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農林水産省

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議事録(第17回)

1.日時及び場所

平成26年6月6日(金曜日) 9時59分~11時54分
農林水産省 第2特別会議室

2.議事

(1) 京都議定書目標達成計画の点検結果について

(2) 農林水産省気候変動適応計画推進本部について

(3) その他

3.概要

環境政策課長
それでは、定刻になりましたので、ただいまから、食料・農業・農村政策審議会企画部会地球環境小委員会、林政審議会施策部会地球環境小委員会、水産政策審議会企画部会地球環境小委員会、第17回合同会議を開催いたします。
本日、司会を務めます環境政策課長の木内でございます。
よろしくお願いいたします。
今回は、食料・農業・農村政策審議会の委員の改選がありましたので、新たに委員になられました方をご紹介いたします。
三石委員、それから新たな専門委員で八木委員でございます。
それから、根本委員でございます。
また、本日は食料・農業・農村政策審議会の牛窪委員、橋本委員、寺島委員、そして林政審議会の鮫島委員、永田委員は、所用によりご欠席となっております。
それから、根本委員は少し早めのご退席ということでございます。
また、食料・農業・農村審議会の委員の改選に伴いまして、本小委員会の座長につきましても再度選任する必要がございますが、企画部会の取り決めに基づきまして、先般、食農審の中嶋部会長より、食農審の小委員会の座長に武内委員のご指名がございました。
それで、本日の合同会議の座長につきましてもお願いできればと思っておりますが、皆様ご異存ございませんでしょうか。
よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、武内委員に本合同委員会の座長をお願いしたいと思います。
本日の会議につきましては、公開とさせていただきます。
ただし、カメラ撮りにつきましては、冒頭挨拶までとさせていただきます。
また、本日の議事録につきましては、会議終了後に整理し、委員の皆様にご確認いただきました後に公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、開催に当たりまして、西郷大臣官房生産振興審議官から一言ご挨拶申し上げます。

生産振興審議官
おはようございます。
農水省の生産振興審議官をしております西郷と申します。
本日はお忙しい中、また、雨の中お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。
日頃、本当に農林水産行政の推進に向かっていろいろアドバイスをいただいたり、ご協力をいただきありがとうございます。
この委員会でございますけれども、前回の合同会議から1年ちょっと間があいているわけでございますけれども、その間、何もなかったわけじゃなく、いろんなことがございました。
気候のことにつきまして申しますと、COP19において、2020年における我が国の温室効果ガス排出目標3.8%という表明をしたり、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が3月下旬に横浜で開催されて、話題になったりとか、それから、このIPCCにつきましては、次々各部会の報告が少しずつでき上がり、この秋に向けて統合報告書を作成する作業が行われていてます。
時々新聞などにも、温暖化を止める方策も重要だが、現実に温暖化してしまうので、どういったことをやらなきゃいけないのかというように皆の関心も向かっってきたのかなというふうに思っております。
IPCCは、緩和策は必要だけれども、適切な適応策を講じないと、農業、森林・林業、漁業にも影響が出ると警告しているわけでございます。
これまで温暖化の防止と申しますと、今まで皆様方にいろいろご指導いただきまして、農林水産省では国の政策に合致する形で、農林水産省一体となった温暖化の防止対策と申しますか緩和策、それから適応策、それから国際協力と3つの柱でやってきた中で、先般、京都議定書の目標の達成計画について、どのぐらい達成しているのかというのを速報の形でご報告申し上げたところでございますが、それについての改めてご報告をいたします。
それから、適応策につきましては、国としてはここに武内先生がいらっしゃいますけれども、中央環境対策審議会を中心にいろんな検討をまとめられている最中です。
国の施策では28年度ぐらいから大幅に適応策が導入されていくというスケジュールが示されており、当方もそれにもちろん合わせてやっていくわけでございますけれども、ちょっと環境省よりも早めの検討をして、政府全体の方針にも農水省でいろんな議論した結果を適切に反映をさせていきたいなというふうに考えているわけでございます。
温暖化につきましては、いろいろなことをおっしゃる方がいて、いまだにまだ温暖化はしていないというようなことを言う学者の方もいらっしゃいますが、農林水産業を見ている立場からいたしますと、後ほどご報告申し上げると思いますけれども、既に全国各地で高温の障害、あるいは気候の変動の障害というものは全国の農林漁業は味わっていて、喫緊の課題として対応策を練らねばならないわけでございます。
温暖化そのものの原理的な科学的な究明ももちろん大事でございますけれども、適応策といったことで、早急にいろんなことをしていかなくちゃいけないかというふうに存じているところでございます。
それで、省内に小里大臣政務官を本部長といたします気候変動適応計画推進本部の初会合を先般省内で開きまして、担当部局に作業の指示があったところです。
そちらについては、27年夏までに政府の方でまとめるということになりますので、それに合わせた形できちっとしたことをやっていくということにしてございます。
本日の委員会では、いろいろこれまでの検討状況のご報告が主になりますけれども、大いにいろんなご意見をいただいて、これからの施策と申しますか、この日本で安心して農林水産業にいそしめるような、そういった対策のパッケージを作っていくということにしていきたいと思いますので、ひとつよろしくご指導のほどお願い申し上げます。

環境政策課長
ありがとうございました。
カメラの方いらっしゃいましたら、これでご退出下さい。
議事の前に、配付資料一覧を確認いたします。
表紙、合同会議議事次第と書いてある紙の裏側に、配付資料一覧が資料1から参考資料4まで書いてございます。
これは大部でございますので、後でご確認いただいて、不足がございましたら事務局へお申し付け下さい。
それでは、以降の議事進行につきましては、武内座長からお願いいたします。
それでは、よろしくお願いいたします。

武内座長
武内でございます。
それでは、議事進行に入らせていただきたいと思います。
本日、2つご議論いただきたいと思っております。
1つは、先ほど西郷審議官からもございましたように、京都議定書の目達計画の点検結果、このことについての主としてご報告でございます。
それから、もう一つは農林水産省の気候変動適応計画推進本部についてということで、気候変動の影響を極めて深刻に受ける農林水産分野において、どのように適応計画をきちっとした形で作り、農業への影響を緩和し、場合によっては少し気候の変動に早めに手当てをしていくというふうなことを通して、農業の、あるいは林業・水産業の振興に資するというようなことでございます。
先ほどもご紹介ございましたように、中央環境審議会の方では、茨城大学の次期学長の三村教授を中心に検討を進めていただいておりまして、それとも連動しながら、農林水産分野について皆さんとともに議論していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
それではまず、最初の議題、京都議定書の目達計画の点検結果について、事務局より説明をお願いいたします。

地球環境対策室長
それでは、ご説明申し上げます。
まず、資料1から入って参ります。
その資料の説明の前に、この目達計画をこの小委員会でご説明させていただきます背景を簡単にご説明いたしますと、京都議定書目標達成計画でございますけれども、これは京都議定書による我が国の6%約束、これを確実に達成するために地球温暖化対策に関する法律がございますけれども、この規定に基づきまして策定されているわけでございますけれども、本計画におきましては、この計画の進捗状況等の点検を毎年度行うこととされております。
この計画におきましては、関係する審議会等において、有識者の皆様からご意見を聴取するということが規定されておりますことから、本委員会におきましてご意見を頂戴させていただいております。
今回におきましては、平成24年度、2012年度の点検結果をご説明申し上げまして、委員の皆様からご意見を賜りたいということを考えているところでございます。
なお、今回の点検は、京都議定書の目標達成計画に基づく最終年度の点検となります。
また、今年の2014年度の目達の説明に入る前に、若干前置きが長くなりますけれども、この資料1、2に基づきまして、地球温暖化対策、また、温室効果ガス排出量等の背景情勢をまず最初に簡単にご説明申し上げます。
まず、資料1をご覧いただきたいのですけれども、地球温暖化対策を巡る最近の動きでございます。
ごく簡単に触れますと、下の流れ図のところをご覧いただきたいのですけれども、最近の情勢からいたしますと、やはり一番動きがございましたのは、一番左側のところをご覧いただきまして、平成25年1月、安倍総理から温室効果ガス削減量のゼロベースでの見直しの指示、ここから始まっているかと思います。
その次の1つのポイントといたしましては、真ん中ぐらいにありますけれども、昨年11月、COP19におきまして、国際登録する温室効果ガスの削減目標を暫定的に決定ということで、2005年比でマイナス3.8%という目標が示されたということがあるかと思います。
また、今年に入りまして、26年3月、4月とIPCCの報告というのが出てきています。
また、そのすぐ隣にございますけれども、エネルギー基本計画の策定という形で流れてきているということが最近の大きな流れかというふうに思います。
続きまして、めくっていただきまして、資料2-1をご覧いただきたいんですが、我が国の温室効果ガスの排出量と京都議定書の達成の状況でございます。
この上の囲みのところをご覧いただきたいのですけれども、2012年度の我が国の総排出量につきましては13億4,300万トンということで、基準年度、これは、この下のグラフの方を見ていただきますと1990年ということでございますが、比べますとプラス6.5%、前年度比でプラス2.8%という状況でございます。
また、総排出量に森林等の吸収源、また京都メカニズムクレジット、これを加味しますと、5カ年の平均で考えますと基準年比でマイナス8.4%ということになりまして、下の図で見ますと緑色の中になりますけれども、京都議定書の目標、基準年比のマイナス6%は達成されたというような状況になっているということでございます。
続きまして、資料2-2をご覧いただきたいのですが、こちらの方もまた上の囲みのところにまとめがございます。
2012年度、平成24年度でございますけれども、我が国の温室効果ガスの総排出量、先ほども出ましたけれども、13億4,300万トンでございますけれども、そのうち農林水産業の分野における排出量、これはどれくらいかと申し上げますと、3,551万トンということでございます。
この量といいますのは、総排出量に占める割合は全体の2.6%を占めるということになります。
これは基準年、1990年と比べますと35%減少しているという実態にございます。
また、当省の関係でございますと食品製造業がございますが、これにつきましては、その排出量は1,717万トンということで、全体の総排出量に占める割合は1.3%ということで、これは同様に基準年と比べますと2%の減少となっております。
このイメージといたしましては下の、まず左側の円グラフを見ていただきますと、この真ん中のところに農林水産業・食品製造業の割合はということで、先ほどの2つの比率を足したものとして約3.9%と書いてありますけれども、合計で4%弱というのが農林水産分野の寄与度ということになるかと思います。
この円グラフの中で、横に吹き出しが出てございますけれども、この四角で囲んでさらに下にパーセントを入れてございますのが農林水産関係ということで、それほど大きな比率とはなっていないということがお分かりいただけるかと思います。
また、全体の傾向として、基準年比で下がっているということを先ほど申し上げたのですけれども、右上のグラフを見ていただきますと、右肩下がりに基本的になっているということでございます。
1つ特徴的なものといたしまして、このグラフの一番右の端側なのですけれども、ピンク色の部分、ちょっと上に上がっているところがあるかと思います。
これは食品製造業からのCO2なのですけれども、ここは2011、12と上がってございます。
これは背景としましては、東日本大震災の後でございますけれども、食品製造業は使用エネルギーに占める電力の依存度が高いということで、その電力自体、原子力発電所が止まっているということで、そのもとの排出が化石燃料に切り替わるということで、排出に占めるCO2の量が上がっているというバックグラウンドがあるということでございます。
このような背景事情の中で、資料3-1をご覧いただきたいのですけれども、京都議定書目標達成計画の点検を、本日の議題であります点検をやるということになります。
最初にも申し上げましたけれども、この黄色のところにございまように、6%の削減約束を達成するための進捗状況の点検ということで整理をしてございます。
農林水産分野の対策・施策といたしまして、この下の囲みにございますように、6つの対策・施策がございます。
まず、上から申し上げますと、分野といたしましては、施設園芸・農業機械の温室効果ガス排出削減対策というものがございます。
2012年度の結果といたしましては、23.8万トンの削減見込みに対しまして43.5万トンの削減ということで、達成しているという状況でございます。
また、環境保全型農業の推進による施肥量の適正化・低減という項目がございますけれども、これにつきましても24.1万トンの削減見込みに対して50.3万トンの実績と。
また、バイオマスの利活用の推進、これはバイオマスタウンの構築でございますけれども、これに対しましても、300市町村に対して318市町村の実績となってございます。
また、その次の漁船の省エネルギー対策につきましても、6.6万トンの削減見込みに対して16.4万トンの実績。
また、産業分野の分野別の自主行動計画を立てていただいているんですが、その推進・強化につきましては、農林水産分野の対象となる20業種のうち、目標達成している分野は6業種というふうになっています。
さらに、最後、森林吸収対策でございますけれども、これにつきましては2012年度の吸収量、これは5,168万トンということで、第1約束期間の平均4,821万トンとなりまして、目標を達成しているという状況で、全体としても達成しているという状況になるかと思います。
それぞれの対策・施策を少し見やすい形でおまとめいたしましたのが、そのめくっていただいた次のページからございます。
施設園芸・農業機械の温室効果ガス排出関係ですと、この最初のところですと、例えば上のグラフですと省エネ機械の導入、この赤の部分は対策ケースと書いてございますけれども、これが目標でございまして、青の部分が実績ということで、実績が上回っているという状況が分かるかと思います。
また、そのすぐ下のところに施設園芸の省エネ施設の導入につきましても、目標を大幅に上回る形で推移していることが分かるかと思います。
また、めくっていただきまして、2ページ目、こちらで環境保全型農業の推進による施肥量の適正化。
こちらも全体のところ、一番上のグラフでございますけれども、目標の赤に対して実績の青が上回っているという状況にございます。
特に下の(2)の化学肥料の需要量のところ、こちらは上下逆になりますのは化学肥料の施肥の適正化ということ、肥料を減らしていくということが実績になりますので、青の実績は下になるということは効果が上がっているということになります。
バイオマスタウンにつきましても同様でございます。
続きまして、4ページ目、漁船の省エネルギー対策でございますが、こちらにつきましても、特に2007年度以降は燃油の高騰ということもございましたので、そういう中で省エネ施設、省エネルギーの船舶の建造というような経営転換を進めるということもございまして、そういう中で対策が進んでいっている状況が、このグラフからも読み取れるかと思います。
さらに、5ページ目になりますが、業種別の自主行動計画でございます。
こちらの方、全部で20の業種があって、達成しているのはこの青色に塗ったところということで、6業種ということで、全体からするとちょっと少なく見えるのですが、この下の進捗状況に関する評価のところにも書いてございますように、やはり東日本大震災の影響による、これは電力排出係数と書いてありますが、先ほど申し上げましたように、電力を使っている場合に、原子力発電所が止まってしまっていて化石燃料に切り替わっていることによって、使用している電気は一緒なんだけれども、CO2の排出比率が上がってしまうという、そういうこともありまして、達成業種が減っているという状況にあります。
ちなみに、震災の前であります2010年の実績は20業種のうち15業種が達成していたという状況もございまして、その後、主には電力の関係によりまして、6業種まで減っているという特殊事情があるかというふうに考えているところでございます。
最後のページでございますけれども、森林吸収対策でございます。
こちらにつきましても、森林吸収の目標を確保するために、森林・林業基本計画に基づいて森林の適切な管理に務めた結果といたしまして、目標を着実に達成してきているということが、このグラフからも読み取れるかと思います。
次の資料3-2は、この詳細な内容、また、設定の基準等の資料でございますので、参考にしていただければと考えるところでございます。
説明は以上でございます。

武内座長
どうもありがとうございました。
それでは、質疑応答に移りたいと思います。
質問、ご意見のある方は、札を立てていただきたいと思います。
それじゃ、藤井委員、お願いします。

藤井委員
菜の花プロジェクトの藤井でございます。
ただいまのご説明の、資料3-1の1ページ、施設園芸・農業機械の温室効果ガスの削減対策のところで、バイオディーゼルについて質問させていただきます。
説明の評価のところの第1段落の下のところに「バイオディーゼル燃料の長期安定利用に係る調査・実証に対して支援を行い着実な成果を上げている」とありますが、私ども、非常に長年このバイオディーゼルをやりながら、西郷審議官にも随分と応援していただきながらやっているんですが、実態は、全国で集めている廃食用油が利用されずに韓国に多く輸出されているというのが現状で、その中でなぜかというと、私たちがやっている一次産業、トラクター、コンバイン、漁船、それからチェーンソーなど含めて、様々、この地域の中でバイオディーゼルを使用しようとする中で、コンバインについてはオフロード法とか規制の方が大変強くて使えないのが実態です。
ですから、評価からすると、この着実な成果ではなくて本当に成果を上げるための施策をやれば、これは全国で本当に農林・漁業に関する施策が上がると思います。
例えば、けなげに滋賀県では、チェーンソーで木を切った、それを薪にした場合には普通の薪よりも少し高くすると。
それでも薪ストーブを使っている方は、少し高くてもこのチェーンソーはバイオディーゼルでやっているということで、高くても買うというような、そういう誘導もしているんですね。
ただ、1つの県の1つの地域ではとても対応できず、特にトラクター、コンバインについてはバイオディーゼルが積極的に使えるような施策を是非にお願いしたいところで、ここの表現がちょっと言葉が実態と離れているのではないかというのが印象でございます。

武内座長
分かりました。
事務局からの回答については、後ほどまとめてということでお願いします。
亀山委員、お願いします。

亀山委員
亀山です。
ありがとうございます。
まず、ご説明いただいた目標達成計画についてですが、着実に排出量を下げられて、関係者の方々、大変なご苦労をされたんだなということがうかがい知れました。
本当にご苦労だったと思います。
私がむしろ懸念いたしますのは今後の話でございまして、2013年から2020年にかけて、今後どういう対策を引き続きやって下さるのかという点でございます。
ご説明にもあったように、2020年にはカンクン目標というのが提示されておりまして、引き続き努力をし続けていかなければならないわけなんですけれども、多くの場合、目標達成したんだからということで、予算などが2012年度で打ち切られてしまっているというような話もいろんなところで耳にします。
ですので、私の質問は、第1約束期間終了後について、今ご報告いただいたような対策が引き続き続けられるようなことを考えて下さっているのかどうか。
特に心配しておりますのは、森林吸収源対策でございます。
せっかく、この5年間の間に非常にその意識って高まったと思うんですよね。
森林を保全していくこと、林材を活用していくこと、1つの産業として活性化していくこと。
やっぱりこの動きというのを止めてはいけないんじゃないかというふうに思います。
国内のクレジット制度なんていうのも、お金を森林保全に回す1つの非常に有益な制度だったと思うんですけれども、こちらの方も今、第1約束期間が終了して、もうクレジットの買い手がなくなってしまっているということで、いくらクレジットを作ったところでお金が回らなくなってしまっているんですね。
こういった制度も、どうやったらもう一回再活用できるようになるのか、そういった工夫について、もしお考えがあるようでしたら伺いたいと思います。
よろしくお願いいたします。

武内座長
ありがとうございました。
他に。
最初に山家委員、それから葛城委員ということでお願いします。

山家委員
このタイミングで申し上げていいのか、ちょっと分からないんですけれども、再生可能エネルギーの関係でいくつか申し上げたいと思います。
申すまでもなく、国産資源であること、自給率を高めていかなければならないこと、それから温室効果ガス削減効果等、再生可能エネルギーを普及していかなければいけないということは、非常に重要になっていくんだと思っています。
日本国内はいまひとつ盛り上がっていませんが、世界的に見ると再生可能エネルギーのコストがどんどん下がってきて、主要なエネルギー源になっていくというのはもう、半ば当然視されつつあるという状況になっていると私は思っています。
それから、日本でもエネルギー基本計画で、不完全ではあるんですけれども唯一、数値目標みたいなものが入っているということで、再生可能エネルギーを振興していくというのは非常に大事であると認識しております。
その上で、再生可能エネルギーの促進法を農林水産省さんが打ち出されて、非常にご苦労されたんだと高く評価しております。
それで、例えば点の風力とか線の小水力は優良農地でも設置が可能になるということで、非常に関係者とか自治体の期待は大きかったんです。
ただ、農振地域の制度がそのままになっていまして、農用地域には基本的には手が出せないのではないかと思われている方が非常に多くいらっしゃいます。
例えば、農用地域を除外するためには8年間補助金が入っていないのが条件であるとか、田んぼの端っこでしか使えないとかというようなルールがあるらしくて、その辺で非常にハードルが高い、実際問題として、せっかく法律を作ってもらったが活用しにくいと思われている方が多いようです。
それで、農振地域制度についても同様に見直す必要があるのではないか、あるいは、実はそんなにハードルが高くないということであれば、その旨を周知していただく必要があるのではないかと、それが第1点でございます。
それから、2番目なんですけれども、バイオマス発電について申し上げたいと思います。
固定価格買取制度の導入により非常に注目されており、FITの認定もバイオマスは多い方だと評価しております。
一方で、どうも今のFITの条件だと6,000キロワットぐらい規模がないと採算が取れないと言われております。
その規模だと10万トン程度集める必要があり、非常に集めるのが大変です。
森林組合とか自治体単位だと、発電規模で2,000キロワットぐらいだと非常にやりやすいという声を私は聞いています。
要するに、FITの今の条件と地域の現状との間にミスマッチがあります。
それで、中小規模でも成り立つような支援が必要ではないか、あるいは支援を考えていただきたいというのが第2点目でございます。
3点目ですが、これもバイオ燃料です。
これは輸送用の方ですが、最近、北海道と新潟の3事業の見直しの議論があって、報告書も出ていて結論だけ拝見しました。
第1次安倍政権の時に、鳴り物入りでこの3事業は国策の下に始まったと私は認識しております。
どうも事業採算性の議論ばかりが報告書で強調されていて、政策性の議論がトーンダウンしたなという感を持ちました。
設備の稼働が始まってまだ5年なのに、これで結論を出すのはいかがなものかと思います。
ブラジルのエタノールにしたって、サトウキビの開発を含めて40年、50年の期間で競争力を高めてきているわけですし、それから、エネルギーの議論ですと、オイルショックの後、サンシャイン計画を作って多額の支援をしてきたわけです。
その効果はあって、ほとんどの分野で世界をリードする競争力を、ある時期まで持っていたと思っています。
ただ、オイル価格が下がって、サンシャイン計画、新エネの助成が小さくなって、ふと気がついたらほとんどの分野でもう新エネは周回遅れになった。
やっぱり長い期間、長い目で支援していくというのが大事なのではないかと。
それから、3事業のバイオ燃料については、初期投資の助成はあったと。
ただ、初期投資の助成だけだとなかなか進まない。
やっぱり再生可能エネルギーというのは、初期投資補助だけでは投資対象になるまでちょっと力不足なのではないか。
電気のFITにしても、15年なり20年なり投資の採算が取れるという状況で支援を打ち出しているわけで、それで今動いているというところがあります。
そういった観点で、やっぱりバイオ燃料についても、引き続き長い目で見た支援をしていくべきだと思っております。
以上です。

武内座長
ありがとうございました。
葛城委員、お願いします。

葛城委員
葛城と申します。
全体的に農林水産業界を挙げて、この目標達成に向けて大変努力されているんだなという、心強いなという印象を受けました。
そんな中で、震災後、原発が停止したことによって化石燃料由来の電力が増えてCO2の排出が増えているという話が何点か出てきたんですけれども、要は、原発推進派の人というのは、その理由の1つとして、原発を止めるとCO2排出も増えちゃうんだからよろしくないんじゃないかということをおっしゃっているわけなんですけれども、実際問題、農林水産省としては、どの程度その影響が深刻だと思われておられますかということを確認させていただきたいと思います。

武内座長
それでは、小倉委員、お願いします。

小倉委員
よろしくお願いいたします。
小倉と申します。
先ほど亀山委員から出ましたことに、また追加をして申し上げたいと思います。
私も、森林吸収対策というのが本当に進んできていて、間伐によってCO2が削減されているということが本当によかったなということと、人材の活用の点でも、これからますます進んでいって欲しいなというふうに考えています。
大きな雨が降るようになって山が崩れていくというようなこともあって、CO2のことだけでなく、治山事業がこれからますます進んでいくということを期待したいと思います。
それと、国内クレジット制度のことについてなんですけれども、一昨年、私の方からも質問させていただいて、J-VER制に移行しますというところまではお聞きしたんですけれども、先ほど亀山委員からもありまして、なかなか機能していないようだというお話もありましたけれども、そこら辺で、その後どういうふうになっているかというのを、ちょっとお聞かせいただきたいなというふうに思います。
それと、先ほど、また私も質問しようと思っていたんですけれども、食品製造業におけるCO2で電力に頼るところが大きいという発言がありましたけれども、私はこれを見ていて、景気要因もかなりあるのではないかなというふうに思いました。
火力発電とそれから景気の要因のところで、ちょっとお答えをいただければと思います。
以上です。

武内座長
ありがとうございました。
それでは、井村委員、お願いします。

井村委員
大規模に土地利用型の農業をしている現場の立場から少し、4点ほど意見を言わせていただきます。
まず、各農業機械メーカーさんがいろんなものを出されるんですけれども、現場としては高コスト体質といいますか、かなり農業機械の、例えば遠赤の乾燥機にしても価格が上がっているというようなことが1つ感じられます。
これはやっぱり、タイリョクをこれから低コストに持っていくというのとすごく現場としては矛盾してくるので、この辺のインセンティブというのを各農家にきちっと説明していかなければいけないのかなというのが1つ。
それと、私の農場では年間3万4,000リットルの軽油を使います。
これは大型トラクターを使うんですけれども、これがバイオディーゼルの対応であったりとか、ハイブリッドだとか、燃料電池だとか、そういうようなトラクターというのがなかなか出てこなくて、消費者から、いくら有機農業やっていてもあなた方はこれだけ化石燃料をたいていてというようなことを指摘されてすごく心苦しくは思っているんですが、できればクボタさんだとかヤンマーさんだか、そういう先進的な取組をして、日本の農機具の何か価値のアップみたいなことをしていただけないかなということを感じています。
それともう一つ、高速代かき機なんかも評価されているんですけれども、やはり耕し方によってどれぐらい環境負荷があるのかないのかという、前回の会議でも話させていただいたんですけれども、ここの研究をもう少ししないと、よく耕すことが本当にいいことなのかということにもなってくるので、やはり、どういう耕し方をすれば環境に優しいのかというのを農業者に対してきちっと示せるような研究があってもいいのかなと思っています。
それと、4番目に、化学肥料の方が環境保全型農業の取組によって減ってきているということなんですけれども、これによって高付加価値になって消費者から買い支えられるとか、いろんな意味があるんだと思うんですけれども、今の矛盾する点として、飼料用米というのが、これの評価が収穫量に応じて補助金がもらえるような仕組みになっていまして、当然プロ農家というのは所得を上げなければいけないので、飼料用米に関してはやはり化学肥料を多投して収穫量を求めるというような方向に行くのかと思います。
この辺と多面的な農業の役割の中でCO2の問題とどう整合性をとっていくのかというのは、やはり農家にきちっと伝えて、普及させるべきなのかなというのがあります。
それと、最後に総論としてですけれども、私たちプレーヤーとしてはなかなか、コストも削減しなければいけないし、TPPの問題として海外とも競争していかなければいけない、安全なものも作らなければいけない、生物多様性を含めた環境負荷もやっていかなきゃいけない。
ただ、それは当然、矛盾するところもあるわけで、ここをやっぱり農林水産省としてきちっとしたメッセージを農家に出していただければ、農家も取り組みやすいのかと。
最終的には、やはり消費者が買い支えるということで、消費者が日本の農業はすばらしいなと、同じ価格で同じ価値があったとしても国産のものを選択しようと、ここに持っていくためには、やはり農家がしっかりフィロソフィー的なことも考えながら農業に取り組む、そういう啓蒙活動みたいなことも是非お願いしたいなと思いました。
以上です。

武内座長
他にございませんでしょうか。
それでは、事務局からお願いいたします。

環境政策課長
ありがとうございました。
各局で何かありますか。
残りは私がやりますけれども。
そちらからいきますか。

生産局農業環境対策課長
生産局です。
井村委員から今お話があったことのように、まさに機械、高コストになっているということで、資料にありますように省エネ機械等々の導入を推進しています。
ご指摘のあった遠赤外線の関係、できるだけ省エネのものを使うということで進めていますけれども、実際的にはなかなか高コストになっている面もあるということを了知しております。
我々としても、できるだけ省エネ、そういうものに行くような形で取り組んできていると思います。
また、農機については電池でやるとかいろんなこと検討はしているんですが、なかなかコストの問題で実用化まで至っていないと、一部取り組んでおりますけれどもなかなか難しい。
その中で省エネに貢献するような農業機械、そういうものをしっかり使っていこうということで、今まさにここで取り組んでいますので、こういうことの裾野を広げながらしっかりやっていきたいなと思っております。
また、化学肥料の関係で、環境保全型農業の担当課長をしていまして、できるだけ持続的な農業、特に土作りをベースにして化学肥料、農薬を減らしましょうという運動をさせていただいております。
そういう中で肥料の価格が高騰したということも幸いして肥料の削減につながっていますし、農薬の方も全体の出荷量等々見てみますと漸減傾向にあるということで、一応の一定の成果が出ていると思います。
そういう中で、飼料用米の話については、一方の施策等として自給率を上げていくということ、あるいは水田フル活用ということ、それからこの環境ということのバランスをどうとるかというのは今後の課題だというふうに認識しております。
私の方からは以上です。

林野庁森林利用課長
林野庁の森林利用課の赤堀と申します。
亀山委員と小倉委員からご指摘いただきまして、どうもありがとうございました。
基本条約の枠組条約の中でも、4条の中の約束の中に、いろいろ温暖化対策のメニュー、その確保すべき中で森林吸収源の強化といったところもきちんと定められておりまして、私どもとしてこれをきちんと達成していくということが使命であると考えてございます。
幸いに、間伐に加えて間伐以外の森林吸収源対策もきちんとやりまして、取りあえず第1約束期間の目標は達成できております。
2020年に向けても、私ども、年間およそ52万ヘクタール間伐等をしっかり行っていきたいと考えてございます。
これについては、別途財源も必要でございますので、こういったことの確保も併せて行っていきたいなと思っております。
それから、国内吸収源ですけれども、昨年からJ-クレジットということで統合されてきておりますけれども、J-VERの中では森林吸収源は、非常に活用させていただきまして、最終的には130件ほどのプロジェクトがございました。
今後、J-クレジットでの森林吸収源につきまして、経産省、環境省、こういった関係省庁とも協力しながら浸透していくことに取り組んでいきたいと思ってございます。
それから、小倉委員から治山事業についてお話しいただきまして、これもありがとうございます。
確かに、非常に豪雨、そういった極端現象が増えているというようなところがございます。
当方としましても、こういったことにきちんと対応することが必要ではないかと考えてございます。
実は、適応のところでも、枠組みでもちょっと考えてございまして、また後ほど説明させていただくことになりますので、またそれもお聞き願えればと思ってございます。
以上でございます。

環境政策課長
それでは、私の方からですね。
最初の藤井委員のトラクター、コンバインにディーゼルが使えるようなということなんですけれども、どういうことがこれからできるか、規制の問題がございますので、その辺りは少し勉強してやってみたいと思いますので、ちょっと今お答えがありませんけれども、検討させていただきたいと思います。
それから、亀山委員の第1期が終わった後に対策を続けるかどうかということ、これは政府の方でもこれまで以上の話を検討を進めると。
ただ、温暖化対策の計画はこれから立てるということですので、それぞれの具体的な目標についてはこれからですけれども、基本的には今の対策を続けて、それ以上にやっていくということを継続すると。
予算的にも農林省でいいますと、ばさっと切られているというようなことではないかと思います。
それから、山家委員の再エネの関係ですけれども、今度の再エネ法、農水省の方で作りまして、農地法の特例でいえば一時転用とか、それから山の方の手続きとかというのを規制緩和をしたところがございます。
ここは周知をしなきゃいけないと思っております。
それから、FITの条件で、バイオ燃料で大体5,000から6,000キロワットじゃないといけないということなんですけれども、今、自民党の方でも議論しておりまして、小さな2,000とか1,000とか、それぐらいでもできるようなFITの運用について何かできないかというのを、いろいろと議論されております。
ただ、現状は、その融通がまだできていないというところではあります。
それから、バイオ燃料3地域の問題については、先月の終わりにいろいろと省内でも検討がありまして、今月いろいろとその後続けるということで、イニシャルコストは負担したわけですけれども、それからしばらくランニングコスト、5年ぐらいやってきて、いろいろと支援をしてきて参りました。
それについてはやはり長いじゃないかと、もうそろそろコストがちゃんと100円ぐらいでできるようなものにしなければいけないじゃないかとかというような議論がございまして、それもごもっともということもありまして、それについては、これからそんなに長い時間かけない間でどういうふうに対応するかというのを省内で検討しているところでございます。
結論が出ると思います。
それから、葛城委員の原発の停止による電力のということですけれども、最初ご説明したように、農林水産業関係、それから食品関係で全体でいいますと、それほど排出量というのは大きなシェアを占めているわけではありませんが、ただ、その中でも電力の部分、食品産業は電力の部分に頼っておりますし、それ以外、畜産関係あるいは施設園芸では電気に頼っているところがございますので、ここについてはできるだけ再生可能エネルギーというのを使うようにしたいというふうに思っておりますけれども、ただ、シェアからいうとどれぐらいの影響の深刻度かといいますと、正直言いますと、他の業界ほど大きな電力量を使っているわけではないんじゃないかというふうに思っております。
あと、小倉委員の食品関係で、原発の原因だけじゃなくて景気も戻ったんじゃないかというようなことだと思います。
それで排出量が増えたんじゃないかと思いますけれども、そこまでちょっと分析が今……いいですか。

食料産業局バイオマス事業推進室長
すみません、小倉委員のお話でございますけれども、景気の影響でございますが、要因としましては、先ほど最初のご説明にありましたように東日本大震災で電力排出係数が震災前に比べまして火力発電にシフトしてございまして、どうしても悪くなってしまい、4割程度悪くなっております。
ですから、今回お示ししましたように、目標達成したのは20業種のうちで6業種と少なくなっておりますけれども、これについて景気の要因も、あると考えております。
ただ、もう一つは、小さなロットで多い品種をやっているのが食料品関係で多く、CO2原単位に影響が出てくると、増加するということでございます。
今後も、食品業界も食品リサイクルを含めて、いろいろ積極的に改善を図っていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
それから、ちょっとついでで補足で申し訳ありませんが、先ほどバイオマス発電の中で、木質バイオマスでなくて家畜排せつとか食品廃棄物を使ったバイオマス発電も今、取り組んでいるところがございます。
その中ではいろいろ小規模でございますけれども、多段利用で努力しておりまして、例えば、熱を利用しましたハウスによります農作物生産、それからそのメタン発酵で出ました消化液を肥料で使うとか、いろんな多目的利用で何とかコスト削減に努力して、小さいながらも地域に密着した形でバイオマス発電もしているところございますので、こういった取組も応援していきたいと思っております。

地球環境対策室長
小倉委員からご質問いただきましたJ-クレジットのこの後ということでございますけれども、1年間、J-クレジットを検討して参りまして、実績といたしましては約170万トンということで、この量は以前の国内クレジットJ-VERの5年分というような、これは申請ベースなんですけれども、非常に多くの申請が上がってきている状況にございます。
ただ、中身的に言いますと、実は家庭用の太陽光発電に偏っているということがございますけれども、農林水産関係の新たな方法論も出されておりますし、例えば木質バイオを活用したボイラーとか、そういう案件もいくつか出ているというような状況にございます。
そういう中で、先ほどもございましたけれども、経産省、また環境省と連携して、販売の方も含めて推進するということで、スタートは非常に順調ではないかなという評価をいただいているところでございます。

技術会議事務局研究専門官
技術会議事務局で研究担当をしております菅谷と申します。
井村委員からご指摘のあった耕し方の話なんですが、まさにここにいらっしゃる八木委員なんかと一緒にプロジェクト研究で、耕し方によるメタン発生量の削減だとか、そういうことも今研究しているところでございまして、他にも炭素はどのぐらい蓄積効果が農法によってあるかとか、そういったいろいろ研究成果はありますので、また研究機関と一体的に普及活動などもやっていきたいと思っております。

武内座長
いただいたご意見、ご質問の中には、かなり、これからどうするんだということが多く含まれておりましたので、次の議題の中でもさらに議論を続けていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、続きまして、農林水産省気候変動適応計画推進本部について、事務局から説明をお願いいたします。

地球環境対策室長
続きまして、適応計画の関係につきまして、ご説明申し上げます。
資料は4番からになりますので、ご用意いただければと思います。
この資料4番、タイトルにございますように、農林水産省気候変動適応計画につきまして推進本部を設置いたしました。
ここに最初に農林水産省のクレジットが書いてありますように、4月25日に第1回目の推進本部を開催いたしました。
この趣旨のところで、どのようなものをやろうとしているかということをまとめてございますけれども、近年、稲、果樹を初めとする農産物ばかりではなくて、海苔ですとか水産物においても、高温による生育障害とか品質への低下とか、そのようなものに対する対応というのが非常に努力が払われているということ。
そういう中で、また観測記録を塗り替えるような高温ですとか、豪雨、大雪、記憶に新しいところでございますけれども、そのような災害も非常に頻発していると。
また今後、温暖化とともにそのような極端な気象現象の頻発が予測されるというような中で、農林水産業、また農山村の生産・生活の基盤を揺るがしかねないというようなことが懸念されるような状況にあるということでございます。
そういう中で、京都議定書以降、我が国も先進国の1つとして温室効果ガスの排出削減、吸収源対策に対して大きな力を注いできたわけでございますけれども、この温暖化は疑う余地がないというふうにIPCCの報告でも出ているような状況の中で、政府全体としても温暖化への適応というものを真剣に考えていこうということが叫ばれているところでございます。
政府全体の適応計画というものも今、検討が環境省中心に進められておりまして、これ自身は来年、平成27年の夏頃までに策定しようということで、関係省庁、当省も含めまして連携して検討が始まっているところでございます。
そういう中で、最初に申し上げましたように、非常に気候変動に対する影響というのも大きくなると今後も想定されます。
既にいろいろな影響が出ているということもございますので、これにつきまして、政府全体の計画とも密接に連携するということもございますけれども、まず農林水産省として、その適応計画というものを真剣に検討するということで、政務官を本部長とする気候変動適応計画の推進本部を設置しまして、検討を始めたところでございます。
この推進本部におきましては、2番目に検討内容とございますけれども、まずは気候変動の影響の現状と課題について検討すること、また、今後の気候変動への適応をどうやっていくかという計画を策定していこうということでございます。
次のページを見ていただきたいのですけれども、そこで体制といたしましては、先ほど冒頭のご挨拶でも申し上げましたように、小里農林水産大臣政務官を本部長として農林水産省全体、農・林・水全体で考えていこうという体制をとってございます。
次の3ページ目をご覧いただきたいのですけれども、全体のスケジュールといたしましては、最初の趣旨のところでお話しいたしましたけれども、政府全体の適応計画というものがこのスケジュールの一番下のところにございますけれども、来年、27年の夏頃と今言われております。
その中で、このスケジュールとしては左側に環境省、中央環境審議会での検討、左側の方に農林水産省と書いてございますけれども、政府全体の検討も横で見ながら、農林水産省における検討も連携しながら進めていくということを考えているところでございます。
この小委員会におきまして、本日は6月のところですが、まずは農林水産省におきましてこのような検討が始まりますということで、そのご報告をさせていただきまして、7月には第2回目の検討といたしまして、実際にもう少し詳細な資料もご提示させていただいて、より深いご議論、ご提言をいただければというふうに考えているところでございます。
最終的には、政府全体の計画がまとまるより前に農林水産省としての考えをまとめていって、政府全体の適応計画の中にしっかり反映していきたいというふうに考えているところでございます。
続きまして、現在まだこれから詳細検討していくというところでございますけれども、資料5によりまして、農林水産分野の気候変動計画の策定、またその後、推進のイメージをご説明したいと思います。
農林水産分野の気候変動は、非常に幅広い分野になるかと思います。
また、分野だけではなくていろいろなステージにあると思いますし、また、年次的にも現在から今世紀末までを範囲として考えていく必要があるということで、まず現状の評価と分析ということが必要になるかと思います。
そういう中で、いろいろな段階があるかということで、この気候変動対策の様々な段階ということを括弧書きで入れておりますけれども、いろいろな作物であったりとか、農林水産それぞれの分野に応じて、既に暑熱対策とかに取り組んでいるものですとか、将来心配だということで研究開発を行っているものですとか、まだ具体的にはやっていないけれどもそういう課題がある、顕在化していないけれども課題があるよというふうに認識されているものとか、いろいろなステージがあります。
そのステージをまずどういう状況なのかという現状を把握して、その上で、下の四角になりますけれども、どのような形で計画を考えていくかということをやっていくということになるかと思います。
その中で大きく分けますと、赤で書いてありますけれども、既に顕在化している課題への対応というのをどうするかという問題と、将来これから出てくるものに対しての対応、これは研究開発が中心になるかと思いますが、大きく分けますとその2つに分けていく。
また、現在対応、顕在化している課題につきましても、私ども国の段階でできるもの、また地方で現場に近いところで考えていく、また対応していく、判断していくものは何かというような役割分担のようなものも、併せて考えていく必要があるのかなというふうに考えているところでございます。
続きまして、この裏のページはまたイメージでございますけれども、適応計画を考えるに当たりましては、これから将来にわたっての計画を立てるわけでございますけれども、このくるっと回している真ん中にございますけれども、どうしても将来にわたって、これからだんだん温度が上がってくるということを想定するわけでございますけれども、将来の予測というのは不確実性がどうしても高い、どれくらい上がっていくか、どういうふうになるか、これは先ほどのCO2の排出の状況とか、それにもかかわって変動してくるということでございます。
そういうこともありますので、取組の進み具合、また、温暖化の進み具合に応じて現場の取組状況の検証ですとか、そういうものを踏まえて検証とフィードバックということで計画を補正しながら、例えば5年毎に検証見直しをしながら進めるというようなことも、今般の適応計画の策定の中では考えていく必要があるのかなというふうに考えているところでございます。
続きまして、資料6でございますが、こちらはどのような分野を検討していくかという1つのイメージとしてご提示させていただいたのですが、これは私どもの方の検討ではなくて、既に検討が若干進んでおります環境省の方でやっております中央環境審議会の方で進めております検討会の方で、将来影響をどういう分野で検討したらいいかということが報告が既に出ておりましたので、参考までに付けさせていただきました。
これはまだ将来影響をどのような分野で整理していくかというイメージを示したもので、まだこれから変わっていくということですので、私どももこちらを検討する中で、連携しながら、また調整しながらやっていく、この分野の区分も変わっていくものと考えておりますけれども、食料から水資源、自然生態系、また自然災害ということで様々な分野、これもまた農林水産業とも密接に関係する分野がいろいろ出てくると感じているところでございます。
このような形で農林水産分野の適応計画を考えていきたいということでございますが、現在の農林水産業に対する気候変動の影響がどのようになっているかということを、参考情報をまず情報提供させていただきたいと思います。
これにつきましては、次の資料7-1をご覧いただきたいと思います。
カラーの横のパワーポイントの資料でございますが、まず一番ベースとなるものといたしまして、我が国における平均気温の上昇予測、また、大雨の日数の増加の予測ということがございます。
この左側の図の方が気温の上昇の予測ということで、IPCCの方でこの予測というものが出ておりますけれども、つい先日といいますか、この3月、4月に行われましたのはAR5の1つ前のものをもとに作ったもので、これはまた新しいものにアップデートされることになりますけれども、この気候予測、前のもので考えましても、いくつかのシナリオがあるんですけれども、そういう中で日本の近くの平均気温の予測をいたしましても、高いものですと今世紀末には4度程度上がるということも想定されるということがございます。
また、雨の強度につきましても、100ミリ以上降るというような雨の日数も増えてくるということが、日本のほとんど全ての地域で、その緑色のところは今よりも多くなるということとなりますので、増えてくるということが想定されております。
続きまして、次の2ページ目でございます。
2ページ目はコメについての評価でございます。
コメにつきまして、温度が上がってきた場合に、地域別に収穫量はどのようになってくるかということを予測をしたものでございまして、コメにつきましては3度ぐらいまでの上昇であれば、それほど大きな収量の減少は見られないのかなということでございますが、それ以上に上がってくると下がってくるのではないかということが現在の予測でも出ているということでございます。
その次の3ページ目でございますが、こちらで果樹の予測も出ておりまして、ウンシュウミカンとリンゴの例がございます。
これも現在と2060年代でどのような形になるかということで、現在の品種、また、技術で考えた場合に適地がどのような形になるかということを見たものが、このような形に変化してくるということも想定されております。
その場合に、より高温に適した品種の導入、そのようなものも既に準備は進められておりますけれども、そういうことも考えていく必要があるというふうに考えているところでございます。
その次は4ページ目をご覧いただきたいんですが、4ページ目が畜産に与える影響でございます。
畜産も同様に、気温が上昇する中で肥育の豚、またブロイラー、この肉の体重の増える増え方に対する影響を見たものでございますけれども、やはり気温が上がってくるという中で、エサを食べる量が減るとか、効率性が、生産性が下がってくるというようなことが想定されています。
それに対する様々な対応ということが今、研究分野で考えられているところでございます。
そのまま気温が上がってくると、このようなところで影響があるということでございます。
また5ページ目には、森林への影響ということで、ここではブナ林の分布の状況ということを示してございます。
この中では、Bのところで、現在の気候ということで、ブナの生育の適地というようなところを示しておりますけれども、そこがこれから温度が上昇していくとブナの分布の確率、普通にするとブナが生えやすい状況なのかどうかというのを見ていきますと、減少するということが予想されるということが出てきます。
最後、水産の関係でございます。
6ページ目でございますが、水産分野におきましても、やはり温暖化によりまして海水温が温かくなるということと、それに伴いまして栄養塩が減少する、それは魚のエサが減少するというようなことが影響として現れるということが懸念されております。
それをシミュレーションしたということも行われておりまして、下の図のように、魚のとれる地域というものが今よりも北の方、北東方向に移動していくということが、魚が適地として回遊してくるところ、また、魚の産卵する場所がずれる、また、時期がずれるというようなことも想定されております。
このように、農林水産業の気候変動に対する影響というものはどのようなことが考えられるのかという概略、代表的な例を挙げますと、以上のような状況になっております。
これに対しまして、いくつか既に行われている対応につきましてもご紹介させていただきたいと思います。
資料7-2の方をご覧いただきたいのですけれども、こちらに高温や豪雨等の極端な気象現象への対応ということで、一枚紙にいくつか整理させていただいておりまして、例えば、温暖化による作物への影響ということで、水稲の品質低下への対応、また、果樹・野菜の品質低下への対応が行われているという事例でございます。
また次、裏のページを見ていただきますと、左側の方が緑の国土強靭化の推進ということで、集中豪雨、降雨強度が強くなるということを最初のところで申し上げましたけれども、そのような場合には山地災害とか洪水が頻発するということも想定されますので、それに対して治山事業の推進と保安林の計画的な配置というようなことが既に行われているということでございます。
また、水産分野におきましては、やはり水温が上がってくるということで、沿岸漁業への影響ということで、水温が高い状態でも生育がいいような養殖魚の品種の開発というようなことも行われているということでございます。
以上のように、農林水産業の気候変動の影響の分析、また、既に顕在化しているような高温、暑熱対策に対する技術開発のようなものも既に行われているという紹介でございました。
さらに、関連する情報といたしまして、資料8をご覧いただきたいのですけれども、これは先ほどから何回か出てきておりますけれども、IPCC、気候変動に関する政府間パネル、こちらの情報というものが今後の気候変動への適応を考える上で1つのベースとなる情報でございます。
また、この詳細な情報は次回の小委員会に向けて精査していただきたいと思いますけれども、一番ポイントとなりましたのが今年の3月に横浜で開かれましたIPCCの第38回総会、この時のテーマが気候変動への影響・適応・脆弱性に関する報告書という形でまとめられております。
そこで、この下に農林水産関係と書いてありますけれども、観測されている影響、また将来のリスクとして食料安全保障ですとか沿岸域へのリスクとかの形で、いくつか具体的なことが言及されておりますので、そのようなことも踏まえて、我が国の適応計画を考えていく必要があるということかと思います。
あと、資料といたしましては、最後に資料9として、これは環境省を中心とした政府全体の適応計画のスケジュールを再度まとめたものでございます。
先ほどのスケジュールと重なりますので、説明は省略させていただきたいと思います。
説明は以上でございます。

武内座長
どうもありがとうございました。
それでは、これから質疑応答に移らせていただきたいと思いますので、先ほどと同様に、ご意見、ご質問のある方は、札を立てていただきたいと思います。
大きな声で言っていただきましたので、葛城委員。

葛城委員
質疑というか要望なんですけれども、林政審議会の方では時々申し上げているんですが、鹿対策についても是非項目に入れていただきたくて。
と申しますのは、鹿が増え過ぎて、日本の森のあっちでもこっちでもそっちでも猛威を奮っているということは知られていると思うんですが、その原因としても、温暖化だけではなくて、たくさんなことがあるのは承知しているんですけれども、先般、今年2月に大雪が降りましたよね。
あの時に高崎に林業関係のお仕事で行ったら、雪が降って大変だったけれども、おかげで鹿が自然淘汰されてくれて少し助かる面もあるななんて林業関係者の方がおっしゃっていました。
そのように、気候変動にもやはり密接に関係していると思われますので。
つい最近、奈良の吉野に行った時も、立派な吉野杉の森なんですけれども、林床に鹿の嫌いな草しかほとんど残っていなくて、このようなことが続くと林業に影響があるばかりではなく、生物多様性という意味でも、それから、土壌がどんどん流されていってしまうと国土強靭化という面でも影響が大きくあるかと思いますので、是非、項目の中に鹿対策というのを入れていただければなと思います。
以上です。

武内座長
ありがとうございました。
亀山委員、お願いします。

亀山委員
どうもありがとうございます。
1点だけ質問でございます。
気候変動が水産に与える影響について、本日のご説明でも、あるいは一般的にマスコミ等で報道されることを読んでおりましても、海水が温まっていくという、その温度の上昇だけについてお話しされます。
他方で、最近問題となっているのは、海水に二酸化炭素が溶け込むことによって酸化が進む傾向にあるということですね。
それによって魚介類の生育に影響を及ぼすということが言われるようになっておりますが、そちらについても何かご研究は進められているのでしょうかということを伺いたいと思います。

武内座長
ありがとうございました。
椛島委員、お願いします。

椛島委員
ありがとうございます。
資料7-1と7-2について、質問をさせていただきます。
水産物への影響の件なんですけれども、資料7-1ですと、どちらかというと回遊魚の方の影響評価の問題に触れられていて、資料7-2で今の対策として考えられている事例として、沿岸魚の対策になっているんですが、回遊魚の方が、当然乱獲の影響もあるんでしょうけれども、温暖化の影響も受けていると言われているものの、なかなかいろんな報告書を見ても、まだまだ調査を進めてみないと実際にどのくらい影響があるのかはよく分からないというような報告書が非常に多いので、この辺りの政策的な整合性とか、現在課題として捉えられている点等を教えていただければと思います。

武内座長
ありがとうございました。
藤井委員、お願いします。

藤井委員
資料5の1ページのこの図式について、ちょっと質問いたします。
この温暖化の状況の中で、農林水産省としても相当緊迫感を持ってお仕事をなさっているというふうには思っているんですが、この1ページの適応計画の検討のところで、右側のラインです、顕在化している課題等への対応のところで、取組の実践を矢印が上から下へ現場への普及というふうになっていて、国と地方の役割分担とありますが、実際にこの温暖化の中で、現場は本当に抜き差しならない中で、様々なアイデアと取組をどう適応していくかということのアイデアが現場に非常にたくさんあると思うんですね。
ですから、矢印は、むしろ現場への普及というのと双方向の矢印がないと、これだけでは緊急に、そしてどんな対策で進んでいくかというのは、だめだと思うんですね。
この矢印一方向を双方向に上げて、むしろ双方向の下からの上げのところを相当スピード感を持ってやらなければいけないんではないかというのは私の質問です。

武内座長
ありがとうございます。
山家委員、お願いします。

山家委員
先ほどの質問へのご回答に対して、ちょっとまた教えて欲しいのです。
再エネ推進法で問題になっているのは、農地法上は規制緩和で再生可能エネルギーの立地がかなりやりやすくなったと。
ところが、もう一皮むくというか、裏の方に農業振興地域制度というのがあって、それによると転用ってほとんど不可能なんじゃないかというふうに思われている。
そこについてのご見解をいただいてなかったので、教えてもらいたいなというのが1つでございます。
それから、バイオマス発電のところで、熱利用というのが考えられていますよというお話があって、全くそのとおりで、小規模でも電気だけじゃなくて熱も併せて利用すれば事業採算が結構出てくるんじゃないかという、そこはそのとおりです。
しかし、その熱利用の機会がなかなかなくて、結局、発電だけでも採算が回るようにしたいという話になってしまう。
それで発電だけで成り立つ環境整備を、というのが1つです。
おっしゃるように熱利用の機会を、ハウスを含めていろいろ展開というのがあるとは思います。
もう一つは、その熱需要がある設備に、そのままバイオマスボイラーを持っていくとう考えがありますが、一方で、複数の設備をインフラでつなぐ、住宅に熱供給するみたいな話が結構地域でいろいろ検討されております。
そうした時に、インフラコストを計算するだけでそこで思考が止まっちゃうぐらい、そこのコストが高いんですね。
そこを、最初の段階はやっぱり政策の支援が必要で、熱利用のインフラをどうやって支援していくかという議論が必要です。
ドイツはオイルショック後、バイオマスの熱供給インフラを一気に進めまして、その時、半分補助金を出しています。
それの蓄積があって、ドイツは熱インフラが今もう整備されていて、それが非常にバイオマスを使う時に支えになっているわけです。
日本も、誰かがどこかで国策的な整備するようなことをやっていかないと、バイオマス、バイオマスと唱えるだけでも、なかなか進まないんじゃないかという気がしております。
それから、輸送用バイオ燃料でお答えがあって、そのお答えをお聞きする感じでは、支援は打ち切られるのかなという印象を持ちました。
輸送用バイオ燃料の場合、原料問題が一番とか二番目に大きい話で、この原料価格が変動するリスクも、それは事業をやる人が自ら考えるべきですよと報告に出ていました。
ただ、農業の原料の問題って、農業政策とも密接に絡んでいるはずです。
バイオ燃料の普及を推進するのであれば、民間だけで考えなさいよということじゃ普及しないと思います。
やはり、例えばその補助金という視点の他にも、やはり原料をどういう政策を打っていくかという視点が必要です。
このバイオ燃料の議論が始まった頃って、多収量米の議論がありました。
今の飼料米と同じようなコンセプトだったと思います。
飼料米と同等の助成が出ていた時期があったわけで、それがだんだんなくなってきちゃって、それで実験をやっている事業所も非常に困ったというふうに私は理解しております。
その辺も含めて、輸送用バイオ燃料を諦めないで推進していって欲しいと思っています。

武内座長
ありがとうございました。
河合委員、お願いします。

河合委員
河合です。
ここで言っている気候変動の対応計画というのは、今後、非常に重要なことだと思っていて、今までは環境対策をどうするかということが主だったんですけれども、農水省としてはやはり食料の問題ですので、ここをどう対応していくかの方がよっぽど現実的でいいんじゃないかなというふうに思っています。
ですから、こちらの方の推進は、是非お願いしたいと思っています。
この時に、1つはどこを見るかというと、今ここは将来こうなるだろうという気候変動についての分析が非常になされていて、これに対してどうしていきましょうかというのは、現実には今ある農林水産の資源をそのままの状態で将来どうするかというのが技術開発とか、そういったところでは主な回答のような気がしたんですけれども、実は、これから日本の人口は大きく変わりますし、人口構成も変わってくると、お客様、要するに国民の需要というのが相当変動するんじゃないかと思います。
そこのところを見ていかないと、気候変動だけで見ていくと将来誤る結果になるので、将来の事情がどうなるか、例えば今輸入している熱帯でしかできないものが結構国内でできますよというようなことになれば、そちらの方にシフトすればいいし、その他にも変えるところがあれば、量的にそんなに増えなければ、もっともっと国内でをうまく対応して需給バランスというか、輸入のいわゆる国内国外比率をもうちょっと変えるとか、そういった目標も、将来の需要に合わせた対比で見るというのも1つの視点じゃないかなと思います。
ですから、是非その辺のところをやっていくと、今後何に投資したらいいかというのがよく分かりますし、先ほど機械の問題もあったと思いますが、私が見ていると、これはちょっと余談ですけれども、農業機械って、要するにメーカーさんは補助金が農家の方はあるので、この値段が払えるだろうといったところでお金を出すんですね。
需給バランスって、やはり事業者はこの値段じゃないと使えませんよというと、それに合わせたものを持ってきます。
ですから、そういったことでは将来の需要に合わせた形でやるというのが非常に私は重要だと思っているんですね。
そこの見極めを間違えると変動が大きいからものすごく投資をして、たくさん補助金を渡して、どうしてもできもしない、キャベツが暖かいからできないと言ったらキャベツを作るためにどうするんだということばかり考えてしまうので、それよりも現実的にお客様がどう思っているか、例えばキャベツの代替の野菜はありませんかとか、もうちょっと暖かくなった時の対応はありませんかということも1つの選択肢として考えていただけるといいんじゃないかなと思います。
将来計画を立てる時に、その辺のところもお願いしたいなと思います。

武内座長
ありがとうございました。
小倉委員、お願いします。

小倉委員
小倉です。
全く同じ意見なんですけれども、これから適応計画を推進していくということで、本当に大事なことになってくると思います。
先ほどからのお話を聞いていますと、消費者にとってみれば暗いというか、農業も水産業もだめになってしまうんじゃないのとちょっと悲観的な思いにもなってくるんですけれども、やはり今、南方の方でとれている果物がもしかしたらとれるようになってくるかもしれない、南方の方でとれている魚が上がってくるようになるかもしれないというようなところも加味した計画で、いろいろお話を進めていただくと、こういった対応がとれるなとか、私たち買う側はこういうことを考えていけばいいんだなとかというような、少し前向きに考えていけるのではないかなというふうに思います。
先ほどもありましたけれども、やはりとれないために、その高水温耐性のものとか養殖品種を変えてみたりというようなことで、お金をかけていくというようなこともあると思うんですけれども、本当に上に上がってくるような資源も私たちの中に受け入れていくというような必要性もあるのではないかなというふうに感じました。
以上です。

武内座長
ありがとうございます。
増本委員、お願いします。

増本委員
私は、2点要望があります。
1つは資料4と資料5の中で、この計画推進本部がどういったものを対象にするかという点です。
これを考えようとしますと、気候変動で対象となるのは現在顕在化している課題ですから、高温だとか、実際発生している豪雨だとか、今年初頭の関東での大雪があったことから、それらに対応していく、またそれらの現象が顕在化しているから、それらに対してどのようにどのように対処するかが大切と言いがちになります。
将来対応するべきものとして、IPCCが2011年の末に公表した、特別報告書において主張しているのは、両極端現象が将来共に発生しやすくなるということでありまして、現時点で顕在化している高温とか豪雨だけではなくて、現象としては反対側の渇水や極端な少雨といった現象や対象も忘れて欲しくないということです。
今の初めに発生した大雪が話題になっていますが、実際には少雪になっている地域も存在し、日本海側では農業用水の不足が顕在化、あるいは将来として予測されているわけで、このような反対側の極端現象も是非忘れて欲しくないということです。
加えて、気候変動や地球温暖化といいますとどうしても平均としての将来の気温上昇やそれへの対応ということになりますが、実際にはその振れ幅が大きくなる、その変化幅も大きくなると言われています。
推進本部での検討で対象となるものといいますか、対応するべきものとして、両極端現象、特に今顕在化している現象だけではなく、将来起こりそうな反対側の現象や現象の振れ幅が増えることなども入れ込んで欲しいということです。
2点目は、資料6に関連して、推進本部で検討されようとしている分野の分類についてです。
推進本部の検討で対象となるのは、環境省の大枠にのっている資料に示される表の分類になっていると思います。
そうしますと、環境省としての検討の割り当ては、農林水産省はこの1の食料に対すること、国土交通省は他の分類、例えば2の水資源とか4の自然災害に関することとなりやすく、担当も縦割りになりそうです。
しかしながら、農林水産省が施策として対象としているのは、食料だけに止まらず、重要なのは食料と水資源の接点であったり、あるいは食料と自然災害の間のところでもあると思います。
そこでは、この縦割りの分類や役割にだけ限りると、農水省の担当が食料だけになり、他の重要な視点を忘れ去られそうな気がします。
具体的な例でいいますと、食料と水資源との間にからむ農業用水はどうなるかとか、食料と自然災害の間では、単独の自然災害では河川やダムに対しては気候変動の影響や適応策はどうかとは国交省が担当として調べられますけれど、農水省が対象とすべきため池や農業用ダムや関連の災害はどうか等の視点が忘れられがちだということです。
農水省としては、特に推進本部の検討については、先ほど示しました分類間の重要なところについても忘れないで検討していただきたいということです。
以上です。

武内座長
ありがとうございました。
それでは、三石委員、お願いします。

三石委員
河合委員からの発言以降、大事なポイントが続々と出てきたと考えています。
私も、皆さんの意見と同じような感覚を持っています。
多分、将来予測というのはなかなか難しい。
不確実性が高いということはもちろん私も分かるし、皆様もご存じだと思いますが、ある程度は極端な形で想定されるシナリオみたいなものを作ってみたらどうかと思います。
例えば、気温でいえば4度、3.2度、2.1度などが示されています。
2.1度上がった場合と4度上がった場合で、日本の農業がどのような形に変化していくのか、農林水産業はどうなるのかというような、1つの極論になるかもしれませんが、コメや果樹については考えてみる必要があると思います。
これにもう1つ、河合委員が言われた人口動態の話があります。
例えば、南九州の畜産は、今後、人が減る中で今と同じ形で本当にやっていけるのかとか、北海道はどういう形の農業ができるのだろうかという点について、シミュレーションというか、シナリオみたいな形である程度作ってみるのはどうでしょうか。
そうすることにより、仮にそうした極端な事例のどちらかに振れる状況が起こった時でも、関係者にとっては一種のデジャブー(既視感)みたいな形になり、対応が可能になります。
行き当たりばったりではなく、ある程度先を見ながら布石を打っていくということが必要になり、それがまさに求められています。
また、研究開発については、自然科学的な技術開発だけではなく、もちろん実施されていると思いますが、社会学的な政策研究の方もかなり重要性が出てくると思います。
ですから、技術面で、例えば将来的なものと目の前のものとをやると同時に、政策研究面でも、今同じような環境にある世界各国でどういう政策がとられているのかということを併せて見ていく必要があります。
それを日本型の政策にうまくアレンジして導入するということが重要であり、この両者を是非ともやっていただきたいなと思います。
さらに、それを、この委員会だけではなくて、親会の方で検討している次期の食料・農業・農村基本計画の中にいかに埋め込んでいくか、そこは一緒に協力しながら是非やっていただきたいなと思います。
以上です。

武内座長
ありがとうございました。
他に。
どうぞ。

渡邊委員
今いろいろと出されてきましたけれども、特に私の方でも、水産分野ですけれども、今話題になっている極端現象、やはり水産分野でもかなり大きな影響が出てくるんだろうというふうに考えています。
昨年を思い出していただくと、昨年夏ですけれども、非常に暑くなって、その影響もあってか北海道の周辺でクロマグロがとれたりとかブリがとれたりとかということを思い出される方もいらっしゃると思いますが、一方で、今年の春にはカツオがちょっと水温が低いので北に上がってこないというようなこともあったりと、最近でも非常に振れ幅の大きな海況というのも出てきているという状況がございます。
その時に、そういった状況がありますと、例えば昨年ブリが北海道でとれたとしても、あまりそのブリを利用する機会がないところですので、なかなかその流通といった面ではそれをうまく活用できなかったとか、そういうこともございました。
カツオにしても、寒くて上がってこなくて、ちょうど春のカツオのシーズンに売れる時期に間に合わないとか、そういった形で魚に関してもいろんなタイミングがずれたりとか行くところが違ったりして、魚をとる側からすると、非常に毎年こういうことが、この極端な現象が続くことによって非常に安定しない漁況状況があるといったことも想定されるというか、そういうことも心配されるような状況も出てくるということで、そこの特に水産の分野でいいますと、その対策技術がなかなかとりにくいところがございます。
どういうことかというと、やはりどういう状況になるのかという予測、極端現象に関してもその予測をして、漁業者さんの経営の安定になるべく役立つような情報を、これから温暖化の進行に伴って、そういうところに特化したような情報というのを出していくということが非常に重要になるのかなというふうに思っているところです。
これは要望というか、ポイントとして考えていただければと思います。

武内座長
ありがとうございました。
他に。
よろしいですか。
それじゃ、事務局の方から。

水産庁研究指導課長
水産庁研究指導課長でございます。
いろいろご意見いただきましてありがとうございます。
まず、亀山委員のご質問でございまして、非常に重要かつ深刻な話でございます。
CO2が大気中に増えますと、それが海水の中に溶け込みまして海水のpHが下がるということになります。
海水、海の中に住んでいる生物の中に、貝類とかサンゴでございますが、これは炭酸カルシウムで殻を作ったりしているわけで、これはpHが下がりますと殻がうまく作れないということが予測されております。
この件について、今日ご出席されている渡邊委員のところでございますけれども、水産総合研究センターの方でpHを下げた海水の中で貝を卵からふ化、生育させて、その貝殻の形成状態、これを検討したりしております。
これについては環境省の方とも連携をとって進めておりまして、これは分かったらどうするかというような問題がございますけれども、まずどういう阻害現象ができるかということを調べているところでございます。
それから、椛島委員からご質問のございました回遊魚の話、確かに図が分かりにくくて本当に申し訳ないと思っております。
水産の中でも、大きく分けますと天然の魚をとる漁業と、それから農業に近い養殖業がございまして、養殖業につきましては、農業に比較して予測しやすい面がございますが、天然の魚といいますのは、気温が上がったところで水温というのが海流の関係もありますので、単純には考えられにくいところでございます。
この図では単純化してシミュレートしたものでありまして、こういうものが考えられるということを示しておりますけれども、委員ご指摘のように、なかなか明確には分かりづらい点がございます。
ただ、この他、先ほど申し上げました養殖業につきましては、このところホタテ貝が夏の高水温でへい死をしたりする例が出ております。
また、養殖をしていますと赤潮が発生をしましたり、貝については貝毒プランクトンが発生すると出荷ができないという問題があります。
それから、海苔を養殖しますと、水温が高くなりますと生理障害、また栄養障害によっての色落ちとかありまして、こういう問題もございます。
ということがたくさんありまして、実は、先ほど増本委員からのご指摘もありましたように、食料というジャンルだけではなくて、いろんな生態系の中で水産に与える影響というものがたくさんありまして、それについてもしっかり検討して盛り込んでいきたいと思っております。
なかなか予測できない海の中のことでありますので、水産庁はいろんな部署を結集させまして、問題について探っていきたいと考えております。
以上でございます。

林野庁森林利用課長
林野庁でございますけれども、森林の場合はすぐに例えば魚が、移動したりとかいうのがないので、森林そのものへの影響というのはなかなかすぐには見えにくいわけですけれども、生態系に与える影響というのは、やはり出てきているなというところでございます。
まず、葛城委員ご指摘の鹿なんですけれども、まさにおっしゃるとおり、冬、どのくらい小鹿が生き延びるかというところが非常に大きくて、やはり雪がなくなると非常にその生存率が高まってしまって、これまでにないような形で増えてしまうという懸念があるのではと私どもも認識してございます。
これについて、気候変動対策ということから若干外れますが、対策としまして、やはりきちんと数を管理すると。
その猟の仕方もシャープシューティングとか、餌付けをしながら撃っていくとか、いろいろ工夫はしているんですけれども、なかなか猟師さんが高齢化、あるいは少なくなっているということで難しいところがございます。
これにつきましても、ご意見いただきましたので、適応の範囲の中で考えていきたいなと思います。
それから、最初に小倉委員から指摘いただきました治山でございますが、先ほど資料の方でご説明しましたように、緑の国土強靭化の推進ということで対応していきたいと考えてございます。
それから、山家委員の方から熱源のことについていろいろお話しいただきました。
森林の木質バイオマスにつきましても、今、森林への残置、残材が2,000万立米ほどあると。
間伐した後、なかなかそのコストの話もあって、出していけないんですが、こういったものをなるべく利用する、それから、こういった利用を山地、山村振興といった枠組みでどのように活用していけるかということも考えていきたいと存じます。
それから、加えて、お話を伺ってちょっと思ったんですけれども、適応をやはり、今まさにボンで交渉をやっているわけですけれども、交渉のうちではどうしても途上国の問題というふうなイメージになってしまうんですね。
その脆弱性で言えば途上国の方が高いのかもしれませんけれども、実際、日本でも起こっていますし、特に土地利用セクターであります農林水産業は一番大きく影響を受けるのかなと思いますので、その辺は多分、農林水産省の方からいろいろ発信していくことが大切なのかなと思った次第でございます。
以上です。

食料産業局バイオマス事業推進室長
バイオマス循環資源課でございます。
山家委員の先ほどの熱利用の話でございますけれども、先ほどに加えまして少し説明を詳しくさせていただきますと、平成25年度よりバイオマスの利用を進めております7府省が連携し、共同でバイオマス産業都市の構築を今、進めようとしてございます。
これはといいますのは、地域にございますバイオマスをうまく活用して産業を興し、これによって地域を活性化するとともに、地域循環型エネルギーを強化するという取組をやろうじゃないかということで始めたわけでございます。
この中で、特に先ほどご指摘がありましたように、今、固定買取制度ができまして、地域の資源を使った家畜排せつ物、先ほどありました木質を含めまして、バイオマス発電に取り組むという構想は増えております。
地域のそういうエネルギー関係の材料を確保にしましても、やはり地域として産業興しでございますので、原料の生産、調達から収集、運搬、製造利用と、それからあと販売と、経済性がきちんと確保されるということが重要ではないかということがございまして、構想において、その点を専門家の委員の皆さんで評価させていただいた上で選定してございます。
その中で、先ほど言いましたいろんな取組の提案がございますが、その中で熱利用をしながらちゃんとコスト削減がうまくいくのかと、そういうものも検討しまして、その中でやはり出ましたのは、発電の熱を利用しましてハウスの熱利用に還元するとか、そういうのが出ております。
その中で、経産省さんでコジェネ等に関する取組とか検討を進めているわけでございますけれども、我々としても農業の中でもうまく活用できないかと思っております。
そういう中で、やはりドイツのように集落全体が周辺にありまして、熱を供給してもそんなにコストがかからないと、あと、熱還元がうまくいくというところとは限りませんので、その地域の特性を踏まえながら検討させていただければと思います。
今のところは、やはり熱がうまく供給でき、あまり減少しないような、近くのところにハウスを設けるような取組が多いのではないかと思っています。
今、いろいろな取組も出ておりますので、そういう情報をまた皆さんの方に提供しまして、うまくそういうふうにコスト的にも間に合うような構想ができれば、いろいろご支援していきたいと思っております。

農村振興局農村環境対策室長
農村振興局でございます。
増本委員から、農業の用排水路や溜池、排水機場等の農業生産基盤に対する気候変動の影響評価や適応策の検討を忘れないでしっかりやれというご意見がございました。
ご意見、もっともでございまして、私どもとしましても関係の先生のご協力をいただきつつ、しっかりと対応して参りたいと考えております。
それから、山家委員から再生エネルギーの関係で、農地を太陽光発電施設の用地として転用することが容易にできるのかどうか、転用するとすれば農地法上どういう条件が必要となるのかといった趣旨のご質問があったかと思います。
本日、申し訳ありません、資料を持ち合わせておりませんので、担当課に確認しまして、次回、小委員会の場でご回答させていただきたいと思います。

食料産業局バイオマス事業推進室長
バイオエタノールの関係でございますけれども、こちらは先ほど説明がありましたように、今、委員会の方で提言されました内容等も踏まえまして、3事業をやっております事業所の方々のいろんな課題について、どのように取り組めるのかを今いろいろと相談して取組の検討をしてございます。
これにつきましても6月中に方向が出せればと思っているところでございます。
ただ、この取組によりまして、てん菜とか多収米、それから規格外小麦を使ってバイオエタノールを作れるという技術は、ある程度実証できたのではないかと思っております。

環境政策課長
最後に、山家委員のところ、少し補足しますと、熱のインフラの関係なんですけれども、今、自民党の分散型エネルギー会議というところで、いろんな省庁一緒になってやっておりまして、熱導管の関係は、管自体は安いものでそんなに大したことないんですけれども、どこを掘ってつなげるかということがいろいろ問題になるということで、そこでコストが違うということで、そこをどう支援するか、総務省も含めて国交省と今、議論をしております。
下川町辺りはまだ数百メートルの範囲の中だけで、北海道の場合はですね。
ですから、大した距離じゃないところで集まって、その温かいところにみんな寄せる、人を寄せるというような施策をとっているような感じはしますけれども、今おっしゃったドイツ型のようなものはどういうふうにできるかというのは、今、議論している最中です。
それから、藤井委員からいただきました双方向のところは、そういうふうに、今でも現地のレポートを、適応策のレポートとかいろんなものを集めておりますので、それも含めてうまく活用できるように双方向でやるような形でやりたいと思っております。
あとは、河合委員の現場の需要の方のを含めてと、今の気候変動のシナリオ自体がいろんなことも人口動態も含めておりますので、その辺りの分析もしながら、そこも前提に、あとどういうことを加えて考えていかなきゃいけないかというのを、これからやっていきたいと思っております。
小倉委員、増本委員、それから三石委員のご意見、承ってやりたいと思います。
以上です。

生産振興審議官
若干の補足をさせていただきます。
まず、その技術予測だとか技術開発だけじゃなくて、要するにいろんなシナリオを考え、それから人口動態のいろんなことを考えてやっていかなくちゃいけないと。
まさにおっしゃるとおりで、それは一番最初にご紹介した政務官をトップとする本部を開いた時も政務官から同様のご指摘をいただいておりまして、一方でいろんな将来の、要するに食料の需給のことにつきましては、ちょうど今年が食料・農業・農村基本法に基づきます基本計画の今、要するに5年で書き直すというものの策定作業に入っておりまして、今までのやつで総見直しをしている作業をしているところでございますし、別途、審議会でもご検討いただいているところでございまして、それに合わせた形でこちらも作業していかなくちゃいけないのは、おっしゃるとおりでございます。
それから、政策研究につきましても、今までと同じものでいいわけないじゃないかと。
確かにそのとおりなんですけれども、なかなかこの、要するに将来の制度というんですか、何十年か先のために今手を打つというのは相当な、どの程度のことができるかというのは非常に財政も厳しい中で、ご想像のとおりなんですけれども、ただ、要するに目の前のことだけでいろんなことをしてしまうのは確かにそのとおりで、いけないということはご指摘だと思いますので、これはきちんとその時その時の知見をフルに動員するという形で取り組んでいくということかと存じております。
それから、バイオ燃料につきましても、いろいろ山家委員からございましたけれども、私も実はその担当をずっとしていたこともありまして、なかなかいろんなことがあってうまくいかないんで、じくじたる思いもありますし、いろんな方にご迷惑もおかけしてきちゃったかなと思っておりますけれども、何も全てこういった取組についてもうだめだとかというんではなくて、要するにいろんなことを考えていかなくちゃいけない時期には来ているよということだと思います。
一方で、世界中ででもバイオ燃料、あるいは再生可能エネルギーの利用といったことについて、全部市場原理に任せてうまくいっているというところは、現在ほとんどないわけで、なので、そんなところでどういった点で公的関与ができる、あるいは必要なのかといったことにつきまして、こういった情勢の中できちっと絞っていくということが今後重要なんだろうというふうに考えておりますし、そこは先ほど原局からお答え申し上げたとおりかというふうに存じております。
いろいろありがとうございます。
今日はキックオフでございますので、いろいろございます。
資料の準備も若干あれでございますけれども、結構目前に迫っていることもあり、あるいは既にひどいことになっちゃっていることもありということはお分かりいただけたと思いますので、今後またいろんな角度からご指摘をいただければと思います。
ありがとうございます。

武内座長
それでは、まだこれから別途、委員会でご議論いただけますので、今日のところはこの辺りで議論終了ということにさせていただきたいと思います。
どうもありがとうございました。
それでは、今後の地球環境小委員会のスケジュールについて、事務局より説明をお願いいたします。

地球環境対策室長
スケジュールにつきましては、資料10をご覧いただきたいと思います。
先ほど、適応の検討のスケジュールの中にも少し言及してしまいましたけれども、ここにございますように、次回、第18回の地球環境小委員会の合同会議につきましては、7月16日の水曜日15時からということで予定をさせていただいております。
既に日程等、調整に入らせていただいているかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
その次につきましては、まだ未定でございますけれども、来年3月頃ということを予定しておりますが、その間で、検討の状況によりまして、またご相談をさせていただくこともあるかと思います。
以上でございます。

武内座長
どうもありがとうございました。
それでは、これで議論を終了させていただきたいと思います。
じゃ、事務局の方から何かございましたらどうぞ。

環境政策課長
本日はどうもありがとうございました。
貴重なご意見をいただきました。
これで京都議定書の目達計画の点検結果につきましては、本合同会議による点検がなされたということで、内閣官房へ報告させていただきます。
適応計画の策定に向けては、合同会議の場で今後、皆様のご意見を賜りたいと思います。
よろしくお願いいたします。
今日はどうもありがとうございました。
これにて閉会をいたします。

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