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農林水産省

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地球環境小委員会 合同会議 第33回 議事録

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午後  1時30分  開会

  • みどりの食料システム戦略グループ長
    それでは、定刻になりましたので、ただいまから、食料・農業・農村政策審議会企画部会地球環境小委員会、林政審議会施策部会地球環境小委員会、水産政策審議会企画部会地球環境小委員会、第33回合同会議を開催いたします。
    本日司会を務めます、大臣官房みどりの食料システム戦略グループ長の久保と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
    委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、どうもありがとうございます。
    本年7月に委員の改選がございまして、経団連の椋田専門委員が退任され、同じく経団連の岩村専門委員が新たに任命されましたので、御紹介申し上げます。
    なお、本日、食農審の岩村委員、釣流委員、吉高委員、そして水政審の木村委員、山下委員におかれましては、所用により御欠席との連絡を受けております。また、食農審の宮島委員、橋本委員におかれましては、所用により遅れてオンラインで御参加との連絡を受けております。
    オンラインで御出席の委員の方々におかれましては、途中で回線やシステムなどに不具合が生じ、音声が聞こえないなどがございましたら、チャット機能を用いてお知らせください。
    本日の会議は公開とさせていただきます。ただし、カメラ撮りにつきましては冒頭挨拶までとさせていただきます。
    また、議事録につきましては、委員の皆様に御確認いただきました後、農林水産省のウェブサイト上で公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。
    それでは、開会に当たりまして、宮崎大臣政務官から御挨拶を頂きます。宮崎政務官、よろしくお願いいたします。
  • 宮崎大臣政務官
    先生方、こんにちは。御紹介を頂きました大臣政務官を務めております宮崎雅夫でございます。
    本日は大変お忙しい中、委員の先生方には御出席を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。また、日頃より農林水産政策の推進に御理解・御協力を賜り、感謝を申し上げます。
    会議の開催に当たり、一言御挨拶を申し上げます。
    食料・農林水産業は、地球温暖化による気候変動、大規模自然災害の増加や農山漁村の地域コミュニティの衰退など、様々な課題に直面をしております。このため、農林水産省におきまして、昨年5月にみどりの食料システム戦略を策定いたしまして、その実現に向けた新たな法律として、みどりの食料システム法が先の通常国会で全会一致で可決をされまして、この7月1日から施行されたところでございます。
    また、私、今週、マレーシアとカンボジアを訪問させていただきまして、このみどりの食料システム戦略に基づき、アジアモンスーン地域における持続可能な食料システムの構築に向けての協力を要請してまいりまして、今朝帰国したばかりでございます。
    本日の会議で御議論いただきます基本方針につきましては、環境に優しい事業への転換を図る方々に、取り組むべき活動内容に関する基本的な考え方をお示しするものでございます。
    また、基本方針の策定は、法律に基づき、税制等の支援措置を現場にお届けするために必要な手続でございまして、本日の御議論を踏まえて、速やかに作成をしたいと考えているところでございます。
    農林水産省といたしましては、今後とも現場の皆様と丁寧な対話を重ねながら、みどり戦略を推進することにより、環境負荷の低減でございますとか、将来にわたる食料の安定供給に貢献をしてまいりたいと考えているところでございます。
    委員の皆様におかれましては幅広い御意見を賜りますようお願いを申し上げまして、開会の御挨拶とさせていただきます。
    改めまして、本日は大変お忙しいところ、御出席を頂きましてありがとうございます。
  • みどりの食料システム戦略グループ長
    宮崎政務官、どうもありがとうございました。
    それでは、カメラ撮りの皆様は御退出ください。
    なお、宮崎大臣政務官におかれましては、公務のため、途中で御退席される予定となってございます。
    それでは、まず初めに、資料について確認をさせていただきます。
    本審議会では、基本的にペーパーレスを推奨しておるところでございますけれども、本日、タブレット台数に限りがありまして、ほかの会議との重複がございましたため、本日は紙での資料配布とさせていただきたく、御承知おき、よろしくお願いいたします。
    それでは、資料の確認をさせていただきます。
    まず、議事次第がございます。
    そして、委員名簿でございます。
    そして資料1。右上の資料番号、資料1となっております「諮問」というものでございます。
    そして資料2、「食料・農業・農村政策審議会企画部会における地球環境小委員会の設置について」というペーパーでございます。
    それから、資料3が横置きの「みどりの食料システム戦略の実現に向けて」という資料になってございます。こちら、本日のメイン資料になります。
    それから、資料4-1「環境負荷低減事業活動の促進及びその基盤の確立に関する基本的な方針(案)」、そして、4-2、環境負荷低減事業活動の促進及びその基盤の確立に関する基本的な方針(案)の概要という縦置きのものでございます。
    それから、参考資料の1が「「みどりの食料システム戦略」KPI2030年目標の設定について」という緑の帯が付いている資料でございます。
    それから、参考資料2でございますけれども、縦置きの「環境と調和のとれた食料システム確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律施行規則」(概要)というものでございます。
    最後に、右上「参考」と書いておりますけれども、「農林水産省生物多様性戦略改定に向けたこれまでの議論の整理」というものでございます。
    以上でございます。
    資料説明の際は画面上で資料共有をさせていただきます。
    資料について、会場参加の委員の皆様、お手元よろしかったでしょうか。
    ありがとうございます。
    それでは、以降の議事進行につきましては大橋座長からお願いいたします。それでは、大橋座長、よろしくお願いいたします。
  • 大橋座長
    皆さん、改めまして、こんにちは。大変お忙しいところ、本日は御参集いただきましてありがとうございます。また、ウェブの皆さんも御参集いただきありがとうございます。
    本日、長時間、お時間を頂戴していますけれども、闊達に意見交換できればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
    それでは、議事次第に沿って進めてまいります。
    議事に関してですが、本日は実質的には一つ、議事の1「環境負荷低減事業活動の促進及びその基盤の確立に関する基本的な方針(案)について」ということで、御議論いただきたいと思います。こちらについては、資料1のとおり、農林水産大臣から食料・農業・農村政策審議会に諮問があったところでございます。
    この基本方針に関する事項は、食料・農業・農村政策審議会企画部会の所掌ですが、7月21日に持ち回り開催された企画部会において、これは資料2になりますが、地球環境小委員会の所掌事務として、基本方針に関する事項の調査審議が追加されたということでございます。
    この基本方針について、事務局からまず御説明いただいた後、討議を行う形にできればと思います。
    それでは、まず、事務局から御説明の方をお願いできればと思います。
  • 環境バイオマス政策課長
    大臣官房環境バイオマス政策課長の清水と申します。私の方から御説明申し上げます。
    本日御議論いただく基本方針案につきましては、本文は資料4-1にございます。適宜これも御参照いただきながら、説明の方は資料3の「みどりの食料システム戦略の実現に向けて」、みどりの食料システム法に基づく基本方針の策定という、この資料3に沿って御説明申し上げます。
    それでは、資料をお開きいただきまして、まず、2ページから御覧ください。
    まず、みどり戦略の背景から、改めまして簡単に御説明申し上げます。
    2ページは、地球温暖化による気候変動、災害の増加ということで、年平均気温も上昇、そして、大雨が降る回数も増えてきているということで、水稲やリンゴでそれぞれ品質低下等の影響も出ている。あるいは、災害の被害も激甚なものが出てきている。こうしたものに対応していく必要が出てきているということでございます。
    次の3ページは、こちらは温室効果ガスの排出削減についてでございます。これは世界全体と日本のそれぞれについて、農林水産分野からのGHGの排出実績についてまとめてございます。
    下の左側の円グラフ見ていただくと、世界を見ますと農林業由来のGHG排出量は全体の23%で、かなりの量、約4分の1を占めているということでございます。
    日本の場合は、総排出量に占める割合は、この真ん中に赤枠で囲っております4.4%ということではございますけれども、その右側にあるとおり、燃料の燃焼を始めといたしまして、水田からのメタンの排出、さらに、家畜からのメタンの排出等も含めてGHG排出は、一定の量がございますので、こうしたものも今後、パリ協定あるいは2050年カーボンニュートラルの関係からいきますと、しっかり削減をしていく必要があるということでございます。
    次の4ページを御覧ください。主要国の環境政策でございます。
    欧米では、食料・農林水産業と持続可能性、これを重視する動きが、相次いで出てきております。
    EUでは「Farm to Fork戦略」ということで、持続可能な食料システムへのアプローチを、化学農薬の50%削減等々の目標を掲げて取り組んでいくといった形で示しております。
    右側のアメリカも、バイデン大統領が、農業の分野でネット・ゼロ・エミッションを達成するといったことを打ち出して、欧米でも取組が活発化しているということでございます。
    そうした中で、5ページでは、昨年、国連食料システムサミットやCOP26がございまして、SDGsの達成等々、その場でそれぞれ総理が我が国の取組も、このみどりの食料システム戦略についてもしっかり発信をして、我が国もアジアモンスーン地域を中心にこうした動きにしっかりコミットしていくということをお示ししているところでございます。
    次の6ページを御覧ください。こちらは、食料生産を支える肥料原料についてでございます。
    窒素、リン、カリとありますけれども、それぞれ原料をほぼ全量輸入に頼っているということでありまして、御案内のとおり、現在、こうした肥料原料の需給も逼迫し、価格も高騰し、リスクが顕在化してきているということでございます。裏返せば、効率的な農業生産に必要な肥料でありますが、これをできるだけ、地球の資源も使っていますので、使用を低減していくということが持続可能性につながるということでございます。
    そうした中で、次の7ページですが、みどりの食料システム戦略を昨年5月に策定いたしました。詳しい説明は省略いたしますが、真ん中にございますとおり、2050年までに目指す姿としてKPIを設定いたしまして、その上にあるとおり、こうした課題をイノベーションで解決していくことによって、持続性と生産力の向上を両立させていこうという戦略でございます。これを実際に2050年に向けて取り組むための法律を今回策定したわけでございます。
    次の8ページは戦略の進め方ということで、それぞれKPIごとに新技術と既存技術を組み合わせて、2050年に向けて目標達成に取り組んでいくということでございます。
    また、9ページのみどり戦略に関する政府方針といたしまして、今年6月に策定されました、いわゆる骨太の方針、あるいは新しい資本主義の実行計画、こうしたものにもみどりの食料システム戦略、みどりの食料システム法というのをしっかり位置付けさせていただき、政府としてしっかり取り組んでいくという方向性が示されたところでございます。
    次の10ページに、みどりの食料システム法のポイントをまとめております。
    これは、先の通常国会に提出いたしまして成立し、去る7月1日に施行されております。こちらに、そのみどりの食料システム法のポイントをまとめてございます。
    上半分は、緑色の部分、基本理念等、正にこのみどりの食料システム戦略の考え方を法定化したものでございます。
    その下半分が、生産者等の取組を税制や金融で支援する枠組みの部分でございます。今日御議論いただく基本方針を基に都道府県・市町村に基本計画を作ってもらい、それに基づいて生産者や事業者を認定していく仕組みでございます。詳細はまた後ほど御説明いたします。これについて、支援措置として資金繰りの支援、あるいは税制措置、投資促進税制と、そして、もちろん予算措置もしっかりして支援をしていくという枠組みになっております。
    次の11ページは基本方針の関係法令ということで、食料・農業・農村政策審議会の意見を聴くということで、この基本方針も法律上位置付けられております。これに基づきまして、本日は御議論いただくところでございます。
    次の12ページに基本方針の概要をまとめてございます。第1から第6までございます。
    第1には、まず、今回の意義・目標をまとめてございます。先ほど、みどり戦略には2050年のKPIがあるとご説明いたしました。この基本方針には、まず当面、こう進めていく、2030年あるいは2024年というのもございますけれども、当面の目標を具体的に定めております。例えば、化学農薬や化学肥料の低減等、環境負荷の低減に取り組むモデル地区を、正にこの法律をばねにして50地区出していくこととしています。あるいは、化学農薬・化学肥料等についても2030年のKPIをそれぞれ10%・20%低減としており、こうしたものを改めて基本方針に位置付けているところでございます。
    こうした目標に基づきまして、第2、第3では、環境負荷低減事業活動、これが農林漁業の生産者によります環境負荷の低減に向けた取組・活動を認定する制度でございます。こちらにつきましては、あくまで個々の生産者の積極的な取組を広く認めていくという観点から、ハードルは余り高くせず、環境負荷低減のために経済的な合理性を有している等、一定の要件を満たせばこの対象にしていくということをまとめております。
    第3の特定区域は、個々の活動ではなく地域のモデル的な取組ということで、一定のまとまりを持ってこの環境負荷低減に取り組んでいただく活動の区域を設定していただいて、この活動を認定していけば更に許認可の特例等を、より充実した特例措置が適用されるというものになっております。その考え方も、一定のまとまり等をこういう形で示しております。
    一方で、右側の第4が地方公共団体による基本計画で、後ほどまた次のページで御説明いたしますが、都道府県・市町村が連名で基本計画を作成していただくことにしています。この基本方針の中に基本計画で定めるべき事項等もしっかり定めて、都道府県・市町村にお示しをして、これから円滑に作っていただくということで、これもできるだけ簡易な手続でできるように、点線の枠内の二つ目にあるように、基本的に都道府県の名前で全ての市町村と連名ということで、基本は県1本の計画作成ということであります。次のポツにあるとおり、県の有機農業等、既存の計画といったもので既に方向が出ているようでしたら、それをそのまま活用していただくということも可能にして、簡易に基本計画を策定いただけるように留意した内容となっております。
    第5は基盤確立事業でありまして、これは、機械・資材メーカー等、農林漁業者以外の事業者が新しい技術・知見を活用して、農林漁業者のために技術の開発・実証等を行う場合に認定する事業でございます。こちらも、広く環境負荷軽減に寄与するもの、そして先進性等を有するものということで、基本的な要件を定めたものでございます。
    基本方針自体はこういった内容となっております。
    いかに認定制度を動かしていくかということですが、次の13ページを御覧いただきたいのですけれども、仕組みといたしましては、今御説明した基本方針で全体の認定制度の運用をお示しし、これに従いまして都道府県・市町村に先ほど申し上げました基本計画をできるだけ早く作成していただく。これができますと、農林漁業者の方がこの活動の計画の申請ができるようになりますので、これを認定することによりまして、この法律のメリットである投資促進税制あるいは金融の特例といったものが適用されていくことになっております。
    右ですが、機械・資材メーカー等の事業者の認定につきましては、これは国が直接行うことになっております。その環境負荷低減も、例えば有機農業等に有効な機械・資材等を開発していただいて、この認定により国が登録していく、国がこうした機械・資材使えますよというのを農林漁業者にお示しをして、これを活用していただくというような全体の仕組みになっております。
    次の14ページにスケジュールをお示ししております。先ほど申しましたとおり、7月1日にこの法律が施行されております。そして、この審議会へ諮問させていただきまして、御議論いただいた後に、8月には答申を頂き、そして、9月にこの基本方針公表していくということで、実際に動き始めるプロセスに入っていくことを想定しております。
    なお、本方針につきましては、8月9日までの日程で、パブリック・コメントにも並行して掛けさせていただいているところでございます。こうしたプロセスを踏んで、しっかり皆さんの御意見も踏まえた、いい基本方針を公表できるようにしてまいりたいと考えております。
    以上が大枠でございますけれども、15ページ以下に、この認定制度について、ややかみ砕いた内容をお示ししています。先ほどから御説明していますとおり、いかに税制等のメリット措置を現場にお届けするかという視点で、こうした資料を準備して、来週以降、農業者あるいは都道府県・市町村にもしっかり説明して、周知徹底をしていきたいと思っております。
    16ページは、この環境負荷低減事業活動とはということで、これが生産者サイドの環境負荷低減の活動についてまとめております。
    この(2)を御覧いただきたいと思いますけれども、パターンは大きく三つほどありまして、いわゆる有機農業等を含む土づくり、化学肥料・化学農薬の使用低減、こういう環境に優しい農業の活動です。二つ目は温室効果ガスの排出削減に寄与する、例えばヒートポンプ等の省エネ設備の導入、あるいはメタンの低減のための中干しの延長等の取組、そうしたものが広く対象になってまいります。また、それ以外にも、3として、告示案がパブリック・コメント中ですが、水耕栽培、バイオ炭の農地施用といったような様々な事業活動もこの対象にして、広く支援できるようにしてまいりたいということであります。
    次の17ページに認定スキームがございます。これは先ほども申し上げましたとおり、この活動の計画の申請・認定は都道府県との間でやっていただくということになっています。この認定を受けた場合に、右側にございますとおり、農林漁業者向けに課税の特例、あるいは様々な資金の特例が用意されているということでございます。
    次の18ページ、御覧ください。特定環境負荷低減事業活動ということで、こちら、先ほど御紹介した特定区域で地域の関係者が一体となって、まとまりを持ったモデル的な取組を推進するものでございます。こちらは、先ほど申しましたとおり、地域ぐるみの、基本的に2戸以上の相当程度の事業規模で取組を頂くということで、有機農業の団地化等、効果の高いモデル的な取組を認定するものでございます。
    次の19ページを御覧いただきますと、この認定スキームも都道府県の認定となっておりまして、右側の支援措置、基本的には税制・金融に加えまして、農地法等、ワンストップ化の特例等も適用される形になっております。
    次の20ページには、農林漁業者の皆さんの立場から見ていただけるように、どういう支援があるかというのを改めてまとめております。
    土づくり、農薬・肥料の低減であれば、このマニュアスプレッタですとか高能率除草機、こうしたものを導入する場合の税負担の軽減、公庫資金の特例といったような措置がございますし、温室効果ガスの排出量削減ということで、ヒートポンプですとか堆肥、堆肥舎も含めてになりますけれども、堆肥の自動攪拌装置等を導入される場合にも同様に措置が講じられるということでお示ししております。
    当然、その下の方に、併せて交付金等の予算措置も活用可能ということで、こうした措置を、この認定を受けた皆さんにはできるだけ早くお届けしたいということでございます。
    また、21ページの有機農業の協定は、ここまで説明が出てきませんでしたけれども、このみどりの食料システム法に設けられたものでございます。有機農業をやる場合に、農薬の飛散防止あるいは病害虫の問題がございますので、有機農業者と慣行栽培される農業者の間で協定を結びまして、いろいろ緩衝地帯を設けたりすることによって、円滑に有機農業を広げていけるようにするための協定でございます。この協定は、市町村長の認可を受ければ、例えば、慣行農業者が、所有者が代わったとしてもこの協定は引き続き生きていくといったことや、農用地区域に編入をして農地整備等、そうした支援が受けやすくするといったようなメリットもございます。この協定も活用して、有機農業の取組促進という形で考えているところでございます。
    次の22ページを御覧ください。こちらは基盤確立事業実施計画ということで、機械・資材メーカー等向けの認定制度でございます。こちらは国の認定でございまして、右側にあるように、こちらも法律の特例あるいは課税の特例等設けられているところでございます。
    次の23ページは、この支援措置の観点からまとめております。みどり投資促進税制につきましては、この資材メーカーが化学農薬・化学肥料の低減に資する施設整備の導入をする際に適用されることになっています。ほかは基本的に金融措置という形になっております。
    次の24ページからは、基本計画の円滑な策定についてもまとめております。
    先ほど御説明しましたとおり、24ページのとおり、基本は都道府県の主導で、全市町村の連名で作成、公表していただくということで、県内全域に県庁の主導で作っていただきたいというのが基本でございます。もちろん、右にあるとおり、意欲ある市町村が主導する形でも計画策定できるようになってございます。
    25ページは計画の記載項目でありますので、詳細は省略いたします。先ほど基本方針でお示ししたような事項を、できるだけハードルを低く、実態に合わせて策定いただけるようにしております。
    次の26ページを御覧ください。こちらは基本計画の作成イメージですけれども、既存計画を活用した場合ということで、もちろん全く新しく計画策定いただいても結構なのですけれども、各県、既存の計画、有機農業や持続農業法の計画等、いろいろございますので、そうしたものを引っ張っていただく形で、基本計画自体はこういう簡易な文書で、後ろに関連する計画をくっつけていただく方式でも策定できますということでお示しをしているところです。
    以下、27ページは公庫資金の特例措置の内容、そして、28ページはみどり投資促進税制の内容ということであります。
    税制は特別償却ですので、初年度にまとめて特別償却をして、初年度の法人税・所得税の負担が軽減するということで、設備投資の当初の負担を軽減する効果がございます。その辺を29ページにもお示しをしているところです。
    30ページは課税の特例措置でございます。しっかり対象となるように、こうした資料も準備しております。例えば一番下にあるとおり、ケース2、ケース3のように、この実施計画の法律の計画認定を受ける前に取得をしてしまったり、あるいは、税制の期限が5年度末、6年3月31日までとなっておりますので、それを過ぎた後に取得してしまいますと税制適用されませんので、こうしたスケジュールもしっかり示しながら現場への説明、取り組んでいきたいと考えております。
    以上が、現場向けの説明あるいは詳細なメリットの考え方でございます。
    34ページ以下は、国サイドで今取り組んでおります取組を紹介させていただいております。
    34ページには国が講ずべき施策全体を書いております。今の法律に基づく措置は基本的にメーカーや現場の生産者の取組ですけれども、みどり戦略を進めていくに当たりましては、ここにあるとおり、技術開発等から、あるいは消費者、流通、加工、そうした関係者一体となって進める必要がございます。こうした理解の増進、あるいは消費の促進、流通の合理化等も含めて、農水省としては、国としては、しっかり取り組んでいくということをお示ししております。
    35ページは、予算についてです。こちらも農水省を挙げて必要な予算を確保して、こうした現場の取組を支援していくということで挙げております。
    次の36ページは、既に法律によらず始めている取組を御紹介しております。
    まずは、36ページにあります「より持続性の高い農法への転換に向けて」ということで、各産地で栽培暦が定められておりますが、この見直しをお願いしております。肥料や農薬を過剰に使用することになっていないか等、先端技術の活用等も含めて、少しでも環境に優しい農業が展開されるように、既に見直し作業をやっていただいているところでございます。
    そういう中で、37ページには水稲の持続的な農業生産の技術体系などもお示ししつつ、こうした取組も進めております。
    38ページ、39ページは総合防除についてで、農薬の使用量低減に向けた、農薬にのみ依存しない総合防除、ジャンボタニシの対策等、お示しをしております。
    39ページには技術カタログということで、今使える既存の技術を分かりやすくお示しをして、取り組めるところから取り組んでいただくというような、こういう対応も既に始めているところでございます。
    あと、40ページも御紹介しておきたいと思います。脱炭素の見える化でございます。
    生産現場で環境負荷低減の取組、有機を始めとして取り組んでいただいて、これをいかに消費者あるいは流通・小売の段階でも評価をしていただいて、適正な価格で買っていただくということも非常に重要であります。
    こうした観点から、この環境負荷軽減効果の見える化ということで簡易算定シートも作って、これはお米とトマトとキュウリについて既にできておりますけれども、どの程度CO2を削減できているかというものを計算できるようにして、これを一つ星、二星、三つ星とかございますけれども、これを商品にも表示していくというようなことで、今実証もやっているところでございます。
    以下、あふの環等、関係する取組も御紹介させていただいておりますが、これはそれぞれ御覧いただければと思います。
    最後に、45ページ以降、既に芽吹き始めている地域の事例もお示ししております。
    45ページは、例えば大崎市の有機農業で、こちらは、アイガモロボットというスマート技術を導入した新しい取組を検討されている事例もございます。
    そのほかにも、有機農業も導入しながら地域の実情に合った取組の検討が始まっております。こうした取組も我々としても広く把握して発信をしながら、そして、この法律のスキームにうまく乗っていただいて、みどり戦略のまず第一歩の部分の取組をしっかり進めてまいりたいと考えているところでございます。
    私の方からの説明は以上でございます。
  • 大橋座長
    ありがとうございました。
    この度、みどりの食料システム法が制定されて、これを今後前に進めるに当たって基本的な方針を決める必要があるということで、今回この会議では、その基本方針を皆さんに御議論いただいて、よりよいものにしようというのがこの会議の今日の目的だと思います。そうしたこと念頭に置いて、幅広い御議論、御意見をいただければと思います。
    それでは、御意見、御質問ある場合は、会場の方は、札を立てるということをしていただくと気付きやすいと思います。もう一つ、オンラインの御出席の方は、挙手ボタン又はチャット機能でお知らせいただければ指名をさせていただきたいと思います。ちょっと順番前後してしまうかもしれませんが、そこは御容赦いただいて、気付いた範囲で、その順番でお願いしたいと思います。
    もし途中で御退室される方がいらっしゃいましたら、その旨教えていただければ、順番に関わらず御発言いただくというようにさせていただければと思います。
    ということで、どなた様からでも御意見いただければと思います。最初は数名まとめさせていただいて、あとは事務局から御質問、御意見等について御回答させていただくような形で進められればと思っています。それでは、いかがでしょうか、皆様方。
    では、ありがとうございます。夫馬委員、お願いします。
  • 夫馬委員
    夫馬です。どうぞよろしくお願いします。
    私から三つほどお願いができればと思います。
    一つ目は、正にどちらかといったら国の責務、国のパートとなるかなと思いますが、今、僕自身が見える化検討会の委員もしているのですけれども、必ず議論になるのが基礎データの不足です。これから見える化を進めていったり、正にこれから各自治体での進捗を図っていく上でも、各品目、各地域ごとに当然、農法によってもデータがないといけません。これが必ず見える化検討会でも大きな足かせになってきます。必ずデータの整備、基礎データの整備というものを、国自身でやる面もあると思いますし、場合によっては自治体単位でやるものもあると思いますが、一旦国としてやるのだということを固めていかないと、自治体任せにしていたり、ほうっておくと消えていってしまうので、基礎データの整備というものは是非明確に位置付けていただきたいということが1点目です。
    二つ目は、今度は広域自治体や基礎自治体単位の規模計画におけるお願いなのですが、今回お示しいただいているものは、やることはやり、資金面では政策金融公庫の資金で後押しするという枠組みだと思いますけれども、今、僕は、環境省の方の委員もしていますけれども、要するに地域金融という枠組みで、環境省も金融庁も一緒に、政府系金融機関だけではなくて、地銀や農中のようなものも含めて民間の金融機関もこれから動こうとしているタイミングだったりします。彼らの金利をどう動かすかは難しいとは思うのですけれども、是非、自治体の基本計画の中にこういう金融機関のプレーヤーをうまく巻き込んでいくということも重要なことかと思いますので、そういう視点が入っているところをより高く評価していけるような枠組みがあるといいというのが2点目です。
    三つ目は、改めて今回のまとめは本当によくきれいに整理していただいているというのが最初の感想なのですけれども、1点、当然CO211億出るのが農業ですので、農業系で大きな施策が必要だとは思うのですが、一方、漁業、養殖の方については、僕は今、道庁、北海道の方の委員もしていたり、根室市自身の個別の委員もしていますけれども、少ないながらも、これをむしろ先進的に進めることで地域の漁業の武器にしていこうという動きも出てきていたりします。そうしていくと、例えば、こっちは吸収側になるので、この中で議論するのかはまだちょっと分かっていないですけれども、ブルーカーボンというもの、藻場ではありますが、世界的にはそれ以外の海草類や、場合によってはワカメやコンブのようなものまでどうせ議論は出てくると思いますけれども、当然これはルール形成から始めていかなければいけませんが、こういうものを一旦この計画の中で、位置付けていけばいくほど地域の水産現場としては追い風になりますので、是非少し検討していただきたいと思うのが水産業の話です。もう一つ水産業の話がありまして、ちょうどEUで1年越しに、おとといEU理事会で持続可能な養殖というものの大きな政策ガイドラインが決まりました。その中には当然気候変動の話題もありますけれども、また必ず入ってきたのが抗菌剤、薬剤耐性の話です。これが入ってきましたし、さきのG7の農相サミットでも文書の中にこの抗菌剤の話は入ってくるとすると、水産業の中でもやはり抗生物質は減らしていくということは不可欠になっていくと思いますので、今回の計画の中の、文言なのか評価観点なのか分からないですけれども、しっかり位置付けていただけるといいと思いました。
    以上3点です。よろしくお願いします。
  • 大橋座長ありがとうございます。
    そのほか、いかがでしょうか。
    ちなみに、今日御参加の皆様方、必ず1回発言してもらおうと思っているので、よろしくお願いします。いかがですか。
    ありがとうございます。それでは、出島委員、お願いします。
  • 出島委員
    ありがとうございます。
    私から、みどりの食料システム戦略及びその法案について、これまで一貫して発言させていただいてきたことは、一つ目は、生物多様性の保全というものをより明確に位置付けてほしいということです。
    二つ目は、生物多様性の保全を念頭にですけれども、環境負荷軽減といったときに、様々な活動がありますけれども、そのそれぞれの活動にはトレードオフが存在するということ。これは、具体的には水田の中干しにおける稲の成長を促進するということと、メタンを抑えるということと、両生類や水生昆虫の生息などのことですね。
    三つ目は、林業分野において余りにもエリートツリーの話に偏ってしまっているということです。
    この三つを意見させていただいてきたのですけれども、今回この基本方針の中で生物多様性の保全というものを明記していただきましたので、そこは大変うれしく思っていますし、高く評価させていただきたいと思っております。
    あと、このトレードオフと林業分野の話につきましては、先ほどの紹介の中でも、技術的なガイドブックなども作られているようですので、そういうものを今後も引き続き情報発信されると思いますので、その中では是非事例として紹介をしていただくことによって、このトレードオフという存在の発信と、あと、林業分野でも例えばバイオ炭の利用というものが木材のカスケード利用につながり、それが農地でうまく使われるという、そういうような事例を是非御紹介いただければと思っております。
    私からは以上です。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    それでは、大津委員、お願いします。
  • 大津委員
    本当に、この戦略とか法律を作るのもとても大変な作業だったと思うのですが、基本方針については僭越ながら賛同していますし、法律ができた、これから運用するというところがこれからますます大変になってくるのだと思いますが、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
    私からは何点かあるのですが、一つ目が、基本計画を策定するとき、市町村ないしは県が主導になってやっていくというお話だったのですが、ここに、オブザーバーとしてでも構いませんので、是非農業者、現場の人間を入れていただければと思います。
    また、こちらの基本計画というものが多分どんどんいろんな地方自治体で工夫をされていくと思いますので、基本方針そのものというよりは。私からの指摘事項は全て運用に際することなのですが、基本計画についてはオープンリソース化して、できるだけいろんな自治体のものを参考にできる状況を作っておくといいのではないかと思っています。分かりやすく言うと、ウィキペディアもだんだんいろんな方が情報を付け加えられると思うのですが、いろんなリソースがある方が自治体さんの参考になるのではないかと思います。
    それから、これ、すごく大きいことなのですが、やはりこれだけ大きな方針転換とか、政策が変わる変わり目なので、できれば担当者の方で、県ないしは基礎自治体でも、数年で担当者が替わられるというと農業者の方もすごく不安だったり、説明が変わったりとかすることがありますので、4年ないしは5年、期間がどれだけっていう具体的な数字はさておき、なるべく長く、みどり戦略担当者というような異動の少ない方がいらっしゃるといいのかなと思います。
    それから、現場の声としてなんですが、みどり戦略のニュースが流れているときに、周りの60歳以上の農業者の方で、みどりイコール有機だろうと、今更もう変えられないっていう声も現場では聞いています。ですので、みどり戦略それだけではなくて、ほかにも慣行栽培のままでもやれることがいっぱいあると思いますので、こちらのアピール、普及啓発についても、是非ともよろしくお願いします。
    また、例えば、中を詳しく見れば書いてあるのですが、ヒートポンプとかドローンでの散布というのはすごく前面に来るのですが、一番簡単にCO2を削減できることとして、トラクター等でのバイオディーゼルの使用ということが挙げられると思いますので、こちらについても引き続きよろしくお願いいたします。
    最後です。こちら、やはり、これから農業をやる人、それから、これから消費者になる人というターゲットが、すごく長い目で見ると鍵になると思いますので、教育との連携、副読本にするなり、学校教育の中で、農業大学とか農業高校に限らず、広く文科省との連携をつなげていただければと思います。
    以上です。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    続いて、塚本委員、お願いいたします。
  • 塚本委員
    発言の機会を頂きまして、ありがとうございます。
    今回お示し頂きました基本的な方針案につきましては、法律の趣旨を踏まえよく整理された内容であると考えます。
    国が基本的な方針案を示し、都道府県が主体になって基本計画を策定されるということですけれども、都道府県の負担を軽減するために、既に策定されている関連分野の計画をもって基本計画とすることも出来ると伺っています。ただ、非常に広い分野にわたった内容でございますし、個々の計画期間と一致しないということもあろうかと思います。そのような現場サイドの実態も踏まえて制度の円滑な運用を図っていただきたいと思います。
    次に事業活動についてです。お示しいただいた内容から農業者が主な対象者になっていくのかとの印象を受けますが、先ほど水産分野の話もありましたし、林業分野につきましては化石燃料からの転換という重要な部分を担っているところですので、広く農林水産業に携わる者の課題として国の方でもこの取組が進むように広報等に熱心に取り組んでいただければと思います。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    ほかはどうですか。
    ありがとうございます。それでは、千葉委員、お願いします。
  • 千葉委員
    千葉です。よろしくお願いします。
    みどり新法に対しての今回の決定等については深く共感いたしますし、正に今、今までになかったような時代に突入しているなということを深く感じながら、私は農業者なのですけれども、現場でできることは何だろうと日々考えているところであります。その中で、今回すごく私の中で気になったところを、何点か述べさせていただきます。
    まず一つ、先ほど、大津委員の方からもありましたけれども、国と県が連携し、県から地方公共団体にという形で基本方針を策定していくという、基本計画というところのフローなのですが、国の方で把握している、今このような生産活動にしていかないと、環境であったり、資源であったり、多様性であったりとか、次の時代で我々人類だけではなく、地球がどう存続していくのかというところが、我々の生活と生存に対して深く寄与していくということで、大きな目標を持ってやられているというところはすごく深く感じているのですけれども、では、それが実際、国から県、地方公共団体、そして地域の農家に行くまで、情報がどれだけ濃いまま伝わるかというところがすごく難しいところかと私は感じております。
    まず、県が一緒になって連名で計画を策定するというときに、では、一番末端という形で、今回のフローでいうと、農家の方々が実は一番大事な存在ではないかなと僕は思っていて、その方々がどのような選択をするのか、どのような知識を持つのか、どのようなビジョンで生産活動していくのかというところが、結局、行動する人たちを動かすのに、この仕組みではこと足りないのかなというところはちょっと感じているところであります。やはり、先ほど大津委員もおっしゃっていましたけれども、オブザーバーという形でというお話はされていましたが、この法律に沿って計画を立てて、それに対してどんどんどんどん前に進んでいくと。動きながら、途中で、ここをちょっと変えていこうとか、もうちょっと追加していこうとか、何かしらまずは動いてみるということは大事なことなのですけれども、その後すぐにでも、地域でのステークホルダー等をどんどんどんどん増やしていくためにも、農業者であったり、地域の事業者であったり、ないし生活者の方々であったり、やはりみんなでこういう活動としてやっていくのだという意識が、ちょっと行政主導だけでは薄いのかなと私は感じているところであります。
    今回のみどり新法の中で大きな形で入っているのは、消費者に対してというところでの「努力」という言葉と思います。この努力をどうやって引き出せるかとなったときに、では生産者はどんな努力をしていて、行政としてどのような努力をしていて、みんなこういう努力をしている中で皆さんも一緒に努力をして、そして全体でのシステムをこう変えていきましょうというようなビジョンの共有というものがなければ、絵に描いた餅になるとよく言われていますけれども、私も本当になってしまうと思います。ただ、今回これだけのKPIを出して、これだけの人たちが関わって、これだけのインパクトを与えているという中で、今一番大切なのは、とにかく情報をしっかりと伝えていくために、ちょっと遠回りしながらも、いろんな方々を巻き込んでいくための仕組みも同時並行で動かしていくということが僕は重要ではないかなと感じております。
    以上です。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    それでは、オンラインの方で手挙がっている先生方いらっしゃるので、まず、秋山委員、お願いします。
  • 秋山委員
    秋山です。
    認定制度というものを作られるそうなのですけれども、この認定制度について、どういった活動を認定していくのかということが大事ではないかと思っています。認定においては、本当に環境に良い活動や商品であるかということをきちんと見ていく必要があると思います。相当程度寄与すると書かれていますけれども、環境への具体的な効果の検証が十分でないようなものが認定されるといった可能性もあるのではないかと、ちょっと懸念しています。最近、温室効果ガスの削減策、注目を浴びていまして、いろんな問合せを頂いているのですけれども、実験室レベルのデータのみなどで、圃場、実際のデータが十分でないような例も多くあります。例えば、温室効果ガス削減においてはJ-クレジットといったような、かなりしっかりした認証制度があるわけですけれども、この新しい認定制度においても、効果の検証というものが客観的に行われているものを認定していく必要があるのではないかなと思います。
    以上になります。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    今、チャット欄で、大津委員、ちょっと聞こえにくかったというような御指摘いただきました。会場は実は大丈夫だったのですけれども、もし大津委員よろしければ、ちょっと進めさせていただいて、御回答を後ほどしていただくときに、こんなお話だったのだと判断してもらうということでご了承ください。ありがとうございます。
    秋山委員、ありがとうございました。
    それでは、次に立花委員、お願いいたします。
  • 立花委員
    御指名いただきまして、ありがとうございます。
    全体として大変よくまとまっている方針だと思いました。その中で幾つか、私なりに気付いた点を申し上げたいと思います。
    まず、先ほど、出島委員からもお話がございましたけれども、生物多様性を含むとか、環境負荷の部分を多面的に取り上げておられるのは大変いいことだなと思いました。それぞれに対してどう取り組むかということも非常に重要になってきますので、幾つかの重要なポイントを挙げているというのは大変いいなと思いました。
    ただ、例えば食品ロスというのも一種の環境負荷と考えると、そうしたことへの取組をどうするのかという辺りも、何かしら言及があってもいいのかなと思いました。
    あと、脱炭素の見える化というのがございましたけれども、実は私、見える化というのは、脱炭素、炭素だけではないのではないかなと思っております。例えば農薬の汚染の問題であるとか、CO2の問題であるとか、あるいは、農業機械、林業機械などの機械のエネルギー効率の問題であるとか燃費の問題、そうしたことも含めて、是非モニタリング、あるいはPDCAというのを考えながら、それぞれの分野においてある程度見える化を進めて、定期的にそれを公表していただくようなことが、これをより駆動させるという意味で重要になってくるのかなと思いました。
    その意味では、今日のパワーポイントの資料の最後にもございましたけれども、事例を挙げていただいたのは非常にいいと思います。こういったものを、先ほど、前の委員からもご発言ありましたけれども、しっかりとデータとして、資料として公表していく、それを積み重ねていく、これを是非継続して行っていただきたいと思います。その意味でも、モニタリングであるとかPDCAとか、こういったことを是非この中でしっかりと取り組んでいただくということを期待したいと思っております。
    以上です。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    続いて、日當委員、お願いいたします。
  • 日當委員
    発言の機会を頂き、ありがとうございます。
    私も今、立花委員と同じ意見になるのですけれども、様々な事例がたくさん、現場レベルで判断できる、分かるような事例がたくさん出てくると、現場で実装するという発想が出てくるかと思います。御紹介いただいた事例の中では、木質チップを使って、それを供給するという事例もありまして、そういった意味では、これからそのようなことがあるでしょうし、様々な活用事例が出てくるのではないかなということで、大変参考になるような事例が数多く出てくることを期待します。
    それともう1点、同じ見える化というところなのですが、最終的にはこの取組が消費者の理解を得られるということが大事かなと思います。同じ商品を選ぶにしても、こういったことに取り組んでいる商品を選ぼうというような消費者意識の掲揚、高揚というのでしょうか、そういったものが促されるような見える化というところに是非進んでいくことを期待して、意見とさせていただきます。
    以上です。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    続いて、髙岡委員、お願いいたします。
  • 髙岡委員
    ありがとうございます。
    先ほど説明していただいたのですが、有機農業者と慣行農業者が一緒にいるときに、協定を締結するというところだったのですけれども、自治体によっては、有機農業に対して余り賛成的なところではないところもあるかなと思いますので、そうなったときに、この緩衝帯を作って有機農業と慣行農業者が一緒に農業を営んでいくというところに対して、自治体が余り賛成するような状況ではない場合に、誰が仲を取り持つ役をするのか、旗振り役をするのかというところが、なかなか難しいところがあるのかなと思いますので、その辺も少し検討していただきたいと思います。
    あともう一つ、現在の食料システムにおいては、下流側の大規模量販店などの企業は、消費者からの支持を得るために価格引下げの意向が反映されていますけれども、農産物の価格に見合った価格を転嫁できるようなシステムの構築がなければ健全な成長は確保できないと思いますので、消費者の皆さんの安心・安全を確保しながら持続可能な農業を継続し、安定供給を確保するためのサプライチェーンの構築などの努力・協力もお願いしたいと思います。
    以上です。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    それでは、続いて亀井委員、お願いします。
  • 亀井委員
    亀井です。
    食品製造の立場というところで、ちょっと発言させていただければなと思いますけれども、今回の基本的な方針案については、環境に配慮した原料調達を求めていくというのがやっぱり食品製造として今の立場なのかなというところで、今回の基本的な方針案については、使用する原料の環境負荷低減が促進されるということで、大変期待したいところと感じております。
    今回、2030年のKPIが示されておりますけれども、先ほど、委員の皆様からも見える化の話があったかと思いますが、このKPIを達成すると環境に対してどのような効果、例えばどのようなCO2削減の定量的な効果があるのかというのを示してもらうと、取組に対して動機付けになるかなとちょっと感じたりもしております。食品製造業者としても、原料生産段階での環境負荷低減の取組というのは、スコープ3の削減にもつながることかと思いますので、LCA等で環境の負荷が見えるような、環境の評価ができるような形で、引き続き、効果の見える化というものの拡大をお願いしたいというところです。
    それと、先ほどから御意見があったように、消費者の理解と啓発というのがやっぱり重要かとも思いますので、引き続き推進していただければと思います。
    以上です。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    ここまでのところで一旦切らしていただいて、もし各府省あるいは担当の方で何か御発言あるいはコメント等頂ければ有り難いと思っています。
    それでは、まず清水課長からお願いします。
  • 環境バイオマス政策課長
    多くの委員の皆さんから非常に積極的に様々な御意見をいただきまして、ありがとうございます。できるだけ全体をカバーできるように答えてまいりたいと思います。ほかに、担当局等からもまた別途お答えいたしますが。
    まず、夫馬委員から、これから見える化もやらなきゃいけない中で基礎データの不足等をしっかりやってほしいということでしたが、正にそれはそのとおりでございまして、見える化のシートも、先ほど御紹介した3品目から、今20品目くらいに増やしていくということで取り組んでおります。これは正に国が率先して、各地の慣行データ等を集めて、これを基に各地で取組を広げるように、しっかり取り組んでいきたいと考えております。
    あと、金融の面での地銀も含めた取組についてです。今回の法律については政府系金融機関の取組の特例ということになっておりますが、当然ベースになってくるのは民間金融機関でございます。地銀の方でも、いわゆるSDGs融資ということで積極的に取り組み始めているところであります。でも、まだまだ、農業のニーズや実態を分かっていない金融機関も多いので、その辺も農水省としてもしっかり連携をしながら、みどり戦略も知ってもらいながら、一緒になって動いていけるように取り組んでいきたいと思っております。その辺の記述も、ちょっと工夫できればと思っております。
    それから、水産の分野になってまいりますけれども、ブルーカーボンのお話も頂きました。この辺も、まずルール形成というところで、日本は、非常に海洋国家であり、豊かな沿岸の資源もございますので、期待するところも大きいので、水産庁の方でもいろいろ御検討いただいております。その辺もしっかり打ち出していけるように、みどりの中でも取り組んでいきたいということでございます。
    また、抗菌剤対策です。この辺は後ほどの林業の話もそうなのですけれども、当然、抗菌剤対策等、水産庁の方でも養殖環境の改善、あるいは持続的養殖生産確保法というのもございます。そういう取組をやっております。これは資料の方でも少しお示しはしたのですけれども、先ほどの資料3でいきますと8ページの辺りに、みどり戦略自体は全体対応しております。林野でいきますと、森林吸収源をしっかり確保していくためには森林整備も一から全てしっかりやっていく必要がありますし、水産の場合も資源管理から漁場環境の整備まで幅広く対応していく。この辺は、林野・水産の法令、制度、予算でやっていくとしています。今回のみどり法については、農業を中心に一応位置付けているという仕組にもなっておりまして、そういう中でできる限り基本方針にも位置付けたというところでございます。この辺も、林野庁・水産庁としっかり連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
    出島委員からは、生物多様性の関係、あと林業は、エリートツリーにちょっと偏っているのではないかというような御意見も頂きました。この辺、生物多様性についてはしっかり位置付けさせていただいておりますし、林業の対策については、今御説明したとおり、このみどり法の中では少し確かに薄くなっている面もあると思いますけれども、当然、林野庁の政策の中でしっかり技術開発もやり、そして森林の整備をしっかりしていって、持続的な森林の利用を確保していくということで、しっかり取り組ませていただきたいと思っておりますが、いずれにしても、この計画を進めていくに当たっては、都道府県に対しても、農業分野だけでなく林・水も含めて、しっかり考えていっていただくように、しっかり促していきたいと考えております。
    それから、大津委員の方から、基本計画の取組に当たって、県庁がしっかり現場の意見を取り入れて、あるいは、様々なリソースの中で担当者を設けてという話も頂きました。
    これ、正にそのとおりでございまして、このみどり法、みどり戦略を動かしていく本当に大きな役割を県庁に担っていただきます。その際に、ほかにも何人かの委員からも御指摘いただきましたけれども、行政だけではなく、当然農林漁業の生産者、そして、それだけではなく、流通・加工の事業者、機械・資材のメーカー、さらに消費者、そして販売の方、そういった広い参加者を募っていただいて、できれば協議会のようなものを県では作っていただいて、しっかり議論していただきつつ、スピーディーにこの計画を定めていただけるように、しっかり進めていきたいと思っております。
    みどりの担当者という話がございました。国の方でも、農林水産省職員全員がみどりの担当者という気持ちでやってほしいということで取り組んでおります。替わったらもう知らないではなく、基本的に誰がやってもみどりを知っていて、しっかり推進していただけるような体制を目指して、我々もしっかり周知していきたいと思っております。
    あと、大津委員からは有機の関係ですね。全部が有機というのは難しいし、すぐにできないということ、これは当然でございまして、みどり戦略の中では慣行農業の中でも当然取り組める項目、そして、低いハードルで環境負荷軽減できる取組もたくさんございますし、多くの方がやられている取組もたくさんあります。そうしたものから一つ一つ取り組んでいただくというところもしっかり説明していきたいと思っております。
    そのほか、バイオディーゼルとか、そうした幅広いバイオマスの活用という観点も含めて、こちらもいろいろ技術開発等の取組を進めていきたいということでございます。
    あと、教育分野も、これも学校給食に有機農産物使っていただく、あるいは学校教育の中でも、例えば教科書にみどり戦略を位置付けていただけないかとか、そういう連携を文科省とも強化していきたいと考えております。
    それから、塚本委員から、こちらの基本計画等、県の方で進めていく、あるいは農業者の皆さんが主体的に担っていくという点を御指摘いただきました。今御説明したとおり、各県・市町村で幅広い関係者に御参加していただく、そして、行政の負担もできるだけ軽くしていく形で、しっかり対応してまいります。
    それから、千葉委員から、これはかなり大きな御指摘だったと思いますが、行政中心で今進めているこのみどり戦略、この仕組み自体はそうなのですけれども、やはり農家が一番大事であり、その情報がいかにしっかり濃いまま伝わるかという視点、非常に重要だと思っております。やはり中身まで、最前線の農家の皆さん、消費者の皆さんまでしっかり伝えていくということが非常に大事だと思っております。そういう点では、我々の方もしっかり情報発信、そして、現場でのこういう意識共有を引き出していけるように、うまく巻き込みながら進むようにしてまいります。情報発信については、まだまだ国の方も不十分な点がありますので、そこはしっかり強化してまいりたいと考えております。
    それから、秋山委員からは、この環境負荷低減活動が実際に環境にいいものなのかどうかと、客観的に確認すべきという御意見も頂きました。たしか今日の御説明でも、できるだけハードルを低くして、取組を広げていきたいという点を重視して御説明しました。基本ラインとしては、我々としてはそちらを重視しておりますけれども、当然、何かグリーンウオッシュ的な取組を助長するようなことはあってはいけないと考えております。その辺も、基本計画を策定いただいた後にフォローアップを各地方自治体にもやっていただくことになっておりますし、我々としても、そうした両面の視点があるということはしっかり頭に入れて、制度運用に当たっていきたいと考えております。
    それから、立花委員から、食品ロスの関係がございました。今日直接御説明いたしませんでしたが、みどりの食料システム法の中にも、食品事業者の食品廃棄物の再生利用、堆肥化等、エコフィードも含めて、そうした取組に対する支援も用意をしております。これは食品ロスが出てしまった場合の対策ですけれども、基本としては食品ロスも減らしながら取り組んでいくということをみどりの戦略にもしっかり位置付けております。こうした取組も、法律上も食品事業者の取組も位置付けております。
    また、脱炭素だけではないということで、農薬、CO2、あるいは機械の燃費といった幅広いモニタリングについては、最初に夫馬委員からも頂いた、データをいかに国の方でそろえていくかという課題についての御指摘だと考えております。見える化をやっていく上でも、今はCO2削減に絞っておりますが、生物多様性をどう位置付けていけるか、いろんな宿題がございますので、こうした点も我々として前向きに取り組んでいきたいと考えております。
    日當委員からは、現場の事例がいろいろ出てくると非常に実装につながっていくという御指摘も頂きました。正にそのとおりでございまして、今回この法律の仕組を動かしていく中で、どんどん新しい前向きな取組、あるいは、これならできるかもというような取組が出てくると、それをお見せしていくことが実装に向けた近道につながると考えております。御指摘ありがとうございました。
    それから、髙岡委員からは、有機の協定、賛同しない自治体をどうするかということであります。この仕組自体は市町村が認定する、特定区域の中で認定するものですので、自治体に御理解いただく、推進していただくというのがもちろん第一ではあります。ただし、有機農業を進めていくに当たっては、自治体だけではなく、有機農業を取り組まれているグループ、あるいは、これから例えば農協の皆さんもこういう有機農業に、耕畜連携から始めて、積極的に取り組んでいくことが考えられますいろんな地域のまとめ役がいらっしゃいますので、そういう方も含めて地域で有機農業の取組が盛り上がっていくように、そういうようになっていくといいかなと思っておりますが、協定自体は自治体の主導で進めていくものでありますので、そういう意欲の高い、優れた理解のあるエリアをどんどん創出していくという部分を、まずこの協定の世界でやっていくということでございます。
    それからあと、髙岡委員からは、川下の価格引下げの問題、そして価格転嫁の必要性を指摘いただきました。この辺は正に川上から川下まで、みどり戦略でも広く一体となって、この取組を理解していただいて、消費者の行動変容に結び付けていこうというところでございますので、正にそういう価格転嫁の問題にも貢献していける戦略ではないかと考えております。サプライチェーン全体として、こうした生産現場の環境負荷低減活動を盛り上げていけるような体制の構築というものも戦略に位置付けております。この辺も川中・川下等も含めて、しっかり取組を進めていきたいと考えております。
    最後に、亀井委員から、これも見える化との関係で、2030年のKPI、この達成の効果、これをしっかり評価できるようにということで御意見がありました。この辺もしっかりデータ整備等、いろいろこれから詰めていって、できるだけ様々なデータを分かりやすい形で現場の方にもお見せして、これならではやってみようという取組を引き出せていけるようにしてまいりたいと考えております。
    私の方からは以上でございます。
    ほかの担当の方からもしあればお願いします。
  • 大橋座長
    では、お願いします。
  • 林野庁研究指導課長
    林野庁の研究指導課長、木下です。
    先生方、御意見、大変ありがとうございます。
    出島委員からお話ありました、エリートツリーに偏っているのではないかというお話ですが、当然そのエリートツリーの普及だけで森林の問題だとか、あるいは森林の多面的機能の発揮というのを達成できるだけではありません。エリートツリーを位置付けたのは、イノベーションによってどう変えるかというところで、ある意味明示的に、分かりやすくお示ししたものということになります。
    エリートツリーの推進は、吸収源としての機能発揮ということだけではなくて、林業の抱える、再造林をどう進めるかという課題の中で、早く投資を回収してというところで、森林側が適正な森林管理をしていくという意味でも重要な事項かと思います。当然その多面的機能発揮のためには、施業でいうと長伐期だとか、あるいはモザイク化や複層林化も含めて、様々な取組が更に必要だと感じております。これについて、森林・林業基本計画の中で、生物多様性に配慮した施業の推進というところで位置付けており、ここに位置付けられた取組を適切に整備する、森林所有者等がこれらの施業を、様々な施業を選択しやすくするような環境整備、情報提供も含めて技術の普及、それから施業の更なる改善とか、そういったところも必要になると思いますけれども、これらの対策も適切に進めていくということで考えているところでございます。
    また、化石燃料、カスケード利用によって、そういった森林・林業分野の対策というお話もございました。当然、その化石由来資源ではなくて、森林資源の由来した燃料利用だとか、それから様々な新素材の活用、こういったことも非常に重要な対策だと感じています。今までの木材利用だけではなくて、異分野の様々な技術を通じた、こういった利用の開発というのも林野庁として引き続き進めていきたいと考えています。
    以上であります。
  • 水産庁研究指導課長補佐
    水産庁の黒田と申します。よろしくお願いします。
    本日は、色々なご意見、ありがとうございます。幾つかの水産関係のお話頂きましたが清水課長の方からもお話がありましたとおり、基本的には、個別法の方でしっかりと対応していきたいと思います。
    また、御発言のありましたことにつきましても、今年3月に出ました水産基本計画の中でも関係する部分はありますので、水産庁としてしっかりと対応していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
    以上でございます。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    続いて、佐藤農業環境対策課長、お願いします。
  • 農産局農業環境対策課長
    ありがとうございます。農業環境対策課長をやっています佐藤と申します。
    先ほど、環境バイオマス課長からお答えがあったのですけれども、JA浜中の髙岡委員のお話で、有機と慣行農業者の協定について、なかなか自治体が仲を取り持つのが難しいケースというのは、これは当然あると思っています。先ほど、清水課長からもありましたけれども、まずは最初にやる気、やる気というか、そういうことができるような市町村、そういうところをまず核にして、そこでうまくいった事例ができれば、その他の市町村にもいろいろ広げていく。かつ、そのときにはJAの皆様にも御協力を頂く。そういった取組を広げていきたいと考えてございます。
    以上です。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    そのほかは大丈夫でしょうか。では、吉松グループ長、お願いします。
  • 新事業・食品産業部企画グループ長
    新事業・食品産業部の吉松と申します。農産物や食品の価格について御指摘ありましたので、少し今やっていることを御説明させていただきます。目下、肥料などの生産資材コストは高くなっていますし、様々な原材料が上がっていますので、緊急対策として、農家への支援もやっているところなのですけれども、食品の小売価格への転嫁も必要だと考えておりまして、政府全体で転嫁円滑化施策パッケージに基づいて、独禁法の法執行の強化などもやっておりますし、農林水産省としても適正取引推進ガイドラインを普及しているところなのですけれども、値上げになりますと、消費者の御理解、小売店の御理解をいただくことが重要だと思っておりますので、広報活動もやっておりまして、そういったことを通じて価格転嫁の環境整備を進めていきたいと思っておりますが、その広報の中では、輸入価格が上がっていることのみならず、環境や人権、そういったものに配慮したものを調達・供給するためにコストが掛かっていることも含めて、消費者の方に御理解いただけるような広報を、今月、政府広報でやろうとしております。また、今後、緊急対策で予算も確保しておりますので、様々な広報をやっていきたいと思っておりますので、御意見を踏まえて内容をしっかり作っていきたいと思っております。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    ほか、よろしいですか。
    ありがとうございます。
    もし十分お答えになっていないとか、また、追加の御質問があれば頂ければと思いますので、先に進めさせていただきたいと思います。どなたか手を挙げていただけますでしょうか。いかがですか。
    ありがとうございます。それでは中本委員、お願いします。
  • 中本委員
    ありがとうございます。そうしましたら、3点ほどコメントさせていただきます。
    まず、戦略につきまして、方針として2030年と2050年、既存の技術の活用と新技術の開発と分けて方針を組み立てられたことを評価いたします。特に気候変動対策に対しましては、やはり2030年、できるだけ早いうちに対策を講じることが、今進めている農業の品種改良ですとか、そういった適応を効果的に、その効果を上げることの一助にもなるかと思いますので、このような形で進めていただければと思っております。
    二つ目は、基盤確立事業実施計画について、ちょっと分からない点というか、懸念点があったので、お伺いしたいと思っております。こちらの方は対象者が事業者ということで、みどり、これからの対策に対して税制の支援という形になっているかと思うのですが、こちらの方は総じて先行投資になります。こちらの税制を活用して、例えば機械を導入して何かを生産、みどり戦略に資するようなものを生産するという形での約束になっているかと思うのですけれども、それによって生産された生産物等が確実にこのみどり戦略に資するように、ちゃんと農業事業者の方に届くのかどうなのかという事後的な確認、フォローアップというか、検証ですとか、そういうことをする必要があるのではないかと考えているのですけれども、そういう必要性について何かお考えがありましたら、お聞かせいただければと思います。
    続いて、前半の御意見くださった方々にも多く発言された、消費者への教育ということも言及されていますが、消費者団体として、これらの消費者教育については私どもも、給食による食育ですとか、そちらでの有機農産物の利用というのは有効だと考えています。それぞれの地域でまとまって、どういった農産物に対して、例えば低農薬でいこうとか、作物を集中してここの地域では作っていこうというような考え方の一助にもなると思いますし、小学校・中学校が給食だと中心になるかと思いますけれども、そこのところで学んだ世代が大人になって、自分たちがどのような食料を調達するかということを選択する世代になった頃には、それに合わせて有機農産物等も産出量が多くなっているという、時系列的なメリットも得られるかと思います。また、学校で子供が学ぶと、それを家に帰って親に話します。親の認識を変えるには、ニュースとかそういうのも一つの手ではありますけれども、子供と一緒に学ぶというのも大変大きな要素になるかと思いますので、そういった形でも給食の活用というのは大変メリットがあるかと考えております。
    以上です。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    ほかはいかがでしょうか。
    なかなか発言しづらいですかね。
    では、山口委員、指名させてもらっていいですか。ありがとうございます。
  • 山口委員
    私の方からは、先ほどからちょっと基礎データのお話があったと思うのですけれども、基礎データももちろんそうなのですが、そもそもその基礎の科学の部分が分かっていないということがすごくたくさんあって、今回作っていただいた環境と調和のとれた食料システムの確立ということなのですけれども、何が環境と調和が取れているところなのかというところがもう本当に分からなくて、私の場合は海の研究なので陸と少し違うかもしれないのですけれども、ただ、共通のところはたくさんあると思うのですが、その環境と調和が取れているところがどこなのかっていうのが全然分からないですし、生態系というものの全容がやっぱり分からないです。
    そういう中でこういった取組をやっていくということで、それはやってはいけないという意味ではなくて、そのぐらい地球の何十億年の歴史でできてきたような生態系なので、それを簡単に把握した状態で、では、すばらしい農業とか漁業をと言うわけにはいかなくて、恐らく、今回こういったものを作っていただいて、それこそ国とか県だけではなくて、もう皆さんで一体になってこれから作っていこうっていう、そういう取組だと思うので、その部分がすごく今回のこの戦略の一番の重要な部分かなと思いました。
    なので、やっぱり分かっていないことがすごくたくさんあって、本来、分かっていれば、こうすればいいというのは多分簡単なのですけれども、あとは経済を考えればいいのですけれども、その部分がないということをやはり前提に、そういった部分があるということもしっかりと皆さんに伝えていただきながら進めていただけると、よりよいものになるのかなと思いました。
    いつでも何度でも振り返ることができて、そして、失敗をしてしまったときには、それはこういう事例で、失敗も恐らく、生態系のことなのですごく時間が掛かって、時間がたってからよくなかったということが分かる。これまでも多々あったと思うのですけれども、こういう取組をやっている、新しい取組を支援するということですので、いろんな創意工夫された取組が出ると思うのですが、その中には恐らく成功するものもあれば、余りよくなかったというものも出てくるかもしれないので、そういったところもしっかりと表に出して、それこそ見える化をして、そして、では、そういう場合にどうするのかというところを考えていくことが、皆さんにこの環境とか、みどりを考えていくという重要な、一般の方にとっても教育につながるでしょうし、誰もが、関わって、そして、皆さんがこれを変えていくことができるというような、そういうものになるといいなと思ってずっと聞いていました。
    私は農業や水産業をやっているわけではないのですが、水産業には非常に関わって、いつも漁業者の方と一緒に仕事をさせていただいているので、分からないことがいっぱいあるのだということを分かっていた。皆さんに分かっていただくというのが最初なのかなと思いました。
    ブルーカーボンの話がさっき出てきたのですけれども、ブルーカーボンもとても重要なことではあるのですが、CO2の吸収という意味では重要なのですけれども、もう何十年と藻場造成に、農水省として、水産庁として取り組まれてきたと思いますし、ただ、やはりなかなか、環境、気候も変わっていく中で、どういった藻場造成というのが望ましいのか、なかなか持続するものができない中で、それもやはり事実であって、CO2吸収のための、例えばそこにないような海草を植えてみようというよりも、やはり本来の姿に戻すということの方が大事だと思うので、それを下支えするような環境を整えるというところを、気を付けていただきたいなと思います。
    なので、さっきちょっとこれも話があったと思うのですが、1点集中しないというか、水産の方では結構ブルーカーボンとそれから養殖のことだけだったと思うのです。あと、漁獲量を戻すというようなKPIもあったと思うのですけれども、ブルーカーボンが強くなると、そこに集中してしまうと、研究に終始してしまって、何十年たってもその研究、CO2をどれだけ計算したかというのが、恐らく余り見えてこないので、研究に終わらないように、集中を避けるというか、もう少し広く、海の問題はもっとたくさんあると思うので、その辺、全体を見ていただけるといいのかなと思いました。
    ありがとうございます。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    それでは、ありがとうございます。中崎委員、お願いします。
  • 中崎委員
    中崎でございます。
    私は、21世紀の我々の課題は食料と環境とエネルギーの、この三つだったと。それまでは、日本の農山漁村には全てあったのですね、食料も環境もエネルギーも。しかしながら、高度成長時代に利便性だけ求めてきた結果が、今それを全て失おうという時代に入ってきて、やっとこういった戦略が出来上がって、やらなければいけないという機運が出てきたと理解しています。
    その中でやっぱり、皆さんいろんな御意見があるのですが、基本的には、日本の豊かな森林の中で、健康的な森林がずっと継続して造られてきた、その中に豊かな大地があって、そして、それから流れ出る川から豊かな海ができたと、そういうように理解をしていかなければならない。ですから、もう一度その時代に帰るためには何が必要かということを、今日、委員の方々から御意見があったのですが、やっぱり子供たちとかそういったところから、しっかりともう一度教え込んでいかなければならないのではないかと思います。子供たちも実際には、保育所・幼稚園に入っても、そこで作られた、栄養士さんが作ったお昼御飯食べます。小学校に行くと、ほとんどのところが給食を食べます。そこで出すものは食べるのですが、実際畑から取ってきたものはなかなか食べてくれないという現実です。ですから、それがいかに安全で安心な食べ物かとか、そういうことをもう一度やっぱりしっかりと教えながら育てていかなければならない時代に入っているのではないかなと思います。
    ですから、この戦略はやっぱり、豊かな森を維持するためのこともしなければならないし、そして、農地を豊かにするためには何なのか、化学肥料の問題も農薬の問題もありますが、そういったこと。それから、海をきれいに豊かにするために、これらを連携して、全てをトータル的にやるというような考え方をしっかりと打ち出していかなければならないのではないと思っています。ですから、私たち現場の取組も、ただ木を伐って売れさえすればいいとか、そういうものではなくて、どのように森林整備をしながら、その豊かさを農地に返してやって、それから、そこから出るものを海に帰してやるというような、そういう連携した一連の流れが必要なのではないかなと感じました。
    以上です。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    続いて、どうでしょうか、残り御発言いただいていない方は、そうですね、もしよろしければ、谷委員、いかがですか。
  • 谷委員
    谷でございます。
    今回のこの案について、特に何かをということはないのですが、やはり、先ほど、山口委員の方からもお話がありましたが、一極集中みたいな状況は避けていった方がいいのではないかということなのですけれども、私もその辺は本当に同感でありまして、陸の上であれば、例えば農地を整備すれば、その区画だけという問題で事を進めることできるかもしれませんが、我々水産の方でいきますと、海を仕切るわけにはいきませんので、何か一つ、1か所で何かをやり始めると、その影響というのが水の流れによって、どんどんほかのところに出るということもありますので、そういったところで考えると、やはりもともとからあった生態系をどれだけ維持できるかとか、あるいは、どれだけ戻せるかというところを基準にして、その基準の中で食料のシステムづくりというところでやっていただければ、きっといい方向に向くのではないのかなと思いながら皆様のお話を聞いておりました。
    特に水産の方では、ブルーカーボンはどうやってもいいのだと思うのですけれども、養殖については、やはり海を使うので、海面・海中を使うので、どうしてもそこに餌をあげると、その養殖場の下には、そのこぼれた餌を求めて、ほかの魚も寄ってきたりはするのですが、そこで育った魚は大きくはなるけれども、釣って食べようかと思ったら、脂べっとりでおいしくもないとか、そういったことは出てきます。どうしてもほかの生態系に対して、海の中あるいは海の底を汚すという一面もやっぱりあるので、そういったところも図りながらやっていただきたい。そのためにも、やはり人間が自然を何か利用したり活用したりするときに、その地域あるいは海域の生態系にどれだけ影響があるのかというところを、しっかり一つの指標としながら進めていくことをやっていただければいいのかなと思います。
    以上でございます。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。ほかに御意見はいかがでしょうか。
    最後、宮島委員、可能ですか。ありがとうございます。
  • 宮島委員
    すみません、少し遅れて入ったので、皆さんの話とダブるところとかいろいろあるかもしれませんけれども、お伝えします。
    まず、全体としては、このように相当詳細な計画をもって数値化もし、目標一覧となっているというのは本当にすごいなと思います。一つ一つについては特に申し上げるような、ここは問題ではないかというのは、私の立場からはありません。
    むしろ、農水省の省として、ここにすごく力が入っているということがとても感じられるものですから、私の位置からは、いま一つこれが世の中にそんなに知られてはいない状況っていうのは、私がメディアであるということも含めて、ちょっともったいないと思っていて、一つ一つのやっぱり施策がないと世の中にはなかなか知らせることができないので、そういう今後の経過を見ながら、世の中にも知られた方がいいかと思っています。
    マスのメディアである私から見ると、一般の人に伝わった方がいいなというのはもちろんあるのですけれども、この計画の場合は、やはり一番は関係者への浸透ということが非常に重要かと思っております。過去も、私たちがもう何年も前からやっていることを知っているような施策であっても、意外と、アンケートを取ってみると、その当事者であるはずの方々のところでそんなに知られていないというようなことが分かったことがありました。例えば2年ぐらい前に農地バンクのアンケートを取ったところ、それまでもやっているものなのに、意外と関係する方々が必ずしも十分に知っていないというような状況が見えたことがあります。ですから、いろいろなフックで、この向かっていく方向が農業とか地球とか日本全体にとって、多少負荷は掛かるけれども、いい、やるべきことなのだということをしっかりと伝えていく必要があると思いますし、この数値それぞれが、しっかりと納得感があるものであるということを説明していくことが必要かと思います。
    更に言いますと、今回とても重要だと思っているのは、自治体が前に出て、やっぱりそれぞれの自治体が動かしていくというところをしっかりしてやる、発意とかそういったところも必要かと思います。やはり実際、いろいろな施策は自治体によってとても差が出てしまうことが多いのですけれども、その現場の方々のやる気なしには物事は進まないと思うので、まず、そこをしっかりやっていただきたいと思います。
    更に言いますと、一般という意味では、この環境にいいということがいかに―目先の価格とかそういうことだけではなく―大事なことかということを浸透させる必要はあると思うのですけれども、そのためには様々なDXを使った情報の発信とか、流通ルートや消費者と実際の産地をつなげることとか、様々な工夫が今後力を持ってくると思いますので、そういったことを速やかに進めながら取り組むのがいいのではないかと思います。
    以上です。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    一応今お越しいただいている方には一通り御発言いただいたところでございます。もし追加で御発言なり、あるいは、先ほどの事務局の御回答がずれていたとか、何かあれば、是非頂ければと思いますけれども、いかがですか。
    では、出島委員、お願いします。
  • 出島委員
    すみません、ありがとうございます。
    これはちょっと質問になるのですけれども、資料3の16ページの中で、環境負荷低減事業活動というものが定義されていると思います。その後に、特定環境負荷軽減事業活動というものが書かれていて、その中で、ここに、以下の活動類型いずれかに該当することということで、1、2、3とあるのですけれども、この1、2、3というものと前段の、先ほど言った16ページの環境負荷低減事業活動の、主に(2)に書かれていることというものは、絞られた内容がこの18ページの1、2、3になっているのか、基本的には同じものを言い換えているのか。ちょっとその辺りがよく分からなかったので、もし可能であれば教えていただきたいと思いました。
    以上です。
  • 大橋座長相当基本的なところをしっかり御説明いただく必要があると思いますので、後ほど頂きたいと思います。
    夫馬委員、お願いします。
  • 夫馬委員
    改めて、ありがとうございます。
    今回は質問ではなくて、少し皆さんのお話を受けて思っているということと、あと、これをコミュニケーションで進めていく上で感じていること、そこをお話しできればと思います。
    僕自身は日々、企業さん向けにお話しすることも多いですし、また、山梨でもしゃべり、兵庫でもしゃべり、北海道でしゃべりもやっています。当然やっぱり価格の話は必ず出てきますが、必ず僕自身が伝えようとしていることは、これは将来の価格高騰を下げるための施策なのだということを結構強調してお話をしています。今、EUも「Farm to Fork」が出てきた。それこそFAOもいろんなこと言っていますけれども、みんなこの食料の安定供給を図ると。安定供給ができなければ必ず価格は高騰していきますので、未来の価格高騰を防ぐためにやっているのだということは一つ、いろんな方に理解していただく大事なポイントなのかと日々感じています。
    環境ですとか生態系、私ももうそういう分野を推進している者ですので、各委員の言うことは本当にごもっともだなと思っています。ですがという言い方になってしまうかしれませんが、何で環境のためにやんなきゃいけないのだとか、何で生態系のためにやんなきゃいけないのだっていう方がどうしてもかなりの数いらっしゃって、その方々には、この価格の話は当然気になるわけですけれども、価格高騰を下げるための戦略なのだということを改めて強調していくことも大事なのかなとはやはり感じていますので、この辺りも御検討いただければと思います。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    ほかはよろしいですか。
    ありがとうございます。
    私もでは委員として一言だけ申し上げます。
    まず、このみどりの食料システム戦略、法定化いたしまして、関係者の皆様方、大変な御尽力だと思います。お疲れさまでした。
    今後進めていくに当たって、今回、基本方針を作るわけですけれども、まずKPIの話、結構いろいろご意見を頂いたところだと思っています。KPIというのは、達成されるためのKPIというと達成できるようなKPIしか作らないわけですが、ただ、今回、言わば地域のモデル的事業であるとか先進的事業を行うわけですので、相当程度意欲的なKPIになるのだと思います。そうすると、達成できないKPIが出てきて当然だと思っています。ただ、達成できないKPIは駄目なKPI、駄目な事業ではなくて、そのKPIの使い方として、最終的な評価として使うのではなく、どうしてそのKPIに届かなかったのかということを考えるきっかけにすべきなのだと思っています。そういう意味で、KPIでマルバツとか、そのような付け方は是非しないでいただきたい。それよりも、次にしっかりそれを生かして、よりよい事業になっているというような形を作っていただきたい。そうすると、やっぱり5年間で、最後KPIでぷちって切れるのはもったいなくて、ちょっと細かく時間を切ってもらった方がいいのかと思います。そうした中で、5年間の事業の中でもちょっとずつよりよいものに修正していくということも可能になるのではないかと思います。
    2点目ですが、この手の事業は別に今回のみどり戦略が初めてではなく、もうほかの省庁の事業でも、この手の事業というのは結構あります。結構死屍累々のケースが多いというような認識でいます。なぜかというと、これも一回投げてしまうと手離れして、あとは、地方分権なので各自でやってくださいみたいな感じになっているケースが結構多いのだと思います。ここの部分、その5年間を使うのかというのはすごく重要だと思っていて、一つのやり方は、これは似たような事業が幾つかあるでしょうから、そうした事業を大くくりにまとめて、例えば年間の中で幾つかウインドウを設けて、中の人たちでちょっと議論してもらう。あるいは、それのコーディネーターとして、もしコンサルを付けることができれば、そのコンサルさんに伴走してもらう。そうしたことを、ちょっと手間掛かりますが、ただ、手間掛けるだけの意味がある事業だと思いますので、ちょっとお金付けて、あと、成果が出るまで何もやらないというような感じのことではなくて、先ほど、オープンなソースでやってくれと言ったと同じことを言っているのだと思っていますけれども、せっかくなので、いろんな工夫、トライしてもらって、それを農水省の施策のPDCAにも生かしていけばいいと思うのですよね。というような感じで、大変いい素材だと思いますので、考えていただきたいなと。
    あともう1点、人口減少しますので、これは国内だけ余り見ていてもしょうがなくて、これ、みどり戦略をいかにアジアにルールとして持っていくのかという視点もすごく重要だと思います。ある意味、こうしたルールが、言葉は悪いですけれども、ある種の参入障壁として、日本の農業の商流というか、市場をある種守ってやるような感じに働くってことが、すごくルールメーキング上重要だというように思います。そういうような戦略的な形で余り海外に打って出たことないと思いますけれども、ただ、今後、日本のこと考えてみると、やっぱりそういうことをやっていかないといけない局面になっているのではないかと思いまして、是非そういうところも戦略的に考えていただくのは重要かなと思います。いい意味での出発点なので、様々検討していただければというのが私の思いであります。
    以上でございます。
    ほか、もしよろしければ、では、清水課長、お願いします。
  • 環境バイオマス政策課長
    引き続き多くの御意見いただきましてありがとうございます。また順次お答えしてまいります。
    まず、中本委員からですね。既存技術、新技術を組み合わせながら、適応策としての品種改良等への御期待も頂きました。正に新技術も組み合わせながら、あるいはその品種改良等、そうした視点で、みどり戦略ができましたので、これも計画的にしっかり進めていくということで承りたいと思います。
    それから、基盤確立事業の関係で、実際に事業者が先行投資した設備・資材等がどの程度生きているかという点、これも非常に重要だと思います。メーカー等の認定は国の方でやりますので、当然その認定された機械・資材はどの程度売れているかというようなフォローアップも必要でしょうし、あるいは、生産者側の方も、県の基本計画でどういった新技術を導入していくかといったことも定めていただくことにしております。当然その基本計画の進捗状況もフォローアップしてまいりますし、どの程度生産者が活動の申請を出してきてくれたか、そういった点からも、実際その技術がうまくいっているかどうかを含めて検証することが可能だと考えております。認定してそのメリットをお届けして終わりではなく、その後のこともしっかり考えてまいりたいと思っております。
    それから、消費者教育、給食が有効であるということですね。これは、正にそのお子さんが大人になってから選択してもらう、あるいは親御さんに話していただいて、幅広く波及効果が出ることだと思います。是非給食の活用を文科省ともしっかり連携して進めてまいりたいと考えておりますし、正にこれ自治体の世界でございますので、こうした取組もこの基本計画を進めていく中で積極的に取り入れていただきたいと考えております。
    次に、山口委員の方から、この基礎データに絡めて、これから正に作っていく取組で、分かっていないこともたくさんあるということをむしろしっかり伝えていくべきという御指摘でありました。これも非常に重要な視点だと思います。走りながら、環境との調和に向けて、いろいろ修正する部分は修正する、失敗も生かしながら取り組んでいくということであると思います。見える化も、その際に成功も失敗も見えるようにしていくという視点からの見える化が重要なのではないかなと思いました。是非こういった御視点、まだ明確ではない部分も、今後の事例を含めて、しっかり見えるようにしていく。その結果、どう環境との調和が図られたかということが見えてくることになるように、そういう視点で進めてまいりたいと考えております。
    ブルーカーボンの観点では藻場の造成ですね。CO2吸収だけでなくて、当然藻場の機能がもともとございますし、いろいろ磯焼けなど難しい問題もある中で、どういう形でしっかり好ましい形で藻場造成をしていくかと。その結果として、その中でブルーカーボンも生きてくるということでございますので、そうした視点で、水産庁の方からもまた話があるかもしれませんけれども、御指摘を踏まえて、しっかり進めてまいりたいと考えております。
    中崎委員の方から、非常に高い視点から御指摘いただきました。森、農地、そして川、海という形で、一次産業がつなぐ大きな資源循環と申しますか、循環の中で一次産業が営まれていると。そういう中で、例えば災害の防止ですとか、様々な多面的機能が発揮されているわけでありますので、そうした点も含めて、やっぱり子供の世代にもしっかり教えていくということで、教育の重要性も御指摘いただいたかと思っております。我々も縦割りではなく、農業・林野・水産、山・農地・海ということで、広い視点で見ながら戦略展開してまいりたいと考えております。
    それから、谷委員の方からは、こちらの方も海の視点で御指摘をいただきました。様々な生産活動、消費活動を含めて、生態系への影響をしっかり考えながら進めるべきだという御指摘でありました。正にこういう点は非常に重要であります。生態系保全の観点からも、この環境負荷の低減を農林水産業でしっかり取り組んでいかなければいけません。そうした視点を基本方針にも位置付けております。これをしっかり、御意見も踏まえて、具体化していくように取り組んでまいりたいと考えております。
    宮島委員の方からは、この取組を農水省としてせっかく力を入れているのに、なかなか世の中に知られていないということで、そうした御指摘、そのとおりだと思っております。まずは関係者への浸透ということもございました。まずは都道府県・市町村、そして農業者というのが一番大事なところだと思います。そして、その関連産業も含めて、このみどり戦略は、今日も御説明したような、いろんな背景の下に打ち立てられている戦略でございますので、そうした狙いや、こんなにいいことがあるのですよということを、いかに分かりやすくお知らせしていくかということだと思います。この辺、自治体ともしっかり連携して、いろんな媒体で発信をしながら、しっかり取り組んでまいりたいと思います。またいろいろアドバイスを頂戴できればと思います。
    それから、出島委員の方から、環境負荷低減事業活動と「特定」が付いた方の関係ですね。一番違うところは、18ページの活動類型の1、これは有機農業に絞っております。有機農業による生産活動。これに対しまして、「特定」の付いていない方の活動は幅広く、有機農業を含む土づくり、化学肥料・化学農薬の使用低減の取組ということになっておりますけれども、ただし、特定の方も3では先端的技術を活用して行う生産活動ということですので、この中には、減化学農薬・減化学肥料の取組につながる技術も入ってまいりますので、そういう点では、16ページの方の「特定」のない方の活動のかなりの部分はカバーされているのではないかと考えております。特定の方はこれを、まとまりを持って、特に有機の団地化という辺りを中心に据えて、モデル性の高いものを推進していくという視点でまとめていると。そういう関係にあると御理解いただければと思います。
    それから、夫馬委員から、価格との関係について御意見いただきました。このみどり戦略というものも、安定供給ができないと価格高騰する、価格高騰を防ぐためにも効果のある戦略であるということを発信すべきという御意見いただきました。大事な視点だと考えております。環境負荷低減、その持続性を確保していくというだけではなかなか御理解いただけない場面もあると思います。それぞれいろんなお考えの消費者さんもいらっしゃると思いますし、そういう方々にいろんな視点から御説明していくことの重要性、改めて認識させていただきました。ありがとうございました。
    最後に大橋座長の方から、KPIとの関係、あるいは今後の進捗管理の重要な御指摘いただきました。
    非常に意欲的なKPI設定させていただいております。達成できてもできなくても、そこをしっかり検証して、また次の取組に生かしていくことが本当に重要だと考えております。細かく切って検証して、いろいろチューニングをしながら進めていくことも重要ではないかと御意見いただきました。
    また、コンサルなどのお力もお借りして伴走支援を頂きながら、そうした検証を進めていくという点も重要だと思います。国と自治体との関係でも、我々も自治体の基本計画や、こういう取組を伴走支援をしながら進めていき、それでKPIの達成に何とか結び付けていきたいということも考えておりますし、農水省の我々の取組自体も、外部からの目も入れながら、しっかりアドバイスをもらいながら、修正すべきところはこの期間の途中でもどんどん修正をしていき、そしてまた新しい手を打っていくということは非常に重要だと考えております。是非生かしてまいりたいと考えております。
    また、アジアにルールとして持っていくという点、これもみどり戦略の大きな目的といいますか、必要のあることでございます。こちらもしっかり関係者総力挙げて、他省庁とも連携しながら、しっかり進めてまいりたいと考えております。
    幅広い御指摘いただきまして、ありがとうございました。
  • 審議官(技術・環境)
    すみません、1点補足させていただきます。審議官の岩間と申します。よろしくお願いします。
    先ほど、出島委員から御質問がありました環境負荷低減事業活動、それから特定環境負荷低減事業活動について御説明いたします。特定の方の趣旨は、この資料の18ページ、19ページにございますが、特に19ページの認定スキームというところの箱に書いてありますが、もともとベースになるのはその前の環境負荷低減事業活動ということでございます。
    さらにということで、ここにございますとおり、地域ぐるみで団地を作るとか、それから、生産・流通・販売方法の共通化とか、特に19ページにございますように、支援措置というところにオレンジ色のマーカーが入っていますが、例えば、大きな事業活動をここで行っていくときに、ドローンを使いますとか、それから、ドローンのバッテリーを保管する保管庫、これを確保しなきゃいけないですとか、それから、有機農業も団地化して、共同で出荷するための出荷施設が必要だとか、そういうほかの少し敷地を要するようなケース、こういったときに、例えば補助金適正化法の特例ということで、通常、補助金でつくられた財産というのは目的が決まっておりまして、目的外使用はできないのですけれども、それを目的外使用の承認手続をワンストップでできるようにしています。それから農地、これも施設を造らなければいけないときに、この転用許可の手続をワンストップ化させるとか、そういう趣旨で、より実態に即して利用しやすい形で作っております。先ほどの18ページの方に戻りますが、例えば有機農業を団地化するですとか、それから、廃熱を生かして、工場の廃熱とかCO2を持ってきて園芸団地を造っていくとか、それからスマート農業技術を、スマート技術でシェアリングしていく、こういう更なる上乗せという形で作っているということでございます。
    以上です。
  • 農産局農業環境対策課長
    農業環境対策課長の佐藤です。先ほどの清水課長のお答えに補足させていただきます。
    中本委員の方からお話のありました学校給食の活用という点で、結構今回みどり戦略で意欲的な拡大の目標を掲げていますけれども、有機の需要も併せて喚起していかないと、生産拡大しても売り先がないということになってしまいます。有機農産物の需要喚起に当たって何が一番大事なのかということで言うと、今の購買層、将来の購買層、両方考えても、やはり学校で子供たちによく学んでいただいて、今の親御さんに、有機農産物を学校給食で食べて非常にいいものだということで、買っていただくように促すのと併せて、将来的には、学校給食で有機農産物を食べていただいた方たちに消費者になっていただく、こういったことで需要喚起を将来的に増やさないと、このみどり戦略で掲げる有機の目標というものを絵に描いた餅になるのではないかと、関係者の皆様、皆言われています。
    そういうことで、我々としても、学校給食で有機を増やしていくということについて、まずは予算措置で、これも先ほどの市町村の話と重なってきますけれども、やはり市町村の中で農業の担当の部局、それと学校給食を担っている教育委員会とかの文教関係の部局、それはいずれにしろ市町村長、首長の下では同じ、それぞれの部署ということで、市町村長にとってみれば両方を所管するということもありますので、まず、我々としては、学校給食で有機を使っていただくために、首長さんが、先ほどもありましたけれども、意欲ある、やる気のあるような首長さんがいらっしゃって、うちではそういう有機のものを、生産も拡大するし、学校給食でも使って、その予算も伝えていくのだというような取組を、まず積極的に支援をしようということで、予算措置等で今支援をしているところです。さらに、今回の基本計画とかそういうものに基づいて、先ほどの特定区域だとか、そういう市町村も合わせてセットになって使っていくことで、更に増やしていきたいと。そのときには文科省とも我々、今でも連携していますけれども、そういった連携も深めてまいりたいと考えてございます。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    続いてお願いいたします。
  • 水産庁研究指導課長補佐
    水産庁研究指導課の黒田でございます。
    山口委員からお話のありましたブルーカーボンの関係で、藻場の関係のお話が出ました。委員のお話の中にもありましたとおり、水産庁としまして、減少している藻場の回復のために、藻場造成とか色々な事業を進めているところでございます。引き続き、関係者等の意見を聴きながら、どういった形で回復なり維持をしていくのが適切なのか、みどりの戦略とつながっていくよう対応していきたいと考えております。
    また、谷委員からのお話のありました養殖に係る餌による環境への負荷、影響についても、今後も関係者の意見を聴きながら、みどり戦略につながっていくよう対応してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    よろしくお願いします。
  • 新事業・食品産業部企画グループ長前半の御意見の中で、立花委員から、食品ロス削減の取組について、消費者の取組も含めて位置付けられないかという御指摘があったかと思います。答えが漏れておりまして申し訳ございません。食品ロス削減につきましては、食品関連事業所から発生する事業系の食品ロスを、2000年度に比べての2030年度までに半減させるという目標を設定しており、みどり戦略にも書いておりますし、また、一般家庭から発生する家庭系食品ロスにつきましても、第四次循環型社会形成推進基本計画において同様の目標を設定しております。農水省のほか、消費者庁、環境省と連携して取り組んでおりますので、御指摘踏まえて、どのような位置付けができるのかというのを相談して、検討したいと思っております。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    もし追加で御発言あれば、頂ければと思いますが、よろしゅうございますか。
    千葉委員お願いいたします。
  • 千葉委員
    ありがとうございます。
    今この会議でいろいろお聞きしながら思ったことが、これだけ農水省さんが本気になって、いろいろの分野のトップが我々の質問等に答えて、どう改善していくかというようなお答えを頂くということが、先ほどもちょっとお伝えしたような、これだけの熱が、では、最後の運用する地方公共団体までどうやってつながるかという中で、御説明と伴走する部署というのは一つの部署のトップに、伴走しながら、では、こういうような計画を作りましょうってやっていくのか。それとも同じように、このようなチームのような形で関係するような、先ほど、佐藤課長おっしゃっていたような、例えば給食となった場合は給食の部署と農政の部署と一緒になって、どうやって地域の給食をオーガニックに進めていくのかというような、横断したような取組ではないとなかなか進まないよというようなお話があると思います。そうなった場合に、では、計画を策定するのは一つの部署に、まずは県の一つの部署に言って、その中で何かを作っていってとなると、結局縦割りで終わってしまって、あれはほかの部署がやっているのでということで終わってしまう。例えば県内に、給食をといったときにはやっぱり給食を担当するような県の部署であったりとか、技術ということであればこの部署と一緒に、では、こういうチームでやりましょうという、同じような、このみどり戦略とみどりの新法に対しての、同じような農水省のチームのような形のものが各県・地方公共団体であると、もっともっとリアルに、進むスピードも速いのかなと感じています。その中でやっぱり一般の普通の、行政だけが押し潰されて頑張っていくというのではなかなか、地方公共団体まで落ちていくとかなりきついものもあって、人的リソースもそうですけれども、そういったときに、いや、一緒にやるよっていうような農業者であったりとか、生活者の方々とかっていう方々が一緒に入っていって、では、ここの部分は我々がやるよと、ここの部分、行政にやっていただいてっていうような、チームを作っていかないと難しいのではないかなとはすごく感じています。
    これは今、各地で、それこそ佐藤課長とかがやられているような部署の中でやっている事業がありまして、オーガニックビレッジで我々ちょっと支援等をしているのですが、一つの部署で手を挙げて取ったら、隣で同じような農政をしている部署がなかなか手を出せないみたいなところがあったり、それってどうなのかなと思っていたりすることが多々あります。もうちょっと、補助金をどう使うかとか、農業者が何か、こういうような事業が出たから、では、自分にとってこれプラスだから、それだったらやりたいよねとかではなくて、大切なのは、この地域をどう変えていくかという大きな視点に立って、農業者がどういう役割でそれぞれが動くのかというような、大きな視点とか大きなビジョンを伝えていくというようなキーマンが地域にいないと、僕は進まないと思います。どこかだけ進んでも、いい例があっても、それは誰がどのようにしてということもちゃんと、オープンリソースでというお話もありましたけれども、そういうようなこともどんどん公開していくということも必要ですが、結局やっぱり、僕は最後は人だと思います。
    なので、これだけのすばらしいビジョンを、どうやって人が人に伝えていくか、つなげていくかということを、しっかりと地域ごとにサポートしていくというぐらい力を入れていかないと、なかなか難しいのではないかなと思いますし、逆に、一緒になってこういうことやろうよっていうことを行政の方からどんどんどんどん提案して、一般の方々が、では、俺らも一緒にやるよというような形でやっていけたらいいなと。
    私は神奈川の農業者なので、是非神奈川県といったら僕も一緒に行きたいなと思うぐらい、みんなで変えていこうよと、農業者いっぱい連れてくるよと、いろんな事業者さんも連れてくるし、みんなで変えていけば、みんなでやればそんなに大変ではないよねというような、やっぱりチームにしないと、最後、やっぱり結構疲れていくのですよね。特に地方公共団体となっていくと、担当が1人、2人となっていくと、押し潰されていくというのもあったりするので、やっぱりどんどんどんどん関係する人たちを増やしていくような、そんなような仕組みになっていったらいいなという意見です。
    以上です。
  • 技術会議事務局長
    千葉委員、ありがとうございます。技術総括審議官を拝命しました川合でございます。
    みどり戦略、ゼロの段階からずっとやってきたのですけれども、正に御指摘ごもっともでありまして、法案の審議のときも、農林水産省はこれに随分熱が入っているけれども、他省庁はどうなのだということで、本会議場で学校給食について文部科学大臣に問うということで文部科学大臣や、環境大臣はどうなのだと環境大臣に対して問うとか、官房長官に問うということで、たくさん問われました。農水省の言っている意味はよく分かる、熱意もよく分かるが、これは政府一丸となってやらないといけないということで、衆議院も参議院も附帯決議が付きまして、関係省庁と十分に連携をして、ちゃんとこれを実現するようにすることを前提に全会一致で成立しております。成立して直ちに農水省に、外務省も全部含めて、各省庁の課長にお越しいただきまして、関係省庁連絡課長会議というのを作りました。アジアモンスーンへの発信は外務省が大切だということで、外務省も来てくれましたし、環境省も地球温暖化だけではないと、ほかにもあるのだということで3課長来てくれました。それから、農水省は肥料が足りないのかと、俺たちに下水道というのがあるのだけれども、これでお互いに協力できないかということで、下水道企画課長も事業課長も来てくれました。それから航空局も、俺たちはジェット燃料で飛ばすのだけれども、今後はバイオ燃料がないとなかなか離発着が難しいということで、俺たちも協力してほしいから行くとか、当然エネルギー庁は、エネルギーの自給率が低いから、おまえたちに頑張ってもらいたいと言って、もう全部来たのですよ。全ての課長さんがこれについては責任を持ってやるということで第1回をやりました。
    また、先ほど、大橋座長からもありましたけれども、毎年だけではなくて、進捗状況をちゃんと点検しないといけないということになっています。新しい資本主義にもしっかり位置付けられたので、みんなが見ているので、先ほど、大橋座長からあったように、目標にいかなかったからバツではなくて、どうしていかなかったかも含めて管理をしたいと思います。あるいは、ベンチャーやスタートアップがやっぱりすごく関心を持っているので、大企業ばっかりではなくて、これは俺たちにもチャンスがあるではないかと思っていますので、全てに門戸を開いて、総力を挙げてやっていきます。先ほど、夫馬委員がおっしゃったように、これまでと同じやり方では将来につながらないし、農作物に高い価格がついてもいけませんので、これをちゃんとやれば安定的に、ちゃんと適切な値段でいくようになるのだということを、我々だけではなく皆様にも知っていただき、やっていただきたいと考えています。
    それから、資料3の最後のページに、47ページに鹿児島の事例が付いているのですけれども、鹿児島に限らず、千葉委員がおっしゃったように、行政だけに任せるのではなくて、やっているのは俺たち農家だと。さっき、大津先生も言いましたけれども、俺たちにやらせないと絶対伝わらないし実現できないぞということで、これ、協議会という形で作っていただきたいと思います。町の命運を背負っているのは俺たちだから俺たちがやるのだと言って、消費者だけではなく、公社だけではなく、商工労働も全部入って協議会を作って、こんなもの農水省だけに任せておいたら心配だと全部入っていただいて、だから、農林予算だけではなくて、町を挙げた予算で全部やるのだというように。これ、かなりリーダーシップが必要なので、頑張っていただきたいということです。
    夫馬委員から、また、多くの方からも言われましたけれども、そんなことでもみどり戦略に該当する取組でいいのかと言われますが、そうなのですと。だから、みどりというのはめちゃくちゃハードルが高いのではなくて、誰でも普通にやっていることがみどりなのですけれども、そう思っていなかったのであれば、やってくださいと。あるいは、不要なものだと思ってお金を払って潰してきたり燃やしたり埋めたりしていたのが、実は価値のあるもので、みんな分かってくださいということでみんなで始めたということで、この47ページも含めて事例をたくさん紹介させていただきました。どんなことをやればみどりなのだと、いや、それもみどりなのです、普通なのですということを、みんなに分かっていただきたいということで載せています。鹿児島の事例は、本当に町の存亡を賭けて、やらなきゃいけないということで、前々から構想として練ってやっていて、これはみどりにぴったりということで皆様にもやっていただきたいと考えています。
    基本計画などというものが出てくるとえらく固く聞こえますけれども、普通にやっていることを、みんなでやるのだということを書いておかないとやっぱり心配だよねということを記載いただいたり、書いておいて、みんなでやるのだということをお互い認め合いましょうということでやるのが、このみどり戦略の出口としてだんだん見えてきたところです。やはり我々としても、オール霞が関だけではなくて、日本国を挙げてこれをやってきたいと思っています。そして、各省ともよく相談しながらやっていきたいと思っていますし、林業も水産業も含めて合同委員会になっているというのは農水省でこの委員会だけなのです。なので、この合同委員会を大橋座長にお願いしてやっていただいているということもありまして、まだみどりはスタートしたばかりですけれども、しっかりやっていきたいと思っていますので、どうか今後ともどんどん御意見、御助言を言っていただきたいと思っています。よろしくお願いいたします。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    よろしいですか。御回答になっていますか。
    ありがとうございます。
    ほかの委員の方で、もし追加でございましたらと思いましたが、いかがでしょうか。
    ありがとうございます。
    本日は欠席されている委員もいらっしゃるのですけれども、コメントを頂いていますので、事務局から読み上げを頂いてもよろしいでしょうか。
  • みどりの食料システム戦略グループ長
    それでは、本日御欠席の委員からの御意見につきまして、委員名簿順に紹介をさせていただきたいと思います。
    まず、吉高委員からのコメントでございます。吉高委員からは、『長期的脱炭素移行への目標に向けて、短期的にも化学肥料・農薬使用の低減、有機栽培の面積拡大などの具体的な数値目標を盛り込み、大変野心的であり、かつ、容易な道のりでないこの変革にチャレンジがうかがえる方針である。また、農林水産分野は他省庁・自治体がまたがる様々な法律・規則などの壁があり、脱炭素、サステナブル社会への移行に弊害となる場合がある。ワンストップで農林水産省が課題解決するよう、体制を整えられることを高く評価したい。是非縦割りの関係を超えて、人権にも関わる食について、パワーアップをしてほしい。ロシアのウクライナ侵攻からのグローバリゼーションの停止、気候変動、エネルギー保障、資源獲得、食料、サプライチェーン危機、日本は最も多くの危機にさらされている。ESG投資の流れは止まらず、TCFDのみならず、TNFDに関する企業の情報開示は本分野と更に密接な関係がある。簡単に変えられないという従来の手続を超えて、更に高みを目指した目標の設定に向け、常にステップアップで臨み、日本が環境負荷を下げ、なるべく自立する食料需給のシステムを作り上げ、将来世代に引き継げるように臨んでほしい。あえて言うならば、この変革においてはイノベーションが必要であり、これまで同様の融資を中心とした支援だけでは不十分と言える。アグリファンドのような事業のリスクを許容してくれるようなファイナンスの仕組み作りが必要であろう。そして、まずは農林分野の施策が多く見られるが、ブルーエコノミーへの世界の関心が高まる中、漁業などに対してもサステナビリティに関して今後更なる促進策を希望する。今後、この方針を実践していく具体的施策が重要である。脱炭素、サステナビリティに関して、他省庁でも、地方自治体、中小事業者など、このような変革に取り残されないよう、丁寧な説明・アドバイスが行き渡る陣容を拡大し構築し始めている。農林水産省においてもサステナビリティを中心に据え、体制を強固にしながら変革に取り組んでいただくような施策を強くしたい。』
    というコメントを吉高委員から頂きまして、正に私ども農林水産省といたしましても、これらをしっかりと受け止めて、みどり戦略、そしてみどり法など、サステナビリティに向けて取り組んでまいりたいと考えておる次第でございます。
    また、続きまして2人目の委員、岩村委員でございます。岩村委員からは3点、御意見を頂戴しております。
    1点目、我が国が国際的にコミットする2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、日本の総排出量の約4%を占める農林水産分野の果たす役割は極めて重要となる。今回提案された環境負荷低減事業活動の促進及びその基盤の確立に関する基本的な方針案は、本年7月1日に施行されたみどりの食料システム法を着実に運用していく観点から、時宜を得たものであり、適切な内容になっていると考える。
    2点目です。言うまでもなく、カーボンニュートラルの実現にはイノベーションが不可欠であり、特に基本方針の第5、基盤確立事業の実施に当たっては、スタートアップ企業も含め、先端技術の開発・実証に取り組む幅広い事業者への周知や支援とともに、簡素な申請手続と制度の円滑な運営を期待する。
    最後、3点目でございます。経団連としても引き続き、経済社会の根底からの変革であるグリーントランスフォーメーション(GX)の実現に向け、政府と一体となって取り組んでいくと。
    こういった御意見を岩村委員から頂戴いたしました。正におっしゃるとおり、先ほど局長からも、スタートアップも含めてしっかりと、皆で取り組んでいくというような発言をさせていただきました。私ども、この御意見をしっかり踏まえまして、基本方針、法律の運用に当たっては、幅広い事業者への周知、そして円滑な運営に努めてまいりまして、生産現場の環境負荷の低減と、そして持続可能な食料システムの確立に向けて邁進してまいりたいと考えております。
    次、3人目、釣流委員からでございます。
    釣流委員からは、『環境負荷の低減だけではなく、持続性の確保を図るという観点から経済合理性という考え方が明記されており、今後に向けてとても期待しております。
    モデル地区の取組を進めるに当たっては、いつまでに何をやるかというタイムラインを明確に設定し、関わるステークホルダー全員が共有しながら進めていく仕組みがあるとよいと思います。
    そして、モデル地区取組のロードマップを描き、関わるステークホルダー全員がロードマップに合わせて進捗の確認、修正をしていけるような仕組みが取組継続に当たって必要と考えます。進捗の確認をし、達成度を可視化することが、関わるステークホルダーの意欲向上にもつながると思います。
    エネルギーや資材に関しては、地域の中でしっかりと循環させるモデルを作ることが重要と考えております。再生エネルギーに寄与する建設だとしても、計画の段階から地域住民や周囲環境へ配慮をし、そして、使用後の処理や廃棄まで環境負荷を掛けないような配慮をしてこそ地域の資源循環モデルになると思います。』
    これが、釣流委員からの御意見でございますが、大橋座長からも、しっかりと進捗の確認をし、達成度を可視化していくというような御意見を頂戴しましたところ、正に本日の御意見をしっかりと私ども受け止めまして、モデル地区も含めて取り組んでまいりたい、そして、実績を作っていって、進捗管理をしていきたいと考えている次第でございます。
    4人目です。水政審の木村委員からでございます。
    木村委員からは3点ございまして、1点目は、マグロ、ニホンウナギの完全養殖化がよいことなのか、人工種苗比率100%も含めて本当に2050年までにできるのかという御意見も頂きました。これにつきましては、我々、2050年のKPI2030年のKPIの達成に向けて、進捗管理をしながらしっかりと取り組んでいく必要があると考えておるところでございます。
    また2点目、カキなどの殻をいかに使っていくかが重要。魚をさばく際に出る内臓の有効活用も考えていかなければならないという御意見でございまして、そういった観点も私ども今後考えていきたいと考えております。
    また3点目、水素エンジンはどこまでできているのか。LNG(液化天然ガス)などはやりやすいのかもしれないが、どれが良いのか分からないという御意見もありました。これにつきましては、エンジンなどは特に農林水産業だけで考える話ではなく、他産業でも同じようなことを取り進めておりますので、こういったところとの連携が重要と考えております。農水省としても、先ほど、局長が申し上げたような関係省庁連絡会議も含めて他省と連携して、しっかりとみどりに掲げるゼロ・エミッション化を連携して進めていきたいと考えておるところでございます。
    最後になりました。5人目、山下委員でございます。山下委員からは、『良いと思って続けた取組が後になって悪い評価を受けないようにする必要がある。提案だが、例えば本法の取組を一、二年やった段階でコンテストを開催し、優良事例を表彰するとともに、同時に専門家の目を通すことでスクリーニングをかけてはどうか。国が事前にチェックすると取組のインセンティブをそいでしまう。私が委員をしている農林水産祭では、水産分野では資源管理も評価対象になっている。そうした既存のコンテストの中にみどり部門を設ける形であれば、余り行政コストも掛けずに開催できるのではないか』という御意見を頂きました。
    顕彰につきましては、国会の審議の中でも御意見頂戴したものでもございまして、私ども、委員の御意見も踏まえながら、合理的に考えていきたいと考えておるところでございます。
    また、この場を借りて、ちょっと本日、橋本委員が遅れて参加というお話を頂いておりましたけれども、直前の予定がどうしても長引いていて、今日出席できそうにないという御連絡がありました。
    以上でございます。
  • 大橋座長
    ありがとうございます。
    皆さん、たくさんの御意見をいただきまして、ありがとうございました。
    事務局におかれては、本日の議論を踏まえて、基本方針案の修正をしていただければと思います。
    今後の段取りについてですけれども、並行して実施されているパブリック・コメントの手続の結果も踏まえた上で基本方針を策定するということになります。本日の御意見を踏まえて基本方針案を修正させていただきたいと思いますが、ちょっとお時間の関係もありますので、よろしければ座長に最終的な結果を御一任させていただけないかということを御提案させていただきたいのですが、御了承いただけますでしょうか。よろしゅうございますか。
    ウェブの方も含めてうなずいていただいたものをもって、御異議ないと受け取らせていただきます。ありがとうございます。
    それでは、本日大変たくさんコメントを頂きました。よりよいものに今後もしていきたいと思いますので、引き続き、様々御意見いただく場も設けますので、是非よろしくお願いできればと思います。
    続きまして、議題の2、その他でございますが、事務局の方から何かございますでしょうか。
  • 地球環境対策室長
    この場を借りまして、地球環境問題に関する国際交渉の状況、特に地球温暖化関係と、それから生物多様性の保全の関係について、御報告いたします。
    申し遅れましたけれども、地球環境対策室長を拝命しました国枝と申します。よろしくお願いいたします。
    まず、地球温暖化関係でございます。
    昨年11月にイギリスのグラスゴーで開催されました気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)におきまして、野心的な気候変動対策を各国に求める「グラスゴー気候合意」が採択されました。この中に農林水産関連の内容もいろいろ含まれてございます。
    あわせて、首脳級の森林・土地利用イベントも開催されまして、「森林・土地利用に関するグラスゴー・リーダーズ宣言」を始め、森林・農業に関する4本の声明が出されたところでございます。我が国からも、これらの関連の会合におきまして、みどりの食料システム戦略に基づく取組を進めていく旨を世界中に発信しております。
    また、COP26の機会に、世界全体としてのメタンの排出量を2030年までに30%削減することを目的としました「グローバル・メタン・プレッジ」、気候変動に対応するための農業の研究協力の強化に向けました「気候のための農業イノベーション・ミッション」が新たに立ち上げられております。
    一方、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)でございますけれども、現在8年ぶりとなります第六次の評価報告書の作成が進められております。昨年から本年にかけまして、自然科学的なエビデンス、影響・適応・脆弱性、緩和、この三つの作業部会が各分野の報告書を公表しておりまして、この中で、特に研究開発につきましては全ての気候変動対策にとっての鍵であると、それから、土壌炭素貯留につきましては、土壌の質の改善とか、食料生産能力を推進し得ること、吸収源として大きなポテンシャルを有すること等の内容が盛り込まれているところであります。
    これらを受けましてCOP27、今年11月にエジプトで開催が予定されております。エジプトが議長国でありますけれども、この開催期間中に適応農業デーという日を1日設けまして、様々なハイレベルイベントを開催する意向であります。食料や農林水産業と気候変動をめぐる国際的な議論が、会合期間中にも大きな盛り上がりを見せることと見込んでおります。会合期間中にも、気候資金や、パリ協定、世界全体の実施状況などが議論される予定であるということでございます。
    あともう1点、今年の5月に採択されましたG7の農業大臣コミュニケの中でも、気候変動、生物多様性、効率的な肥料利用、こういう多岐にわたるテーマで、持続可能な食料システムへの継続した変革が必要であるということが確認されております。この点は前回の会議で夫馬委員からも御意見を頂いたと伺っております。みどり戦略を後押しする内容と理解をしてございます。
    それから、もう一つの大きな柱として生物多様性の関係でございます。
    生物多様性に関する国際状況としましては、御承知のとおり、昨年、中国の昆明で開催されましたCOP15、これが第2部として、今年12月にカナダのモントリオールで開催されることとなっております。ここで、2010年に採択されました「愛知目標」の後継となります「ポスト2020生物多様性枠組み」の採択が予定をされてございます。この枠組みの中では、2030年までに取るべき行動として、現在のところ21の目標案が議論されておりまして、例えば陸域や海域の30%を保護・保全することでありますとか、肥料や農薬等による汚染の削減、生物多様性に有害な補助金の削減、遺伝資源へのアクセス、利益配分等に関する目標というのが議論されております。
    これにつきまして、先月6月にケニアのナイロビで準備会合が開催されています。全体として枠組みの目標案について議論が進められておりますけれども、今のところ、多くの論点で、まだいろいろ意見がありまして、合意が得られたという状況にはまだなっていない状況です。12月に向けまして、採択、全体の枠組みに向けまして、会議の間の作業等を含め、引き続き議論をしていくことになっております。
    また、この関係で、今月上旬にドイツのボンにおきましてIPBES(生物多様性版のIPCC)の第9回総会が開かれてございます。この会合におきましては、企業活動と生物多様性に係る評価方法について、今後、専門家の検討が行われるということが決定してございます。この中で、先ほど御紹介のありました橋本委員でございますけれども、学際的専門家パネルのアジア太平洋地域からのメンバーとして再選されておられますので、ここで御紹介いたします。
    環境に関する議論は、国際的にも年々比重増しており、農林水産業、食品産業とも深く関わっております。今後も随時情報提供させていただきたいと思います。
    ありがとうございます。
  • 大橋座長
    ありがとうございました。
    本日の議題、以上なのですけれども、もし全体を通じて何かお気付きの点などあれば、頂けれと思いますが、いかがでしょうか。
    よろしゅうございますか。
    大変熱心に、ありがとうございます。
    それでは、議事の方、以上ですので、事務局の方へ議事進行をお渡しいたします。
  • みどりの食料システム戦略グループ長
    大橋座長、どうもありがとうございました。
    そして、委員の皆様、本日は貴重な御意見を頂きまして、どうもありがとうございました。
    環境負荷低減事業活動の促進及びその基盤の確立に関する基本的な方針、本日御議論いただいた御意見を踏まえまして、事務局におきまして、9月の策定・公表に向けて、引き続き検討を進めさせていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
    それでは、長くなりましたが、本日の会議はこれにて閉会させていただきます。どうもありがとうございました。

午後4時12分閉会

 

 

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