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農林水産省

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令和元年度 第2回 農業保険部会(令和元年11月1日)

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1.日時及び場所

令和元年11月1日(金曜日) 13時00分~15時02分
農林水産省第3特別会議室

2.議事

(1) 家畜共済の共済掛金標準率の算定方式の考え方について
(2) 家畜共済診療点数表の改定の考え方について
(3) 家畜共済診療点数表付表薬価基準表に収載できる医薬品の基準及び価格の算定方法について

3.概要

13時00分  開会

◯土屋課長補佐
  定刻になりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会農業保険部会を開会いたします。本部会の事務局を担当しております経営局保険課課長補佐の土屋と申します。本日の部会は、委員改選手続後、初めての開催となりますので、後ほど、部会長を選出いただくことが必要となります。このため、部会長が選出されるまでの間、私が進行を担当させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
  それでは始めに、新しいメンバーもいらっしゃいますので、皆様の御紹介をさせていただきます。当部会の構成は、委員及び臨時委員を合わせて11名となっております。まず、委員につきましては、今年の7月6日に任期満了による改選が行われております。新たに農業保険部会を担当していただくことになりました上岡委員でいらっしゃいます。

◯上岡委員
  上岡です。どうぞよろしくお願いいたします。

◯土屋課長補佐
  栗本委員及び佐藤ゆきえ委員におかれては再任され、引き続き担当していただくことになりましたが、本日は都合により御欠席となっております。
  同じく再任され、引き続き担当していただくことになりました染谷委員でいらっしゃいます。

◯染谷委員
  染谷です。よろしくお願いします。

◯土屋課長補佐
  同じく再任され、引き続き担当していただくことになりました前田委員でいらっしゃいます。

◯前田委員
  よろしくお願いします。

◯土屋課長補佐
  続いて、臨時委員の御紹介です。鴻上委員でいらっしゃいます。

◯鴻上委員
  鴻上でございます。よろしくお願いします。

◯土屋課長補佐
  今年の7月23日に新たに臨時委員をお引受けいただくことになりました佐藤加寿子委員でいらっしゃいます。

◯佐藤(加)委員
  弘前大学の佐藤加寿子です。よろしくお願いします。

◯土屋課長補佐
  佐藤繁委員でいらっしゃいます。

◯佐藤(繁)委員
  よろしくお願いします。

◯土屋課長補佐
  浜野委員でいらっしゃいます。

◯浜野委員
  浜野です。よろしくお願いします。

◯土屋課長補佐
  古谷委員でいらっしゃいます。

◯古谷委員
  古谷です。よろしくお願いいたします。

◯土屋課長補佐
  堀田委員でいらっしゃいます。

◯堀田委員
  よろしくお願いします。

◯土屋課長補佐
  また本日は、家畜共済小委員会の座長から、小委員会における審議の経過報告がございますので、御紹介をさせていただきます。片本専門委員でいらっしゃいます。

◯片本委員
  片本です。よろしくお願いいたします。

◯土屋課長補佐
  本日は、当部会の委員及び臨時委員合わせて11名のうち、9名の方に御出席いただいております。所属委員の3分の1以上の出席がございますので、食料・農業・農村政策審議会令第8条第1項の規定に基づき、本部会が成立しておりますことを御報告いたします。
  次に、農林水産省の出席者を紹介させていただきます。上田経営局担当参事官でございます。

◯上田参事官
  上田でございます。よろしくお願いします。

◯土屋課長補佐
  玉置保険課長でございます。

◯玉置保険課長
  玉置です。よろしくお願いします。

◯土屋課長補佐
  谷保険監理官でございます。

◯谷保険監理官
  谷でございます。よろしくお願いします。

◯土屋課長補佐
  森垣保険監理官付監理官補佐でございます。

◯森垣監理官補佐
  森垣です。どうぞよろしくお願いいたします。

◯土屋課長補佐
  江守保険監理官付経営専門官でございます。

◯江守経営専門官
  江守と申します。よろしくお願いいたします。

◯土屋課長補佐
  次に、議事の運営でございますが、食料・農業・農村政策審議会議事規則第3条第2項によりまして、審議会は公開が原則となっております。本日の会議につきましては、これまでと同様公開となります。議事録等につきましても公開することになっておりますので、御了承ください。また、御発言をされる際は挙手をしていただき、お手元のマイクでお願いいたします。本会議はペーパーレスにより実施し、会議の資料はお手元のタブレットで御覧いただきます。タブレットの使い方を御案内させていただきます。タブレットの画面上方にあるタブのうち、御覧になられる資料番号、例えば「説明1」というタブをクリックしていただきますと、画面左側の「しおり」というところに、その資料のページ一覧が表示されます。該当のページ番号をクリックしますと、そのページを御覧いただけます。タッチペンを使われる場合は、先端側にあるボタンを押して電源を入れてから御使用ください。御不明な場合は、審議の途中でも、お近くの事務局員にお声がけください。また、資料は正面のスクリーンでも御覧いただけます。
  それでは、開会に当たりまして、上田参事官より御挨拶を申し上げます。

◯上田参事官
  委員の皆様、本日御多忙のところ本部会に御出席賜りましたことにつきまして改めて御礼申し上げたいと思います。令和元年度食料・農業・農村政策審議会農業保険部会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げたいと思います。
  今年度は、5月27日に第1回の農業保険部会を開催いたしましてから、この半年足らずの間に、台風、或いは大雨による大きな被害が続けて発生したところでございます。まずは、お亡くなりになられました方々の御冥福をお祈りするとともに、委員の中にも被災に遭われた方がいらっしゃるとお聞きしておりますが、全ての被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
  被災された方々が一日も早く生業を再開できるよう、農業保険はもとより、農林水産省全体として万全の対策を講じてまいる所存でございます。
  本日は、家畜共済の料率の算定方式、或いは診療点数及び薬価の基準について御審議をいただきますが、これに先立って、家畜共済小委員会が7月31日と8月1日に開催され、専門委員の皆様にも熱心な御審議をいただいたと伺っております。家畜共済小委員会の報告を踏まえて、忌憚のない御意見を賜り、御審議の上、答申をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
  また、本年1月からスタートいたしました収入保険は、2年目に向けた加入促進がこの秋から本格的に始まっております。この間の推進状況についても、本日御報告をさせていただければと思っている次第でございます。
  委員の皆様方におかれましては、今後とも農業保険制度の発展に御支援、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げ、私の挨拶とさせていただきます。どうぞ本日はよろしくお願いいたします。

◯土屋課長補佐
  本日は、委員改選後、初めての農業保険部会でありますので、まず、部会長を選出していただく必要がございます。食料・農業・農村政策審議会令第6条第3項の規定によりまして、部会長は「部会に属する委員の互選により選任する」ことになっております。
  当部会の委員は、上岡委員、栗本委員、佐藤ゆきえ委員、染谷委員、前田委員の5名でございます。この5名の中から互選ということになります。
  なお、本日御欠席となっております栗本委員及び佐藤ゆきえ委員からは、両委員とも、上岡委員を推薦する御提案をいただいております。部会長の選任につきまして御意見がございましたらお願いいたします。
  染谷委員、御意見か御提案がございましたらお願いいたします。

◯染谷委員
  委員の中からということですので、上岡委員に是非部会長をやっていただきたいと思います。

◯土屋課長補佐
  前田委員は、いかがでしょうか。

◯前田委員
  同じくよろしくお願いいたします。

◯土屋課長補佐
  皆様から上岡委員の御推薦がありましたが、上岡委員、いかがでしょうか。

◯上岡委員
  承知いたしました。よろしくお願いします。

◯土屋課長補佐
  それでは、上岡委員に部会長をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。恐縮ですが、上岡委員には部会長席に御移動いただきますよう、お願いいたします。
  これ以降の当部会の運営につきましては、上岡部会長にお願いすることといたします。よろしくお願いいたします。

◯上岡部会長
  部会長を拝命いたしました東京農業大学の上岡でございます。この部会には初めて参加させていただきますので、不慣れな点も多いかと思いますけれども、どうぞ御指導いただきたいと思います。
  先ほど上田参事官の方からもお話しがありましたとおり、やはりこの未曾有の大雨ですとか異常気象によって大きな農業被害が昨今起こっております。そういった意味では、今日は家畜の共済ということでございますけれども、農家の皆様が安心して生産活動をしていただけるように、重要な会議であると思っております。どうぞ先生方の忌憚ない御意見をいただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  それでは、早速でございますけれども、議事を進めさせていただきますが、まず、部会の運営のために部会長代理を決める必要がございます。食料・農業・農村政策審議会令第6条第5項によりますと、「部会長に事故があるときは、当該部会に属する委員及び臨時委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理する」となっておりますので、私の方から指名をさせていただきたいと思います。部会長代理につきましては、共済事業について幅広い知見をお持ちである佐藤繁委員に引き続きお願いしたいと思っております。佐藤委員、いかがでございましょうか。

◯佐藤(繁)委員
  はい、承知いたしました。務めさせていただきます。

◯上岡部会長
  どうぞよろしくお願いいたします。
  それでは、会議次第の4「議事」に移りたいと存じます。本日は、令和元年5月27日付けで農林水産大臣から諮問がございました家畜共済の料率の算定方式、診療点数及び薬価基準につきまして、審議をお願いしたいと思いますが、まず、議事の運営に関する説明をさせていただきます。
  前回の農業保険部会を踏まえまして、諮問事項のうち、診療点数及び薬価基準につきましては、7月31日と8月1日に家畜共済小委員会において調査審議が行われております。家畜共済小委員会における調査審議は、食料・農業・農村政策審議会農業保険部会運営内規第4条の規定によりまして、部会長が指名する専門委員が行うこととなっておりまして、また、同内規第5条第1項の規定により、小委員会には、部会長が指名する座長を置くことになってございます。そこで、専門委員のメンバーについては、後ほど御報告いただきます説明資料4の「食料・農業・農村政策審議会農業保険部会家畜共済小委員会報告概要」の名簿にございます方々に、また、座長につきましては片本専門委員に、6月17日に当時の部会長より指名がありまして、先般、調査審議が行われたところでございます。本日の部会では、小委員会における審議の経過を踏まえまして、改めて審議を行い、当部会の結論を得たいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  それでは、これより審議を始めたいと思います。まず、家畜共済の被害状況につきまして、前回の部会で御質問がありました病類別事故頭数の推移も含めまして、事務局の方より御説明をお願い申し上げます。

◯谷保険監理官
  保険監理官、谷でございます。私の方から、説明資料の1に基づきまして、病類別事故頭数の推移について御説明させていただきたいと思います。座って説明させていただきます。
  この資料でございますけれども、こちら前回の部会におきまして、最近の事例の増減について、より詳細に示して欲しいという御指摘がありましたことを踏まえまして、取りまとめたものでございます。1ページ目のところに概要をまとめておりますけれども、具体的なデータにつきましては、2ページ目、3ページ目の別紙を御覧いただければと思います。
  では、内容について御説明したいと思います。基本的な事項といたしまして、この10年間において加入頭数等を見ますと、乳用牛、肉用牛共にですね、1割ほど加入頭数が減少をしております。それに伴いまして、事故頭数、事故件数もそれぞれ減っているところでございます。特に豚につきましては、加入頭数はほとんど変わっておりませんけれども、事故頭数、事故件数共に半分以下に減っております。これは飼養衛生管理が徹底されてきたことなどが要因かと思われます。
  次に、事故の内容について御説明をしたいと思います。まず、牛について御説明をしたいと思います。牛ではそれぞれの事故が一様に減少したということではございませんけれども、特に増えたものを見ますと、肺炎等の呼吸器病、神経系病、それから牛白血病等のウイルス病につきまして、10年前よりも増加傾向が見られます。この要因について、現場の獣医師の方々からお話しを伺ったところ、全国的に農場の経営規模が拡大する中で、急激な規模拡大が起こったような場合には、飼養管理体制の整備が間に合わずに、例えば一たび肺炎が発生をすると、同居している他の家畜にも感染が広がってしまうために、それが事故の増加につながっているような例も見られるという話しを聞いております。また、神経系の病気につきましては、これは事故の件数そのものが増えたということではなく、これまで産後疾患に分類されておりました牛の起立不能につきまして、原因究明が進みまして、それが末梢神経異常によるものということが分かったため、神経系の病気に分類されるようになったということでございます。
  他方、減少したものといたしましては、第4胃変位等の消化器病ですとか、乳房炎等の泌乳器病、子牛の下痢を症状とするコクシジウム病等の原虫・寄生虫病が減少をしております。また、豚につきましては、どの病気も減少傾向にあるというところでございます。これらの減少の要因でございますけれども、農家の飼養衛生管理に対する意識が向上して、新しいワクチンですとか予防薬が普及したといったことが、こうした事故の減少につながっているのではないかと考えられます。
  昨年度末には、こうした事故の発生状況を踏まえまして、国が費用の一部を負担している損害防止事業の対象疾病の見直しをしております。子牛の寄生虫性腸炎に代えて、牛の呼吸器疾患も加えておりますし、今後も家畜の事故低減に資するようなデータを収集して、分析を行ってまいりたいと思っております。
  続きまして、説明資料2について併せて御説明をさせていただきたいと思います。こちらは家畜共済の被害状況について取りまとめをしたものでございます。平成28年度から30年度の金額の被害率と、25年から27年の前3年とを比べましたところ、説明資料5の9ページのところにもございますけれども、まず、死亡廃用共済における金額被害率は全体として1割弱上昇をしております。また、疾病傷害共済は約15パーセント低下したということでございます。
  これにつきまして、家畜の種類ごとに動向を見ましたところ、牛、馬におきましては、近年の需要増を受けまして、家畜の価格が上昇しているということを原因といたしまして、廃用事故に対する共済金の増加が起こっているということでございます。また、肉用牛それから繁殖用の雄馬につきましては、頭数ベースの被害率が上昇をしております。この要因といたしましては、家畜の価格上昇によって、繁殖牛の飼育期間が長くなることによって事故が増えているということが考えられます。また、育成過程の牛におきましては、最も被害率の高い子牛、胎児の価格が特に上昇をしておりまして、それが死亡事故に対する共済金の増加に影響しているという風に考えられます。豚につきましては、全体的に見ますと、金額被害率は低下をしております。ただ、より詳細に見ますと、一部の県におきまして被害率が上昇しております。これにつきましては、豚の流行性下痢、PEDが多発しているということが背景にあると考えられます。
  また、疾病傷害共済における金額被害率は15パーセント低下と先ほど申し上げましたけれども、これにつきましても動向を調べましたところ、牛につきましては、診療費がおおむね横ばいであったことに対し、家畜の価格が上昇したことから、全体として被害率が低下をした、それから、馬につきましては、診療費それから家畜の価格が共に上昇したということで、被害率が横ばいになったと考えられます。また、豚につきましては、診療費が増加した一部の県におきまして被害率が大幅に上昇しておりますので、こうした結果になっているということでございます。以上です。

◯上岡部会長
  ありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、何か御質問等がありましたら、お受けしたいと思いますが、何かございますでしょうか。片本委員はいかがでございましょうか。何かございますでしょうか。

◯片本委員
  ございません。

◯上岡部会長
  皆様、他によろしいでしょうか。はい、ありがとうございました。
  御質問がないということでしたので、続きまして、諮問事項の1「家畜共済の共済掛金標準率の算定方式の考え方について」ですが、その前に、料率にも関係しておりますので、諮問事項の2「家畜共済診療点数表の改定の考え方について」及び諮問事項の3「家畜共済診療点数表付表薬価基準表に収載できる医薬品の基準及び価格の算定方法について」、この2つを一括して審議してまいりたいと思います。
  まず、事務局の方より御説明をお願い申し上げます。

◯谷保険監理官
  それでは、説明に入る前に、まず、前回の部会の際にお示しいたしました諮問の内容について、改めて簡単に御説明させていただきたいと思います。
  諮問文の別紙1を御覧いただければと思います。今回の諮問におきましては、家畜共済の共済掛金の標準率の算定につきましては、直近3年における各年の実績金額被害率を基礎とし、必要に応じて修正を行ったものを各年の被害率とするということで、それぞれ見直しをすることとしております。
  それから別紙2、家畜共済診療点数表の改定でございますけれども、こちらにつきましても、この前と同様に、最近における獣医学の進歩ですとか医療機器等の進歩によりまして、種別、備考の追加などの点数の見直しを行うという内容になっております。
  続きまして、別紙3でございますけれども、家畜共済診療点数表付表薬価基準表に収載できる医薬品の基準及び価格の算定方法でございますけれども、こちらにつきましても、これまでと同様に、共済の対象である牛、馬それから種豚の治療に用いる医薬品であることですとか、小動物や人に対して用いる医薬品に該当しないことなどの要件を設けるということが示されてございます。また、価格の算定方法につきましては、平成29年度から新しい算定方法を用いておりますけれども、その中で、製造原価が著しく上昇した既収載医薬品につきましては原価計算方式によって算定するということと、それから、新規に収載された後発薬につきましては翌年に価格を調査することなどが記載されております。
  初診料を含めた診療費の1割自己負担が来年の1月1日からスタートするということにしておりまして、このため、これらの内容につきましては、令和2年の1月1日から適用するということにしております。
  続きまして、説明資料の3について御説明させていただきたいと思います。説明資料3を御覧ください。動物医薬品の供給の実態についてということで、こちらは、3年前の部会におきまして、価格の算定方法を変えたことによって現場で必要とされる医薬品の供給に支障を生ずることがないのか不安があるという御意見をいただいたことを踏まえまして、供給の実態について調べたものでございます。その結果、算定方法の段階的見直しを開始した平成24年度以降、収載医薬品で供給停止となったものは95品目ございます。最も多い年で24品目ございまして、少ない年では10品目ございます。参考までに申し上げますと、現在収載されている医薬品は約470品目になります。それらを製剤の種類ごとに見ますと、抗生物質製剤、代謝性用薬など多岐に亘ってございます。製造販売業者別に見ますと、17社ございまして、特に種類ですとか会社によって偏っているということはございません。また、薬価の下落によるものは1品目のみでございまして、この1品目につきましても、代替品が出ておりますし需要の減少もあるということもありましたので、価格の下落により現場が困るという状況にはなっていないということでございます。また、製造販売に要する原価が著しく上昇したことによるものも7品目ございましたけれども、こちらにつきましても、平成29年度以降に原価計算方式を導入して以降、こうした理由により供給停止となったものは1品目ということで、大きな影響はないという風に見ております。具体的には、その次の2ページ以降にございますので、また後ほど御覧いただければと思っておりますけれども、こうした実態につきましては、事務局から家畜共済小委員会においても御説明をいたしております。その上で、医薬品の価格の算定方法について御議論をいただいたというところでございます。私の方からの説明は以上でございます。

◯上岡部会長
  ありがとうございました。それでは続きまして、片本座長に家畜共済小委員会における審議の経過報告をお願いいたします。

◯片本委員
  はい、それでは7月31日、8月1日、2日間に亘りまして開催されました家畜共済小委員会において、私を含め7名の委員で調査審議を行いましたので、その概要の御報告を今からさせていただきます。
  それでは、本日の説明資料の4番をお開きいただけますでしょうか。「食料・農業・農村政策審議会農業保険部会家畜共済小委員会報告概要」でございます。大きな1番「家畜共済診療点数表の改定について」でございますけれども、その下に主な改正点について(1)から(4)までお示ししております。それで、順を追って御説明させていただきますが、まず、すみません、順を追ってと言いましたけれども、詳細の方から先に説明させていただきます。
  2ページ目ですね、別紙、諮問事項の2番「家畜共済診療点数表の改定の考え方について」というところ、2ページ目、御覧いただけますでしょうか。調査審議結果といたしまして、1番「家畜共済診療点数表中の種別及び備考の見直し」、諮問どおり、「最近における獣医学の進歩等により、種別及び備考の追加、変更及び削除を必要とするものについて見直しを行う」、これは適当と判断するということになりました。
  なお、具体的には以下のとおり見直す必要があると判断するということで、(1)第1診察料の種別に初診を追加する、(2)第6処置料の種別に関節洗浄を追加する、(3)洗浄の眼洗浄・涙管洗浄・鼻腔洗浄及び膣洗浄に包皮洗浄を追加する、(4)第6処置料の種別に静脈内灌流法を追加する、(5)第6処置料の種別に点眼を追加し、これに伴い、眼洗浄の備考を削除する、(6)第6処置料の種別に点耳を追加する、(7)第8手術料の種別に膀胱穿刺を追加する、(8)第3文書料の指導書及び第7指導料の指導を削除する、(9)第6処置料の瀉血を削除する、(10)往診の備考に、1戸であっても異なる場所を連続して往診した場合であっても、往診距離として計算できることを規定する、(11)薬治の備考1を医薬品を畜主に交付することをいうに変更する、(12)細菌分離培養検査の備考に、臨床型乳房炎について選択培地を用いた場合及び増菌培地を用いた場合の増点を規定する、(13)血液生化学的検査の備考に、ポータブル測定器を用いて血液中のβヒドロキシ酪酸を測定した場合及びポータブル測定器を用いて血液中の血液ガスを測定した場合の規定を追加する、(14)血液生化学的検査の備考に、血球数自動計数装置により血色素量を測定した場合は、本種別の点数を適用しないことを規定する、(15)血清学的検査をELISA検査、ラテックス凝集反応検査、血球凝集反応検査、沈降反応検査及びその他の血清学的検査に分類する、(16)第4検査料の種別にPCR検査を追加する、(17)外傷治療、その他の外科的処置及び切開手術の備考に、ギプス包帯を使用した場合及びギプスを除去した場合の規定を追加する、(18)切開手術の備考に、伸縮性接着包帯を使用した場合の規定を追加する、(19)開腹のその他の開腹の備考について、適用範囲を削除し、剥離、切除等の処置を行った場合の増点について規定する、(20)開腹のその他の開腹の備考を変更することに伴い、ヘルニア整復の備考より、感染を伴う臍帯遺残構造物の摘出を行った場合の規定を削除する、(21)子宮捻転整復の備考に、開腹により整復した場合の増点については、胎児の回転法の点数に加算することを明記する、(22)鎮静術の備考の適用範囲に超音波検査を追加する、(23)開腹の腸管手術の備考に、馬の結腸捻転の整復を行った場合の増点を規定する、(24)骨折整復の観血整復術の備考に、骨接合版を除去した場合の規定を追加する、ということになります。
  次、2番目「家畜共済診療点数表中のA種点数の見直し」についてですが、諮問どおり、「診療に直接必要な医療品等の費用の評価に用いるA種点数のうち、最近における経済事情の変化、獣医学、医療機器等の進歩等により、種別ごとに実態とその格差が生じている等必要なものについて見直しを行う」、これは適当と判断いたしました。
  なお、具体的には以下のとおり見直す必要があると判断するということで、まず、(1)膣脱整復について、陰門縫合を行った場合の点数を引き上げる、(2)開腹のその他の開腹について、備考にある適用範囲を削除し、剥離、切除等の処置を行った場合の増点について規定することに伴い、点数を引き下げる、(3)骨折整復の観血整復術の備考に、骨接合版を除去した場合の規定を追加することに伴い、点数を引き下げる、ということでございます。
  引き続きまして、3番にあります「家畜共済診療点数表中のB種点数とA種点数との差の見直し」についてです。諮問どおり、「診療に携わる獣医師の診療技術料等の評価に用いるB種点数マイナスA種点数のうち、最近における獣医技術の進歩等により、種別ごとに実態との格差が生じている等必要なものについて見直しを行う」ことは適当と判断いたしました。
  なお、具体的には以下のとおり見直す必要があると判断するということで、まず、(1)開腹のその他の開腹について、備考にある適用範囲を削除し、剥離、切除等の処置を行った場合の増点について規定することに伴い、点数を引き下げる、(2)骨折整復の観血整復術の備考に、骨接合版を除去した場合の規定を追加することに伴い、点数を引き下げる。
  次、4番でございますが、「家畜共済診療点数表の適用」ということで、諮問どおり、「改定後の家畜共済診療点数表は令和2年1月1日から適用する」ことは適当と判断されました。
  続きまして、諮問事項の3番となりますが、「家畜共済診療点数表付表薬価基準表に収載できる医薬品の基準及び価格の算定方法について」ということで、調査審議結果は、1番「収載できる医薬品の基準」として、「収載できる医薬品の基準」について、適当と判断いたしました。
  なお、「収載できる医薬品の基準」の(2)について、本小委員会の家畜共済診療点数表の改定に係る報告概要のとおり家畜共済診療点数表が改定される場合には、以下のとおり種別を追加する必要があるということで、(1)家畜共済診療点数表の第6処置料の種別に静脈内灌流法を追加することに伴い、静脈内灌流法を追加する、(2)家畜共済診療点数表の第6処置料の種別に点眼を追加することに伴い、点眼を追加する、(3)家畜共済診療点数表の第6処置料の種別に点耳を追加することに伴い、点耳を追加する、ということでございます。
  2番目「価格の算定方法」についてですが、収載医薬品の供給の実態を踏まえつつ、「価格の算定方法」について、適当と判断いたしました。
  3番目「家畜共済診療点数表付表薬価基準表の適用」ということで、諮問どおり、「改定後の家畜共済診療点数表付表薬価基準表は令和2年1月1日から適用する」ことは適当と判断いたしました。
  それでは最初の1ページに戻っていただきまして、主な改正点についてもう一度上から説明いたします。(1)「初診の追加」についてですけれども、農業保険法に基づいて、令和2年1月1日以後に共済掛金期間が始まる共済関係から、初診料が補償の対象となるため、適用範囲等を明確の上、初診の追加を行う。(2)「薬治の備考の見直し」でございますが、獣医師から畜主に交付する医薬品の範囲が拡がることで、獣医師の往診に係る負担が軽減され、畜主の金銭的負担も軽減されることから、薬治の備考を見直し、注射薬の薬治も共済金の支払対象とする。(3)「指導及び指導書の削除」についてですが、畜産の現場においては、疾病予防の目的で指導を行うようになり、疾病にかかってから、診療点数表の備考に定める指導、乳房炎等についての飼養法及び管理法の指導を行わなくなったことから、指導及び指導書を削除する。(4)「関節洗浄及び静脈内灌流法の追加」ということで、関節洗浄及び静脈内灌流法については、家畜の死廃事故の原因となる感染性関節炎等への効果が明らかになってきたことから、これらを追加する、ということになりました。
  2番目の「家畜共済診療点数表付表薬価基準表に収載できる医薬品の基準及び価格の算定方法について」ということですけれども、(1)「医薬品の価格の算定方法について」ということで、平成29年度より完全に加重平均方式へ移行した算定方法により、これまでのところ、収載医薬品の供給停止にほとんど影響を与えていない実態にあることから、これまでの算定方法は継続する、ということになってございます。以上でございます。

◯上岡部会長
  片本座長ありがとうございました。それでは、本件につきまして御意見、御質問がありましたら、よろしくお願いしたいと思います。いかがでございましょうか。かなり専門的な内容でございますけれども、御質問等ありましたら、挙手にてお願いいたします。

◯上岡部会長
  はい、佐藤委員お願いいたします。

◯佐藤(加)委員
  佐藤です。指導及び指導書の削除というところが、今、気に少しなったのですけれど、疾病予防の目的で指導を行うようになって、病気に罹ってからの指導ではなくなるから共済から外れるという御趣旨だと思うのですけれど、疾病予防の目的の指導は、今後共済外になるという理解でよろしいですか。

◯片本委員
  これまで疾病予防の目的で実際に指導が行われてきておりますが、点数表にあった指導が実際のものにそぐわないという判断で、従来の記載があったものは削除するということになったのですけれど。

◯森垣監理官補佐
  事務局の森垣と申します。私の方から補足させていただきますが、これまでも、病気に罹る前の指導というのは、現場で実際に行われておりまして、こちらは共済の対象外としてやってきているところです。あくまでも、今回削除されるのはその病気に罹った後の家畜に関する指導ということです。現在は、農家に対して、飼養家畜全体の飼養管理について、病気に罹らないように指導するという予防的な目的で行われているのが主流になっており、こちらの種別の方は、実際には使われなくなってきているということも確認しているところです。

◯佐藤(加)委員
  分かりました。ありがとうございます。

◯上岡部会長
  他にはいかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
  では、ないようでございますので、本件の審議を終了させていただきたいと思います。それでは、諮問事項2「家畜共済診療点数表の改定の考え方について」及び諮問事項3「家畜共済診療点数表付表薬価基準表に収載できる医薬品の基準及び価格の算定方法について」につきましては、先ほど報告をいただきましたように、家畜共済小委員会から具体的な御意見をいただいておりますので、これを部会の意見として取りまとめ、適当と認める旨、議決してよろしいでしょうか。

〔異議なしの声〕

◯上岡部会長
  ありがとうございます。皆様異議なしということで認めたいと思います。審議会の議事は、食料・農業・農村政策審議会令第8条第2項の規定によりまして、出席委員の過半数で決することとなっておりますので、本部会は本件につきまして適当と認める旨、議決いたします。
それでは、諮問事項の1「家畜共済の共済掛金標準率の算定方式の考え方」について、事務局より御説明をお願いいたします。

◯土屋課長補佐
  はい、土屋と申します。座って説明させていただきます。
  家畜共済の共済掛金標準率の算定方式について説明いたします。農業共済では、各事業とも3年ごとに料率の改定を行っておりますが、家畜共済については、昨年、平成30年度に御審議いただきました制度見直しに伴う全事業の料率改定に続く改定となり、料率の算定方式についても、昨年度と同様の方式としております。
  説明資料5のタブを御覧ください。「家畜共済の共済掛金標準率の算定方式について」というタイトルの資料でございます。料率の算定方式については、前回、5月の部会においても説明しておりますので、概要のみを確認する形で説明いたします。
  表紙の次の1ページ目を御覧ください。「家畜共済の共済掛金標準率の算定方式の考え方」というタイトルでございます。中央の細い縦の線から左側が、5月27日付けで行われた諮問の諮問文です。今回改定する料率は、令和2年1月1日以後に共済掛金期間が始まる共済関係から適用します。中央の線から右側が、諮問文の解説です。左側に諮問文、右側にその解説という資料の構成は、次ページ以降も同様でございます。算定方式の考え方ですが、「過去一定年間の被害率を基礎として、組合等の積立金の水準に応じた調整を行って算定する」というものであり、従前の農業災害補償制度における算定方式から変わりありません。
  次の2ページを御覧ください。ローマ数字の「1-1基礎被害率1」というタイトルです。ローマ数字の1が死亡廃用共済、この後に出てまいりますローマ数字の2が疾病傷害共済の項目で、それぞれ英数字の1が基礎被害率、2が共済掛金標準率のパラグラフという諮問文の構成になっております。まず、死亡廃用共済の基礎被害率ですが、右側にある表が、料率を設定する区分であり、被害率もこの区分ごとに整理します。表の左上に、「共済目的の種類」とありますが、これについて説明いたします。家畜共済では、牛、馬及び豚を対象としていますが、例えば牛と言っても、乳用牛と肉用牛の違いのほか、飼養形態や月齢も様々であり、それぞれの事故の発生率も異なります。このため、飼養形態や月齢の違いにより事故発生のリスク差に着目した区分を設定し、これを「共済目的の種類」と呼びます。関連しまして、例えば1年間の共済掛金期間の間にも資産価値が増加する肥育牛等については、従来期首の資産価値で評価していたものを、事故発生時の資産価値で評価し、より適正な補償金額となるよう、昨年度、制度見直しを行っております。このように、共済掛金標準率については、共済目的の種類ごと別々に設定することとしています。以上が「共済目的の種類」です。次に表の左下にある「除外される事故の区分」ですが、家畜共済には、火災、伝染病、自然災害といった一般には防ぎにくい特定の事故のみを共済の対象とすることで、その分、掛金が割り引かれる事故除外方式というものがございます。共済掛金標準率は、「共済目的の種類」のほか、こうした方式ごとにも設定することとしています。これらの区分に地域の区分も含めて、共済掛金標準率の設定の単位としています。
  次の3ページを御覧ください。「1-1基礎被害率2」というタイトルです。今回の料率改定において、算定に用いる直近3年間の共済金及び共済金額は、平成28から30年度までの年度区分に係るものとなります。実績の共済金等につきまして、制度改正後のスキームに則り家畜1頭ごとのデータから組替集計したものを用いるのは、昨年度の改定と同様です。
  次の4ページを御覧ください。「1-2共済掛金標準率」というタイトルです。死亡廃用共済の共済掛金標準率は、右側の図にありますように、直近3年間の共済金の累計を共済金額の累計で割った平均値に、積立金の水準を踏まえた所要の調整を行ったものとなります。
  この積立金の水準を踏まえた所要の調整の方法については、ページが飛んで恐縮ですが、8ページを御覧ください。「農業共済の共済掛金率の引下げ措置」というタイトルです。この調整方法は、平成23年度の農作物共済の料率改定から導入したものです。長年の事業運営の過程において、多くの共済団体で積立金が蓄積されているといった状況に対し、農家負担を軽減しつつ、国庫負担の軽減を図るため、安全率は原則付加せず、共済団体の積立金の水準に応じて共済掛金率の引下げを行うこととしています。家畜共済には6年前の改定から適用されています。家畜の価額の上昇もあって、多くの組合等が積立金を減らしていますが、依然として高い水準の組合等もありますので、今回の料率改定に当たりましても、従来と同様の調整を行うこととしています。具体的な対象組合等数は右側の表のとおりです。
  次に、戻りまして5ページを御覧ください。ローマ数字の「2疾病障害共済1」というタイトルです。疾病障害共済についても、基本的には死亡廃用共済と同様ですので、説明を省略させていただきたいと思いますが、補足だけいたします。
  6ページを御覧ください。「2疾病傷害共済2」というタイトルです。ここで、「必要に応じて修正を行う」とありますが、例えば病傷共済金の実績とは、その年度に適用されていた診療点数によって計算された金額となっていることから、これを先ほど御審議いただきました令和2年から適用する診療点数ベースの値に修正するといったことをいいます。また、実績の共済金等について、制度改正後のスキームに則り家畜1頭ごとのデータから組替集計したものを用いるのは、死亡廃用共済と共に、昨年度の改定と同様でございます。以上が料率の算定方式です。
  次に9ページを御覧ください。「(参考)家畜共済における金額被害率の推移(全国平均)」というタイトルでございます。本日の前半で御説明いたしました家畜共済の被害状況のとおり、平成28から30年度の金額被害率は、25から27年度に比べ、全体として、死亡廃用共済が1割弱の上昇、疾病傷害共済が約15パーセントの低下となっています。
  続いて10ページを御覧ください。「(参考)家畜共済の共済掛金標準率の算定結果(全国平均)」というタイトルです。以上のような考え方によって算定した共済掛金標準率の結果です。全国平均ですので、組合等ごとに適用される実際の料率の目安とお考えください。基本的には金額被害率とパラレルであり、死亡廃用共済については、牛及び馬が上昇、事故除外方式の引受が多い豚は低下、疾病傷害共済については、牛が低下、馬はおおむね横ばい、全国的にはまだ引受が多くない種豚は一部の県の影響を受けた結果となっております。家畜共済の共済掛金標準率の算定方式についての説明は以上でございます。
  最後に、今後の手順について説明いたします。本日の部会で御了承いただけましたら、告示を行い、来年1月以後に新たに始まる共済関係から、改定後の共済掛金標準率を適用することとしています。以上でございます。

◯上岡部会長
  ありがとうございました。それでは、本件につきまして御意見、御質問ありましたら、よろしくお願いいたします。本日は少々お時間もありますけれども、いかがでございましょうか。
  それでは、ないようでございますので、本件の審議を終了させていただきます。それでは、諮問事項の1「家畜共済の共済掛金標準率の算定方式の考え方について」につきましては、適当と認める旨、議決してよろしいでしょうか。

〔異議なしの声〕

◯上岡部会長
  ありがとうございます。それでは皆様異議なしということでお認めいたします。それでは、本部会は本件につきまして適当と認める旨、議決いたします。
  以上、諮問事項全てにつきまして議決いたしました。本部会の議決につきましては、「食料・農業・農村政策審議会における部会の設置について」の第2条第1項の規定によりまして、審議会の議決とみなすこととされておりますので、農林水産大臣に答申したいと思います。なお、農林水産大臣への答申につきましては答申文にて行うこととなっておりますが、その文面につきましては部会長へ一任していただくということで、よろしゅうございますでしょうか。

〔異議なしの声〕

◯上岡部会長
  はい、ありがとうございました。
  それでは最後に、直接の審議事項ではございませんけれども、収入保険の推進状況につきまして、事務局より御報告をお願いいたします。

◯玉置保険課長
  はい、保険課長の玉置です。よろしくお願いいたします。
では、参考資料の5というところを御覧いただければと思います。トップページが収入保険制度についてでございますが、これ従来からこれまで、この部会でも料率などの算定に当たってお示しをさせていただいたものでございます。収入保険については、平成31年1月からスタートということでございます。
  それで、2枚目をお開きいただければと思います。平成31年1月からスタートということで、個人の方、法人の方、それぞれいますけれども、まず、個人の方は、1月から12月までが保険期間になってございますので、この今、保険期間中でございますけれども、その方は平成30年12月末までに加入を申し込んでいただいて、平成31年1月からこの12月までが保険期間ということになってございます。法人の方々につきましては、それぞれの企業さんの事業会計年度に合わせて保険期間を設定しますので、12月から事業年度になるという方々は、11月末までまだ入れるという状況です。12月から開始される事業会計年度の企業とか法人さんは、まだこれから加入ということでございます。そこで、その加入状況ということで、左上にありますけれども、個人の方は既に加入全て済み、そして法人の方は加入手続中でございますけれども、8月末現在の加入実績は、様子見の方も多く、全国で2.3万経営体ということでございます。先ほど見ましたように、11月末まで法人に対する加入推進、加入手続を実施中ということでございます。
  2つ目の丸に移らさしていただきますけれども、実施主体であります全国農業共済組合連合会において、加入推進目標を定めております。青色申告農業者数が大体45万人いる形でございまして、その大体4分の1の10万経営体といったものを加入目標として、全国農業共済組合連合会が設定しております。それと比べまして、今2.3万人という状況でございますが、どういったところが多く加入しているのかということで、右の上の表を見ていただければと思います。実際加入実績で、目標と比べたりすると、愛媛、青森、こういった県が千人以上の加入者数があるということで、これがどういうことかと言うと、果樹県、みかん、りんごといったような果樹県が中心なのですが、そこにありますように、農業共済よりも収入保険の方が有利だという風に判断された方が、元々の果樹共済から収入保険の方に移行しているというような傾向が見受けられます。下の類似制度からの移行というのを見ますけれども、果樹共済については、4,500件ぐらいが移行されている。掛金を実際比べてみてどちらの方が有利だと、補償内容も含めてどちらが有利かということを考えて、果樹農家さんについては、かなり収入保険に移られてるということがあります。あと、もう1つの理由が書いておりますけれども、農業共済の今年度の掛金が上がった一部の県において、収入保険の加入率が高いということでございますが、これ、先生方にも御審議いただきましたが、収入保険も含めて、農業共済も含めて、今回から危険段階別の料率という、個人ごとそれぞれごと料率が違っている。過去に共済金をもらっている方は、共済金をもらっていない人よりも料率が高くなっているということがございます。元々農作物共済とか麦とか大豆とかで共済に入っていて、過去において共済金をもらってですね、今年どっちに入ろうかなというときに、過去に共済金をもらっているのでちょっと料率が上がりましたねといったような方々ですと、収入保険の方が料率が安いかなと、あと、補償の範囲も広いしなあというようなことも含めて御判断して、収入保険の方に入っているというような現状が見受けられます。
  そういったことで、類似制度からの移行状況を見ると、果樹共済、ナラシ対策からの移行割合が比較的高いということで、果樹共済またナラシというのは、自然災害は農業共済で、価格変動はナラシ対策でということで、そういう両方入っている人が、収入保険の方に移行するといったようなケースも多いと。野菜価格安定制度につきましては、移行割合は低いという状況でございます。
  品目別の加入件数につきましては、米が大体1万4,500件ぐらい、野菜が大体1万件、果樹が7,000件ぐらいというような、その作物形態から見ると、そういう加入実績になっているということでございます。
  次のページが、それを都道府県ごとに並べたものでございます。先ほど言いましたような、それぞれの経営作物、先の果樹県と言われるようなところの数字とか、米とか麦とか大豆とかの水田営農で作られている作物の地域、それぞれその地域地域の作物形態によって、加入の違いが出てきているという状況でございます。
  その次のページ、4ページ目をお開きいただきたいと思います。我々も、加入者からもアンケートを取ったり、またその後、様子見だという方々にも直接お会いしたりしながら、令和2年1月からまた新たな保険期間が開始になりますので、全国回って、いろんな声を聞きながら、どうしようかということも含めて検討したときに、更にいろんな声を聞きましたので、そこを載せております。収入保険に加入した方の声としては、一番上にありますけれども、それぞれ共済、ナラシ対策とか野菜価格の安定対策とバラバラに申請をしていって、それぞれに入って備えるということだったのですけれども、収入保険はそういったいろんなリスクを1つの制度の中で全て、リスクに対して備えられるということなので、そういった一本化した方が自分としては入りやすい、合っているというようなことがあります。
  またそれぞれ、元々そういったナラシ対策とか野菜価格安定という経営安定対策で備えていた人が、収入保険に移ったということの場合は、どういう判断で移られたのかということでございますけれども、例えばナラシ対策については、ナラシ対策は統計データで価格とかを取りますけれども、収入保険は実際の自分の経営の中の自分の売上で見るので、経営実態に合った補塡がされると。ナラシ対策以外の作物もやっている場合には、そこも含めて備えることができるというようなことですとか、あとは、ナラシ対策は補塡に下限というものがあるけれども、収入がゼロになっても補塡されるとか、あとは、先ほど言いましたように、実際にシミュレーションして掛金が安かったというような声があります。野菜価格安定については、野菜価格安定は価格低下だけの経営安定対策でございますので、自然災害に備えるためには収入保険しかないのだというようなことで述べられている方もおりました。
  一方で、右側は、様子見ということで、いろいろ考えたのだけれども、ちょっと今回はということで、そういった方々はどういう風に考えたのかなということでございますが、まず一番上はですね、いろいろな作物を組み合わせて生産しており、災害の経験も少ないことから、収入減少のリスクは余り感じないというようなことで、こういう地域性があるのかと思っています。過去、経営をしている中で、災害に遭ったことがないというような方もかなりいっぱいいらっしゃいますし、複合経営でですね、いろんな作物をやっていると、この作物が駄目になっても、こっちの作物はまあまあちゃんと収入があるので、そんなに収入がそこまで下がるという想定が今のところ考えられないんだよなといったような声も出てきたところでございます。
  あと先ほど、ナラシの加入者で様子見という方は、積立金は掛け捨てでないのだけれど、保険料の負担が大きいかなという声もあったりとか、あとは、収入保険はナラシ対策と異なり、1割の自己責任部分、一番上の基準収入から1割低いところから下がった場合という仕組みでありますが、そこの間の部分に補償があったらいいのになとの声があったりとか、あと、集落営農単位でナラシに加入していると、なかなか自分だけ抜けづらいと考えられる方がいらっしゃったりと。野菜についても同じような、そういう自分だけ移行するということに少し気が引けるというようなこともあったり、というような声も聞かれたところでございます。そういったことで、我々もこの1年間、いろんな農業者の声を聞いて、それぞれ想定していなかったニーズなどもいろいろあるということも含めて、令和2年1月からの新たな保険期間に入る前に、我々としてはどういったことをしていけばいいのかといったことで、いろんな工夫をしています。
  今、一番近々で収入保険のチラシを作ったものが、その次のページにあります。収入保険がサポートしますということで、両面1枚で簡潔にそのポイントを分かりやすく説明したものでございます。8つのリスクの小窓につきましては、これは従来からこういったことで説明しております。あと、収入保険のポイントの中もですね、1、2、3、4つ丸が付いてございますけれども、これにつきましては、制度を分かりやすくピンポイントで、こういったことが特徴だよといって、やっております。実際に4番目に、保険期間中、大きな損害発生時には、無利子のつなぎ融資で対応とございますけれども、実際、今年度におきまして、既に非常に保険金が出るような被害を受けられている方、既に事故報告が出ておりますけれども、保険金の前払い的なことで、この無利子のつなぎ融資が発動されている方がおります。その方については、当座、必要な金が手当てできて非常にありがたいというようなことも出てきております。また、その下の三角のところで、令和2年の収入保険から、安い保険料で加入できるタイプということを準備したということでございます。
  これにつきましては、後ろのページをもう1枚、次のページをめくっていただきますけれども、先ほど、我々もいろんなところを回っている中で、複合経営の方々にもいろいろ出会ったときに、収入の減少というものが、どの程度見込んでいるかといった話しを聴いたりしています。米だけ作っているとか、何か単品作物だけ作っているというと、もうその圃場全部やられてしまったら、収入がゼロになるリスクはあります。一方で、複数作物、例えば複数圃場、例えば場所も変えてですね、いろんな圃場でやっていれば、今回、気象災害でいろんな災害、非常にいろんな地域で非常に大きな災害が出ていますけれども、ここの圃場では被害を受ける可能性があるけれど、こっち側でダブルではなかなかそういったリスクは見込めないというようなことを考えたときに、自分の中でどのぐらいの収入減少、たとえ災害が来たとしても、このくらいかなということを考えられて、まあそこまではいらないかなというようなことを判断されたときに、普通の保険で言うと免責みたいな、ここぐらいまでは自分の責任でするから、こことここの間ぐらいのリスクに対して補償ができるようなやり方ってできないのかね、というような農家さんからの声もいろいろいただきました。これも一つそういう考えもあるのではないかと考えまして、令和2年1月からは、補償に下限、いわゆる免責部分を設けるみたいなことでございますけれども、半分5割まで、その9割から5割までとか、9割から6割までの部分、9割から7割部分までを補償しますよ、というようなタイプを新たに設けることにしたところでございます。複合経営の皆様方にも備えやすくすることは、国としても大事な取組と思っておりますので、そのような形を令和2年1月から設けることにしました。
  その次のページがその料率ということで、7ページ目は、元々昨年、皆様方にも御審議いただきました一番下まで含めて補償ができる部分の料率ということで、保険の80パーセントから以下の補償ということであれば、2.159というようなパーセンテージということでございました。
  それを、下限を設けた場合にどうかというのが8ページ目でございます。例えば一番上であれば、80から半分の50までということであれば1.956、80から60までの間を補償ということであれば1.728、80から70までを補償ということであれば1.231という形で、それぞれ過去の事故率なども含めて算定をして、元々の保険料率を作った際の実証事業のデータを用いて、それをそのまま、幅を見た場合、どういう料率になるのだという形で算定をさせていただいたものでございます。
  そういうことで、現状まだまだ、非常に周知不足の部分もあると、農家さんに会ったときも、詳しい説明をまだ聞いたことがなかったよ、というようなこともまだまだあります。まず令和2年1月期に向けて今、11月、12月、2か月ありますので、できる限り、台風災害、水害、いろんな災害があって、備えないと、その備えない方が農業経営にとってリスクであるという意識を持って、我々も全国行脚をし、いろんな農家さんに備えてもらうことを周知して、収入保険についてはシミュレーションしていただこうと、また、自分のリスクはどこにあるのか、そのリスクに対してどういうもので備えたらいいか、収入保険だったらどう備えることができるか、そういったことを農業共済組合の職員の皆さんたちとですね、提案をしながら、この保険でカバーできる幅が広いので、しっかり周知をしていきたいと思っております。以上です。

◯上岡部会長
  ありがとうございました。追加の資料がありますか。

〔資料配付〕

◯玉置保険課長
  今お配りしている資料の内容のほとんどは、今見ていただいている資料に入っているのですけれども、それ以外に今、食料・農業・農村政策審議会企画部会というのが開催されていまして、そこで農業保険関係の記載があるページを、既にホームページ上で公表されておりますので、それをちょっと抜粋したものを、皆さんに参考資料ということで配付させていただきました。

◯上岡部会長
  はい、ありがとうございました。収入保険について説明いただいたところでございますけれども、まだ時間がございますので、何か、まずは収入保険につきまして御意見等、御質問ございましたらお願いしたいと存じます。
  鴻上委員よろしくお願いします。

◯鴻上委員
  鴻上でございます。事前説明のときにいただきました参考資料の6というのは、今回は入っていないのですか。

◯玉置保険課長
  はい。事前説明をさせていただいたのは、下限を設けるという資料です。安いタイプで下限を設けてという。それも今、いろいろバージョンアップして、今日添付させていただいた資料になっておりますので、今日配付はしていません。

◯鴻上委員
  今日の資料の参考5の6ページのものですね。これがバージョンアップしたチラシ案ということでしょうか。

◯玉置保険課長
  そうです。皆様に御説明したチラシもいろんな御意見がありまして、ちょっと分かりづらいよというようなことも農家さんなり現場の方からも聞こえてきましたので、少しちょっとまたバージョンを変えて、整理をしたものでございます。

◯鴻上委員
  確かにこの旧バージョンですと、ちょっと何か問題があるかないうと感じがしてまして、どういうことかと言いますと、まず1点はですね、過去にそういう経験がないので将来もないだろうという判断に基づいて保険を付けようという方々に対して対応している訳で、昨今の農業被害の甚大化等もありましてですね、当然、過去に経験がなくても大きな被害が出るというのは当然考えらますので、その辺を十分ですね、検討した上で安いタイプを選択するというのはいいと思うのですけれども、本当に安いものを選ぶという気持ちで選んでしまうとですね、よろしくないのかなというのが1点です。
  それから2点目はですね、安い保険料を望む声があるというのは分かるのですけれども、それに対応するやり方がですね、余り起こり得ないような大きな収入減少の部分を切り捨てようという方式なんですね。さっき免責金額と仰いましたけれども、どちらかと言えば、上限額を設定するような感じかなと思う訳です。収入減少の100から0まで考えますと、ここにはリスクの濃淡が当然ある訳で、上の方が濃い訳ですよね。下の方が薄い訳です。そもそも保険がどこに有効かと言いますと、薄い方に有効な筈なのですね。なぜならば、極端にリスクが濃いところについて言えば、保険は当然、運営費が掛かりますから、付加保険料を考えますと、場合によっては補償額よりも保険料が高くなるという状況になりますので、余り起こらない事故で損害額が大きい、これが一番ですね、保険が有効なところなのですけれども、ここでお勧めしているのは、大きな被害の部分を切り捨ててますから、本来そこは安い保険料で対応できるはずなのに、保険料を節約したいがために、安い保険料を節約することによって大きな補償額を切り捨てているということになる訳です。なのでですね、リスクマネジメント的な観点で考えますと、どちらかといえば逆でですね、リスクの濃い部分は自己保有する。保有するリスクを、それを超えた部分については保険を使うというのがリスクマネジメントにおける、そのリスク対応の正しいと言われている付け方なのですが、それと逆のことをしているのですね。本来の元々の収入保険の構成を見ますと、その考えにちゃんと基づいているのですよ。上からの10パーセントは自己負担ですし、それから積立方式の積立金も自己負担のようなものです。それを超えるものに初めて保険が適用されているということで、そこは上手く考えている。保険の有効性をちゃんと使っている訳なのですが、今回のその安いタイプというのは、せっかく保険が一番機能するところを切り捨てて、僅かな保険料を下げることによって、それを選択していただこうということなんですね。なので、そういったリスク対応の仕方、適切なリスク対応の仕方をちゃんと分かっている方々であればいいと思うのですが、大きな損害を切り捨てるという方向で達成しようとしているところが、リスク対応のあり方から見れば、ちょっと筋が悪いのかなという感じがしております。
  事前説明で頂いた資料でちょっとブレイクダウンをしますと、保険料全体が7.8万円なんですね。それで80パーセントを下回る部分が補償されるのですけれども、ちょっとブレイクダウンしますと、80パーセントから70パーセントまでが4万4千円なのですね。次の70から60までが1万8千円ですね。次の60から50までが8千円、50から0までが8千円なんですよ。これはちゃんと、さっき言ったリスクの濃淡を反映したものになっているのですけれども、だから多分ですね、こういった示し方をしてあげれば、じゃあ8千円節約しようかと思う人はいないと思うのですよね。余り起こらないところは確かに保険料が安くなっているのだから、これでいいんだという風に思う方は沢山いらっしゃると思いますから、そういう示し方をした方がいいんじゃないかと思います。さらには、このバージョンアップしたものにおいてもですね、先ほど保険課長が仰った複合的に経営をしているので、本当にうちは70以下は考えられないというような場合は、これは最初からリスク分散しているので、確かにそういった場合には0になることはない訳ですよ。なので、そういった元々の経営の仕方自体がリスク対応しているかどうかで随分違ってくるので、そこをまずお考えくださいという説明をですね、保険料を安くする検討の前に、十分説明してあげた方がいいのではないかなという風に思います。
  もう1点だけよろしいですか。そうは言ってもですね、一番下の50から0までが8千円でですね、全体から見れば大したことないのですが、でもほとんど起こらないのだから8千円は高いよねという方はいらっしゃると思うのですよ。これって多分、引受実績を積み重ねていって検証をしますよね。そうするとこの内訳のところも変わってきますよね。だとすれば、検証のときに実績から見れば、この今の仮置きの8千円よりも安くなることがあるのですよね。なので、まだ検証をしていない段階で、こういった安いタイプを、御自分のリスクを十分考えないままに選択してしまうということは、本来の保険の有効性を損なうことになるんではないか。検証がされて、妥当なブレイクダウンが出てきますと、もっと納得のできる内訳になったりすれば、そのときはリスクもよく分かった上で選択されるということは、やりやすくなるんじゃないかなと思いますので、改めて検証するとき、次回の料率検証のときにですね、内訳についてもよく見られた上で、安くする提案内容を考えるということが重要じゃないかなという風に思います。以上です。

◯上岡部会長
  ありがとうございました。事務局の方から何かございますでしょうか。

◯玉置保険課長
はい、ありがとうございました。非常に大事な意見だと思っております。我々も、これ収入保険という新しい商品を農家さんに説明するのに、今までの農業共済というものと比べて非常に複雑だったりしますし、説明するにもいろいろ時間をかけて、農家さんが納得して入ってもらうということに相当注力が必要な保険だと思っております。そして、共済時代は義務加入で、米だったら皆さん強制的に入れってなっていましたけれども、これはもう任意の話しなので、やはり農家さんと対話をする中で、どういうリスクがあるのかということも含めて、共済組合職員含めて、聞き取りながら、その人に合った保険商品にしていくということも非常に大事な取組だと思っております。
  先ほど話したように、単品作物を作られている方、複合で作られている方、それぞれのリスクの深度の違いを踏まえ、通常想定されない相当な被害を受けたときに、保険という機能が発揮される。単品作っている人のリスクの深度の深さと複合経営やってる方のリスクの深度の深さがそれぞれ違っていて、そこのラインというか、薄いところから深いところ、というところの深さをどう考えるかというのは、農家ごとに違う部分もあるのではないのかと思っています。次の料率改定のときに、どういう経営状況で、実際どういう選択をしていて、実際どういう被害率になっているのか、経営規模とか複合経営の人たちがどういう被害率、被害規模感なのか、そういったこともデータを取りながら、こういう商品が上手くマッチしてるのか、それともやっぱり違うのか、そういったことも検証していかなければならないかと思っております。
  先ほど7.8万円から7.0万円ということで、我々も保険を売るときは、一番充実した商品を一番に売る込むというのはまず基本として、それをお勧めした上で、いろんな声を聞いた上で、農家さんがこうして欲しいと言ったら、こういうこともできますよといったことになってくる訳ですけれども、その8千円の違いが、この経営規模の大きさによって、8千円が数倍、十倍、百倍というようなことも経営規模によって変わってきておりますので、そういった方には負担感だという声が実際にはあったりするものですから、そういったことも、いろんな経営規模の人たちの声とか、実際のデータも見ながら次、我々の取る手はどうするのかといったことも含めて、しっかりまた検証していきたいと思っております。

◯上岡部会長
  はい、ありがとうございました。他にはいかがでしょうか。
  堀田委員よろしくお願いします。

◯堀田委員
  2点質問させてください。1つ目は、今回の加入者数のところなのですけれども、この新規加入というのは、どういう内訳かということなのです。それはいわゆる農業共済から収入保険に移られた方なのか、それとも、今まで農業共済にも入っていなかった方が新規に入られたものなのか、その詳細な内訳はありますか。
  もう1つは、危険段階別保険料を導入している農業共済と、全国一律料率の収入保険の加入との関係ですね、今後、危険段階別保険料が強化されることになると、収入保険に及ぼす影響は更に大きくなるのではないかということです。これは、いわゆる逆選択というような現象であって、結果として収入保険の収支を悪化させかねないと思います。この辺りをどう分析されているのでしょうか。

◯玉置保険課長
  はい、ありがとうございます。2ページ目のところに今、資料をお示ししていますけれども、今2万3千経営体ですということであります。そのうち、品目別の加入件数とありますけれども、例えば米1万4,500件とあります。これ米だけやっている人ではなくて、米プラス野菜とか、米プラス果樹とか、いろんな経営形態があるのですけれども、そのうち、米をやっている人は1万4,500いますということは、2万3千のうちの1万4,500は何らか米をやっている人。米をやっている人はこれまで共済に義務加入で、それをやめて収入保険に来たということ。あと、果樹もほぼ共済からで、先ほど果樹をやっている人が、下に品目別加入件数とありますけれど、果樹をやっている人は6,856人いますよという中で、果樹共済からの移行者は4,573ということからすると、果樹共済から移行している方が結構いらっしゃるということで、今回、2.3万人の中は、農業共済からの移行者が非常に多いです。これは、一つは、初年度の加入推進の中で、まず業務委託先の農業共済組合の方々がどういうところに声をまずかけるかというと、やはり自分の組合員さんのところに説明に行くというところが大きいのかと思っております。まずはそういった人から、農業共済にするか、収入保険もできたのでどうしますかねというところが推進の一番の最初の仕方として、そうしてきたという傾向が強いです。
  一方で、まだ弱点だなと思っているのは野菜です。野菜は元々農業共済がございません。逆に言うと野菜の農家さんとのつながりというのが、ちょっとまだしっかりできていないところがある。我々も今回JAさんとか農業会議さんとか、野菜の生産をされているいろんな農家さんの部会などがありますので、そういったところにしっかりアプローチをしていって、昨年、去年と野菜の人がまだ少ないのではないかという意識がありますので、そういった観点で、野菜の人が収入保険に入ってもらうような形で、今、地域の中で連携しながら進めていこうとしておりますので、どういう人が入るか、また実際どういう人が入っているかも分析したり、また今年の事故でどういう保険金の出方をしているのか、保険の実際の運営として、リスクの高い人ばかり入っているのかどうかとか、そういったこともしっかり分析をして、やっていきたいと思っております。

◯堀田委員
  数字を見ると都道府県ごとにかなりばらつきがありますね。これはやはり、もう少し丁寧な分析が必要だと思います。農業共済の危険段階別保険料と収入保険の加入率との相関性については、今後の収入保険の制度設計にも重要な情報だろうと思います。

◯上岡部会長
  はい、ありがとうございました。他にはいかがでしょうか。
  染谷委員お願いします。

◯染谷委員
  私は千葉県で農業をしていますが、今回この数字を見て、今日は喋らずに黙っていようかと思ったのですが、2パーセントという数字、本当にこれでいいのかと感じました。実際に自分で農業を始めて、やはり農業というのは自然の中でリスクを負ってする訳で、そのリスクをどうカバーするか就農当初から考えてきました。水稲共済は7割の補償ですが、米専作ですと、7割では足りませんでした。もし収穫皆無になったとき、米プラス果樹、米プラス畜産、そういった人たちは7割で済むのかもしれませんが、実際に米だけで規模拡大してくると、7割の補償では足りません。逆に、もっと掛金を高くしてもらってもいいから、8割、9割補償して欲しい、そういう思いがありました。今回、収入保険ができて真っ先に加入しました。
  私は利根川周辺で稲作をしていますが、今回、台風、豪雨の影響で利根川が増水して、22ヘクタールの水稲を刈取りできずに水没させてしまいました。それと大豆も同じくらいの面積を水没させてしまったのですが、今回、収入保険に加入していて、自分としてはリスクがカバーできていたのかなと思っていました。
  ただ、この数字を見てみると、2パーセントしか千葉県の農家は加入していないということは、何か理由があるのかなと考えてしまいます。これから自分たちも含めて、この収入保険を農家へ話しをして、それでもっともっと加入してもらいたい、そういう思いがあります。そのときに何が障害になっているのか、自分らも考えていきたいと思います。そして、できるだけ安定した農業経営ができるような、そういう体制にしていければなと思っています。また、これからも収入保険の見直しをしてくれるということなのですが、その辺、自分らもいろんな農家から意見を聞いて、またそれを伝えたいと思います。その点もよろしくお願いしたいと思います。

◯上岡部会長
  はい、ありがとうございました。何かございますでしょうか。

◯玉置保険課長
  はい、ありがとうございました。県別の数字の千葉の部分。今回、台風15号、19号、そして21号があり、千葉も、今年は皆さん非常にお辛い状態になっていて、収入保険、そして園芸施設だったら園芸施設共済もありますが、そういったことで備えるということが、我々もまだまだ周知が足りていなかったんだという部分が反省点であります。やはり、被災地域含めて、経営再建するには、この保険に入って良かった、それで経営再建が円滑にいったという人たちを増やさないといけないと思っております。いろんな説明会にも行っていますけれど、あらゆる場を通じて保険加入を促していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

◯上岡部会長
  はい、ありがとうございました。他にはいかがでしょうか。
  古谷委員お願いします。

◯古谷委員
  古谷です。収入保険に加入した方、見送った方、様々な意見があるかと思います。
  加入者が少ないということに関しては、様子見の部分があるんじゃないかという分析をされているということですが、私もそのとおりだと思います。まだ始まったばかりだということで、様子見があるだろうということが分かっている段階で、まだ1年経っていないタイミングで、変更をする必要があったのか。収入保険を設計された方は、自信を持って設計されたものだと思いますので、もう少し様子を見ていけばいいのではないかなという感想を持ちます。
  変更を重ねるということは、結局、複雑化するということになりますので、当初のものとちょっと違った方向に行ってしまうのではないかという懸念もあるかと思います。むしろ私が気になりましたのは、見送った方の声の中に、集落営農で自分だけ違ったことをしたら迷惑をかけるとか、JAの部会の中で、一人だけちょっと違った行動ができないとか、制度とは別の次元での問題で加入が進まないというのがあると思います。掛金が高いから入らないということではなくて、こういうことを念頭に、なぜ加入が進まないのかという分析の方を急がれることも大事かなという風に思います。

◯玉置保険課長
  ありがとうございました。我々も全国を回っている中で、農業者さんの経営規模とか、やっているものによって、保険に望むことというのは違うんだということが、いろいろと分かってきました。こういうものだったら入ろうかなという提案をいただくと、やはりまあ、役所の人間だというのがあるかもしれませんけれど、いろんなニーズがあるから、そこを踏まえて、どう国として制度として、今できることはなんだろうか、ちょっと考えて、それは保険の世界とはまた違って、政策というところがあると思っています。今すぐ対応をする、迅速に政府も動くということも、農家さんのニーズにしっかり応えていくことだと思っています。当然、制度なのでできることとできないことがあります。直ぐにできることとできないことがあります。先ほど言ったように、野菜とかナラシというのはこれは両方とも法律でできている制度ですので、この収入保険は、農業保険法の中に4年後見直しという規定がございます。ですので、そういったいろんな経営安定対策については、4年後に、総合的な政策として検証しながら検討していきましょうというのが規定としてあるので、大きな骨の部分はそういったところです。一方で、農家さんのニーズに応えて、備えられる人が少しでも増えていく、拡大していく、これも政策としての目的であります。先ほど申したように、下限を設けるのは、当然よく分かっていないと、安いから入ればいいという話しではなくて、やっぱりどう備えて、自分はこういうリスクがあるからというところはしっかり伝えないといけないというのはあるかと思いますので、我々としても、あとは事務の効率化なども、いろいろ含めてやっております。いろんな声を聞いて、今直しても大丈夫なところというところはしていく。ただ、さっき言いましたように、複雑化していくという問題は確かにあります。役所側でいろいろニーズに応えると、どんどん、どんどんいろんなバージョンが出てきてしまうところと、一方で、保険の世界からすると、説明責任とかいろんなことがある中で、簡略化していくべきというところと、ちょっと逆行する部分があるかもしれませんが、そこは、やはりニーズを聞きながら、でもいろんな工夫をしながら、農家さんにはしっかり分かってもらえる制度にしていきたいと思っておりますので、そこはしっかり吟味して、取り組んでいきたいと思います。

◯上岡部会長
  はい、ありがとうございました。他にはいかがでしょうか。
  では、浜野委員からお願いいたします。

◯浜野委員
  先ほども、複雑化させず分かりやすくしていくというお話しがありましたが、8ページの表を見ると、例えば保険限度額区分が80で補償の下限が70とか、78で70とか、75で70、とかなり補償額の範囲が小さいパターンも今回多く設定されているという印象を受けました。ニーズの問題とは別に、一度区分を設定した後に加入された方がいると、なかなかその区分を廃止する選択を取ることも難しいことがあるのかと思います。仮に、今回の御提示がニーズとは関係なく、計算上設定できることを示されているのであれば、初めから全てのパターンを提示せず、先ほどの分かり易さという趣旨を踏まえ、ある程度パターンを絞って、今後お勧めしていくことも考えられるのではないかと感じており、意見させていただきます。
  もう一つ、他の委員の方が言われているチラシの件ですが、6ページには「複合経営の方で、収入が半減することが見込まれない農業者にオススメ」と書かれています。この点、収入が半減以上するリスクはゼロではないと思いますし、また、御加入される方ではなく、補償を提供する側が、複合経営は半減することが「見込まれません」という表現をするのは、少し言い過ぎではないかと感じています。仮に、半減は見込まれないと言っておいて、その被害を受けてしまったときに、どうなのかということも慎重になるべきかと思います。チラシにはその意図や趣旨はないと思いますが、表現として受け手の印象に気を付けた方が良いと思いますので、参考にしていただければと思い、追加で意見させていただきます。

◯玉置保険課長
  ありがとうございました。8ページ目の保険区分ですけれども、青色申告をされている方の最大は5年で、5中5でやっています。じゃあ青色申告が4年しかない3年しかない2年しかない方については、これもまた制度が複雑になっている部分かもしれませんが、青色申告の実施期間に応じて、補償の上限が変わっています。そういったこともあって、どこまでこの下限なども含めてやるかというのは、実際、加入実態、どういう保険の部分で入っているかというのを我々も見て、どういうものをまずはお勧めするかといったことも考えていきたいと思います。
  今日は収入保険ですけれど、園芸施設共済などについては、実際、いろんな商品を全部説明すると、し尽くせなくて、何が何だか農家さんも分からない。だから、いろいろパターンを決めてですね、こういう商品、こういう仕組み、3つくらい、例えばよくあるのは基本コースがあってエコノミーコースがあってとか、保険会社さんはそういうような見せ方をされるかと思いますけれど、そういう見せ方もしていく必要があるのかと。あとは、先ほど申しましたように、経営形態ごとにそれぞれ商品があるのかもしれません。ですので、米単作の人、米と何かやられている人、野菜の方、果樹の方などそれぞれに、過去の実績ではこんな保険に入っていますので、基本はこういうものがお勧めじゃないかな、こういう風な地域は、こういう作物だったらこういう保険ということも、今後の実証、検証の中で、できていくのかなと思っています。
  チラシの書き振りについては、どうしてもキャッチーなものを求め過ぎて、我々も反省しなきゃいけない部分もあるかと思います。やはり誤解がないようにしていくことも非常に大事だと思いますので、そこは工夫してやっていきたいと思っています。

◯上岡部会長
  それでは、前田委員お願いいたします。

◯前田委員
  私は生産者であり、また農業法人協会の方の、大規模農業法人の方たちとお付合いがあるので、お勧めしたこともあるし、その辺の意見を聞いてみますと、玉置課長が仰ったように、いろんな複雑なやり方が今、米だけってことじゃなくて、いろんなことをされてて、普通の基本タイプではちょっと費用対効果を感じない経営体もいっぱいあるのですね。それで、基本タイプが一番いいのか、安全なのかもしれませんけれども、野菜農家さんの場合、非常にこう、利幅が年によって厳しいということがありますので、緻密に計算する中で、その保険代が払えるのかという風に考えをされる方たちも多いです。仰るように規模が大きくなると、当然莫大なお金になってしまうので、今年は入れないとかいうこともあるし、入るにしてもどういう保険か分からないので、いきなり基本タイプに全部投資できるかというと、ちょっとそれは気持ち的によく分からない中でできないので、まずそういう金額が低い中でまず入ってみて、どういうものなのかを、そこから入ってみたいって方たちも確かにいらっしゃると思います。
  それと、農協の皆さんとか一所懸命されていますけれど、それは人間関係とか組合員だからとかいう中で、こう入られたり、移行したりということがあるのですね。やっぱり野菜農家さんはそれぞれ単体で経営している人も多くて、大規模も多くて、そういう選択肢が、この基本タイプと経営上、入れる範囲とか、まず拝見してみる中の、補償の下限を設けるタイプというのは、私はあってもいいのかなと思います。要は、相手の方が経営的にどういう成熟されている経営者の中で、それを選ばれるというのは、ありだと思うのですね。おそらく基本タイプだけでは大型野菜農家さんは入らないかもしれないということもありまして、こういう大きな災害がこれから続く場合に、やっぱり全額90パーセントは無理だとしてもですね、それが企業を助けるということも、仮に入らないよりも、あり得るのかなという風な側面もあるのかなと思います。様々な意見がありまして、結果、何年かこれをやってみて、こちらが期待したほど入られないということもあるかもしれません。これはやってみないと分からないところもあるのですけれど、手続とかやられるのは大変手間だと思いますけれど、始まったばかりですし、逆にこういうのをいろいろ意見を聞いて試されるのは、必ずしも悪いことばかりではないのかなと思っています。
それからもう一つすみません。この39ページ、いただいた資料の収入保険の加入実績のところですけれど、この加入推進目標とありますね。この目標は、例えば何をもっての目標、その県ごとに目標を立てておられて、どういう目標の立て方なのかなということと、それと総額と言いますかね、これは目標ですよね。全体に対して、その県ごとに何パーセント入っているのかということもイコールなのか、多分違うと思うのですけれど、全体の、本当は100パーセントだとこれだけで、何パーセントという2つあってもいいのかなと。これが県ごとにどうなのかも、実態をつかみにくいのかなと思っています。以上です。

◯玉置保険課長
  はい、ありがとうございました。先ほどの10万経営体は、全国農業共済組合連合会というところが定めています。分母は青色申告の方が45万いるので、アンケートを取って、直ぐに入ろうという意向がある方が大体4分の1くらいいたということで、10万という形に置いています。ですので、各県は、それぞれの県の青色申告者の数の例えば4分の1みたいな数字が個々に載っています。ですので実際は、農業者数とすると違ってくるということになります。

◯前田委員
  ざっくり4分の1ですね。

◯玉置課長
  そうです。大体4分の1くらいの数字となっているということです。

◯前田委員
  ありがとうございました。

◯上岡委員
  はい、ありがとうございました。
  では、佐藤繁委員よろしくお願いします。

◯佐藤(繁)委員
  ありがとうございます。家畜共済の話しに話を戻していいですか。今日の議題3つにつきましては、その内容については妥当だと思いますし、賛成なのですけれども、議題はどちらかというと保険の制度設計の話しだと思うのですが、ちょっと視点を変えて、家畜診療所の運営と言いますか、経営基盤の話しをさせていただきます。最初質問が一つなのですけれども、今回のいろんな改正が家畜診療所の経営、或いはこの経営基盤という点で、どういう風にどういう影響があるのか、効果があるのかということが質問です。理由はですね、我々大学で獣医学教育をやっている中で、臨床の教育って非常に重要で、その臨床実習の多くを、NOSAIにお願いをしているという実態があります。ところが、最近ですね、実習の受け入れを、忙しいからということで断られることがあるんですね。非常に困っている。それぞれの大学は、自分たちで実習ができるほどの体力もないという事実があるので、NOSAIの先生方の忙しさ、或いは人が採用できないという状況があるように聞くのですが、その点で、今回の改正がどのように影響するのかということが一つ。
  もう1点、あとはコメントなのですけれども、さっき、NOSAIの先生方が忙しいというお話しをさせていただいたのですけれども、病傷事故、病気が15パーセントも減っているのに、どうして忙しいんだという話しになると思うのですが、そこには、昔からよく言われている獣医師の偏在という問題がある。獣医師がいるところにはいるのだけれど、いないところにいない。いて欲しいところにいない。最近高齢の開業の先生方がお辞めになったり、あと、例えば県の職員さんが少なくて、NOSAIに予防注射の事業であったり牧野の仕事であったりを依頼するということで、NOSAIの先生方は走り回っているような状況があります。NOSAIというのは、我々思い込みが強いのかもしれませんけれども、日本で何か畜産に関する大きな問題が起こったときに、技術の伝承という点で、人を育てる組織だと自分は思っていますので、そういうことが続けられるような組織であって欲しいと考えているのですね。これはコメントです。
最初の質問で、ちょっと大きな問題で、答えるのは大変かもしれませんけれども、よろしくお願いします。

◯森垣監理官補佐
  今回の診療点数の見直しに関しては、諮問にもありますとおり、最近における獣医学の技術の進歩ですとか、医療機器の進歩とかを背景に見直しを行っております。ただし、今回の小委の審議の中でも、やはり診療所の経営が厳しく、元々の点数が低いということを仰る方もいらっしゃいました。一方で、この診療点数を診療所の経営に合わせて見直すだけでは、逆に農家の方が診療所に診療を頼まなくなってしまうので、そこはバランスを考えなければいけないという話しもございました。我々の方では、最近NOSAIの獣医師の方々とテレビ会議を行って、正に委員が先ほど仰られたように、いろんな課題があるということを聞いております。そうした中で、今までどおり診療中心にやっていくだけではなく、繁殖管理ですとか、生産性獣医療にも力を入れて、収入を増やしていきたいという話しを聞いているところです。3年後には、再び診療点数の見直しを行いますが、それまでに、診療所の先生方とも引き続き意見交換をしながら、どのようにすべきかよくよく考えていきたいと思っております。

◯玉置保険課長
  ちょっと追加します。説明資料の4を開けていただいて、今日、片本委員から先ほど小委の説明をしていただきましたけれど、それの1の(2)の薬治の備考の見直しというのがあります。これはこの小委の中でも獣医の皆さんから、凄く要望があったところです。これは、獣医師から畜主に交付される医薬品の範囲を拡げるということです。先ほど、獣医さん忙しい、いろんなことを頼むけれども忙しいからなどといった話しがありましたが、これで、いわゆる注射薬を農家さんに出して、獣医が行って注射をするんじゃなくて、その畜主がやれるようにする。そうすることによって、獣医師さんはそこに行かなくても、違う他の仕事に回すこともできる。逆に往診費用が少なくなるので、農家さんにとってはその往診費用を払わなくて済む。ですので、今回は非常に画期的というか、薬治の幅を拡げることによって、獣医師さんの負担を軽減し、かつ、農家さんの負担も軽減できるという改正をする予定にしていますので、正に獣医師さんの今の大変さをいろいろ、負担軽減につながる改正だと思っています。

◯上岡部会長
  よろしいでしょうか。一通り皆様から御意見を頂戴しましたけれども、上田参事官の方から一言お願いいたします。

◯上田参事官
  もう時間も迫っているので簡単にしたいと思いますが、本当に今日は、専門的な見知から皆さん方、本当に貴重な意見をいただいて、ありがとうございました。特に収入保険のところについてはですね、鴻上委員、或いは浜野委員のパンフレットの話しも含めてですね、やはり農家の方々にちゃんと御理解いただいて、誤解のないように勧めていくというのは極めて重要かなと思っていますし、その他の先生方からいただいた意見、特に堀田委員から、分析が必要じゃないかということもいただいているところで、これ我々もですね、やっぱり初年度であって、まだまだデータ分析、蓄積が足りないところもございますので、その辺りもまた改めてですね、いろんなところで、分析をした上で、また皆様方の御知見をいただきながら、いろいろ検討してまいりたいという風に思っておりますので、是非今後ともよろしくお願いできればと思います。

◯上岡部会長
  ありがとうございました。予定の3時ということでございますけれども、まだ御意見はあるかと思いますけれども、このあとは、御意見ございましたら、事務局の方に口頭、或いはメールの方で御連絡いただければと思っております。よろしいでしょうか。
  それでは、本日は長い時間にわたりまして御議論いただきまして誠にありがとうございました。以上をもちまして農業保険部会を閉会とさせていただきます。どうもありがとうございます。

15時02分  閉会

 

 

 

お問合せ先

経営局保険課

担当者:数理班
代表:03-3502-8111(内線5261)
ダイヤルイン:03-6744-2172

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