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農林水産省

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令和6年度第4回議事録

1.日時及び場所

日時:令和7年3月28日(金曜日)10時00分~12時00分
会場:農林水産省共用第一会議室
(配信会場:同上)

2.議事

(1)土地改良長期計画案の作成について(これまでの主な意見と対応方針(案))
(2)農村振興局における今後の海外農業農村開発に関する展開方向(案)
(3)技術小委員会への付託事項について(報告)
     ア土地改良事業計画設計基準 計画「排水」の改定について(答申)
     イ土地改良施設管理基準「頭首工」の改定について(答申)
     ウ「農業農村整備事業における景観配慮の技術指針」の改定について

3.議事内容

議事録(PDF : 519KB)

10時00分  開会
○中西計画調整室長 それでは定刻となりましたので、ただ今より、食料・農業・農村政策審議会の農業農村振興整備部会令和6年第4回を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御参加いただきありがとうございます。計画調整室長の中西でございます。どうぞよろしくお願いいたします。本日は14名の委員に御出席いただいております。井上委員、北室委員、久保田委員、清水委員、松本委員はウェブでの御出席となっております。 木下委員と松下委員は、所用により欠席と伺っております。
それでは、開会にあたりまして、前島農村振興局長より御挨拶申し上げます。
〇前島農村振興局長 農村振興局長の前島でございます。委員の皆様方におかれましては、年度末のお忙しい中、お時間を頂き、誠にありがとうございます。また、日頃より農林水産政策、とりわけ、農業農村整備、農村振興施策の推進につきまして、格段の御理解と御協力を賜り、御礼申し上げます。また、この2月に全国9ブロックで開催しました土地改良長期計画の地方懇談会につきましても、御多忙の中、御出席いただいたことにつきまして、感謝申し上げます。
農政をめぐりましては、昨年8月から検討を開始した、新たな食料・農業・農村基本計画につきまして、企画部会で計画案が取りまとめられ、昨日、大臣に答申がなされたところです。また、土地改良法改正法案を今国会に提出しておりまして、昨日、参議院の農林水産委員会で可決されたところです。3月31日までに可決・成立されましたら、予算案とともに4月1日に施行ということになっております。今回の法案の中で、申請によらない国等の発意に基づく基幹施設の更新事業ですとか、急施の事業の拡充などを謳っておりますので、今後の防災対策、国土強靭化に向けて、円滑な施行を図ってまいりたいと考えております。本日は、こうした動きを踏まえて、土地改良長期計画案を作成すべく、1月の農業農村振興整備部会や地方懇談会で頂いた主な御意見と対応方針案について御説明をし、御意見を賜りたいと考えております。
このほか、農村振興局における今後の海外農業農村開発に関する展開方向案について御説明するとともに、技術小委員会への付託事項の報告を予定しております。委員の皆様におかれましては、限られた時間ではございますが、それぞれのお立場や専門分野の視点から、忌憚のない御意見を頂きますようお願い申し上げます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
○中西計画調整室長続きまして、当部会の公表の方法について御説明いたします。資料はすでに農林水産省のホームページで公表しております。議事録につきましては、内容を確認いただいた上で発言者を明記し、後日ホームページで公表することとさせていただきますので、御了解をお願いいたします。本日は12時までを予定しております。なお、報道関係者のカメラ撮りはここまでとさせていただきたいと思います。以降の議事進行につきましては、西村部会長にお願いいたします。
〇西村部会長 西村です。本日はよろしくお願いいたします。それでは、議事(1)土地改良長期計画の作成について、これまでの主な意見と対応方針(案)につきまして、事務局から説明をお願いします。
○中西計画調整室長 資料1の説明の前に、土地改良法の改正の内容の説明から入らせていただきます。今回、土地改良法の第1条の目的規定を見直すこととしております。これまでの土地改良法の目的規定につきましては、昭和36年に制定されました旧農業基本法を受けて、昭和39年の改正で規定されたものでございます。具体的には、旧農業基本法の文言を用いて、農業総生産の増大、あるいは農業生産の選択的拡大を掲げておりました。これらの文言につきましては、平成11年に制定された食料・農業・基本法を受けて、農業生産の増大、あるいは消費者の需要に即した農業生産の推進という文言に置き換えられております。また、改正食料・農業・農村基本法において、農業生産基盤について、整備に加えて保全が明確に位置付けられております。今回、土地改良法の改正の目的規定については、基本法と同じ文言を用いるように改正するとともに、農業生産基盤の整備及び保全を図ることを明確化したものです。
次に、第4条の2が、土地改良長期計画関係の改正です。第1条の目的規定を見直すことに合わせて、第4条も見直すこととしております。 具体的には、改正基本法の第29条において示された農業生産基盤の整備及び保全に関する政策の方向性に即して、良好な営業条件を備えた農用地を確保し、気候の変動その他の要因による災害の防止又は軽減を図るため、今後、土地改良事業が効率的に実施されていくことを明らかにしつつ、農業生産の選択拡大等の旧農業基本法の規定ぶりが残ったままとなっている部分を、消費者の需要に即した農業生産等の改正基本法に沿った規定ぶりとするため、見直しを行うものでございます。
これまで御議論いただいた内容が大きく方向が変わるというわけではありませんが、こうした見直しがあったということを御紹介させていただいて、資料1の説明に入らせていただきたいと思います。
1ぺージ目を御覧ください。今回、次期土地改良長期計画のフレームワーク案を御提案させていただきます。現行の土地改良長期計画は、政策課題1が生産基盤の関係、政策課題2が農村振興の関係、政策課題3が農業農村の強靭化という建て付けになっておりました。今回は、土地改良法の改正等を踏まえ、農業生産基盤の保全という部分を明確化していきたいと思っております。
このフレームワーク案の政策課題1は、生産性向上に向けた生産基盤の強化を位置付けたいと思います。現行の土地改良長期計画でも位置付けられておりますが、内容が、農地の集積・集約化やスマート農業の推進に向けた基盤整備による生産コストの低減や、国内の需要等を踏まえた生産の拡大となっており、水田の汎用化、畑地化、畑地整備の推進等を位置付けたいと考えております。
政策課題2は、農業用水の安定供給及び良好な排水条件の確保を位置付けたいと考えております。これまで政策課題3の農業・農村の強靭化に含まれていた部分を取り出して、農業水利施設の戦略的な保全管理による持続的な機能確保を目指すことを取り上げたいと考えております。
政策課題3は、増大する災害リスクに対応するための農業・農村の強靭化に向けて、気候変動等により、激甚化・頻発化する災害に対応した防災・減災対策の推進を掲げてはどうかと考えております。
政策課題4は、農村の価値や魅力の創出といった農村の振興に関する部分です。政策課題1、2、3を通じて、農業生産基盤の整備及び保全を図っていくこと。また、政策課題3、4を通じて農村の振興を図ってまいりたいと考えております。
また、各政策課題を繋ぎ合わせるものとして、これまでも位置付けておりましたが、農村協働力、また新しく環境と調和のとれた持続可能な農業生産を位置付けてはどうかと考えております。政策課題1から4の取り組みを一体となって行うことで、食料自給力の確保に資する農業農村整備というものを実現して参りたいと考えております。農業農村整備を通じて、食料安全保障の確保、多面的機能の発揮に貢献していくというフレームワーク案を御提案させていただきたいと思います。
2ページ目以降から、前回の部会、あるいは地方懇談会で頂いた御意見をまとめております。
2ページ目では、全体事項として、土地改良事業の方向性について御意見を頂いております。食料安全保障が基本法の理念に位置づけられたことを受けて、土地改良長期計画でもしっかりと打ち出すべきであること、地域計画の実現に向けて、次期土地改良長期計画についても、しっかり踏まえて検討する必要があること、国土保全の観点からも耕作放棄地の解消が必要といった御意見を頂きました。
右欄に意見に対応した方針案を記載しております。まず、食料安全保障、食料自給力の確保における土地改良事業の関係性、土地改良事業が果たしている役割について記載したいと考えております。また、良好な営農状況を備えた農地及び農業用水の確保に向けた土地改良事業の重要性及び推進の方向性を記載しつつ、地域計画と土地改良事業の連携の必要性を位置付けてはどうかと考えております。3ページ目に移りまして、土地改良事業が多面的機能の発揮に重要な役割を果たしていることも書かせていただきたいと考えております。
また、全体事項の2つ目、農業・農村の多様性の配慮に関して、地理的に条件が不利な中山間地域等の農地の維持の重要性や、中山間地域では大規模農家だけではなく小規模農家も重要な役割を果たしているという御意見を頂きました。対応方針案として、中山間地域等の特性、あるいは 担い手や多様な農業者からなる地域の意見を踏まえた事業の推進が必要ということを記載してはどうかと考えております。
4ページ目からは、施策別の方向性です。政策課題に沿って整理しております。
政策課題1の第1が、生産性向上に向けた生産基盤の強化です。
担い手への農地の集積・集約化、スマート農業技術の導入に関する御意見として、10項目整理しております。
まず、1、2、3番目は、農地の集積・集約化を図っていくための農地の大区画化が必要、あるいは地域計画との相乗効果を発現することが重要、大区画化や情報通信環境の整備を含めて、スマート農業の導入を進めていくことが重要であること、4、5番目は、中山間地域でも省力化のためのスマート農業技術の導入が重要であること、6番目は、有機農業の取組も踏まえる必要があるのではないかということ、7、8番目は、スマート農業の普及にあたって、機械の導入コスト、専門的な知識の習得が重要になってくるということ、9番目は、米の輸出についても積極的に基盤整備の面からも働きかけていくのことが必要ではないかという御意見を頂きました。
4ページ目の右欄に対応方針案を記載しております。
1つ目は、農業者が減少する中でも、生産性の向上を図り、継続的に発展させるために担い手への農地の集積・集約化、スマート農業の導入を図ることが重要であることを記載してはどうかと考えております
2つ目は、地域計画との連携、3つ目は中山間地域の関係を特出しして、水管理、草刈等のほ場周りの管理作業の省力化、そのための自動給水栓、リモコン草刈機等のスマート農業技術の導入に適した整備を推進していくことを記載してはどうかと考えております。
4つ目は、有機農業の観点で、区画整理や雑草抑制のための深水管理を効率化する自動給水栓の設置が有効であることを記載してはどうか考えております。
5つ目は、スマート農業技術の普及について、導入コスト、専門的な知識の習得について、関連政策、関係機関との連携を記載したいと考えております。
6つ目は、フラッグシップ輸出産地との連携により、輸出にも貢献していく必要があることを書かせていただいてはどうかと思っております。
政策課題1の第2が、国内の需要等を踏まえた生産の拡大ということで、水田の汎用化、畑地化、畑地整備となりますが、5項目で御意見を整理しております。
1から3番目は、かんがい施設の整備がまだまだ進んでない、あるいは暗渠排水の整備をより進めていただきたいという御意見を頂きました。5番目は新規就農も促進しつつ、基盤整備及び人材確保を進めていく必要があるという御意見を頂きました。
これに関する対応方針は、1つ目は、海外依存度が高く、国内生産の増大が求められている麦・大豆や国内外で需要のある野菜等へ転換を進めていくことが課題と考えておりますので、そのための水田の汎用化、畑地化、畑地整備を推進していく旨を記載させていただきたいと考えております。
2つ目は、基盤整備にあたっては、地理的条件、土壌的条件、営農形態等の各地域の特性も踏まえながら、地域の実情に応じたきめ細やかな整備が必要といったことを書かせていただきたいと考えております。
3つ目は、新規就農者の育成確保について、地域の関係機関による体制整備と農地の整備を一体的に推進していく必要があるといったことを書かせていただいてはどうかと考えております。
7ページからは、政策課題2の農業用水の安定供給及び良好な排水条件の確保となります。
こちらの1つ目は、農業水利施設の計画的かつ迅速な補修・更新、適切な保全管理として、御意見を4項目に整理させていただいております。
1番目は、老朽化が進行している農業水利施設について、国の支援をしっかり進めていただきたいという御意見を頂きました。
2番目は、今回の改正土地改良法で位置付けます水土里ビジョンについて、地域にとって実効性のある取組としていただきたいといった御意見を頂いております。また、4番目には同意徴集の関係で、更新事業の手続きの簡素化の御要望を頂いております。
対応方針案の1つ目は、施設の計画的な補修、更新状況に応じて迅速に行う施設の補強、維持管理の効率化・高度化が非常に重要ということ、2つ目は、水土里ビジョンの関係で、土地改良区、市町村、集落等の協議を通じて、役割分担を明確化しつつ、地域内の関係者が連携してしっかりと農業水利施設の保全に取り組むための計画を策定していただくことが非常に重要であるとことを書かせていただきたいと考えております。
3つ目は、施設の計画的な更新に向けて、今回の土地改良法改正に基づく国との発意による事業を活用しつつ進めていくこと、4つ目に更新事業の手続きの簡素化につきましても、今回の法改正で、農地転用された土地を計画変更時の同意徴集の対象外とする措置などを行っておりますので、円滑な事業実施に結びつけていくことを書かせていただきたいと考えております。
8ページからは、施設の集約・再編、省エネ化、再エネ利用、ICT導入等による維持管理の効率化・高度化について、御意見を7項目で整理させていただいております。
1から3番目が、更新にあたって施設の集約再編と保全管理の省力化や高度化を推進するような取組が必要といった御意見を頂いております。
4番目は、電気代の高騰対策に対する支援の必要について御意見も頂きました。
5番目は、建設業界における人手不足に対応するための情報化施工の推進を進めていく必要があるということ、6番目にはデータの活用について、7番目は、施設情報のデジタル化への支援の必要性について御意見を頂きました。
対応方針案の1つ目は、最新の技術的な知見を踏まえつつ、老朽施設の機能診断において、ICTやロボット技術の活用、あるいは更新に際しての施設の集約、再編、ポンプの省エネ化等を推進していくことを記載させていただきたいと考えております。
2つ目は、電気代の高騰対策について、これまでも維持管理経費の支援をしておりますので、こうした事業の活用を図っていく必要があるのではないかと考えております。
3つ目は、情報化施工につきましては、ガイドライン等の必要な基準類の整備、あるいは入札時の企業評価での加点による導入業者へのインセンティブ付与等の取組を一層進めていく必要があることを書かせていただきたいと考えております。
4つ目のデジタル化については、関係機関との連携も図りながら、施設のデジタル化を進めることで、効率的な維持管理に繋げていくことが重要であることを書かせていただいてはどうかと考えておりまして、御意見を4項目に整理しております。
10ページ目は、政策課題3、増大する災害リスクに対応するための農業農村の強靭化となります。この中では、ため池の防災工事、排水機場の整備・改修、流域治水あるいは耐震対策を書かせていただこうと思っております。
1つ目は、気候変動に伴って頻発化、激甚化する災害に対応した対策の一層の充実ということ、2つ目は、農業ため池の保全を計画的に進めていただきたいということ、3つ目は再度災害の防止に向けた取組も進めていただきたいということ、4つ目は、気候変動の影響により、地域内の柔軟な水利調整も重要ではないかといった御意見を頂いております。
対応方針案については、1つ目は、気候変動に伴って、災害に対応するための将来予測に基づく計画策定手法について、技術小委員会からの報告事項にもありますが、排水の計画基準を見直しておりますので、その旨をしっかり書かせていただいてはどうかと考えております。2つ目は、ため池につきまして、ため池管理保全法、ため池工事特措法を踏まえまして、より加速化していく必要があることを書かせていただいてはどうかと考えております。御意見は3項目で整理しております。
3つ目は、再度災害防止に向けて改良復旧もできるように今回の土地改良法改正で見直しておりますので、しっかり書かせていただきたいと思います。
4つ目は、渇水対策として、河川管理者、利水者との合意形成を図りながら、流域内の水利量の柔軟な活用、あるいは渇水調整といった取組も進めていく必要があることを書かせていただきたいと考えております。
11ページからの政策課題4の農村の価値や魅力の創出について、1つ目は、生活インフラの確保、生産基盤と生産・販売施設の総合的な整備を通じた所得の向上と雇用の創出という項目でございます。
1、2番目は、中山間地域の地域資源を活用した取組を進めてほしい。3番目が、農道や集落排水施設などの農村インフラの老朽化についても、計画的な方針整備が必要という御意見を頂きました。
対応方針案1つ目は、全国の総農家数、耕地面積、農業算出額の約4割を占める中山間地域において、地域の特色を生かした営農を確立するための基盤整備を進めていくこと、2つ目は、そうした地域では生産基盤と生産・販売施設等の総合的な整備を進めること、6次産業化等の取組を加えることで、農村における所得の向上と雇用の創出を図っていく必要があることを書かせていただいてはどうか考えております。
3つ目は、農業集落排水施設、農道等の更新等が重要であることも書かせていただければと考えております。
もう一つが、多様な人材の参画等を通じた地域共同による農地・農業用水等の保全管理の体制強化、地域くるみの環境負荷低減の取組という項目です。御意見は8項目で整理しております。
1つ目及び2つ目は、多面的機能支払いに関する御意見です。こちらについては、農村コミュニティを維持していくためにも重要な取組で、一層の支援を求めたいといった数多くの御意見を頂きました。また、事務手続きの簡素化に向けた御意見も頂いております。
4番目は、鳥獣被害対策の強化が必要といったこと、6番目、7番目は、土地改良区の運営に女性、あるいは女性のみならず若い世代の方達の参画が重要という御意見を頂きました。
8番目は、農業以外の多様な人材を農村に呼び込む方向性について、農村交流人口を増やすこと自体を手段として捉えるだけではなく、どのような社会課題が解決できるかを考えながら進めていくことが重要といった御意見を頂いております。
対応方針案の1つ目は、多面的機能支払制度等について、活動組織が継続して取り組んでいただくことが必要ですので、さらなる体制強化に向けた取組、事務手続きの簡素化をできる限り進めていくこと、申請や報告といったことにデジタル技術の活用もできないかと考えておりますので、そうしたことを書かせていただいてはどうかと思っております。
2つ目は、地域ぐるみの話し合いによる土地利用構想を作成していただきながら、3つ目には鳥獣被害についても、農地の保全の取組と連携しながら一体的に進めていく必要があるといったようなことも書かせていただいてはどうかと思っております。
4つ目は、土地改良法の改正も踏まえ、年齢や性別に関わらず、多様な人材を確保する観点から、地域の実情を踏まえながら、土地改良区における女性、若者等を含む多様な人材の理事への登用の推進を書かせていただいてはどうかと思っております。
5つ目は、環境負荷低減について、「みどりの食料システム戦略」に農業水利施設の省エネ化、再エネ利用といったことを位置付けておりますので、それを記載してはどうかと思っております。
6つ目は、土地改良事業とはやや離れる部分がありますが、やはり関係人口の増加も重要であり、農村振興局でも、関係府省、地方公共団体、民間企業、教育機関等の参画するプラットフォーム、「農山漁村経済・生活環境創生プロジェクト」と名付けて進めておりますが、こうした取組を今回の土地改良長期計画の中に記載してはどうかと考えております。
次、15ページ目になります。ここからは各政策課題の共通事項という形で記載しております。
1つ目の項目は、土地改良区の運営基盤の強化についてです。1~4番目のとおり、土地改良区の体制強化やそれに対する支援といった御意見を頂いております。5番目には、世代交代が進む中で、連絡が取れない組合員が増えていく中で、土地改良法の準組合制度の活用も進めて欲しいという御意見を頂いております。
対応方針案の1つ目は、水土里ビジョンの策定の中で、土地改良区の再編整備をはじめとする運営基盤の強化を御議論いただきたいと考えておりますし、現在組織されております土地改良区運営基盤強化協議会からも支援を受けながら、水土里ビジョンを充実させてはどうかといった内容を書かかせていただいてはどうか思っています。
2つ目は、土地改良区の経営診断・改善指導、若手技術者の研修について、国の方で予算も確保してやっていくことになっておりますので、そうしたことも書かせていただいてはどうかと考えております。
16ページに移りまして、3つ目は、準組合制度の活用により、組合員の資格交代の円滑化を進めること、また、施設管理准組合制度を今回の土地改良法の改正で充実させておりますので、そうしたものも含めて、施設を保全できる体制の構築をしっかりと推進していく必要があることを書かせていただいてはどうかと考えております。
次の項目が、人材の育成についてでございます。
1番目は、災害時に技術者が非常に重要であること、2~3番目は、産学官の連携を含めて若手の技術者の育成が大きな課題であること、4番目は、DXやデータ観測に精通した技術者が重要といった御意見も頂きました。
対応方針案の一つ目は、被災時の初動対応の迅速化に向けて、平時から、農水省職員の派遣する候補者のリスト化や研修・訓練を行い、資機材の分散配置などの実行体制の強化も行っておりますので、そうしたことを書かせていただいてはどうかと思っております。
2つ目は、地方公共団体、土地改良区等の技術者が減少しておりますので、先ほどの国の研修と合わせて、土地改良事業団体連合会の御協力も得ながら、人材育成をしっかりと進めていきたいということを書かせていただいてはどうかと思っています。
3つ目は、スマート農業の関係で、ロボット、ICT、AI等の技術開発の発展に対応できる人材の育成も重要ということを書かせていただいてはどうかと思っております。
次の項目は、国民理解の醸成についてです。1番目は土地改良事業の重要性や効果について、国、地方等からしっかり発信し、国民理解を広げて欲しいということ。2番目は、小中学校の教育の場でも普及をしていただきたいということ。3番目は、土地改良区の必要性を地域に広く理解してもらうような取組を進めてもらいたいということ。4番目は、多面的機能について、消費者までしっかり伝えて、農業者と消費者でお互いに良い関係が生まれるような取組を進めてはどうかといった御意見を頂いております。
対応方針の一つ目は、土地改良事業が、食料安全保障、多面的機能の発揮に非常に重要な役割を果たしていること、あるいは、土地改良区の地域における役割、必要性を学校、地域のイベント、様々な機会を活用しながら積極的に情報の発信、広報を行っていくことで、事業の必要性、妥当性について理解を促進していくことが必要といったことを書かせていただきたいと思います。
次の項目は、関係団体との連携の強化でございます。
こちらにつきましては、農業者、農地中間管理機構、農業委員会、土地改良区、行政機関、地域住民、企業等の連携強化について書かせていただければと思っております。
次の項目が最後になりますけども、資材価格の高騰へ対策についても御意見を頂きました。
対応方針案は、発注規模の大型化、工事コストの縮減等を通じて、事業を計画的に推進していくことを書かせていただいてはどうかと思っております。
このほか、予算の確保、あるいは事業要件の見直しについて、多くの御意見を頂きました。これらにつきましては、毎年の予算要求等の中でしっかりと対応してまいりたいと考えております。私の方からの説明は以上になります。フレームワーク案、それぞれの御意見に対する対応方針案について御意見を頂ければと思います。
以上になります。
〇西村部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局の説明について、皆様から御意見、御質問など頂きたいと思います。時間の制限もありますので、一人2分をめどにお願いできればと思います。今回は、この会場に御出席いただいている委員の皆様から、御意見をいただいて、その後、ウェブ御出席の方に移りたいと思います。
それでは、松田委員からお願いできますでしょうか。
〇松田委員 御説明ありがとうごいました。質問というか意見のようなものかもしれませんが、まず、7ページの水土里ビジョンについてです。これは関係機関が連携して策定するということになるわけですけども、作成主体について全く触れてなくていいのかという点。この形で文章化されて、我々市町村が受けると、誰が先に声掛けするのかということが生じると思いますので、どうお考えなのかという点です。
また、13ページの土地利用構想の作成について、どういう単位をイメージしていて、それは水土里ビジョン、あるいは地域計画を含め、それと関連性を持って必須のイメージなのか、それとも任意に必要があった場合に土地利用構想を作成するというふうに考えていらっしゃるのかという点です。
それから、15ページの土地改良区の運営基盤強化について、合併等について触れていますが、ケースバイケースとは思うのですが、だいたいの方向性、例えば、指針的なものを提示、触れてなくてもいいのでしょうか。具体の数値を入れないにしても、統合を見据える場合の判断基準といったものに触れてなくてもいいのだろうかという思いがありまして、質問のような意見のようになりました。
〇西村部会長 ありがとうございます。続いて、牧委員お願いできますか。
〇牧委員 御説明ありがとうございます。いろいろな細かい部分も書き込んでいただいてありがとうございます。
地方懇談会に出席をして、水田で米を作ること自体がだんだん当たり前ではなくなってきているように感じました。担い手がいなくなってきたり、儲かる農業ではなくなってきたり、そのため、高収益作物を制度を作って取り入れているわけですけれども、反対に、それが担い手の足枷になってしまっている、というようなところも見受けられました。
今回、5ページの9番目の意見で拾っていただいていますが、まずは米作りができる水田をしっかり将来に繋いでいくことの必要性を書いていただけるといいと思います。水田営農が続けられてこそ、新規需要米など可能性も広がりますので、お願いできればと思いました。
また、スマート農業について、導入という言葉が目立ちますが、国営事業が進んでいるところは、すでに更新事業の要望が出ています。土地改良長期計画の計画期間が5年間ということもありますので、その内容が読み込めるような言葉が入っていたらいいと思いました。
それから、11ページの河川管理者との関係ですが、担い手への集積や気候変動によって、水利用のパターンが変わってきていて、その変更を河川法の手続きで行うと時間と手間がかかり、即時的、現実的ではないという中で、例えば、総取水量の中で、ある程度、関係者の協議で対応できないかとか、そういったことを含めた話を対応方針案の「流域内の水資源の柔軟な活用」という部分で読めればいいと思います。農業側が、ダムの貯水量の解放ですとか、田んぼダムですとか、治水に協力、連携している部分がありますので、利水についても、是非、河川管理者との連携を進めていけたらと思います。
それから、人材の育成ということで書いていただきました。人材の育成というと、どの部門も共通で言えることですが、特に農業工学という学問の分野が、大学などの学科が少なくなっていることもあり、人材の土台の部分が非常に不安な部分があると思います。そのため、人材育成の部分について、「農業工学」という言葉を使うかどうかということもありますが、学識の段階からの必要性を盛り込めないかと思いました。以上です。
〇西村部会長 ありがとうございます、続きまして、藤原委員お願いたします。
〇藤原委員 御説明ありがとうございます。全体的に対応方針としてうまくまとめられておりまして、特に異論ということはありませんが、2点ほど強調して欲しい点ががありますので、発言させていただきます。
一つ目は、全体事項のところに書かれていますように、食料安全保障と食料自給力の確保における土地改良事業の関係性及び役割について記載するということは、とても大切だと思います。それに関して、食料安全保障と食料自給力の向上のためには、基本的には農地を減らさない、耕作放棄地を生まないということが、重要事項だと思っています。特に、平地に比べて様々な条件が不利な中山間地域では、農家の高齢化や担い手不足がより加速化していて、深刻になっていることから、今後、加速度的に耕作放棄地が増えるということが予想されます。中山間地域は、説明資料にも書かれてますけれど、国土保全や景観形成など、農業生産のみでは評価できない多面的な機能を持っていることからも、労働生産性を上げる基盤整備とともに、中山間直接支払い制度なども一層充実させて、手厚く保全していくということを強調していただきたいと思います。
二つ目は、土地改良事業を行うに当たって、予算の確保が必要であり、土地改良区の運営基盤についても財政的な支援というのは説明資料にも書かれていますけれども、地方懇談会でも多く意見が出されていました。そのためには、土地改良区や土地改良事業への、国民理解のさらなる醸成が必要と思っております。17ページに、すでに対応方針案として書かれていますけれども、学校や地域のイベントなど様々な機会と各種メディア等を活用して、この土地改良事業が食料安全保障に直結しているということの理解増進に、今まで以上に積極的に取り組んでいただきたいと思っております。
以上です。
〇西村部会長 はい。ありがとうございます。それでは、稲垣委員お願いできますか。
〇稲垣委員 御説明ありがとうございました。簡単な質問を2点、意見を3点お願いしたいと思います。
1点目の質問は、私も松田委員と同じように、13ページの土地利用構想について、これは一般論で言う営農構想を指しているのか、それとも農水省の活性化法の構想のことを指しているのでしょうか。
2点目の質問は、今回の資料に、農地や施設の「集約」や「集約化」という言葉が12カ所ほど出ていますが、「集約」と「集約化」の言葉の使い分けに何か意味があるのでしょうか。
1点目の意見は、集約化について、基本計画で、集約化の進捗率を評価する手法を実装するよう検討するというワードが入ったわけですけども、土地改良の世界でも機構集積の関連事業等で、その集約化の定義を1ヘクタール以上の農地とされていらっしゃるかと思いますし、また、土地改良の世界では、いわゆる集団化率というワードもありまして、今回の土地改良長期計画の中で、集約化や集団化について言及された方がよいのではという思いがあります。
2点目の意見は、有機農業について、先ほど牧委員がおっしゃったことと関連するのですが、高収益作物の導入や生産コストの削減が、特に中山間地域では厳しく、事業着手の阻害要因になっているという認識がございます。一方で、緑の食料システム戦略等では、有機農業百万ヘクタールを掲げております。中山間地域と有機農業の親和性は高い側面もあり、高収益作物の導入に加えて、有機農業の取組みたいなことを土地改良の方で入れていくという考えがあるのか。私が出席した中国四国ブロックの地方懇談会でも、島根県土連の専務からそういう要望があり、私もまさに同感と思った次第です。
3点目の意見は、私は農業委員会の方で農地利用の最適化という仕事をさせていただく中で、土地持ち非農家、不在村地主、所有者不明農地、この辺が非常に喫緊の課題であると同時に、法律や制度の制約等から取組に非常に支障をきたしています。基本計画の中にも、不在村の農地所有者が増加すると、その所有農地の利用が困難になるため、地域計画の枠組みにおいて、農地の適正利用を確保する新たな方策を検討するような趣旨が記述されたわけですが、この土地改良長期計画の中でも土地持ち非農家や不在村地主、所有者不明農地は非常に課題になってると思いますので、土地改良長期計画においてフォーカスされた方がいいのではないかと思っています。
私からは以上です。
〇西村部会長 はい。ありがとうございます。
今までの委員の質問などで事務局からあればお願いします。
〇中西計画調整室長 御意見ありがとうございます。
松田委員から、水土里ビジョンのお話がございました。こちらの策定主体につきまして、今後、説明会をしっかりやっていき、水土里ビジョンの全体像を御理解いただくことが非常に重要だと思ってますので、しっかり進めていきたいと思っております。
また、土地利用構想については、我々の予算制度で最適土地利用総合対策があり、その中で市町村などが中心になっていただいて、その地域の土地利用について御議論いただくという内容をイメージをしております。これが、水土里ビジョンの必須要件になるとまでは考えておりませんが、連携が取れるところであれば取っていただくというのは一つあると思いました。
牧委員から、スマート農業機械の更新の関係、水利権の調整の関係、国交省との連携といったようなことの御意見を頂きましたが、この辺りの書きぶりについても、いろいろと調整させていただきたいと思います。
藤原委員からは、食料安全保障という意味でも中山間地域の農地維持が重要だということ、あるいは土地改良事業についての国民理解の醸成促進を今まで以上に進めていく必要があるといったコメントを頂きました。書きぶりを調整させていただければと思います。
稲垣委員からは、「集約」と「集約化」を明確に使い分けてなかったので、言葉遣いは使い分けも含めて考えていきたいと思います。
有機農業の関係は、5ページ目に少し記載しておりますが、有機農業に対して土地改良ができることを、どこまで書けるのか含めて考えさせていただきたいと思いますし、不在村地主、土地持ち非農家の話について、これは準組合員などについて、16ページに今回書かせていただいておりますが、書きぶりについても今後しっかりと調整してまいります。
〇西村部会長 それでは委員からの御発言に戻りたいと思います。山波委員お願いいたします。
〇山波委員 本日もよろしくお願いいたします。皆さんから、私の方でも発言したかった内容もお話しされてますので、ポイントを絞ってお話させていただきます。
まずは、よくまとめていただいて事務局の方々の御尽力を感謝申し上げますが、生産者の立場からお話させていただきますと、9ページの6番目のスマート農業について、これは必ず出てくる言葉ですが、それをいかに活用していくかというところで、現場の方から出てきた意見だと思います。この位置座標のデータをほ場整備をした後に、スマート農業ができる農業機械になかなか活用できないという御意見と思いますが、そういったことについてですね、対応方針案には、丸くを収めてあるのかもしれないのですが、今後、農水省だけでは無理であり、おそらく施工業者、農機具メーカーといった方々とも詰めていかなければいけない話だと思いますので、御検討いただければと思います。
以上です。
〇西村部会長 はい。ありがとうございます。長谷川委員、お願いいたします。
〇長谷川委員 御説明ありがとうございました。同じような御意見もあったと思うのですが、冒頭の全体事項や国民理解の醸成に関わる話で、意見を申し述べたいと思います。
冒頭にあります、食料安全保障、食料自給力の確保における土地改良事業の関係性、役割を記載することは大切だと思います。食料・農業・農村基本法の基本理念として食料安保が位置付けられているということもあるので、これは当然だと思うんですが、同時に、昨今の農業をめぐる状況についても押さえておきたい。例えば、多くの国民が感じている米価格の高騰、いわゆる令和の米騒動があります。これ自体は、例えば、流通過程に問題が生じているのでしょうが、消費者、米を消費する側の立場に立ってみれば、日本の農業はこの先本当に大丈夫なのか、持続可能性があるのか、高齢化や担い手の不足等が深刻化している中で、我々が主食として食べている米が、適切な価格で安定的に供給されていくのか、という不安感みたいなものが、問題意識として出てきているのが最近の状況だと思います。
土地改良事業は、ほ場の大区画化もそうですし、スマート農業もそうですけれども、こういう国民全体の不安感に、ある意味で応えることができる有力な手段であると思います。そこを土地改良長期計画の中で、そういう状況を踏まえて、きちんと丁寧に書いていくことが大切なのかなと思います。
土地改良長期計画というと、農業者や関係者にとっては、重大な関心事項ではありますけれども、例えば、都市の住民だとか、日頃、農業に接することがない、あるいは関心がない人たちにとってみれば、かなり遠い世界の話になると思います。ただ、最近の状況を踏まえると、様々な農業が抱える問題点を解決していくために、いかに土地改良事業が重要なのかということを訴えるべき時でもあるので、そういうことは丁寧に書いていく必要があると思っています。これは、例えば老朽インフラの話でも同じです。八潮市では下水道でしたけれども、陥没事故があったり、割と多くの人が、老朽インフラの問題というものについて身近に感じるところが出てきたと思うので、その辺りの最近の状況を丁寧に踏まえながら、記述していくことが大事と感じています。
〇西村部会長 ありがとうございます。河野委員お願いいたします。
〇河野委員 御説明ありがとうございました。新たな土地改良計画を策定する上で、基本法改正の趣旨や、それから私も参加させていただきました地方懇談会で得られた切実な現場の声を丁寧に拾い上げ、対応策をまとめてくださっていると受け止めております。
それから、フレームワークで示されたように、農業用水を特出しして、そこは重要であると示してくださっていることも納得感がある説明だと思っております。私のような消費者からすると、頑張ってやっていただきたいということですが、いくつか気付いた点をお伝えしたいと思います。
1点目は、産業の弱体化という視点から、高齢化、労働力不足、後継者不足というのは、農業だけの問題ではなく、国内の多くの産業が抱えている難問であり、今後、人口減少が進むと食べる人も間違いなく少なくなっていく前提で農業を考えていかなければいけないと思います。今回、先ほど御説明いただいた土地改良法の改正案では、目的を消費者の需要に即した農業生産の推進と、今までは農業だけを絶対的な価値として考えていたところが、ちゃんと誰に向けて、どういう形で進んでいくということが示され、こういうふうに方向性を示していただいたことは良かったと思っています。購買力が小さくなっていく一方で、安くないと買ってもらえないと考えて、原価や再生産価格を度外視して販売しようとするのは、持続的では全くないと思っておりますし、国産の農産物の価値は価格だけではないということを消費者に向けて、しっかりアピールして、適正価格の維持のために、やはり土地改良が非常に重要であるということを伝えていただきたいと思っております。
2点目は、すべての要望に応えるわけにはいかないという点で、私が参加させていただいた地方懇談会の感想なんですけれども、従来とは違った考え方で農業に向き合っていて、とてもやる気のある農業者の方々に会いすることができ、その発言には力づけられたと思っております。不足や不備を嘆くだけではなく、自ら挑戦する意欲を持ち、経験則から脱して、今の時代をしっかりと読んで、デジタル技術などを積極的に活用していく、そうした意欲のある農業者をしっかりと応援していく姿勢も大事であると思っています。
3点目として、先ほど、長谷川委員もおっしゃってくださいましたが、今ほど消費者が日本の農業を真剣に考えている時期はないと思います。消費者は、普段の生活ですと値段の上がり下がりは気にしますけれども、農業生産について、この言葉がいいかわからないですけども、ほとんど関心を持っていません。土地改良長期計画の中で農地や農業が持つ様々な役割を示してくださっているんですけども、やはり消費者に一番アピールできるのは、先ほど長谷川委員がおっしゃってくださったように、安心して農作物を手に入れることができる環境を、こういった政策でしっかりと担保しているというところです。合わせて、防災、減災、景観維持、自然の保護など多面的機能という付加価値の部分で、農業農村が果たしている役割について、改めてしっかりと周知していただきたい。今、関心が高まっている時に、トータルで国民に向けて周知、広報していただければと思ったところです。
私からは以上です。
〇西村部会長 ありがとうござます。加藤委員、お願いいたします。
〇加藤委員 説明ありがとうございました。非常にわかりやすく、フレームワークとしてもよくまとめられていると感心いたしました。 2点ほどコメントしたいと思います。
1点目は、現行のスマート農業の開発状況を見ていると、やはりほ場スケールが中心になっているかと思っております。このためには、今後も地域レベルで、中山間地域を中心に情報化のインフラが必要になってくるだろうと理解しております。その分、引き続き支援をお願いできればればと思いますが、一つ検証が済んでないのがですね、スマート農業を導入した場合に、水資源やエネルギーの利用効率が向上しているかどうか、実はまだよくわからないというのがあります。というのは、農法とか農業形態などが、このスマート農業で変わる可能性があります。例えば、今まで田植え式から直播に変わる時、水の本当の使用量が増えるのか減るのかというのは、実はよくわかってないところがあります。そういう効率化の部分については、今後とも検証をしつつ進める必要があり、大学や研究機関を御利用いただいて情報を集めていただきたいということが1点です。
2点目は、ほ場の方がどんどんスマート化が進み過ぎてしまうと、土地改良区の基盤運営やマネジメントが追いつかなくなる可能性もあります。こちらの方のサポートや支援、特に土地改良区が管理している施設のスマート化という部分も一体的にやる必要があると考えております。非常に高度な技術を農村に入れていかなくてはならなくなる場合、牧委員もおっしゃってましたけども、やはり人材育成、農業工学という言葉が出てきましたが、高度なマネジメントのシステムを合わせて、運用できる人材が地方に非常に必要になってくるということが、今後の土地改良長期計画の中で謳われるといいと思います。特に、政策課題2で、施設の集約再編の中で、高度化の推進が出てますけれども、それを支える人材育成という文言があってもいいと考えております。
もう一つ、温暖化及び防災・減災対策、多面的機能は一体的なものと理解しております。 防災技術として農業が持っている、例えば、ため池の先行放流や田んぼダムなどの技術が出てきております。非常にいい技術だと思いますが、例えば、その効果のエビデンスの検証がまだ終わってない段階です。アイデアとしては優れていると思いますし、また、実体的に効果が期待できますが、マネジメントというか、管理できるような部門が育っていせん。人材育成がここも必要だと考えております。
また、同時に温暖化の背景の下で、多面的機能が失われていく可能性もあります。そこの部分をどう評価するのか誰も知らない。多面的機能直接支払いをやっておりますが、そのような直接支払いのエビデンスについて、今、カーボンクレジットでは、二酸化炭素がどれぐらい削減できているかというエビデンスが要求されておりますけれども、例えば、そういったものは生態系サービスへの直接支払いとか、そういった部分で必要とされる可能性があります。何かしらのケーススタディをいくつか出して研究機関と連携しながらやっていただく方が、政策の透明性に貢献できると考えておりますので、大学や研究機関のサポート、行政との連携が、今後とも非常に重要ではないかと考えています。
この点を御配慮いただければと思います。
〇西村部会長 はい、ありがとうございます。
今まで出てきた委員のコメントや質問について、事務局の方で何かございましたらお願いします。
○中西計画調整室長 ありがとうございます。
まず、山波委員から、農業者がしっかりとデータ活用できるようにという御意見を頂きました。私の説明の中で不十分でありました8ページ目の、右の3番目の丸のところに、そういうことをイメージして、情報化施工と三次元データの活用といったことは、やはり農業の分野でも進めていかなければと思ってますので、丁寧に書かせていただきたいと思っております。
長谷川委員と河野委員からは、今回の土地改良長期計画では、昨今の状況、消費者の考え方、都市住民の考え方といったような農業者以外をしっかり巻き込むような書きぶりにすべきという御意見だったと思います。まさにその通りでして、現在、世の中で起こっている関心事項、インフラの老朽化も含めてですが、そうしたものも含めて、しっかり書きながら、幅広い国民の皆様に手に取っていただけるような土地改良長期計画にしていきたいと思います。その辺りの書きぶり、いろいろと今後考えさせていただきたいと思います。その中で多面的機能というのも一つのキーワードというお話もあったと思いますので そのあたりについて、しっかりと念頭に置きながら記述を進めていきたいと思っております。
加藤委員からは、スマート農業の関係、あるいはその人材育成、さらには温暖化対策といった中で、様々なエビデンスに基づいた技術が重要になってくるというコメントを頂いたと思っております。これにつきましては、すぐには難しい部分もあるかもしれませんが、今後、エビデンスという研究はもとより、人材の育成といったような観点でも大学との連携が非常に重要だと思っておりますので、そうした点につきましては、しっかりと書いていきたいと思いますし、意見交換させていただければありがたいと思います。
私から以上です。
〇西村部会長 はい。ありがとうございます。会場御出席の委員の皆さんから御意見頂きましたので、ウェブ出席の委員の方にお願いしたいと思います。それでは、井上委員お願いいたします。
〇井上委員 資料の作成と御説明ありがとうございました。次期土地改良長期計画のフレームワーク案について、相乗効果や親和性について、非常にわかりやすく表現されていると感じました。地域計画を進める上で、地域の関係者と協議ということは必須になると思いますが、このポンチ絵を参考に、地域内外の農業者をはじめ、関係機関や地域住民の皆様と共に積極的に情報を共有し、広く理解と連携を図ってまいります。2点発言をさせていただきます。
1点目は意見です。委員の皆様からもございましたが、5ページで有機農業の取組についてというところです。右側の方に、後押しする観点からもに続いて区画整理という表現がございますが、最近、私も有機農業を営んでおるんですけれども、この有機農業者の中では、区画整理という言葉を使うより、ゾーニングという表現を多く用いるような傾向にございます。区画整理というものは、農地の整理であったり、大区画化を意味する表現かと思いますが、ゾーニングというものは、農地の優位性を重視したルールを定めるというような意味合いがございます。高付加価値化は重要だと考えますが。農地や環境によるポテンシャルの見定めが必要になる。そういったことから、この区画整理の後にゾーニングという表現を追記してみてはいかがと思いました。
2点目は、感想に近い発言です。7ページ目、水利施設の戦略的保全管理についてです。土地改良区、市町村、集落等の関係団体の協議を通じて役割分担を明確化し、地域内の関係者が連携して農業水利施設の保全に取り組むための計画(水土里ビジョン)と続きますが。昨今、私の営農する中山間地域では農業者のみらず土建業を営む方々も人材不足で非常に悩まれております。具体的には、入札があっても実行できないということが散見されております。つい先日、私の営農する中山間地域で浚渫工事の見学に行ってまいりました。収支上は成り立つこの公告工事がですね、人手不足によって、工期の遅れや利益の圧迫っていうものが、大きなダメージとして見受けられました。スマート農業とスマート土木というものは、似たような目的と性質を持っていると考えておりますが、土地改良において、双方の課題を合理的に対策する必要があると考えます。関係団体の協議を通じて役割分担を明確化とありますが、この関係団体のところに、感想ですが、関係省庁というところを付け加えて、例えば、農水省と国交省であったりとか、そういった関係省庁での情報交流や連携も必要ではないかと感じました。
発言は以上でございます。
〇西村部会長 はい、ありがとうございます。申し遅れましたが、ウェブで参加の方については名簿順で御意見を頂きたいと思います。今、井上委員からの発言がありましたので、次は北室委員にお願いしたいと思いますが、大丈夫でしょうか。
〇北室臨時委員 はい、大丈夫です。御説明ありがとうございました。私は地方懇談会での、各地の担い手の皆様の実感や意見に深い感銘を受けました。そちらにもきめ細かく御対応されたと思います。
私からは、政策課題4と国民理解との両方に関わることなんですけれども、中山間地域は、地理的には不利とされる特性を背負いながらも、日本の歴史的・文化的な価値を創出してきた地域だと思います。様々な伝統的な文化を担ってこられたという事がありますし、例えば、世界農業遺産や世界かんがい施設遺産の文化的価値、歴史的価値を国民で共有するという気運をもっともっと高めてほしいと思います。私たち国民にとっての大きな宝物であり、情報発信や共有のさらなる活性化によって、コミュニティを維持してこられた中山間地域の農村の方々の誇りもより強固になると思います。そういった歴史文化的価値ということも言及していただきたいです。
それから、こちらも国民理解醸成ですけれども、都市の若者に対する情報発信とかですね。それから鉄は熱いうちに打てと言いますか、小学校などへの出前授業など、地方懇談会でその出前授業がされているということを伺いまして、大変意義のあることだと思いました。学校教育の現場への土地改良の意義を伝えていくということも、意見として申し上げたいと思います。
私からは、以上です。
〇西村部会長 はい。ありがとうございました。続いて、久保田委員お願いいたします。
〇久保田臨時委員 厳しい時間設定の中で、地方懇談会含め取りまとめていただいて大変ありがとうございます。そして、このフレームワークについて、コンパクトにまとめていただいておりまして、今後、土地改良区長期計画が閣議決定された後は、私は現場に一番近い立場として、このペーパーを下に、身近な市町村、土地改良区の方に、土地改良長期計画の中身について、しっかり発信をしていく、そういったことも思った次第です。
そうした中で、特に土地改良事業は公共性、公益性が非常に高いことが、今回の基本法の中でも位置付けされました。これを受けて、現場の活動を通じて、いかに声を発信していくかというところで、連携強化にもう少し踏み込んで記載してはどうかという観点で意見を言わせていただきます。具体的には2点ございます。
1点目は、資料1の4ぺージ、スマート農業について記載がございます。対応方針案のところに農業者が減少しながら、しっかりスマート農業をつなげていくことが大事ということですけど、もちろん農業者は担い手の集積もやってます。それよりも高齢化対策です。基盤整備、大区画化、畑地化をしても、5年後、10年後、しっかりと農地保全、農業生産活動をつなげるためにスマート農業は必須だろうと思っております。そういった基盤整備を中心に、一気にスマート農業までいくというところまでは書けないでしょうけど、いろいろな所管、財源の問題もあると思いますが、スマート農業を確実に展開していくというところで、もう少し踏み込んだ連携強化についても記載してはどうかと思った次第です。
それと、事例として2つ目でございます。11ページの防災・減災のところで、対応方針に河川管理者と利水者との合意形成と書いてございますが、まさに頻発化、激甚化する災害、全国の利水の8割は農業用水となりますと、災害が発生する機会も非常に農業者、農業地域で多いということでございます。御案内のとおり、全国各地で大河川を中心に流域治水の緊急利水プロジェクトを立ち上げております。その中でも、その周辺に係る農地、農村地域の田んぼダムやため池整備、防災ダムとの連携は非常に大きい、こういったことをしっかり国民に発信していくことが大事でありますので、ここに記載するかどうかは別にして、17ページ、18ページの国民理解醸成、あるいは関連施策や関連団体との連携強化といったところに、今後の頻発化する時期の中で、自助、共助、公助の具体についても、少し踏み込んだ表現もあるのではないかと思っております。
あと一つ、現場の声として、先ほど松田委員からもございました水土里ビジョンの策定主体について、私も現場を預かる立場として、特に西日本は東日本と違って、非常に小さい土地改区がございます。一つの市町村の中に複数の土地改良区があるとなりますと、いろんな効率を考えても、やはり市町村の支援が絶対的でございます。東日本の一つの土地改良区で、逆に複数の市町村を抱えるような大規模ではなくて、九州においては土地改良区がない市町村でも、やはり土地改良事業、中山間対策を推進しているところもございますので、水土里ビジョン策定について、ここに記載するかどうかは別にしまして、策定主体について、市町村の位置付けが非常に大きいですので、そういったところも意見として提案させていただきます。
以上でございます。
〇西村部会長 はい。ありがとうございます。続いて清水委員お願いできますか。
〇清水臨時委員 御説明ありがとうございました。非常に丁寧に一つ一つ答えていただいて、方向性を検討していただいてありがとうございます。国民理解の醸成については、今回の土地改良長期計画の改正にあたって地方懇談会にも出席させていただいた中でも、私が臨時委員をやらせていただいてからも、おそらくその前から議事録を拝見しても必ず出てくる論点です。どうしてそれが進まないのか、あるいは、もしかすると中身が変わっていかもしれないですけども、どうしたら国民理解の醸成が進んでいくのかということを、常々考えております。
今回、特に、その他の課題のところで人材育成、人材不足の解消が出てきています。農林水産省全体の課題の一つでもありますが、多様な人材の活用ということも出てきている中で、農村部で人が足りないので、外部の人を巻き込もう、呼び込もうということだと思います。そのためには国民理解の醸成が絶対に必要です。一方で、多様な人材に来てもらう、では、どんな人たちにどんなふうに関与してもらうかという時に、農業、農村の現場を担う土地改良区には土地改良区の構成員しか関われない状況があります。農業農村には農業農村の事業をやってる人、それを学んできた、たとえば農業工学をやってきた人しか関われないというムラ意識があるような気がしております。そのムラ意識を取っ払っていかないと生き残っていけないなと思うところです。精神論、観念論のようなことを申し上げているとは思うのですが、現実には、他事業者、他業種、たとえば土木業者など同じ工学というくくりで連携できる方もありますし、消費者にかかわってもらうというふうに視野を広げたら、全然広さは違うと思います。少し視野を広げていくことが、一番大きな、基本的な計画である土地改良長期計画において重要なのではと思った次第です。
また、フレームワーク案の政策課題4の農村の振興の部分、ハードではなくソフトの部分の記述が少なく、政策的に薄いです。この部分にこれから力を入れていくべきではないか、苦手な部分ではあるのですけども、やっていかなくてはいけないということを申し上げたいと思います。
以上です。
〇西村部会長 はい。ありがとうございます。それでは松本委員お願いいたします。
〇松本臨時委員 御説明いただきありがとうございました。意見、要望が対応方針案に反映されており、個人的にも嬉しく思いました。ありがとうございます。
私からは、4点意見を述べせていただきます。
1点目ですが、7ページの対応方針案に記載されているとおり、農業水利施設の適切な更新はとても大事であり、現在、施設更新の計画(機能保全計画)から長寿命化の対策まで事業制度が拡充されており、今後も引き続き補助を継続、拡充していただきたいです。この水理施設の保全管理問題は、どの地域に行っても気候変動により話が上がってきていましたので、一番大事な問題だと私なりに認識いたしました。
2点目ですが、11ページです。中山間地域での土地改良事業は生産増加だけではなく、人口減少など過疎化対策にも有効だと考えられます。しかし、基盤整備の費用は平地と比べて割高になり、事業の費用対効果が制限となる地区もあると聞いております。土地改良事業の事業効果として、過疎化対策のような事業効果を追加して、中山間地域での整備がより進みやすく、十分な投資ができるような方向で記載ができないでしょうか。
3点目ですが、15ページです。土地改良区の運営基盤強化は、近年、農業水利施設の更新事業(ストマネ事業)を補助事業で実施することが増えてきており、それに伴い適切な補助金事務実施や工事の業務契約、監督業務など改良区の業務量や職員のスキルアップが必要となり、改良区の限られた職員数では対応が困難となってきております。このため、補助事業を活用する分に対して、相応の事務費が土地改良区に補助されるような制度ができないものでしょうか。
4点目は、17ページです。対応方針(案)の記載のとおり、土地改良区や土地改良事業の必要性の理解を促進していくことは大事なことです。この記載に、土地改良区があることによる地域内のまとまりやネットワークとしても効用があることを追記してはいかがでしょうか。
私からは以上です。ありがとうございました。
〇西村部会長 はい。ありがとうございました。それでは事務局から何かございますか。
○中西計画調整室長 ありがとうございます。
井上委員から有機農業の関係、ゾーニングというワードをもう少ししっかりと書き込んではという御意見を頂きました。これについては、もう少し我々の方も勉強させていただきたいと思います。
あと、水土里ビジョンについては、これは地域の施設保全に関わる方を中心にと思っております。それ以外の関係機関との連携については、建設業界との連携も含めて、これは非常に重要だと思いますので、どこに書くかというのも、考えさせていただければと思っております。
北室委員からは、中山間地域での世界農業遺産とか、歴史的、文化的な価値といったようなものをしっかりと書いていくべき、あるいは学校教育への周知といったようなお話がありました。これは記載ぶりのみならず、我々の日頃の活動の中でも進めていく必要があると考えております。
あと久保田委員からスマート農業に対する高齢者を中心とした、これから高齢者が中心になっていくといったようなことで、スマート農業にそうした視点をといったコメントを頂きました。まさにその通りだと思ってますので、これも念頭に置きながら考えさせていただければと思います。
あと、防災減災といった視点で、田んぼダムによる効果といったようなことを書いていってはどうかという御意見、考えさせていただきたいと思います。あと、水土里ビジョンにおける市町村の位置付けについても、これから説明会等を行っていく中でも、そこは我々としてはマストだと考えておりますので、市町村との連携というのはしっかりと書かせていただきたいと思います。
清水委員からは、国民理解の醸成といったコメントを頂いたと思っております。どんな人にどんな関与を求めていくのかといったような形の具体的なコメントがございました。これに対して、どういった形で答えることができるのか、考えさせていただきたいと思います。
政策課題4の内容が薄いというコメントがありました。土地改良長期計画の中で、毎回悩むところで、土地改良事業に関することを書くというのが一つのベースになっております。そのため、ここのところは非常に弱いと我々としては思うのですが、農村政策との土地改良事業の親和性というのを広げていくというのが、一つの方向性でもあると思ってますので、今回どこまでかけるのかといったようなことをしっかり考えさせいただきたいというふうに思います。あと、松本委員から更新事業制度の充実ということがありましたが、それに対してはしっかりやっていきたいと思いますし、費用対効果の関係、これも、今回、食料安全保障といった観点も入ってきていますので、そうしたところでどれだけ広げられるのかというようなことを我々としても考えていきたいと思っております。また、土地改良区があることによって地域内のまとまりが出るとか、そうしたコメントも頂きました。こうしたことも念頭に置きながら考えていきたいと思います。いろいろ御意見ありがとうございました。
〇西村部会長 はい、ありがとうございます。今日欠席の委員の方から御意見があればお願いしたいと思います。
○中西計画調整室長 はい。松下委員から頂いております。
一つ目が、資料1の農業・農村の多様性への配慮ということで、条件不利地域における農地維持は、食料安全保障及び国土保全の観点から重要です。そもそも収益性の低い条件不利地域では、地元負担なしの農地中間管理機構関連事業が望まれる傾向にあると思われますが、その実施要件が、条件不利地域にとっては非常に厳しいものとなっております。地域の実情に即した形で要件緩和の可能性を検討することも是非お願いしたいという御意見です。
2つ目は、農業水利施設の計画的かつ迅速な補修・更新、適切な保全管理の部分につきまして、土地改良事業は農業・農村整備を図る上で重要な役割を担っていますが、現場での実施を支援する市町村の技術系職員が不足していることが深刻な課題となっております。特に施設更新事業の手続きについては、これまで多大な機会費用がかかっていることは喫緊の課題と考えます。土地改良法の改正においては、国等の発意や急施の拡充が導入されることになりますが、受益者利益の侵害の恐れを十分に考慮した上で、当該施策を積極的に活用することが必要と考えますという御意見を頂いております。これにつきましても、今後しっかり考えてまいりたいと思います。
〇西村部会長私からも委員としての意見として、お願いとコメントがあります。
まず、お願いについてですけれども、先ほど加藤委員が関連することを言っていただいたので、説明しやすくなったんですが、加藤委員はエビデンスの話をされました。それ以外にも気候変動対策、温室効果ガスの発生、施設の保全に関する技術開発、少なからぬところで、大学を含めた学術的なところが関わっているので、関連団体のところに「学術」というのも加えていただきたいというのがお願いです。
もう一つはコメントですが、私も清水委員と似た印象を受けてまして、ただ、考え方は若干違っています。これから言うことは、多分皆さん頭の中ではわかってるのでしょうけど、これを作る中で、同じことを2回書いてはいけないということで、こういう形になったと理解しています。何を言いますかというと、結局、農村の価値だったり、食料安全保障だったり、人が住み続けるためには、そこでこうしなければいけないということを理念として打ち出してはどうかということです。今はソフト的な対策として政策課題4に書いていますが、政策課題1、2、3も何のためにやってるのいるのかというと、食料安全保障だったり、地域に人が住み続けられるためだったり、農業、農村の価値を広げていくとか、多様な人材を呼び込むためにやってるいるので、それを理念がこうであるということを打ち出して、その中でハード的な課題やソフト的な課題を記載していくと、理解の醸成には効果的と私も感じています。言い方が清水委員とは少し違いますけれど、内容としては似たようなところでコメントさせていただきます。
以上です。
○中西計画調整室長 ありがとうございます。
一つ目の大学との関わりはしっかり書かせていただきたいと思います。
二つ目の政策課題4について、部会長、清水委員からもコメントありました。アウトプットとして土地改良事業というのが、どうしてもついてくるのですが、その理念の部分に、しっかりと位置付けることは可能かと思っていますので、そこの部分はしっかり考えていきたいと思います。
〇西村部会長 はい。次に進ませていただきたいと思います。議事の2の農村振興局における今後の海外農業農村開発に関する展開方向の案ということで、事務局の方からお願いいたします。
○鷲野海外土地改良技術室長 設計課海土地改良技術室長の鷲野と申します。議事2の「農村振興局における今後の海外農業農村開発に関する展開方向(案)」を御説明させていただきます。
海外関係の展開方向につきましては、かつて農業農村整備部会に設置されていた国際小委員会の中で議論されており、平成17年度には「農業農村開発協力の展開方向」の取りまとめがなされております。今回は、現在の農業農村開発をめぐる情勢等を踏まえ、「農村振興局における今後の海外農業農村開発の展開方向(案)」を整理をしましたので、本部会でも御意見等をお伺いした上で、取りまとめたいと考えております。
それでは、資料2を御説明いたします。構成としては、大きく四つに分かれており、始めに「世界情勢、国際的な議論」、続いて「我が国における政策的位置付け等」及び「展開方向」、最後に「参考資料」となっております。
まずは、1ページ目「農業農村開発をめぐる世界の情勢」を御覧ください。世界の人口は、2050年には2022年の1.2倍の97億人まで増加する見通しとなっております。一方、耕地面積は近年横ばいとなっていますが、かんがい面積の増加等に伴い、穀物単収が増加し、穀物生産量は増加しております。今後も食料需要の増大に対応するためには、かんかい施設の整備等による、さらなる生産性向上が必要となります。他方、世界の水使用量の約7割は農業用水が占めており、特に水田農業を営むアジア地域は水使用量が多いことが示されておりますが、生活用水や工業用水の需要が増加する中で、農業用水の効率的利用が求められております。また、近年、洪水、干ばつ等の気象災害の発生件数が急増しており、気候変動に対して、防災・減災対策等の適応策及び温室効果ガスの排出削減等の緩和策を講じる必要があります。
続きまして、2ページ目「食料や農業に関する国際的な議論」です。持続可能な開発目標(SDGs)において農村振興局と関わりが深いものとして、目標1の「貧困」、目標2の「飢餓」、目標6の「水・衛生」、目標9の「インフラ、産業化、イノベーション」、目標13の「気候変動」があり、これらの目標達成に向け、国際会議においてもコミットメントがなされております。例えば、国連食料システムサミットでは「食料システムを地域へ適応させる」、G7サミットでは「『強靭なグローバル食料安全保障に関する広島行動声明』を発出」、G20サミットでは「持続可能で気候変動に対して強靭な農業と食料システムを構築するため、農業生産性の向上等に焦点を当てたイノベーション及び投資を加速させる」といった声明等が出されております。
続きまして、3ページ目「水に関する国際的な議論」です。世界の水需要予測は、2050年には生活、製造業、発電等に要する水の需要が増加するとされており、世界の水使用量の約70%を占める農業用水の効率的利用が課題となっております。SDGsの目標6「水・衛生」において、ターゲット6.4の中で「水利用効率の大幅な改善」が掲げられ、モニタリング指標6.4.1として「水利用効率の経時変化」が定義されており、農業、工業、サービス業の各セクターについて、水利用効率の経時変化が監視されることになっております。この「水利用効率」は、「総付加価値額を取水量で割った水利用効率」と「全体に占める取水量の割合」との積を合算して算出することになっており、取水量あたりの付加価値額が低い水田農業は、他産業と比較して水利用効率が相対的に低く算出される指標となっております。このことを踏まえ、我が国としは、水利用の地域特性や水田農業における多面的機能等を考慮して、この指標のみをもって政策決定がなされないよう主張していく必要があると考えております。
続きまして、4ページ目「我が国における海外農業農村開発の政策的位置付け」です。令和5年6月に改定された「開発協力大綱」では、「気候変動等を始めとする地球規模課題は深刻化」しており、「開発協力を一層効果的、戦略的に活用」することとされております。また、「開発途上国とも協力し、地球規模課題に共に対処していくことは、我が国の責任」でもあり、「より多くの国との間で信頼関係を粘り強く構築していくことは、我が国自身の国益の増進につながる」ともされております。昨年6月に改定された「食料・農業・農村基本法」では、引き続き、「国際協力の推進に努める」とされております。現行の「土地改良長期計画」では、「農業水利施設等の基盤整備や農業用水の適切な水管理、防災・減災対策等を促進する必要」、「技術の適用検討・現地実証や技術交流、国際機関との連携を通じ、我が国の質の高い農業農村技術開発技術の海外展開や人材の活用等を積極的に推進する必要」があるとされております。「インフラシステム海外展開戦略2025」では、「気候変動問題に対し、適応策と緩和策を両立できる『質の高いインフラ』整備を実施」することなどが記載されております。
続きまして、5ページ目「我が国における海外農業農村開発に関する主要イニシアティブ」です。令和4年に発表された「熊本水イニシアティブ」において、「我が国の先進技術を活用した『質の高いインフラ』整備」、「気候変動への適応策と緩和策の両面での取組」等が記載されております。日ASEANみどり協力プランでは、農村振興局が実施する「アジア・モンスーン地域における農業・農村開発による気候変動適応策・緩和策の推進」が盛り込まれております。
このような現状を踏まえ、6ページ目に「海外農業農村開発の課題と今後対応が必要な事項」を整理しております。課題については、三つに整理しており、一つ目は「水利用の地域特性、水田の多面的機能等の重要性を国際社会に広く認知させる必要があること」、二つ目は「開発協力の主眼が気候変動対策等の持続可能な開発にシフトする中、気候変動等に対応した開発協力のより一層の推進と、我が国が有するインフラ技術・製品等の導入方策の検討が必要であるということ」、三つ目は「水田農業国との連携及び主張の強化と、関係国との信頼関係の維持・強化を図る必要があること」としております。
これらに対し、対応がなされない場合に想定されるリスクとして、国内施策への影響、課題・支援ニーズとのミスマッチ、関係国・地域との関係希薄化を挙げております。
更に、今後の対応が必要な事項を五つ挙げておりますが、詳細は次ページにおいて今後の展開方向としてまとめております。
7ページ目「海外農業農村開発に関する展開方向」について、三つの柱立てを整理しております。
一つ目の柱は、「水に関する国際的な議論への対応」です。水利用効率向上や温室効果ガス排出削減に資する持続的な水田農業のあり方について発信を強化するため、「1-1 国際的な水議論等への対応」として「世界水フォーラムやICID等の国際会議に参加し、我が国の知見・技術を発信」、「各国の施策や先進技術の情報収集及び国内施策へのフィードバック」、「世界かんがい施設遺産の制度を活用し、かんがいの歴史的意義や重要性に係る発信を強化」することとしております。また、「1-2 国際機関との連携強化」として「水の効率的利用等の推進、情報発信を強化」することとしております。
二つ目の柱は、「気候変動等の地球規模課題に対応した農業農村開発の推進」です。気候変動等に対応した、我が国が有する農業農村開発方策、インフラ技術・製品等の海外展開を強化するため、「2-1 気候変動等に対応した開発協力の推進」として「持続的な食料システムの構築、気候変動対策等に資する開発方策を検討」、「2-2 我が国の技術・製品の海外展開」として「質の高いインフラ技術・製品等の海外展開を促進」することとしております。また、「2-3 新たな開発協力案件の創出」として、JICAが公表している「気候変動対策の取組戦略」と連携するなど「新たな開発協力案件の形成に繋がる取組を実施」することとしております。
三つ目の柱は、「関係国・地域との連携強化」です。技術交流、大使館等への海外人材派遣を通じた農業農村開発分野における支援の実施により、関係国・地域と連携を強化するため、「3-1 技術交流等を通じた連携強化」として「中国、韓国、タイ、ベトナム、インドネシアとの技術交流等を通じたアジア諸国との交流協力関係を構築」、「国際会議等における積極的な情報発信、ルールメイキングへの参加等を通じ、水田農業国の代表としてリーダーシップを発揮」することとしております。また、現在、農村振興局から大使館29名、JICA専門家6名、国際機関4名の人材を派遣しているところであり、「3-2 大使館等への人材派遣」として「大使館、JICA専門家等への人材派遣を通じて、関係国・地域における開発協力方針を充実し、開発協力の案件形成を促進」、「研修等の実施による開発途上国への技術力向上を支援」することとしております。なお、大使館等での業務経験は国際人材の育成としても重要であり、引き続き、人材派遣を継続してまいります。
これら三つの柱を相互に連携させ、相乗効果の発現を図ることで、「地球規模課題の解決」と「国益の実現」を図ってまいりたいと考えております。
8ページ目以降には、農村振興局の具体的な取組事例等を参考として掲載しておりますが、こちらの説明は省略させていただきます。
説明は以上でございます。
〇西村部会長 はい、ありがとうございました。ただいまの説明について、何か御質問、御意見などありましたらお願いしたいと思います。それでは、藤原委員お願いいたします。
〇藤原臨時委員 御説明ありがとうございました。教えてもらいたいのですが、水利用効率について、水田農業が相対的に低く算定されるため、水田農業が持つ多面的機能を考慮して、本指標のみを持って、政策決定されないように主張していくことについては、そういった方向でいいと思いますが、多面的機能については、その経済価値を組み込んでいく試みはされてきているのでしょうか。例えば簡単な例では、水田があることによって、治水に役立っており、日本の場合はダムによる治水容量と同程度なので、経済価値を出そうと思えば、数値的に出せるものもありそうで、そういう方向でも検討していくことも考えられますが、いかがでしょうか。
○鷲野海外土地改良技術室長 ありがとうございます。やはり、水利用効率の算定式において、多面的機能等を考慮できるようプラスアルファの要素を加えていくことが理想であり、検討はしているところですが、新たに提案した算定式が国際的に認められるには難しさもあるため、なかなかそこまで踏み込めていないというのが現状です。まずは、関係国等に対し、水田の多面的機能として水源涵養効果等の様々な効果があることを示し、理解を深めていきたいと考えております。
〇西村部会長 はい。加藤委員お願いします。
〇加藤臨時委員 ありがとうございます。今後の海外農業農村開発の国際的農業分野の位置付けにおいてですね。一つ柱として、農業分野での気候変動対策が入っているかと思います。気候変動対策というのは、先ほど西村先生も言ってましたけど、かなりアカデミックな知見というものも、どうしてもバックグラウンドとして必要になってくるかと思います。やはり、人材育成という部分が出てきますので、日本人の学生、修士、博士、そういった方のトレーニングが必要ですが、それと同時に、大学の方でかなりの数の留学生を引き受けております。特にASEANを中心として引き受けている場合が多いかと思います。中国やベトナムとかも多いんですけど、特にASEANの留学生が日本で学んで、修士や博士を取った後は、それぞれ国に戻って、大学ですとか、あるいは行政機関、農水省副大臣をやってる、そういうような方が結構いらっしゃいます。そういうネットワークを使っていただいた方が、今後の農業農村開発の協力関係をする上で、非常に有効な使い方ではないかと考えております。人材育成の部分で、日本人だけではなく、留学生の人材育成は、今後、JICAを通じてサポートしていただきたいということが、できたら政策に位置づける中で明示できるかどうかわからないですけども、御検討いただいて、そういうサポートする余地があるような書き方をお願いしたいと考えております。
以上です。
○鷲野海外土地改良技術室長 御意見ありがとうございます。技術交流等を実施している中においても、留学生やJICAの研修生が各国政府の高官等になっているという話を伺っており、私自身も人的な繋がりが大変重要だということを実感しております。今後も、留学等により培われた人的ネットワークを活用し、関係国と連携、交流して参りたいと思います。ありがとうございます。
〇西村部会長 ほかに御発言ある方はいらっしゃいますでしょうか。よろしいですか。
はい、ありがとうございました。事務局は、今日の御意見を踏まえて、今後の作業を進めていただければと思います。
次の議事に進ませていただきます。技術小委員会への付託事項について、まずは事務局から説明をお願いします。
○中西計画調整室長 この技術小委員会の委員長は、調査審議の結果を部会に報告することとなっております。今回、土地改良事業計画設計基準計画「排水」及び土地改良施設管理基準「頭首工」、「農業農村整備事業における景観配慮の技術指針」の改定につきまして、技術小委員会での審議結果を藤原委員長から御報告いただきたいと思います。なお、食料・農業・農村政策審議会令では、部会の議決を持って審議会の議決とすることができるとありますので、大臣から諮問のありました、土地改良事業計画設計基準計画「排水」、土地改良施設管理基準「頭首工」につきましては、本部会で議決いただければ大臣への答申とさせていただきたいと思います。
以上です
〇西村部会長 はい。それでは、藤原委員長から、技術小委員会からの報告事項について御報告いただければと思います。
〇藤原臨時委員 技術小委員会委員長の藤原です。本年度の技術小委員会の審議結果を御報告いたします。資料3の1を御覧ください。
まず検討の経緯ですが、令和5年度及び6年度の農業農村振興整備部会において、土地改良事業計画設計基準計画「排水」、土地改良施設管理基準「頭首工」、「農業農農村整備事業における景観配慮の技術指針」の改定にかかる付託を受け、その後、2回から3回、技術小委員会において調査審議を行いました。最終的に土地改良施設管理基準「頭首工」は、令和6年11月25日、土地改良事業計画設計基準計画「排水」及び「農業農村整備事業における景観配慮の技術指針」は、令和7年2月27日の技術小委員会で改定案を取りまとめ、今回御報告させていただくものです。
審議の結果につきまして、一つ目、土地改良事業計画設計基準計画「排水」の改定の説明をいたします。改定の背景としましては、土地改良事業計画の作成にあたり必要となる調査計画手法の基本的な事項等を定めた計画「排水」は、平成31年に改定されてから約5年が経過しております。この間、食料・農業・農村基本法が改正され、気候の変動その他の要因による災害の防止または軽減を図ることにより、農業生産活動が継続的に行われるようにすること等が位置付けられたことを踏まえ、排水事業における将来の降雨予測に基づく計画策定手法を確立し、これを基準に反映させ、改定する必要がございました。改定のポイントは、排水事業における将来の降雨予測に基づく計画策定手法について、「計画基準降雨は、気候予測資料により求めた降雨量変化倍率を用いて算定することを基本とする」という内容を追加し、合わせて、関連技術書等への内容反映等を行っております。大臣への答申は、資料3の2のとおり、取りまとめてございます。
二つ目、土地改良施設管理基準「頭首工」の改定を御説明いたします。改定の背景としましては、本基準は国営土地改良事業で新築または改築された頭首工の管理にあたって遵守すべき一般的な事項を定めたものであり、平成24年に現行基準に改定され、約13年が経過しております。これまでの管理実態及び明治用水頭首工において発生した漏水事故、近年の水害の激甚化、新技術を活用した点検等の高度化及び省力化等に適切に対応するため、基準を改定するものであります。これらの方向性踏まえ、改定ポイントの1点目は、管理実態や突発事故を踏まえた点検項目の改定であります。2点目は、業務継続計画、いわゆるBCPの整備に関する改定であります。3点目は、大雨・豪雨の増加傾向に対応した操作管理に関する改定、4点目は、新技術の導入によるストックマネジメント管理技術の向上に関する改定であります、最後5点目は、管理記録の保存、共有、活用及び報告に関する記載の見直しでございます。なお、大臣への答申案は、資料3の3のとおりにまとめてございます。
三つ目は、「農業農村整備事業における景観配慮の技術指針」の改定についてであります。改訂の背景としましては、本技術指針は、農業農村整備事業における「環境との調和への配慮」の一環として、農村景観に配慮した調査計画、設計、施工および維持管理を進めるための技術参考資料として定めたものですが、平成30年に制定されてから約7年が経過しております。この間、水路の安全対策の推進およびスマート農業の進展といった社会情勢の変化、景観配慮を契機とした地域づくりの留意点及び蓄積した取組事例の追記、さらに、農道整備等の景観配慮の取組事例の蓄積が進んでおり、これらを踏まえて、一層の農村景観の保全形成の活用を図るため改定するものであります。
これらの方向性を踏まえた改定のポイントの1点目は、社会情勢の変化と景観配慮の関わりについての技術及び参考資料の追記です。2点目は、計画段階から「地域づくりの気運醸成等を通じた景観資源の価値を高める仕組みづくり」、「多様な主体の参画による農村景観の保全・形成」に取り組む際の留意点及び取組事例の追記であります。3点目は、農道整備、ほ場整備、畑地整備等の景観配慮の取組事例の追記に関する改定でございます。なお、改定案は資料3の4のとおり、取りまとめてございます。以上、技術小委員会からの御報告とさせていただきます。
〇西村部会長 ありがとうございました。3件あったんですけれども、説明について何か、御質問、御意見ございますでしょうか。特に御意見ないようであれば、説明いただいた土地改良事業計画設計基準計画「排水」と、土地改良施設管理基準「頭首工」、「農業農村整備事業における景観配慮の技術指針」について、藤原委員長から御報告いただいたものを部会としての取りまとめということとし、土地改良事業計画設計基準計画「排水」及び土地改良施設管理基準「頭首工」については、本会から農林水産大臣へ答申するような運びとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、そういう進め方をさせていただきたいと思います。
これで、予定しています議事は終了しました。何か言い残したことなどあれば、御発言のチャンスが最後ありますが、何かございますか。特にないようでしたら、議事は終わりとして、事務局にお返ししたい思います。よろしくお願いします。
○中西計画調整室長 西村部会長始め、皆様、長時間にわたり御議論いただきましてありがとうございます。土地改良長計画については、本日の御意見も踏まえつつ、次回、5月の中旬頃に、骨子案という形で示させていただければと考えております。それでは、以上をもちまして、本日の部会を終了させていただきます。ありがとうございました。
12時00分閉会

お問合せ先

農村振興局整備部設計課計画調整室

代表:03-3502-8111(内線5514)
ダイヤルイン:03-6744-2201

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