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令和7年度食料・農業・農村政策審議会果樹・有機部会(第2回有機関係)議事録

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1.日時及び場所

日時:令和8年2月3日(火曜日)13時59分~15時54分
会場:三田共用会議所 大会議室

2.議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    (1) 主な意見と論点の整理
    (2) 意見交換
    (3) その他
  3. 閉会
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3.議事録

午後1時59分 開会



  • 葛原調整官
    それでは、定刻になりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会果樹・有機部会第2回(有機関係)を開催いたします。委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中御出席賜りまして、誠にありがとうございます。私は、当部会の事務局を務めております農林水産省農産局農業環境対策課の葛原と申します。この後、議事に入るまでの間、進行を務めさせていただきます。
    それでは、まずお手元の配布資料の確認をさせていただきます。議事次第、座席表、配布資料一覧のほか、資料1といたしまして委員名簿、資料2、主な意見と論点の整理、参考資料1としまして第1回部会を踏まえた情報提供、参考資料2、有機農業の現状と課題、こちらは第1回の部会で配布したものでございます。資料の不足等ございましたら、お声掛けいただければと思います。よろしいでしょうか。本日の部会は公開することといたしておりまして、会議の議事録につきましては、農林水産省のウェブサイト上で公表いたします。委員の皆様には公表する前に内容の確認を頂きますので、御協力よろしくお願いいたします。
    続きまして、委員の出席状況を確認させていただきます。本日はあいにく山嵜委員と加藤委員が御欠席となります。本日、委員及び臨時委員16名のうち14名に御出席いただいておりますので、本部会が成立していることを確認いたします。
    では、ここからは南島部会長に議事進行をお願いしたいと思います。部会長、よろしくお願いいたします。
  • 南島部会長
    ただいま御紹介いただきました、本部会の部会長をさせていただいております龍谷大学の南島と申します。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、これより私の方で議事を進めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。本日の議題でございますが、お手元の議事次第を御確認ください。議事の方は三つここに書かれておりまして、一つ目が主な意見と論点の整理でございます。二つ目が意見交換と、三つ目がその他と、こういうことになっております。
    それでは、本日の審議の進め方及び議事1、主な意見と論点の整理につきまして、これは資料を御用意いただいております。お手元に資料2を御用意ください。事務局より御説明をお願いいたしたいと思います。
  • 松本課長
    農業環境対策課長の松本でございます。
    まず、本日の審議の進め方について御説明させていただきます。昨年の12月23日に第1回の果樹・有機部会を開催しましたところ、委員の皆様から貴重な御意見を頂戴いたしました。本日は、1回目の部会で頂戴した御意見や有機関係者からの事前ヒアリングでの御意見を整理し、論点をまとめていきたいと考えてございます。資料2について御説明をさせていただきます。事務局でまとめたものを記載しております。これについて御意見を頂戴できればと思います。また、次回の部会では新たな基本方針の骨子案を御議論いただくことを想定してございますので、適切な論点となっているか、抜けている論点がないか、施策の方向性などについても御意見を頂ければと思います。
    それでは、資料2ページ目を御覧ください。生産分野について、生産資材、経営上のリスク、品目に関する論点を整理いたしました。
    1、生産資材については、購入先が限られ調達に苦労することや、作物によっては有機JAS認証に準拠した資材がそろっていないなどの御意見があり、有機農業の基準に合致する資材等の販売・購入等を円滑化する取組が必要ではないかと、論点を設定させていただいております。また、堆肥については、品質を高めていく必要性や需給のミスマッチ解消に関する御意見があり、品質が確保された堆肥の流通を活性化することを論点とさせていただいております。
    2の経営上のリスクにつきましては、農薬などが使えず安定生産が難しいことや有機転換期間中は有利販売ができないといった課題、有機農業への転換者に対する手厚い支援を実施してほしいとの御意見がありました。有機農業特有の経営リスクに対応した経営支援が必要ではないかというふうにさせていただいております。
    3ページ目を御覧ください。3、品目については、加工用を前提として栽培する必要性や特定品目の産地化を図り産地間で連携したリレー出荷をすること、作付面積の大きい有機米の生産拡大や需要が高い品目の技術開発を進める必要があることなどの御意見を頂きました。加工需要への対応など、販売戦略を伴った生産計画の構築や、消費地への安定供給に向けた産地間で連携したリレー出荷体制の構築、品目ごとの有機取組拡大に向けた方向性の三つを論点としております。
    続きまして、4ページ目を御覧ください。産地づくりについては、地域づくり、農地の団地化、農業支援サービス、慣行農家の理解に関する論点を整理しました。
    1、地域づくりについては、環境保全、地域活性化など、まちづくりの視点で有機農業を推進することが地域の理解増進につながるなどの御意見があり、他分野とも連携したまちづくりの視点で有機農業を推進することが重要ではないかと論点としております。
    2の農地の団地化については、ドリフト対策などのため、有機栽培に取り組むほ場の集約化や継承する仕組みが必要との御意見があり、有機栽培に取り組むほ場の情報共有、団地化を推進する必要があるのではないかという論点としております。
    3の農業支援サービスについては、有機農業に資する機械をJAや全国に拠点を持つ事業者が所持し、リースや共同利用する取組を広げていくべきと意見がございました。JA等を含め、有機農業向けの農業支援サービスを利用しやすくしていく必要があるのではないかというふうにしております。
    4の慣行農家の理解については、近隣の慣行農家の理解がある地域は有機農業の面積も拡大しやすく、生産者との間で互いに交流できる場を作ることが重要との御意見から、慣行農家に対する有機農業の情報発信、有機と慣行の農業者の相互理解・連携を深める取組が必要ではないかというふうに論点を整理させていただいております。
    続いて、5ページ目です。指導については、指導者育成、教育機会、指導内容に関する論点を整理しました。
    1、指導者育成については、新規就農者の定着率向上には普及指導員や営農指導員からのサポートが重要、また、指導力向上のためには現場での指導経験が不可欠であること、指導普及員には有機の新規参入者と先輩有機農業者とを結び付けるコーディネーターの役割が求められることなどの御意見があり、普及・営農指導員の有機農業に関する知識・技術の向上と更なる指導力の発揮が必要ではないかというふうに論点を整理しております。
    2、教育機会については、農業大学校などを活用し、地域の農業者、自治体、JAの指導員が共に栽培技術を学べる場の必要性、3、指導内容については、地域ごとの環境や条件に適応した技術を指導することが重要などの御意見があり、教育機関や研究機関等で有機農業について学べる機会を増やしていくべきではないかと論点を整理させていただきました。
    続いて、6ページ目です。技術について、病害虫、除草技術、先進技術の活用、研究体制に関する論点を整理しました。
    1、病害虫対策については、抵抗性品種の開発や病害虫の特徴に応じた地域ごとの対策が必要などの御意見から、病害虫の抵抗性品種や総合防除技術について更なる開発・普及が必要ではないか。
    2、除草技術については、優良事例から解明した技術のマニュアル化や抑草ロボットなどの導入による負担軽減などの御意見から、雑草対策の優良事例の収集及び情報提供の必要性を論点としております。
    3、先進技術の活用については、スマート農業技術の導入の必要性や生物の生態を生かした技術開発、過去の研究成果の活用が重要、4、研究体制については、研究機関、行政、民間指導団体等の間で技術開発に関する情報共有を行う仕組みが必要などの御意見を頂きましたことから、スマート技術等の活用により有機農業の作業の効率化もできるのではないか、関係者が技術開発の状況や現場のニーズなどの情報共有を行う場が必要ではないかという論点としております。
    7ページ目を御覧ください。流通について、共同物流、有機農産物市場、流通段階における取扱いに関する論点を整理しました。
    1、共同物流については、仕入れコスト削減に向け、ロットをまとめ輸送のハブとなる集出荷拠点の確保、既存の物流機能を活用した集約化や流通の効率化が必要などの御意見があり、地域における集荷の体制拠点を確保し、共同輸送など効率的な物流を進めていくべきではないかを論点としております。
    2の有機農産物市場については、物流の効率化に向けた卸売市場の活用や有機農産物の価格形成の場がないとの御意見から、有機農産物の効率的な流通、価格形成に向け、卸売市場を含め、既存施設の活用ができないかという論点としております。
    3、流通段階における取扱いについては、小売側で小分け認証を取得していないことが販売拡大の制約になっているなどの御意見があり、制度に対する理解醸成や小売事業者の認証取得の推進が必要ではないかと論点を整理しております。
    8ページ目です。加工については、加工施設の整備、ニーズを踏まえた市場開拓に関する論点を整理しました。
    1、加工施設の整備については、加工事業者の有機JAS認証の取得の促進、2、ニーズを踏まえた市場開拓については、マーケットインの考えで需要に応えていく必要があり、商品開発には実需者との連携が必要、現在は簡便・時短の商品が求められる傾向などの御意見を頂きましたので、加工を見据えた産地づくりや生産者と加工事業者の連携構築、原料の安定調達を図っていくことが必要ではないか、消費者ニーズに対応した商品開発が進められるようにすべきではないかと論点を整理しております。
    9ページ目を御覧ください。販路拡大について、学校給食、輸出に関する論点を整理しました。
    1、学校給食については、食育や地域の認知を広げる観点に加え、新規参入者や転換期間中にも安定的な供給先となる点や、給食への活用に当たっては規格や虫などについて学校・調理現場の理解を得る必要、計画的に調達する体制を整えるとともに、量販店も含めた地域全体で取り組むことが有効などの御意見があり、有機農産物の生産拡大に向け、学校給食の活用が有効と考えられるが、そのための流通・加工体制を整えることが必要ではないかと論点を整理しております。
    2、輸出については、輸出に対応できる認証機関の増加や輸出先国の規制などに関する情報の整理、マーケットの拡大が期待できる有機茶や日本酒の国内生産体制の強化の必要性などの御意見があり、有機同等性の拡大や、輸出先国の規制やニーズ等の情報提供による輸出の拡大を図ることが必要ではないかという論点としております。
    3、その他として、ふるさと納税や外食産業との連携について御意見を頂きましたので、多様な販売ルートの開拓、オーガニックレストランJASの活用を含めた、外食での有機農産物の利用拡大を論点としております。
    10ページ目を御覧ください。認証制度に関する論点を整理しております。
    認証制度については、小規模生産者にとって毎年の検査料と事務手続の負担が大きいこと、運用改善が進められているが現場にはまだ浸透していないこと、認証機関により審査の考え方などに差があるのではないかなどについて御意見を頂きました。認証手続の更なる簡素化・電子化の推進、農業者が取り組みやすくなるような認証制度の運用改善を論点として整理しております。
    11ページ目を御覧ください。消費者理解について、有機農業の価値、農業体験、食育に関する論点を整理しました。
    1、有機農業の価値については、有機農業に対する消費者の更なる理解醸成や有機農業の有用性について科学的根拠を収集し評価していく必要があること、慣行品の流通価格安定化が有機農産物の安定消費においても重要であること、消費者にとって分かりやすく、手に取りやすくするためにはネーミングが重要などの御意見があり、有機農業の特性や利点についてエビデンスと併せ、更なる情報収集・発信が必要ではないかと論点整理をさせていただいております。
    2の農業体験については、農業公園や家庭菜園を有機農業の理解・関心を深める場として活用することや、消費者参加型の仕組みで消費者を巻き込んでいくことが重要などの御意見から、農業体験など生産者と消費者をつなげる活動の推進が必要ではないかを論点としております。
    3の食育については、有機農業の価値訴求は教育分野との連携が不可欠であり、初等教育から体験ベースで伝えることが重要などの御意見があり、教育と連携した有機農業に関する理解醸成の推進が必要ではないかと論点整理させていただいております。
    続きまして、参考資料1を御覧ください。「第1回部会を踏まえた情報提供」というタイトルのものになります。前回の部会で御意見いただいた内容に対応するよう、参考資料をまとめてございますので、幾つか御紹介させていただきます。
    論点として、品質が確保された堆肥の流通を活性化させることを整理させていただきました。
    2ページ目から6ページ目で、堆肥の活用について参考情報をまとめてございます。2ページ目は、堆肥による土作りの必要性やペレット堆肥のメリットを御紹介をしているものです。3ページ目ですけれども、全国で発生する家畜排せつ物について、近年8,000万トン程度で推移しているというようなものを表したものです。4ページ目については、家畜排せつ物の利用状況について、約8割で農業利用されていると。発生量については畜産が盛んな地域への偏在が見られることから、今後、更なる有効活用を進めていくためには、5ページに記載していますように、地域の実情に応じて耕畜連携や堆肥の広域流通などを推進していくことが重要と考えております。このため、6ページ目で御紹介しておりますけれども、農林水産省としても堆肥の更なる有効活用に向け、国内肥料資源利用拡大対策事業により、肥料の試作から製造施設の整備まで、幅広く支援を実施してございます。
    続いて、7ページ目を御覧ください。有機農業と慣行農業の比較です。単収については平均すると86%ということですが、特に転換後の5年未満の単収が75%と低くなっております。また、労働時間、資材費、ともに有機農業が高い状況というふうになってございます。
    続いて、8ページ目ですけれども、論点としても取り上げました有機農業の団地化に取り組んでいる事例の御紹介です。みどりの食料システム法におきましては、地域ぐるみで環境負荷低減の取組を行うモデル地区を特定区域として設定することができ、特定区域内では有機農業を促進する栽培管理協定の締結が可能となるなどのメリット措置が用意されてございます。茨城県の常陸大宮市では令和5年12月にこの特定区域を設定し、全国で初めて有機農業を促進するための栽培管理協定を締結しております。この協定では、有機栽培をする者が病害虫発生抑制及び緩衝地帯の設定に取り組むことや、慣行栽培をする者は農薬の飛散防止に努めることなどが規定されて、地域ぐるみでの有機農業の団地化に向けた取組が進められております。
    9ページ目は、有機農業における農業支援サービスや共同利用の事例を紹介しております。一部のJAにおいては、有機農家向けの除草作業の委託事業や農業機械のレンタルなどの取組が行われております。
    10ページ目では、有機農家とその他の農家の連携事例として、有機米だけでなく特別栽培米や減減米も含めたブランド化に取り組む事例、また慣行農家への栽培の知見の共有などの事例を記載しております。
    続きまして、14ページ目を御覧ください。前回の部会では制度に関する御意見も多数頂きました。有機JAS制度については、基準認証室の谷室長の方から情報提供をお願いしたいと思います。
    よろしくお願いします。
  • 谷基準認証室長
    有機JAS制度について、14ページは制度の概要についてでございます。有機JAS制度は、日本農林規格等に関する法律、いわゆるJAS法に基づく制度です。左の枠の下に書いてありますように、農産物、畜産物など五つの規格を制定しておりまして、農業者などからの申請に基づいて、その生産方法が有機JASで定める基準に適合しているかどうかということを、登録認証機関と言われる第三者機関が審査し、適合している場合にはこれを認証して、有機JASマークの使用を認めるものでございます。また、農産物、畜産物、それらを原材料とした加工食品につきましては、有機JASマークが付されたものでなければ、有機やオーガニックあるいはこれと紛らわしい表示をしてはならないということが定められております。左側の枠に有機JASで定める基準について書いてございます。米国やEUと同様に、国際的な食品の規格、コーデックスが作成しているガイドラインに準拠しておりまして、例えば農産物の場合には、堆肥等で土作りを行い、化学肥料や農薬の不使用を基本とすることなど、環境への負荷をなるべく掛けない持続可能な生産方法の基準を規定しております。
    続きまして、15ページ、図の真ん中の方にありますが、有機JASの認証を取得しようとする生産農家や製造業者は、その一つ上にある登録認証機関との間で申請・認証というプロセスを経ることとなります。この登録認証機関といいますのは、その一番上にあります主務大臣のところへ申請を行い、審査を経て登録された第三者機関でございまして、現在51機関が登録されております。
    16ページは、農業者等への負担軽減策として三つありますが、グループ認証におけるサンプリング調査、リモート調査の活用、資材リストの公表といった運用改善を行っているところでございます。
    17ページ、認証を希望する農業者ですとか、あるいは既に認証を受けている農業者が他の登録認証機関に移る場合などに参考としていただけるよう、農林水産省のホームページにおきまして登録認証機関に係る情報を公表してございます。17ページに書いてございますのは、先ほどの運用改善への対応状況ですとか、あるいは同等性を利用して有機産品を輸出しようとする場合に、輸出証明書というものが必要になりますけれども、その発行の可否などの情報を登録認証機関ごとに掲載してございます。
    次の18ページ、こちらも同様に認証費用について同一条件下で比較したものを公表してございます。
    19ページ、有機JASにおける使用可能資材について御説明いたします。有機JASにおきましては、外部からの資材を使用しないことが原則でございまして、やむを得ない場合に限り、附属の表に掲載された資材の使用が可能となっております。このため、下の例にございますように、同じ資材でありましても、農産物の生産の状況によって、例えば左側は使用可能、右側の場合は使用不可といったように、使用の可否が異なる場合がございます。
    20ページ、有機同等性についてでございます。
    上の枠に書いてございますように、米国やEUといった諸外国も我が国と同様に有機の名称表示を規制してございます。我が国の有機JAS制度と同じように、米国には米国の、EUにはEUの有機制度がございまして、その国や地域の制度に基づいた認証を受けた産品でなければ、基本的にオーガニック等と表示することはできません。一方で、例えば日本とEUとの間でお互いの制度に基づく有機の認証体制などを調査し、同等であるということが認められれば、日本の有機認証品をEUの認証品と同等に、またEUの認証品を日本の認証品と同等に取り扱うことが可能となります。これを有機の同等性というふうに呼んでおりまして、例えば日本からEUに輸出する場合、我が国の有機JAS認証を取得していれば、EUの有機認証を取得しなくても、その産品にEUの有機マークであるユーロリーフを貼り付けて、EU域内でオーガニックと表示して販売することができるようになるというものでございます。
    最後、21ページでございますが、こちらは参考として有機JAS認証事業者数の推移をお示ししてございます。
    私からの説明は以上です。
  • 松本課長
    事務局からは以上となります。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。ただいまの事務局からの御説明を踏まえまして、最初にございました資料2、これに過不足がないかということで御議論を頂きたいことと、コメントを頂戴したいというふうに思っておりますけれども、委員の皆様の方から併せて御質問等も頂戴いたしたいというふうに考えております。本日御議論いただきました内容が、次回議論する予定の有機農業の基本的な方針の骨格の土台となってまいります。したがいまして、特にこの資料2の主な意見と論点の整理、こちらの方の論点の立て方、施策の方向性、どうしていくべきかということ、こちらについて御意見を頂戴したいというふうに考えております。
    御発言の順序ということですけれども、前回、三つのグループに分けてコメントを頂戴してまいりました。事務局からの一定の質問に対するレスポンスもございますので、三つのグループに今回も分けさせていただきたいと存じます。前回と逆の順番で参りたいと思います。第1グループですけれども、吉田委員、八木委員、本多委員、鶴田委員、田中委員で参ります。第2グループ、田澤委員、佐藤委員、佐々木委員、小谷委員で参ります。第3グループ、堀切委員、堀内委員、西村委員、齋藤委員の順でお願いしたいと存じます。座席順で回ってまいりますので、座席順でそろそろかなというふうになりましたら、御発言の御用意をお願いいたしたいというふうに思います。お一人、おおむね3分程度で収めていただきましたら、タイムマネジメントに資するということでございますので、3分という数字を少し頭の片隅に置きながら、でも大事なことは御発言いただければというふうに思います。
    それでは、第1グループの御発言からお願いしたいと思います。まずは、吉田委員からということになります。お願いできますでしょうか。
  • 吉田委員
    一通り目を通させていただきましたけれども、論点として過不足ってちょっとなかなか難しいところはあるなと思うんですけれども、それぞれ整理はされているんじゃないかなと思います。ただ、こういった過程というのは、前回というんですか、前回、見直しではなくて制定のところなのかもしれないんですけれども、同じような整理というか論点になっているのか、何か進歩というか、何か様子が変わってきているのかというところはちょっと興味があるというか、この5年間の間で有機農業、いろんな取り巻くものが数字的には進捗しているように見られるんですけれども、こういった課題や論点の部分というのがどのように変わってきているのかなというところは、ちょっと興味を持ったところかなと思います。以上です。
  • 南島部会長
    ありがとうございます。あわせて、すみません、今日の論点整理の中で特にここは加速していただきたいとか、重視していただきたいという御意見もあれば、併せてお伺いしたいと思いますが、吉田委員、そういう論点は何かございましたでしょうか。ここは大事ではないかというところ、ございましたでしょうか。
  • 吉田委員
    前回のときにも申し上げたところなんですけれども、指導体制のところは私からもちょっと発言をさせてもらいましたけれども、指導体系として一貫したものってなかなか有機の世界でまだできていないような部分もあろうかと思うので、そういったモデルというんですかね、そういうところと人材のところは、ちょっと強化が必要ではないかなというふうに実感としては感じております。
  • 南島部会長
    ありがとうございます。それでは、続きまして、第1グループ、一通り回ってから事務局の方にお答えいただきたいと思います。続きまして、八木委員、お願いいたします。
  • 八木委員
    八木です。よろしくお願いいたします。改めて基本方針とそれから今日のこちらの主な意見と論点の整理の資料を一通り目を通している中で、先回も少し触れたんですけれども、私の場合はオーガニック専門スーパーという立ち位置でございますので、生活者の反応といったところの視点がやっぱり強くあります。そういった中で、この中に含まれてはおるんですが、一つは、お客様が今欲しているニーズの高い商品の形を幾つか特定して、その製品を実現する場合のサプライチェーンを考えたときに、どういった支援等々があったり仕組み等々があったりして、それによって需要サイドの市場拡大の加速が進むんじゃないかなといったところを改めて感じています。前回、有機野菜を使ったポトフみたいなことをちょっとイメージとしてお伝えしたんですけれども。そういった観点では、今回の論点整理の中の3ページ目、生産の2の中にも入ってございますし、(6)加工の8ページのとこにも入ってございます。そういったところがいかにこの論点がもう一段踏み込んだところになるかなといったところを考えたいですし、期待したいなというのが一つございます。
    加工を見据えた産地づくりという論点のまとめ方なんですけれども、これはどちらかというと農業、生産するときにこの加工を見据えたなんですけれども、是非消費者のこれが欲しいからこの作物を作らなきゃいけないと、こういった方向感での視点というのも織り交ぜながら、新規の就農者とかができるといったところもあると、また一段加速が進むんじゃないかなというふうに感じております。
    それから、もう一つは、シンプルに有機食品の消費の拡大といった観点で、消費者理解であったりとか販路拡大といったところでまとまってはおります。その中で、直近この5年間といったところでいくと、学校給食とかっていったところの取組というのが進みつつある、あるいはオーガニックビレッジが進みつつあるといったところは心強いところでございます。あるいは、かねてからあったESD教育とかそういうのが相まって、私たちの店頭でも若い方がオーガニックを買いに来る動きというのが非常に強くなってきたといったところ、前回少し触れましたけれども、改めてそう思って見たときに、まだまだこれは小売として皆さんと一緒にやるという部分も含めてですけれども、オーガニックのもともとのところの環境、あるいはどちらかというと日本の消費者に分かりやすい健康、食育といったところとの連動強化によるやっぱり消費の喚起、需要サイドの喚起策の加速といった観点で、もう一段織り込むことができないかなと。
    農業体験とか食育って本当にそのとおりで、あるいはもうちょっと大人向けのところで、ベタですけれども山登り・キャンプ、そういったアウトドア層であったり、あるいはオリンピックがあるたびにオーガニックって話題になるんですけれども、スポーツ層であったり、そういったところにもっと積極的なアプローチという枠組みを改めて作っていけるといいのかなといったようなことを感じました。論点、要素としては入っているんですけれども、もちろん具体的なイメージといったところ、あるいは仕組みといったところがうまく導き出せると非常にいいなというふうに感じております。以上です。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。続きまして、鶴田委員、お願いいたします。
  • 鶴田委員
    ありがとうございます。今日はイタリアからの参加させていただいて、申し訳ございません。
    私の方からは三つあります。一つは、指導のところです。3の指導のところで、やはり指導者と、あるいは指導者になろうとされている方々と実践者とのネットワーク、これはもうちょっと交流した方がいいんじゃないかなというふうに思いました。恐らく指導者の方々は地元で有機農業をやられている方々との交流は当然あるかなと思うんですけれども、これを例えばSNSであったりとか、技術会議的なものでいいのかと思いますけれども、産地を視察するであるとか交流するだとかというところは、そういったネットワークを拡充していく必要があるんじゃないかなと思いました。
    あと、販路開拓のところ、2点ございます。一つは、ふるさと納税です。ふるさと納税のところでも有機を一つのコンテンツとしたいということですけれども、先日、大手のふるさと納税の業者さんと対応させていただいたときに、どうしても有機というのは信憑性の担保ができないという、そこに対してちょっと及び腰になっているようなところもございましたので、もうちょっとふるさと納税の業者さんともいろいろ話ししながら、そこのところを、自称有機で出してくる人たちに対しての担保が取れないというイメージだったというふうに思いますけれども、そこのところをもうちょっとディスカッションしたりする必要があるんじゃないかなと。やはり有機を買うとふるさと納税に貢献できるみたいなところ、あるいは環境に対しても貢献できるみたいなところというイメージというのは、今はそこが伸びているマーケットになりますので、伸ばしていけないのかなというふうに思いました。
    それと、三つ目は、同じ販路拡大のところですけれども、オーガニックレストランが書いてありました。オーガニックレストランのJAS認証がかなり難しいということは聞いておりますけれども、地域でやはり流通の拠点を整備していく必要があるんじゃないかと。これは学校給食をやるに当たっても同じ話になると思いますけれども、例えば、JAおちいまばりさんが道の駅を運営していて、そこにいろんな農産物を持ってきていただいて、もちろんオーガニックの農産物を持ってきていただいて、学校給食の流通拠点にしているみたいな事例がありました。有機につきましてもこういった地域に流通拠点を整備することで、それを外食の方々も使っていただいて、例えば外国人のインバウンドに対するオーガニックを使っていますよというアピールになるかと思います。とにかくアクセスするところがなかなか飲食店さんと、特に地方の飲食店さんと難しいというところに対して、オーガニックビレッジも含め、地域の流通拠点を作っていくという形で、地域に広げていきやすくなるというところも活用できたらいいんじゃないかなと。そこの流通拠点を核にして、地産地消以外に全国へ配送する場合の物流拠点にしていくことも必要なんじゃないかなというふうに思いました。
    あと、もう一個ちょっと論点進めていただきたいなと思ったのは、消費者理解のところでございます。消費者の理解のところはあって、私の方で前回、生産者の理解、つまり生産者がオーガニックに取り組むメリットというところを、もうちょっと一つのカテゴリーとして深めていった方がいいんじゃないかと思いました。前回、私も有機の環境負荷低減の部分であるとか、あるいは気候変動に対するレジリエンス、回復力みたいなところを、有機のメリット、生産者におけるメリットですよという話をさせていただきましたが例えば資源の有限性に対する評価、石油由来のものを使っていく、あるいは製造工程で大量に化石燃料を使用する化学肥料を使っていくことの有限性であったり、資材の高騰というリスクに対して、こういうものを使わないオーガニックの価値であるとかオーガニックに取り組む意味であるとかを整理し、それをもって例えば消費者の理解につなげていく、持続可能性への、消費者の支持を受けていく形にできたらいいんじゃないかなと思いますので、整理されたらいいのではないかと思ったところでございます。
    以上になります。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。続きまして、田中委員、お願いいたします。
  • 田中委員
    資料について事前に読ませていただいたところですが、私の方からは生産技術であるとか流通・加工、認証制度についてお話しさせていただこうと思っています。
    まず、技術の関係です。これまで例えば雑草対策に焦点を当てた研究開発が多いと思うんですけれども、そちらについては一定程度の成果も出ていると感じています。今後の方向として、有機栽培では収量の低い品目が多いということもありますし、近年は夏の高温対策が必要であることからも、収量性を改善できるような技術対策を検討すべきだと思っております。
    あと、有機農産物の価値をどう伝えるかという御意見が前回出たかと思うんですけれども、科学的な根拠を、例えば有機野菜は抗酸化機能などに影響しているとか、そのような根拠の方を集める方法として、基本的にいろいろ売られているものは条件が様々ですから、条件を揃えた検証が必要になってくると思うので、全国の研究機関の協力などを得て進められるとよいのではないかと感じています。
    次に、流通面です。今回、共同輸送など、効率的な物流を進めていくべきという論点がありました。記載のとおり、有機農産物の生産量の少なさということからも産地間連携ができるとよいと考えていますが、共同輸送を行うためには、中間流通業者であったり、小分け事業者、地域の運送業者、更には生産者や産地のいずれかが日々の管理であるとか調整を行う必要があると考えています。つまり、誰がその役割を担うのかということが大きなネックになると考えています。
    茨城県の事例としましては、地域に根差した運送業者の方が物量や配送先の方を調整しまして、県内をくまなく回ることで共配しているケースであったり、大ロットを生産している法人さんの倉庫にほかの生産者の商品を集めて、自社便で共同輸送するケースなどがありまして、成功事例の一つかなと考えております。県内の運送業者へのヒアリングを行っているんですけれども、輸送の効率化のために、県内の各地域に拠点となるような倉庫というのがあるとよいのではないかというような意見もあがっていますので、方向性の一つとして参考にできるかと思います。
    加工について、カット野菜など、加工需要は高まっていますし、販売戦略の出口として重要なので、有機野菜においても需要開拓の余地があるのかなと考えています。ただ、加工関係でネックになるのは原料価格だと思います。それは普通の慣行栽培でも同じなので、価格の高いことが想定されることから、それに対応できて、かつ価格転嫁ができるような加工事業者とのマッチングが必要になってくると思っています。
    最後に、認証制度についてですが、検査料などのコストが経営上のハードルになっていると思っていますので、価格転嫁できることが一番とは思っているんですけれども、継続して認証取得に取り組む生産者に対する何らかの支援策があってもいいのではないかと思います。
    以上となります。
  • 南島部会長
    ありがとうございます。大変失礼いたしました、順序が前後してしまいましたが、本多委員、お願いできますでしょうか。
  • 本多委員
    論点に関してはおおむねここに記載されているところに異論はございません。
    その中で、全体的な数値目標がある中で、やはり個別の数値目標というものもあった方が全体の目標に対する根拠の裏付けにもなるのかなというふうに感じております。私が携わるところに近いところで申しますと、例えば市場流通における有機農産物の割合であったりとか、あとは学校給食に関しましても、いつまでにこのぐらいのパーセンテージ、有機を目指しますとか、あとは外食ですね。外食産業と有機農産物というのは非常に親和性が高いというふうに思っておりまして、理由としましては、基本的には一般的な小売店さんですと、市場流通で慣行品を仕入れている中で、市場相場に左右される部分が非常に大きいとは思うんですが、外食の場合は市場相場というよりは原価の計算で、どちらかというと安く買うというよりは安定的な仕入れを求めるところがございますので、そういう意味ではあらかじめ価格がある程度見込める有機農産物を使用しやすい環境にあると思います。そういう意味では、市場流通、それから学校給食、外食における数値目標の、飽くまでも目安でありますけれども、作成というのができれば非常にいいんではないかなというふうに思っております。
    あと、もう一つですけれども、消費者であったり一般の方々の理解というところでいいますと、今、当社としましては、ある自治体の学校給食に携わっている中で、やはり先日も副首長さんとお話をしてまいりましたら、非常に一般の方というか、外部の方からの批判というところを恐れられているというふうに感じました。自治体としての取組に関しまして、賛成する人というのは余り大きな声を上げないんですが、反対の方が非常に声が大きいので、その批判があるがゆえになかなか先に進めないというところを言葉の端々に感じました。
    そういう意味ではやはり地域ごとの有機農産物活用というか、普及拡大のモデルのようなものができればいいかなというふうに思っておりまして、これは恐らく都市部と地方ではそのモデルというのは異なると思うんですけれども、それぞれで、このようにして普及を広めていくことが望ましいというか、理解醸成につながるというような、そういった一つのイメージというものを作って示していくということが、今後の拡大につながるんではないかなというふうに感じました。
    以上です。
  • 南島部会長
    ありがとうございます。
    それでは、一旦ここで事務局の方から、御質問等もございましたので、レスポンスをお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
  • 松本課長
    いろいろありがとうございます。
    一番最初に吉田委員の方から話がありました、前回以降の動きの中でどういったところが目新しいところなのかというところですけれども、ざっくり申し上げますと、先ほど少しお話もありましたが、これまでやっぱり有機農業というのはかなり点在した取組が多くて、みどり戦略を令和3年に作って以降、もう少し産地全体で取り組んでいこうということで、オーガニックビレッジ市町村を中心に有機の産地づくりの推進を進めてきていて、これが今150市町村を超えるというところまで来ているということで、ある程度まとまりを持った取組の産地も出てきているというのが、大きな変化かなというふうに思っています。
    そういった中、やはりいろんな課題が出てきていて、先ほど来お話にもありましたけれども、いかに地域のものを集約化するような拠点づくりを進めていくのかとか、あとは、産地間で連携して広域な流通体制をどういうふうに構築をしていくのかと、こういった段階にも来つつあるのかなというのが大きな変化かと思います。
    あわせて、やっぱり技術指導というのは引き続き大きな課題になっているということなんですけれども、技術についてもいろんな主体がそれぞれ有機栽培の技術を持っていますけれども、そういった共有がなかなかなされていないというような現状もありますので、やはり次に向けてはそういった技術を共有して、いかに次の取組をみんなで進めていくのかというような、そういった体制づくりというのが大事だと思っています。
    あと、もう一つは産地づくりとも関係しますけれども、やっぱりこの間、学校給食で有機農産物を取り入れている学校がかなり増えて、今270を超える市町村で学校給食で有機を使っているというような、こういった現状になっていますので、こういった手堅い需要といいますか、地元の需要をいかに対応していくために、本多委員からもいろいろ御意見ありましたけれども、そのための供給をどうしていくのか、体制をどう作っていくのか、課題は何なのかというところをこれまでの事例も参考に取組を進めていく、こういった新しい需要も出てきているというのが大きな変化かなというふうに考えているところであります。
  • 葛原調整官
    補足させていただきますと、例えばオーガニックレストランという話もありましたけれども、外食利用という、消費者の方に有機の良さをアピールするショーケース的な役割ももちろんございます。オーガニックレストランJASという認証制度もございます。こういうものもうまく活用しながら、また、そういうところの食材の調達方法の特性からいっても、安定的な供給先にもなり得るというのは正にそのとおりですので、加工と併せて外食、こういうところにも供給していくという仕組みを作っていければと思っております。
    あとは、認証のところもございますが、加工も含めてですけれども、広域で流通していくという上では、やはり認証制度が重要でございますから、よりよく利用していただけるように、何らか考えていくということは重要なのかなと考えております。
  • 松本課長
    あと、有機農産物の価値の関係の話があったかと思います。今、我々、有機農業を推進するに当たって、環境にいい、生物多様性にいいとか、そういったことを御説明することが多いんですが、御意見にもありましたように、やっぱり健康とか成分の違いとか、そういったところのエビデンスをこれからしっかりと取っていって、そういった面からも消費者に訴求できるようなことを考えていかないといけないというふうに思っておりますし、生産者側にとっても有機はこういったところに価値があるんだというようなことを、もう少ししっかりデータ集めて言えるようにまとめていければというふうに考えております。
  • 南島部会長
    よろしいでしょうか。それでは、第2グループ、参りたいと思います。田澤委員、佐藤委員、佐々木委員、小谷委員の順で御発言をお願いしてまいります。
    それでは、まず田澤委員、お願いいたします。
  • 田澤委員
    農研機構の田澤です。よろしくお願いいたします。私の方からも一応3点ということでお話しさせていただきます。
    まず、技術についてということなんですけれども、前回の会議であるとか、そういうところで有機栽培でもかなり大規模にやられている方が非常に増えてきているというようなお話を聞きまして、そういう場面では今後のスマート技術の開発というのは重要なんだというふうには考えております。そういうところであれば、例えば農研機構の両正条植えであるとか直交除草等の普及等については、期待できるのかなというふうに思っていますけれども、それがやはり小規模なところではなかなか入る技術ではないなというふうには考えておりますのと、一方で、やはり私の結構周りのお話を聞くと、まだ拡大するというよりは有機栽培を軌道に乗せるところで進められているという方、そういうところでの講習であるとか指導を受けたりとか、そういうお話も聞いていまして、そういう方のためにはもう少し低コストでもできるような栽培体系というような、そういうような有機栽培技術の開発も今後必要となるのではないかというふうに考えています。新規就農の方がちゃんと定着して、有機栽培を継続して、そういう方が次第に規模拡大に取り組むという流れを考えますと、スマート技術ももちろん大事ですけれども、もう少し基本的な栽培を見直すような技術開発の方も必要でないかというふうに考えております。それが1点です。
    それから、5ページにありました有機栽培の指導についてということなんですけれども、やはり自治体の方も一緒になって、新規の方であるとか新たに作目を増やしたいような、そういう方々が、もう既に有機栽培、有機農業を実践されている方を指導者として招いて、行われているというのをよく見聞きするんですけれども、そういうことが非常に効果が高くて、その場合は実践している方が現場に来てもらって、それでその現場でどうなのかということを、生産者の方と意見交換をしながら自分の技術を伝えていくというような、そういう場が非常に重要であり、効果が高いというふうに感じております。
    ただ、お話を聞くと、そういう指導されるような有機農業実践者というのがそんなに多くおられるわけではなくて、そして御自分の生産もあるので、そんなに多くの件数を抱えることができないということで、ちょっとジレンマに陥っているというような話を伺っています。ですので、この辺りをどういうふうに、先ほども自治体の方がつなげるコーディネーターとして役割が重要じゃないかというお話あったと思うんですけれども、そういうところをもうちょっと拡充していくことは非常に重要ではないかというふうに思っています。
    それで、中に実証ほ場を設置するというようなことも書いてありましたけれども、それは非常に重要だなと思っていまして、場所場所でやはり土質であるとか気候であるとかそういうものが違ってくるので、そこでどのようにできるかというのを実践して、いろんな人に、有機の方だけではなくて、それを慣行栽培の方も見てもらえるかもしれないので、そういうところを設置するというのは非常に有効ではないかというふうに考えております。
    それから、もう一点、販路拡大ということと、食育とこれは結び付けられるんじゃないかと思うんですけれども、やはりお話を聞いていると、オーガニックビレッジ等で、学校給食で有機農産物を使用する、取り入れていただくというのは非常にいいことというか、どちらもいいことで推進されるべきではないかと思っております。学校給食にスムーズに取り入れられた自治体の方のお話を聞いたところ、有機農産物に理解や熱意のある栄養士さんがいらして、そういう方が間に入っていただいたおかげでスムーズにいったと、導入できたというようなお話も聞いています。
    そういうことを考えると、やっぱり食育、それが非常に大事なのではないかということで、食育を進めることで学校関係者の意識を変えていける可能性もあるんじゃないかな、そうすれば学校給食導入のハードルも下がるということも考えられるのではないかというふうに思いました。また、小学校・中学校が今メインだと思うんですけれども、やはりできれば保育園とか幼稚園とか、年齢が低い方が例えばその御両親なんかも環境や自分が食べる有機農産物、そういうものに興味がある方が多いんじゃないかなというのも考えられるので、そういうところまで範囲を広げられるといいのではないかというふうに感じました。
    すみません。以上です。
  • 南島部会長
    ありがとうございます。
    続きまして、佐藤委員、お願いできますか。よろしくお願いします。
  • 佐藤委員
    株式会社アグリーンハートの佐藤といいます。今日は青森から来ています。僕は若干なまっているので。津軽弁です。
    幾つかありまして、これは全体的に多分言えることだと思うんですけれども、有機の技術も日々進歩している、AIとかそういうのも進歩している中で、5年に1回の見直しでいいのかというのがまず一つ全てにあります。
    あと、田澤さんもおっしゃっていましたけれども、やっぱりそういうスマート農業、農業界でいうIPCSAみたいな、何かプラットフォームみたいなのもあってもいいのかなというふうに思っています。これは全国でやっぱり土質とか条件とか違う中でいろんな技術があって、土着菌、その地にいる菌に対して手入れするのが農業ということで、菌もやっぱ違うので、いろんなところでいろんな技術があると思うので、それを何とマッチングできるとか、あと農研機構さんとか産業技術センターさんとか、いろんな人がこういうところでこんな農家がこういうことをやっているよみたいなことを知るというプラットフォームみたいのが、あってもいいのかなというふうにちょっと思っています。
    この中身の話なんですけれども、5年に1回の見直しということを前提として言うと、やっぱり今自分が直面している課題としては有機米の輸出です。これは有機米の需要、輸出の需要も大分引き合いが強くなっている中で、基準反収というのがちょっと障害になっています。これは何かというと、輸出するに当たって交付金もらえるんですけれども、一括管理、区分管理という二つがあって、有機米って特殊なので区分管理という、面積ベースでの交付金を受け取るってなるんですけれども、結果、一括管理の基準で査定されるといいますか、要は青森県だと基準反収が600キロぐらいでして、その8割なので480キロを下回ると交付金が出ない、あるいは理由書を書いてじゃないと頂けないみたいなことになるんですけれども、有機米だとそれを普通に下回ってしまう。これは地域で地域再生協議会が検討すればできるというのはあるんですけれども、国の方から、有機米のその基準反収というのを、地方でオーガニックビレッジ宣言している市町村とかは、輸出を目掛けて基準反収を設定しなさい、みたいに促すのも、ちょっとあってもいいのかなというふうに思いました。
    あと、もう一つ、(8)の認証制度のところなんですけれども、有機JASの認証機関がどんどんやっていけないという事実がありまして、なので生産者とか認証を取るその助成、そのお金を助成するのもいいんですけれども、認証機関に対しても何かの支援というのがあった方がいいんじゃないかなと思うというところと、あともう一つ、認証制度のところで、日本農林規格、いわゆる有機JASをもうちょっと徹底した方がいいんじゃないかというふうにちょっと思っています。というのは、有機JAS、これちょっと僕の理解が間違っていたら申し訳ないんですけれども、でも、この前確認したらやっぱりそうだったので。
    有機農業推進法の中では、有機農業というのは無化学肥料、無化学農薬というのが定義としてあるんですけれども、もちろんその中で有機JASを持っている人じゃないと「オーガニック○○」と言えないというのはあるんですけれども、実は有機JASの中で、育苗、苗を作っている中で全滅してしまった、これは大変。そうすると経営が成り立たないので、例えばホームセンターから化学肥料、農薬掛かったものを買ってきても、やむを得ないという理由で有機JASの適用になったりするんです。これって有機農業推進法の中で成立していないのに、有機JAS、日本農林規格の中で成立しているというおかしなことになっているので、これ、それを使っちゃったら転換期間にするとか、もうちょっと鉄の鉄則みたいなことをした方がいいなと。なので、この日本農林規格の見直しというのをちょっとやった方がいいのかなと思いました。
    あと最後に、技術のところで、ここに直接的な関係ないかもしれないんですけれども、慣行と有機の間に特別栽培というものが認識として皆さん多くあって、いろんな自治体の人たちが有機はちょっとハードル高いから、まず特栽から行きましょうねというふうに、いわゆる減農薬・減化学肥料というところで始めるということはあるんですけれども、自分、有機やっていて、日本全国の有機農家さんにヒアリングして分かるのが、特別栽培の向こう側に有機がないということです。これ結構、技術者の人たちもそれそうだなということを同感してくれる人が多いんですけれども、やっぱり病虫害の原因というのが化学肥料であることが多くて、化学肥料が間違った吸い方というか、吸わせ方をすることで体が弱って病害虫が付くという、そういう原因になっていることが多いので、どうしても、僕が今、特栽やろうとしている人たちには、肥料はもうとにかく100%有機でやってくれと。そうしたら、もしかしたら農薬とか除草剤、除草剤はあれですけれども、病害虫は付かないかもしれないので。だから、肥料は100%有機、農薬は50%まで使えるよという視点で特別栽培というのを捉えると、その向こう側に有機が見えてくるという。なので、特別栽培の考え方もちょっと変えた方がいいなという。これに関係あるかどうかちょっと分かりませんけれども。
    以上です。
  • 南島部会長
    ありがとうございます。
    続きまして、佐々木委員、お願いいたします。
  • 佐々木委員
    明治大学の佐々木でございます。
    資料2の前半の部分から幾つか順にコメントさせていただきます。まず2ページ目の生産のところです。私、前回もコメントさせていただいたんですが、有機の転換期の支援について。資料中の「論点」にも書いていただいていますけれども、有機特有の経営リスクがあると、これに対応した経営支援が必要ということで、こちら、もちろん予算の話なのでなかなか難しいのも承知しているんですけれども、引き続き重要な論点ではないかなというふうに改めて申し上げたいというふうに思います。
    続いて、5ページ目の指導のところです。こちら、資料には普及員の話とかもいろいろ書いていただいているんですが、農業大学校もそうなんですけれども、私が数年前に訪れたところで、民間の農業ビジネススクールというところがあります。そこは有機農業をいろんな形で教育していまして、地域の農業者が集まってきています。最近訪れていなかったので、情報をアップデートしようと思って調べたところ、農政局の県拠点の方がこちらの農業ビジネススクールと連携して、有機栽培の実践の内容、成果などを農業者とか農業技術の指導者、そのほかの関係者に広く発信しているということでした。特に地域に応じた有機農業技術の発信という点に関して、非常に大きな役割を果たしていると考えています。このような活動はほかの地域にあってもいいんではないかと思います。資料には普及員と農業大学校が例示されていますが、加えて民間の力というところも触れていただくのがよいのではないかというふうに思っております。
    あと、7ページ目の、流通のところです。こちら論点の一番下のところに、生産者、流通事業者の制度に対する理解醸成というふうに書いてあります。私自身、農業経済学という分野を研究しておりますので、例えば生産者の理解醸成、消費者の理解醸成などはよく研究対象だったりとか書き物でも見るんですが、流通事業者の理解醸成というところがなかなかこれまで具体的にイメージが湧かなくて、是非、今日プロの方もいらっしゃるので、アイディアを御教示いただいて、議論を深めていくと、有益なんじゃないかなというふうに思っているところです。
    あと、次に9ページ目の、販路拡大のふるさと納税のところです。こちらはふるさと納税の返礼品としての有機農産物の活用、これは関係人口、地域の農業の応援団を作るという意味でも非常に重要だと思っております。個人的にもある自治体の有機農産物をふるさと納税で何年か取っていたこともあります。このような活動は既にもうやっておられる自治体もあるので、どんな効果があったかという、まずはそのエビデンスを共有して成果を見える化すると、新たに、じゃ我々もやろうというところが増えてくるんではないかなというふうに思ったところです。
    あとは、最後の点になりますが、資料ではやや戻るんですかね、6ページに技術のところで研究体制というお話がありました。あと、これは11ページの消費者理解醸成のところ、これらの両方にかぶるコメントなんですけれども、研究体制については、農業技術だけではなくて、実は社会科学関係の研究体制の構築というのもあるんではないかなというふうに思っています。具体的には国の研究機関、大学、自治体が連携して、消費者の理解醸成ですとか、あるいは需要の喚起策などについて研究するということも重要ではないかなというふうに思っております。
    というのは、最近、例えば有機農産物の購買データなどは、店舗横断でビッグデータが手に入るようになってきております。数百万レコードに及ぶような消費のデータが手に入るようになってきておりますので、どんな人がどんな有機農産物をどれだけ買っているのかということが、かなりしっかり分かるようになってきております。さらに、そこに消費者理解の醸成という観点を組み合わせると、例えばどんな情報があればどの程度の人がどのぐらい買うのかというところも、研究対象として情報がつかめるようになってきています。近年のEBPMの流れもありますけれども、例えばいろんな情報、農学的な詳しい環境上の効果、健康上の効果などが出てきたときに、その情報を付与したときにどの程度の行動変容が起こるのかというのを実測で計測できるようになってきています。最初、小さい規模でもいいんですけれども、それをエビデンスを基にその行動変容の程度をスケーリングしていくということが研究としてもできるようになってきておりますので、こういったデータ、どこでも手に入るものではありませんけれども、国の機関、大学、自治体が連携して、消費者の行動変容というのをしっかり数値で把握していくということも重要ではないかなというふうに思っておる次第です。
    以上になります。
  • 南島部会長
    ありがとうございます。
    それでは、続きまして小谷委員、お願いいたします。
  • 小谷委員
    ありがとうございます。
    まず、論点の整理、ポイントは細やかにまとめられていると思いました。一方で、このまとめ方なんですけれども、まず(2)の産地づくりのところに地域づくりが入っていて、一般的に農業では産地づくりと地域づくりってちょっと別の考え方で認識しているんですけれども、ちょっとここが分かりにくいなと思いました。産地づくりというのはいわゆる農地の団地化などで生産性をあげるもので、地域づくりというともうちょっと有機を軸に地域社会を作るような、そういう視点が重要かと思いました。
    それから、この(1)から(9)の消費者理解まで分かれている中で、例えば(7)の販路拡大に学校給食が入っています。学校給食は販路の拡大でもありますが、その前に、学校給食とオーガニックビレッジってやっぱり地域内でシステムをつくっていく意味で一つの塊で捉えた方がいいんじゃないかなと、自分の認識ではそういうふうに思っています。
    (9)の消費者理解についてですが、大体どの会議でもいつも最後に消費者理解を一項目くっつけているように見受けます。(1)の生産から(8)の技術までが全部農業サイドの話で、最後に消費者に理解して買ってもらおうという位置づけだと思いますが、有機に関してはちょっと違うんじゃないかなと思っています。
    (2)の産地づくりの話に戻りますが、まず農地の団地化というのはいわゆる中央に市場出荷をする、大規模に出荷するための体制づくりというイメージですけれども、オーガニックビレッジは出荷産地としての産地づくりという認識なんでしょうか。私はちょっと、たしか農水省のサイトに、農家だけじゃなく市民とか事業者みんな巻き込んで、循環型の地域を、市町村を作るようなイメージがオーガニックビレッジだと捉えていたんですけれども、単なる産地化だとちょっと脆弱なんじゃないかなというふうに思います。
    いわゆるみどり戦略で100万ヘクタール、有機の面積を掲げておられますけれども、じゃ面積だけを達成すればいいのかという話で、ちょっと1回目に聞けば良かったなと思っていたことは、農水省さんがそもそもこの有機農業、みどり戦略含めた有機農業の拡大をどう捉えているのかと。有機農産物の量が大量に生産されれば、ゴールは達成されたんですかということになってしまうんですけれども、そうすると例えば北海道のような大規模なところに仮に100万ヘクタール近くが達成されたとしても、都府県は全然疲弊した農村になったとしたらそれは国として脆弱でとても困ることになります。正に酪農がそうで、乳量の確保をめざして北海道にメガファームたくさんできたけれど、都府県の酪農家がどんどん離農して、1万戸を切ったという話があります。目標を掲げるときに数字は大事なんですけれども、面積とか農産物の量だけで考えるんじゃなくて、有機的な人間関係、つまり有機的な地域社会、循環型のコミュニティを作るというアプローチが、この論点の整理の仕方だと欠けているなと感じました。
    特にオーガニックビレッジというのは、環境省のやっている地域循環共生圏ですとか自然共生サイトのああいうことととても重なっている部分が多いと思うんです。地域循環共生圏では、よく自立分散型の地域を作って、それをローカルなネットワークで結び付けるという考え方があるんですけれども、オーガニックビレッジはそのものじゃないかなと思っています。今の位置づけではちょっとずれているなという感じがして、せっかくのオーガニックビレッジの考え方に、私は賛同しているので、農産物の量や面積を増やすという狭義に狭く捉えるのではなく、今ローカルなコミュニティをあちこちに作って、それが個性的なまちづくり、村づくりになるような、結果的に農家だけがするんじゃなくてそこに市民が参加することで、包摂的にウェルビーイングなヘルスを、ワンヘルスといいますけれども、そういう消費者のライフスタイルを変えることも環境省、厚生労働省、文部科学省、国土交通省、総務省など省庁横断で議論できるよう盛り込んでいただきたいと思いました。
    以上です。
  • 南島部会長
    ありがとうございます。
    それでは、一旦ここで事務局からレスポンスを頂きたいと思います。
  • 松本課長
    いろいろ御意見、ありがとうございます。
    まず、最初の田澤委員の御発言で、スマートだけじゃなくて、もっと有機を進める上で低コストでやれるような栽培技術とか、そういったものも必要だというふうに御意見いただきました。正にそのとおりだと思います。いろんな民間の指導団体とかも、まずいろんな病害虫とか出てくると、今すぐできる対応でやんなきゃいけないので、余りコストとか資材掛けずにいろんなことを開発していただいています。やっぱりそういった情報をしっかり共有できるような場を作っていきたいというのを今考えているところです。
    あと、現場の指導の場が少ない、こういったところが重要で、熟練農業者もやっぱり数も少ないですし、自分の作業が忙しいということで、そういった指導者の育成をこれまでもやってきております。普及指導員始め、民間の指導団体の活動の支援とか普及員の研修支援とか、そういったことをやってきておりますので、そういったこと以外にもっと何かいいやり方があればまた御教授いただきたいと思います。農研機構の方でも地域拠点ありますけれども、技術普及というところまでは研究の本分としてなかなか手が回らないところかもしれませんが、そういったところの支援も活用するとか、そういった地域にあるいろんな機関を総動員して有機のそういった指導の側面支援ができるような、そういったことも考えていければなというふうに思っているところでございます。
    あと、佐々木委員からは、消費の面でもう少し研究のことについて、社会科学的な側面からもいろんなデータを活用して、行動変容を起こすような、そういったことを検討してはどうかということの御発言がありました。正におっしゃるとおりだというふうに思っております。どういうことができるかはまた我々の方でもいろいろと検討していきたいというふうに思っています。
    あと、最後に小谷委員からオーガニックビレッジのそもそもの考え方のお話ありました。正におっしゃるとおりでして、ちょっと今回、論点の整理、主な意見のところ、少しそういった観点、確かに抜けていました。事前の関係者の方から御意見聞いたときも、やっぱりこのオーガニックビレッジ、有機を核に地域づくりとか地方創生につなげている取組、市町村もかなり出てきているので、そういったいろんな関係者を巻き込んでやれるツールというか、そういった取組でもあるので、そういった面もしっかり後押しできればいいというふうなこともお伺いしたりしていましたので、ちょっとそういった観点をまた追加できるか検討したいと思います。
    ありがとうございます。私の方は以上です。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。
    それではお願いいたします。
  • 谷基準認証室長
    すみません、佐藤委員から有機JASと有機農業推進法の関係で御発言ございました。有機農業推進法の中での有機農業の定義につきましては、「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として」というふうに定義されていまして、この書きぶりは有機JASの生産の原則と全く整合するものでございます。なので、基本的にはそういったものを使用しないんですけれども、やむを得ない場合に限って使用できるという形で、有機JASの考え方と有機農業推進法の考え方というのは整合してございます。その中で使用できるものにつきましては、国際的なガイドラインでありますコーデックスガイドラインの範囲内で有機JASも設定しているという形になってございます。
  • 佐藤委員
    やむを得ない使用も有機農業の中では認めているということですか。
  • 谷基準認証室長
    そうですね。はい。
  • 佐藤委員
    そうなんですか。
  • 谷基準認証室長
    我が国の有機制度でもそうですし、あるいはEUや米国などでもやむを得ない場合というのは使用というのは認めている。そのやむを得ない場合がどういうことかということです。
  • 佐藤委員
    そうですよね。分かりました。ありがとうございます。
  • 南島部会長
    よろしいでしょうか。
    それでは、続きまして第3グループ、参ります。堀切委員、堀内委員、西村委員、齋藤委員の順で御発言をお願いいたしたいと思います。
    それでは、堀切委員、お願いを申し上げます。
  • 堀切委員
    キッコーマンの堀切です。前回、出席できませんで、今回初めて出席をさせていただきました。
    前回の皆さん方の議論の論点を見させていただいて、私は食品産業、要するに有機農産物を原料として加工している食品産業の立場からお話を申し上げたいんですけれども、有機農産物に対する関心は非常に消費者の間でも高いと思います。今後の新たなマーケットとしても私ども食品加工事業者としても期待をしておりまして、既に様々な分野で有機関連商品の開発が進められております。ただし、日本の消費者が有機にアクセスできる場所は欧米に比べるとまだまだ限定的でありますし、また有機に対する知識とか、そういったものも全然足りていないんじゃないかなというのが今の当面の課題だと思っています。
    その一つの理由は、やはり有機イコール高いという。先ほど佐々木委員がおっしゃった需要サイドのエビデンスというのが、どのぐらいの価格帯だとどういう行動変容が起きるかといったところが明らかになっていない。私の皮膚感覚だと、大体有機で許される範囲が2割増しぐらい、100円のものが120円だったら有機買おうかなと思うけれども、3割4割高くなるとやっぱりちょっと消費者は手を出しにくくなるんではないかと。これはエビデンスはありませんけれども、先ほどの佐々木委員がおっしゃったようなデータベースがあれば、そういう分析ができるんではないかと。そうすると、有機食品を扱う業者としては、どのぐらいの価格設定でどういう訴え方をしたらいいのかということのヒントになるんではないかなと思います。
    それは生産面での課題だとか技術的な課題とかは、もうこれは皆さん方、専門ですからあれなんですけれども、やはり日本特有の事情としては、有機イコール安全という認識が弱いといいますか、農薬とか添加物の基準がもともと日本の農業って厳しくて、そういう意味では食品事故が欧米から比べると比較的少ないというのが、逆に有機に対する価値感が余り高くならない。だから、消費者は普通の食品で十分じゃないと思っちゃうわけです。それでも有機がいいと思う人は、2割ぐらいまでの値幅だったら買ってもいいかなというのが今の現状じゃないかな。これ、何もエビデンスはありませんけれども、私の皮膚感覚で。
    それと、日本人の食に対する意識の違いというのはあるんです。有機というよりも、国産であるとか地場物だとか生産者が見えるとか、オーガニックより無添加とか減塩とか、そっちの方に反応するわけです。ですから、有機というものが一体どういう価値があるのか、自分にとって価値があるのかということをやはりもっと見える化させる。そういう意味では需要サイドのテーマというのは、前回の中では余り語られていないようですけれども、やっぱりその辺を解き明かしていく必要があるんではないかなと思います。
    ちなみに、私どもの醤油なんかでいいますと、醤油の原料の大豆は大体2.4倍します、コストが。小麦に至っては約5倍。もちろんこれは量が少ないから、これがもっと使えばもっと差が小さくなるんですけれども、今現状では大豆と小麦で2倍と5倍という。それを使って最終価格で2割以内に収めるというのはちょっと不可能です。ですから、うちの場合は、大体500ミリの醤油で、通常の醤油が280円だとすると、有機の醤油は三百三、四十円付けないと利益が出ないと。というか、もう赤字すれすれという線でやっとやっているというような。ケチャップなんかもそうです。ケチャップなんかも原料トマトペーストが大体有機だと1.5倍、コストが高くなります。ですから、それで最終価格でどうしても3割増しとか4割増しの価格になってしまうというのが現状であるということであります。
    その辺は、マーケットが安定的に拡大して消費の裾野が広がれば、供給の拡大が並行して図っていかれて、それによって売れることでのコストの低下、あるいは商品バリエーションの増加が起こって更に売れるという、こういうスパイラルにつながっていくことが今後望ましい姿ではないかなというふうに思います。
    それから、有機JASの件について、我々、有機JAS商品を作るに当たってはかなり基本要件が厳しいと、現状では。加工食品の場合は原材料の95%以上が有機であることが必要なわけで、また、その使用可能な添加物は限定的にもなりますし、それから工程管理、それから記録保存が必須であるということで、作り方だけではなくて管理の証明が重視されるということで、非常に負担が重い。それによって認証コストが高くなり、食品産業って本当に9割が小規模事業者なんですよね。そういった小規模事業者がそういうところにやはりJASだと参入しにくい。そういったようなネックもあります。
    例として、アメリカのUSDAオーガニックの認証制度というのは段階性があって、段階表示があるんです。100%のオーガニックと、それから95%以上原料にオーガニックを使っている場合のオーガニック認証と、それからオーガニック認証は付けられないけれども、メイド・ウィズ・オーガニックだとかオーガニック・イングリディエントと言っているのはその下の段階。ちなみに、70%以上95%以下だと認証シールは貼れないけれども、メイド・ウィズ・オーガニックというふうなことがうたえる。
    日本でも一部有機原料を使っていますという表示はできるんです。ですから、醤油の場合だと有機丸大豆使用。有機丸大豆使用というのは大体、大豆と小麦って原料比、半々ですから、半分がオーガニックだけれども、ラベルには有機丸大豆使用というようなのがうたえると。そうすると、有機認証のマークとの差が消費者には分かりづらいというような点もあるし、そういう点でやはり加工、それから流通・消費、そういった面でもまだまだ改善する点はあるんじゃないかなというふうに感じています。
    以上です。
  • 南島部会長
    ありがとうございます。
    続きまして、堀内委員、お願いいたします。
  • 堀内委員
    堀内です。よろしくお願いします。
    まず、私は生産者なので、加工用野菜のこの3ページ目の大量栽培して販売先を見つけることができないということなんですけれども、私も加工用契約で野菜を慣行栽培で作っていたんですが、なかなか出荷先が規格を難しく言ってくるので、全部が全部やっぱり出せなかったりするんです。小っちゃいですとか虫があるとか巻いていないですとか、そういったことがあるので、この有機をしたときにそこがどれだけクリアできるのかなというところが、やっぱり出荷ができないと売上げも落ちちゃうので、ましてや契約なので金額も安いですし、そこら辺の心配も、ちょっと要らぬ心配かもしれないけれども、しちゃいます。
    あと、産地づくりなんですが、団地化をしていくところですかね、情報の共有というのがあるんですが、はっきり言って有機栽培と慣行栽培の農家は横のつながりが多分、恐らくほとんどないと思うんです。全く別物を作っているような感じなので、有機の栽培されている方のところに慣行栽培している人が行かないですし、やっぱり反対もないので、そこの横のつながりを、どうやってどこがつながりを作っていくのかなというところがちょっと不思議な感じです。実際、やっぱり小規模な市ですとか農協ですとかといったところが間に入ってくれないと、なかなか大きいところ、県ですとか、そういったところになってくると難しいんではないかなと思います。
    あと、指導のところで、岡山県は昭和63年から岡山独自の有機農産物というのを有機JASより厳しい審査で認証しているらしいんです。私もちょっと勉強してきたんですけれども。そういったこともしていて、結構、新規就農者ですとか有機栽培に興味ある人たちの講習会ですとか、そういった普及員の指導とかもされているようなんです。あと、消費者との結び付けを付けるためのフェアをしたりですとかもやっているみたいなんですけれども、実際、有機栽培をされている方は岡山県の中でも結構増えてきていて、令和元年から1.5倍ぐらい面積も人も増えているようなんですが、販売先が半分ぐらい減っているみたいなんです、有機を取り扱っているところが。なので、またそういったところはすごく重要なんだなという。先ほどお話がありましたけれども、やっぱり消費者が求めるものを求められるように販売していくというのは、ちょっと難しいところがあるんではないかなと思います。
    あとは、最後、先ほども話あったんですけれども、消費者の理解のところで、私も幼少期からの子供に対しての食育活動というんですか、学校で勉強するようなことがやっぱり大事だと思うんです。自分も子供がいて、やっぱり小っちゃい子って先生のことをかなり真剣に受け止めて、家でも「これ食べちゃ駄目って言われた、これはこうだからこうなんだよ、お母さん」って言われると、やっぱりお母さんの方も考えてくるので、その食物に対して。なので、お話もできますし、興味がやっぱりお互いに湧いてくるんじゃないかなというのがあるので、幼少期からそういった周りの食文化ですとか食べるものですとかに携わっていくのは、すごくいいことじゃないかなと思っています。
    以上です。
  • 南島部会長
    ありがとうございます。
    続きまして、西村委員、お願いいたします。
  • 西村委員
    東京大学の西村です。前回は、すみません、オンラインで失礼しました。
    この論点の整理の方についてですが、全体としてはよくまとまってはいると思うんですけれども、ちょっと気になるところが持続性というところになります。
    2点あるんですけれども、特に畜産堆肥だと、畜産の飼料の中に入っている銅だったり亜鉛だったりというのが、どうしても若干量堆肥の方にも移行してきます。そういった亜鉛なんかが堆肥として農地に入れたときに、大して農地にたまらないという意見もある一方で、研究者の論文なんか見ていると、入れた分はかなり大半がその農地の方に蓄積するとか、短期間で土壌管理基準に達するというような報告もあって、この辺がどうなっているのかというのはやっぱり早い時期に研究しておく必要があるのかなと。
    私は土の中の化学物質とか水の移動を専門としている研究者なんですけれども、土壌の汚染というのは、きれいにするまでには最短で汚染に掛かった時間掛かると。下手するとそれの数倍、10倍掛かるということがあるので、そこの資材の中に入っているものがどうなっているのか。土にたまらないということはそれが水域に行くということなので、長期間で見ると水域の生態系のリスクにもなり得るというので、実は私、その後どうしたらいいのかということは全くないままに今発言しているんですけれども、例えばEUなんかだとこれどう扱っているのかというのをちょっと調べると、これから日本でどうしていくのかということに参考になるんじゃないかなというふうに思います。
    もう一つ、持続性についての話なんですが、先ほど畜産廃棄物の発生量の話がありました。年間8,000万トンぐらいですかね。そこから堆肥作ると大体1,000万トンぐらいになると思うんですけれども、その中の窒素量って多分20万トンぐらいです。20万トンしかないので、堆肥で肥料になる分というのはもう限られているわけです。これから有機堆肥の使用だったり有機農法だったりというのをもう少し進めていこうとすると、そういう資材の確保ってやっぱり大事なことになってくるんですけれども、品質については今書かれているんですが、十分な量の有機資材を確保するというところはこの論点の整理にない気がするんです。
    例えば冷凍食品だとか食品加工工場等の、比較的素性のいい上流側の有機廃棄物だとか、今は排水処理して川に流しちゃっている大規模な畜産農家さんだとか、もう少しここから先、堆肥をもっと増やさなきゃいけないときに、どこから集めていくのかというのを今の時点から検討していかないと、5年後はいいと思うんですけれども、10年とか20年とかというスパンで考えたときに、手詰まりになってしまうんじゃないかなというのがちょっと懸念するところです。
    あと、一つ質問なんですけれども、生産若しくは指導のところで気になったというか、教えていただければなと。今じゃなくてもいいんですけれども。先ほどたしか八木委員がニーズに応じたという話をおっしゃっていたと思うんですが、ニーズに応じるのは、主としては畑作の方になってくると思うんです。畑作自身そのものの有機JASの面積というのは大きくて、5,000ヘクタールで、水田より大きいぐらいなんですけれども、ここから例えば麦・大豆を引いた残りのいわゆる野菜を作ってそうな有機の農家さんというのは一体どのくらいの面積で、皆さんどのくらいの規模でやっているのかという情報があったら、教えていただけないかなということで、質問です。どのぐらいの規模の農家さんがいるかというのは、これから何が可能かとかこれからどういう援助をしていけばいいのかということに多分重要な情報になってくると思うので、それでちょっとお伺いさせていただいたというところになります。
    以上です。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。
    続きまして、齋藤委員、お願いいたします。
  • 齋藤委員
    私の方からは有機農業を推進するということで、三つあります。
    まず、やっぱり有機栽培の場合、こちらの方にも書いてありましたけれども、除草対策、これが多分、一丁目一番地で、成功するかしないかがこれに掛かっているんだろうと思いますので、様々全国で優良事例あると思いますので、有機やっていない人、なかなか分からないし、慣行栽培でも今草で苦労していますので、そういう事例紹介、何らかの形でしていただければ有機の栽培しやすいんじゃないかなと思います。
    それから次に、やっぱり実際やっていてトラブルがいっぱいあるのがドリフト問題です。今はどんどん作業がラジヘリ、それからドローンに防除が変わっているさなか、赤い旗一本立てられると、私の方は田んぼなんですけれども、田んぼから10メートルは飛ばさないでくれと言われちゃうので、そうすると隣の人がなぜかドローンを飛ばせずに粒剤で防除対応なんかしたりして、トラブルになっているのが多いんですよ。ですから、例えば有機をやるんであれば、その内側の10メートルを緩衝地帯としてやるようなルール化をやれば、あんまり争い事ないんじゃないかな。そういう人も中にはいらっしゃいますので、その解釈だと思いますから、何かそういうドリフト対策のルール化を表明してもらえば、少しは争い事が減るんではないかと思います。
    それから、三つ目ですけれども、これから有機農業を推進するに当たって、どんどん農業者は減って大型化する中で、みんなドアの前までは行っているんですけれども、一歩、その一歩がなかなか足が出ないわけなので、オーガニックチャレンジの補助金みたいな感じ、これも大金を出すんじゃなくて、本当に一歩の後押し、どういう計画でやるかとか、面積は田んぼ1枚スタートでもいいよみたいな感じで、簡単に一度、転換期間中の有機に本当に肩をちょっと押してくれるような、そういう不足分を補塡するだけの、そういうオーガニックチャレンジ補助みたいなやつを作っていただければ、少しは人数的に増えると思うんです。その人がまた成功したら面積拡大というのはありますけれども、今、何にもなしで、「有機栽培もあるよね、やってみたら」と言われても、「何で」ってそれで終わるので、まず最初の一歩です。これを肩を押すように、それが補助というんじゃないかななんて思いますので、この三つ提案したいと思います。
    以上です。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。
    それでは、事務局の方からレスポンスをお願いしたいと思います。
  • 松本課長
    ありがとうございます。
    最初のキッコーマンの堀切委員の方から価格の話ありました。我々もアンケート調査取ったりしていますけれども、やはり1割高ぐらいであれば買うという人が非常に多いですけれども、やっぱり倍になるとか、そうなるとやっぱりなかなか難しいというふうなデータもあったりいたします。
    あと、西村委員の方から畜産堆肥の方の関係でいろいろと御意見いただきました。いろんな銅・亜鉛に関する問題についてもよく研究していきたいと思います。
    あと、有機資源の確保という視点で、堆肥だけですと、畜産も頭数も伸びていませんので、今現状がマックスに近いというような推移が予想されるわけですので、それ以外の有機資源の確保をどう考えていくのかというのも非常に重要な視点で、ちょっと今回論点には書いていなかったので、検討をしたいと思います。
    最後、齋藤委員の方からいろいろと御指摘いただきました。ありがとうございます。除草の重要性、これはもう皆さん、有機やられる方、慣行の方も含めてそうですので、しっかり事例の収集とか、いろんなやり方のノウハウとかもたくさんあったりしますので、集めて、公開できるようなものはみんなに紹介していきたいと思います。
    あと、ドリフトの問題は、先ほども慣行農家となかなか横のつながりがないというところに起因しているのかなと思いますので、やっぱり市なり農協なりができるだけ間に取って、事前に調整、話合いできるような場を進めるとか、そういった取組をやるしかないかなと今思っているところです。
    最後は、オーガニックチャレンジの助成の話、非常に面白いアイディアだと思います。どこまで何かできるか分かりませんけれども、ちょっとそういったことも含めて今後よく考えていきたいと思います。ありがとうございます。
  • 葛原調整官
    若干補足させていただきます。西村先生から御質問いただきました有機の野菜の部分の面積なんでございますけれども、現在ちょっとJASでどのぐらい取り組まれているかというデータで、畑で普通畑でいいますと、直近、令和5年度で6,789ヘクタールとなっているんですけれども、ちょっとそこまで内訳までは補足できないので、すみません、ちょっと御回答ができませんので、申し訳ございません。
    あと、御参考になんですけれども、齋藤委員から言われたチャレンジ支援のところでございますけれども、現在も例えば転換をした新規就農者ですとか転換したばっかりの人、こういう方に対しては面積当たりで幾らお支払いしますというような形の補助事業というのも実施はしておりますが、なかなか全部が全部それでそろうかというと、難しいところもあるんですけれども、財政制約もある中でどこまでできるかというのは引き続きあろうかとは思います。
    以上でございます。
  • 南島部会長
    ありがとうございます。
    谷室長、清水調整官の方からは何か補足ございますか。
  • 谷基準認証室長
    堀切委員から、食品産業での有機の加工食品JASの認証取得について、米国の事例も御紹介いただき、ありがとうございました。取得に係るハードルをいかに下げていくかということであったと思いますので、どういったことが対応できるか、引き続き考えていきたいと思います。ありがとうございました。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。
    続きまして、本日欠席の山嵜委員、加藤委員から書面で御意見を頂いております。事務局から代読をお願いいたします。
  • 葛原調整官
    では、山嵜委員、加藤委員からお預かりしている御意見、御紹介させていただきます。
    まず、山嵜委員でございます。
    有機栽培の意見と論点の整理、ありがとうございます。全体を満遍なく捉えてあり、課題が多く、論点を上げるのに十分な内容になっていると思います。生産者側としての意見ということになりますが、少しKPIや目的が多くなり過ぎているように感じます。もし可能であるなら、課題を絞ってそこに力を入れられることも一つの方法かと思います。
    私としては、有機栽培の農産物が増えることは価格の安定化にもなりますし、担い手を増やすこと自体にもつながることだと思います。今回の課題と論点による生産という問題点を集中的に議論していただいてもよいのではと思うほどであります。ただ、バランスや流通の課題も同時に出ると思うので、その点を満遍なく議論をしていただきたいと思いますが、特に生産目標や農家を育てることを目標にするのか、不明な点もまだあると思いますので、道しるべを立てる意味でも大いに議論をしていただきたいと思います。
    続きまして、加藤委員からでございます。
    1、現在、果樹の価格が高くなってきており、今の相場だと有機にして認証や生産コストを掛けて、更に収量が下がってまで販売する必要がなくなり、脱退する有機認証の生産者も出てきています。生産者の平均年齢が上がってきて、廃業するところも出てきており、一般果樹の相場が今後下がることはないと考えています。有機は病気や虫のリスクもあり、通常の二、三割減で生産量が確保できません。売価が高くても生産費と見合わない、通常の生産の方が作業も経営も成り立つという認識が広がってきています。本当に有機を拡大したい生産者がどれだけいるのか。慣行の2分の1の農薬であるパルシステムのエコチャレンジでさえも同じような傾向でありまして、有機のように認証の費用や作業が掛かるものはそれ以上に厳しい状況にあります。生産コストを下げるための国からの補助、有機肥料や流通経費、流通の仕組みへの補助がなければ取り組む科学的なメリットがなく、生産者を増やせないのではないでしょうか。
    2番目、補助金に関して、ホウレンソウ、コマツナの有機拡大で申請をしてほかの作物に切り替えようと思っても、切り替えると返さなくてはいけなくなるため、切り替えられないということがある。柔軟性が必要ではないでしょうか。
    3番目として、有機認定の検査員が集まっていません。会社等を定年退職した人がパートのような形で担っている状況で、認定員が少なく認証面積をこなせなくなってきているので、認定員候補者をどう育てるかが課題だと思います。
    4番目でございます。オーガニックビレッジ宣言についてはあちこちでやっていて、パルシステムでも北斗市や群馬の産地で関わっていますが、販売・流通に結び付ける出口戦略がうまくいっていないのではないでしょうか。
    5番目、有機農家は個人が多く、出荷団体としてまとめることが難しく、販売側は個人との取引がしづらく、合同商談会や生産者と流通業をつなげる取りまとめ役を行政がやることが大切ではないでしょうか。有機農業に取り組むところは大規模生産ができず、物流が小ロットになります。有機農業生産者は個人個人がまとまりにくい側面があり、国が補助すべき要点と考えます。
    6番目、果樹は獣害が多く、獣害対策も支援対策が必要です。草も多く、動物が来やすい環境です。対策にも多くの人力とコストが掛かります。
    7番目、消費者理解は生協がチラシやウェブにたくさん書いても、有機の良さ、価値がなかなか伝わりません。文科省とタイアップして、義務教育期間中に食育事業として子供の頃から認知拡大を行っていくべきと思います。子供が習って家庭で広げ、話したりできるようにすることが長期戦略としても大切です。学校給食もオーガニックの日など、小規模からでも広げて広報に取り組むことが大切だと思います。
    8番目、パルシステムでは職員や活動組合員が小学校などでお米の出前授業を行っていますが、農家が話しに行く取組があるといいのではないでしょうか。動画や写真で紹介するなど、食育事業に生産者の顔の見える関係づくりをしていくことが大切ではないでしょうか。そういったところに補助金も使えないでしょうか。
    以上でございます。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。
    そうしましたら、最後に私より若干の発言をさせていただきたいと思います。
    今日、たくさんの御意見を頂きまして、ありがとうございました。大枠でいいますと、大体論点は網羅していただけたのかなというふうに思っております。ここの委員の意見を聞く前にもヒアリングもしていただいていますし、たくさんの意見を2回にわたって出していただきましたので、結構網羅ができたのかなと一方で思っております。
    他方で、これを政策に落としていくということになりますと、考えなければいけないのは、予算をどういうふうに取っていくのかというところであります。そうしますと、重点化がこの中にどこかにしっかりないといけない。私もそういう意味では山嵜委員の意見、非常に賛同するところがありますけれども、余り網羅的にしてしまいますと、獲得すべき予算もきちっと獲得できないということも一方で心配ですので、骨格を整えていただくということが大事なのかなというふうに思っております。
    その骨格を整えるに当たっては、一つはヒントになりそうだなと私思っておりますのは、今日の資料は使いませんでしたけれども、参考資料2の方のみどりの食料システム戦略の5ページ目の絵です。消費、調達、生産、加工・流通というふうにありますけれども、こちらが一つ参考になりそうだなと思いながら今日、委員の皆様の意見を伺っていたところでありました。
    一つ目が消費と調達です。調達は脱炭素、環境負荷低減ということでありますが、これは有機農業の価値訴求とすごく関係しているところが多々あるなというふうに思っております。いろいろ御指摘を頂いておりましたけれども、市場の拡大、消費の拡大、消費者理解、生産者理解と、オーガニックレストランあるいは食育という話がたくさんここには出てきたかなというふうに思います。この消費と調達のところ、一群のその論点がありそうに思っております。
    それから、二つ目に、その次の生産です。産地づくりということかなというふうに思いますけれども、ここも多くの意見を出していただきました。非常に興味深くお伺いしていたのはオーガニックチャレンジのお話でございましたけれども、オーガニックビレッジとそれから団地化・集約化の話がここに、除草対策の話もそうですね、一群、論点として詰まっているかなというふうに思っております。
    それから、加工・流通です。こちらの方ですけれども、加工・流通のところもいろいろと論点がありそうですけれども、物流拠点ですとか販路の多角化ですとかございますが、あと海外への訴求ですね。輸出を目指してどうしていくのかというふうな御意見も出していただきましたけれども、はっとさせられたのは有機丸大豆使用と有機JASの違いのお話でございました。ありがとうございました。
    それで一巡するんですが、それ以外にも基盤となる幾つかの政策があります。大きく二つかなと思っていますけれども、有機JASのお話、認証のお話は、基盤・ベースとなる政策のこれらの下支えをする政策として大事な部分かなと思います。もう一つ、基盤となる政策といたしまして技術・知識のお話。これはたくさんの論点を出していただきましたが、特にプラットフォーム・ネットワーク形成の話がかなり大きくあるかなと。それをベースとして知識をスパイラルアップさせていくということが必要かなというふうに思いながら伺っておりました。
    これは私案でございますけれども、何らかの形で骨格を整え、その中で特に、必ずしもずっとその予算が安定して付いていくわけではないかもしれませんけれども、少しずつ前に進めるための訴求力を上げていく必要があるかなというふうに思っております。ということをコメントとして、私は申し上げたいなというふうに思っております。
    事務局から何か私のコメントに対してはございますか。
  • 松本課長
    ありがとうございます。今御指摘いただいたようなのを参考にその骨格の案を作っていきたいと思いますので、また御相談させていただければと思います。
  • 南島部会長
    ありがとうございます。
    もう時間が結構いっぱいになってきておりますが、若干でございますけれども、もし追加で御発言ありたいという方おられましたら、ここで挙手をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。更問いでも結構でございます。
    よろしゅうございますか。ウェブの先生もよろしゅうございますか。
    それでは、特段の意見がないようでございますので、最後に議事の3、その他について事務局から御報告をお願いいたしたいと思います。
  • 葛原調整官
    特にはございません。
  • 南島部会長
    特に報告はないということですので、委員の皆様の御協力をもちまして何とか今回は時間内に終わることができました。前回は9分オーバーでしたので、若干挽回をさせていただいたということで、ここで終了ということにさせていただきたいと思います。
    本日はたくさんの論点を出していただきました。改めて委員の皆様に御礼を申し上げたいと思います。
    最後に、事務局から一言お願いを申し上げます。
  • 佐藤生産振興審議官
    生産振興審議官の佐藤でございます。本日は長時間にわたりまして貴重な御意見賜りまして、誠にありがとうございました。
    本日、事務局の方でまとめさせていただいた資料2ですけれども、主な意見、それに対する論点、右と左で整理をすればこういうふうになっておるわけですけれども、南島部会長からもありましたように、生産、流通・加工あるいは消費、これらがそれぞれ独立して存在しているわけではなくて、これを立体的に論点を組み立てていくということが重要であり、大変難しい宿題を負ったように思っておりますけれども、次回は骨格という形でこれを立体的に整理をさせていただきますので、更に御審議いただきますようよろしくお願いいたします。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。それでは、進行を事務局へお返しいたします。
  • 葛原調整官
    本日は御多忙の中、長時間にわたり御議論いただきましてありがとうございました。本日の議事録につきましては、前回と同様に委員の皆様に御確認いただいた上で、農林水産省のホームページに掲載したいと考えております。次回、第3回果樹・有機部会につきましては、現在、3月24日火曜日の開催を予定しております。次回の部会では、これまで御議論いただいた内容を踏まえまして事務局から基本方針の骨子案をお示ししまして、皆様からの御意見を頂戴したいと考えております。よろしくお願いいたします。
    事務局からは以上になりますが、何か御質問等ございますでしょうか。
    なければ、それでは本日は誠にありがとうございました。次回も引き続きよろしくお願いいたします。
午後3時54分 閉会

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