企画部会 第3回 有機農業の推進に関する小委員会速記録
1.日時及び場所
平成25年10月24日(木曜日)14時00分~16時07分
農林水産省 農林水産省第3特別会議室
2.議事
- 有機農業の推進に関する基本的な方針(案)について
- その他
3.概要
伊藤課長補佐
それでは、時間になりましたので、ただいまから第3回の「有機農業の推進に関する小委員会」を開催したいと思います。
その前に、資料等の確認をさせていただきたいと思います。
本日、お手元に用意させていただいたものは次のとおりでございます。
まず、座席表、A4の横紙1枚でございます。
それから、資料1として議事次第。
資料2、委員名簿。
資料3-[1]「現行の基本方針、ポイント及び新たな基本方針(素案)について」。
それから、資料3-[2]として「第1回及び第2回の審議のポイント」でございます。
最後に資料4「新たな基本方針(素案)への意見」ということで、資料4は本日御欠席の山内委員から素案への意見としていただいたものでございます。
また、参考として、第1回、第2回の「有機農業の推進に関する小委員会」での配付資料につきましては、机上の青い紙ファイルの中に入ってございます。
資料は以上でございます。
資料等の不足、それから、落丁等ございましたら、事務局まで御連絡をお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは、議事に先立ちまして、西郷生産振興審議官から御挨拶をいたします。
よろしくお願いします。
西郷生産振興審議官
本日もお忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
この小委員会は、8月21日に第1回ということで、専門のお立場からいろいろな御意見をいただいた後に、9月18日に第2回小委員会といったことで、千葉県下の現地調査と一緒に、御視察の結果を踏まえて御議論いただいたところです。
実は、御視察をしていただいた千葉県の富里とか、山武のところでございますけれども、さきの台風に伴う雨で水没したところもあって、ニンジン畑が大分やられているようです。
幸いと申しますか、御視察いただいたところは高台でございましたので無事のようでございますけれども、地域全体としては、排水をしなければいけないというぐらいのようでございまして、今年、そこに限らず、全国各地、農業、水産もそうでございますけれども、非常に被害が多くなっているということでございます。
この間、御視察いただいたところは、ひとまず無事だということでございます。
今日は第3回でございますけれども、これまでにいただきましたことにつきまして、今回の小委員会のミッションでございます、いわゆる有機農業の推進に関する基本方針を、今までいただいた御意見から案を事務方で作成しておりますので、これを御議論いただくということでございます。
ぜひとも忌憚のない御意見を頂戴できればと思います。
この基本方針でございますけれども、多くの有機農業者が、有機農業推進法制定から5年以上経って、次なるシグナルと申しますか、その方法とか、要望などを取り入れた形で、取り組みやすくなるようにということでしたいと思っておりますので、有機農業のみならず、我が国の農業を元気にするための基本方針になっていくといったことを期待しておりますので、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
今日は国会が始まっておりまして、私、中座させていただきますが、まことに申しわけありませんけれども、ひとつよろしくお願い申し上げます。
伊藤課長補佐
それでは、座長、よろしくお願いします。
蔦谷座長
それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
先ほど資料の説明がございましたけれども、資料の1番に議事次第がございます。
御挨拶にもございましたけれども、今日は「有機農業の推進に関する基本的な方針(案)について」の御意見をいただくことになっております。
これに加えて「その他」ということで、基本的には議題は1つということでございます。
今日もいつもと同じでございますけれども、時間がかなり限られておりますので、円滑な議事の進行に特段の御協力をお願いをいたしたいと思います。
それでは、今日は、先ほど申しましたけれども、基本方針(案)を事務局で取りまとめをしていただきましたので、これについて審議をお願いしたいと思います。
それでは、事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。
伊藤課長補佐
それでは、資料の御説明をさせていただきます。
お手元に資料3-[1]及び資料3-[2]を御用意いただきたいと思います。
まず、資料3-[2]のほうから御説明をさせていただきます。
第1回、第2回の小委員会におきまして各委員からいただきました御意見でございますけれども、これを整理して、ポイントとして取りまとめたものでございます。
資料中の黒い字の部分ですけれども、第1回小委での御意見を踏まえたポイント、それから、青字の部分は第2回小委での御意見を踏まえたポイントでございます。
これまでの小委員会での御意見が俯瞰して見られるように整理をしたものでございます。
続いて、資料3-[1]でございます。
資料の左側でございますが、現在の基本方針の全文を項目ごとに分けて記載をいたしました。
基本方針がそのまま左側に載っているということでございます。
真ん中の欄ですが、これが今、御説明しました資料3-[2]からのポイントをそのまま書き写したものでございます。
右側には、このポイントを踏まえて、事務局にて作成した新しい基本方針の素案というものを記載させていただいております。
ということで、資料3-[1]の1ページ目から御説明をさせていただきます。
まず、1ページ目の「はじめに」でございますが、序文として、第1回小委の現状と課題の中で御説明をさせていただきましたが、有機農業推進法の理念、それから、推進方針について記述している部分でございます。
現行の基本方針が有機農業推進法の策定直後につくられたということから、丁寧に推進法に定める基本理念を再度掲載したということでございます。
今般の基本方針の素案の作成におきましては、委員各位の御意見を踏まえたポイントをもとに、以前にはない事項、これから御説明させていただきますけれども、新しい事項を追加ということになっております。
結果として分量が大分増加をしているということでございまして、現在の基本方針と同じく、有機農業推進法の第3条に明記されている基本理念を再度ここに掲載するということは、分量の圧縮の観点から行うべきではないと考えまして、削除したいと考えておりまして、当該部分については削除ということでございます。
続きまして、同じく1ページでございますが、第1で「有機農業の推進に関する基本的な事項」についてございます。
基本方針第2の「有機農業の推進及び普及の目標に関する事項」、それから、第3、第4と連動したものになってございますので、先に第2から第3、第4と御説明をさせていただいて、それが終了した後に第1に戻って、まとめて御説明をさせていただきたいと思います。
ということで、3ページに飛んでいただいて、第2の「有機農業の推進及び普及の目標に関する事項」のうち、1つ目「目標の設定の考え方」について御説明をさせていただきます。よろしくお願いします。
右側の欄をごらんください。
以降、全文の直した部分を御説明するには時間が足りませんので、主要な部分だけ御説明をさせていただきます。
第1段落の3行目以降でございますけれども、新規就農者や慣行農業から転換する農業者が相当程度存在すること、それから、消費者や実需者の需要が相当程度存在することなどを踏まえて、第1段落の最後の行に有機農業の一層の拡大を図っていくことを設定の考え方として記載をさせていただきました。ここが主要な部分でございます。
続いて、1枚めくっていただいて4ページ目でございます。
第2の「有機農業推進及び普及の目標に関する事項」のうちの2つ目「有機農業の推進及び普及の目標」についてでございます。
具体的な目標についてということでございます。
先ほどの「目標の設定の考え方」を踏まえまして、新たな1番目の目標として「有機農業の拡大」という目標を設定いたしました。
この項に関する各委員からのポイントでございますが、次期目標では有機農業を拡大することを目標とすること、それから、現状の倍程度で拡大するといった整理をしております。
これらのポイントを踏まえまして、素案では、第1段落の後半に、おおむね平成30年度までに現在の0.4%程度の有機農業の取組面積を1%と倍増することを目標として記載をさせていただきました。
続きまして、2つ目の目標でございます「有機農業に関する技術の開発・体系化」でございます。
ここのポイントでございますけれども、出てきた意見を整理したものが、技術の体系化が一定程度進んでいること、それから、地域の気象条件や土壌条件等に適合した技術の体系化を進めていくことが必要ということで整理をしました。
これらを踏まえまして、素案では、第1段落に基本的な技術の体系化が一定程度進捗したということを記載しました。
それから、第2段落では、おおむね平成30年度までに、都道府県において地域の気象・土壌条件等に適合し、安定的な品質・収量を確保できる有機農業の技術体系を確立するという目標とさせていただきました。
なお、第2回小委でお諮りしました都道府県における達成割合、全ての都道府県だとか、半分以上の都道府県だとかいう達成割合でございますけれども、これについては今回明記せず、定性的な表現とさせていただいております。
続いて、目標の3つ目は「有機農業に関する普及指導の強化」でございます。
この項のポイントは、5ページ目でございますけれども、地域の気象条件や土壌条件に適合した技術や知識を明確にすることが必要。
それから、普及指導センターや試験研究機関等に普及指導員や農業革新支援専門員を配置することを目指すべきとの整理をさせていただきました。
これらを踏まえまして、素案では、4ページの最終行でございますけれども、有機農業に関する技術及び知識は地域の気象・土壌条件等に適合していることが不可欠ということ、それから、5ページ目の4行目以降になりますが、現行の基本方針における目標である都道府県の普及体制の整備を100%とすることについては、そのまま引き継ぎつつ、農業革新支援専門員という新しい仕組みの配置を新たに追記とさせていただいております。
続いて、4つ目の目標でございます「有機農業に対する消費者の理解の増進」でございます。
この項のポイントでございますが、消費者の理解は必ずしも十分ではないということ、それから、引き続き有機農業を知る消費者の割合について、50%以上とすることを目指すとの整理をいたしました。
これらを踏まえ、素案では現行の基本方針から引き続き、消費者の理解を平成30年度までに50%以上とするということで目標とさせていただいております。
続いて、最後の5つ目の目標でございます「都道府県等における有機農業の推進体制の強化」でございます。
この項のポイントでございますが、市町村において引き続き体制整備が必要ということ、それから、市町村の体制整備は画一的な取り組みでは進まないので、市町村が状況に応じて対策をとりやすいよう検討すべきということで整理をさせていただきました。
これらを踏まえまして、素案では、6ページになりますが、都道府県においては、これまで同様の体制整備を同じ目標で引き続き行うこととし、市町村にあっては、各地域の有機農業の状況を踏まえつつ、先進的有機農業者との連携による就農相談先を設けるなどの体制整備を平成30年度までに50%以上とするとの目標としました。
有機農業者がいない、少ないといった市町村では、その体制整備のハードルを下げて対応していただくということでどうかと考えております。
現行の基本方針に記載している都道府県の推進計画の策定は目標を達成しておりますので、素案において削除いたしております。
続いて、6ページから12ページまでが第3の「有機農業の推進に関する施策に関する事項」でございます。
いわゆる有機農業推進のための施策の一覧でございます。
6ページの第3の1つ目が「有機農業者等の支援」でございます。
表題のとおり、有機農業者、人に対する支援でございますので、現行の基本方針で(2)としておりました「新たに有機農業を行おうとする者の支援」を(1)として前に持ってまいりました。
この項のポイントでございますが、地域の有機農業者がどこでどのような農業をしているのかについて把握すること、それから、有機農業での就農希望者の就農活動を支援すべき、新たに有機農業を行おうとする者に対する経営プランの提示、研修受入先の拡大などの整理をいたしました。
これらを踏まえまして、素案では、この項に新たに慣行農業から有機農業へ転換しようとする者を位置づけております。
さらに、第1段落の下から4行目以降でございますが、農業大学校等での研修教育の拡大、先進的有機農業者による研修受け入れの拡大、新規就農者等のための経営計画の作成支援を新たに追記をさせていただきました。
次の段落には、青年就農給付金といった各種就農支援策の活用についても記載をさせていただいております。
7ページでございます。
現行の基本方針において入れかわりました(1)でございますが、「有機農業の取組に対する支援」でございます。
この項のポイントでございますが、環境保全型農業直接支援対策の継続拡充、それから、マーケットニーズに対応した一定の産地化、ロット形成、低コスト化、それから、慣行農業による産地としての有機農業への転換、地域での有機種苗の確保のための支援などの整理をしました。
これらを踏まえまして、素案では、第2段落に環境保全型農業直接支援対策の活用、それから、第4段落に実需者等のニーズに応えるロットの拡大だとか、産地化の取り組み、地域における慣行農業からの転換ということ、それから、第5段落では、有機種苗の確保を図るための有機種苗の採種技術の講習や、優良な取り組みに関する情報発信の支援ということを新しく記載をさせていただいております。
7ページでございます。
項目だけ記載されておりまして、「有機農業により生産される農産物の流通・販売面の支援」でございます。
この項の素案でございますが、現行の基本方針から構成をちょっと変更させていただきました。
具体的なお話でございますけれども、素案は3つの段落からなっていますが、第1段落では、有機農業による生産される農産物について、広域流通、それから、地域内流通の双方の拡大に共通する施策を記載させていただきました。
それから、第2段落では、有機農業により生産される農産物の広域流通の拡大のための施策を記載させていただいております。
第3段落では、地域内流通の拡大のための施策を記載ということでございます。
それぞれのこの項のポイントから御説明をさせていただきますと、ポイントの上から5つ目でございますが、国は、有機JASの認定手続を簡素化するなど、有機JASによる認定農産物を増やすための対策が必要。
それから、有機JAS認証の活用を促進するため、取得のための手続の簡素化や支援が必要。
直売所、インショップでの有機農産物の取り扱い、他業種との連携などによる多様な地産地消の拡大などの整理をさせていただいております。
以上を踏まえまして、素案では、第1段落に広域流通・地域内流通に共通する施策として、eコマース、電子商決済ということでございますけれども、それから、中食業者、医療・福祉業界その他の他業種の連携等による多様な販路の確保が1つ。
それから、第2段落では、広域流通の拡大のため、有機JAS認証等の知識の習得及び制度の活用、さらに有機JAS認証の取得・維持及び拡大を図ることとし、これに係る手続の簡素化等を検討ということを加えさせていただきました。
それから、第3段落でございますが、地域内流通の拡大のためのインショップ、直売所等での取り組みの支援、それから、6次産業化、農商工等連携による消費の創出の支援などを新しく記載させていただいております。
続きまして、9ページでございます。
第3の2つ目「技術開発等の促進」でございます。
このうち(1)といたしまして「有機農業に関する技術の研究開発の促進」でございます。
この項のポイントでございますが、土壌生物層に着目した科学的な土づくりを可能とする知見が必要という整理をさせていただきました。
これを踏まえまして、素案では、第2段落になりますが、有機農業の初期の経営の安定に資するよう、ほ場環境や土づくりの状態を把握するための微生物層等に着目した科学的指標の策定や、有機農業者が使いやすい土づくり等の技術体系の開発を記載させていただいております。
同じ段落の後ろ半分の削除部分ですが、線で消してある部分ですけれども、体制整備と関連する記述でございますので、そのままなくしたということではなくて、第4の(3)に「研究開発の体制整備」という該当箇所がありますので、そちらに移動させております。
それから、第4段落に有機農業等の研究ニーズの反映に関する記述を追加をさせていただいております続きまして、同じく9ページで、今度は(2)の「研究開発の成果の普及の促進」でございます。
この項のポイントでございますが、地域ごとの気象条件、土壌条件への適合化、それから、除草や防除のための機械化の開発・普及、それから、生産におけるコスト削減などと整理をさせていただいております。
これらを踏まえまして、素案では、9ページの第1段落におきまして、地域条件、先ほどの気象条件、土壌条件を整理した言い方ですが、地域条件への適合化や、低コストや軽量化につながる除草や防除の機械化等に関する研究開発情報の提供を新しく追加し、10ページの最初の段落になりますが、これらの研究開発の成果の普及に努めるということで記載をさせていただいております。
続いて、第3の3つ目「消費者の理解と関心の増進」でございます。
それから、4つ目「有機農業者と消費者の相互理解の増進」でございます。
この項のポイントでございますが、消費者に表示制度の理解をしてもらう工夫が引き続き必要であること、それから、有機JASや地方自治体が定める表示の認知度の向上、消費者と生産者が交流をもって相互の取り組みを行う産消提携が重要などと整理をさせていただきました。
これらを踏まえまして、10ページの素案の第2段落におきまして、これまでJAS法に基づく有機農産物等としてくくっておりましたJAS法に基づかないものの表示のルール、いわゆる特別栽培農産物に関する表示ルールでございますが、この部分を記述を抜き出して明記をさせております。
有機農業者と消費者の相互理解においては、相互理解の取り組みとして産消提携を新たに追記をさせていただいております。
続いて、第3の5つ目「調査の実施」でございます。
この項のポイントは、12ページにある7つ目、国の地方公共団体に対する援助において、地域において有機農業を推進するためには、その意義を理解することが必要とのポイントを整理させていただいています。
ということで、これを踏まえまして、11ページの素案の5の「調査の実施」におきまして、有機農業を推進することによる社会的・経済的効果の調査を新しく追加をさせていただきました。
それから、7番目の国の地方公共団体に対する援助において、第2段落の後半に有機農業が地域に果たす役割を理解するための先進的な取組事例と、有機農業に関する総合的な知識を習得できる研修の実施に努めることを新たに追記をさせていただいております。
続いて、12ページから14ページまでが第4「その他有機農業の推進に関し必要な事項」でございます。
12ページの第4の1つ目「関係機関・団体との連携・協力体制の整備」でございます。
このうち(1)の「国及び地方公共団体における組織内の連携体制の整備」でございますが、この項におきましては、現行の基本方針と同様、国及び地方公共団体の有機農業に関する生産、流通、販売及び消費の各段階における施策を担当する関係機関との連携を確保する体制の整備について記載をしております。
続いて13ページでございますが、(2)の「有機農業の推進体制の整備」でございます。
このポイントは、普及指導員の相談先となるアドバイザーの紹介ができる仕組みが必要ということでポイントの整理をさせていただきました。
これを踏まえまして、素案では、この項に新たに、国は、地方公共団体、関係団体と連携・協力して、有機農業を行おうとする者の支援や、普及指導員等の相談等に対応するため、有機農業に関するアドバイザーの導入について検討することを位置づけております。
続いて、同じく13ページの(3)でございます。
「有機農業に関する技術の研究開発の推進体制の整備」でございます。
この項のポイントでございますが、研究開発における関係者の情報の共有だとか、横の連携等の整理をいたしました。
これを踏まえまして、関係者間の情報共有や連携を図りながら、有機農業に関する研究開発の計画的かつ効果的な推進に努める旨を記載をさせていただいております。
続いて、同じく13ページの2の「有機農業者等の意見の反映」でございます。
この項におきましては、施策の策定に当たっての有機農業者の意見を反映させるための措置ということで、引き続き、ほぼ現行の基本方針どおりの記載とさせていただいております。
14ページの3の「基本方針の見直し」でございますが、この項においては、この基本方針について、平成26年度からおおむね5年間ということで、時制の更新ということにさせていただいております。
ということで、以上、第2の目標に関する事項、第3の施策に関する事項、第4のその他の事項における記載を踏まえまして、第1を次のとおり追記等を行っております。
戻っていただいて、第1の記載の5つの観点でございますけれども、有機農業推進法の第3条の基本理念に記載のあります5つの事項でございます。
ちょうどいい機会なので、お手元の青い紙ファイルの第1回小委資料をお開きいただきたいと思います。
現状と課題の資料の中の1ページの下段に推進法の基本理念の要約が書いております。
そこにアンダーラインが引いてあるかと思うのですが、これがまさに有機農業推進法の基本理念の主要な部分を抜き出した部分。
この5つのポイントが、実は第1の5つの観点になっているということでございます。
ということで、素案に戻っていただきまして、第1の1つ目でございますけれども、「農業者が有機農業に容易に従事することができるようにするための取組の推進」ということで、地域の気象条件、土壌条件等の適合、先進的有機農業者による就農相談、研修受け入れの拡大、新規就農者の経営計画の作成支援といったことを新たに記載をさせていただいております。
それから、2つ目「農業者その他の関係者が有機農業により生産される農産物の生産、流通又は販売に積極的に取り組むことができるようにするための取組の推進」におきましてですが、第1段落において、有機農業に取り組もうとするものが相当程度存在することと、それから、需要の増加が見込まれることから、生産の拡大、流通、販売の確保を図っていくことが重要という記述をしております。
また、第2段落の最後でございますが、多様な業者との連携による広域流通や地域内流通の推進が必要というふうに書き加えさせていただいております。
それから、3つ目「消費者が容易に有機農業により生産される農産物を入手できるようにするための取組の推進」でございますが、消費者が容易に有機農業により生産される農産物を入手できるよう、多様な販売機会を設けること、それから、有機農業により生産される農産物の適正な表示、知識の習得、制度の活用により、消費者の信頼を確保することが重要とさせていただいております。
4つ目「有機農業者その他の関係者と消費者との連携の促進」については、新たに産消提携の取り組みの記述を加えさせていただきました。
5つ目の「農業者その他の関係者の自主性の尊重」につきましては、第2段落で、技術体系の進展状況を踏まえた修正を一部させていただいております。
以上、第1から第4までの御説明となります。
以上でございます。
蔦谷座長
ありがとうございました。
それでは、御意見を伺ってまいりたいと思いますけれども、項目がかなり多岐にわたっているということでありますので、区切って御意見をいただければと思います。
今、事務局から御説明がありましたように、第1については基本的な事項ということで、2以下の全体の総括的な位置づけになるということですので、最後に一括して改めて御意見をいただくことにして、とりあえず3ページ、第2の「有機農業の推進及び普及の目標に関する事項」を先に御意見をいただいた上で、それから、第3、第4と、逐次後ろまで御意見をいただいて冒頭の第1に戻ってくると、そんなことで審議をお願いしたいと思います。
それから、今日、山内委員が御欠席をされているわけでございますけれども、山内委員からは御意見を頂戴しているということでありますので、審議いただく内容に応じて、事務局から御紹介をいただくと、そんな形でとり進めてまいりたいと思います。
それでは、第2の「有機農業の推進及び普及の目標に関する事項」、3ページから6ページまでにわたっておりますけれども、こちらで御意見をお願いしたいと思います。
どうぞ、お願いいたします。
三浦委員、お願いします。
三浦委員
農研機構の三浦です。
特に技術開発・体系化の件について意見を述べさせていただきます。
4ページの2の「(2)有機農業に関する技術の開発・体系化について」です。
ここに書かれていることはこれでいいかなと思うのですけれども、県だけではなくて、我々独法もそうですし、大学、あるいは農業者と連携という言葉がすっぽり抜けていまして、実際、県だけでこの技術体系を全て確立していくというのはかなり難しいハードルかなと思いますので、これらとの連携の中で県が主体的に地域や気象条件に適合した技術開発を行うというニュアンスのほうがいいかなと感じました。
それから、もう一つは、「有機農業の技術体系を確立するとある。
」のですが、これも5年間でどこまでやるのだというところがあって、こういうふうに書かれると、全て確立しないといけないのかということで、この間言いましたように、研究者や技術者が少ない中で、全ての品目について技術体系を確立するのはかなり難しいかなと思うので、この辺、主要な品目というか、もちろん網羅するほうがいいのでしょうけれども、特に県としてこの辺に力を入れているよというところだけでもしっかり技術を確立する、あるいは生産者向けのマニュアルを作成するとか、そういう形のほうがいいかなと感じました。
それから、5ページの中ほどのところなのですが、「有機農業が、化学肥料及び農薬を使用しないこと等を基本とする環境と調和の取れた農業であることを知る消費者の割合について」と書かれてあるのですが、これだけ見ると、環境保全型農業、いわゆる農薬を使ってもいい農業と余り違いがないように、上の段はもちろん「使用しないこと等」なのですけれども、その後の「環境と調和の取れた農業」という言葉だけでいいのかなというのは少し感じました。
そこは皆さんの御意見で少し言葉を考えていただければと思います。
第2のところについては以上です。
蔦谷座長
ありがとうございました。他にいかがでしょうか。
では、関委員。
関委員
関です、こんにちは。
4ページの有機農業の拡大の具体的な目標として、耕地面積に占める取組面積の割合を倍増させると書かれているのですが、1回目の資料でいただいた、有機農業に取り組んでいる農家数とか、栽培面積ということなのですけれども、これは推計値となっているのですね。
そういう意味で言ったら、統計的にも非常にわかりやすいのが有機JASということなので、逆に有機JASのほ場面積であるとか、農家戸数についても具体的な目標値をきちっと、この中のシェアを占めるなり、それを1%にするとかいうふうな明記をしていただけないかなと思います。
もし面積ということであれば、農家数も書かれているので、逆に農家数をもっと具体的に、倍にしましょうみたいな形でもいいのかなと思うのですが、具体的に統計的な根拠としてわかりやすいという意味では、有機JAS認定の農産物と面積と農家数というのは非常に明確であると思いますので、ぜひそのことは考えていただきたいなと思います。
それから、4ページの有機農業に対する消費者の理解、50%以上と書かれているのですが、これも1回目の資料のときに出していただいた中で、意見は、有機農業はそんなにわからない人もいますよということでしたけれども、具体的な推進に対する消費者の理解の増進のデータから見ると、80%の人が理解していますと書いてあることを踏まえると、80%以上とするほうが、数字の見方からしても適正ではないかと考えます。
それと、技術のところなのですけれども、私は余り具体的にわからないのですけれども、各地域の中に有機農家と連携して、この地域の1軒の農家の1ほ場を全部各地域でつくって、それを水平展開して、農家との密接な関係をもうちょっと国の施策としても入れ込んでいくという形にすると、地域との絆がもう少しできるのではないかと思いますので、少し考えていただけたらと思います。
以上です。
蔦谷座長
ありがとうございました。他にいかがでしょうか。
塩冶さん、お願いします。
塩冶委員
塩冶ですけれども、少し意見を述べさせていただきます。
技術のところで先ほど三浦さんが言われた内容につきましては私も同感でありまして、品目も非常に多種多様でございますので、ここで「確立する。
」というふうにすぱっと言われておりますけれども、そのあたり、どこまでどうやるのかというところが非常に難しいなと思っておりまして、先ほど主要品目と言われましたけれども、島根県においても、まずは基幹の作物である水稲からやろうとか、そういった形で絞って、まずはこの品目からやっていこうということでやっております。
各県、特徴のある品目があると思いますので、まずはそれを選択して仕上げていくという形での取り組みが必要ではないかと思っております。
それと、数値目標等は設定せずに、定性的な形でとにかく頑張っていこうという形で設定されたことはいいことだと思っておりまして、その点はよろしいのではないかと思っております。
あと、都道府県の普及体制のことが書いてありまして、農業革新支援専門員等の普及指導員を配置して、普及指導体制を整備するのを100%ということで書いてありますけれども、今、なかなかそういった人材がいないのが正直なところでありますので、そういったところを育てるための研修をどのような形で展開していくのかというところを普及の担当課のほうでも検討していただいて、現在の研修体制の中で有機を普及指導していく、その中心となる方をどうやって育てていったらいいかというところを、書いてある内容はこれでいいと思うのですが、では、具体的にそういう人材をどうやって育てるのかということをぜひ御検討いただければと思います。
以上です。
蔦谷座長
ありがとうございました。他にいかがでございましょうか。
千葉委員、いかがでございますか。
千葉委員
私も今の塩冶委員のおっしゃっていた農業革新支援専門員というところが引っかかっていまして、具体的にどのような人がその役割をするのかなというのがすごく疑問で、それは県の中の職員のどなたかがなるのか、そのビジョンというか、具体的なものが見えないなというのが疑問です。
蔦谷座長
ありがとうございます。
では、金子委員、いかがでしょうか。
金子委員
今のところは皆さんので十分です。
蔦谷座長
近藤委員はいかがでございましょうか。
近藤委員
4ページの(3)の「有機農業に関する普及指導の強化」のところで、2行目に「国や地方公共団体による研修の活用」という文言がありますけれども、これ、やっているところもありますし、やらないところもあるし、普及推進を図る上で非常に受け身の表現になっていると思うのですね。
有機農業推進法では行政に対する義務づけの表現になっていますね。
基本方針では非常に衰退して、一、二歩引いた表現になっていると思うのですね。
ここは一歩踏み込める表現が望ましいと思います。
蔦谷座長
ありがとうございます。他によろしいでしょうか。
それでは、一通り御意見いただいたということで、今の総括をしておきたいと思います。
目標の設定の考え方については基本的に御賛同いただき、数字の設定も、一応、妥当な線で出していただいたと、そういうことでよろしいかなと思います。
あと、4ページでございますけれども、有機農業の拡大のところで、全体の数字は数字としてあるけれども、関委員からお話がございましたけれども、有機JASしか統計的に明確になった数値がないということで、有機JAS自体の目標、逆に言えば複数の目標というか、全体の目標の内訳として有機JASの目標みたいなものが設定できないだろうかと、こういう御発言だったのではないかということでございます。
全体が1%、あるいは現状の0.4%というのも、推計値、有機JASにプラスしてということでありますので、基本的には明確な数値は明確な数値としてはっきり抑えた上で、推計値がこれにのっかって、どうかということで、より実効性というか、レベル、精度を上げていくという意味では、内訳としてそういったものができるのであれば、そういったことも並行して目標値に入れるということは検討していただいてはいかがかと思います。
それから、(2)の有機農業に関する技術の開発、それから、体系のところでございます。
ここは言ってみれば一番ポイントになる、推進をしていく、生産のところでは大変大事なところになるわけでございますけれども、要は、全体で主要品目を絞り込まないと、なかなかこれは難しいのではないのだろうかという御意見が幾つか挙げられたということでございます。
気持ちとしては、できるだけ早く確立していくということでありますけれども、現場サイドでは若干優先順位をつけながら取り組んでいくということも、一応、認めていくというか、そういった形にしてみてはどうかという御意見をいただいているわけでございます。
それから、普及指導の関係ということで、これは5ページでございます。
塩冶委員、千葉委員からございましたように、基本的に農業革新支援専門員自体が現実にどうやって確保できるのだろうかと。
そういったものがあることが大変望ましいわけでありますけれども、そこのところを実際に確保していくため、若干、人材の育成みたいなことを、中身として配慮していく必要があるのではないかということだろうと思います。
それと、もう一つは、普及指導員、普及制度の問題ですね。
これをもう少し前向きに捉えて、あるいはそういった人たちの活用という面を強調してみてはどうだろうかと、こういったお話が出たのではないかということであります。
それから、ここはもし御意見があればお伺いをしたいと思いますけれども、有機農業に関する消費者の理解の増進というところでございます。
ここについては、50%以上を目指すということでやってきたわけでありますけれども、一方で、十分な理解が進んでいるとはなかなか言いにくいという実態もあるわけであります。
80%の理解が得られたという、一応の取りまとめをした関係もあって、ここのところをバーを上げてはどうかということになっているわけでございます。
この辺についてはいかがでしょうかね。
では、お願いいたします。
近藤農業環境対策課長
若干事務局のほうから御説明したいと思います。
まず、1点、最初に御指摘のありました4ページの2の(1)の有機農業の拡大の目標、有機JASの話もどうかという話がありましたけれども、この小委員会は有機農業推進法に基づいた基本方針ということで、目標を掲げるとなると、これは多分、一番のメーンの目標になりますので、それについては有機農業推進法に基づく定義、その範囲で目標を掲げるということで考えて今の形にしております。
内数として有機JASの目標を掲げるのはありだと思いますけれども、打ち出しということで考えますと、こちらのほうで考えるのが妥当かなと考えております。
それから、面積なのか、どうなのかという話も、事務局でも大分議論しました。
農家数だけだと、1人1人の個人の持っている拡大が加味できないという観点もありますので、目標というのはばらばらあってもいけないので、そういう点では、拡大という目標としては面積がいいのかなと我々は考えておりますが、またこれについて御意見あればいただきたいと思っております。
それから、(2)につきまして三浦委員からありました、都道府県において技術体系を確立する際には、いろいろな人が連携してやるべきだというのはおっしゃるとおりだと思っております。
ただ、ここに書かなかった理由は、目標のところなので、前段部分が多過ぎると何を言っているのかよくわからなくなってしまうと。
これはいろいろな人に読んでもらったときに指摘があったのですが、連携の話はすごく多く載っているのですね。
かつ、最後にまた連携だけの項目をつくっております。
施策のところを余り抜いてしまうと味気なくなるので入れておりますが、目標のところは、後ろのほうの関係機関の連携の研究のところにしっかり書いてありますので、そういう意味で若干省かせていただいたと。
要するに、読みやすくするというだけの話でございます。
それから、有機農業の技術体系を確立するという観点、これだと広過ぎるのではないかと。
主要品目を中心にとか、あるいは基幹作物を初めとしてとか、そんなことを考えてはどうかということだと思います。
これについては、いろいろな例を聞きながら、内部でも検討したいと思っております。
それから、近藤委員からありました研修の活用の「活用」というのが何か引けているのではないかということで御理解すればいいのでしょうか。
書き方については検討させていただきたいと思います。
それから、農業革新支援専門員については、担当課が来ておりますので、後ほどそちらから御説明したいと思います。
それから、(4)の消費者の理解の増進で、1点、おおむね平成30年までに50%以上という目標を80%にしたらどうかという話なのですが、確かに1回目の資料で見ていただいたとおり、有機農業って何となくわかるよというのは8割できております。
ただ、中身がよくわかっているという人はまだ3割ですので、そっちのほうを上げていくというイメージを我々は持っているということで、これはたしか前回、何とか知っているよというのが8割なので、いいところまで来ましたねと言ったら、山内委員から、しっかり知っている人は増やすべきでしょうと言われたので、それを踏まえて変えたと、もとに戻しているということでございます。
それから、三浦委員から話をされました「有機農業が、化学肥料及び農薬を使用しないこと等を基本とする環境と調和の取れた農業」ということで、これは有機農業推進法に書いてある概念をそのまま書いております。
有機農業というのは単に化学肥料、農薬を使用しないだけではなくて、環境と調和のとれた、そういう全体のパッケージでという理念が入っていますので、そのまま踏襲させてもらっていますので、有機農業というのはそういうものだという理解のもとでこの法律が動いていますので、もし工夫のしようがあれば、アイデアをいただきたいなと思っております。
それから、関委員から、水平展開については、後で出てきますけれども、慣行農業の人たちにも転換を働きかけましょうということで書いてあります。
我々は地域として、小川町でやっておりますような、転作で、大豆で有機農業に取り組むという地域展開というのは十分わかっておりまして、そういうのを地域での取り組みという話でも入れておるということでございます。
ただ、それを目標に入れるというのは、今の段階で時期尚早ではないのかなと。
今はもう少し数を増やそうというところでやっていくべきではないか。
ただ、施策としては、後ろのほうでそういう方向を打ち出しているということでございます。
蔦谷座長
ありがとうございました。お願いします。
上原技術普及課課長補佐
生産局の技術普及課の上原と申します。普及制度を担当しております。
まず、千葉先生から農業革新支援専門員について御質問がございました。
農業革新支援専門員については、24年度から都道府県に配置をしているものでございまして、要は普及指導員の中から一定の経験を持つ者を都道府県が選定をして位置づけているものでございます。
分野ごとに9つの分野設定をしておりまして、例えば、土地利用型農業ですとか、環境保全型農業という分野ごとに配置をしているものでございます。
ですので、専門員は県の職員で、普及指導員の中のベテランの者が配置をされていると御理解をいただければと思います。
県の方針に基づきまして、普及活動の総括ですとか、あるいは研究行政との連携を担っていくということでございまして、有機農業に関するいろいろな技術を吸収して、またそれを普及指導員に伝えて、活動を総括していくという立場の人間でございます。
もう一つ御質問で、普及指導員への研修のところがございました。
研修については、今、全国段階では、つくばにございます農林水産省の研修所で座学形式の有機農業の知識を普及指導員対象に教えておりますのと、あと、座学だけではなかなか有機のノウハウなど、わからないところがございますので、有機だけは特別に実施をいたしておりますけれども、農業者の方のところに普及指導員を派遣いたしまして、現場で学んでいただくということも実施をしているところでございます。
さらに、この方針を踏まえました普及指導員の育成については、また基本方針の見直しを踏まえて検討してまいりたいと思っております。
蔦谷座長
ありがとうございました。
趣旨としては、とにかく農業革新支援専門員のレベルを上げて、実効として動いてもらえるような、そういうことをぜひお願いしたいという御意見をいただいたということでございます。
それでは、今、事務局からいろいろコメントもいただいたわけでありますけれども、念のため、それぞれもう一回確認をした上で先に進めさせていただきたいと思います。
目標の設定でありますけれども、基本的に1%ということについては皆さん合意をしていらっしゃるわけであります。
目標の数字は一本でというのが基本的な趣旨で御説明があったわけでありまして、その内訳としてというか、実績をチェックするときには、もちろん有機JASがベースになりながら加えていくと。
確かに目標をシンプルに捉えていくということではないかと思いますけれども、いかがでしょう、その辺は。
いろいろ御意見があろうと思いますけれども。
どうぞ、塩冶さん。
塩冶委員
目標の設定については、先ほど推進法の話がありましたとおり、それに定義された有機農業の部分を幾らにするかという面積の拡大、これが、今やっておられる人の拡大と、やられる人が拡大した上で、結果として面積に反映されるという考え方は理解するのですけれども、現状の0.4%の話にしても、有機JASはわかるけれども、ほかのところも捉えて、では1%になったのかどうかというところの最終的な判断とか、途中経過のところについて、どうやって把握するのかなというのが非常に難しいところだなと思っていまして、そこが、進んだ、進まないという部分がきちっとできれば、今のやり方でいいのではないかと思います。
蔦谷座長
いかがでしょうか。
近藤農業環境対策課長
御指摘は、我々も一番悩んでいるところです。
有機に関しては、もともとシェアが小さいということで、ベースを押さえるのが非常に難しいということがあります。
今、言っている0.4%についても、我々がやった特別な調査で、アンケートをもとに推計しているものです。
では、今後どうするのかというのは、今、事務方で詰めているところですけれども、ある程度網羅的に、全県的に調べるとなると、統計手法ではなかなか難しいので、県、あるいは市町村の御協力を得ながら把握するということになると思います。
今、全国の県の担当者、あるいは市町村の担当者が集まっていただきます全国会議でこの議論をさせていただいておりますけれども、一応、今のところの流れとしましては、県、市町村が把握している農業者の数、あるいは取組面積の数を我々として教えてもらうと、それを積み上げていくという方法しかないのではないかと話で、今、詰めております。
ただし、そこで一番議論になっているのは、どういう方を有機と言うのか、どこまで確認できるのか、そういう議論が出ておりますし、特に面積の確認については非常に難しいという議論を聞いていますが、我々、統計上の統計としてとることは非常に難しいと思っていますので、そういうことをベースとしながら、一歩一歩前に進むということでやっていきたいと考えております。
ですから、塩冶委員の質問に直接答える形になるかどうかわかりませんけれども、第1期でやった1回だけの調査ではなくて、各年で各県の把握している数字を教えてもらうという取り組みで把握していきたいと考えております。
蔦谷座長
おっしゃるように大変悩ましいところであるのですけれども、ただ、今回、私は大きく評価をしたいなと思うのは、1%という目標を出したということもあるわけでありますけれども、要するに、有機JASに加えて、実質有機でやっているところもあわせて評価もし、目標にして、要するに広く有機を展開していこうと、この姿勢が大変私は大事なところだと思うので、実際になかなか数字的に把握しにくい部分があるのは承知の話でありますので、そこのところはある程度推計値なりを入れながら、今、課長からお話がありましたように、徐々に精度を上げていく工夫をしていくということで、とりあえず1%の目標で、もちろん公表するときにはJAS、有機は何%だと、それがベースになった上で、推計値で全体で幾らと、こういう形で整理をさせていただければと思いますけれども、よろしいでしょうか。
どうぞ。
関委員
その考え方でもいいかなと思うのですけれども、普通、計画を立てるに当たっては、根拠になることがすごく大事だと思うのですね。
その根拠に基づいて、実際どういうことをするかということで評価が始まって、回っていくということだと思うのです。
その根拠となる数字については、私は有機JASを推進している立場でもありますけれども、そのことが一番わかりやすいので、そのことプラス有機農業推進法に書かれている有機農業という枠のところについては、もう少し議論するなり、もう少し早い段階で検証できるような手法をつくっていただかないと、絵に描いた餅になりかねないのではないか。
だから、手法を明確にするということは非常に大事だと思うので、そこをぜひ考慮していただきたいのと、できれば括弧で有機JASの割合を書いていただけたらうれしいなと。
でないと、なかなか一般流通のところに広がっていかないと思うのですよ。
せっかく後ろのほうでいろいろ書いていただいているので、もっとマーケットをつくっていこうという意味では、具体的なことを書いていただけたらうれしいなと。
無理だったらいいのですけれども。
蔦谷座長
お願いします。
伊藤課長補佐
内部でどんな検討をしているのかということをもう少し具体的にお話しさせていただいたほうがいいかと思うのですが、有機の面積を推計するときには、当然、把握できたものをベースに推計をするということでございます。
今回の1万6,000ヘクタールという数字なのですが、これは全国の市町村の20%を実際に歩いて調べて確定をさせていった数字です。
つまり、2割の市町村をベースに全国推計値を出したということでございますので、全ての市町村を悉皆で調べたわけではございません。
ということで、ある程度のサンプル数を確保して全国を推計するという方法はこれまでどおりできるのではないかと。
次のステップとして、どんなことができるのかということなのですか、1つは、やはり有機JASがきちんと把握ができているということです。
では、有機JAS以外を、どう把握するかということなのですが、1つはガイドラインという形で、県なり市町村が認定をしているものがございますので、有機JAS以外のもので、ここを基礎のデータとして拾っていただく。
県なり市町村が認定をしていますので、ここのデータを拾って、面積と、それから、農家数を把握するということ、これがそもそも全体でどのぐらいのシェアを持っていたのかということは基礎的なデータとして持っていれば、あとは全国値が幾らになるのかということが把握できるかなと思っております。
あとは、実際どのぐらいの市町村と都道府県がガイドラインのデータを持っているかを把握することと、これからサンプル数が非常に多くなるようにお願いをすることが必要になってくるかなと。
そんな形で全国の推計値というものを、先ほど課長からお話がありましたけれども、どんどん精度を高めていくことが可能なのかなと考えてはおります。
具体的な話はまた県庁とかと詰めながらやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
蔦谷座長
ありがとうございました。
努力を積み重ねながら、できるだけ精度を上げていく、公表できるような数値化を図っていくと、そういう方向でとりあえず進めていくということをお願いしたいと思います。
千葉委員、お願いします。
千葉委員
いろいろな御意見あると思いますが、私はどちらかというと、数字ももちろん指標として必要なのですが、この数字を出したことによって、恐らく国のほうからそういう情報をくださいということで、市町村、県に行くということが、県や市町村が、有機農業はどこにいてという情報を把握して、その情報によって新規就農者が、どこの方に教えてもらえるのか、どういう方をあっせんしたらいいのかという、後々に、0.4が1でも、幾つでも、私はそこは難しくてわからないのですが、それがあることによって波及効果がすごくあるのではないかと私は期待しておりますので、まず、有機JASだけではなくて、有機農業と言われるものをやっている人がいるということも把握していってもらえることにつながることを考えると、私の勝手な意見ですが、有機JASでなくても、それはそれでいいのかなと考えます。
蔦谷座長
ありがとうございました。
先ほどお話にありました、幅広く有機を捉えながら、統計的にはできるだけ精度を上げていくと、そういった努力を積み重ねていくということで整理をさせていただきたいと思います。
それから、5ページのところで、もう一つの数字が有機農業を認知しているかどうかという消費者の割合のところでございます。
前の資料をどういうふうに読むのかということもあるわけでありますけれども、この点、上岡委員、いかがでございますか。
上岡委員
座長からも、中身をもっと理解する消費者をということであれば、30%から50%というのは妥当なのかなと思いますけれども、「有機農業が環境と調和の取れた」というところで、生物多様性の保全をとか、そういった具体的な内容を入れていただけると、どこまで理解している消費者なのかというのが明確になるのかなという気がいたします。
先ほどの点で、有機JASをされている以外の有機農業をされている方の面積なり、人を増やすということに関してはもちろん賛成なのですけれども、2ページの3番目の「消費者が容易に有機農業により生産される農産物を入手するための取組の推進」ということで、JAS法の適正な表示というのが「さらに」の後にあるのですけれども、もちろん適正な表示ということは大事なのですけれども、そう書いたときに、有機JAS以外の有機農業者の方々がどういうふうに発信をしていけばいいのかなというところがちょっと気になった次第でございます。
済みません、この後、失礼するので、ついでに言わせていただくのですけれども、これから有機農業を支援していくに当たって、先日、さんぶの視察に行かせていただいた後に少し考えたことがありまして、この後にも出てくると思うのですけれども、さんぶのように、団体なり協議会なりをつくってやっていらっしゃる、そして地域の産地形成をやっていらっしゃる方々は、広域流通させるためには重要なのですけれども、暮らしのための有機農業ということで御意見もあったかと思うのですが、例えば、千葉委員のように、おひとりでも有機というものに対して、生物多様性を保全するのだとか、そういう農家もいらっしゃるので、産地形成の部分と、個人のそういった考えを持ってやっていらっしゃる方と、それぞれ別個に考えて有機を増やしていくという意味では、考えていく必要があるのかなと、この間の視察を見て、どちらも大事なことなので、そういう意味では、消費者の理解を増進するということは、個人の有機農業者の方が、環境と調和のとれたとか、生物多様性が大事ですよとか、そういったところをアピールしていける場だと思いますし、近藤委員からも、この間、食育という話がありましたので、有機農業をどう食育に使っていくかということを考えたときに、そういった環境との関わりをアピールしていく農家の方というのも必要ではないかと思っております。
済みません、ちょっと長くなりましたけれども、以上です。
蔦谷座長
ありがとうございました。
この数字自体の扱いをどうするのかということですけれども、できれば共通の認識としては、単に知っているというレベルではなくて、これからの有機農業の果たすべき役割なり、より有機農業の持っている多様な価値を認識してもらえる、そういう消費者を増やしていくという意味から言えば、名前だけ知っているということではなくて、もうちょっと中身を具体的に理解をするような消費者を増やしていくと。
そういう意味からいくと、まだ30%ということで、非常に低い状態にあるという意味では、この層を増やしていくということで、50%以上を目標にするというふうに、ここでの理解を統一をさせていただいた上で、50%、この原案というのでしょうか、これで整理をするということでいきたいと思いますけれども、いかがでございましょう。
よろしゅうございますか。
関委員
だから、ここのところをもう少し踏み込んだ表現をしていただくということですね。
今の状態だったら、80%というのと同じだと思うので、そこは踏み込んだ表現をしていただくということですね。
蔦谷座長
ありがとうございます。
現状維持という意味では決してない、レベルアップさせた上での50%と、そういう理解を確認をさせていただきたいと思います。
いただいた議論のやりとりで、ここで整理は一通り確認はできたのではないかと思います。
何かあれば、また頭のほうに戻って、改めて御意見をいただくということで、先に進ませていただきたいと思います。
第3の「有機農業推進に関する施策に関する事項」ということで、6ページから10ページにわたって項目が並んでおります。
これについての御意見をお願いしたいと思います。
金子委員、お願いします。
金子委員
金子でございます。
第3の(2)になりますけれども、「有機農業の取組に対する支援」ということで、7ページでございますけれども、1、2回の委員会の意見を大変丁寧に取り上げていただきまして、ありがたく思っております。
最後から2行目の「技術の講習や優良な取組に関する情報発信への」となっていますけれども、「等」を入れて、もうちょっと幅広く入れていただければと思っております。
次のページでございますけれども、8ページ、これも医療や福祉業界ということで、3行目に盛り込んでいただきました。
もう一つ、これから5年の間には、食だけではなくて、エネルギーの危機、3・11の後のガソリン騒動の問題等が間違いなくあると思いますので、福祉の後にエネルギーを入れていただけないかなと思っております。
私のところは、トラクターや車のディーゼル車は廃食用油で、ディーゼル代替燃料でほぼ技術的に見通しが立っておりますので、これからはサブシステムとして燃料を軽油だけに頼る比率を少しでも補完しておいたほうがいいように私自身は思っております。
そして、第3段落のちょっと上になりますけれども、これに係る手続の簡素化という項目がありますけれども、これは2つの意見が出ていたのではないかと思います。
1つは、手続の簡素化だけではなくて、有機JAS等には多少行政の費用負担をしてほしいということが両方出ていたと思いますので、手続の簡素化を有機農業者の負担軽減ということで、両方読ませていただく形の文言を入れていただきたいと思っております。
第3段落で、「地域内流通の拡大のために、国及び地方公共団体は、インショップ、直売所等による取組」の後に「取組や消費者への情報提供、表示の工夫を支援するとともに」ということで、有機JASと、あと、小さな有機農業ではなくて、その中間のところも入れ込んでいただければと思っております。
9ページまでの間では以上の2点、お願いいたします。
蔦谷座長
ありがとうございました。
今の御意見でありますけれども、確認をさせていただきますと、7ページの最後の行で「有機種苗の採種技術の講習や優良な取組に関する情報発信」の後に「等」を入れるということでよろしいですか。
この心をちょっと御説明いただけますか。
金子委員
有機種苗の項を、講習だけではなくて、例えば、ジーンバンクとか、そういうさまざまな取り組みが行われていますので、そういうことも含めてということで「等」を入れさせていただきたいということです。
蔦谷座長
わかりました。
文章からいくと、技術の講習や、それから、情報発信等ということで、もうちょっと広く取り組みができるようにということで、その心は、ジーンバンクという一つの事例で申されたと思うのですけれども、具体的に有機種苗を入手できるような、そういう仕掛け、仕組みみたいなことが考えられないかということではないかと思います。
この点、何かございますか。
近藤農業環境対策課長
今、「等」を入れるという話で、ジーンバンクということだったのですけれども、誰が何をやるジーンバンクなのか、ちょっとわからなかったので、我々、書くとなれば、具体的に想定ができないとなかなか書き込めないので。
今、独立行政法人がやっているジーンバンクがありますけれども、そのことのイメージでよろしいのですか。
金子委員
例えば、日有研などは、小さな個々の農家の固定種を一括に確保して、それを手にいれるような仕組みができていますけれども、それは各地に、個々にはあると思いますので、そういうものを含めた講習をしていただきたいなと思っております。
近藤農業環境対策課長
恐縮ですが、具体的なイメージがわからないので、国が支援することの必要性とかも含めて整理しないと、また後で御相談させてもらってということなのかなと思います。
三浦委員
済みません、関連して。
蔦谷座長
お願いします。
三浦委員
今の種子の供給で、ここの表現は「有機種苗の採種技術の講習や、優良な取組に関する情報発信」と書かれているのですが、この間から意見を述べさせていただいているのは、種苗そのものの供給に対して、国や都道府県がどういう関わりができるのかというところで、ここはあくまで情報発信なのですけれども、種子の配布であるとか、そういうところはこの中に入れなくていいのかなということと、あと、「種苗の採種」となっているので、これは表現の問題ですけれども、JAS法などでは「種子及び苗等」とか、そういう書き方をしているので、そういう書き方のほうがいいかなと思いました。
そういう意味で「等」という言葉は情報発信だけではないよという、私はどちらかというとそっちの意味かなと思ったのです。
蔦谷座長
ありがとうございました。
他に御意見いただいた上で、また事務局からまとめてお答えいただくようにしたいと思います。
どうぞ。
関委員
有機種苗のことについて記載していただきまして、本当にありがとうございます。
ついでに、厚かましいお願いなのですけれども、できたら、採種専業へ向けて、採種を専業とする業者を育成するとか、そういう文言を入れていただけたらうれしいかなと思いました。
具体的に形ができれば、もっとありがたいかなと思います。
以上です。
蔦谷座長
他にいかがでございましょうか。
近藤委員、お願いします。
近藤委員
8ページの冒頭の「国及び地方公共団体は」というところから支援策の内容に入っていくのですけれども、国と地方公共団体の役割がよくわからないですね。
どの事業を国がやって、どの事業を地方公共団体がやるのかを少し明確にしていただかないと、多分、実際運用面では、これは国だ、これは地方だと言って、結果、何もやらなくて終わるのではないかと思うのですが、こことこことは地方でやるべきもの、こういうところは国がやるべきもの、例えば、JAS法に関しては国がやる必要があると思うのですね。
有機JAS認証の取得・維持及び拡大を図る、手続の簡素化を検討するとなっているのですが、ここは非常に重要なところで、運用をもう少し弾力的にするとかやらないと、費用負担も含めてですけれども、ここが個人で有機農業に取り組む場合、非常にネックになっていますので、ここは何とか変更というか、弾力的に運用できるような方針にしていただきたいと思います。
蔦谷座長
ありがとうございました。他にいかがでしょうか。
よろしゅうございますか。
それでは、事務局のほうから、またコメントの必要があれば、今いただいた意見をまとめて、もう一回進めていきたいと思います。
7ページ、情報発信の後に「等」を入れたいという御意見をいただきました。
例えばということで、ジーンバンクという言葉も出たわけです。
要は、どうやってその種苗を確保していくのかということが問題になるということで、関委員からは、採種、種苗の専門業者の育成みたいなことも頭に置けないだろうかということが御意見としてあったわけでございます。
それから、その次の8ページでありますけれども、国及び地方公共団体がということになっているわけでありますけれども、ある程度を国がやる部分と、地方がやる部分と、明確に分けておかないとあいまいになるのではないだろうかと、こういう御意見をいただいたということであります。
それから、金子委員から、医療・福祉が入ったという意味では大変評価は大きいけれども、あわせて再生エネルギー、こういった業界もここにプラスして載せられないかということが出たわけであります。
それから、同じく金子委員から、手続の簡素化等を検討するという中で、手続の簡素化だけではなくて、消費者に対する情報の提供なり、表示の工夫についての支援とか、言ってみれば、費用負担なり、いろいろな負担の軽減を図るようなことも含めて、ここは記述をしてはいかがと、こういう御意見をいただいたわけであります。
事務局でこれについてのお考えがあればお願いしたいと思います。
近藤農業環境対策課長
まず最初に(2)のところの種苗の関係ですけれども、先ほどのジーンバンク等々については具体的内容を聞いて検討させていただきたいということと、あと、三浦さんが言ったような種子の供給というのは、基本的に有機農業も含めまして営農の一環ですので、基礎的な部分の資材費の供給までは我々は考えておりませんので、有機をやる人だったら誰でも種を配るよという話にはならないと思います。
種子の書き方については検討させていただきたいと思います。
あと、関さんがおっしゃった採種業者の話については、具体的に業界として、本当にそういうものをつくる素地があって、あるいはそういう流通を確保できる、販路の確保まで責任持てるような状況であれば、我々も御協力したいのですが、そういう素地を我々は把握しておりませんので、そこまで踏み込んで書くというのは非常に難しいのかなと考えております。
その件に関しましては、前回のときに近藤委員から御紹介がありましたように、イタリアなどで、確かにスーパーでも有機の種子が買えるという状況があると聞いておりますので、そういう方向にどういうふうに持っていくのか、長期的な検討課題ではないのかなと。
この前、近藤委員がおっしゃっていましたけれども、まずベースを固めなければいけないということだと思いますので、その辺等をあわせて検討していくことになるかなと思っています。
それが1点です。
それから、(3)の流通、販売面の支援ということでございまして、金子委員から、エネルギー業界の追加というのがありましたけれども、流通、販売という点でエネルギー業界との連携というのは何かあるのでしょうか。
医療・福祉の業界というのは、まさに医療・福祉の業界で有機の価値を認めていただいて、買っていただくという形が出てくると聞いていますので、ちょっとそういう事例も見えてきたので入れたのですけれども、エネルギーの関係で言うと、省エネも一緒に進めることを応援しろということではないかと思いますので、場所的にここではなくて、場合によっては「有機農業の取組に対する支援」の中に、我々は入っているつもりだったのですけれども、「有機農業に必要な技術導入を支援するため、堆肥の生産・流通施設その他の共同利用機械・施設の整備の支援に努める」の中で我々は広く読んでおるつもりでいましたので、現行でも今、省エネ施設、いろいろ御支援させてもらう場面もありますので、ここの中で読めるのかなと思っています。
金子委員
ぜひ再生エネルギーとか、省エネとかという、どこかに入れていただきたいと思っております。
近藤農業環境対策課長
どこに入れられるか、そこは検討させていただきたいと思います。
それから、近藤委員から話がありましたのは、国と地方公共団体の役割分担、非常に厳しい御指摘だなと思っておりまして、なかなか難しいと思っております。
同じ(3)の中段に書いてあります「さらに、国は」と、まさにここは「国は」と書いておりまして、そういうことを意識して書いているつもりです。
ほかのところは、それぞれの役割分担というのを画一的に書くのがなかなか難しいという判断であれですけれども、特にというところは、「国は」という形で書かせていただいているつもりでございます。
それが1点です。
あと、金子委員から、有機JASの手続の簡素化等ではなくて、多少費用分担もというお気持ちは重々わかるのですが、有機JASの経費について、国として、認証制度というのはもともと国として民間の団体が認証するという仕組みをつくっている中で、我々はどこに支援するのか、あるいは支援する必要性があるのかという議論があるのではないかと思っております。
それから、最後に、地域内流通のところで、消費者への情報提供というのは、連携のところで消費者への情報提供が全部書いてありますので、地域だけではなくて、全体の中で消費者の情報提供を位置づけていますので、そこはそういうことで御理解いただけないかなと思っております。
あと、もう一つ、表示の工夫の支援については、基本方針で書く話ではなくて、運用の中でやっていく話ではないかと私は思っております。
これについてもいろいろなところから意見をいただいておりまして、今の有機JASの運用についての、いろいろな問い合わせに対する情報提供が十分ではないのではないかというお話は承っております。
具体的に言いますと、Q&Aの中で、有機JASはここまでで、非有機JASの人がどういう対応であれば可能なのかという整理ができていますので、その周知が十分でないという話は聞いております。
それは基本方針に書くことではなくて、我々の業務の中でやることですので、重く受けとめて対応を考えていきたいと考えております。
蔦谷座長
近藤委員。
近藤委員
金子委員もおっしゃいましたけれども、ちょっと恥な話で、長崎県は特栽も有機も認証するときに、最低20万ぐらい認証機関に金を払わなければいけないのですね。
私はいつも言うのですけれども、なかなか県内のことを解決できないでいますが、これこそが有機農業を阻害しているのですよ。
やりたいという個人農家がいっぱいいるのに、20万も最初から負担させられたら、やれないと。
そういう事例を国の力で、推進方針を一方でやるのだけれども、阻害要因を一方でたくさんつくってしまって、どうしようもない。
こういう事例を基本方針の中で何とか、一歩踏み越えて前に行くような方針転換ができないかなと思うのですけれども、行政のプロの方がいらっしゃいますので、ぜひいい知恵を出してください。
近藤農業環境対策課長
おっしゃるところは重々聞かされております。
そういう点で、先ほど言いましたが、「さらに、国は有機JAS認証の取得・維持及び拡大を図ることとし、これに係る手続の簡素化等の支援策を検討する。
」と、なかなか難しいところを踏み込んでいるつもりでいます。
要は、今あるものをどういうふうにやっていくかということをしっかり見直しますよと、あるいは検討しますよと踏み込んでいまして、近藤委員のおっしゃっておりますのは、「手続の簡素化等」のところに込めているつもりです。
近藤委員
「手続の簡素化・負担の軽減」。
近藤農業環境対策課長
手続の簡素化を含めた負担軽減ということであれば、担当課も来ておりますので、そこは相談の範疇かもしれませんが、いわゆる負担の軽減というときに、国で経費の一部を出してくれというのは、これはちょっと難しいと考えています。
やはり認証というのは、経営の中での取り組みの選択ですので。
近藤委員
そういう話にしてしまうと進まないので、何とかしたいというところです。
その話をやると、こういう議論はほとんど意味がなくなる。
近藤農業環境対策課長
そうなのです。
だから、手続の簡素化とか、そういう中で踏み込んで、具体的に負担を軽減する形のものができないかという話をしたいと。
もう少し言うと、今の実際の認証のあり方、そういうことも若干頭に置きながら考えていくというのが、ここに込められている「等」だと思っていただければいいのかなと思います。
近藤委員
各県の事情によって、認証費用を全額負担している県もあるし、一方で我が県みたいな、膨大なコストをかけて有機農業の推進を阻害してしまっているという実態もありますから、せっかく今回、5年に1度の見直しをするのであれば、そこはちょっと直していただかないとね。
一方で広げると言いながら、一方で大きな壁を立ててくると言っているようなものだから、ここは工夫をお願いします。
大貝表示・規格課課長補佐
表示・規格課で有機JASの担当をしております大貝と申します。
認定機関の手数料の件なのですけれども、先ほど近藤課長から申しましたように、認定機関が定めることになっていて、国が支援ということは、手数料の面ではしていないところなのですけれども、認定機関の手数料が一目でわかるように、農林水産省のホームページで「手数料」をクリックしたら見られるようにはしております。
長崎県の事業者は長崎県内にある認定機関にしか申請を出せないわけではないので、そういった意味では、選ぶことはできるということで検討していただきたいということですね。
それから、支援ということで、簡略化ということがありますけれども、認定という以上、極端な簡素化というのは無理なのですけれども、一番声が大きいのが、記録作成がとても大変なので有機JASは取らないという声があるというところで、私たちにできることとしては、必要最低限の記録はこんなでいいのですよということを一例として示したい。
ホームページなどで公表することによって、こんなに簡単に取れるのだということをわかっていただきたいということで、今、それを作成をしているところです。
25年度はそういうことでやりますけれども、26年度は、今度は電子機器などを使って、例えば、パソコンで入力すれば、幾つもの様式に転記しなくても記録ができるようなものをつくって、有機JASで求めております格付実績の報告なども簡単にできるようにということを、今、検討しているところですので、請う御期待ということでお願いしたいと思います。
以上です。
蔦谷座長
ありがとうございました。
それから、山内委員から御意見をいただいておりますので、事務局から御紹介いただきたいと思います。
伊藤課長補佐
お手元に資料4がございます。
本日御欠席の山内委員からの御意見が来ておりますので、御紹介をさせていただきます。
全部で4項目あるのですが、御意見に関しましては、2と3のところでございます。
都合3つございますので、読み上げさせていただきます。
2.の部分については、以下の点について追加を検討願います。
[1] 新規就農支援における、研修受け入れを実施する先進農業者への支援の強化
[2] 新規に有機JAS認証取得をしようとする農業者への支援(経済的・実務作業軽減)(初年度、または、はじめの3年などと期限限定でよいと思います)
3.の部分については、わかりやすい方針にするための意見です。
[1] 8頁の「広域流通」「地域内流通」の言葉の定義がわかりにくいので、説明があるとたすかります。」
ということで、以上3点、御意見が来ております。
御紹介させていただきます。
蔦谷座長
ありがとうございました。
わかりにくいところ等々については、若干補足が可能なところはお願いをしたいということでございます。
とりあえず、今、2番目のくくりで御意見をいただいておりますけれども、よろしゅうございますか。
時間が大分押しておりますので、先に進ませていただいて、何かあれば、後でまた改めて御意見をいただくことにさせていただきたいと思います。
それでは、恐縮でありますけれども、10ページをお開きいただきたいと思います。
時間の関係で、恐縮でありますけれども、10ページ以下、一括して御意見をいただきたいと思います。
10ページから、最後が14ページですね。
ここまで通しで御意見をいただきたいと思います。お願いします。
金子委員、お願いします。
金子委員
金子でございます。
13ページになりますけれども、(3)の2の「有機農業者等の意見の反映」の2行目に「有機農業者等との意見交換」とあるのですけれども、第1期のときは、たしか2年間だったと思うのですけれども、有機農業推進委員会というのがありまして、発足当初、大変盛り上がって、有意義な集まりでした。
3年目からなくなってしまったのですけれども、これから本格的に展開する中で、相当な変化があると思うのですね。
そういうことに適切に対処するためにも、推進委員会の設置をぜひ入れていただきたいと思っております。
次は14ページですけれども、3行目の「販売及び消費の動向を常に把握し、その状況に応じた施策等の」とあるのですけれども、「その状況に応じた」の後に「表示制度のあり方、あるいは他分野との連携、市町村取り組みの推進状況の施策の検討を行う」という文言をぜひとも入れていただきたいと思っております。
蔦谷座長
済みません、もう一回、盛り込むべきものを繰り返していただいてよろしゅうございますか。
金子委員
14ページの3行目になりますけれども、「その状況に応じた」の後に「表示制度のあり方、他分野との連携、市町村取り組みの進捗状況等の施策の検討」にとつなげていただければと思っております。
蔦谷座長
ありがとうございました。他にいかがでございましょうか。
お願いします。
関委員
関連するかどうかわからないですけれども、せっかく有機農業を広げようということなので、有機農産物の日をつくってはどうかなと。
オーガニックという意味で、Oというのがあるので、ゼロのつく日をみんなでオーガニックを食べようというキャンペーンをするとか、その辺をぜひ課として取り組んでいただけたらうれしいなというお願いです。
蔦谷座長
ありがとうございます。ユニークな御提案です。
金子委員
文言に入れるのですか。
関委員
ええ。オーガニック、いいかなと思います。
蔦谷座長
他にいかがでございましょうか。
近藤委員
一度意見を申し上げていますけれども、11ページの4の「有機農業者と消費者との相互理解の増進」のところで、ヨーロッパの例を一度お話ししました。
有機農産物の普及指導員ですね、普及推進を図る仕組みをつくっていただけないかと。
一般的な施策ではなかなか広がっていかないというのが今までの5年間の経験でありましたので、食べてくれる人がいっぱいいると、まだ生産はついてくると思うのですね。
そのためには、食べ方も含めて、有機がどういうふうにいいのか悪いのかも含めて、普及する人を各県にせめて1人ずつぐらい配置をしていただいて、多分、生活改良普及員OBの方でも十分対応できると思うので、ぜひ検討いただきたいなと思います。
蔦谷座長
ありがとうございます。他にいかがでございましょうか。
塩冶さん、お願いします。
塩冶委員
アドバイザーについて盛り込んでいただいて、ありがとうございます。
ぜひ有効に活用できるような形で実際の組み立てを考えていただきたいし、できればまた活用させていただきたいと思います。
それと、先ほどの説明で、地域での経済的・社会的効果を調べて、そこの地域で有機農業がどんなに役立っているかというところを知ってもらうという取り組みをされると聞いたと思いますけれども、地域の農業において、有機農業がどういう役割を果たしているのかというところを、地域の行政のほうがよく理解をして進めていこうというところにつながっていくようなことで盛り込まれたのだと思いますので、これについてもぜひうまく活用していただきたいなと思っています。
先ほど就農の関係の支援の項目がありましたけれども、制度はかなり充実をしてきておりまして、国の制度も充実してきておりますし、島根県においても、県の単独の制度もかなり充実はしておりますが、いざ有機の人が相談に来たときにうまく回るかというところになると、少し差が出てくるところがあるのではないか。
有機でやりたいということについて、必ずしもそうですねということにならない。
やはり懐疑的な場合も地域によってはあると思いますので、制度があっても、有機でやりたいと言ったときに、同じような形で対応していただけるような状況になるためには、それぞれの地域でバックアップする側が理解をしていく必要があると思いますので、そういった点で、地域にとっての役割がきっちりとわかるような形になれば、非常にありがたいなと思います。
以上です。
蔦谷座長
ありがとうございました。他にいかがでございましょうか。
それでは、幾つか御意見をいただいておりますので、事務局のほうで意見なり、御説明があれば、お願いをしたいと思います。
1つは、11ページであります。
今の塩冶委員の社会的・経済的効果に絡めてということであります。
有機農業の地域での役割という意味では、これをどういうふうに活用していくのかということで、ここは意見というよりは希望ですね。
ぜひこれを実行して展開をしていってほしいという期待の御意見をいただいたということであります。
あと、就農支援制度について、大分充実はしてきているけれども、有機農業で対応ができるのだろうかと、このところが地域によってかなり差が出てくるのをどうやってカバーしていくのか、その辺の支援なり、指導を強化すべきではないかというお話をいただいたのではないかと思います。
それから、12ページでございます。
4の1の(1)ですね。
近藤委員から、普及指導員が有機農業の推進に具体的に関われるようにということでお話があったわけです。
日常的なレベルで有機農業の推進ができるようなレベルアップなり、あるいは場合によっては生活改良普及員ですか、そういった方々の活用等々もあり得るのではないかというお話があったかと思います。
それから、13ページでございます。
アドバイザー制度についてのお話もありましたけれども、あと、金子委員から、13ページの一番下でありますけれども、「有機農業者等の意見の反映」ということで、第1期については、有機農業推進委員会が設置をされて、大変有効に機能していたのではないかということで、これの再設置ができないだろうか、復活ができないだろうか、こういう御意見をいただきました。
それから、その次の14ページでございます。
3行目、流通、販売及び消費の動向を常に把握し、その状況に応じた施策等ということで、この中に表示制度のあり方、あるいは他分野との連携の問題、市町村の取り組みの進捗状況、こういったものをチェックをするなり、検討の体制を整備するということを、もう少し具体的にこういったものを並べて盛り込めないかという御意見をいただいたということでございます。
これに加えて、関委員から、オーガニックの日を設けてはどうかというアイデアもいただいたということであります。
全体について、事務局から、よろしくお願いします。
近藤農業環境対策課長
まず1点、経済的・社会的効果で、地域の活用というのは、まさにおっしゃるとおりでございますので、これは具体的にどういうふうに進めるかということを今後検討していきたいと思っております。
それから、相互理解のところになるのでしょうか、近藤委員から、生活改良普及員というのが前にありましたけれども、そういう人を活用したらどうかという御提案は承りたいと思っております。
また、塩冶委員からお話のありましたアドバイザー活用、しっかりやっていきたいと思いますし、また地域でのバックアップですね、そういうものも含めてできるような形で考えていければいいなと思っております。
それから、金子委員から話がありました有機農業者その他関係者及び消費者の当該政策についての意見や考え方を積極的に把握し、反映する仕組みについて、過去やっておりました推進委員会の設置という話がありましたけれども、これについても御意見として承って、具体的にどういうふうにするのか、できるのか、できないのかを含めて検討してまいりたいと思っております。
それから、もう一つありました14ページのところの、最後に座長からもお話ありました、その状況に応じた表示制度のあり方、他分野との連携、市町村の取り組みの進捗状況ということでございますけれども、他分野との連携というのは、そもそもここだけではなくて、全体を通じて書いておりまして、体制のところにも書いておりますので、特にここで書くということの、特筆する話でもないのかなと思っておりますので、それは消費のところを含めて書いておりますので、そういった形で御理解いただきたいと思っております。
また、市町村の取り組み状況に応じたというのは、なかなか難しい話でございまして、そこは概念としてはわかりますけれども、ここに書く形になると、どういう形ができるのか、我々としては市町村の目標のところで、先ほどうちの担当から申し上げましたように、いわゆる市町村の体制整備について、今までは県と同様に、当然、市町村当局とともに、有機農業者、関係する団体、実需者、流通業者、消費者、関係する民間団体を合わせた体制をつくりましょうという目標を掲げていました。
ただ、それですと、全国の半分の市町村ができるかといったら、無理ですので、やはり地域の状況に応じてそういう体制をつくっていただく。
簡単に言いますと、就農相談などに来たら、しっかり受けてよねと、そういう体制をつくりましょうというふうに、そこで明示しておりますので、ここでダブる形になってしまいますので、そこはそういう形で整理させていただきたいと思います。
あと、表示のあり方については、今の段階でいろいろな意見がありますので、ここで我々として云々という話はなかなか難しいというのが今の状況だと思います。
あと、関委員からお話がありました有機農業の日、オーガニックのゼロという話は非常におもしろいアイデアだと思いますけれども、どんなふうに取り上げられるのか、その可能性も含めて検討させていただきたいということでございます。
以上です。
蔦谷座長
ありがとうございました。
とにかく、何としても今回、計画を達成していきたいというか、第1期が終わって、本格的な有機農業推進という意味では、いろいろなアイデアを出していただいて、それを具体的に展開を、できるだけ1つずつ積み上げていきたいと、そんなふうに思って聞いておりました。
それでは、残りの時間が15分になってしまいましたけれども、最初のほうに戻っていただきまして、1ページの第1「有機農業の推進に関する基本的な事項」について、御意見をいただきたいと思います。
繰り返しになりますけれども、第2以下に書いたものをここにまとめて集約化をしているということであります。
全体のトーンなり、順番の問題等々も含めて、御意見等があればお願いをしたいと思います。
お願いします。
金子委員
有機農業の推進に関する基本的な方針の「はじめに」というところは、第2期になりますから削除でいいと思うのですけれども、第1の「有機農業の推進に関する基本的な事項」というところに、有機農業の意義等について、短くてもいいから書き込んでいただければなと感じています。
皆さん、御意見等があるかと思うのですけれども、1つとしては、有機農業を核とした環境保全型農業は、今後の農業の活性化にとって有力な方法なり手段であるという文言とか、そこら辺は皆さんの意見を聞いていただきまして、蔦谷座長にお任せしたいと思っていますけれども、ぜひとも御検討をお願いいたします。
もう一つ、第1期のときも私は委員を仰せつかったのですけれども、第1の1の1行半は削ってありますけれども、「有機農業は、現状では、病虫害の発生等に加え」というくだりがあるのですけれども、私たちみたいに30年、40年やっていますと、病虫害は出るのですけれども、そんな大変な問題ではないです。
結局、どういうことかということで、地上部の生物多様性が復活したことと、地中の中の土壌微生物多様性が復活しますと病気や害虫が出るのですけれども、大被害にはならないということで、「有機農業は、転換の初期の段階では」という文言ならわかりやすいのですけれども、そんなことが気にかかります。
蔦谷座長
他にいかがでしょうか。お願いします。
近藤委員
質問が1個ありまして、遺伝子組換えというところを消してしまったのはどういう理由によるものか、まずお伺いしたいと思います。
それと、金子さんの意見と重複しますけれども、この法律に基づいて基本方針を定めているのですけれども、生産を支援することに非常に偏っていて、社会的に有機農業がなぜ必要とされているのか、例えば、環境保全は有機農業を推進することによって、あるいは循環型農業を推進することによって環境が守られていく、あるいは食の安全が守られていく、だから有機農業が社会的に必要とされているのだというところを理念の冒頭に主張すべきではないかという気がします。
そうしないと、消費者に有機農産物、物だけを付加価値商品として買ってくださいみたいなことを言うと、今の社会情勢から言うと、少し偏ってしまうのではないかという気がします。
蔦谷座長
ありがとうございました。他にいかがでございましょう。
関委員。
関委員
有機農業の流通の推進のところで、医療とかいうことが書かれているのですけれども、もともと食が持っている健康に対する寄与というのですかね、実は、アメリカのほうですごくオーガニックが広がったと言われているきっかけは、マクガバンレポートが出て、食べ物をちゃんとしましょうよということから始まってオーガニックが広がったと伝え聞いていますので、せっかく医療とかいうことが出されていますけれども、医療費の問題とか、年金の問題とかを含めて、国民の健康に一番寄与するという意味では、農業もそうですけれども、有機農業の位置づけについて、少し足していただけるといいのかなと思いました。
蔦谷座長
ありがとうございます。
他にいかがでしょう。
全体のまとめということでありますので、意見が重複をするところもあるかと思いますけれども、全体を通じてということも含めて、御意見があればお願いしたいと思います。
どうぞ。
三浦委員
9ページの2番の技術開発の項が飛んだようなので、そこに関連してということと、あと、全体について少し御意見を述べさせていただきたいと思います。
9ページの中段ほどに、土づくりの件で「また、国は、有機農業の初期の経営の安定に資するよう、ほ場環境や土づくりの状態を」という表現があるのですけれども、私は何となく内容を知っているので、「初期の経営の安定に資するよう」というのは、意図はわからないでもないのですが、土づくりというのは決して初期だけではなくて、継続してやるものですし、場合によっては、必ずしも続けているからといっていい方向だけにいくというわけではないので、ここの文章、ちょっとわかりにくいところもあるので、「初期の経営の安定に資するよう」というところは要らないのではないか。
土づくり自体をきっちり考えていきましょうということでいいのではないかということを言いたかったので、ここをお願いしたいと思います。
それから、もう一つ、技術開発の中で、今日、種苗、種子の話が出ましたけれども、我々の機関は特に育種などを一生懸命やってはいるのですが、実は私、育種の研究者といろいろ話すことがあるのですが、有機栽培に適した品種の育成みたいなところが、これは我々の問題なのかもしれませんけれども、なかなかなされていないところがあります。
実際に使われている品種、例えば、大豆みたいなものを見ると、金子委員のところなどもそうなのでしょうけれども、慣行の育種はどんどん早生化していっている。
ところが、有機栽培で使う品種はどちらかというと晩生の品種で、在来種を使っていますよという方が多いわけですね。
それはそれでいいのですが、在来種というのはえてして生産性が低いとか、場合によっては病害虫に弱いとか、そういうところがありますので、そういうところについて、必要性があるのかなというところをぜひ金子委員や千葉委員にお聞きしたいなというのが2点目です。
それから、3点目、これは全体に対する意見の一つなのですが、最近、特区、特区というのがよく出てきます。
有機農業についても、この特区的なところを何かモデル的につくってみてはどうかなと。
地域的な広がりを持って、ある程度農地が集積していて、一定規模があると、そういうものがあれば、新しい技術の実証もできますし、あと、環境への影響評価みたいなものも、ぽつぽつと有機栽培のほ場があると、なかなかしにくいと思うのですが、ある程度まとまってくると、そういうものもできますし、あと、生産物としても当然ロットが集まってきますから、実需や加工業者などとの連携もできる、場合によっては、それを給食などに回して、食育にも使えるというところもあるので、その辺、モデル的にやったらどうかなというのが、これは私の意見です。
以上です。
蔦谷座長
ありがとうございます。他にいかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、事務局からコメントをお願いしたいと思います。
1つは、金子委員からございましたように、有機農業の意義のようなものをどこかに入れられないかというお話でございました。
近藤委員からは、生産に偏ってきた部分を、もうちょっと社会的意義にまで広めて、金子委員の意義については、もうちょっと広く捉えた形で入れられないかという具体的なお話があったということでございます。
それから、幾つかありましたけれども、近藤委員から、遺伝子組換えをなぜ落としたのか、そこのところの御説明をお願いしたいというお話があったわけであります。
それから、三浦委員から御質問がそれぞれの生産者にもあったわけでありますが、後でまた触れていきたいと思います。
特区なり、モデル的な取り組み、要するに、推進をしていくために、そういったことを考えてみてはどうかというお話をいただいたわけであります。
それから、関委員からは、健康への寄与ですね。
これもさっきの有機農業の意義に絡んでくる話だろうと思いますけれども、有機農業の位置づけの中で、健康の問題を絡めて強調することができないだろうかと、こんなお話があったわけであります。
あとは、三浦委員からお話ありましたけれども、9ページの「初期の経営の安定に資する」は特に明記をする必要はないのではないだろうかと、こういった御意見をいただいたということであります。
事務局のほうで。
近藤農業環境対策課長
それでは、私から。
まず、各論のほうから、9ページの三浦委員からありました「有機農業の初期の経営の安定に資するよう、ほ場環境や土づくりの状態を」云々という形で書いてあります。
これはもともとポイントで書いてあります、有機については、土づくりのための期間、初期の期間が非常に難しいということがあって、これを何とかする技術開発をしてほしいという話がありましたので、それをストレートに書いておりましたら、なかなかそれは難しいという話があったので、こういう幅広にしました。
もし今言ったような話であれば、もとに戻して、土づくりのための初期を軽減することを目的にという形にするのかなと。
要するに、一般論としての土づくりが大切だというのは農業全般の話ですので、有機農業は特に転換期が難しいと、先ほど誰かからもお話がありましたけれども、そういう話を前提として、ここでそれをちょっとやわらかく書いたという形になっております。
もしわかりにくいのであれば、ストレートに土づくりが大変なので、改善に資するようなという形に変えることも可能かなと思っております。
近藤委員
正確には技術の不足なのですよ。
初期だからではないのですよ。
近藤農業環境対策課長
現場で言われているのは初期だということで、その辺のものは当然あります。
ただ、それを言うと、ほかの一般農業も全部同じことになってしまいますので、農業全体の話をここで特記する事項はないということが我々の認識でございまして、おっしゃるとおり、土壌は特に極まりないところの複雑系ですので、これはなかなか科学的に難しいというのは我々も十分承知しております。
その中で一歩でも前に進んでほしいというときに、有機農業者が求めているものは、土づくりそのものが基礎中の基礎ですので、我々は認識しておりますけれども、特に、今、言われているのは、現場では、初期の転換について、助けてくれないかという話が多いということで、こういう表現にしております。
全体的な話はベースとして、それで考えたいと思います。
それが1点でございます。
それから、近藤委員からありました遺伝子組換えの記述を消したのは、有機農業の定義をここにもう一回書いていることがありますので、それを残す必要があるのか。
有機農業については、一定の定義、法律にも確実に書いてありますので、ダブる感じがしましたので、ここはあっさりいったほうがいいのではないかということで、定義としての話を削除している、要するに、ダブり感をなくしているということでございます。
それから、先ほど金子委員からありました、「有機農業は、現状では、病害虫の発生等に加え」のところは、初期の病害虫という話もありましたけれども、これはいろいろな意見があると思います。
そういう方もいますし、特に農薬を使わないという観点から難しいという話もありますので、いろいろな意見があるので、我々も悩んだところではございますけれども、今までの流れからして、急に変わる技術的なものもなかったと聞いておりますので、この辺はまた悩んでみたいと思いますが、今はなかなか難しいのかと思っております。
あと、金子委員、近藤委員、関委員からも話がありました有機農業の位置づけですね、その辺をどうするのかという話。
お手元の資料等々にもお配りしておりますけれども、今の基本方針の「はじめに」というのは、よく見ていただくと、基本的には、何でこの法律ができてきたかの整理をしております。
ですから、位置づけではなくて、法律の制定の意義を書いておりますので、それを第2回目まで残すことはなかなか難しいのかなということで「はじめに」は削除という形になっております。
一方、皆様のおっしゃった意義みたいなものを本当に書くとすると、この基本的な事項に書くということになると思います。
今言った意義とか、有機農業の、どちらかというと社会的意義について若干触れられないかということについては、一応、我々のほうの法体系なり、法律の事務を司る部署に聞いたところ、ここまで法律に書いてあるので、ダブりになるのではないかという指摘があったので、今回追記していないということはあります。
ただ、今日意見が出ましたので、「第1
有機農業の推進に関する基本的な事項」でどんな形で書き得るのか、検討させていただくことと、その文面については、先ほど委員から話がありましたように、もし可能であれば、蔦谷座長と相談しながら整理するということで検討したいと思っています。
それから、特区の話が出まして、我々もそういう特区が手が挙がればいいなと。
特区というのは我々が押しつけてはいけないものなので、地元から手が挙がってきて、その妥当性をやるということなので、そこは我々としても期待をさせていただきたいということでございます。
以上です。
蔦谷座長
ありがとうございました。
私から、今の座長一任ということも絡めて申し上げたいと思うのです。
やはり存在意義みたいなものがどこかに欲しい。
特に1期と2期は状況が変わってきたというところを強調できないかなという思いが大変しているわけでございます。
これは文章にどうやって表現するのかということも含め、あるいは技術的に落としてもやむを得ないところも出てこようかと思いますけれども、自然循環機能の増進を図っていく、ここが一番中心に来るのではないかということであります。
これはもちろん書けないわけですけれども、現状、第1期というのは、いろいろ進展はしてきたものの、国際的な比較等も含めて、決して十分とは言えないということで、より一層のレベルの向上というか、普及を図っていかなければいけないと、こういう状況にあるというのが1点だろうと思います。
それから、2点目として、今、担い手という言葉を使うかどうかは別として、とにかく新規就農者なり、転換を期待したい。
その中で有機で転換をしていきたいと、そういう人たちが大変増加をしている。
そういった意味では、これからの日本の農業の担い手を確保していくためにも、この数字というか、新規就農者なり、転換をリードしていくことは大変重要ではないか。
そういうものが増えているという一つの状況があるということであります。
それから、3つ目としては、有機農業についての理解が不十分ではあるけれども、一方で有機農産物に対する需要が確実に増加をしているという、ここがもう一つ、大きいポイントではないのかなということであります。
言ってみれば、ニーズに必ずしも十分生産が対応していない、そういう部分もあるのではないか。
あるいは、一方で流通で工夫することによって、こういったものをマッチングさせていくと、そういう余地が出てきているのではないか。
それから、4つ目でありますが、今回の一つのキーワードはやはり「地域」だと思うのですね。
これまでは全国レベルで取り組んできたということで、考え方の整理なり、技術の開発なりですね。
この5年を通じて、いかに地域におろしていって、きめ細かな取り組みに結びつけていくのかということに、今、なっているのではないかということです。
したがって、技術の問題もそうでありますし、一方で流通の問題も、これまでのいわゆる地産地消的な流通に加えてというか、それだけでは、広域流通、あるいはeコマースも含めて、新たな流通の分野、そういったものも視野に入れた形での位置づけ、したがって、地域というのは狭い地域だけではなくて、生産者と消費者、そういう関係性を持ったものを地域と呼ぶのが適切かどうか、そこの部分はあるわけでありますけれども、そういうところが大変重要になってきている。
交流なり、連携なり、関係者を含めて、要するに、生産者、消費者に加えて流通業者、いろいろな関係団体も含めた形での連携を強めていくと、こういったことが大変重要ではないかということであります。
思いは、とにかく今回初めて目標を出したわけでありますけれども、目標をつくって終わりということは絶対許されない。
今日、皆さんに御審議をいただいたわけでありますけれども、これをブレークダウンしてやっていくためには、できれば認識を明確にしておきたい。
そういう中で、以下の基本的な事項等々という形で流せないかなと。
宿題というか、大変申しわけないのですけれども、私が感じているのは、そういうものをトライアルしてみていただいて、可能なところをすくって、この中にできるだけ入れていきたい。
先ほどの意義ということでは、それぞれ意見があろうかと思いますけれども、とりあえず努力をしてみて、最終的にはパブリックコメント、また改めて皆さんと協議をして決定をしていくという段取りになりますので、そんなことで、済みませんけれども、もう一汗かいていただければということです。
よろしくお願いしたいと思います。
それでは、予定の時間を経過してしまいましたけれども、全体を通じて、どうしてもということがあればお伺いしたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
よろしゅうございますか。
それでは、本日の小委員会の審議を踏まえて修正を行っていただいた上で、パブリックコメントの募集を11月に行うと、こんな段取りになるわけでございます。
恐縮でありますけれども、修正した部分については、座長に基本的には一任をいただくということで、個別にお聞きすることはあろうかとは思いますけれども、基本的には私に一任をさせていただきたいということで、よろしくお願いをしたいと思います。
以上をもちまして、今日の第1の議題は終わったということでございます。
第2の議題の「その他」でありますけれども、事務局から連絡事項について、よろしくお願いします。
伊藤課長補佐
それでは、事務連絡をさせていただきます。
本日の御審議を踏まえました修正については、先ほどお話のとおり、座長の御了承をいただいた後、11月以降となりますが、パブリックコメントの募集を行う予定でございます。
また、次回の第4回でございますが、パブリックコメントを経て取りまとめたものを御用意させていただく予定でございます。
日程につきましては、1月以降になるかと思いますが、後日、事務局から委員の皆様に御連絡を差し上げたいと思います。
以上です。
蔦谷座長
ありがとうございました。
それでは、以上で本日の議事は全て終了いたしたわけでございます。
今日は基本方針についていろいろ御意見いただいたわけでありますが、パブリックコメントを踏まえて、第4回の小委員会、年明け、お忙しい時期でございますけれども、改めて開催を通知をさせていただきます。
審議も最終の大詰めになるということでありますので、引き続きよろしくお願いをしたいと思います。
では、これをもちまして本日の「第3回有機農業の推進に関する小委員会」を終了したいと思います。
ありがとうございました。お疲れさまでした。