令和6年度食料・農業・農村政策審議会果樹・有機部会(第6回果樹関係)概要
(1) 果樹農業振興基本方針について (2) その他 |
事務局から基本方針(案)の説明を行った後、部会長から基本方針(案)を委員に諮り、了承された。続いて、審議会会長から農林水産大臣宛ての答申が行われた。
その後、委員から、今後の果樹施策の展開方向に関する発言があった。主な発言内容は以下のとおり。
- 果樹産地や果樹経営者が、目標やKPI・KGIを自分事のKPIに落とし込み、経営に取り込んでPDCAを回していけるよう、農林水産省は基本方針の策定をスタートとして、自治体等の関係機関とコミュニケーションを密にとり、基本方針の達成に向けて尽力いただきたい。
- 生産力の強化に向けて実効性のある方針となった。数値目標は現状の把握と課題の可視化に資するものであり、今後の取組において指針となるもの。生産現場の支援体制の強化、後継者の育成、スマート農業の導入、輸出を見据えた市場ニーズへの対応といった戦略的視点に共感。
- 現地調査では先進的な取組の成功の背景として、関係者が現場を回り理解を求める努力を行っていることを理解。加工事業者としても、生産者があってこそ良い商品がつくれることを実感。
- 本基本方針は、このままでは生産量が激減するというシナリオから大幅に転換して生産量の維持・増産を目指す計画である。アグレッシブな目標を実行に移すことが重要であり、生産現場の果樹農業の関係者と危機感を共有し、構造転換を進めることが必要。我が国は民間企業ががんばる国であるので、民間企業が全力を尽くすことが重要であり、高い目標に向けて努力していくことが必要。
- 農林水産省も省力樹形の普及に期待していることを強く感じた。今後の省力樹形の普及に当たっては、生産者に対して技術面のアピールや、シチュエーションに応じて向き不向きがあることを伝えていくことが必要。
- 本基本方針には、果樹農業をどう維持・発展していくのか、農地をどう継承していくのか、新たな法人をどう見出していくのかという課題が反映され、期待が持てるが、今後の目標の検証が重要。
- 苗木生産の現場の状況を理解してもらったことは良かった。数値目標の達成が今後の果樹農業の明るい未来に必要であり、生産現場の立場としても期待している。
- 数値目標は生産現場からしても野心的な目標と思うが、どうすれば達成できるかについては、解像度を上げていくことが必要。目標としている付加価値や労働生産性の向上については、どのようにデータをとっていくかを考えないと、国全体のデータと個々の経営体のデータが比較できないため、継続的な検討課題としていただきたい。
- 本基本方針について、これから各県、各産地へ丁寧な説明と推進を行っていくということだが、各地域の状況が異なる中で、真意が伝わり、産地が前向きに取り組めるように関係者が進めていくことが重要。
- 生産者に配慮された内容となったと自負している。
- 本基本方針のKGI、KPIの達成に向かってどう取り組んでいくのかが重要であり、生産現場で取り組みやすい施策が必要。生産現場の取組の後押しとなるようにお願いする。
- 今回の基本方針、生産者のための支援に感謝。生産者が未来に向けて夢と希望を描けるように、国の継続的な支援をお願いする。
- 果樹農業の現場の課題を取り上げ、構造改革の必要性を共有できた。現地調査では現場の関係者の様々な苦労を拝見して、現実的な問題を感じた。各委員から具体的かつ生産的な意見が出され、すべての意見を盛り込むことはできなかったが、基本方針の策定はスタートラインに立ったということであり、これから農林水産省が全国を行脚して、どの品目でどのように農地を集約し、事業や各地域での計画づくりに支援をしていくか、これらを通じて各委員の意見が反映できるように見守っていきたい。
以上