうか。
    ご質問ないようでしたら、意見交換のほうに移りたいと思うんですけれども、まず第1部といたしまして、これから約1時間、4時15分頃まで、消費・流通・自然災害を中心にまずはご意見をいただきたく思ってございます。
    先ほどのご説明いただいたところにもございましたけれども、資料3もございましたけれども、消費・流通・自然災害、まずはここを中心にということでございます。ご発言いただきますときには、挙手にてお願いいたします。
    佐藤委員、お願いいたします。
  • 佐藤委員
    委員としての立場というよりは、果樹農業の立場で意見したいと思います。
    近年、災害が多発しております、防ぐことができない現実があり、本当に神頼みしかないというところがあります。
    私が農業をやり始めて今年で20年目になるのですが、一度、大風が吹いてりんごが大量に落ちたことがありました、。そのときに、これからどうしていいかわからない、これからどうやって生活していくのだろうかとすごい悩んだんです。でも、悩んでいるのは私だけだったのです。家族は、もうその状況を経験してきているから、あって仕方ないという腹のくくりができていたのです。そこで、私もここは腹をくくって農業をやっていこうと感じました。
    ただ、状況が変わってしまい、自分が頑張れば、自分が我慢すればというわけにはいかないので、もし災害で農産物に被害があったとすれば、売り上げがなくなってしまう。売り上げがなくなってしまったときに、従業員の給料というのは必ず払わなくちゃいけない。大切な従業員の給料というのは、経営者は必ず守らなくちゃいけないので、倒産防止保険に加入、最近では収入保険制度に加入して、リスクを対策しています。
    先日の台風19号のときは、私どもは大した被害はなかったです。ただ、近隣の生活者に対する被害を与えてしまったのが水田だったんです。水田の稲わらが大雨によって浮いて、道路に流れて、それが低いほうに流れていきます。低いほうがたまたま住宅地域だったのです。住宅地域の水路を詰まらせてしまって、一部の住宅が浸水してしまいました。復旧するまでに結構な時間がかかったのですが、農業者のある意味責任だと思うんです。
    農業をやっていると、国土を守るという意味でも大変大事だよという反面で、そういった稲わらの流出で生活居住区を被害に追いやってしまったという事実が今回出てきたときに、GAPに長く取り組んでいる私たちは、農場が出すリスク、周りにどんな環境を与えるのかというのを十分に配慮していかないと、自分たちの災害だけではなく、近隣に及ぼす影響を今回の台風で非常に強く感じました。
    私たちは年に1回、詰まりやすい側溝清掃を定期的にしています、落葉果樹を栽培しておりますので、つまりの原因になります。地域の住民に迷惑がかからない取り組みをしています。
    災害に関しては、本当に食いとめることができないけれども、予防です。災害を予防するための小さな活動というのは農業者自身がそれぞれでやっていかなくちゃいけないと今回痛感した部分がありました。
    以上です。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    それについてはいかがでしょうか。今お話がありましたけれども、石岡委員などどうでしょうか。何かあれば。
  • 石岡委員
    うちは抱えている従業員とかがあまりいないんですけれども、りんご単一なので、台風に関しては、ここ何年かはそんな大きな被害はないんですけれども、産地自体がもう青森は全部やられてしまいます。単一作物しかつくっていないので。
    それで私が小さかった頃、台風19号、同じ名前なんですけれども、平成のときの19号で青森県がすごい被害を受けまして、それを私は経験していますので、やっぱりそれが身にしみついて、落ちるものだというので対策、防風ネットとかです。その後、青森県でも急激にふえたそうなんですけれども。でも、落ちるときは落ちるので、それに向けて、今回、今度は私が経営者の代になったので、自分の生活を守ることを考えますと、やっぱりりんごに適している産地なのでりんごしかつくれないんですけれども、それに対しても園地の構成、品種の構成などで、落ちたときでも次、来年つくれる、また再生産をかけられるような経営の方式といいますか、りんごの販売とかを考えていかないといけないなと思っているところです。まだ就農してからそんなに大きい被害を受けていませんので。
    あと台風だけじゃなくて、最近ですと鳥獣害の被害もふえてきていまして、天候によって山のほうで、山のドングリとか木の実が少なかったりするのか、熊と猿、鳥です。まだイノシシは上陸、青森には来ていないということなんですけれども、鹿もいますし、そういうのが山のほうから被害がふえてきていまして。青森、北限の猿で猿がいるんですけれども、その北限の猿じゃない猿たちが集団でりんごを食べに来るので、それは今電柵、電気の柵を張って、山地、山、山間部で栽培されている方たちは、もう自分たちで自主的に園地の周りに電気の柵を張って対応されています。でも、やっぱり猿は賢いので、だんだんそこの、張っているところ以外に連れてくるんです、山で団体で移動してきて。今度張っていないところに出没してきたりとか。
    あと熊に関しては、ここ何年か非常にふえてきていまして、山間部の近くの集落にまで出てきているので、そこは熊も─今、マタギじゃないですけれども、狩る方が少なくなってきているので、農家だけの問題じゃなくて、取り巻く山というか、村の山村地帯のそういう生活が変わってきているんだろうなという感じはします。
    熊も、昔は冬になると入ってとってきて減らしていたというのもあったと思うので。熊は木自体を全部倒したりしてしまうので、そうなると、そこだけだんだんつくれなくなって、山のほうは危ないからといって、山のほうからりんごの園地をやめていく方とかもいらっしゃいます。放棄といいますか、泣く泣く。もうつくれないって。高齢化とかもあって、鳥獣害の被害もひどくてやめていくのは大体山から。
    前回も発言があったと思うんですけれども、りんごもだんだん里におりてきている状態で、つくりづらいところ、難しいところをおりてきて、里におりてきているという。今まで昔の人たちが山に開墾していったのが、時代が変わってきたら、だんだん山は山に返って、つくりやすいところでつくってきているのが今の状態です。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    自然災害の部分と鳥獣害被害のご意見を賜りましたけれども、もう一方ぐらいいかがでしょうか。
    では、岩下委員お願いいたします。
  • 岩下委員
    山梨のぶどう棚なんですが、5~6年ぐらい前にほぼ全壊というふうな状態になるほど雪が一晩で降りました。山梨は陸の孤島だなんて言われて、一月ぐらい物流がストップしていたなんていうことがあったんで、そのときに、ぶどうは棚ですので、雪の重みをまともにしょっちゃうということで、ハウスのみならず棚も随分倒壊しました。一部、加温ハウスなんかは国の補助、県の補助なんかで無償で建てかえて産地を守ろうという動きになったようなんですが、棚に関しては共済に入っている人たちは一部いただいたようなんですが、みんな自力で立ち上げたと。
    でも、1つ困ったことが、立ち上げるだけの気力と資力がある人は立ち直ったんですが、それを機会にやめちゃった方も随分いた。こういう災害には常に対峙していかなきゃいけないものなので、私どものところでは、30cmの雪が降るといったら、棚の下に支柱を立てろというふうな放送をします。みんなにメールで送ります。
    冬は冬でそんなことでもって大変であり、夏は夏で酷暑、40℃の夏が、昼間40℃、夜になってもなかなか気温が下がらないということで、ぶどうなんかは、着色系のぶどうについては着色障害ということで売り物にならないなんていうことも今年も大分言われました。
    でも、そうした中で、やっぱり嘆いてばかりもいられないのが農業なんで、我々は、父の代にもそういったことが多少あったようなんですが、どういうふうにクリアしたかというふうなことも聞きながら、なおかつ、今我々の考えている技術の範囲内で最大限の努力をするという形で何とか克服して、この問題を嘆いてばかりはいられないと、こんなふうにみんなで話し合っています。
    鳥獣害に関しては、今非常に多くなっているのが鹿とハクビシンなんです。ハクビシンが非常にふえていて、私も1年に5~6匹は見ます、とったのを。自治体なんかに申請すると、捕獲かごを貸してはくれるんですが、それぞれの園でみんな用意しています。果物が大好きなようなんで、非常に困っています。
    ハクビシンとアライグマ、これが今我々のところの一番の天敵です。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    今お三方よりご意見をいただきましたので、事務局のほうから何かございますでしょうか。
  • 光廣課長補佐
    ありがとうございました。
    3人の委員からご発言をいただきました。特に災害についてでございました。
    佐藤委員から、災害は神頼みの部分もあり、農家としては腹をくくってやっていくしかないと。そんな中で、従業員の給料は払わなきゃいけないということで、倒産防止保険や、収入保険に加入してリスク対策をしているというご発言がございました。
    あと、今回稲わらが流出したことで、生活地域にも被害が及んだということで、普段からの生活地域とのつながりの強化といったことも必要ではないかということでございました。
    災害そのものを食いとめることはできないということで、災害による被害を予防するための小さな作業を農家が個々にやっていくといった、地道な活動も必要ではないか、ということで、まさにそのとおりではないかと思います。
    あと石岡委員から、青森弘前、りんごの単作地域で、平成の頃の台風19号で多く落ちたと。そのときの対策として、防風ネットなども広がってきているということでございました。
    そういった防風ネットとかの対策技術があるものもございますので、こうしたものは、被害が起きてから入れるということではなく、被害が起きていない地域においても見越して事前に入れていくということが非常に重要ではないかと思います。
    あと鳥獣害についてです。イノシシのほうは青森、まだ来ていないということでございますが、熊、猿、鳥、鹿などが増えているということ。特に猿については集団で来て、電柵の対応をしても、電柵のないところから入ってくる。鳥獣害の被害についても、個々の対策では限界があり、やはり地域で一体的に取り組んでいく必要があるのではないかと思います。
    あと熊については、被害もさることながら、狩る人が減っているといったことで、狩る人についても必要であるということでした。
    りんご産地についても、そういった被害が多い山のほうからどんどん園地をやめていく方々が多いということで、りんごも里におりてきているというお話でございました。
    岩下委員からは、恐らく5~6年前の雪害であると思いますが、大きな雪害で多くのハウスとか果樹棚が倒れたということでした。
    通常、自然災害ですと、台風とか豪雨は、春とか夏、秋に発生しますが、冬の災害で被害を受けるのは一年中植わっている果樹と一年中建っているハウスで、果樹の場合は、冬も安心することができないということで、そういった冬の対策についても必要である特殊な品目であると思います。
    雪が30cm降るということであれば棚を支柱で支えるといった取組を行っているということでございました。
    あと雪害を機にやめる方もいるということで、我々としても、そういった災害を機に離農するという方が一人も出ないように、様々な支援策を、災害に応じてつくらせていただいておりますので、農家さんの経営再建に資するような対策をしっかりつくっていきたい、つくらなければいけないと感じました。
    あと夏の高温の着色障害なども発生しているということや、鳥獣害では鹿、あとハクビシン、アライグマといった新たな獣害が出ているということで、確かに日本もいろいろな新しい獣害が非常に増えてきているということで、獣の種類ごとの対応もやっていかなきゃいけない、しっかりと支援していかなければいけないと考えます。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    西本委員のほうからは先ほどお話を頂戴したところでありますけれども、自然災害等に関して保険の制度についてもちょっとご意見いただきましたけれども、そのあたり何か補足ありますでしょうか。
  • 西本委員
    先ほどありましたように、来る災害をよけることはできませんので、それこそ去るのを願うだけしかないと。ですから、後の対策をしっかりやっていかないといかんなということで、逆にいろいろな保険制度にはまっていた方は非常に喜んでいただけましたし。
    それから、小さなことなんですけれども、今うちの組合あたりにも、昔の方は園内の水の水路を切りに行ったり、そういうことをよくやられていたんですけれども、今案外、そういう細かいことが手抜きになって、案外園地の崩壊あたりも水路あたりが詰まっておるところから水が越えて、だんだん大きい災害になってしまうと。ですから、きちんと基本管理はやって、最大の努力はしておこうということ。
    共済なり─まあ、みかん産地はどこへ行ってもモノレールなんかいって、ラックがあるんですけれども、そういうのも含めて、僕もどうせ青申したら経費で落ちるものは、初めからそういう共済あたりは掛けておく必要がありますよと。
    もう一点、僕も今よく言っているのは、最近台風とか水害ばっかりがメインになっておるんですけれども、東南海あたりも非常に高い確率で言われておりますので、その辺も転ばぬ先の杖が肝要なのかなというふうに思っております。
  • 上岡部会長
    ありがとうございます。
    保険の対策も重要というところで、それから佐藤委員のほうからもありましたけれども、予防するための小さな予防も大切だということでしたけれども、なかなか人が、労働力がない中で、そういう地域の小さな活動というのも減ってきているのかなと思うんですけれども、それ以外に自然災害等についてはご意見ございますでしょうか。
    寺地委員、お願いいたします。
  • 寺地委員
    失礼いたします。
    佐藤さんがおっしゃられたのは、周りに対する配慮をしておられる法人としてってすばらしいなと思いました。鳥取は法人が少ない、個人経営が多いので、周りに対する配慮はなかなかできていない。栽培場でできる範囲としたら、農薬が飛ばないようなドリフト問題だとか、あるいは夜中にシャッターの音がしないように気をつけようねというぐらいなんで、そこまでの。災害に対する周りへの配慮というのは、すばらしい取り組みだなというふうなことを聞きました。
    鳥取の場合、今年は大きな台風の被害もなくて、東日本等々では大きな被害が起こった。たび重なる災害でもう復興力もなくなってきている状況を聞いております。
    ただ、鳥取も台風としては来ております。一番怖いのが、鳥取から言うと対馬、東シナ海から対馬海峡に抜けて日本海を北に向かっていくのが一番風が強い状況なんですけれども、今年そういう台風が2つ来ましたけれども、全く被害がなかった。なぜかというと、台風が大型化してきているということで、鳥取近辺に来ても、周りの三重だとか静岡だとかに大きな雨が降ったりとかということで、やはり温暖化によるものなのか、台風が大きくなってくると直接被害がなくなってくる。そのことを、僕は鳥取で心配するのは、来たけれども被害がないよねということを自分の中で法則としていくと、今後何かがあったときは大変だなということで、今、これはごくまれだから、運がよかったと思って対策はしましょうねということで、農協を通しても告知機を使って、常に台風の前にはそれなりの手だてをしましょうとか、あるいは南風が吹くときには枝を抑えましょう、大雪が降る場合は傷まないようにしましょうというのを告知しております。
    それで、被害が起きたならば、これはほぼほぼ人災に近いですよというぐらいにして産地を守っていかないとやってくれないという現状がございます。
    自然災害はほぼほぼ今年はそんなことはなかったんですけれども、気候の温暖化ということで、今年も春先もそうでしたけれども、低温要求量を満たしていなくて花がなかなか、開花時期がそろわなかったというふうなことも出てきておりますし、あと、なし以外、ぶどうもあるんですけれども、着色がうまくいかないというのが目に見えた気象に対する課題かなというふうなことを思っております。
    あと鳥獣害なんですけれども、ここにも書いてございますけれども、鳥獣害等々に強い産地づくりが必要だというのはよくわかるんです。鳥取の場合も電気柵でありますとかワイヤーメッシュで一帯を囲っております。いろいろな制度を使いながらほぼほぼできているので、そういう対策はしているんですけれども、それでも被害に遭う人はおります。設置の方法が悪いこともあるんですけれども、一生懸命設置しても年をとっているとうまく設置できなくて、見回りもできなくて、その間に被害に遭ってしまったという。まあ、イノシシの場合なんですけれども。
    そうやってずっと、ほぼほぼできているんですけれども、果たしてそれでいいのかな。問題は個体数を減らさんと意味ないよね。言われたように、奥が荒れてくると、そこでイノシシとか熊を飼っている状況になるんで、そういうことが飼える状況じゃないような開発しなきゃいけない。山だったら山として整備していくことも必要だろうな。そこで個体数を何とか減らさないといけない。
    佐藤課長に何年か前に言いましたよね。豚コレラの問題が出てきたときに。そういうところは避妊薬をまいたらどうですか、イノシシに。これ冗談抜きでうちの部会でも真剣に考えたことなんです。生態を調査して、あっ、減りそうだと思ったらやめる。そうすることで一定の数を確保していく。
    どんどん人間以上にふえていきますので、そこらあたりも真剣に考えていかなくちゃいけないのかなというふうなことを思ったところです。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    それ以外はいかがでしょうか。
    甲斐委員、お願いします。
  • 甲斐委員
    自然災害の件ですが、昨今、毎年のように、被害が起きている中で、日本農業法人協会としても、会員に被害があった場合には聴取をして、役所の方に要請等を今までもやってきているところです。
    今回も台風の話の中で、会員の皆さんからいろいろ意見を聞いていて、取りまとめているわけでもないんですが、その中で出た意見として、先ほど西本委員の方から言われたとおり、激甚災害指定になったときには、その率を上げるようなことも検討できないんだろうかというふうなことは、やっぱり同じ意見が出ました。
    佐藤委員のように、リスクに備えて経営をやっている、それに備えて保険に入っている、そういう人たちが安心してできるような形の仕組み、できるように何とかできないかというふうなことの中でそういう意見が出ました。
    また、一方で激甚災害というのは、恐らく広域的な災害だと思うんですが、最近災害の中で局所的に非常にひどい災害もあって、逆に言うと、そんなに広域的じゃないんだけれども、災害の質においては、非常に激しい局所被害が生じているようなケースだと激甚災害に指定もされないということもあり得るかと思います。そういったときにも災害の質に応じて、例えば補塡の率を上げるとか、何とかそういういろいろな仕組みを考えていく必要があるんじゃないかという意見が出たことを少しご紹介だけしておきたいと思います。
    以上です。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    これまでのところで何かございますか。
  • 佐藤課長
    災害のお話については、皆さんのご意見をまとめると、災害を完全に防ぐとか被害を出さないということは無理だとしても、それに備えてできることをしておくということが重要なんだろうと。それは、水路を切っておくというお話だったり、あるいは落葉が詰まらないようにする、あるいは台風が来るときには押さえ棒を入れるとか、そういうことをしっかりやっていく。そのためには、人手が要るというところにも行き着くのかもしれませんけれども、そういうことが自然とできるというのが災害に強い産地ということだというふうに思いました。
    また、その上で防ぎ切れなかった被害に対しては、これは制度で対応していく。それは収入保険であり、あるいは樹体共済、果樹共済ということなんだと思いますけれども、ここに多くの方に入っていただかないと制度も回っていかないということだと思います。それは改めて痛感をしております。
    その上でなんですけれども、収入保険の中で激甚だったら支払率を上げるとか、そういうお話もありましたけれども、一方で我々、今回の災害、長野、あるいは福島で浸水被害が相当出ましたけれども、そういったものへの制度的な対応というよりは、特別な対策というのを打ってきているわけでありますので、制度の中にそういうものを入れていくのがいいのか、それとも別途手当てするほうがいいのか。また、局所的な災害に対してはどういうやり方があるのか。これはなかなか、国としてやるべきところと自治体がやるべきところの仕切りというのもあるんだろうと思いますけれども、そういった課題というものも見えてきたのかと思います。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    自然災害等については、まだご意見もあるかと思いますが、もしあれば後ほどお願いしたいと思いますけれども、第1部については、このほかに消費や流通についてもお話を伺いたいということでございまして、事務局のほうからも先ほどの資料3のほうでご説明があったところでございますし、また西本委員のほうからも選果場の実情というか、そういったお話もございました。
    このあたりにつきましてご意見等ございますでしょうか。
    鈴木委員、お願いします。
  • 鈴木委員
    すみません、日園連の鈴木と言います。
    前回、第1回の部会には出席できませんで、大変申しわけないと思ってございます。また、今回初めてお目にかかる方もいらっしゃいますけれども、改めましてよろしくお願いをいたします。
    果実のほうの加工・流通の分野についての課題ということですけれども、その前に、前回の部会のときの議論と重なる点があろうかと思いますけれども、若干意見を申し上げたいと思います。
    現状の果樹農業にとって生産者の高齢化と後継者不足で産地が維持できない、生産が年々減少していることが私も一番大きな課題であるという認識をいたしてございますけれども、これに対して新規就農者や法人経営に対する就農支援、これも非常に重要ではありますけれども、農家の跡取りである後継者に家業を継いでもらう。それによって地域社会ですとか、果樹産業をいかに維持していくかということにももっと目を向けなければいけないんではないかと思っております。
    農家の後継者がなぜ家業を継がずに違う職業についているのかというと、果樹農業自体が、先ほどの気象災害を含めて非常にリスクが大きく、収入の見通しがつきづらいということだというふうに思います。確かに、ここ4~5年は果実の価格も安定してございますけれども、それ以前は価格下落を引き起こすような事態も発生してございますので、後継者が家業を継ぐことに二の足を踏んでいたというのが実態だと思います。
    その意味で販売価格、これを毎年継続的にいかに安定させるかというのが一番大きな課題ではなかろうかというふうに思っておるところでございます。
    それで、加工のほうの問題ですけれども、先ほどご説明いただいたとおり、確かに加工原料向け果実、かなり減少しております。ちょっと調べてみますと、昭和54年にはみかんの果汁向け、今まで一番多かった年なんですけれども、果汁向けの原料100万tという記録が残ってございます。現状では生産量自体が70万tそこそこ。果汁原料向けは3~4万t程度というのが実態です。
    もちろん、輸入のオレンジ果汁が増加しているわけですけれども、生食用に適さない下位等級品であるですとか、需給調整の手段として加工用に回すというような今までの考え方では、生食用の市場価格が安定してくると加工仕向けというのは減少せざるを得ないというのが実態だろうというふうに思っています。
    もちろん、加工専用園という考え方はあるんですけれども、現状の原料価格では農家経営が成り立たないということだろうというふうに思っております。
    もう一つの論点でありましたワイン原料の問題なんですけれども、ワイン原料、その点、生食用ぶどうと品種が違いますんで、加工専用園ということにワインの場合にはなります。国産ワインのブームに乗って原料が不足している状況にございまして、少しずつは増加していますけれども、なかなか一気にはふえないといったのが実情だろうというふうに思っています。
    生食用に比べて手もかかりませんので、大きな面積を経営できれば、現状の原料価格でも十分経営が成り立つというふうに思うわけですけれども、農家にしてみれば、このワインブームがいつまで続くのかという不安がございまして、野菜と違いまして永年作物でございますので、植えたら10年、20年続ける必要がございますし、1年に1回しか収穫できませんので、このブームがいつまで続くのかというのが心配になるところでおります。
    また、過去にもこういう例があったんですけれども、ワインメーカーが原料として引き取ってくれなかったという場合がございまして、その場合には、もう行き場がなくなるわけでして、ワイン専用種ですので生食用に回すというわけにはなかなかいきませんので、収入が全くなくなるわけでして、農家経営としてこのワイン専用原料、ワイン原料というのを経営の主体という形にふやしていくのはなかなか不安があるところだろうというふうに思います。
    もう一つ、流通についてということなんですけれども、いろいろ流通のところも課題がございました。出荷規格の問題ですとかプラスチックコンテナ、通い容器だとか、いろいろあったんですけれども、まず出荷規格に関しましては、かなり以前は都道府県の条例がありまして、規格というのは決まっておりました。現状では全くそういった条例はございませんし、各生産者、出荷者がそれぞれ自分の好きな規格で出荷していいというような状況なんですけれども、ただ、果実というのは品質によっての価格差というのがどうしても出てきますので、それに合わせて流通の実態といいますか、例えば果専店で販売されるもの、あるいはスーパー等で販売されるもの、また安売り店で主体に販売されるもの、こういったものをいかに区分して出荷して、生産されたものを、全体をいかに全量販売していくかということを主体に考えて、ある程度つくられた規格だというふうに思っています。
    そういった意味では、生産者、出荷者だけの問題ではなくて、流通業者ともかなり綿密な打ち合わせをしないと、出荷規格というのは変更していくのはなかなか難しいんだろうなというところを感じておるところです。
    また、プラスチックコンテナ、通い容器、確かにこういった問題はあるんですけれども、出荷容器というのには流通容器と最終的に消費者まで届く小売容器というのがあるというふうに思っていまして、果実の場合には化粧箱等も含めて、この両方を兼ね備えているというものがかなり多いというような状況でして、プラスチックコンテナの使用というものに関しては、品目別の問題ですとか、あるいは流通の実態に合わせて考えていく必要があるんだろうなというふうに思っています。
    ただ、世の中の情勢からいって、なるべく手がかからない、労働集約的な出荷の方法というのを今後も考えていかなければいけないのかなというふうには思います。
    また、トラックの問題でございますけれども、果実は地産地消もありますけれども、長距離輸送が非常に多いので、トラック等輸送手段の確保が厳しくなっているのが課題だろうというふうに思っていまして、そのためレンタルパレットの導入で流通の効率化というのを望む声もかなり上がっているんですけれども、この辺も出荷者側のコストの負担というのが非常に大きくなるという問題があろうかと思います。例えば、パレットに合わせた段ボールサイズの見直し等も必要になりますし、それに合わせた選果機のラインの導入というのも必要になってきますので、この辺も含めて出荷規格の見直しとあわせた検討が必要なのかなというふうには思っております。
    私ども日園連という立場でいろいろ日々仕事をしている中でいろいろ感じている点を簡単に順番に申し上げたわけですけれども、そのようなことをふだんから感じているというようなところです。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    鈴木委員からは、後半部分は流通についてお話があったところですが、流通の部分についてはいかがでしょうか。
    では、稲住委員お願いします。
  • 稲住委員
    今流通のお話、日園連さんから聞いた中で、レンタルパレットを使ってトラック輸送といったことで運送業者さんになっていくのかなというふうにお聞きしましたら、実際は今折り畳みコンテナとかは空気をたくさん運ばなあかんから、段ボールでできる限り積んでいくというふうな流通が運賃も安いし、トラックの回転率もいいんで、そのほうがいいだろうというお話を聞きました。
    ただ、今後ある大型選果場が今もパレット流通をしているんですけれども、段ボールの様式を今みかんの場合基本10kgなんですけれども、それを8kg仕様にするとか、いろいろうわさがあります。その辺、これはJAで方針をとっていくか、日園連さんでとっていくのかわかりませんけれども、どこかでそういう、今後こういうふうにしましょうね、こういう規格にしましょうねということの方向性をとってもらわないと、なかなか現実的にその方向には変わっていかないと思うんです。そういう方向性をとって、例えばパレタイザーを導入する。それに対して助成をいただくとか、それをしていかないと、各県まちまちで、まちまちの商品をつくって、段ボールもすごい容器の数がたくさん今現実にあるんで、それをある程度、例えばレギュラー品についてはこういう規格でいきましょうねという全国的な申し合わせというんですか、そんな方向性を誰かが旗揚げ─誰かがってちょっと言い方は悪いんですが、していただきたいなというふうに思います。
    それと前後しますが、さきにおっしゃられた出荷規格のほうなんですが、これは先ほどの西本会長の資料の中にもありましたように、選果機のラインがずっと見通せるほどすごく長くて、取り口がすごく多いんです。それをそのサイズに、規格に全部合わせて落としていかないと駄目なんで、もう少し流通関係と─まあ、自分らも話はしているんですけれども、できる限り合理化した出荷形態というんですか、をとっていかないと、何十種類という箱を用意しないと、段ボールが要りますんで、そこらも協議した中で、全体、全国的にこんな方向でいきましょうという大きな指針を立てていただければなというふうには思うんですが。
    以上です。
  • 上岡部会長
    西本委員、お願いします。
  • 西本委員
    今お二人から意見があったわけなんですけれども、今までみかんなんかも、特に果物も過剰の時代で、産地が少しでも高く売りたいがためにいろいろな仕分けをしてラインも長くなっちゃったと。それが減少の時代になってきたと。おまけに、輸送、物流も、それから流通関係も形態が物すごく違ってきたと。ですから、逆に私が心配するのは、自分らの都合主義で、あまり主張を通していけば、物流関係からも嫌われ、また流通関係からも、ある意味では本来の対応ではないんじゃないかと。ですから、例えば等階級をつくっても、一パレットもできないような規格のやつをつくって、ではどう送るんぞと。
    流通関係は、例えばSのみかんが1,000ケース欲しいと。けど、優・秀・良で全部分けているから、1つのランクでは300ケースしかないと。流通の要望にも合っていないと。
    ですから、その辺は日園連さんあたりもひとつリーダーシップを持って、流通業者、物流業者、産地と。早くやらないと、また選果機を何億という投資をしてしまうと、それは皆さん、生産者の負担になってしまうと。
    ですから、僕は過剰から減少の時代に転換したんだから、その発想を切りかえないと無駄な投資になってしまうというふうに思っておりますので、そういう問題は喫緊に対応する必要があるんじゃないかなということで危機感を持っております。
  • 鈴木委員
    実は全国標準規格というのがまだ若干残ってはいるんですけれども、これ農水省さん、当時、果樹花き課という時代に主導になってつくっていただいた規格なんです。
    今これ使っているところはほとんどなくて、実はこれは秀・優・良の3等級しかありません、これには。りんごもみかんも全てそうなんですけれども。それをさっき西本委員がおっしゃるように、産地なり小売屋さんのほうとの相談の中で別の等級をつくるような形でだんだん広がっていったというのが実態です。
    全国でもって合わせて考えるということになると、この標準規格に戻すのかなということしかないと思うんですけれども。そういうことをいかに全国の産地が一緒になってできるかということなんだろうと思います。それは各県の産地ともいろいろ相談しながらやらなきゃいけないところだと思いますので。
  • 西本委員
    よろしくお願いします。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。今規格の部分と流通のパレットでのトラック輸送ということもありましたけれども、事務局のほうからこのあたりいかがでしょうか。
  • 佐藤課長
    まさに西本委員がおっしゃっていたように、あるいは鈴木委員のおっしゃっていたように、もともとは3つぐらいしかなかった規格を差別化して、どんどん産地側が細分化していった。それは当然流通サイドのニーズを反映させてということだと思うんですけれども、やっぱり状況が変わってきているということなんだと思うんです。過剰から不足基調になっているわけですので、そこまで簡素にしなきゃ、そこまで細かくしなきゃいけないかというのは、やっぱり売る側とか運ぶ側も思っているということだと思うんです。
    だから、そこはまた原点に立ち返るわけじゃないですけれども、産地側と、それから小売、あるいは物流も含めて少し話し合うということが必要で、その上で誰が音頭を取るのかというのはあると思うんですけれども、やはりみんなが心を一つにしてそっちの方向を向かなきゃいけないということだと強く思いました。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    まず第1部は、もう一つ、やはり消費の部分にもかかわってきますので、消費、あるいは加工の部分についてもう少しご意見をいただきたいかなと思いますが、中村委員お願いします。
  • 中村委員
    消費の立場からお話しさせていただきます。
    今日のご議論を聞いていて、生産の問題と消費の問題というのはやはりつながっているなと思いました。高齢化が進んでいて若い担い手の不足というところが生産でも大きな問題であるという話が出ましたが、同様に先ほど資料3の1ページでご説明いただきましたように、20代では生鮮食品の消費が減っていて、カットフルーツが多くなっているという若者の消費離れが問題になっています。
    20代、若い世代が果物を食べないという問題については前回も出させていただきましたが、今回も、これから説明があるのかどうかわからないですけれども、事前に送っていただいた09の参考資料2、夏に実施していただいた「野菜やくだものの外観や販売方法に関する意向調査」を拝見して、危機感を持ちました。
    これは、先ほど少しご説明がありましたように、20代以上の、野菜を週1回以上、かつ、果物を月1回以上購入している方を対象としている、もともと野菜・果物を購入している方を対象としている調査です。
    そういった野菜・果物を購入している方を対象とした調査ですが、どのぐらいの頻度で購入しているかという資料が24ページにありまして、2番の「くだもの」の「(1)日頃、くだものを購入する頻度」というところ、「月1回程度」から「月6回以上」の4区分に尋ねているところですが、20代は「月1回程度」が40%ちょっとで一番多くて、30代になると「月1回」は30%、50代だと「月1回」は16%。年齢の高い方では、皆さんもっと買っていらっしゃる。でも、20代は野菜・果物を生鮮食品として買っている方でも半分は月1回しか買っていない。これは、ほとんど食べていないという状況だと思います。
    前回もお話ししましたように、やはり食育が大事だと思っています、一番効果的な食育というのは学校教育だと思います。
    他省庁との連携ですと、過去に農林水産省と厚生労働省で「食事バランスガイド」を出されていまして、そこにはしっかり果物が入っている。それは非常にいい連携だなと思っていましたが、さらに学校教育を管轄する文部科学省と連携をとられていくと良いと思います。消費のことだけではなくて、健康のこと、医と食と農はそれぞれ密接につながっていると思いますので、子供の時代にしっかり食べること、それが体にいいこと、自分たちが食べられるのは、農業の基盤があってこそ、というところの教育を何かうまく取り入れていけると良いなと。直接的には私の立場からは消費や健康になりますが、未来の農業の担い手という面でも、農業の魅力というのを子どもの頃から実感できると良いのかなと思います。10年、20年、成果が出るには時間がかかるかと思いますが、そういったことまで考えて進めていけるといいのではないかなというふうに感じました。
    以上です。
  • 上岡部会長
    ありがとうございます。私も中村委員と全く同じふうに思っていますし、学校教育の中では、いつも申し上げるんですが、学校給食で子供はそれを自分で選べないので、大人が何を食べさせてあげて、何をそこで伝えていくかということがすごく大事ではないかなと私も思っております。ありがとうございます。
    ほかにはいかがでしょうか。
    柚木委員、お願いいたします。
  • 柚木委員
    すみません、遅れてまいりまして申しわけありませんでした。
    何点かあるんですけれども、1つは加工の関係です。法人化した経営とか、また家族農業経営でも、ただ栽培をして出荷するだけではなくて、自ら加工品をつくってやっていく。また、それによって経営の安定を図っているという経営体も大分ふえてきています。農協サイドでやる加工施設もあろうかと思いますけれども、個人の経営体としての小さな加工施設なんかも推進を図っていくことが必要じゃないかなというふうに思っています。
    その場合に、できるだけとれたものを長期に貯蔵する技術もあわせて普及推進を図っていくことが全体的として、周年的な取り組みにも結びつくのではないかというふうに思っています。
    2点目は、先ほどお話のあった品質の関係について、西本委員もおっしゃったように、これまでは過剰の時代ですから、外観的な評価でずっと来ていたというのが事実だというふうに思います。そこでどう差別化を図るかというので選果機もいろいろなものができたんだというふうに思っていますが、今はどちらかというと味の問題とか、それから最近ですと機能食品といいますか、機能性の成分をどう見ていくのかというようなことも健康志向の中では重視をされてきています。果実の消費の推進を図っていくという観点で、「うちでできたこの果実はこういう成分ですよ」、「健康にはこういう点でいいんですよ」みたいな機能性の面をアピールできるようなことが何か考えられないのかなというふうに思っています。
    3点目は、現在の指針の中にはあまり出てきていないんですが、政府を挙げて観光立国を目指すなかで、観光農業や観光果樹園の取組をどのように進めるかということです。
    果樹園に人が来ていただけるような、そういう形での需要の促進について、これは地域性がありますので、全国津々浦々同じようなことができるということではありませんが観光農園、観光果樹園をベースにした、果樹の加工・販売とか、新商品の開発や売り先の拡大という観点も重要ではないか。また、外国人の方が日本に来て、果樹園でもぎ取りを体験することは、果実の輸出にも結びついていくと思います。次の果樹振興基本方針の中には観光果樹園等の取組についても少し掘り下げて言及する必要があるというふうに考えております。
    以上です。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。柚木委員からは観光果樹園のことと、それから加工についてもお話がありましたが、麻生委員、加工の面で何かございましたらご意見いただけますでしょうか。
  • 麻生委員
    ちょっと資料といいましょうか、見ていただいたほうがわかりやすいと思いましたので、ばらばらとお目通しいただけると。5部しかないので、適当にパラ見していただければと思うんですけれども。申しわけありません。すみません、ちょっと資料不足かと思うんですけれども。
    カフェ、ケーキカフェなんですけれども、手前どもが使わせていただくフルーツに関してなんですけれども、選定といいますか、チョイスする、フルーツをチョイスする基準といいますか、それをお伝えしたいなと思います。
    まず、言わずもがななんですけれども、1点目はお味がいいということ。
    2点目は、そのフルーツに希少性があるかということです。その希少性というのは、お客様が今まで味わったことがない、もしくはご存じないというフルーツをどんどん紹介していきたいという思いがうちのカフェにはございます。その点で希少性というところも重要視しております。
    3点目なんですけれども、果樹園さんの生産方法、栽培方法に何かしらこだわりがあるフルーツというのを選ばせていただいています。例えばで言いますと、海の近くの園地さんでございましたら、貝殻を肥料に使っているとか、あとワイナリーの近くの果樹園さんでしたら、ワイナリーで余ったぶどうの皮を肥料に使っているというこだわり、もしくは一時はやりましたけれども、ぶどうを育てる際にモーツァルトの音楽を聴かせて育てている。これは、こだわりがあるということは、何かしら意味があってやっていることだとも思いますし、今お客様が味の体験だけではなくて、話題性とか、そういうことを知って楽しむというカフェの使い方もすごく高まっているなと思いまして、生産方法のこだわり、それも同時にお客様に伝えていきたいなというふうに思って選ばせていただいています。
    4点目なんですけれども、もちろんなんですけれども、商売でありますのでコストメリットがあるということです。
    こちらは、先ほど規格の話が出ておりましたけれども、やはりB品であるとか、もしくは規格外のフルーツの取り扱いもどんどんしていきたいなというふうに思っていますし、そういう取り組みができるところがあると、お互いウイン・ウインの関係になれるところがあると非常にいいなと思って、コストメリットのあるフルーツ、それも使わせていただいております。
    あと5点目なんですけれども、特に県です。県などの協力体制があるフルーツというのも選ばせていただいています。その県が新しく開発しました。もしくは押しています。要はそのフルーツの露出が多い。今これを売りに出しています。その露出が多いものを一緒に、例えば九州のほうでそういうことが起こったら、こちらの東京のほうで、今何か九州のどこどこでこういうフルーツができたんですよ、新しい品種なんですよということでご紹介を兼ねてやらせていただいているんですけれども、それがすごく感じるのは、そういうことに熱心な県の方とそうじゃない県の方が、同じいろいろなフルーツをつくっているんですけれども、非常に差があるなというふうに感じております。
    具体的に言ってしまいますと、一番熱心なのは福岡だなというふうに感じています。あと和歌山県さん、あと新潟県さん。これはちょっと言っていいのかどうかわからないですけれども、いろいろお話しさせていただくと、そこの県の方は非常に熱心だなというふうに感じております。
    あと6点目、これも先ほどから話題に出ていたと思うんですけれども、やはり物流がしっかりしているというところです。ケーキのメニューは決まっているので、そのフルーツが届かないと、うちは本当にどうにもならないので。ただし、お店の厨房って限られているんです。先ほどもお話出たかと思うんですけれども、いろいろなフルーツが、例えば、おみかん1つとっても、いちご1つとっても、今いろいろな箱で届いているんです。そうなると、積み上げるのが大変なんです。それがいろいろな果物の種類によっても、1つの品種によってもパッキングが違ってきちゃう。もう本当に1つのフルーツを取り出すのに、お店は大変です。限られた広さの中でやっている。
    そういう意味で、先ほど話に出ていました統一のパッキングですか、統一のお箱にするというのは、私としては非常にありがたいなというふうに、うれしいなというふうに感じました、そちらの動きになることが。
    あともう一つ言ってしまいますと、規格の話です。今皆さんにちょっと見ていただいている資料なんですけれども、そういうフルーツケーキをつくっていますので、本当でしたら規格がはっきりしているもののほうが使いやすいです。カットもしやすいし、うちは全国で36店舗展開しているんですけれども、どこのお店へ行っても同じようなケーキが展開できるということでは規格がはっきりしているというのはありがたいです。ただ、この6種、7種、7規格ぐらい細分化しているというのは全く必要ないです、現場で言わせていただければ。大・中・小で本当にいいなというふうに、大きさで言ったらです。大・中・小で本当にいいなというふうに思っています。
    あと、これは個人的な感想といいますか、最近感じたことなんですけれども、これは愛媛県のある農園さんから、私、しょっちゅう通販で果物を買わせていただいているんですけれども、みかんです。みかんのお箱に、この前、かきが入って送られてきました。何ら違和感なかったんです。みきゃんちゃんの顔が載っているお箱だったんですけれども。
    本当今までだったら、みかんはみかん、かきはかき、りんごはりんごというお箱だったと思うんですけれども、時代性鑑みて、過剰包装もそうですし、お客様も本当に余分なものはもう要らないというふうに思っている時代かなというふうに感じていますので、私が言う話でもないとは思うのですが、このタイミングといいますか、今後はそういうパッキングの仕方含めて梱包をいろいろ見直せるタイミングじゃないのかなというふうに感じました。
    つらつら述べさせていただきましたけれども、以上でございます。ありがとうございました。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    今ちょうど60分になったんですけれども、中村委員とそれから柚木委員、麻生委員のほうからいろいろと消費の面で、食育の面でもそうですし、品質や機能性成分ということも柚木委員からもありました。また観光ということもありましたけれども、麻生委員のほうからも規格から流通まで幅広いご意見をいただいたんですけれども、ここで10分くらい休憩を入れさせていただきまして、3人の委員の皆様からいただいたご意見に対して事務局のほうから、休憩を挟んでから、またお話しいただきたいと思っておりますので、4時25分にまた再開をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

午後4時15分 休憩
午後4時29分 再開

  • 上岡部会長
    すみません、それでは時間となりましたので、審議を再開したいと思います。
    先ほど第1部のほうの終わりに中村委員、柚木委員、麻生委員のほうから貴重なご意見を賜りましたので、事務局のほうからこれにつきましてコメントをお願いいたします。
  • 佐藤課長
    中村委員、それから上岡座長からも、食と農と、それから健康というのが1つのつながりになっているということで、教育の部分でも力を入れなきゃいけないというお話をいただきました。
    そういった意味では、我々は文科省との間で、昔は学校給食の関係で結構つながりがあったんですけれども、最近、その点がちょっと薄れているなということで改めて反省した次第でございます。
    それから、柚木委員からいただいたお話の中では、特に観光農園の位置づけということでお話を伺いましたけれども、よく考えてみれば、果樹農業の一般的に一番労力がかかるのは収穫の部分ですので、そこの部分がお客さんにやってもらえるということであれば、確かに立地条件ということで都市部に近いところということが必要になってくるのかもしれませんけれども、このあり方というのは1つ考えていく必要があるだろうというふうに思ったところでございます。
    それから、麻生委員からの大変すばらしい資料も拝見をさせていただきましたけれども、この中で明らかになってきたことは、私も昔、果樹を担当していた時代があるんですけれども、そのときは加工品というとジュースと缶詰ぐらいしかなかったんですけれども、今やいろいろな形の加工品が出ているというところを改めて認識をいたしたところでございます。
    その中でも、規格に関しては大・中・小でいいというようなお話ですとか、箱にもこだわらないというようなお話があって、流通の面も昔と違って画一化じゃなくて多様になってきているんだけれども、その中で実需といいますか、の方々の意見というのも変わってきているんだろうというふうに感じた次第でございます。
    以上でございます。
  • 西本委員
    すみません、1点お願いしたいんですけれども、特に僕は加工関係で大変心配しておりますのは、1点は減少の時代が続いて大規模な加工工場が経営が成り立たなくなってくるんではないか。そうなると、特にTPPあたりでやはり輸入果実に制圧をされて、日本の果樹産業そのものが本当に先行きどうなのかという懸念をしております。
    そういうことで老齢化も進むわけですので、今まではおいしい果実への品種改良が主だったんですけれども、逆に言いますと、耐病性に強い、手もぎでもげる、いわゆるローコストで対応できる高齢者向けの品種あたりも栽培をしていけばおもしろい時代になるんではないかと。
    ですから、加工問題もある意味では、産業を守るという意味では大事にしないといかんのかなというふうに思っておりますので、品種改良等を含めてお願いをしたいと思います。
  • 上岡部会長
    何かございますか。
  • 佐藤課長
    今、西本委員おっしゃるように、大規模な果汁工場、あるいは缶詰工場というのがあるわけですけれども、なかなか原料が集まらないというのは資料の中にもあったところであります。そういったところへの対応という意味でも加工専用園とか加工専用品種とか、そういったところをしっかりやっていく。それが少数の生産者になったとしても、産地の規模を維持していくという意味では重要なんだというふうに感じておるところでございます。
  • 上岡部会長
    それでは。
  • 高田研究専門官
    すみません、研究専門官の高田と申します。少しだけ品種とかのところで補足をさせていただきます。
    昔から果樹の品種、かなり生食用に重点を置いた育種をされてきていまして、それは消費の中心が生食用だったということがあるんですけれども、最近は皆さんおっしゃるとおり、いろいろな消費の形態が出てきて、カットフルーツ用であるとか、そういったところもかなりふえてきているということで、果樹の育種も時間がかかるものですから、すぐにというわけにはなかなかいかないんです。例えば、りんごでしたら褐変しにくいりんごであるとか、かんきつでしたら、カットフルーツにしたときに液垂れのしにくい品種であるとかというものも出てきているところなので、育種をそんな感じで頑張っていきたいと思っております。
    あとそういう点では、加工用専用品種なんかも、そういうニーズが出てくれば、それに合わせてやっていく必要があるかというふうに考えているところでございます。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    それでは、第2部のほうに移りたいと思うんですけれども、第2部の意見交換といたしましては、前半部分では取り上げてこなかった労働生産性の部分ですとか後継者、新規就農の部分ですとか、それと前半で取り上げた加工・流通・自然災害・消費の部分に至るまで幅広くまだ議論されていない。あとは輸出についてもご意見いただけましたらと思いますけれども、ご自由にご意見をいただきたいと思うのですが、まだ第1部でご発言いただいていない委員の皆様もおられますので、まずは前山委員いかがでしょうか。全般を通してで結構でございますので。
  • 前山委員
    すみません、さっき発言できなかったので、さっきの件についてちょっとお話をさせていただきたいと思います。
    自然災害については、私自身もどうしても来るものだからしようがないというふうに思っていたんですけれども、事前の備えというのが大事になってくるんだなというのを感じております。
    佐賀も今までは台風が中心の災害だったんですけれども、今年は台風で潮風害、塩害が出て、みかんなどでは落葉とかも発生をしているところです。そういう年もあるという中でどうやって備えていくかというのは、個人じゃなくて地域とか全体で考えていくべきことなのかなというふうに思っております。
    気候変動のほうは、資料にもあったんですけれども、日焼けだったりとか、みかんのほうは浮皮とか、減酸が非常に早くなっていて貯蔵性が低下しているということも問題になっております。
    なしのほうでは眠り症とか。ぶどうでは、先ほどお話にもあったんですけれども、着色不良というのが非常に問題になっていまして、環状剥皮という着色促進するやり方があるんですけれども、それをすると、今度は虫害が多くなってくるという課題もあります。一長一短ある中でどういうふうに対策をとっていくかというのは、やっぱり状況を見ながら対応するしかないのかなと思っているところです。
    虫に関してなんですけれども、今までもあっていたんですけれども、ここ数年で発生頻度が多くなってきているなというふうに感じております。それから、ナシとかで発生する急性枯死症という以前からみられていたような症状も、どういう条件で発生するのかというのがまだはっきりわかっていないというところがありまして、そういうところがわからないと対策もとれないということがあります。今後も温暖化とか進んでいく中で、そういう病害虫の発生の仕方も変わってくるだろうと思いますので、そういった対策のほうもお願いをしたいなと、原因究明なり対策のほうをお願いしたいなというふうに思っております。
    あと鳥獣害なんですけれども、佐賀は一番被害金額が大きいのはイノシシで、次いでカラスと中型ほ乳類、猿というふうになっています。電気柵だったりワイヤーメッシュだったりで対策はとられているんですけれども、どうしても設置の方法もあったりとか、その後の管理というところでも突破をされてしまう部分が出てきています。
    彼らも必死なので、どうやっても入ってこようとするので、対策と侵入がイタチごっこになっているような部分もあります。
    個体数管理というところもあったんですけれども、猟友会の方も高齢化されているという中で、捕獲後の処理も大変ということで話を聞いております。労力がかなりかかっていると。
    ジビエへの利用という部分についても、持っていくまでの時間だったりとかいろいろ条件があってなかなか厳しいという中で、そういう加工施設も運営が赤字になっているというような現状もありますので、ここは本当に今後どうやって対策をしていくかというのは全体を見ながら全体で考えていく必要があるのかなというふうに思っております。
    今、担い手の方が高齢化をしていって園地が虫食い的に荒れていったりすると、そういうところがイノシシの隠れ家になってしまって、山だけじゃなくて大分下のほうでも出てくるようになってきてしまっているので、そういったところも考えながら荒らさない対策というのも必要ですし、山と人がいるところの境がなくなってしまっているというところも昔と違ってきているところだと思うので、自然災害も獣害対策もそうですけれども、個人で対策をとるだけじゃなくて地域として考えていく必要があるのかなというふうに思っております。
    以上です。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    徳田委員、いかがでしょうか。
  • 徳田委員
    そうしましたら、何点か申し上げたいと思います。
    最初に、前半の議論にかかわる部分について何点か申し上げます。
    今までの意見とは別の観点というか、場合によってはちゃぶ台返し的な意見にもなるんですけれども。
    まず、加工について2点申し上げたいと思います。
    まず、加工に関して、よく若い人が加工品を食べているんで、若い人のため、向けという対策の中で加工ということを言われますが、現実に、このアンケート、全体の果実消費量、果実製品の消費金額の中での割合をとると、確かに若い人のほうが加工品の比率は高いです。しかし、家計調査を最近調べてまとめてみているんですけれども、そうすると、家計調査の場合は、あくまでも世帯主年齢の区分しか公表されておりませんので、あくまでも世帯主年齢になりますが、世帯主年齢で見ると、加工品の消費金額を見ると、むしろ高齢者のほうが多い。つまり、全体の果実消費金額が高齢者のほうが多いので、比率としては少なくても実は加工品の消費金額、絶対額で見ると、実は高齢者のほうがむしろ多いという傾向が今出てきているということで、しかも、高齢者のほうが加工品の消費金額も増加というか、変化率としては若い人たちより高いということを考えると、単に若い人ということではないということが視点として必要ではないかと思います。
    しかも、恐らく国内の果実に関しては国産品の加工って、現実的に経営的なことを考えると、なかなか安価な─野菜に関して見ると、よく野菜については、どうせ輸入が相当加工に入っているので、それをいかに取り返すかということで、まさにダイレクトに競争を挑んでいますが、恐らく果実の場合はそういうわけにはいかないだろうと。まさかオレンジジュースと競争してみかんジュースというのは多分現実性はないとすると、ある程度高級品ということを考えると、必ずしも若い人がターゲットということだけにはなり得ないというか、恐らく特に成功している、特に六次産業等で成功しているところというのはそれなりの高い価格で売られていると思いますが、恐らくお客さんはやはり高齢者ということを考えると、そこは単に若い人ということだけじゃない視点が必要なんじゃないのかなというふうに思います。
    それに対して、加工について2点目なんですけれども、これはある程度ビジネスモデルも含めて考えていかないと、加工って一言で言っても多様な形態がございます。先ほど西本委員からも言われましたけれども、農協等により大型の加工施設で行われているようなものと六次産業化で行われているようなものがそれぞれあって、大分中身違いますし、正直言って、いわゆる加工で─まあ、六次産業化ですが、加工で成功した優良事例って、残念ながら、農協のものはほとんどないんじゃないのかな。むしろ、いわゆる法人経営でやられている人たちがうまくマーケティングなり、あるいは商品開発しながらという部分だと思います。
    ここはなかなかどうしても農協が、いわゆる従来卸を主体に、形で売っている中で、六次産業というのはなかなか難しい面があるのかなという気はしております。そこはビジネスモデルをあわせて考えていくということが大切なんじゃないのかなというふうに思っております。
    あと流通に関してなんですけれども、これも規格の問題と、あと輸送の包装形態の話ございましたけれども、これ正直言って懐かしく聞かせていただいたと言うと大変に何か冷たい目はあるんですけれども、20年くらい前に野菜において野菜の輸入急増対策の中でコスト削減等で結構この話ございまして、当時、私これにかかわるようないろいろな調査事業等に実はかかわっていたんで、そのときのことを実は思い出したんですけれども、規格に、果実のほうは私もよくわかっていないんですけれども、野菜に関しては標準規格を廃止するということを農林省はやりました。それは簡素化する上では、むしろなくしたほうが進むだろうという判断が当時はございました。その総括がどうなっているか、私はよく知りませんが、やはり規格の役割がどこにあるのかというのをちゃんと合意していかないとなかなか進まないだろうと思います。そもそも規格とは何ぞやというところが、実はなかなか合意ができていないということがあるかと思います。
    つまり、規格というのは品質情報を示すものなのか、あるいはマーケティングという形で行うものなのかというところが実はちゃんと合意できていない中で行われているということは問題だと思っております。
    品質情報ということであれば、標準規格という形で進めることは可能ですけれども、マーケティングという形になってくると、なかなか全体統一というのは。少なくとも相当、今回量販店とか卸の委員さんがいらっしゃらないので、全体を含めての少なくとも合意というか、中で進めるということが必要になってくるのかなと思いますし、あと等級に関しては、みかんに関しては大体秀・優・良の3規格が多いと思いますが、これ私自身は、むしろ、ずっと3つで進んだということ自体は評価していいんじゃないのかな。
    というのは、糖度センサーが入って糖度規格基準をほぼ全部入れましたが、そのときに従来の外観による秀・優・良の3規格だったものが等級入れてもほぼ3規格のまま維持されたというのがほとんどの産地だと思います。一部、その上に、ごく少量の特選、特秀品というものが、本当に1%に満たないものを大体各産地入れましたけれども、それ以外は秀・優・良という形で維持されたということだと思っています。
    それは、先ほど鈴木委員も言われましたけれども、売り先、いわゆる果専店、量販、いわゆる安売り店に対応した規格ということで、産地によっては秀・優・良の比率そのものを実は売り先の比率にある程度合わせてやられているという実態がございます。糖度などに関しても、実際には全体の糖度の、生産物の割合に応じて一定実質的な選果を調整している─ちょっとこれ誤解を招くんで正確に言うと、例えば12度以上を秀としますといっても、12度以上が、その年できが非常によくて、それだけのものが果専店が受け入れないとすると、実際には12.1度ぐらいで選果して、本来秀品で入るものを実は落としているという対応をとられている産地も結構あるかと思います。要するに、そうしないと全体の値崩れがするということであれば、それはもう売り先に対応した分け方ということになってくるんで、そこはそういう実態をちゃんと理解してあげるということが必要かと思います。
    あと通いコンテナに関しても、やはりこれ20年ぐらい前に大分やられていて、そのときにいろいろな、先ほどいろいろな意見ございまして、そのときに出た意見がやっぱりあると思います。これは、いわゆる積載効率が落ちるということはそのとき言われたもので、それと実際のいろいろな出荷の作業の省力化のどちらがいいかというようなところも含めた議論だというふうに思いますので、そこはそういうことであると思います。
    実際に当時は通いコンテナをスーパーの店頭まで持っていこうという、そのことによって一貫パレのコンテナを使うということがあったんですが、結局、スーパーの店の棚の大きさとか、そういうのを新たにつくらなきゃいけない、いろいろな問題があって、最終的にはなかなかできていないということがありますけれども、そういうトータルのことが必要なんじゃないのかなというふうに思います。
    ちょっと長くなりますが、あと1つだけ。生産性に関しては、ここでよく省力樹形ということで出されておりますが、確かに1つの有力手段ということではございますけれども、基本的には、いかに省力化なり労働生産性を上げていくかということは、なるべく多様な形、特にかんきつ等に関しては省力樹形といっても、今のところ決め手になるものがあまりないので、より広い視野から検討していただけたらというふうに思います。
    いろいろなことを申し上げましたけれども、以上です。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    今までの前山委員と徳田委員について、事務局のほうからコメントございましたら、一旦お願いしたいと思います。
  • 佐藤課長
    前山委員からいただいたご意見の中で、災害への備えというのは地域全体で考えるべきというのは、まさにそのとおりだと思いますし、皆さん方も共通の認識だというふうに思っております。
    それと、温暖化への対応で、どういうふうに対応していけばよいのかというのがわかっていない部分というのは当然あると思っておりますけれども、今スマート農業で社会実装、それからデータ連携ということを打ち出している中では、例えば圃場、園地の気温ですとか、あらゆるデータを集約化していく中で随分わかってくることもあるんじゃないかなというふうに思っているところでございます。
    それと、徳田先生から、かつての野菜のご議論をいただいたときの経験も踏まえていろいろお話を伺いました。
    加工に関して言えば、確かにJA等が大規模に行っている加工と六次産業化ということで個々の法人などが行っているものというのは全く違うことでありますので、そこは確かに分けて考える必要があるんだろうというふうに思っております。
    それと消費形態、若い人のカットフルーツなんかを食べる率というのは高いけれども、絶対値としては高齢者のほうが多いということですけれども、まさにそのとおりだと思っており、加工形態、ジュースや缶詰だけじゃなくてカットフルーツというようなもの、これが全体としての消費を伸ばしていく、あるいは消費者のニーズへ応えていくという意味ではそういうこと、全体として捉える必要があるんだろうというふうに感じた次第であります。
    それから、省力樹形、確かにかんきつ、非常にこれという決め手がないというのは我々重々認識をしております。ただ、その中でもかんきつは急傾斜地に特に多いということがありますので、樹形だけではないのかもしれません。樹列を直線にして管理しやすくするというようなことも含めて省力化を図っていく方向というのを考えていく必要があるだろうというふうに考えております。
    以上です。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    それでは、ご発言いただいていない……ありますか。岩下委員、どうぞ。
  • 岩下委員
    加工品の中でワインのことなんですが、ワイン用の原料ぶどうの収穫量に関してなんですが、今我々が、団塊の世代が中心でぶどう栽培が進んでいるんですが、あと5年ぐらいすると、今ある手持ちの面積を確保できない。今我々がぶどう栽培をしているのに、ワイン用ぶどうで半分逃げているんです。生食用のぶどうを5反。例えば、例のお話なんですが、5反。残りの5反を醸造用に回して1町歩の作付面積を維持していると。
    これが75歳になると、醸造用ぶどうがふえていく。労力的に労力配分でいって75%ぐらいを醸造用ぶどうにして、手間のかかる生食用ぶどうを25%ぐらいにして1町歩を確保しておく。
    それ以降の年齢になると、今度は逆転します。面積そのものが維持ができないから、5反歩をつくりましょうといったときに、生食用ぶどうを4反、醸造用ぶどうを1反にしようと。そしてなおかつ、それでもって5反の耕作面積を確保しようという形になってきます。
    この数字が、このグラフがそれをよくあらわしていると思います。既にワイン用ぶどうが収穫量がふえていると書いてありますが、現実問題として非常に減っているんです。ですから、我々団塊世代が終えんを迎えるときには、ワイン用ぶどうがかなり枯渇するんではないかと、そんなふうに思っています。
    今ワイン用ぶどうを新たに植えた場合、未収益期間補償というのが5年ありますよね。5年だと、面積そのものの維持がまだちょっと大変なんで、これをもうちょっと延ばすような考え方をちょっとお願いしたいなと思います。そうすることによって、加工用のワイン用のぶどうが若い人が手をつけ始めても7年後ぐらいには生計ができるだろうというふうに考えます。
    確かに、面積そのものの維持自体が非常に難しくなってきているんで、生産者もそれぞれに、そのときそのときに合わせて逃げるような方策をとってはいるんですが、いかにせん、年齢には勝てず、面積そのものを維持することができなくなってくるんで、そういった方策が若い人向けに、新規就農者向けにもうちょっと長い期間必要になるんじゃないかなと思います。
    以上です。
  • 上岡部会長
    ありがとうございます。
    今の点についていかがでしょうか。
  • 佐藤課長
    ありがとうございました。確かにワイン用、国産醸造用ぶどう仕向け量の推移というグラフをお示ししましたけれども、これも全体を網羅的に把握できているかというと、実は疑問なところがありまして、おっしゃるように、実態としては減っている産地と、それから新しく手がける、ワイナリーができて広げていくというところ、新しくできている産地と両極になっているのかなと。昔からの産地の部分では、当然高齢化が進む中で縮む方向にあるのかなというふうに思っています。
    その中でも、一方で日本ワインの制度ができましたので、ワイナリーとしては原料をしっかり確保したいという思いもあるでしょうから、その中でしっかりと物がつくれる仕組み、それは年齢に応じたやり方というのもあるのかもしれませんけれども、一方で若い人にどうやって入ってきてもらうか。それによって新しい醸造用ぶどうの、あるいは生食用も含めて担い手がしっかりと面積を維持できるような、そういった仕掛けづくりというのを─まあ、補助事業なのかどうなのかも含めて考える必要があるんだろうなというふうに感じた次第でございます。
  • 上岡部会長
    ありがとうございます。
    木元委員、いかがでしょうか。
  • 木元委員
    すみません、私も果樹ではなく野菜と、しかも輸入が長かったので、私の意見が参考になるかどうかちょっとわからないんですけれども、いくつかお話しさせていただきたいと思います。
    まず、規格の多さに関しては、私は量販店さんと商談をして、それを直接産地というか、生産者のほうにつなげて、今はこれぐらいの感じのものが欲しいと言っているからこうしてくださいよという話を直接つないで、まあ、季節によって足りなくなるときとすごい余ってくるときがあるので、流動的に大きさを変えながら販売をするようにしています。あまりそうになったら、もうぎゅうぎゅうに詰めてって言って、お得感を出して販売する。なるべく価格は下げないように、年間を通じて一定同じ価格で販売できるように、それを直接栽培する会社さん─まあ、大規模菜園なので会社なんですけれども、そこの担当者の人と常に話して、量目の変更などをしながらやっています。
    果実のほうでは、市場外流通というのがどれぐらいあるか、私はわからないんですけれども、私のような役割をする人がちゃんとスーパーさんの量販店─私、量販店さんのことばっかり言って悪いんですけれども、ほぼほぼみんな買うところってスーパーだと思うんですけれども、スーパーはそれぞれ意向があるので、ヤオコーさんだったら、すごい小っちゃいパック、6パック入りが欲しいとか、大規模なところばかり持っているところだったら、そんなちょっとじゃなくて16パック入りにしてくださいとかそれぞれあるので、これを全部やるというわけにはいかないとも思うけれども、時々によってニーズが変わるので、それは直接産地なのか、ところと話を正確につなぐという役割をする人がいないんじゃないかなと思います。そこを定期的に話し合うのか、ちゃんとした情報、産地と売り場をつなぐという役割をする人が必要なんじゃないかなというふうに思っています。
    あと機能性に関してなんですけれども、三ヶ日みかんが機能性表示食品を取られているじゃないですか。せっかく取っているのに、全くPRしていないから激安で売っていて驚きました。これもPRのやり方が下手なんではないのかなと思います。
    野菜は全般的にそうなんですけれども、私は前、輸入のバナナ会社におりましたので、マーケティングというのはすごくやっておりまして、消費者のニーズは毎年1回調査しまして、それによって産地に、じゃ、小さいやつがいいからこういうパックにしようよとか、そういうのを毎回毎回考えてやっているんですけれども、しかもテレビCMなどもやりますし、野菜って全般的にそういうのがすごく少なくて、まあ、今ちょっとやってきているかもしれないですけれども、全般的にPRがやっていないというのが大きな問題かなと思います。
    あと若者も果物食べないと言いますけれども、食べている人は食べているし、食べていない人が多くなっているというんですけれども、これも野菜の機能性ですとかをPRすることによって、少しは底上げになるんじゃないかなと思います。今SNSとかもありますし、そういうのを利用したら、ちょっとは考えも変わってくれるんじゃないかなというのを思っています。そういう施策が1個もされていないことが大きな問題なのかなというふうに私は思っています。
    あと物流、通いコンテナなんですけれども、またバナナの話ばっかりして申しわけないんですけれども、バナナはフィリピンの産地からスーパーの店頭まで一括してコンテナで供給させていただいています。それはイフコという会社と─まあ、サンコーさんでもそうなんですけれども、いろいろな会社さんがそれぞれのコンテナ会社と。まあ、大量ですから、そういうふうな形でやっているんですけれども、フィリピンでできるんだから日本も絶対できると思います。できないことはないと思います。むしろ、それで統一して、例えばその間に入る仲卸さんがスーパーの要望に応えて小分けするなり、それぞれの対応をしていくことで販売は、コンテナを利用するということはできるんじゃないでしょうか。
    ただ1つ、最初のコンテナを導入したときはすごく大きな問題があって、市場にそれを出すと、個人でやっている八百屋さんとか激安のところあるじゃないですか。そこの人がそれを持っていっちゃって、それで売り場をつくるという。多分、そのコンテナを採用したのはバナナの会社が最初だと思うんですけれども、もういつもなくなって、でももう日本中の野菜の八百屋さんにコンテナは多分行き渡ったから、これからはなくなることはないんじゃないかというふうに聞いております。
    まだできることはたくさんあるので、できないできないじゃなくて、とりあえず少しの間、モデルケースとして少し取り組んでみて、それからちょっとずつやっていくのがいいんじゃないかなと思います。とにかく告知不足というのは否めないかなというふうに考えております。
    以上です。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    では、菊地委員お願いいたします。
  • 菊地委員
    ただいま木元さんが言いましたとおりに、包装資材、出荷資材については、市場出荷に対してはぜひともコンテナ出荷にしていったほうがいいのではないかと。地球に優しい農業をするためには、あまり段ボールは使わないほうがいいのかなと思っていますし、それすることによって生産者、果樹農家にとっても経費削減になるのかなと思っています。
    また、先ほど出ています自然災害なんですけれども、備えあれば憂いなしという言葉があるとおりに、災害が起きる前に防風ネットとか、そういう。ただ、この前の台風のように河川決壊して水害に遭ったということ、これは何とも仕方がありませんけれども、風に対しては防風ネットの敷設をやればかなり抑えられると思います。ただ、この間千葉に出た風速50m、あれはちょっと駄目だと思いますけれども、普通の台風は抑えられるのかなと思っています。
    先ほども出ました弘前というか、青森でとんでもないりんごが落下した台風があったときに、あれ以降、結構行政の力もおかりして防風ネットが出ていたという話は聞いたんですが、ただネットだけではもったいないということで、その次の年からはヤマブドウを植えたんです、ネットにはわせて。で、ネットからもとった、収穫したという経緯があったり、あとは栃木県の宇都宮周辺のなし産地。あそこは日光颪があって毎年のようにひょうが降るんだそうです。当然ひょうが降れば果実に傷がついて売り物にならないということで、今はほとんど防ひょうネットをもうとにかく張る、防ひょうネットをかけると。それをすることでひょうは防げるんだけれども、プラスアルファとして、ちょっと温度が高くなるんだそうです、ネットすることによって。収穫時期も早くなるし。風吹いても風にも強くなると。そういう傾向があるんで、我々みずからで対策をやらないと、災害になってからでは駄目なのかなと思っています。
    あと、私は苗木をつくっている立場として、先ほど出ましたワインぶどうなんですけれども、大体今、前にも言いましたけれども、10a当たり300~400本の植栽をします。すると、3年目で2tとれます。5年だと4tとれる計算で、今皆さんワイナリーとかワインぶどうを植えている人、垣根でやっていますけれども、そうすることによって採算が合うんだそうです。
    720mLのワインボトル、大体1.1kg、1kgか2~3kgで1本が出ると。そう計算すると、うちのワイナリーは何本醸造するんだというところからすれば面積ができるんだという話があったし、1回目のときにも言いましたとおりに、ワインぶどうって種なしでなくて結構なんで、ジベ処理やらなくていいんです。だから、すごく労力的にかからないということがあるんで。それも先ほど、1回目に載っていましたけれども、耕作放棄地解消には非常にいい手段なのかなと思っていますし、あと加工に関しても、最近ぶどうのワインはふえているのと同じく、りんごのシードル、シードルも結構伸びているんで、青森─青森というか、弘前にシードル専用の園地、いわゆる摘果もあまりしなくて、粒は小さくてもいいと。出荷するんでなくてシードルに搾るんで、労力が3分の1くらいで終わるシードル専用の園地をつくったりする傾向が今出ているんで、そういう意味では原料が足りないときはそういうやつでやれば、まだまだできるのかなと思っています。
    以上です。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    木元委員、菊地委員について事務局のほうからコメントありましたらお願いします。
  • 佐藤課長
    木元委員から伺ったお話の中で、やはり産地と売り場の情報を直接つなぐ存在というのが重要なんだろうと。それが売り方だったり、価格だったり、規格だったり、あらゆるところがそこにつながっているんだというふうに改めて認識をいたしました。
    それから、機能性のPRが下手というお話がございましたけれども、実は我々も非常に危惧しているところがあります。機能性の表示というのは包装の部分にできるわけですので、三ヶ日の段ボールにはちゃんと書いてあるんですけれども、あれを小袋に入れて売るときには表示できない、というような問題があって、それをきちんと表示して売れるようにするためには何が必要かというのを実は今年度の調査、予算をいただいて少し調べているところであります。そこで課題が見つかってくれば、こういったやり方をすれば、もっといいんじゃないかというのが言えるようになるのかなと思っております。そこは宿題だと思っております。
    それから、菊地委員からシードルも伸びておるというお話を伺いましたけれども、シードルこそ専用園地で、あるいは摘果したりんごを使って、また独特の味のあるシードルをつくってというような、ジュース、缶詰といった昔ながらの加工というのとまた違う局面が出てきていると思ってきております。
    それと、かんきつが同じようなことができるかというと、これはなかなか難しいところもまたあるのかもしれませんけれども、改めて加工の新しい動きというものを教えていただいたということだと思います。ありがとうございます。
  • 菊地委員
    今年の苗木の販売状況というか、傾向を見ますと、ぶどうのシャインマスカットももうピークを若干過ぎたと思います、苗木の販売的には。だから、もう大体植わるところ植わったのかなと。
    ワインもブームが続いたんですけれども、今年あたりがもう山かなと。来年から少しずつ、ちょっと減ってくるのかなという感じです。まあ、参考までに。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    残された時間はあと15分ほどございますけれども、自由にご発言いただけましたらと思います。
    では、稲住委員お願いします。
  • 稲住委員
    1点目が選果場の整備の件なんですけれども、前回、松本ハイランドへ行かせてもらったときに、選果場の整備は自己資金で全てやるんだということをお聞きしたんですけれども、きちんと理由は聞いていないんですが、目標ポイントに達しなかったということだと思うんです。こちらからの提案で、例えばAI機能をつけていく、将来的にはそういう選果機を投入していくというのが予測されるんで、そういう点で何かしら働きかけというんですか、やっていただいた中で選果機更新を各大型選果場に打診していくといった方向性をとっていただけたらなと思います。
    2点目は、農地保全にかかわることなんですけれども、西本委員からも説明ありました。災害対策、災害に遭った後の話ですけれども、災害対策として言われていましたように農道とか、そういう排水路、あるいは道、私らが中山間地補助制度を受けているんで、その辺のあり方を見直して総合的に、例えば西宇和地域はもう農地が固まっていますが、私らのところだったら山間地で点在しているんで、その辺は地域で、もうこの辺からは必ず保全しましょうという農地集約を含めて中山間地補助制度というんですか、そちらのほうのあり方というのも見直していただいて災害対策、あるいは農地保全に努めるというふうな考え方も必要じゃないかと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    ほかにはいかがでしょうか。
    岩下委員、お願いいたします。
  • 岩下委員
    新規就農者に園地を世話したりする場合、今農地の相続ということがうまくいっていないようなんで、宙に浮いた状態の、相続人がいないというふうな土地が、圃場が大分ありまして、1年間放っちゃうと、もう次の年からぶどうはできないというふうな状態になるんです。ですから、それを暫定的に何か、相続人がはっきりしない場合でも相続権利者だけの同意が得られれば借りる、利用権設定ができるような何か対策ができるかどうか。お願いいたします。
  • 上岡部会長
    今の稲住委員、それから岩下委員についてコメントをお願いします。
  • 佐藤課長
    選果場の選果機についてのお話がありましたけれども、これからは多分AIとか自動選果という流れにどの品目もなっていくんだと思います。そういうのは更新ということではなくて、高度化ということになってくると思いますので、あとはもとの話に戻っちゃいますけれども、やっぱり選果場でも人がいっぱいいないと回らないというのを、これをどうスリム化というか、自動化していくかというのは、これは課題だと思っておりますので、補助事業のあり方も含めての課題だというふうに認識しています。
    それから、中山間の圃場整備のあり方についても、これも1つよく考えなきゃいけないことだと思いますけれども、その前段として、もう山に返さなきゃいけないところはしっかりと返して、その上で残さなきゃいけないところがどこなのか、あるいはもうちょっと平らなところに張り出していって水田から転換するとか、作業性のいいところに園地を移していくというようなことも地域の中でしっかり話し合っていただくことを前提に後押ししていかなきゃいけないんだろうというふうに思っている次第であります。
    それと、未相続農地については中間管理機構を活用することで、まあ、知事の裁定という仕組みだったかと思うんですけれども、ちゃんと貸せるようになっておりますので、そこは農業委員会とか、そういったところにもお尋ねいただくと話は通ると思いますので、よろしくお願いします。
  • 柚木委員
    先ほどの未相続農地の関係でありますけれども、今ご説明があったとおりなんですけれども、知事裁定よりもより簡単にということで、農業委員会の探索と公示という手続をとれば、関係権利者が1人だけいらっしゃる場合などでも農業委員会が公示をして6ヶ月の間に特に申し出がなければ、それをもって中間管理機構のほうに利用権設定ができるような手続になっております。これまでは相続人の探索の範囲が相当厳しかったんですけれども、今回は配偶者と子供だけに限っていますので、探索の範囲も簡易になりました。新しい制度を使っった事例もかなりの件数が出てきています。
  • 上岡部会長
    ほかにはいかがでしょうか。
    佐藤委員、お願いします。
  • 佐藤委員
    未相続農地というのは、相続人が放棄していなくてというところですよね。相続人が全員放棄してしまっている農地は、その管理機構で使えるんですか。
  • 柚木委員
    できます。ただ、大体放棄はしていないはずなんです。いないんです。
  • 佐藤委員
    すみません、ここで話が完結しました。
    別なことで。
    新しい技術と、たくさんいろいろなのができてきていると思うんですけれども、ずっとさっきから話を聞いていて、その新技術だったりとか、視察研修だったりとか、そういうアンテナで情報を引っ張ってくるというのが家庭で言えば旦那さん。まあ、大体夫婦で農家やっていると思うんで、うちも法人とはいえ、社長が主人なんです。そうすると、新しい技術、スマート農業の情報って私が情報をキャッチするんではなくて主人がキャッチするんです。そこで、主人の目にかなうものは話をするけれども、自分の目にかなわないものは話をしない。でも、実際に一緒に農業をやっている私も同じようにその情報がキャッチできればいいというふうに思って、実は個人的に農協の福島の農協だと、もも部会、りんご部会、さくらんぼ部会とか、ぶどう部会とかいろいろな部会があるんですけれども、その部会に入りたいって言ったんです。その部会の部員になりたいって言ったんですけれども、農家の息子か農家の経営者じゃないと入れないというふうに言われて、勉強する機会を奪われてしまったんです。でも、そういう部会に入っていれば、例えば今回のりんごの高密植栽培の方法だってもっと前から聞いていたと思うし、そうすると、非農家出身の私からすると、効率よくたくさんとれて、労働時間も少なくなるというのは、多分一番最初にやりましょうって言ったと思うんです。遅れるんです、必ず。
    なので、そういう情報を、男女平等の世界になってきているので、農協のほうでも女性に部会に入る権利を与えてくれれば、もう喜んで入りたいなというふうに思っているんですが、地元の農協が来ていないので、全中の会長にでも今度直接言ってみたいなと思います。
    以上です。
  • 上岡部会長
    石岡委員、お願いします。
  • 石岡委員
    それは本当にあると思います。私は父が亡くなって、そのまま相続というか、ほぼ跡取りという形で農業を始めたんですけれども、もうやっぱり─まあ、津軽弁で言うと、おなごがスプレーヤー乗るんだがという感じだったんです、最初は。機械乗るのはやっぱお父さんの仕事、枝切るのはお父さんの仕事、草刈りもお父さんの仕事。お父さんがいなくなった女性、お母さんだけ残された方とか、普通に仕事はしているんです。ですけれども、やっぱり息子さん、まだ非農家の息子さんの名前の方が農協の組合員になっていたりとか、そのまま男性につなげていくというのが今の農家の状態で、そこで私はまだ後継者だから楽なんですけれども、そのまま代がわり、しようがなくて、そのまま父の場所に入ったんですけれども、本当にお嫁さんとか大変だなと思います。何でこんな虐げられているんだろうという点が本当に多くて。多分これ男性の方だと気づかないのが多いんだと思います。でも、発言されたのがすばらしいことだと。こういう場で言っていただかないと多分わからないところもありますし、皆さん生産者で地元の生産の地域で実際こう思われているお嫁さんだったり後継者の方がいっぱいいると思うんで。
  • 麻生委員
    すみません、これって本当なんですか。
  • 石岡委員
    はい。あっ、これでも議事録に書かないでください。
  • 稲住委員
    私はJAありだの柑橘部会の部会長をしていますが、うちの部会は女性の会員さんもいらっしゃいますし、また女性会というのがありまして、女性会でいろいろな市場へ行ったり、いろいろなおいしいものを食べに行って……
  • 佐藤委員
    いや、そんなおいしいもの食べなくていいから。勉強したいんです。
  • 稲住委員
    研修会もあります。剪定研修会とか、そんなんは、活動は頻繁にやっています。
    ちなみに、全中の会長はうちの和歌山県出身なので、よろしく伝えておきます。
  • 石岡委員
    いや、本当に多分それが普通にまかり通っている地域もまだ残っているんです。後継者勉強会というのに手を挙げると女性が出られないとか。出られないわけじゃないんですけれども、男性がメインなので、女の子が行くと、どうしようみたいなので扱われたりとか。やっぱそれで、ここ10年かそこらで変わってきて、青森県のほうではいろいろな部会に女性班とか女性部というのはつくってくれているんですけれども、それでもなおやっぱり何か女性だけで囲ってしまうんです。男性の中に女性を入れるという概念があまりないのか、それとも最初だから女性部会をつくろうという考えなのかわからないんですけれども。すごいやる気があって勉強したい人たちが出ていく場というのがやっぱないんだなというのは、今の発言で本当に思ったのは。びっくりです。そういうのって普通のことから考えたらおかしいというのが、これがまだまだ農業の、それこそ果樹とはまた全然別。ほかの作物も多分そういうことはあると思うんですけれども、勉強したい女性がもっと輝ける政策を何か盛り込んでいただけたらなと思います。
  • 上岡部会長
    鈴木委員、お願いします。
  • 鈴木委員
    それ、農協の弁明をするわけじゃないんですけれども、多分地域性もかなり影響していると思います。こんな話したらあれなんですが、みかんのほうの産地、西のほうの産地は逆に女性のほうがしっかり活動しています。男性のほうがやる気がないというのかもしれませんけれども、農協の部会員として女性の活躍というのはかなりありますよ。地域性もあるのかもしれませんし、そういった意味では、この業界全てがそういう考え方でいるということでは決してないです。
  • 佐藤委員
    全くもってなんですけれども、畑にいる時間が長いのは男性より女性なんです。特に落葉果樹は。まあ、かんきつも。果樹は畑にいる時間が女性のほうが長いんです。なので、畑に長い時間いる女性に勉強させてこそ、もっといいものがとれるし、省力化も図れると思うんで。地域性、確かにあると思います。特に私どもは法人化していますし、どちらかというと地元の農協からすると目の上のたんこぶ状態になっているのかもしれないです。ただ、そういった活動にまざりたいなといったときに、首が縦にいかないです。首がこういうふうになっちゃうのが東北の閉鎖的な部分なのかなと。私は東北出身じゃないんで、東北人を第三者の目で見ているんですが、そういうところはあるのかなというふうに感じましたが。だけれども、これから労働力として女性が全面的に。もともと農業は女性が全面的にやっていたので、そういうところの男女の平等さというのは全国的に見直してもらって、この部会のほうからお達しいただければと思います。
  • 上岡部会長
    ありがとうございます。
    麻生委員、お願いします。
  • 麻生委員
    すみません、すごくずれた話になるということと、あと皆様に興味がないお話かもしれないんですけれども、最後ちょっと夢のあるお話をさせていただきます。
    先日、タカラトミーのリカちゃん、知らない方はいらっしゃらないと思うんですけれども、そちらの会社と、今まさにやっているんですけれども、コラボさせていただいています。リカちゃんケーキということで、リカちゃんのおばあちゃんって実はケーキ屋さんなんです。それはいいんですけれども。リカちゃんがパティシエになってケーキつくりましたというケーキを今PR中なんですけれども。
    実はリカちゃんってさがほのか、佐賀県のいちごともコラボしていたんです。ですので、今回さがほのかを使っていちごのケーキをやったらもっと倍増するなと思いまして、佐賀県、タカラトミーさん、うちということで、まあ、うちはすごい小っちゃいところですけれども。そういうメディアミックスですとか、異業種のコラボというのが今一般的だと思うんです。でも、そういうところに佐賀県さんは乗ってくれなかったんです。すみません、恨みつらみじゃないです。現実そうですということで。本当はもっともっと楽しくなれることがあったのに、ちょっと惜しかったなという話と。
    キッズパティシエには、実は親子3世代で来ていただきました。子供さんがさっきフルーツ離れって言っていたんですけれども、フルーツを一番先に食べるのって、実はお子さんなんです。それをお母さんとかおばあちゃんとかが、それケーキに使うんだから、まだ食べちゃ駄目よって。だから、実は子供って赤いものとか、フルーツって本当は興味あるんじゃないかな。先ほど中村委員からもありましたように、やっぱり学校給食ってそういう意味でも大切なのかなと感じた次第です。
    あと最後に、やっぱりそこにはお父様もいらっしゃいました。2割か3割、お父様がお子様を連れてキッズパティシエに立ち会ってくれました。今まではお母さんとかおばあちゃんが連れてくるというのが多かったと思うんですけれども、男性がお子様を連れていらっしゃる確率が毎年毎年すごくふえているなというふうに感じております。それもいい傾向だなというふうに思っておりました。
    すみません、つまらない話なんですけれども、以上でございます。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    最後、ちょっとジェンダーの話になりましたけれども、最後どうしてもご発言なさりたいという方はいらっしゃいますでしょうか。まだまだあるとは思うんですけれども、そろそろお時間になってまいりましたので、また次回の機会にぜひよろしくお願いしたいと思います。
    それでは、委員の皆様ありがとうございました。最後に、今後のスケジュールにつきまして、事務局よりご説明をお願いします。
  • 光廣課長補佐
    今後の審議の進め方についてご説明をいたします。
    タブレットの07、資料5のところをご覧いただけますでしょうか。
    次回の部会については、第3回ということになります。これまでご審議いただいた内容を踏まえまして、事務局より基本方針の骨子案をお示しし、ご意見を頂戴したいと考えております。
    開催時期としては2月の初旬を考えておりますが、詳細については事務局より改めて日程調整に係るご連絡をさせていただきますので、委員の皆様方におかれてはよろしくお願いをいたします。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    本日の議事はこれにて終了となります。
    それでは、最後に事務局から、佐藤課長よろしくお願いします。
  • 佐藤課長
    本日もまた熱心にご議論いただきましてありがとうございました。また、今日いただいたご意見の中でも最後、ジェンダーのお話にもなりましたけれども、生産基盤が脆弱化している中では男女の区別なく総力戦、これが必要だと思っております。ぜひともそういうことで基本方針の中でも位置づけさせていただければと思いますので、本日いただいた意見をまた事務局のほうで整理をさせていただいた上で次回、よろしくお願いいたします。
  • 上岡部会長
    ありがとうございました。
    それでは、これで進行を事務局へお返しいたします。
  • 光廣課長補佐
    ありがとうございました。
    本日はご多忙の中、長時間にわたりましてご議論をいただきまして、まことにありがとうございました。本日の部会の議事録については、前回同様に皆様にご確認をいただいた上で農林水産省ホームページに掲載する予定としております。
    以上でございます。何かご質問等なければ、これで終了とさせていただきたいと思いますが、何かございますでしょうか。
    それでは、本日はまことにありがとうございました。次回も引き続きよろしくお願いをいたします。

午後5時30分 閉会

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