このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

令和6年度食料・農業・農村政策審議会 果樹・有機部会(第4回果樹関係) 議事録

PDF版はこちら(PDF : 348KB)

1.日時及び場所

日時:令和7年3月10日(月曜日)13時30分~16時13分
会場:農林水産省三番町共用会議所大会議室

2.議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    (1)果樹農業振興基本方針(案)について
    (2)その他
  3. 閉会
      配付資料はこちら

3.議事録

午後1時30分 開会



    • 羽石グループ長
      それでは、定刻になりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会果樹・有機部会(第4回果樹関係)を開催いたします。
      委員の皆様におかれましては、大変忙しい中、御出席を賜りまして誠にありがとうございます。
      私は、当部会の事務局を務めております農産局果樹・茶グループ長の羽石でございます。この後議事に入るまでの間、進行を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
      本日の会議ですけれども、御案内しましたとおり、資料はお手元のデバイスで御覧いただきます。委員の皆様のデバイスを御確認ください。
      まず、議事次第、座席表、配布資料一覧、資料1が食料・農業・農村審議会果樹・有機部会(果樹関係)の委員名簿でございます。資料2、果樹農業振興基本方針(案)、資料3、新たな果樹農業振興基本方針について、資料4、今後の審議の進め方について、参考資料、現行の果樹農業振興基本方針でございます。
      以上を保存し、閲覧できる状態としておりますので、御確認いただきまして、ファイルが見当たらない等、不具合がございましたらお近くの事務局員までお声がけください。
      申し訳ございません。資料2と3が今逆になっておりまして、資料2が新たな果樹農業振興基本方針(案)のポイントでございます。資料3が本文の案となっております。失礼いたしました。
      それから、まず東京青果株式会社常務取締役の高羽委員がやむを得ず辞任されまして、東京青果株式会社の平田専務取締役が委員に就任されておりますので、御報告いたします。
      続きまして、本日の委員の御出席状況でございます。資料1を御覧ください。
      委員名簿でございますけれども、本日、現在この会場に御出席の委員のほか、赤松委員がオンラインでの御出席、竹下委員におかれましては遅れてオンラインでの御出席となっております。井上委員、内藤委員、堀切委員、平田委員が所用により御欠席となっております。
      現時点で、委員及び臨時委員18名のうち13名に御出席いただいておりますので、食料・農業・農村政策審議会令第8条第1項の規定による3分の1以上の出席の条件を満たし、本部会が成立していることを御報告いたします。
      マスコミの方いらっしゃれば、カメラ撮影はここまでとさせていただきますので、報道関係者は御退出いただきますようにお願いいたします。
      それでは、ここからは林部会長に議事進行をお願いしたいと思います。林部会長、よろしくお願いいたします。
    • 林部会長
      皆様、こんにちは。年度末お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。九段下の桜が少し咲き始めている木もあるようでして、ますますここから春が一気に進んでいくんだと思いますが、本日のこの基本方針も事務局の方々がこの間、大変御尽力くださいまして、本文案も本日御検討いただく運びとなりました。
      本日の議事次第でございますが、本日の議事は、1、果樹農業振興基本方針(案)について、2、その他の2点となります。
      初めに、事務局より果樹農業振興基本方針(案)について御説明いただき、その後、各委員から御質問、御意見を頂戴したいと思います。
      それでは、事務局より基本方針(案)について御説明をお願いします。
    • 羽石グループ長
      果樹・茶グループ長の羽石でございます。
      それでは、資料に沿って御説明をいたします。
      まず、資料2の新たな果樹農業振興基本方針(案)のポイントを御覧ください。
      全体を1枚の紙で御覧いただけるようにまとめたものでございます。
      これまでの議論を踏まえまして、全体を取りまとめたところでございます。まず、一番上に基本方針の理念と基本方針の基本方針の期間を書いておりますけれども、まずその下の現状と課題の認識のところからまいります。
      まず、現在の果樹農業をめぐる現状と課題ということですけれども、これまでお話しさせていただきましたとおり、国産果実の卸売価格は上昇傾向で推移する一方で、生産が減少傾向にありますということでございます。
      次に、近年の高温の影響による障害が頻発化しておりまして、この傾向は今後も続くであろうということでございます。三つ目ですけれども、果樹農業が大きな割合を占める中山間地域では、人口減少、高齢化が都市に先駆けて進むということで、地域の基幹産業としての付加価値の向上が課題であるということでございます。最後、四つ目ですけれども、国内の果実の生産量が減少する中で、加工や輸出等の需要が増加しているということで、新たな需要への対応、海外から稼ぐ力の強化が必要ということでございます。
      このような課題認識の下で、上の理念に戻っていただきまして、今後、生産者が減少する中でも国民の果実に対する需要に応えていくというために、技術面では省力樹形など、それから経営面では加工や輸出といった関連産業との協働、あるいはそういう産業からの参入というような新たな形が進んでおりまして、こうした取組をスピード感を持って全国に波及させていくことが果樹農業の持続的な発展に重要であると。需要に応える果樹農業の持続的な発展を目指すため、生産基盤の強化の加速化に向けて関係者が一体となって施策を推進するというふうにまとめさせていただいております。
      右側の基本方針の期間ですけれども、今、食料・農業・農村基本計画が並行して議論されておりますけれども、それと合わせまして5年間の基本方針でございますが、永年性作物であるという果樹の特性を鑑みまして、今後20年程度を見据えた上での5年間の基本方針として定めるということとさせていただいております。
      下半分の施策でございます。こちらにつきましては、部会長、内藤委員、赤松委員、井上委員、その他の委員の皆様方から、全体の5年間の目標があって、その下に手段の検討があって、それぞれの目標を立てて、系統立てた計画、KPIとするべきであるという御意見を頂きまして、全体の構造をこのようにしております。
      まず、一番左に、生産数量目標があります。その生産数量目標の達成のために施策の大きな柱としまして3本、生産基盤強化の加速化、新たな需要への対応、果実の流通及び加工の合理化ということでございます。
      生産基盤強化の加速化につきましては、また3本柱になっておりまして、労働生産性の向上と気候変動等への対応、担い手の育成・確保、労働力の確保、地域の基幹産業としての付加価値の向上、新たな需要への対応につきましては、国内需要への対応と海外から稼ぐ力の強化、果実の流通及び加工の合理化につきましては、集出荷・流通対策と果実の加工という柱立てにしております。
      この一番上の生産基盤強化の加速化の部分の柱立てにつきましては、竹下委員、川久保委員ほかから、担い手の育成確保が一番最初にあるべきではないかというような御意見も頂きましたけれども、一方で生産性の向上、気候変動への対応が先ではないかという御意見もありました。両方とも車の両輪だと思っておりますけれども、まず今、全国で果樹農業に携わって生産をして供給をしていただいている皆様の生産性の向上、それから気候変動への対応により、しっかり果実を生産して供給していただくということから、こちらを先に書かせていただきまして、その上で新たな新規就農者なり経営体に参入していただくということで、この順番とさせていただいております。
      それから、このそれぞれの柱ごとに今後講じていく施策としましては、一番右側に書いてございまして、こちらは前回のこの果樹部会の骨子案で御説明したラインナップのとおりでございます。そのそれぞれに対しまして、施策の有効性を図るということでKPIを設定させていただいております。一番上の労働生産性の向上、気候変動への対応につきましては、平均作付面積、それから省力樹形の導入、それから神農委員からも御意見を頂きましたけれども、技術的な高温対策を導入した産地の数ということで、KPIと設定させていただきまして、これらの施策が進むことで単位面積当たりの収量が上がるということで、今回新たにKGIゴールということで反収という目標を設定させていただいております。
      担い手・労働力のところにつきましては、KPIとしまして果樹型トレーニングファームの設置ということ、そしてKGIとしまして新規参入者数と置いております。地域の基幹産業としての付加価値の向上につきましては、新たな大規模経営体、輸出や加工など関連産業からの参入等による新たな大規模経営体の数をKPIと置きまして、そういうものが、それだけではないんですけれども、そういうものも含めて全国での生産面積というものをKGIとして置いております。
      続きまして、国内需要への対応につきましては、手頃で日常的に摂取してもらえる生果実あるいは果実加工品など、新たな需要への対応ということでございますので、KPIとしまして加工原料用果実の生産に取り組む経営体・産地としまして、KGIとして加工仕向量と置いております。海外から稼ぐ力の強化については、輸出経営体・産地の数をKPIと置きまして、輸出額をKGIと置いております。
      集出荷・流通対策につきましては、選果場等の再編・整理が必要という御意見を頂きましたけれども、新たな新技術を使ったAI選果場をKPIとしまして、それにより面積が維持されていくという意味でKGIに生産面積と置いております。最後、果実の加工につきましては、上と重複しますけれども、加工原料用果実の生産に取り組む経営体をKPIと置きまして、加工仕向量をKGIと置くということでございます。
      このように、各講じる施策の有効性をKPIで測定し、これらの施策の効果が合わさって、このそれぞれのKGIの目標につながりまして、このそれぞれが達成させることで、最後、一番左の生産数量目標が達成されるというツリーの構造にさせていただいたということでございます。これら全てを通しまして、一番下ですけれども、需要に応える果樹農業の持続的な発展に向けて生産基盤強化を進めていくということでございます。
      今御説明しましたKGIとKPIのところですけれども、御承知のとおり今、食料・農業・農村基本計画の議論が審議会の企画部会で進んでおりまして、本来であれば、ここに数字を入れて本日御議論いただければよかったんですけれども、その本体の数字がまだ今、案が固まっていないという状況でございまして、果樹の数字もその一部をなしているということで、本日ここに数字を入れて御議論いただくことができないという状況でございます。したがいまして、数字が入った段階でもう一度、委員の先生方に御確認いただく機会を頂ければというふうに考えております。
      あと右側に、自然的条件に関する基準と書いておりますけれども、これは後ほど本文で御説明しますが、栽培に適する自然的条件に関する基準ということで、低温要求の基準ですとか示しておりますけれども、今回は高温障害に対する技術的対策などを追加で記載させていただいたところでございます。一番右下につきましては、本文の第4のところに出てきますけれども、近代的な果樹園経営の基本的指標ということで、柑橘、りんご、ぶどうについて経営モデルを示させていただいたところでございます。
      続きまして、資料3、本文案を御覧ください。
      まず、1ページからでございますけれども、今回の基本方針の理念ということで、今御説明したとおりでございます。その(2)基本方針の期間につきましても、今御説明したとおりでございます。
      この中で、1ページ目の一番下からですけれども、「果樹農業振興特別措置法に基づき、果実の需要の長期見通しに即した栽培面積その他果実の生産の目標を定める」と法律で定められておりますけれども、これに加えまして、今回、生産目標を含めたKGI(Key Goal Indicator)と、施策の有効性を示すKPI(Key Performance Indicator)を定めることとしました。このKGIとKPIの関連につきましては、後ほどツリーの形でまたお見せしたいと思います。これらの施策の有効性を、進捗状況を定期的に評価し、必要に応じて見直しを行っていくということでございます。
      2の現状と課題の認識につきましては、先ほど御説明したとおりでございます。これらの課題に対応して、需要に応える果樹農業の発展に向けて、生産基盤強化の加速化など、果樹農業の振興に必要な目標及び施策を次のページより掲げるというふうにしております。
      3からが先ほどの三つの柱の一つ目の生産基盤強化の加速化でございます。(1)ですけれども、労働生産性の向上及び安定生産の脅威となる気候変動等への対応でございます。目標のところの文章につきましては、前回の骨子でお示ししたとおりでございまして、この園地の集積・集約化、基盤整備、省力樹形、スマート農業、これらによって省力的な園地への転換を進めるということで、これらによって目指す経営体のモデルにつきまして、第4のところでお示ししております。また、温暖化対応を進めていくと書かせていただきまして、その高温対策のための技術的対策、品種・品目転換を図る上での基準、これらは第3の、栽培に適する自然的条件に関する基準のところで提示させていただいているところでございます。
      先ほど御説明しましたとおり、KGI、KPIを設定しておりまして、その後の具体的な施策につきましては、これまで骨子で御説明したとおりでございます。1の園地の集積・集約化につきましては、2ポツ目のところで、稲垣委員から何回か御指摘いただきましたとおり、地域計画と連動して果樹の対策も進めていくということで書かせていただいております。
      それから、次のページにいきまして、2の1ポツ目にまた、地域計画に基づきということで、基盤整備を推進する。2ポツ目におきましては、何でもかんでも基盤整備ということではなくて、より取り組みやすい小規模園地整備を行うということも、内藤委員、七條委員から御意見を頂いたと思います。それから、3ポツ目につきましては、周囲の水環境に配慮しながら基盤整備を進めていくということで、中山委員から御指摘いただいたところを反映させていただいているところでございます。3省力樹形、4スマート農業・機械化は異論がないところだと思います。
      5の大規模経営体の育成・参入につきましては、川久保委員、七條委員から、どのように吸進めていくのかが大事だという御意見がございまして、既存の経営の大規模化を推進するとともに、大規模な法人経営体が大規模な省力樹形への改植・新植をして、参入していただくということもやりやすいような形に変えながら進めていきたい。それから、2つ目のポツですけれども、販売の出口を見据えた作業の合理化、省力技術の導入、労働力の確保を図り、その出口の業者と生産が連携したモデルというものを構築して、横展開を図ってまいりたいと思っております。
      6の気候変動への対応ですけれども、これまで申し上げましたとおり、資機材による対応、品種構成の見直し、こういうものを進めてまいりますけれども、神農委員、小林委員からも御意見を頂きましたけれども、葉とらずりんごのようなものが流通でなかなか受入れられないというお話もございますので、食料システムの関係者のそのようなものへの理解を促進していくということで、4ポツ目に書かせていただいております。
      7の病害虫・鳥獣害対応につきましては、果樹カメムシ等の対応が問題になっているという御意見を頂きましたので、その点を書かせていただいております。
      8花粉・苗木の確保につきましては、今後、省力樹形を進めるに当たって苗木の生産供給が重要であるということと併せまして林部会長の御意見もありまして、一番最後に品種保護意識の向上等を推進するということを書かせていただいております。
      次に、二つ目の大きな柱として、担い手の育成・確保、労働力の確保でございます。目標のところはこれまでの御議論のとおりでございます。KGI、KPIにつきましては、新規参入者数、それからトレーニングファームの設置としております。ここで2のところですけれども、今後、果樹に関心を持つ方に魅力を感じていただいて、入っていただくためにということで、小林委員、七條委員、中山委員からも労務管理というような話もございましたので、丸三つ目のところで、若者や女性にも選ばれる産業となり、農業法人の従業員としての定着や雇用の増大が図られるように、就労条件、農作業安全等の雇用の確保に資する環境整備を進めていくということを書かせていただいております。
      3の多様な農業者による園地の保全管理ということで、ここは神農委員からも御指摘ございましたとおり、小規模生産者、兼業農家等がなければ産地の維持は難しいということで、多様な農業者によるものも含めて、園地の保全管理、産地の維持を行っていくということを書かせていただいております。
      4の労働力不足への対応のところにつきましては、永岡委員から頂きましたいろいろなお話を踏まえまして、サービス事業体の活用、それから季節性に対応する短期労働力の確保の推進等と書かせていただいております。また、外国人材につきましては、中山委員からもお話があったかと思いますけれども、果樹農業への外国人材の受入のあり方を検討するというふうに書かせていただいております。
      5の大規模経営体の参入の推進につきましては、前回、稲垣委員、小林委員から果樹特有のマネジメントスクールというものが必要ではないかという御意見を頂きましたので、農業法人について経営管理能力の向上、それから、経営改善に取り組む経営層の育成・確保を推進する仕組みというふうに書かせていただいております。それから、部会長、小林委員からもございました地域金融、それから省内で検討されている、ほかの部局で検討されている施策とのリンクということで、2つ目のポツ、3つ目のポツ、これらを盛り込ませていただいたところでございます。
      (3)の地域の基幹産業としての付加価値の向上ということで、目標につきましては、これまで御説明したとおりでございます。KGIは生産面積、KPIは大規模な経営体・産地ということでございます。具体的な施策としましては、これまで御説明しましたとおり、輸出や加工に携わる方皆さんが生産に参入する場合、あるいは加工原料用を必要とする食品企業等との連携、こういうものを推進していくということでございます。
      続きまして、8ページでございます。
      新たな需要への対応でございます。こちらは国内需要への対応と海外から稼ぐ力の強化の二本柱でございます。国内需要への対応につきましては、高品質な国産果実の強みを生かしつつ、多様な消費者ニーズに対応していくということで、手頃で日常的に摂取してもらえる生果実や、果実加工品などに対応していくということですけれども、小林委員から、子供の頃から食べてもらうということが大事だという御意見を頂きましたので、日常的な果実摂取を生涯にわたる食習慣として定着させるため、幼少期から国産果実に触れ食生活にも取り入れ、果実に対して正しい知識を身に付けてもらうよう、関係者と連携しつつ食育の取組を推進するというふうに書かせていただいております。
      KGIは加工仕向量、KPIは加工原料用果実に取り組む経営体ということでございます。
      具体的な施策につきましてはこれまで御説明しましたとおりでございますけれども、一番最後の、食料システムの関係者の理解の増進というところにつきまして、やはりその価格がしっかりしていないと、そういう手頃な価格で提供するといっても生産が続かないのではないかという神農委員の御意見がございましたので、そのような需要に対応する際も、その取引が合理的に行われるように食料システムの関係者の理解増進を図ると書かせていただいております。
      それから、赤松委員から、砂糖の多い加工品等ではいけないと、代替にならないという御意見がございましたので、栄養バランスや機能性の観点を踏まえて、健全な食生活の重要性について広く消費者の理解を醸成、学校での食育に加え、大人の食育も推進するというふうに書かせていただいております。
      (2)の海外から稼ぐ力でございます。こちらにつきましては、海外需要開拓ということなんですけれども、あわせまして、部会長からの御意見、それから企画部会における議論を踏まえまして、「果実の輸出と併せて、優良品種の戦略的なライセンスを推進し、周年供給による輸出促進と海外からのロイヤリティの新たな品種開発等への還元により、国内果実生産の振興を図る」というふうに書かせていただいております。
      KGIは輸出額、KPIは輸出産地でございます。具体的な施策はこれまで御説明のとおりでございます。
      10ページに、2で戦略的な海外展開の推進ということで、こちらにつきましては、申し上げましたとおり、これまでの企画部会での議論を踏まえて位置付けさせていただいているところでございます。
      続きまして、11ページでございます。第2の、果実の需要の長期見通しに即した栽培面積その他果実の生産の目標ということで、果実の需要の長期見通しとそれに即した生産目標を法律に基づいて設定することになっておりますが、12ページ、この品目ごとに出させていただくんですけれども、先ほど御説明しましたとおり、現時点で入っておらないという状況でございます。
      13ページですけれども、KGI、それからKPIをツリーにしたものでございます。一番上には生産数量目標がありまして、そこに貢献するものとして輸出額、加工仕向量、反収、それから経営体数、それから生産面積でございます。KPIについては先ほど御説明しましたとおり、ラインナップとなっております。この経営体数は、済みません、これ修正漏れでございまして、先ほどのA3の紙のとおり新規参入者数の間違いでございます。申し訳ございません。
      続きまして、14ページ、第3、栽培に適する自然的条件に関する基準でございます。1の基本的な考え方としまして、各品目が栽培適地としての平均気温あるいは冬期の最低極温、低温要求時間、これらの条件を示しておりますととともに、今回新たに2の高温障害に対しての基準ということで、17ページの表2でございますけれども、このように品目ごとに発生の原因、症状、対策技術の例ということでまとめさせていただいたところでございます。
      19ページからは、第4、近代的な果樹園経営の基本的指標ということで、経営のモデルを示させていただいております。20ページが、うんしゅうみかんについての慣行栽培、規模拡大・機械化モデル、加工仕向生産モデルということで、三つ示させていただいております。21ページがりんご、22ページがぶどうということで、こういう新たな技術を導入すれば、面積がこれぐらいまで対応できて、そのときの10a当たりの収量がこれぐらいになって、1時間当たりの農業所得がこういうふうになるのではないかということをモデルとして示させていただいております。
      これにつきましては今後、都道府県で果樹の振興の計画を作っていただき、あるいは産地協議会ごとに産地計画を作っていただくときに、これを参考に進めていっていただければと思っているところでございます。
      最後、第5、果実の流通及び加工の合理化に関する基本的な事項でございます。一つ目の柱が集出荷・流通対策でございます。目標のところはこれまで議論のありました集出荷施設・選果場の再編集約・合理化、果実やコンテナなどの出荷規格の見直し、共同輸送やモーダルシフトを進めるということでございます。七條委員から御意見がございましたコールドチェーンの構築等についても書かせていただいております。
      KGIは生産面積、KPIはAI選果場としております。
      具体的な施策の丸の一つ目、集出荷の効率化のところには、七條委員、中山委員から御発言がありました老朽化した集出荷施設、選果場等の共同利用施設の再編集約・合理化と書かせていただいております。2の輸送の合理化につきましても、中山委員からお話がありました農産品等の流通網の強化に必要な中継共同物流拠点ということを、2ポツ目に書かせていただいております。
      24ページにいきまして、果実の加工でございます。目標のところはこれまで御説明しましたとおりでございます。
      KGIは加工仕向量、KPIは加工原料用果実に取り組む経営体ということでございます。
      具体的な施策もこれまで御説明しましたとおりでございますが、2の多様なニーズに対応した果実の加工ということで、機能性成分に着目した加工やワイン、シードルなど地域の原料を使用した特色ある醸造加工など、差別化が図られるような新たな商品開発を推進する。あるいは果汁や缶詰、ジャムに加えて、ストレートジュース、スムージー、カットフルーツ、冷凍フルーツ、ドライフルーツ、非加糖のジャムなど、原料の素材をそのまま生かした加工品などの取組、あるいはそれらの技術の開発導入を推進するという形で書かせていただいております。
      最後、第6ですけれども、その他必要な事項としまして、(1)東日本大震災からの復興、(2)近年頻発する大規模自然災害による被害からの復旧・復興ということで書かせていただいております。(3)自然災害への備えにつきましては、農業保険の普及推進を図るですとか、一番最後にはまた、もう一度温暖化の影響への対応ということで書かせていただいているところでございます。
      済みません、駆け足になりましたけれども、資料の説明は以上でございます。
    • 林部会長
      御説明ありがとうございます。
      本文の方、約30ページぐらいになりまして、構造としては第4のところで、品目ごとの経営モデルが示されて、そこに目標となるような、モデルとなるような面積だとか、単価だとか、いろいろ出ておりますけれども、総論があって各論があるというような、そんな流れではないかと思います。
      それでは、これから意見交換に移りたいと思います。
      赤松委員から順に、お一人5分ほどで御発言をお願いいたします。
      初めに、赤松委員、お願いいたします。
    • 赤松委員
      御指名ありがとうございます。今日は、学内の会議が続いておりまして、オンラインで失礼いたします。それとカメラが途中で落ちてしまうかもしれません。御了承ください。
      コメントとしましては二つ、質問も含めてですが、二つございます。
      まず、1点目は、本基本計画との整合性です。果樹の基本方針がどのような位置付けになるのか私があまり理解していないところではあるのですが、基本計画では五つの基本理念と五つのテーマを挙げています。特にこの五つのテーマについては、こちらの果樹では同じように基本として置かなくていいのかという点が一つ疑問に思ったところです。
      もう一つは、この果樹の方の基本方針の目次の構成についてです。30ページなのでみなさんが読んでくださるとは期待していますが多分このスライドのポイントと書かれたものが結構出回る、御覧になられる方が多いのではないかと思います。そうすると、このスライドのポイントを見ると、施策は大きく分けて三つあります。水色と緑のところと、あとオレンジのところです。このように三つありまよと見えるのですが、目次では第1の3の中に、果実が入っていません。オレンジの果実の流通及び加工の合理化はこの中に入っていなく、第5に位置付いています。少し不思議な感じがします。どうしてこのポンチ絵、スライドの構成と合わせて目次が構成されていないのかと疑問に思いました。御回答いただければと思います。
      間に挟まっている第2、第3、第4というのは多分、生産基盤強化の加速化の中に入ってくる事項ではないかと感じました。
      以上になります。
    • 林部会長
      ありがとうございます。
      続いて、稲垣委員、お願いいたします。
    • 稲垣委員
      稲垣です。基本方針、ここまで本当におまとめいただいたということで、敬意を表したいと思います。
      3点、御意見を申し述べたいと思います。
      一つは、その担い手と大規模経営の書きぶりについて、それからあと、その目標数値なり指標の考え方について、それからKGIなりKPIについて、3点申し上げたいと思います。
      まず、担い手と大規模経営体については4ページで大規模化の話、5ページで経営体の話ということでしっかり書き込んでいただいて結構だと思うんですが、大規模経営体の記述に関しては(1)の5よりも、5にも触れるべきかと思いますが、(2)の担い手の育成の項目のところで、もう少し丁寧に触れるべきでないかと思いました。要するに、産地における経営の大規模化と大規模法人のことが書かれているんですが、三つの切り口に整理した方がいいんではないかと思います。1点目は、産地内で離農の受皿として、産地内で経営体が大規模化したり新規就農をする取組と、2点目は産地以外で大規模な法人経営の参入促進をすること、3点目、ここが一番大事と思いますが、産地で大規模な法人経営体を外から入れてくる話、この辺についてもう少しつまびらかに書くべきなのかなと思います。その際、地域計画など、地域での話合いや調整ということを念頭に置くべきなのかなということを思いました。
      あと、それに関連して、1月30日に、資料を提出させていただいたんですが、やはりその担い手とか産地だとかをいう場合に、認定農業者、認定新規就農者と対象が特定できる経営体がいるわけで、その経営体の意向に沿った政策を具体化していくという視点が大事、その1月30日にも申し上げたんですが、特にその認定農業者の4割が65歳以上であることを踏まえると、そこの経営継承対策やそこへの新規就農対策というものが待ったなしではないのかと思います。
      さらに、参入法人やスタートアップ系のような既存の経営体以外のそういう経営主体についても位置付けをしっかりするべきだということを、資料を出して御意見申し上げたつもりなんですが、そのことが余り反映されていないのかなというのが、頂いての感想なり意見です。
      それから、2点目の今後の果樹経営の規模感なんですが、事前説明のときに、大規模経営といったときにどういうものをベンチマークされているのか、想定されているのかということをお尋ねした際に、農水省の方からは5ha以上ぐらいのような御説明があったかと思うんですが、私が、少ない事例ではありますが有識者の方や、果樹経営で頑張っている方のお話を聞くと、みかんであれば10ha、りんごであれば20ha、そういうのが今後目指すべきものではないのかという話と若干開きもありますし、一方、基本的な指標の方に出ているその規模感が、具体的に言うと青森県の弘前市、長野県の長野市、静岡県の浜松市、愛媛県の八幡浜市、これはりんごの大きな産地、みかんの大きな産地を抱えているところのいわゆる基盤強化促進法に基づく農業経営基盤の強化の促進に関する基本的構想を市町村が策定されているわけですが、そこで目標としているベンチマークしている規模感なりと今回御提示いただいているところに、何もぴったりする必要はないと思うんですが、現場ではそういう具体的な1,700を超す市町村がそれぞれ経営指標というものをお作りになって頑張っている中で、今回出すものとの差がうまく調整できるのかなと思うわけです。その辺に現場とのそご感がありますと、せっかく12ページでKGI、KPIと書かれているわけですが、何か狂いが生じてくるのかなということを感じました。
      そして、3点目で、KGIとKPIですが、たしか基本計画の方ではこれまでの基本計画のように骨子(案)では、国内消費指向量というのが先頭項目になっていたと思うんですが、果樹では参考になっているわけですけれども、その辺はどういうことなのかということと、それから12ページに作目ごとの詳細な目標が立っているわけですが、そのことと13ページのKPI、KGIの関係というのはどういう関係になっているのか。この12ページにある品目全てについてKPI、KGIが設定されて、そのトータルが13ページのKPI、KGIに、そういう関連性になっているのか、その辺が分かりづらいということです。
      それで、そのKPIなりKGIは、これも企画部会の方でも申し上げているつもりだし、更に申し上げなくてはいけないと思っているんですが、要するに国が政策で立てるKPI、KGIと、私企業なり団体の、要するに私経済の主体の立てるKGI、KGIとはおのずと性格なり回し方が違うものなのかなと思っているわけです。国が立てるKPI、KGIというのは、みんなが希望を持って仰ぎ見て、実現に向けて具体的な取組を奮起させるような性格なものであるのかなと思うわけであります。個別の組織とか私企業であれば、それが到達できなければ、その私企業なりその経営主体が責任を取るという性格のもので、それは当然なわけですが、国の計画というのはややそこが違うのかなと。この基本方針に沿って経営体なり産地なり市町村なりが、どなたがどういう目標を設定していくのか。まさか全ての項目について全ての主体が策定するものではないと思うんですが、その辺が具体的にどういうふうに下りていくのかと思います。その際、各経営主体なり私企業なり個別のところが作成したものを都道府県なり国が調整し、目標達成に資する支援などをプッシュ型で行う視点が大事なのかなと思います。ゆめゆめ、その個別経営体や市町村にノルマのごとく認知させ、達成に強制感を持たせるような運用になるのは絶対に避けなければいけないと思うわけであります。
      それでPDCAというのが今の日本国の一つのお作法として、当然これを法律の中でも位置付けてやるのは当然なんですが、印象としてPDCAといったときに、Pの計画とCのチェックというのは非常に精緻に取り組まれているのに対して、Dの実行とAの改善というのが何か弱いと私はこの間、そのPDCAサイクルを回すというときに印象を持っていたんですが、たまたま先日亡くなられた野中郁次郎さんが、2023年10月の日経新聞で、PDCAと大文字で書くけれども、実態はPが大文字、Dが小文字、Cが大文字、Aが小文字と、そういう趣旨のことを書かれていて、まさに私が考えているのと同意見のことをおっしゃっている方がいます。
      申し上げたいことは、Dができなかった、要するにPDCAサイクルを回す際にDをうまくできなかった主体にAの改善を当然求めるわけですけれども、それはもうその主体だけではなかなか難しいとなれば、そのDなりAを回す際に国・都道府県の行政機関や関係機関の役割というのが決定的に大事だと思うわけですが、そういう意味で事前に頂いた資料の中には国なり地方機関がプッシュ型で支援とする文言があって、そうだろうなと思っていたものが今回落ちているわけで、この部分は企画部会で議論されている骨子(案)の中にもこのプッシュ型という言葉が出ていて、少なくとも私の周辺部分ではこのプッシュ型という、国や、都道府県が一番事業の材料や、いろんな経営体の情報をお持ちなわけですから、そういうものをプッシュ型でやるということについて非常に時宜を得ている指摘だという評価があっただけに、今回ここで落ちていることについて理解が難しいというか、ここは御再考を頂きたいというのが私の意見であります。
      以上です。
    • 林部会長
      ありがとうございました。
      それでは、以上の御意見について、事務局からコメントがあればお願いいたします。
    • 羽石グループ長
      ありがとうございました。
      まず、赤松委員から御指摘がありました基本計画との整合性ですけれども、基本計画の方はこの果樹の生産数量目標といいますか、果樹の部分については主要テーマ1の我が国の食料供給というところに全て含まれているという位置付けになってございます。当然、輸出の促進とか全部やっていくんですけれども、基本計画上はその果実の生産数量目標、生産の目標がKPIとして出ますので、主要テーマ1の我が国の食料供給というところに位置付けられるものだという位置付けと理解しております。
      それから、基本方針の目次の構成でございます。御指摘のとおり30ページ近くなりますので、ポイントの一枚紙で説明する機会も多く、これが出回ると思うんですけれども、こちらでは施策が三つあるのに対して本文の目次が違うのではないかという御指摘、そのとおりなんですけれども、基本方針の目次の柱立てが、この果樹部会が始まった一番最初に御説明したように思いますけれども、果樹農業振興特別措置法に基づきまして、これとこれとこれを基本方針に定めなさいと法律上決まっておりまして、その柱立てが第1から第6となっておりまして、果実の流通及び加工の合理化に関する基本的な事項は第5に書きなさいと法律上なっておりまして、少し見にくいというか、構成が分かりにくいんですけれども、この間に自然的条件に関する基準とか経営モデルが挟まれまして、その後に流通と加工の話が出てくるという構成になっているということでございます。
      それから、稲垣委員から御指摘いただきました大規模経営体のところですけれども、ここについてはまた、今この場ですぐに御回答が難しいということだと思いますので、後ほどお聞きできればと思います。あわせまして、三つ目のプッシュ型のところにつきましても御指摘のとおりと思うんですけれども、どういうふうな書きぶりが可能かということについて、また御相談させていただければと思います。
      それから、大規模経営体の規模感というところでございまして、みかんで10ha、りんごで20haということも今目指すべきとなっていて、開きがあるということなんですけれども、10ha、20haと置いても別にいいんですけれども、これまで私どもの改植事業なんかで5haを一つの目安といいますか、5ha以上の大規模な、一度に改植するということを抑制的に進めてきたということとの関係で、今後その5haを超えるような改植の事業なんかもどんどん進めていくという意味で、5haとすることでよいのではないかと考えているところでございます。
      何か補足があれば。
    • 淺野課長補佐
      経営の規模についての補足でございます。
      今回、大規模というところはいろんな捉え方があるかと思います。一つの考え方として、第4の経営モデルのところでお示しをさせていただきましたところがございます。それはみかん、りんご、ぶどうについてということで、大規模なというところでございますけれども、規模拡大機械化モデルということであります。これ前提と置いておりますのが、今後その人口の減少、労働力はなかなか難しいというようなところで、慣行栽培の人数をほぼほぼそのまま置いたときに、そのまま機械の導入、省力樹形の導入といったこの基本方針で掲げている生産性の向上、それに資するような技術を導入した場合に、可能な経営面積というのがこれくらいではないか、そういったところを書かせていただいているようなところでございます。
      グループ長から申し上げたような、これまでの相場観といったところもございますし、今後導入していくに当たって技術でカバーできる部分というのもあるかと思います。なかなか線引きというものは難しいところではございますけれども、ある程度の規模感というものをこういったところでお示しをさせていただいているところでございます。
    • 赤松委員
      済みません、赤松ですけれども、ちょっとよろしいでしょうか。
    • 林部会長
      どうぞ。
    • 赤松委員
      二つ目の私の質問の、法律に基づいてがこの章立てでないと駄目だということは納得しました。そうしましたら2ページ目の「これらの課題に対し」という段落がありそこに施策は大きく分けて三つあり、その最初の二つについては次項に述べて、三つ目に関しては第5で述べるという一文があると、このポンチ絵の一枚紙と整合し、読み手も納得されるのではないかと思います。御検討いただければと思います。
    • 羽石グループ長
      ありがとうございます。そうですね、そこは確かに御指摘のとおりと思いますので、ここの書きぶりは検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
    • 赤松委員
      よろしくお願いします。
    • 林部会長
      事務局、大丈夫ですか。
      後でまた検討して対応をお願いします。
      稲垣委員、今事務局から御回答を一応頂いて、後ほどというところがありますけれども、よろしいでしょうか。
    • 稲垣委員
      はい。
    • 林部会長
      ありがとうございます。それでは、続いて、岩波委員、お願いいたします。
    • 岩波委員
      農研機構の岩波です。
      具体的にいろいろ細かく肉付けされて、イメージができて、基本的にはよく分かってというか、納得できました。
      それで、今の稲垣委員の発言にもあるんですけれども、経営規模というか、結構園地の大きさによってその後の栽培の仕方なりが全部変わってきて、いろいろみんな関連付いています。例えば前も話したのですけれども、省力樹形を入れるのなら大規模経営、大規模経営のところで省力樹形を入れて、そこで大量に取れたものをAI選果機なりで選果する、そうすると家庭選果がなしになるので、そこで規格外のものが結構大量に出てくる。すごい手を掛けられる小規模な経営だったら、それは摘果なりで除くような感じになるんですけれども、大規模だとそこまで手は回らないというところで、それを全部一気に選果場に持っていくと規格外のものが出てくる。そうすると、それは加工用に回すことになる。大量の規格外を加工用として売れるのであったらAI選果機の導入というか、AI選果機は加工用の業者とセットでないとそこら辺の導入は難しいのかなと思います。
      大規模経営のところだと、短期間の臨時雇用が必要になるので、そうすると、そういうところの園地ではそういう短期労働者のための宿泊施設なりみたいなものの整備が必要になってくるというようなところで、一つの経営モデルとしてそういうのが全部組み合わさってくるのかなと思います。
      一方、中山間地みたいなところで、一つ一つの園が小さいところではより単価の高いもの、高品質なものを作らなければいけない。そういうところでは手を掛けて、規格外のものが出にくくなるので、そうすると加工用のものが出なくなるし、そういうところでは通年雇用みたいな感じで短期間での労働力というのは必要ないというところで、園地の大きさと、そこにどの栽培が適するかというのが何となく決まってくるのかなと思います。
      経営規模に関しても、栽培側からすると、例えば20hahaといっても、小さい面積をたくさんかき集めたところで、園地間の移動というのがかなり大変なので、そうなるとその経営規模、面積自体を増やしたところで余り効率はよくないので、1枚の畑がどのくらいの規模かというところが栽培効率とセットになってくるのかなと。そこら辺のつながりみたいなのが何となくもうちょっと整理されるような形で示されると、それぞれの項目の関連というのが見えてくるのかなというような感じはしました。
      あと、もう一つ気になったのがライセンスの件で、新品種なりが海外からの稼ぐ力みたいなところで使われているんですけれども、海外で売るためには、やっぱり国内でいい品種ができて、その評判が高くないとジャパンブランドとして売れないのであるならば、まずそういう品種を国内でどんどん作って、評価を上げるというところがまずは必要なのかなというふうに思いまして、新しい品種を入れて高品質なものをつくるというような記述がないというところがちょっと気になったと言えば気になりました。
      以上です。
    • 林部会長
      ありがとうございました。
      次に、続いて川久保委員、お願いいたします。
    • 川久保委員
      よろしくお願いします。
      丁寧にしていただいたので非常によく分かったんですけれども、ちょっと細かいところになりますが、質問のようなものをさせていただきたいと思います。
      この資料の3ページ、園地の集積・集約化というところの三つ目の丸ですけれども、集積・集約化のその地域計画なんですが、分析は分かるんですが、計画の検証ということになるとよく分からないなと思います。これはその計画が5年たった後などに、実態を調査をし直すということなのか、同様の集積・集約の事業を検証して、今の計画を検討するときに生かすとか、そういう意味なのかよく分かりませんでした。
      次、4ページなんですが、2基盤整備の推進というところなんですが、こちら二つ目の丸のところに、先行して取り組みやすい小規模園地整備を行うとあります。これは先ほどの話ですと、基盤整備ではなく既存の園地ということなのかなと聞いたんですけれども、例えばその基盤整備事業をするときに補助事業の要件が10haとか15haとか、そういう大きなのをちょっと小さく緩和して参加しやすくするとかという、そういう意味は含んでいないのか。大き過ぎるという意見は多分いろんなところから出ていると思いますので、そういう意味を含んでいないのだろうかということです。
      あと、そのすぐ下に二つ、水田転換の話があるんですけれども、中山間地域の水田を果樹園に、平野部の水田を果樹園にと、水田が相対的に過剰で果樹が相対的に足りないという大きな話でいけば分かりやすい話なんですけれども、恐らく収まると思いますが、今のようにお米が高いとか足りないとかといっているときにこの話をするのであれば、もうちょっと丁寧に意図が分かるような書き方が必要だと思います。
      例えば中山間地域で粗放的に経営されているとか、低利用の水田をとか、それを積極的に集約して果樹園にしませんかという話だったら非常によく分かりますし、また、果樹産地に残存している水田とか分散的に存在している水田を果樹園化する。それにちょっと積極的に取り組んでみませんかというふうな書き方にした方が、意図が伝わりやすいのではないかと思いました。
      あと、6ページに飛ぶんですが、3多様な農業者による園地の保全管理というところの二つ目の丸で、所有者不明の農地、何となく分かるんですが、これは所有者不明ということは恐らく耕作放棄になっているとか、そういうことでしょうかね。ということであれば、農地という地目かもしれませんが、農地として使われていないので、ここもちょっと書き方を変えた方が、遊休地とか耕作放棄地とか、そういうことにした方が分かりやすいのではないかという気がしました。
      あと、稲垣委員もおっしゃったプッシュ型の話なんですが、私も落ちたなと気が付きました。あと、国のリーダーシップという文言もちょっと落ちているんだなと気付きました。いろいろ経緯はあるんだろうと思いますが、25年ぶりの法改正でちょっと大きなことを考え方を変えてやりますよということであれば、響くワードだと思っていました。御検討していただけるということなので、よろしくお願いしますということです。
      あと、その経営モデルについて、先ほど浜松市と八幡浜市ということで出たんですが、恐らく土地の地形の条件が両地域で全然違いますので、両方とも同じような支援を当てはめるというのは無理だろうなというのは私も思いました。
      以上です。
    • 林部会長
      ありがとうございました。
      続いて、菊地委員、お願いいたします。
    • 菊地委員
      山形の菊地です。よろしくお願いします。
      今回の資料を見せていただきまして、今までいろんな人たちがいろんな話をさせていただいた中で、非常にまとまっておりまして、余り質問する項目はないんですけれども、一つだけ、苗木の供給に関して、産地の需要と供給のバランスのマッチングって非常に言葉はいいんですが、以前に言いましたけれども、なかなかそんなにうまくはいかないと思っています。
      またもう一つ、品種保護の観点、あと海外流出の観点で、優秀な品種が海外流出するときに、リース方式の苗木の販売というものもありましたけれども、海外流出に関しては一つの方法だとは思いますけれども、苗木生産者にとっては一にも二にも手間が掛かることで、なかなかちょっと難しいかなという気はしましたので、よろしくお願いしたいと思います。
      また、このKGI、KPIで数値が入ればかなり分かりやすかったのかなと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
      以上です。
    • 林部会長
      ありがとうございました。
      それでは、ただいまのお三人の委員からの御意見について、事務局からコメントがあればお願いいたします。
    • 羽石グループ長
      ありがとうございました。
      岩波委員からまずございました、最初の経営規模によっていろいろその在り方が違うということでございまして、それをまさに第4の経営モデルというところで、高品質果実でいくのか、規模拡大省力樹形でいくのか、あるいは加工仕向けにして非常に手間を省いていくのかということで、面積や収量が違いますよ、それから、どういう技術を入れますとか、短期労働力を使いますとかという例を示させていただいているところであります。
      それから、ライセンスのところですけれども、海外で売るためにはまず国内での評価を上げるべきということにつきましてですけれども、これは後ほど。
      それから、川久保委員からございました集積・集約化のところの地域計画の検証ということでございますけれども、これはその5年間終わった後ということではなくて、今年度中に市町村で作っていただくというものについて分析していく中で、検証という言葉がよくなかったのかもしれませんけれども、分析して評価をしてということであると思っております。
      それから、基盤整備のところのより取り組みやすい小規模園地整備というところですけれども、大規模な基盤整備ですと、本当に関係者の合意にすごい時間が掛かりますけれども、我々の農産局の事業の中でやっているような小規模な園地整備から、できるところはやりながら、それと並行して農村振興局でやるような基盤整備の計画、関係者の合意形成も進めて、並行して進めていくのがよいのではないかという、七條委員からのプレゼンの中にもあったかと思うんですけれども、そういう意味を込めてここに書かせていただいているということでございます。
      それから、水田転換のところについては御指摘のとおり、今年このタイミングでということで御指摘のとおりと思いますので、少し考えたいと思います。
      それから、多様な農業者による園地の保全管理のところにつきまして、所有者不明農地は、耕作放棄地などを念頭に置いておるんですけれども、これは基本計画の方で書いていることと合わせておりまして、こういう文言で今書いているということでございます。
      それから、先ほどのプッシュ型のところにつきましては少し検討させていただきたいと思っております。
      それから、菊地委員からございました苗木のところですけれども、なかなか需要側と供給側のマッチングは簡単ではないと思うんですけれども、省力樹形を全面的に推し進めていくという中で、苗木の量がこれまでに比べて大量に必要になるという中で、やはり苗木生産者側も、産地側がどれぐらい必要かということが分からないとその必要な量を生産していただけないと思いますので、何とかこのマッチングということを我々としてはやっていきたいという決意でございます。
      それから、苗木の知的財産の保護という観点でリース方式というようなことも、確かに非常に手間が掛かり、簡単ではないと思うんですけれども、この知財の保護ということも一方では進めていかないといけないということでございますので、今後とも引き続き菊地委員にはいろいろ御相談させていただきながら、検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
      以上でございます。
    • 宇井園芸流通加工対策室長
      岩波委員から御発言がありましたライセンスにつきましてですけれども、委員おっしゃるとおりで、まず国内でいいものを作るというのは大前提だというふうに思っております。これも前回、前々回のこの審議会の場でも申し上げたとおりだと思うんですけれども、日本の果実の最大の強みというのは、本当に高品質であるということだと思っています。本当にこんなに高品質な果実は世界中見てもないと思っておりますので、国内でやはりいいものを作っていく。国内の皆さん、あるいは海外の皆さんにも認知していただいた上で、海外でライセンスしていく。そういったことによって認知度も上がるわけですから、その認知度を踏まえてライセンスも有効に働いてくるというふうに思っておりますので、委員御指摘いただいたことにつきましては、この基本方針(案)の9ページのところで、「高品質等の日本の強みを生かしながら」云々というふうに書かせていただいております。
      そういったところで、委員の御指摘も踏まえながら取り組んでいきたいというふうに考えております。
    • 淺野課長補佐
      苗木のリースの件で、菊地委員御指摘のところ、少し補足をさせていただきますと、今も苗木のリース方式について、その実証などの取組が検討されているようなところであります。そういった中では、その費用対効果、あるいは現場に負担がなるべくないような形が取れるのか、そういったところを丁寧に検証しながら進めていくことが非常に重要だと考えております。
    • 林部会長
      どうぞ。
    • 菊地委員
      今日、私ここに来るときに、農水省の知的財産課からメールが入りまして、種苗管理に関してのオンラインで聞取り調査があるからよろしくお願いしますと来たんですけれども、知財課自体としてはやっぱり海外流出が一番の問題になっているんだそうです。先ほど岩波さんが言ったとおりに、すばらしい品種が出て、国内で生産をして評価が上がるまでに約10年掛かるんですよ。その間に海外へ行ってしまえば何にもならないということがあるので、苗木の段階、いわゆる農研機構で出た優秀な品種を苗木生産者に許諾すると同時に、海外にも種苗登録をやったりをやらないとなかなか難しいという話があります。そういう意味で先ほどリース方式とかということが出てきているんだと思いますけれども、もう少し苗木生産者の立場も考えていただければ有り難いなと思っているところでした。
      以上です。
    • 羽石グループ長
      ありがとうございます。まさにおっしゃるとおりの背景があってこういうことになっているんですけれども、当然、苗木産地側、苗木生産者側に過度の負担にならないようにということも踏まえて、検討を進めてまいりたいと思います。
    • 林部会長
      ありがとうございます。
      川久保委員、岩波委員は更問いはよろしいですか。
      ありがとうございます。
      続きまして、小林委員、お願いいたします。
    • 小林委員
      よろしくお願いします、小林です。質問が2点と意見が3点になります。
      まず、1点目ですが、KPI、KGIのところで、項目的に労働生産性とか付加価値の向上という項目があると思うんですけれども、そこに端的に労働生産性のKPIと付加価値がKPIを入れていない何らかの理由があったら教えていただきたいです。
      2点目が、数字が入ったものというのは大体いつぐらいに拝見できるのか教えていただけたら有り難いです。
      あと意見が3点ですが、7ページの付加価値の向上というところで、KPIが大規模経営体・産地というところだけが設定されているんですが、付加価値を上げるためには大規模化だけではなくて、いろんなことが必要だったりとか、具体的な施策もそれだけではなくいろんなことが書いてあるので、要は具体的な施策とKPIがひも付いているように余り見えないんですけれども、このKPIをもっと付加価値を上げるために何が必要なのかという、具体的な施策にも書いていただいているような部分って入れなくていいのかなと疑問に思いました。
      2点目が、生産の部分のデジタル化の記載はいろいろあると思うんですけれども、現場ではやっぱり販売の部分のデジタル化というのも大きな課題になっていて、特に付加価値額を上げていくというふうになったときに、生産だけじゃなくて販売部分のDXをどうやっていくかというのも課題になっているので、そこら辺は入れていただかなくていいのかなと思っております。
      最後になりますが、ポンチ絵のところで、現場的にはこれがいろんな方が見るものになるのかなと思っているんですが、もうちょっと各課の単独事業というか、単独のKPIという見え方よりも、国が、農水省が何を目指しているのか、もうちょっと俯瞰した、引いた方向性が分かるポンチ絵も入れていただけたら大変有り難いです。
      以上です。
    • 林部会長
      ありがとうございます。
      続いて、七條委員、お願いいたします。
    • 七條委員
      大分県の七條です。
      まずは、各委員様々な意見がある中、こういった形で取りまとめていただいて、個人的にはお話しさせていただいた意見等を反映していただけたなと思っています。ありがとうございます。
      私の方からは数点、感想とか気になった点、ささいな点なんですけれども、3ページ目の園地の集積・集約化の3ポツ目の部分、文の中ほどに「集約化した果樹産地づくりの課題となる老木抜根等の対策や」というふうに記載があるんですが、ここは是非、収穫している成園の対策、実際に今果実を取っている園地をどうするかというところの対策が重要ではと思ったので、そういった記載があるといいのではないかなと思いました。この老木抜根というのがそういった意味での記載なのか気になったところです。
      次に、KPIとして果樹型トレーニングファームの取組の設置産地数と記載があると思います。果樹型トレーニングファームを推進していくという方向性に異論はないですし、これまでの議論等を踏まえて妥当だと思っているんですけれども、トレーニングファームの特徴は、協議会等産地にある組織が園地を有していて、継承できるように園地を整備していくところだと思っています。
      一方、大分県にある既存のファーマーズスクールという仕組みでは、農家の方の園地で研修を行い、併せて就農者自身が継承する園地の整備や、新植による園地整備を行うなど、地域や状況に応じて就農しています。大分県の各市町村ではそういった就農システムにより新たな担い手の確保に取り組まれています。なので、園地継承に限らず、広くそういった就農システムについても、担い手確保の取組としてカウントしていけるような形で取り組んでいけたら有り難いなと思っています。
      以上です。
    • 林部会長
      ありがとうございます。
      続いて、神農委員、お願いいたします。
    • 神農委員
      神農でございます。よろしくお願いします。
      いろいろな意見を取り入れていただきまして、大変どうもありがとうございます。
      全体の冒頭、生産性の向上と担い手の順番の話がありましたけれども、両方とも大変重要な項目なので、理論的にどうこうというわけじゃありません。私はやっぱり現状のことを考えますと、労働生産性の向上を先に持ってきて、今あるものをきちんと整理をしながら、担い手の皆さんの指導といいますか、その方向からすると先ほどの説明でいいのかなと、そういうふうに思いました。
      それから、1点、やはりいろいろな計画を立てる上で中長期的なものと、すぐにでもというのは必ずあるものでありますけれども、その中で一番危惧しているのは、やっぱり温暖化の影響だと思っています。したがって、この文言の中にいろいろと言うつもりはありませんが、全て早急にとかスピード感を持ってというのは無理かもしれませんが、特に温暖化対策については非常に喫緊の課題に対応するためには、早急にとかいろんな強い文言で対応を示していただきたいのと。既に書いているところもありますけれども。
      それから、各産地でこういった取組をやろうとしているところ、また、実際やっているところ等々の国のバックアップといいますか、後押しといいますか、モデル的に温暖化対策について、リンゴではこういうことをやっています、ナシではこういうことをやっていますというようなことをやられている産地があるのであれば、是非、国の後押しというものを明確にといいますか、やる方向で記載できるものであればやっていただきたいなというふうに思いました。
      それから、大規模といいますか、いろいろと農家の経営体としての位置付けで、先ほど少しお話がありましたけれども、大規模経営体というものの位置付けなんですが、これは時代とともに私は変わっていくと思います。個人の零細から中規模、大規模とやった場合の位置付けなんですが、私の感覚では、りんごは5haを目指しているところかなというふうに感じています。ただし、20haとか、それ以上のものについて必ず目指すところにしていかないとこれからは通用しないと思うので、現時点では5haかもしれません。しかし、新技術の導入やいろんなスマート農業等の導入によって20haも可能だと私は思っていますので、現時点ではそのぐらいの区切りがいいのかなと思いますけれども、将来的にそういった目標をやはり視野に入れていかないと、今後対応できないのかなとも思っています。
      それから、出荷数量の目標は今後また詰めてお示しいただくようになろうかと思いますけれども、是非ここの事業について、不足のある品目については国内で賄える、私ども国産国消運動をやっておりますので、一生懸命作る側で頑張ってまいりますので、どうか目標設定は、生産者がやるぞという気になるような形で出していただければ。夢のような数字は要りませんけれども、具体的な数字をお示しいただきたいと思います。
      以上でございます。よろしくお願いします。
    • 林部会長
      ありがとうございます。
      それでは、事務局よりコメントがあればお願いいたします。
    • 羽石グループ長
      ありがとうございました。
      まず、羽石の方から御説明しまして、残り補足をしてもらいます。
      まず、小林委員からお話のございましたKPIですけれども、労働生産性のところは、労働生産性が上がるとその面積当たりの収量が上がるということで、反収とKGIを置かせていただいているところなんですけれども、ちょっと御質問の趣旨が違いましたら、また御指摘いただければと思います。
      それから、基幹産業としての付加価値の向上のところにつきましては、ここは非常に一番悩んだところなんですけれども、その付加価値額というものをどのように把握できるのかということもございまして、今は地域の基幹産業として果樹農業が残っていくために、例えば加工事業者ですとか輸出に携わる事業者などが参入していただいて、大規模な生産に取り組んでいただくというようなものを例えば一つの指標として出すということとしてはどうかということで、KPIに入れさせていただいているところでございます。
      それから、数字がいつ出るかということでございますけれども、これは年度内を目指してやっているものでございますので、もう間もなく出てくるものだというふうに考えております。
      それから、方向性が分かりやすいポンチ絵ということで、どういうイメージなのかまだ、この会議の後にでも教えていただければいいかなと思っております。
      それから、七條委員からございました老木抜根の対策のところですけれども、当然その成園の対策が先なんですけれども、この成園についてその地域計画に基づいて担い手への園地の集積・集約化を推進するということは当然で、一つ目に書いているという上で、集約・集積をする際に、もう耕作をやめてしまった園地などに木が残っていて、木が残っていることによってなかなか集積・集約が進まないということが一つ課題としてありますので、それをあえてここで一つ書いているという位置付けでございます。
      それから、トレーニングファームのKPI、ここにそういうファーマーズスクールのようなものが入らないかということにつきましては、またどういう取組なのかというのを詳しくお聞きさせていただければと思います。
      それから、神農委員からございました長期のものとすぐにやるものがあるということでございまして、まさに高温対策はすぐにやらないといけないものでございますので、今年の6年度補正予算でも我々の対策の中で高温対策の事業を入れておりますので、スピード感を持ってやらないといけないものであり、その支援対策も用意しているというものでございます。
      それから、大規模というのがどれぐらいの数字なのかということで、今後20haも目指していかないといけないということはまさに御指摘のとおりと思いますけれども、現在の規模から考えて、現時点では5ha程度を超えるものをカウントしていくということでどうかと思っているところでございます。数値目標につきましては正に御指摘のとおり、産地のやる気が出る目標を設定したいというふうに考えております。
    • 宇井園芸流通加工対策室長
      小林委員からデジタル化のお話がございました。特にその販売する際に、このデジタル化というのは付加価値を付ける上で非常に有効なコンテンツなのではないかというような御指摘だと理解をしてございます。
      例えば野菜の世界ですと、複数の生産者がコンソーシアムを組んで野菜を生産しようじゃないかといったときに、それぞれの生産者の栽培の状況なんかをデジタルコンテンツを使ってみんなで共有するとか、そういった取組も芽生え始めております。
      また、政府としては、農林水産省と内閣府の科学技術イノベーション推進事務局が連携をいたしまして、研究開発プログラムでukabisというサプライチェーンのデジタル化をできるような、そういった情報連携基盤も構築しております。そういったコンテンツが出てきておりますので、そういったものも活用しながら、果樹においてもサプライチェーンのデジタル化、情報連携、こういったものができると付加価値の向上につながるというふうに思っておりますので、そういったことも踏まえまして、この基本方針の書き方につきましては御相談させていただきたいというふうに思っております。
    • 淺野課長補佐
      すみません、七條委員から頂いた果樹型トレーニングファームの件で一つ補足をさせていただきます。
      果樹型トレーニングファームについては、まさに産地が園地を準備して、新規就農者が成園から経営を始められるようにといったところで定義付けて運用を進めているところでございます。そういった場合の主体としては、必ずしもJAだとかに限らずに、委員御指摘のようなファーマーズスクールであったりだとか農家さんそのものがその受入れ体制側に入る、そういったことも考えられると思いますし、全国で色んな取組が行われておりますので、総体として進めていくことができればということを考えております。
    • 小林委員
      1点だけよろしいでしょうか。
    • 林部会長
      小林委員、お願いします。
    • 小林委員
      ありがとうございます。
      付加価値額と労働生産性のところなんですけれども、私たちもちょっと、いろんな比較のために農水省さんのデータを使って自分たちでもやっておりまして、農水省さんの方で両方とも統計を出していらっしゃるので、それを活用して出せるんじゃないかと思っています。反収でもいいんですけれども、農業サイドで見たらそうかもしれないですが、若い人が働くとか、そういった経営的なことを考えたときに、結局、労働生産性掛ける労働分配率が給料になると思うので、それが農業全体で見える化されていないと、ほかの産業が見える化されているので、要は付加価値が高くてしっかりと選ばれる産業になっているのかどうかの比較もできないからあった方が、統計的にはあるから、それもちゃんと追った方がいいんじゃないかと思いました。
      以上です。
    • 羽石グループ長
      ありがとうございます。分かりました。そこも含めて、会議の後でいろいろ教えていただければと思いますので、よろしくお願いします。
    • 林部会長
      七條委員はよろしいですか。
    • 七條委員
      はい。
    • 林部会長
      いろんな形のファームとか育成施設を全部含めて検討していくということですよね。
      神農委員、よろしいでしょうか。
    • 神農委員
      はい。
    • 林部会長
      ありがとうございます。
      それでは、ここで休憩時間を設けたいと思います。10分間なので、今3時5分でよろしいでしょうか。
      では、3時15分に再開したいと思います。よろしくお願いします。

    午後3時04分 休憩
    午後3時15分 再開

    • 林部会長
      それでは、時間となりましたので審議を再開いたします。
      前半に続いて、委員から御意見、御質問を伺いたいと思います。
      続きましては、鈴木委員、お願いいたします。
    • 鈴木委員
      鈴木です。よろしくお願いいたします。
      こういった振興基本方針、基本的には果樹農業を維持していくにはどうしたらいいかということだと思うんですけれども、そのためには労働生産性を上げて農家所得が安定するということが不可欠だというふうに思っておりますけれども、生産資材が高止まりしている中で農業収入を増やすには、生産量なり出荷量を増やすか値段を上げるかと、これしかないわけでございまして、価格に関しては最近ではかなり高い水準となっていますので、これ以上余り高くすると消費者が消費が減退する可能性がありますので、最終的には一経営体当たりの生産をいかに増加させていくかということが必要だというふうに思っております。
      そのために基盤整備の推進ですとか省力樹形、またスマート農業の導入といったことになるわけでございまして、当然これを強力に進めていかなければなりませんので、この基本方針の取りまとめ案でおおむね網羅されているというふうに思いますし、また、委員の皆様からいろいろ御意見が出されておりますので、あえて申し上げることはないんですけれども、ただ1点、ちょっと気になるのが、果樹産地では急傾斜の園地ですとか、一筆当たりの面積が非常に小さい、一つの畑の面積が小さい園地が集中しているような地域もまだまだ非常に多いわけでございまして、そのような園地での基盤整備なり機械の導入、また、スマート農業化というものをどう推進していくかが大きな課題だろうというふうに思います。そのような産地を今後どうしていくのかというのを、もう少し具体的に書き込んでいただければ有り難いのかなというふうに思います。
      こういった急傾斜地の園地で大規模経営を目指していくには、どういったことをしていかなきゃいけないのかというのが、もう少し具体的に書いていただければというふうに思います。
      また、果樹経営の基本指針にもございますけれども、反収の問題でございますが、基盤整備ですとか省力樹形の導入によって必ずしも反収が増加するわけではないということでございまして、確かにりんごの高密植栽培ですとか、なしのジョイント栽培などの省力樹形では、反収は確かに増加いたしますけれども、柑橘類等で見られるような基盤整備で機械化の導入のために園内道を整備するというようなことがよくありますけれども、これですと植栽本数が減りますので、かえって反収が減少する場合もあるというような状況にあります。
      したがって、反収の考え方は単位面積の収量ということではなくて、一経営体当たりの収量で考えるべきだというふうに思ってございまして、当然基盤整備をしてSS等の機械を導入することで省力化ができるわけでございますので、その分、経営面積を増やして生産量を確保するということにつながるということに思いますので、そういった方向でもって考えていただければというふうに思います。反収の増加だけ、反収を増やすということだけを考えますと、果実の品質低下にもつながりかねないという面もございますし、先ほどもちょっと話が出てございましたけれども、国産の果実、高品質を維持することが基本だというふうに思ってございます。
      輸出に関しましても、日本産果実は高品質であることが強みでありますし、国内においても高品質ということで消費につながっているという面が非常に大きいと思いますので、品質の維持、高品質化ということも頭に入れながら、反収の設定を考えていただければというふうに思います。
      以上です。
    • 林部会長
      ありがとうございました。
      それでは、続いて、寺地委員、お願いいたします。
    • 寺地委員
      寺地でございます。
      いろいろな課題解決の行くところ、一つの着地点かなというふうなことを思っております。やはり農家としては量が少なくなったら、作りにくくなったのはと実感しております。そういう中でいかにして増やすか、多くの人に食べていただくか。そして、最終的に出口として選果場がそろそろ古くなってきて、人の集まりも集めにくいという中で、AIを導入していって、効率的に選果して届け出る。それが大事なのかなというふうなことを思っております。
      3点ほど、お願いといいますか、質問なんですけれども、4ページにありました、川久保委員からもありましたけれども、水田転換園のところはやはり丁寧に説明した方がいいのかな。我々も取り組んでおりますけれども、水田として活用されない耕作放棄地を集約して、集めて、広げてジョイントでそれをやっているということで、まだまだこれから広げていく途中なんですけれども、それではっきりと使われていない、問題が起こらないように、米生産に直接使われていない園地、田んぼを利用するというふうな書き方が好ましいのかなというふうに思いました。
      あと23ページ、この輸送関係のところで「モーダルシフト等を推進する」という表現があるんですが、これはやはり地域によって利用できるところと利用できないところが当然ございまして、私ども山陰の鳥取は貨物が動かないんですよ。どうしたって貨物の輸送に対応する線路じゃないみたいなので、そこら辺りも含めて、じゃ、国がやるからやってよと言われると、それはできるかもしれませんけれども、いかんせんトラックしかないのかな。それは鳥取に限らずどこでも起こり得ることなのかなというふうなことを感じております。
      もう一点、果実の加工の件なんですけれども、一番最初の回でもありましたけれども、規格外の果実を加工用に回すのが普通なんですけれども、ここには契約生産など価格を決めて、量をある程度加工に回すことができるような生産を進めるという表現なんですけれども、これって、やはりちょっと時間が、全国的に時間が掛かるだろうな、品目によってということを思いましたので、そう思っております。
      いずれにしましても、KPI、KGIというのはやっぱり目標があれば取り組みやすいのかなというふうなことを感じておりますし、これは決して国がKGI、KPIを表現するんではなくて、産地の方でもそれなりに自分たちで目標を決めて取り組めば、より一層物事が進みやすいのかなというふうなことを感じました。
      以上でございます。
    • 林部会長
      ありがとうございました。
      続いて、永岡委員、お願いいたします。
    • 永岡委員
      おてつたびの永岡です。
      すごい分かりやすく取りまとめいただき、ありがとうございます。
      私から3点、コメントをさせていただけたらと思います。
      まず、1点目なんですけれども、こちらの資料2のポイントの部分ですかね。KGI、KPI、すごい分かりやすく整理していただいて、すごいいいなと思ってはいるんですが、ちょっと私が国レベルでのKPI、KGIの策定に不慣れというところがあるかもしれないんですけれども、それを前提の上でちょっと御質問なんですが、恐らくKGI、KPI施策というのはKGIを達成するためにKPIがあり、KPIを達成するための施策というような形で、恐らくこのフレームワーク自体はKPIを達成、振り返りしやすかったり、KPIに基づかない施策を全て実施しないというような意思決定をしやすいためのものなのかなと思っておりまして、その観点でいいますと、この担い手の育成・確保、労働力の確保という項目に関しまして、KGIやKPIに基づかない施策が結構多いのかなと感じております。施策全て大事なものではあると思いますので、恐らくですけれども、担い手の育成と確保という項目と労働力の確保というものが結構違う要素が多いので、そこをまとめてしまっているところが一つあるのかなとちょっと感じております。
      もしできればなんですけれども、担い手の育成・確保と労働力の確保を分けてしまってKGI、KPIを設定をするのか、若しくは分けることが難しいのであれば、この担い手の育成・確保、労働力の確保というところの達成が、恐らく上位概念に労働力の確保があり、その後に新規参入で確保するのか、それとも新規参入外での確保をするかかというようなツリーになってくるのかなと思っておりますので、そうなってくると、恐らくKPI自体もトレーニングファームだけの設置では達成できない部分があるのかなと感じております。
      なので、ここら辺の設計の仕方であったり、施策に対してのお考えなどを是非伺えたらなと思った次第でございます。
      あと、2点目に関しましては、資料3の労働力不足への対応、6ページ目ですか、いろいろ反映いただき、すごいうれしいなと思っております。もし可能であればなんですけれども、環境整備の文面であったりとか、あと営農指導の一環というような文脈も入れていただけるとすごい、特に一つ目、二つ目の黒ポツのところがあるとうれしいなと思っております。特に環境整備に関しては、恐らく前回の基本方針にも入れていただいていたかと思うんですけれども、今回無くなってしまっているので、恐らくこの労働力を確保していくという中で論点になってくることが多いのかなと思いますので、そういった観点が2点目になっております。
      あと、3点目に関しては、先ほど七條委員もおっしゃっていただいたことにも近くなってくるかもしれないんですが、トレーニングファームの定義というのがこの中に入っていなく、恐らく議論していく中でトレーニングファームとして何を必ず達成してほしいのかというような項目があるのかなと。それこそ農地を継承できるという点もそうかと思いますし。なので、そこは何か定義があった方が国全体としてしっかり動きやすい側面はあるのかなと感じています。
      1点目のKPI、KGIに関しては労働力の確保をどう数値化するのかみたいな論点があって、この項目になられたのかなというのもちょっと感じながらではあるんですけれども、是非お話を伺えたらなと思います。
    • 林部会長
      ありがとうございました。
      それでは、事務局よりコメントがあればお願いいたします。
    • 羽石グループ長
      ありがとうございました。
      まず、鈴木委員から頂きました、まさに量を増やすのか価格を上げるかのどちらかということで、量を上げていくということで、労働生産性を上げていくというのを一番目に書かせていただいているわけでございます。確かに御指摘のとおり、急傾斜地で小さい園地が多いということで、そういうところでなかなか大規模な基盤整備は難しいということでございますので、そういうことも含めて、より取り組みやすい小規模園地整備を行いというようなこともここは書かせていただいていたということでございますけれども、なかなかそういうところでの基盤整備、機械化をどう進めるのかというのは非常に難しい問題なんですけれども、そういうところでも小規模園地整備も進めながら、あと、使われなくなった水田の転換も進めながらということを書かせていただいているということでございます。
      あと、反収のところで、経営体当たりの収量で測るべきではないかという御指摘だったかと思うんですけれども、経営体当たりでその栽培面積が増えた場合に、その増えたところで取れる収量も含めてということかと思うんですけれども、規模拡大によって、その経営体当たりの収量が上がると思いますけれども、機械化ですとか、スマート農業技術の導入ですとか、それから省力樹形に転換するというところについては、その面積当たりの収量が上がっていくということだと思いますので、考えさせていただきたいと思います。
      あと、その最後の目標が生産数量目標に全てつながっていくということなんですけれども、そのときに園地の面積をこれぐらいにまで維持をして、その面積当たりの収量がこれぐらいということを掛け合わせると最後は生産数量目標につながるという観点でも反収でいくというのが適切ではないかなと、今のところは考えているところでございます。
      それから、寺地委員からございましたけれども、水田転換のところを丁寧に書くべきということで、御指摘のとおりと思いますので、検討させていただきたいと思います。
      それから、永岡委員からございましたKPI、KGIの考え方ですけれども、KPIを設定しない施策はやらないということに決定するのかという……
    • 永岡委員
      いえ、通常だとKGIに対してKPIがあり、KPIを達成するために施策があると思うので、KPIに載ってこない施策って必然的にできないといいますか、もしその設定の仕方をするのであれば、逆にKPIにひも付かない施策の位置付けがちょっと曖昧になってしまったり、推進力が出なかったりするのかなと思うので。
    • 羽石グループ長
      ありがとうございます。
      講じていく施策につきましては、このA3の紙でいう講じる施策のところに書いてあるとおりでございまして、これの内容は本文の中にいろいろ書いているということなんですけれども、これらの実施しようとしている施策のそれぞれの有効性を把握していくためにKPIを設定したいと思っているのですが、全ての施策を、その進捗を数字で把握することが現実的に難しいということがございます。統計データがないものですとか、どういうふうに数字を把握したらいいのかも分からないというものもございます。
      ということで、代表的な施策についてその把握できるもの、数字で把握できるものについてKPIで計測をし、そのKPIに設定しているものだけではないんですけれども、それらも含めて講じる施策の全てによってKGIを達成し、それらによって、それが全てつながって最後、生産数量目標の達成に向けて全体が動いていくという考え方でございまして、KPIに載っていない施策についてはその推進力がちょっと落ちるというふうに考えているわけではないということでございます。
    • 永岡委員
      ありがとうございます。コメントの意図としては、KGI、KPIに関して、特に担い手育成や労働力の確保という点に関して網羅できていないKGIになっているのであれば何か違う。労働力不足というのが上位概念にあり、その下に新規参入者と労働力を確保できたかという、新入参入者以外で確保できたかという多分ツリーになってくると思うんですけれども、そこら辺がどんな感じなのかなというのを。
      ただ、今のお話で代表的な施策だけにKPIを設定しているというお話でもありますので、KGIも代表的なものに対してだけという感じなんですかね。
    • 羽石グループ長
      そうですね。この大きな柱を代表して一つ設定するとしたらこういうことかなと。数字を把握できるものの中で、この項目を代表できる指標として設定できるものを考えたときに、こういうことかということで設定しているものでございます。
    • 永岡委員
      分かりました。
    • 宇井園芸流通加工対策室長
      寺地委員からモーダルシフトについて御発言がございました。23ページのところに「モーダルシフト等を推進する」というふうに書かせていただいております。
      委員おっしゃるとおり、モーダルシフトは地域によって向き不向き、それから品目によっても向き不向きがあろうかと思っております。私どもここで意図しているところといたしましては、御案内のとおり、トラックドライバーが今後も厳しい状況になるであろうという中で、物流を効率化していく必要があるだろうということで、一つその事例としてモーダルシフトということで書かせていただいておりますが、先ほど申し上げましたようにモーダルシフトは向き不向きもございますので、モーダルシフト以外の方法でも効率化を図っていくべきではないかということで書かせていただいてございます。
      それから、加工の原料果実の調達方法についてでございますけれども、これも一つの方法として契約生産、契約栽培という方法もあるのではなかろうかということで書かせていただいております。御案内のとおり、加工用の原材料の果実につきましても非常に集めにくいという状況になっておりますので、あらゆる手段を通じて集めていく必要があるだろうということで、一つの形態、方法として書かせていただいているというところでございます。
      委員御指摘のように、なかなか一筋縄ではいかないと思っておりますが、ここでメンションすることによりまして、一歩でも二歩でも前に進めたいということでございます。
    • 林部会長
      皆様から更問いはございませんか。大丈夫ですか。
      ありがとうございます。
      今、そのモーダルシフト等の「等」に、モーダルシフト以外の施策もということだったんですけれども、済みません、私が聞いて。何か例えば例はありますか。
    • 宇井園芸流通加工対策室長
      例えば、トラック一つにしましても積載効率が非常に悪いというふうにも言われております。どういった混載の仕方があるのかというのはいろいろ議論があるところではあると思いますけれども、トラック一つとっても工夫の仕方というのはまだいろいろあると思うんですね。ですので、そういったことも含めて「等」ということで包括的に書かせていただいておるということでございます。
    • 林部会長
      ありがとうございます。何度も包装とか入替えをしないで済むように、物流の拠点だとか、梱包の形を工夫するとか、何か物流についていろいろ検討はされているんですよね。
    • 宇井園芸流通加工対策室長
      はい。23ページの2にところに4つほど黒丸がございます。今、座長御指摘のあったところは、上の二つ目の丸のところが主にその記述、該当の記述なのかなというふうに思ってございます。産地における集出荷施設の整備でありますとか、あるいは中間物流拠点、こういったものの整備も併せて進めていくということでございますし、こういったものの整備を進めるということは、当然物流の合理化全体を見るということにもなると思いますので、こういったハード面を考えるときに併せてソフト面についても御検討いただけるものというふうに理解をしております。
    • 林部会長
      ありがとうございます。
      先ほどの永岡委員からの担い手育成・確保、労働力確保のところのKGI、KPIのところなんですけれども、KPIに今書いてあるトレーニングファームの設置以外に何か載せられるものがあるかどうか、事務局にまた御検討いただければなと私からもお願いしたいと思います。
      即答しなくても大丈夫です。ありがとうございます。
      続いて、中山委員、お願いいたします。
    • 中山委員
      皆さん、こんにちは。中山です。
      基本方針(案)を読ませていただきました。私たち農家の声を聞いていただき、私たちが願っていることなど、基本方針(案)に盛り込んでいただけたことに本当に感謝いたしております。ありがとうございます。
      一農家の私といたしまして、資料の19ページ、第4の近代的な果樹園経営の基本的指標、2農業経営モデルの考え方で、1、うんしゅうみかん、慣行栽培、あと規模拡大・機械化モデル、加工仕向の生産モデルの指標がありますけれども、単価のところでkg単価が200円と書いてありますが、これが専業農家から見たら気になります。これは私たちの農家からすると30年前の目標価格で、現状は肥料に農薬、段ボール、輸送運賃、人件費などの生産出荷コストが今、急上昇しています。私たちは、市場価格でkg単価が350円、手取り価格で250円、また、この規模拡大・機械化モデルになりますと、ここに10a当たり収穫量が3.5tと書いてあるんですけれども、作業効率を高めるために作業道などを広く取る必要があるため、担当収量は少なくなって、大体2.5tになるかと思います。
      でも、この作業効率がよくなるために担当就労時間は短縮できることによって、経営面積の拡大が可能になっていきます。単価は慣行栽培とほぼ同じと考え、やっぱり卸売市場価格で350円、手取り単価250円以上を目標に、我が家を含め周りの農家も頑張っております。
      ちなみに、栽培面積を聞かれて5haと言うと、周りの農家の方からは、わあ、広いねとか言われます。経営者2人、臨時雇用9人とありますが、収穫以外での日頃の作業を2人でやると、やはり5から6haが限界かと思います。臨時雇用というのはほぼ収穫のときなので、これは妥当人数かと思われます。
      加工生産モデルの方は私が携わっておりませんので、はっきりとお伝えすることはできません。こういう、今申し上げました、以上のことを参考にしていただければと思います。
      話が少しそれますけれども、私はこの審議委員会のメンバーとして受け入れていただいたことでいろいろなことに気付かさせていただいたと思っております。目先のことばかりではなくて、視野を広くして物事を見ることができ、申し上げにくいことなんですけれども、私たち一般人は農水省の方々や周りにいらっしゃる方々は朝8時から夕方5時までの仕事だと思っていました。でも、実際は違っていて、審議会の資料や連絡メールなどを見ますと、私たちが眠っている深夜に送られていることも多く、夜中まで仕事をされているということを知りました。みんなのために人知れず頑張っていらっしゃることも、これも私は世の中の人たちも知るべきだと思っています。だから、私の周りの知人や友人、いろんな人たちに農水省の皆さんが夜遅くまでお仕事されているということを、最近は言い触らかしています。
      国民の食と農を真剣に考えてくださり、私たち農家を支援していただけることを本当に心より感謝いたしております。基盤整備事業や親元就農などの後継者問題、物流、労働者の確保に温暖化問題と、いろいろ課題は尽きませんが、これからも継続的に国には御支援をお願いしたいと思います。私たち農家に50年後も展望が開けるような、夢が描けるような未来を見せていただきたいです。そして、私たち農家もその期待に応えられるよう、消費者の皆様が感動して、ぱくぱく食べてくれるようなおいしい作物を作っていきます。それが私たち農家の役目だと思っております。いろんなことがあるんですけれども、これからも頑張っていこうと思います。どうぞ皆様、よろしくお願いいたします。
    • 林部会長
      ありがとうございました。
      続いて、竹下委員、お願いいたします。オンライン参加でいらっしゃいます。
    • 竹下委員
      お世話になります。聞こえていますでしょうか。
    • 羽石グループ長
      聞こえております。よろしくお願いします。
    • 竹下委員
      御説明等、皆さんありがとうございました。済みません、ちょっと遅れて参加してしまったので、もしかしたら……
    • 羽石グループ長
      済みません、ちょっと声が小さいんですけれども。
    • 竹下委員
      ちょっと待ってくださいね。
      済みません、改めましてよろしくお願いいたします。
      ちょっと遅れて参加してしまったので、もしかしたらもう御説明いただいた部分への質問になってしまうかもしれませんけれども、今までの議論を踏まえて、私の意見等も取り入れていただきまして、誠にありがとうございます。
      やはり本当に推進していくんだと、目標を達成していくんだぞということに当たっては、KGI、KPIの必達目標としていくというのは本当に大事になってくることなんじゃないかなと思っていますが、この数値はまたこの先出てくるということですけれども、5年後に達成したい目標値ということで令和12年度の数値を書かれるということだと思うんですが、20年の計画の中で最終的にはここまで持ってくるのが国としての理想値である。その中で、5年後に設定される目標値というのはその最終目標のどの段階まで、例えば最初の5年で8割まで持ってこようと思っているのか、いや、単純に4分の1の期間で最終目標の4分の1なのかという話なのかというと、どういう想定でそれぞれ置かれようとしているのかというのを、ちょっと御回答いただければなと思っております。
      あと、もう一点ちょっと質問させていただきたいのが、経営指標というものもモデルとしていろいろなパターンで出されているなと思いましたが、この想定は現状の成功モデルを基にされているんだと思っていますが、どういったところをどのように分析して設定されたものなんでしょうか。
      また、今後、新規就農者を募っていこうという中で、農業法人としてこのくらいの収益が理想値として見込めるのであれば参入しようと思うに十分な数値、経営指標値となっていると言えると判断されているんだと思うんですが、その根拠は一体どういうところから持ってこられているのでしょうか。御回答、よろしくお願いいたします。
      私の方からは以上です。
    • 林部会長
      ありがとうございます。
      それでは、最後になりますが、私からも意見、質問をさせていただきます。
      まず、苗木の管理についてなんですが、先ほど菊地委員からも、苗木業者の皆様のことも考えて施策を検討するようにという御意見を頂いたところなので、是非御意見いただければと思うんですが、今回の本文案の方の5ページの8では「苗木の生産・供給の強化に当たって、品種保護意識の向上などを推進する」とありますし、10ページの2のところでは、戦略的な海外展開の推進の3つ目の丸において、苗木について「流出対策とブランド管理を両立する管理方式の導入を推進」と書き込まれています。
      特にこの流出の観点なんですけれども、過去に苗木業者さんルートで品種流出が生じたこともあったと聞いておりまして、そういったことも含めると苗木業者さんの管理の底上げのための研修プログラムですとか、優良な管理能力を有する苗木業者さんを認証して、育成者、業者に対して認証を受けた苗木業者さんへの増殖許諾を推奨するなど、そういう管理能力が高くて、実践しているということを見える化して、権利者がそうした苗木業者を選択しやすくするような枠組みを作るというような必要はないのかなと思うんですが、もし菊地委員から御意見いただければ有り難いなと思っております。
      もう一点は、19ページから、第4のところで、品目ごとに、また各経営モデルで収益確保される集約面積というのが示されて、今後、都道府県で作る地域計画において、各地域で目標とする集約面積などが示されていくのかなと思うんですけれども、要はこの栽培方法でいけば収量や収益性ともに優れているから、これが推進されれば基本計画の目標達成に近づくなというような想定がモデルで示されて、各地域地域でそれを参考にしながらこれから計画を作っていくという理解でよろしいのか、これは事務局に確認させていただければと思います。
      モデルのところなんですけれども、輸出とか高付加価値化の視点をKGIに落とし込んだ場合の経営モデルというのが、今のこの第4のところで挙げられたものの中にもう含まれているのか、それとももうちょっとそこまで要求、目標を高く持つのであれば、今ここで挙げている、第4で挙げているモデルでの数値というのがまた違ったものになってくるのか、それについて事務局からお伺いできればと思います。
      済みません、中山委員、お願いします。
    • 中山委員
      済みません、さっき発言の内容が少し漏れていたので補足させていただきたいんですけれども。
      我が家の場合なんですけれども、夫が父より継承したときが5haでした。今が栽培面積が10haになっていまして、この栽培面積が10haになるまで20年掛かっています。日本人の主体で働くのが2人、あと常時雇用者として外国人実習生を3人で、日本人のパートさんを2人で、臨時で主に収穫のときとかになりますけれども、これが大体6人から7人となっております。10a当たりの収穫量、これが大体3tで、単価の方はやっぱり同じで、市場の価格が350円、手取り価格が250円というふうになっていますので、そこを追加でお伝えしたいと思います。
    • 林部会長
      ありがとうございます。
      それでは、中山委員、竹下委員、林の質問について、事務局からコメントがあればお願いします。
    • 羽石グループ長
      ありがとうございます。中山委員、竹下委員、部会長からそれぞれございました経営モデルの考え方等については、後ほど担当者から説明いたします。
      それから、中山委員からございました、済みません、夜中などにメールを送ってしまったりしまして大変失礼いたしました。我々の準備が遅いということで申し訳ございませんでした。ただ、そういうふうに言っていただければ、そこで若者もやったかいがあったなと思いますので、ありがとうございます。
      それから、竹下委員からございました、5年後に達成したい値で、20年後にどこまで持っていく中で5年後ここなのかということですけれども、御指摘のとおりなのですけれども、実態としましては20年後の数字がどこまでということは出してございません。そこは5年後の目標を出して、今後毎年その進捗を管理していくということで、5年ごとに目標を設定していくということですけれども、ただ、果樹については一度植えると20年、30年、その木で経営していくという観点がございますので、改植、新植に当たってはその地域計画に沿って進めていくとか、基盤整備をするにしても20年間同じ品目でやっていくということを念頭に置いた上で進めなければならないということで、20年を見据えた上での5年間の計画と言っておりますけれども、20年後の数字までを今出しているわけではないということでございます。
      それから、部会長からございました苗木のところも含めて、お願いします。
    • 淺野課長補佐
      経営モデルについて少しテクニカルなところについて御説明申し上げたいというふうに思います。
      今回の経営モデルについては、それぞれの示している面積やその単価だとかの数値というのは、目指していくべき数字ということで設定したというよりかは、飽くまでも目安という、御参考というような位置付けでございます。今回のモデルの意図としては、基本方針の本文の中に書かせていただいたような省力樹形の導入であったり基盤整備、その他、そういった施策の効果、施策を導入していった場合に一つの経営体としてこういう形を取り得るのではないか、そういう形をモデルとして書かせていただいたということであります。
      例えば、単価については、おそらく中山委員の経営はみかんと中晩柑類の複合的な経営だというふうに思っておりますので、高く付いているところもあると思いますし、実際そういった経営単価を目指していくべきだというふうに思っております。
      ただ、今回の数字については飽くまでも統計的なところというところを背景に、例えばこういった経営面積でこの人数で機械を入れて、単価は、今回はその施策の中では特に取り上げているようなところもございませんけれども、仮置きということで目安という形でやれば、所得がこれぐらい上がるんじゃないか、そういったところをお示しさせていただいたというところであります。なので、一つ一つのその単価だとかがその目標というわけではなくて、飽くまでも目安ということで御理解を頂ければというふうに思っております。
      実際には、竹下委員からの御指摘もございました、成功モデルというようなところでありますけれども、具体的な経営というものを参考にさせていただきながら、統計の数字、聞取りの数字を踏まえて、実際の数字を組み込んでいるといったところでございます。まさにこのモデル、じゃ、どういうふうに使うべきなのかということなんですけれども、林部会長の御指摘にございましたとおりに、施策を導入していった場合に、地域によって圃場条件であったり経営条件、品目、本当に条件は様々でございます。各地域それぞれにおいて目指していくべき姿というのを、この基本方針の策定後に考えていただく、検討していただく必要があるというふうに思っております。
      今回のモデルについては、その参考となる一つの可能性の姿について示したものというふうに考えております。
    • 宇井園芸流通加工対策室長
      林座長の方から、このモデルにつきまして輸出も含まれているのかというような御発言があったと思いますけれども、輸出の基本形としてはこういった姿なのかなというふうに思っております。輸出先国によって求められる、例えば残留農薬基準を気を付けなければいけないとか、あるいは植物検疫でトラップを仕掛けなきゃいけないとか、そういったことをプラスアルファで求めるケースというのはございますけれども、非常に多岐に、多様になってしまいますので、基本形としてはこういったことで日本産の高品質な果実をまずは作っていただく。それに若干のプラスアルファで今申し上げたトラップのその仕掛ける手間とかいうのはあるかもしれませんけれども、基本的にはこれが基本形になるというようなことで考えております。
    • 林部会長
      ありがとうございます。
      済みません、それでは私から菊地委員の当時者の御意見を是非伺いたいと思うんですが、よろしくお願いします。
    • 菊地委員
      前回のこの果樹部会、委員会の後に知的財産課に回って、それはいわゆる前回の資料にありましたとおりに、品種保護とか海外流出防止のために苗木のリース方式の販売方式もあるんだという話があったんで、この会議が終わってから知的財産課へ回って、話を聞いてきました。
      ただ、結論を言うと、具体的にどうしろとは全然まだ決まっていないんだそうです。従来、今までは農研機構で開発された品種を、日本果樹種苗協会って苗木屋の団体があるんですけれども、そこの果樹種苗協会を経由して、会員の皆さんにこういう品種が出ましたから許諾希望者は申し込んでくださいというやり方でやっていたんです。そうすると、希望する人は、例えばブドウを作っていなくてもブトウの品種も許諾します、ミカンもします、いろんなものをするというと、どうしても今までのやり方だと流出しやすいんじゃないかという話になっているみたいなんです。
      その苗木生産者、苗木販売している方にとって、例えばホームセンターとか園芸店とかに売っている方もかなりいます。あとは、うちはそうなんですけれども、本当に産地の方に販売している苗木屋もいますし、販売方法はいろいろ、販売先もいろいろありますけれども、基本的に、要はホームセンターとか園芸店とかに売ることによって、不特定多数の人が買うことができますよね。そうするとどうしても流出しやすいんじゃないかという話にはなっているみたいで、そういう販売先の苗木屋には、例えば農研機構の品種は許諾しないような方向で行くとかにはなっていそうな気がします。まだ具体的に決まっていませんけれども。
      あともう一つ、通信販売というか、オンラインで販売している苗木屋さん、うちもそうなんですけれども、それはやっぱり新しい品種が出ると必ず、片言日本語の人が、連絡来ます。韓国とか中国とかね。そういう人には丁寧にお断りして、済みません、品切れですとお断りして売らないようにしていますけれども、ただ、日本人の名前で来る人って一回一回検査するわけにいかないものですから、それはもしかすると日本人経由で来る可能性はないとは言えないと思っているんです。そのためには、これはある筋の話ですけれども、オンライン通信販売で売る場合は、必ず作付けする農地を確認してから売れというふうになっているそうな気がするんです。
      でも、基本的には今までどおりに、今までみたいに希望する人が全部許諾されるかというと、なかなかできないような方向に行っているような気がします。
      以上です。
    • 林部会長
      どうも詳しく教えていただいて、ありがとうございます。
      多分、一番懸念されているのは、インターネットを通じて海外に流出するということだと思いまして、そのインターネット販売についてどうやって制限していくかというのは、この苗木にとどまらず非常に難しい問題ではあるんですが、一つのアイデアとして、入り口のところで抑えるということで、その条件を、例えばどこで耕作するのかとか、身元を明らかにさせるとか、いろいろな出発点のところで条件を課して、それで流出を少しでも防いでいこうと。今のように無制限に流出していくということがないようにしようということで知財課の方では検討しているんではないかと思いますので、やっぱり幾ら頑張って日本でいい品種を作って、生産者の方がいいものを作っても、それが今言ったようなインターネットを通じて流出してしまうと、何のために苦労したのか分からなくなって、おいしいところをさらわれる話になってしまうので、流出防止についてもいろいろ苗木の管理をしていくべきではないかなと思っております。
      ほかに、委員から今頂いた中で、事務局が答えていないところってありませんかね。
      竹下委員、更問いはございますか。
    • 竹下委員
      済みません、少しだけ追加でいいでしょうか。
      御回答、どうもありがとうございました。
      その中、目標、KPI、KGIについては、特に20年後の目標で云々という話ではなく、まず5年後が、達成してその先でということは理解いたしましたが、ただ、国として、要は果樹のここまで生産量を回復させていくべきじゃないかという理想論というか、あるべき姿は本来描かれていないと、じゃ、何も目標が、近くのものはあったにせよ、その先というか、本当に行く先ってどこなのというのが何となく見えづらいような気がしました。今回そこまで出さないというのであれば、そういうものかなというふうには思ったんですけれども、何となく最終的にここまで持ってくるから、日本の食料自給率、果樹の自給率というのは安定して、日本人も国内でも安定して食べられるし、輸出にも必要な量を回せるから、生産者の方々もこの先、安定した収入が見込めますよねというのがちょっと、やっぱり5年先ぐらいしか見えないというのでは、何となく新規に入ってきてその先どうなるのというのが何か感じ得づらいんじゃないかなというのをちょっと所感として感じたので、意見として述べさせていただきます。
      済みません、ありがとうございます。
    • 林部会長
      ありがとうございます。
      どうぞ、稲垣委員。
    • 稲垣委員
      済みません、先ほどの質問の仕方が分かりづらかった。済みませんが、1個、御回答をはっきり頂けなかったと思います。
      KPIとKGIのところで、12ページの品目の目標が品目別にあるわけですが、これと13ページの全体のKPI、KGIというのは、物によってはこの品目のトータルが12ページの全てを積み上げていくと13ページの生産量になっていくというものと、そうでないものが混在していくという形でよろしいんでしょうかということを質問したつもりだったんですが。
    • 林部会長
      ありがとうございます。
      事務局、今の点、お答えをお願いします。
    • 羽石グループ長
      申し訳ございません。回答が漏れておりましたけれども、生産数量、それから面積につきましては、この品目ごとに数字を出してまいりますけれども、それ以外の数字については果樹1本で出すということでございます。積み上げた上でですけれども。
    • 林部会長
      稲垣委員、よろしいでしょうか。
    • 稲垣委員
      はい。
    • 林部会長
      委員からの発言は一巡したんですけれども、追加で御意見などある方は挙手をお願いいたします。本当に御自由にお願いできればと思いますが。
      確かに冒頭で通常5年だけれども20年というのであれば、じゃ、20年で何を目指すかという、構造改革的な大きなところだけは何かちょっとあった方がいいのかもしれないですね、なかなか。数字はまず20年先というのはちょっと、今言ってもしようがない話かなとは思いますけれども。済みません、個人的なむちゃぶりです。
    • 羽石グループ長
      ありがとうございます。
      御指摘のとおりで、20年先どういう世界を目指すかということがあった上での5年後ということだと思います。ただ、基本的な方向性としては、これから生産者が減っていくという傾向は続く。その上で人口は減少していくという傾向も続いていく。それから温暖化の被害はこれからも続くということで、このような状況が続いていくと思っておりますので、それに対しては少ない人数でも国民の日本産果実に対する需要に対応していく必要があるということで、施策の方向性としては、20年後も同じく見据えて、その労働生産性を上げて、少ない人数でも量をしっかり確保していくということだと思っております。
      その上で、数字につきましては、これは食料・農業・農村基本計画とも連動するんですけれども、そちらの方でも5年後の数字だけを今示すという形になっておりますので、この果樹の基本方針につきましても、5年後の数字を出させていただくという形にさせていただきたいというふうに思っているということでございます。
    • 林部会長
      ありがとうございます。
      追加で御意見等ございますでしょうか。よろしいですか。
      それでは、時間になりましたので、以上をもって意見交換を終わりにしたいと思います。
      委員の皆様、ありがとうございました。
      次回の部会では、新たな果樹農業振興基本方針の答申を予定していたところですが、今回までに数字が間に合いませんでしたので、他方で年度末の日程が極めてタイトになっております。ついては、数字が入った時点で部会を持ち回り開催し、御意見を集約することとしたいと考えますが、よろしいでしょうか。
      (「はい」の声あり)
    • 林部会長
      ありがとうございます。
      それでは、最後に、今後の進め方について、事務局から説明をお願いいたします。
    • 羽石グループ長
      ありがとうございます。今後の進め方について御説明いたします。
      資料4を御覧ください。
      今後の議論の進め方について(案)ということでございます。
      本日頂きました御意見も踏まえながら、次回は今ありましたとおり持ち回り開催としまして、改めて基本方針(案)をお諮りしたいと思います。
      開催時期ですけれども、3月17日月曜日から21日金曜日の間を期間として考えておりまして、事務局から改めて日時の御連絡をさせていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
    • 林部会長
      ありがとうございました。
      議事が終了いたしましたので、本日の審議は以上といたします。
      委員の皆様、短い期間でしたが、お忙しい中、御参集いただき、非常に本質的かつ的確な御意見を賜りまして、本当にありがとうございました。
      それでは、最後に佐藤生産振興審議官から一言お願いいたします。
    • 佐藤審議官
      林部会長、そして委員の皆様、本日も熱心な御議論を頂きまして、誠にありがとうございます。
      今日の議論の中では、KPI、KGIについてたくさんの御意見を頂戴をしたところであります。事務局からの説明にもありましたけれども、継続的に数値が取り得るものということで今回KPI、KGIを設定させていただいておりますが、設定がないということをもって手を抜くというような話では全くございません。全力を挙げて、ここに記載されている施策の遂行に我々は取り組んでまいる所存であります。
      また、この基本方針も、作って終わりということでは全くありません。中山委員の決意も聞かせていただきましたけれども、我々も同じ思いでまた進めさせていただきたいと思いますし、この基本方針、決定された後にはそれぞれのKPI、KGI、さらには、ちゃんと盛り込まれた施策がしっかりと前に進んでいるのかどうかということを、また皆様からも御議論いただきながら前へ進めてまいりたいと思います。
      本日は長時間にわたり、どうもありがとうございました。
    • 林部会長
      ありがとうございました。
      それでは、これで進行を事務局にお返しします。
    • 羽石グループ長
      林部会長、どうもありがとうございました。
      委員の皆様方におかれましては、本日、御多忙の中、長時間にわたり御議論いただきましてありがとうございました。
      今回の議事録につきましては、前回同様、皆様に御確認を頂いた上で、農林水産省のホームページに掲載したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
      事務局からは以上になりますけれども、何か御質問等ございますでしょうか。
      よろしいでしょうか。
      それでは、本日、誠にありがとうございました。次回も引き続きよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

      午後4時13分 閉会

      PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
      Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

      Get Adobe Reader