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食料・農業・農村政策審議会食糧部会 議事録(令和5年10月19日開催)

PDF版は議事録(PDF : 469KB)

開会

午前9時56分 開会

  • 島本企画課課長補佐
    皆様、おはようございます。それでは、定刻には少し早いのですけれども、皆様おそろいでいらっしゃいますので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会食糧部会を開催したいと思います。
    委員の皆様におかれましては、大変お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。
    開会に先立ちまして、本日の委員の皆様の御出席状況について御報告いたします。
    稲垣委員、岩村委員、大桃委員、馬場委員、平田委員、藤尾委員、山﨑委員、山波委員に会場にて御出席いただいております。また今回、大橋部会長、菅原委員、山田委員におかれましては、スクリーンに映っておりますけれども、ウェブで御参加いただいてございます。それから、宮島委員が遅れてウェブで御参加されるとの御連絡を頂いておりますので、御報告いたします。結果、全体の3分の1以上の委員に御出席を頂いておりますので、食料・農業・農村政策審議会令第8条第1項及び第3項の規定により、本部会は成立しております。
    それでは、開会に際しまして、舞立農林水産大臣政務官からごあいさつをお願いしたいと思います。舞立農林水産大臣政務官、よろしくお願いいたします。
  • 舞立農林水産大臣政務官
    皆様、おはようございます。ただいま御紹介いただきました農林水産大臣政務官を務めさせていただいております舞立昇治と申します。今日はよろしくお願いいたします。
    食料・農業・農村政策審議会の食糧部会の開会に当たりまして、一言ごあいさつさせていただきます。
    委員の皆様におかれましては、御多忙の中、本日御出席いただいておりますことに厚く感謝、お礼申し上げたいと思います。
    本日の食糧部会では、7月に策定いたしました米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更について御議論していただく予定でございます。
    この需要面では、主食用米の需要量が毎年10万トン程度減少すると見込まれる一方、今年の作柄、梅雨明け以降、御案内のように、北・東日本を中心に記録的な高温となる地域もありましたが、令和5年産米につきましては、全国の作況指数が100、予想収穫量が662万トンと見込まれているところでございます。
    こうした中、需要に応じた生産・販売の実現に向けまして、各産地において令和6年産米の作付けの検討に資するよう、最新の作況や需要動向を踏まえた今後の需給見通しをお示しし、委員の皆様に御審議を賜りたいと考えております。
    農林水産省といたしましては、お米の需給と価格の安定が図られるよう、引き続き、生産者、そして消費者を始め関係者の皆様方の御意見をお伺いし、きめ細かな情報提供を行いながら、需要に応じた生産・販売に必要な取組を推進してまいります。
    委員の皆様からの忌憚のない御意見、活発な御議論を本日はお願い申し上げまして、私のごあいさつとさせていただきます。
    どうぞよろしくお願いいたします。
  • 島本企画課課長補佐
    舞立農林水産大臣政務官、ありがとうございました。
    舞立農林水産大臣政務官は次の予定がございますので、ここで退席させていただきます。
    恐れ入りますが、カメラ撮りについてはここまでとさせていただきますので、カメラ撮りの皆様におかれましては御退席をお願いいたします。
    では、議事に入ります前に、本日の資料の確認をお願いいたします。会場では、資料は皆様の机上のタブレットと、紙で説明に使用させていただきます参考資料をお配りさせていただいてございます。
    また、ウェブで御参加される委員の皆様には、電子メールで資料をお送りさせていただいているかと存じます。メールでお送りさせていただいておりますので、順番に全てのファイルをお開きいただければと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
    資料の方揃っているか、御確認をお願いいたします。もし何か揃っていないなどございましたら、事務局の方まで御連絡いただきますよう、お願いいたします。
    また、進行についてでございますけれども、会場に御出席の皆様におかれましては、御発言いただく際に事務局がマイクをお持ちいたしますので、合図などしていただければと存じます。
    また、ウェブ参加の委員の皆様におかれましては、常にこちらの音声が聞こえる状態にしていただきまして、御発言の際にマイクをオンに、御発言が終わりましたらマイクをオフにしていただきますよう、お願いいたします。動作の不具合などもしございましたら、また事務方の方に御連絡いただければと存じます。
    それでは、今回ウェブ参加ではございますけれども、大橋部会長の方から御進行いただくということで、ここから先の進行については大橋部会長にお願いしたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 大橋部会長
    皆さん、おはようございます。大変お忙しいところ、本日御参集いただきましてありがとうございます。また、本日オンラインでの参加となって誠に申し訳ございません。滞りなく議事進めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
    それでは、本日部会の取扱い及び議事の進め方について確認をいたします。
    本部会は、審議会議事規則第3条第2項の規定により、会議は公開とするということでございます。会議の傍聴に際しては、希望される方を公募し、ウェブで傍聴していただいているということでございます。
    本日は、米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更につきまして、農林水産省大臣から食料・農業・農村政策審議会に諮問がありました。事務局から説明の後、委員の皆様から御意見、御質問を頂戴した上で、基本指針の案が適当であるかどうかの議決をするということでございます。
    これは通常どおり進め方ではありますけれども、このような進め方で御異議ございませんでしょうか。

    (異議なし)

  • 大橋部会長
    よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、そのように進めてまいりたいと思います。
    まずは米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更について御審議を頂くということで、まず、事務局から諮問文書の読み上げと資料の御説明をお願いできればと思います。
  • 武田企画課長
    農産局企画課長の武田でございます。
    私の方から、まず、資料1の諮問文を読み上げさせていただきたいと思います。資料1をお手元に御用意いただければと思います。
    5農産第2648号、令和5年10月19日でございます。
    食料・農業・農村政策審議会会長殿。農林水産大臣宮下一郎。
    諮問。
    米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更について、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(平成6年法律第113号)第4条第7項において準用する同条第4項の規定に基づき、貴審議会の意見を求める。
    諮問文の読み上げでございました。続きまして、今日の基本指針は資料2が本体でございますけれども、その変更点について簡単にまとめたものが、いつものとおり変更案のポイントということで、参考資料1を御用意させていただいております。これに基づきまして、今回お諮りする基本指針の変更の案のポイントについて、私の方から御説明をいたします。まず、基本指針案のポイントでございます。左側が7月31日の食糧部会で諮問させていただき、答申を頂いた基本指針でございます。右側が今日変更したい内容でございます。
    まず、上の表の1というところで、グリーンの楕円から矢印が伸びているところでございます。令和5年、本年の6月末の民間在庫の数量でございますけれども、左側の7月の時には速報ということで在庫量をお示ししているところでございますが、全ての段階の在庫量が確定いたしました。
    右側の令和5年6月末の民間在庫量、7月の時と同じ197万トンで確定をしているということでございます。次に、中段の表のところにいきます。赤の楕円で矢印が引かれている2のところでございます。これは令和5年産の主食用米などの生産量についてでございます。7月の指針の段階では、昨年並みの作付面積、そして平年並みの生産量ということで、669万トンという見通しを置いてございました。
    先週、令和5年9月25日現在の予想収穫量を公表しております。この内訳を申しますと、まず、主食用米の作付面積でございますけれども、後ほど資料も御覧いただきますけれども、124.2万ヘクタールということで、昨年より9,000ヘクタールほど減少してございます。また、9月25日現在ではございますけれども、10アール当たりの予想収穫量が534キロということで、平年が536キロですので、2キロほど少ない状況です。作況指数で言いますと100ということでございます。これを掛け合わせますと、右側の表の赤い楕円のところを見ていただけますでしょうか、令和5年産の主食用米の生産量が662万トンということになってございます。
    次に、3の令和5年から6年の主食用米の需要でございます。
    これは、総務省が出している人口の統計、あるいは厚生労働省の研究所である社人研が出している人口の見通し、この数値を使って、私どもが把握している主食用米の需要量を人口で割って、それの1人当たりの消費量を推計しているところでございます。
    これにつきまして、最新のそれぞれ人口の値が出ましたので、洗い替えということをしています。7月の段階では681万トンでしたけれども、右の3のブルーのところですけれども、Hの682万トンと、ラウンドの関係もございますけれども、若干人口の減少が推計よりもマイルドになり、変更されたということでございます。
    その結果、4のところでございます。
    令和6年6月末の民間在庫量、来年の6月末の在庫量ですけれども、7月の段階では184万トンという見通しを立てておりましたけれども、10月は177万トンということでございます。ちょうど令和5年産の主食用米の生産量が、先ほど申し上げた面積の変更、あるいは10アール当たりの予想収量が平年よりも2キロほど小さかったという変更によって、177万トンという形になってございます。
    次に、この先については、右側の一番下の欄の表、令和6年から7年までの需給見通しでございます。
    まず、5の令和6年産の主食用米の生産量ですけれども、ここに吹き出しが書いておりますが、私どもとしては、令和5年産の生産量の見通しと同水準の生産量である669万トン、ちょうど7月の時の見通しのF欄と同じ数字になりますが、669万トンという見通しを立ててございます。
    また、6でございます。これは先ほどの3と同じように、人口の最新のデータを使って令和6年から7年までの需要量を見通しており、671万トンということで、682万トンから10万トンちょっと、ラウンドの関係がありますので11万トンになりますけれども、671万トンという見通しを立ててございます。
    その結果、令和7年6月の民間在庫量、再来年の民間在庫量でございますけれども、7のところです。176万トンという形で見通しを立ててございます。
    この水準と需要量との関係でございます。2ページおめくりいただきまして、需要量と民間在庫量の推移をグラフにしたものでございます。
    在庫に関しましては、過去も、例えば平年18年、19年でございますと、182万トン、184万トンというオーダーもございましたし、平年20年は特殊な要因ございますけれども、23年、24年は、180万トン台で、この時は800万トンを超える需要でございました。
    これに対して現状、一番右側ですけれども、今残念ながら700万トン切るようなオーダーになっている中での、来年の6月末あるいは再来年の6月末が177万トン、176万トンという在庫量というような形で、おおむねこの関係性においては適当な範囲なのかなという形で見通しを立てているということでございます。
    それでは、今御説明したものの参考になるようなものを参考資料2にまとめてございます。米の基本指針(案)に関する主なデータ、関係するところだけ簡潔にお話をしたいと思います。
    まず、3ページでございます。先ほどお話しした令和5年産の主食用米の収量についてのところでございます。
    まず、上の一つ目の丸です。先ほど御説明した主食用米の作付面積でございますけれども、124万2,000ヘクタールということで、前年産に比べて9,000ヘクタール減少すると見込んでございます。
    また、二つ目の丸です。9月25日現在ですけれども、全国の10アール当たりの予想収量は534キロ、平年よりも2キロほど少ないということでございます。
    また、三つ目の丸です。今の御説明した数字を掛け合わせると、先ほども御説明したとおり、予想収穫量662万トン4,000トンということで、前年に比べて7.7万トンほど減少ということでございます。
    次に、4ページでございます。
    今年は高温なり渇水といったような状況がございまして、ここの上の囲みにもございますように、令和5年産は、梅雨明け以降、北日本・東日本を中心に記録的な高温が推移したということでございます。
    また、二つめの丸にございますように、一部の地域で少雨による渇水なども起きたというようなことでございまして、これがいわゆる品質なり作柄に影響したということでございます。
    下にお米の写真を付けてございますけれども、まだ令和5年産米の検査、私どもが公表しているところでは、それほど進んでいない状況でございますけれども、この写真にあるように、高温による白未熟粒などの発生によりまして、一部の地域において一等米の比率が低くなっているというような状況があるということでございます。
    次に、5ページをお開きください。令和5年産の水田における作付状況でございます。
    表の一番下の欄が令和5年産でございます。先ほども御説明したとおり、主食用米に関しては124.2万ヘクタールということでございます。
    では、代わりにどういったものへ作付転換されたのかというところですが、まず、輸出用を中心とした新市場開拓用米が、前年産に比べて2,000ヘクタールほど増えて0.9万ヘクタールという形になってございます。また、飼料用米に関しましては、14.2万ヘクタールから13.4万ヘクタールに減じているということでございます。一方、ホールクロップ用サイレージ稲が、4.8万ヘクタールから5.3万ヘクタールに伸びているということでございます。
    また、麦、大豆、その他、このその他は、多くは飼料作物でございますけれども、この表上は数字が減っているように見えておりますが、欄外に吹き出しで書かせていただいているとおり、今年、こういった麦、大豆や飼料作物が連続して植えられているようなところを中心に、畑地化を進めてございます。この表では畑地化を進めているところの面積は計上しておりませんので、実際は麦、大豆、飼料作物も増えておりますが、この表上では減った数字となっているということに御留意いただければと思います。
    6ページ、7ページは、これの県別の数字を示したものでございます。
    8ページをお開きいただけますでしょうか。お米の販売数量なり民間在庫の推移をまとめたものでございます。
    一番上の表は、米穀販売事業者の皆さんから、昨年との対比という形で数字を、販売数の動向をお聴かせいただいているものでございますけれども、ちょうど表が二つに分かれておりまして、7月の時にも御報告したとおりですが、今年に入って、小売事業者向け、中食・外食事業者向け、いずれも、3月の小売事業者向けを除いては、昨年よりも多く販売が進んでいるというところでございまして、非常に堅調であるということでございます。
    また、中段のところ、家計調査による購入数量の推移ということで、お米とパン、麺と、主食になるようなものを整理してございますけれども、今年、非常に暑い夏でございましたけれども、7月、8月はお米も消費がよかった、あるいは5月も購入数量が伸びているというようなところが見て取れるということでございます。逆に、パン、麺類に関しては少し100を割るような、そういった月が多いということが見て取れるということでございます。
    この点について、7月の食糧部会においても、この小売事業者向けも中食・外食事業者向けも販売が堅調であるということと、主食用米の需要量が毎年10万トン程度減っているというところの、ギャップをどういうふうに考えれば良いのかという御質問があったところでございます。
    次のページ、9ページをお開きください。
    これは何を示しているかといいますと、左側が5万トン以上の事業者の販売数量の過年度を整理したものでございます。また、右側は、4,000トン以上から5万トン未満の事業者の皆さんの、同じく販売数量をプロットしたものでございます。端的に申しますと、直近では、5万トン以上の事業者さんの販売数量のシェアが増えて、4,000トンから5万トン未満の事業者の皆さんのシェアが減っているということでございまして、先ほどのページで見ていただいた販売数量の動向は、実はこの5万トン以上の事業者の皆さんからお聴きしているものでございます。そのため、5万トン以上の事業者の皆さんの小売向け、中食・外食向けは堅調であるけれども、しかし、それが全体の需要量の増のところまで牽引するには至らなかったということでございます。
    ただ、過去の推移を見ますと、5万トン以上の事業者も、あるいは4,000トン以上5万トン未満の事業者さんも、両方伸びている年もあったりしますので、私どもとしては、この辺りのデータはまた注意深く、あるいは、それぞれの皆様方から裏付けとなるような事情もお聴かせいただきながら、願わくばこういった5万トン以上の事業者の皆様方の好調さが需要全体の引上げにつながっていくことを期待しておりますし、その辺り注意深く見ていきたいと考えているところでございます。
    最後、11ページでございます。令和5年産の相対取引価格については、ようやく9月の相対取引価格が出たところでございます。
    11ページの左上から少し下に5年産ということで囲みがされてございます。9月の段階のものだけでございますけれども、60キロ当たり1万5,291円ということでございます。昨年産、令和4年産の通期の価格が60キロ当たり1万3,849円ということでございますけれども、比較いたしますと、1,400円ちょっと価格が上がっているというところでございます。他方で、令和元年、平成30年、29年産は令和5年産よりも高い数字でございます。
    また、例年この9月の数字よりも10月が少し下がっているような年が多くございますけれども、これはやはり出回りの関係で、9月はスタートで、10月から正にそろってくるという感じで、年によって若干違うところもございますが、例年10月の方が少し下がる傾向がございます。その後、横ばいで推移していくというのが例年の動きでございます。この辺りの価格の動向も、先ほどの高温なり少雨による渇水の影響も含めて、品質の影響も含めて、注意深く見ていきたいと考えてございます。
    最後に、一番最後の22ページをお開きいただけますでしょうか。
    前回の食糧部会で平田委員の方から、収穫に充てる労働時間の問題で稲を青刈りした場合、WCS用稲と比べて、飼料上の質の違いがあるのかといったことについて御質問ございまして、それについて私ども調べて整理いたしました。
    まず、三つ棒グラフが並んでございますが、一番左が参考で、牧草でございまして、今回、その真ん中の出穂前の青刈りの状態と、右側の出穂後の黄熟した後のホールクロップ用サイレージとして使う稲のTDN、我々人間でいうとカロリーみたいなものでございますけれども、あと、水分量を整理してございます。
    まず、栄養でございますけれども、出穂後の黄熟期を迎えたものはTDNの含有量がやはり最大になり、青刈りにしますとそれよりは劣るということでございました。
    また、サイレージとするには適切な水分量がポイントになってくるわけでございますけれども、やはり出穂後の水分含有量は62.7%ということですが、青刈りの段階ですと74.5%ということで、水分含有量が高いということでございますので、なかなか良質なサイレージを作るには、やはりホールクロップ用サイレージの方が青刈りよりも良いという結果であったということを御報告いたします。
    少し長くなりましたけれども、以上で私からの説明は終えたいと思います
  • 大橋部会長
    ありがとうございました。
    この今御説明いただいた諮問事項について、是非御質問、御意見いただければと思います。
    本日、大変恐縮ながら、私はオンラインなので、事務局には、会場の方、挙手いただいた場合には、チャットにて即お知らせいただくという形にしていますので、それで指名をさせていただければと思います。また、オンラインの委員の方は合図していただければ、そのタイミングで指名をさせていただくということで進めさせていただければと思います。
    それでは、どなた様からでも結構ですので、是非活発な意見交換ができればなと思います。よろしくお願いいたします。
    それでは、馬場委員、お願いいたします。
  • 馬場委員
    結論として申し上げますと、今回の御提示いただきました基本指針の変更は妥当だと考えております。これまでJAグループとしても作付転換に努力して、結果として5年産の生産量は662万トンと見込まれることから、需給状況は更に改善されると認識しております。
    懸念としては、説明にもありましたが、今年は主産地を中心に広い範囲で高温障害の影響が確認されており、生産現場では色彩選別などの調整等で対応していることから、製品としての精米の流通量としては更に減少することも想定されると思います。
    6年産の適正生産に向けて、669万トンという数字が示されましたが、その適正生産に向けては、都道府県の作柄状況や販売、在庫数量等を検証した上で、現場実態を踏まえた需要に応じた生産にしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。
    今年は飼料用米の専用品種化等の課題もあり、そういう面も含めて、政府には後押しをお願いしたいと思います。
    今般、6年産の主食用米の生産量見通しは5年産の見通しと同水準の669万トンで公表されることになろうかと思います。今回も11万トン需要が減っていることから、中長期的にも主食用米の需要は残念ながら減少していくことが想定されるので、今後ともしっかりと計画生産を進めていく必要があると思います。そのためにも、作付転換の裏付けとなる戦略作物助成や産地交付金等、万全な水田活用に関わる予算の確保をお願いしたいと思います。
    なお、国民の食を守るという食料安全保障の観点から見ると、令和6年産以降も堅実かつ安定的な民間備蓄の運営が必要だと考えます。
    さらに、昨今の穀物情勢を踏まえれば、小麦や大豆、飼料原料等の増産に向けて、引き続き、畑地化促進事業を含めた政策と、それに伴う万全な支援をお願いしたいと思います。私からは以上であります。ありがとうございました。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    ほかの委員の方も是非お願いできればと思います。
  • 大桃委員
    ありがとうございます。大桃美代子と申します。
    今回の基本指針の変更についてということなのですが、令和5年の主要米の主食用米の需給実績については、妥当だと考えております。
    今回、日本海側のお米の出来というのが、非常に暑い日が続いたということで、特に新潟は背白・腹白と言われるような高温障害が非常に多かったのですけれども、大学の教授の調べによりますと、食味にはあまり関係がないとのことですが、そのようになると、今までこの等級検査は何だったんだということにもなるので、新しい価値基準としての等級の見直しというのも少しあって良いのではないかと思います。
    これから高温化していく中で、コシヒカリなどは冷害対策としてのお米の作りがあったということがありまして、新しい新之助などは高温対策への耐性があるということで、こちらの方にシフトしていく、又は、大きさ的にも粒で分けても良いのではないかというお話もありまして、新しいお米の基準、神明さんなんかがいらっしゃるんですけれども、お米としての基準というのが農家の方にも分かりやすくなってくると、ただ等級だけではない作り方もあるなということが分かっていくのではないかと思います。
    新しい価値の付け方というか、それを国の方でも、今回、等級は下がったけれども食味の方は大丈夫だよということで、新潟のJAなどはそちらの方で広報もしているようでございます。是非、これから産地が高温化によって変わってくるとも言われていますので、現在続けている農家の方々が安心し、そして、又は畑地化していくという政策の中に安心して乗っていけるような新しい広報の仕方ですとか、皆様の価値基準というのが農家の方にも分かりやすくなっていくと良いなというふうに思っております。
    以上です。
  • 大橋部会長
    ありがとうございました。
    後ほど事務局の受け止めもお伺いできればと思います。
  • 大桃委員
    ありがとうございます。お願いいたします。
  • 大橋部会長
    続いて、藤尾委員、お願いいたします。
  • 藤尾委員
    藤尾でございます。
    先ほど、非常に丁寧な説明をしていただきまして、今回の基本指針の変更のポイントについて、私自身も納得でき、妥当かなというふうに思います。
    私の方からも少し質問させていただきたいのですが、まず、生産量のところですね。当初、前回の食糧部会の方では669万トンということで見通しを立てていたんですが、今回662万トンということでマイナス7万トン減ったということになりました。それにつきましては、転作等が進んで、主食米の面積の方がマイナス9,000ヘクタールになったということで、結局数量が減った、主食米におきましては7万トン減ったというふうに説明を受けたわけなのですが、確かにその部分におきましても、確かに転作の部分も多いかとは思いますが、ただ、私自身は、懸念材料としましては、農業就業者の減、それとあと高齢化の進行です。先日も日本経済新聞の方で、主食が芋に変わるんじゃないかということで、2050年には今の農家が8割減り、2割ぐらいしか残らないというようなことが書かれていました。それで、米までも足りなくなって、結局、米も1日1食しか食べられなくなるのではないかというようなことが記事として載せられていたのですけれども、確かにこの30年間でやっぱり300万人ぐらいの農業就業者が減っているんですね。今、平均年齢も68歳、稲作においてはもう70歳というふうに言われておりますので、この辺りで果たして、次の6年から7年の見通しのところで669万トンに戻るだろうという予想を立てられていますけれども、この辺りに自然減の部分もあると思いますので、その辺りの説明をしていただきたいなというふうに思います。それから、需要量のところですが、ここにおきましては681万トンということで、これは当初10万トン減るということで見通しを立てていたのですが、今回は9万トン減るだろうということで、682万トンということで、1万トン需要量等がプラスになるというふうに言われていたんですね。この部分に関しましても、確かに8ページと9ページでもって先ほど説明を受けました。やはり私自身も疑問に思っているのは、確かに小売向けではマイナス2%、ただ、中食・外食におきましてはプラス4%、販売量全体ではプラス1%となっているということで、実際こういうデータは出ております。ただ、次の9ページのところで、先ほどの説明によると、5万トン以上の、どちらかというと中・大規模の卸さんのデータでは確かに上がっているけれども、ただ、それ以下の卸さんのデータによると下がっているということなのですけれども、例えば、大規模のところにおいては10万4,000トン増えていて、小規模のところで7万6,000トン減っているということで、結局プラスなんですよね。ですから、この辺りについてどのように考えられているかなということで、10万トンずつ本当に減るのかなというところで、これからひょっとしたらインバウンド需要とか、やはり小麦粉からのシフトとか、その辺りも含まれているんじゃないかなというふうに思います。この辺りについて、また説明をお願いいたしたいと思います。
    それと、最後に、4ページのところで高温障害について先ほど説明がありました。大桃委員からも御意見があったと思うのですが、8月末の時点では一等比率が68.9%ということで、前年68%において、前年並みということでデータを出されているのですよね。これは、多分、早生の米対象にやられたと思うんですね。確かに今年5年産において、早生の米は一等比率が結構高かったのです。でも、大桃委員も仰っておりましたけれども、新潟のコシヒカリとか、この辺りの一等比率はどうかねということになると、物すごく低いですね。もう10%もないぐらいなんですね。当社にも新潟のコシヒカリが入ってきているのですが、精米工場で実際に歩留り3%近く減です。こういった問題もあるのですから、この歩留り減という、精米歩留り減、これをある程度、今年においては、5年産においては、やはりカウントした方が良いんじゃないかなというふうに思っております。例えば1%、もし精米歩留りが減ると、単純計算で7万トンぐらい減ることになりますので、これが生産量として7万トン減ることになるのか、若しくは、変な話ですけれども、需要として7万トンプラスにするのか、どちらにしろこの1%でそれだけ変わってきますので、、私らとしては、ここを全く無視はできないんじゃないかなというふうに思っております。その辺りも含めまして、最終的に来年の6月末の民間在庫の177万トンが、ひょっとしたらこのような要因を入れると170万トン切る可能性も出てくるんですね。そうなると、我々としても、これも先ほど、需要も減っているから在庫も減っても大丈夫という説明があったのですけれども、170万トンを切ってくるとなると、やはりかなり市場における影響は大きいのではないかなというふうに思いますので、その辺りの説明をお願いいたします。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    3点頂いて、どれも相当データに基づく御議論で、大変有り難く思っています。後ほど事務局にも是非受け止めの方を伺えればと思います。
    もう少し御意見伺ってからとは思うんですが、いかがでしょうか。
    それでは、山田委員を伺って、それで事務局から御意見というかレスポンスいただければと思います。
    それでは、山田委員、お願いします。
  • 山田委員
    麦の需給につきまして、正直に言いますと全く問題なしというわけではないのですけれども、結論としては、現下の情勢の下ではおおむね妥当なものかと私も考えております。リモートで恐縮ですが、私の方からは、質問含めてお話をさせていただきたいと思います。まずは、本当に御丁寧に御説明を頂きまして、誠にありがとうございました。
    今回のこの見直しに関しては、当初の想定の範囲だと思いますし、大変妥当な中身ではないかなということをまず結論として申し上げます。
    私が感じていることを、お話し申し上げると、先ほどの御説明の中、今年の新米の価格が1万5,000円ぐらいになっている。10%ぐらい今上がっているわけですね。このこと自体が悪いとか良いとかということではなく、何となく米の価格形成の在り方に、少し違和感を感じます。
    一つは、もちろん価格形成は需給バランスで決まるので、そこの中の一つの要素としては在庫数量というのが大きな要素としてあるのも事実ですが、先ほどもお話が出たように、以前も食糧部会の中で、200万トンの議論があるのですが、やはり在庫というのは在庫率で見るのではないのかなと個人的には思っていて、800万トンの時の200万トンと今の状態はほぼ変わらないということからすると、そこの部分を引っ張って価格形成が変わってくるというのは違和感があります。もちろん需給バランスですから、需要がすごくあるということで価格が高騰しているということであれば、もちろん理屈なのですが、先ほどもお話があったように、外食は非常に順調ですが、全体的に需要はやはり落ちているという中で、この価格の在り方がいま一つ分かりづらいといいますか、そこのことを御説明いただけたら有り難いなと思っているところです。
    もう一つは、価格にもまつわることなのですが、当然、価格は単純にお米のワン・トゥ・ワンではなくて、例えば外食の方に対しては非常に足りないとか、どこかは余っているといったミスマッチもこの価格形成の中に影響していることもあるのかなという気もしていて、その点も教えていただきたいです。
    3点目は、最後に先ほどもお話がありましたように、私は粉屋なので、先ほど見ていただいたように、小麦は非常に今年前半は良くなかったです。そういう意味では、お米に若干シフトしており、インフレの中で、そういう部分あったのだろうと思います。食品全体からすると、インフレは少し落ち着いてきたというところがありますので、この中でこういうお米の価格が出てくると、今後の需要についてどのように考えているのかなと思っていまして、その観点をお聴きしたいです。
    以上です。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    ここまでで4名の委員に御発言いただいたと思うんですけれども、それなりに御質問とかコメントも頂きましたので、一旦ここで区切らせていただいて、事務局の方から受け止めの方を頂けますでしょうか。
  • 武田企画課長
    企画課長からお答えしたいと思います。
    まず、馬場委員からございましたように、私どもも需要に応じた生産、これは作付転換をして戦略作物だけではなくて、主食用米も含めて、需要に応じた生産ということが大事だろうと思っております。こういったところを、今回お諮りした指針の内容も含めて、あるいは、これからいろいろな対策も来年度予算なりに向けてやっていく中で、現場の皆さんに正に本当にきめ細かくと、単に口で言うだけではなくて、実際に現地に足を運びながら、需要に応じた生産ということを、現場の皆さんとコミュニケーションしながら、どういった地域農業の中でどういう作物を選択していくのというところも一緒になって考えていきたいというふうに考えてございますし、そのために必要な推進策につきましては、畑地化の部分も含めて、きちっと確保できるように努力してまいりたいというふうに考えているところでございます。
    また、大桃委員からございました等級の見直しについては、穀物課長の方から後ほどお答えいただければと思っております。
    あと、藤尾委員からお話ございましたが、実は8ページ、9ページに4,000トン以上5万トン未満の事業者、あるいは5万トン以上の事業者の皆さんのほかに、生産者さんなどもございます。ただ、この辺りのデータは、もう少し私どもも注意深く見ていって、後ほどまたお答えいたしますけれども、山田委員からもいろんな、ワン・トゥ・ワンではないという部分も含めて、もう少し丁寧に見ていきたいと思っています。ただ一方で、私どもが需要の見通しを出していくところの在庫量というのは、一部分、農家さんの部分は推計をしているところもございますけれども、事業者の皆様方から6月末在庫そのものを伺って、それを生産量との差で見ているというところで、いろいろな取引なり販売の中での動向は、活発だったり、あるいは少し鎮静化したりというような動きがあって、それが全体の需要の増につながっていけば良いと私ども思っていますけれども、今、私どもが把握し、直面している在庫量は、これはまたこれでデータとしてあるわけでございまして、この辺りが10万トン程度の減少というところを、まだそのトレンドが変わっていないというような、そういった把握をしているところでございます。
    また、生産の部分について藤尾委員から御指摘いただいております。確かに今回把握しているところは作物が植わっているところでございまして、自然減の部分というのはかい廃といったところに表れてくるというところでございます。また、藤尾委員御指摘のとおり、稲作経営は比較的ほかの部門に比べると高齢の方がやられているというようなところがあって、構造上ちょっと脆弱性を持っているということも認識してございます。
    そういったところは注意深く見ていく必要があると思っておりますけれども、他方で、これ、作付面積の増減、県別のところは6ページ、7ページにあるわけでございますけれども、主食用米、先ほど、マクロで言うと125.1万ヘクタールが前年産で、124.2万ヘクタールが今年産で、9,000ヘクタール減りましたと御説明しましたけれども、6ページ、7ページを見ていただくと、左側の主食用米のところだけは前年との増減が各県、7月の食糧部会の時には意向ということで、ここが2県ほど、福島県と栃木県が作付けを増やすという意向を御報告したことを御記憶いただいていると思いますけれども、これを見ていただくと、各県、需要に応じた生産の中で、主食用米に関しても、その販売の動向、あるいは在庫の状況、そういったものも含めていろいろ御判断いただいた結果がここに表れているということでございまして、そういう中で669万トンというところの生産ということは十分に、それぞれの、各都道府県の御判断の中で実現可能ではないかと考えているところでございます。
    また、需要のところに戻りまして、インバウンドなどについて、一応需要量は日本で消費されているお米ということになってございますので、数字的にはインバウンドも含んでいるところでございます。他方で、私どもの今行っている推計は、この全体の需要量を日本の人口で割るということになりますので、この戻す時にも当然日本の人口で掛けて戻すわけでございます。そのため、インバウンドの方々の食べている量に関してはカウントしていますけれども、日本の人口で戻しているので、インバウンド人口の伸びそのものは実は必ずしもうまく反映できていないところはございます。インバウンドの方々が召し上がった量が控除されているわけではございませんけれども、他方で、インバウンドの皆様方が日本でどれぐらい消費しているのかを捉えるのもまた難しいところでございます。この辺り、もう少しインバウンドの皆さんの存在感とか、それがお米の消費に与える存在感みたいなものをまずつかむことができるかどうかというところも含めて、私ども関心を持っていきたいと思いますし、インバウンドがお米の需要を牽引する、プラスに働く要因だということは重々認識して、今後も需要動向を考えていきたいというふうに思っております。
    また、歩留りについてでございますけれども、ここは私ども、正直申しますれば、歩留りに関してのデータを持ち合わせてございません。過去からも私どもは、この統計の1.7ミリのふるいで振った上のもので、かつ、3トン以上のものという収穫量の中でやってございます。私どもの需給の見通しというのは、この場でもそうですけれども、短期、来年に向けての短期の動きを同じベースで比較する。ただ一方で、藤尾委員御指摘のとおり、各事業者の皆様方におかれましては、歩留り減というのがある意味、一つ仕入れた原料からどれぐらい製品ができるかといったところに影響するということは重々承知してございます。一方で、その製品にならなかったお米がまた再選別されて消費されているということもまた一方であるわけでございます。この製品歩留りみたいなものが、その需要量の方に、あるいはその供給のところに、どういった影響があるのかといったところも我々関心を持ちます。需給見通し上はあくまで同じベースで比較をしていくということが今時点では妥当ではないかというふうに思っております。
    山田委員からの価格の関係で御指摘をいただきました。確かに御指摘いただいているような点はあるところもございますけれども、私ども、山田委員も正にいみじくも御指摘いただいているとおり、価格は需給で決まっていくというようなことでございまして、そういった中で、11ページにお示ししているように、グラフの作り方の問題もあるのかもしれませんけれども、各年産ごとに価格が決定されて、先ほども申し上げたとおり、大体一度相場が決まると、一部特異な年産はございますけれども、基本的にはそこで推移していくというような形になってございます。
    ただ、山田委員からも御指摘あったように、最近、中食・外食のところの需要が、お米の消費のところのシェアを、存在感を伸ばしているというところでございます。この11ページにお示ししていますのは、いわゆる全銘柄平均という加重平均をしたものでございまして、この全銘柄平均のお米というのは日本に実は存在しないわけですね。実は、存在するのは12ページにお示ししている各県別の産地品種銘柄ごとの価格で、ここにお示ししているのは一等の価格でございます。そのため、今年などは、先ほど大桃委員や藤尾委員からも御指摘いただいたとおり、例えば新潟でございますと一等のものが少ないというようなことで、例えば、13ページの卸売業者間の仲間内でのスポットの取引でございますけれども、5年産は、ふだん新潟コシヒカリというのは、当然一等の価格を4年産まではプロットしていますけれども、今年のこのスポット価格は二等の価格で掲載しているというようなことでございます。こういった形で、産地品種銘柄でありましたり、あるいは、中食・外食が堅調でございますので、そこに向けて見合ったお米の銘柄のところがやはり引き合いも強いというようなことがその価格のところにも影響していたりということが、12ページ、あるいは13ページ、あるいは今年の品質の問題が出てくるということでございまして、そういったもろもろの合成が、その銘柄の加重平均がこの11ページに表れているということでございます。
    また、小麦との関係では、すごく長いトレンドで言いますと、お米の消費との関係で言いますと、畜産物、油脂に置き換わっているというようなことでございますけれども、短期で見ると、やはり主食の中での競合ということがあると思います。8ページの中段にお示ししたとおり、家計調では小麦の製品との関係でいえば、100を超えたり、あるいはパン、麺が100を超えたりというようなところがあるところでございます。この辺りが全体の価格形成なり需要にどういう影響を与えるのかというところも、単純に解析はできないところでございますけれども、関心を持って引き続き見ていきたいというふうに考えているところでございます。
    一旦私からの回答は以上にしてございまして、穀物課長からお願いしたいと思います。
  • 佐藤穀物課長
    穀物課長の佐藤です。
    大桃委員から先ほど頂きました検査ですけれども、馬場委員、藤尾委員の方からもお話があったように、歩留りに影響をどれぐらいするのかということで等級を、一等、二等、三等というような形で決めるというのが農産物検査となります。新潟の中央会とかがいろいろやっている、味には直接そんなに影響しないという広報のとおり、歩留りへの影響という観点から農産物検査をやっていますので、そこで品質を評価しているとか、食味とかそういう味の部分を評価しているということはございません。
    一方で、消費者の方たちはそういうところにやっぱり関心がありますので、大桃委員が言われているように、新しい価値基準というか、例えばたんぱく含量がどれぐらいあるのかというのが味の方にはある程度直結するとか、そういうことももう分かっていますので、そのようなデータを農産物検査の中でも、今、機械分析という形で進めていこうとしていますけれども、そういう機械分析の中で、そういう味に関係するような部分も含めて測定をして、それを消費者・実需者の方たちに伝えていけるような仕組ができないかということで、我々も今いろいろ検討しておりますので、実現に向けて努力していきたいと思っています。
    あと、現在、9月末時点の農産物検査の取りまとめをしているところなんですけれども、それを見ると、やはり新潟は非常に、藤尾委員の言われているように、検査等級、非常に一等比率が低下しています。日本海側、特に新潟を中心に、富山だとか山形というのは例年の一等比率よりもかなり低くなっているようなところありますけれども、そのほかの地域では、逆に言うと、一等比率例年並みというところもありますので、先ほど農産企画課長の方からもお答えしましたように、需給については、現状の形でみるのが妥当ではないかと思います。高温の影響で精米歩留りが落ちたとしても、大きく生産が落ちるような状況ではまずないということと、あと、先ほどの味が落ちないという部分について、今週の月曜日から農水省の方でも公式ユーチューブ、BUZZMAFFみたいな形で今一生懸命発信しているんですけれども、その中で今年のお米をどこまで歩留りを落としてまで精米をしてきれいな形で末端の消費者に流通するかについては、各事業者の判断もあると思います。それでもやはり白くなっているようなお米を見掛けた場合は、少し水加減工夫していただいたりすると今までの味と遜色ないような形で食べられますよということで、そういう炊き方の注意だとかそういうものをBUZZMAFFの中で、ユーチューブの中で発信するような取組も始めていますので、我々国としても、地域の方たちもシェアさせながら取組をしていきたいというふうに思います。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。事務局からも相当丁寧にリスポンスいただいたのかなと思います。
    もし追加があれば後ほどと思いますが、実は本日まだ7名の委員が御発言されていないようですので、是非残りの時間で御発言いただければと思っています。
    まず、会場の平田委員からお願いしてもよろしいでしょうか。
  • 平田委員
    平田でございます。
    最初に、ホールクロップの件の調査をいただきまして、大変ありがとうございました。認識が改まりました。参考になりました。
    それから、基本指針の変更については、180万トンを割るという状況ではありますが、主食とのバランスということでいうと、確かに、先ほども指摘ありましたけれども、基本指針の変更については適正というふうに考えます。
    一つ御意見というか申し上げたいのは、先ほど藤尾委員から頂いた1点目について、昨年の5年産の生産が669万を目指したが、結果的に、7万7,000トン深掘りになったということについてです。現場にいて、やはり感じるのは、繰り返しになりますが、高齢化と担い手不足の件です。
    山形県においても、実は生産の目安を市町村別に示すわけなのですが、その生産の目安を達成することができない市町村が複数、数年前から出ています。これが、いわゆる山間地であったり、条件が悪いところがそうなるというイメージを持っていたのですけれども、全国でもトップレベルに反収の高い町がありますが、そこの町でも実は生産の目安に届かないという事態が起こって、びっくりしたのが実は数年前です。
    私の地元の市町村では、行政区では、その目安に届かないということの対応のために、つまり、中心担い手ではない、生産ができないであろう農家を推定して、その人たちを生産の母数から除外して、残った人たちで目安を作ると何%転作率になりますというのを、計算をし直した例がありました。その結果、国も県も当然生産の目安を増やしているわけではないのですけれども、一戸一戸の農家に対して配られた生産目標の数と比率が上がっていた年があったのです。でも、着地点としてはちょうどその目安のところにいっているというふうになっていたということです。
    今回の指針全体で見ても、これまでの政策の流れからして、180万トンを割ったからといって目安を増やしましょうということは難しいと思うのですが、実は末端のところでは、その生産力の減少を組み入れるというか、考えに追加するためには、一時的に生産を増やしたということが起こっていたのですね。今の日本全体の高齢化比率と、それから生産者の高齢化比率でいったら、生産者の方が高いということからすると、消費の減少スピード毎年10万トンよりも生産力の減退のスピードがそれを上回らないかなという危惧があると思うのです。その時に政策の方向性を少し見直さなければならなくなるわけで、そのフェーズに入ったのかどうかということについて、今年の7万7,000トンの深掘られたということの背景を少し詳しく分析しておくことが必要なのではないかなと思っておりました。
    消費者の皆さんに供給不安が起こるようなことは、我々農家、生産者としては避けたいというか、一応生産者としての誇りもありますので、しっかり供給したいという意味からすると、そこについての分析をお願いしたいなというふうに思います。藤尾委員からの質問に対しての回答がありましたので、二重になりますが、よろしくお願いします。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    オンラインで宮島委員が挙手されていますので、お願いできますでしょうか。
  • 宮島委員
    ありがとうございます。日本テレビの宮島です。
    よろしくお願いします。
    まず、今回の全体指針に関しましては了承しました。全体の傾向を見ますと、少なくとも向かっている方向に対して、思ったよりも転作が進んでいる様子ですとか、備蓄も減っているような方向には、民間在庫も減る方向にあるという全体の方向感は目標に向かっていると思いますし、今回に関しましては、生産が思ったよりも良くなかったというのは良くないことかもしれませんけれども、かなりみんなの期待する線の中に入っているのではないかと思います。
    気になりますのは、今後長期的にこれをどうしていくかというところに関してです。今、食料安保のお話も進んでおりますので、そんな中での話も絡んでくるかと思うんですけれども、いよいよ長期的に日本で米というものをどう考えるか、大豆や麦をどう考えるか、そういう全体的な、何が国民のために必要なのかという議論も今後深まりが期待されます。その中と連携しながら、やはり私は今のレベルの備蓄というのは多過ぎるのではないかと思いますし、先ほどお話もありましたように、山田さんからお話あったように、民間の在庫に関しても数値の認識をもう一回考えても良いのではないかというふうに思います。それそのものと価格と直接リンクするということが実際に現実に合っているのかということも含めて、食料安保全体の中で考え直して、長期的な視点を持つ必要があるかというふうに思います。
    そんな中で、そうはいっても需要が減っていくのですけれども、ほっといて良いかというわけじゃないので、やっぱり魅力的に食べた方が良いよというようなことはやった方が良いと思います。これはこれまでも議論されているんですけれども、やはり世の中が完全に共働き世帯が多くなった中では、日本の古来の和食がすばらしいんだよというようなことを訴えても、それは割としょうがないかなと思っておりまして、手間が掛かる形じゃなくて、パック御飯なんかもそうですけれども、歓迎されるような形で、負担を増やさないような形で米の消費、米の魅力を伝えるというようなことは一つ大事ではないかと思います。
    それから、先ほども出ました、やはり米作りに人材が減っている、高齢者が増えているということは、もちろん気になるところです。今、比較的若い世代の人材の移動に関して、仕事も含めて関心があって見ているんですけれども、結局のところ、若い人たちは昔ながらの慣習や普通の感覚と違うところには行かず当たり前のことなんですけれども、今の時代に合っているところに若い人が行くということは確実だと思います。そうだとすると、農業あるいは米作りの現場も、できるだけ感覚を、米は特別ということではなくて、ほかの製造業とかほかの産業の考え方に合わせていく、あるいは、例えば法人の形で、若い人がサラリーマンのような形で農業に携われる方が良いと思うんですけれども、それもできるだけ、民間の企業と比べても、古いところが残っているような組織ではなくて、時代に合った新しい組織に見える、新しい業界に見えるということは、特に若い人を引き付けるためには非常に重要なのではないかと思います。そうしたところも視点に入れながら、やはり産業が今高齢化して人がいなくなっているということは大きな問題だと思いますので、米作りの現場も現代風に変わっていただきながら、人を引き付けることができたらなというふうに思います。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    そのほかの委員、いかがでしょうか。会場、いらっしゃいますか。
    菅原委員、その後、山﨑委員でお願いしてもよろしいですか。
  • 菅原委員
    菅原です。よろしくお願いします。
    御説明いただきましてありがとうございます。今回説明いただいた点については、私も妥当だと思います。
    それで、私がふだん生産している場で感じていることを少しお話しさせていただきたいと思います。
    皆さんおっしゃるとおり、需要に応じた生産というのはすごく大事だなと思っています。ただ、その反面、やっぱり農地を手放す方がここ最近増えてきているということと、あとは、その集まってきた農地をどうやって活用していくかというのはすごく非常に悩むところでもあります。
    あと、価格についてですけれども、今年令和5年のお米の価格が上がりまして、お米の生産現場でも資材ですとか肥料、エネルギー関係の価格が上がっている中で、お米の価格も上がったというのは非常に有り難いことだなと思っています。ただ、昨日、地元の新聞の記事の中に、お米の値段が上がって米離れに拍車が掛かるという記事が載っていました。生産者の立場から言うと、やっぱり世の中、物価が上がっていて、生産するにもコストが非常に掛かってきています。その中で、お米の値段はやっぱり多少なりとも上がっていかなければいけないなと感じているところです。それが、価格が上がるイコール米離れというような認識になるのはすごく悔しいなと思いますし、消費者の方たちにうまく情報とか、生産現場が今どうなっているかというのが伝わっていないのではないかなというふうに感じています。そのため、やはり卸会社の皆さんも共に、生産者もですけれども、情報発信ですとか生産現場の周知というのを是非お願いしたいなと思っています。
    以上です。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    続いて、会場の山﨑委員、お願いできますでしょうか。
  • 山﨑委員
    山﨑です。よろしくお願いいたします。
    今日は御丁寧な説明をありがとうございました。
    今回説明いただいた数字は妥当な数字なのではないかと思います。今年の現場からの状況を踏まえながら意見を述べさせていただきたいと思います。
    5年産は、やや収量減となりました。
    また、近くで揚排水機場に落雷があって、その揚水の機能が機能しないまま収穫を迎えて、三等という品質低下という状況もありました。
    後半の品質が悪く、二等の等級の比率が多かったという状況です。高温という状況は今後も、今年ならず今後も続くと思われることから、引き続き高温耐性品種の拡大、また開発、そして高温対策を引き続き講じる必要が重要なのかと思います。
    先ほど御説明いただいた炊き方の注意などのユーチューブ、SNS等の情報の発信はよいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
    以上です。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    続いて、稲垣委員、お願いします。
  • 稲垣委員
    どうも、稲垣でございます。
    基本指針の説明、大変分かりやすく、ありがとうございました。
    これについて、皆さんと同様の意見なのですけれども、現時点での需給の見通しとしてはしっかりしたものだと思いますし、指針自体については特段の異存はございません。
    その上で、若干コメントをさせていただきますと、需給もちょっと引き締まった感じになってきましたし、価格の方もどう評価するかという問題がありますけれども、生産者、消費者にとって、なかなか良いところに収まっているのではないかなというような感じがいたします。需要については大体年間10万トンぐらい減るというトレンドに戻ったということで、ここのラインかなと。いろいろ御指摘ございましたインバウンドの話とかはあると思うのですけれども、このトレンド推計を変えなくてはいけないほどの大きな変動はないのではないかというように私自身は思っております。
    5年産について言いますと、若干割り込んではいますが作況、ほぼ、100ですからニアピンショットということで、安定しているというのは非常に良いことだと思いますし、その中で、確かに等級の問題と、高温障害とか、それから降雨障害などがあり、地域ごとに結構厳しいところはあるなという感じはしますけれども、全体としてはこの程度で収まってよかったかなというように思っています。
    それで、等級の問題について、先ほどからのいろいろ御指摘ございまして、等級はやはり精米歩留りとの関係で、これはあくまでB to Bの業者間の話であって、消費者の食味の問題とは違う。その割には何か等級の問題、等級の問題って、消費者に向けて騒ぎ過ぎているのではないかというのが印象です。それを打ち消すことを是非やっていただきたいと思います。
    それから、別の評価基準というのもいろいろ研究していただいているということなのですけれども、これは、食味の話はもちろん科学で決まる部分もありますが、多分に気分のところがあって、芸能人を格付けする番組を見ていますと、何十万円のワインとその辺のテーブルワインと、目隠ししたら分からないのですよね。これは何かというと、後でお話ししますけれども、ナラティブというか物語の問題であって、やっぱり魚沼のコシはうまいってことですね、そう言われると。だからこそ産地銘柄というのでいろいろ売るようになってきたということですね。等級付けを、形状以外の問題についてあまり一生懸命やられることについては、私は少し立ち止まりながら考えていただいた方が良いのかなというように思っております。
    需要の方は、これもいろいろ見方あるかと思うのですが、トレンドラインということで、そう考えると、作況次第ということですけれども、6年産米について言えば、ほぼ需要と生産が見合う水準になるということで、これも良い話だろうと思います。
    それを前提にして、来年ですと177万トンという在庫水準。これもいろいろ見方はあるのですけれども、需要量が例えば10年ぐらい前に比べると100万トンぐらい減っている中で、私自身もそうなのですけれども、何となく200万トンというのが頭にあるんで、在庫随分減ったという感じですけれども、在庫率で考えると、やはり適正、ないし、下手するとやや多いかなというぐらいの感じだと思います。これはこのラインだと思いますし、生産の方も前年同様の生産目標数値ということですから、農家経営の安定とかからいっても望ましい水準になっておりますので、これはこれで良いことではないかというように思っております。それで、これは本筋の話ではないんですけれども、せっかくの機会ですので、2点ばかり、質問と私の意見です。
    一つは、小麦の売渡価格の話ですが、前から伺っておりますけれども、一時ルールを外れて、上がるべきところを上げ幅を抑制したということがあって、それをルールに沿って直していただくということでした。今回、小麦価格、国際価格は随分落ち着いてきたということ、為替の方が戻ってこないのがなかなか難点なのですけれども、それを踏まえて下げていただくということなので、ルールどおりやっているのかどうか、今、経済対策で物価抑制対策というのをやっているので、また、何かもっと下げろとかそういった話が出てきてはいないのかという確認です。
    2点目、これも小麦の話でお願いというか、上げる時もお願いしたと思うのですけれども、実際の消費者というか、小麦粉とかパンとかいうものになって出ていく段階では、政府の小麦の売渡価格の占める割合というのは非常に小さいので、例えば政府の売渡価格を何%下げたから消費者に行く価格を何%下げるというようなことを、製粉業の方とか食品加工業者の方に要請するとか強いることがないようにというのは、これはお願いします。しかるべき低下はしていただきたいとは思っていますけれども。
    あともう一つは、若干の苦言ですが、もう今やっていないようですが、二、三か月前に、テレビCMで米粉のコマーシャルを数度、やっているなというのを見まして、はっきり記憶に残らないぐらいの内容だったと思うのですが、米粉というのがありますよみたいなCMで、これは需要拡大のための施策ということで、多分どこかで農水省の施策にはまっているのではないかというように思います。
    多少迂遠な話からさせていただきますけれども、30年以上も昔の話なのですけれども、その当時の農水省は、各庁、各局が争うように、魚を食えと、米をもっと食べろと、果物をとれ、肉を食え等々と、ばらばらと需要拡大策を繰り広げていました。これを理屈の上で言うと、全部達成すると、人間の口は1つ、腹は1つですので、国民が総肥満になるというので、当時の主計局の農水予算担当の中のしゃれ者が一億総デブ化計画といった命名をしたこともございました。
    その後、食育という考え方が盛り込まれて今日に至っているわけでございます。この食育というのは、農水省が担うべき政策かどうかというのはさておき、非常に私としては意味あるものだと思いますが、それまでばらばらと需要拡大施策を取っていた時代は、もちろん国民がみんな肥満になったわけでもなく、結局、品目ごとの需要拡大策というのはやってみてもあまり意味がないということだと思っています。
    今回の米粉の話もそれと同様で、そもそも米粉という単一品目の需要拡大しようなんてCMやろうというのは全く無駄だと思います。あえて言いますけれども、米にしても、また米粉の競合品である小麦粉にしても、米を食べろとか、麦を、小麦粉をもっと使おうなんて、そんな宣伝していることもないのですね。だけど、米について言えば、何か、ゆめぴりかはどうだとか、ひとめぼれはどうだとか、そういった正に産地銘柄で個別にやっているわけです。小麦粉について言っても、小麦粉そのものではないんですけれども、各メーカーさんが苦労して、からっと揚がるてんぷら粉とか、ジューシーにできるから揚げ粉とか、そういった製品として売っていますし、パン屋さんに至ってはもういろいろと工夫されているということだと思います。先日、何かニュースだったかCMだったか忘れましたけれども、ある有名コンビニさんでは、小麦粉で作ったパン、県産の小麦を使ったものをその県で売るということで県産県消だという。
    そういう売り方をしないと、そんな需要なんか動かないというのは私の持論です。要するに、何か売ろうという時は、先ほども申し上げかけましたけれども、そのものに対するナラティブ、物語というのを作って売らないと売れないということだと思います。その中で各メーカーさんとか産地が、おのおの製品の特色だとか、ナラティブ、物語生み出して売り込んでいくってことが必要なのだろうと思います。
    そういう中にあって、米粉全般について何か良いものですよみたいなCMで、多額の放映料払ってほとんど効果ないものをやるということについてはいかがだったかと思いまして、あえて申し上げた次第です。
    以上です。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    御質問もありましたし、また、利用喚起策というか情報発信についての御指摘もあったということで、後ほど、小麦も含めて、事務局の方からコメント等頂ければと思っています。残り、会場2名の委員の方、山波委員と岩村委員がまだ御発言されていないという認識なので、よろしければ順に御発言いただいてもよろしいでしょうか。
  • 山波委員
    新潟の山波です。本日もよろしくお願いいたします。
    今ほどは事務局の方から御丁寧な説明、ありがとうございました。今回の基本指針の変更ということも、私、お話聴いて、妥当であるというふうに感じたところであります。
    その上で、3点ほどちょっとお話をさせていただきたいんですが、先ほどから民間在庫量のお話、6月末の民間在庫量のお話が出ていますけれども、ページ数は書いておりませんが、米の需要量及び民間在庫量の推移というところ見ていただくと、折れ線グラフというのは明らかに右肩下がりになっている中で、民間在庫量を、ずっと180万トンから200万トンの間に置こうというになっているというのは、私は生産者側なんですが、ちょっと違和感を感じます。本当にいろんな方々に御尽力いただいてはおるんですが、やっぱり推計を考えていくと、恐らく600万トン切り、500万トンに近くなっていくというのは、そう遠くない未来に待っているんじゃないかなと考えると、そういうことも含めて長期的な視点で需要量というものがどれぐらいになっていくのかということをしっかりと見極めた上で在庫量というものを、また計算方式を考えながら適正在庫に持っていっていただければと。今はこれで需給の安定が図られているとは思うのですが、今後のことがありますので、また皆さんと一緒に考えていければと考えております。
    それと、先ほどから今年の米の品質のことで、新潟というフレーズもたくさん出てきましたけれども私たち生産者も検査員ではないので素人とあえて言わせてもらいますけれども、素人が見ても明らかに今まで見たことないようなお米の姿になっていた品種があったことは事実です。ただ、それはそれで結果としてなので、私たちは受け止めることしかできませんし、それをもって次どうするかということを考えていくべきだと思うんですが、この品質について、先ほどからお話出ていますけれども、米検査というのはあくまで流通の過程で、その中身を保証するための指標であって、末端のお客様が評価する材料ではないという観点からすると、一等米比率が、二等米比率が、規格外が多く出たと等が毎日のように、メディアで報じられるということは違和感があります。この関係者で共有する数字がオープンになるということは、ほかの作物でも産業でもないと思います。さらには、生産者の売渡価格が出るというのも、原価を消費者の皆様が知るというのもどうなのかなというのはあります。この場でしっかりと議論させていただければと思います。情報の出し方というのも、各関係する皆さんで共有させていただきながらしっかりと進めていかなければいけないというのが、今回のこの品質で大変な思いをした中で感じたところであります。また、農水省の皆さんにも是非とも関係機関に御指導いただきながら、関係者だけの数字なのだということで共有いただければありがたいです。
    これからお話しはちょっとずれるかもしれませんが、生産量に関わることなのでお話しさせてもらいます。この度、新潟県は、8月、ほとんど雨というものがなくて、それこそ前回の食糧部会から全然雨降っていないのですけれども、その中で、8月の平均気温が30度を超えたんですね。そうなってくると、出穂の時期が一緒で、刈り取りの時期も多少早くなるとしても、用水の要る期間というのが延びてくるというふうに考えるのが普通だと思うのですが、農業用水としての水利権がありますので、土地改良区さんが管理している中で、ほとんどが8月の末で、9月に入ると農業用水が使えず、大変な思いをした生産者の方がおられたという事実がありますので、農水省の中でも共有していただければありがたいです。河川の水は様々な絡みがあるので、決まり事があって大変なのも分かりますけれども、土地利用型農業という中では、生産者は天候が分からない中で作物を育てておりますので、農業に係る水利期間は柔軟性を持たせられるような、そういうルール作りというのも必要なんじゃないかと。それがまた生産量の安定につながり、需給の安定にもつながるんじゃないかなというふうに考えております。
    以上です。ありがとうございました。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    それでは、よろしければ、岩村委員もお願いしてもよろしいでしょうか。
  • 岩村委員
    岩村でございます。
    今回の需給見通しでありますけれども、変更に当たっての考え方や、今後の方向性については、妥当だというふうに思っています。その上で3点、農業という観点からコメントをさせていただきます。
    1点目は食料安全保障の確保という観点から、国内の生産基盤の安定というのは必須であろうということでございます。農業の成長産業化に向けて、まずは輸出の拡大ということで、これは前々から申し上げていることでございますが、国内外における需要動向や、担い手である農家にとっても有益と考えられる情報の積極的な開示・広報が重要です。米に限らず、GAPやHACCPのような認証の取得について、政府の支援も重要なので、プロモーションに加えて、そのような支援を是非お願いいたします。
    2点目は、データの活用、農業におけるDXを進めるにあたっては、関連データの蓄積だとか利活用を通じてスマート農業の普及促進や、農業の六次産業化といったものが国内生産能力の拡充に貢献するというふうに、データ活用は非常に重要ですので、この点、大切だということを申し上げます。
    それから、もう一つは知的財産の重要性でございます。よくシャインマスカットの海外への流出が事例に出ますが、品種に限らず、今正に注目を集めている、AIやロボットといった研究開発から新たな知的財産が生まれる可能性があると考えております。また、生産能力の向上にはバイオ技術の普及も重要ですので、こういった知的財産という観点から、国としての総合的な戦略が大切ではないかと考えます。
    以上3点でございます。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    以上で御参加の委員、臨時委員から一とおり御発言いただいたと思います。
    御質問も複数頂いていますので、それも含めて事務局の方から受け止めの方頂けますでしょうか。
  • 武田企画課長
    企画課長からお答えしたいと思います。
    まず、平田委員からございました作付面積の減少のところです。先ほど私ども、現地と需要に応じた生産ということでコミュニケーションしていきたいというふうにお話し申し上げました。そういった中でも、こういった主食用米の作付けの動向とか、あるいはその地域の高齢化の動向なんかも含めて、ちょっときめ細かくコミュニケーションすることで、この辺り分析をしていきたいと思っております。
    また、宮島委員から、少し中長期的な視点で、生産の麦・大豆なりそういったものをどう考えるか、あるいは備蓄についてどう考えていくのかという御示唆がございました。私ども、今正に食料・農業・農村基本法の具体化、あるいは、不測時の食料安全保障についても別途検討会が行われていたり、あるいは、その先には食料・農業・農村基本計画も検討していくということになろうかと思います。そういった中で中長期的な戦略。今日お諮りしているものは短期の指針でございますけれども、中長期的な視点もしっかり持って、また、農業経営のありようも含めて、経営を振興する部局なんかともコミュニケーション取りながら、しっかりやっていきたいと思っております。
    米の消費拡大の等々に関しましては、また穀物課長の方からお願いをしたいと思っております。あと、菅原委員、山﨑委員からも今後の関係の御指摘ございましたので、またこの辺り補足あれば穀物課長の方からお願いしたいと思いますし、稲垣委員からございました小麦の関係は貿易業務課長からお願いしたいと思っております。
    あと、山波委員から御指摘ございました。私ども、在庫なり需要量あるいは生産量の見通し、それぞれ相互に関係していくものでもございますので、丁寧にマーケットの動向も含めて考えていきたいと思いますし、全体が何かそれぞればらんばらんになるものでもございませんので、そういった中で調和した、需要に応じた生産ができて需給が安定するように考えていきたいと思っております。
    また、水利権に関して御指摘いただきました。土地改良の部局なり、そういったところとも問題意識を共有させていただいて、なかなか御指摘のとおり難しい部分もあろうかと思いますけれども、まずはこういう状況が生産現場からあったのだということをお伝えしたいと思っております。
    また、岩村委員から御指摘ございました輸出に関しての様々な情報発信。これは正に市場拡大の一つのパーツでございますので、こういったところに何が必要で、どういうことをやると成功するのかといった辺りについて、ほかのものも含めてしっかりと情報発信していきたいということでございます。
    また、農業の分野、確かにデータドリブンとか、あるいは知財をどうするとかといったところ、私も、今日の会議もオンライン、ウェブ併用といいながら手元に紙をたくさん持っていたり、また、多くの生産者の方々から申請をしていただいたり、あるいは確認書を頂いたりと、本当にこういった辺り、あるいは、その集まったデータをどう活用していくのか、私は前職でそのような仕事もしておりましたので、情報をどう活用していくか、情報をどう集めていくのか、また、そこで生まれた新しいビジネス、ビジネスモデル、あるいはそういった技術、こういったものをどう保全していくのか、技術部局等も含めて共有をして進めていきたいというふうに思っております。
    私からは一旦以上でございます。
  • 平野貿易課長
    貿易業務課長でございます。
    稲垣委員から輸入小麦について御質問いただきましたので、お答えさせていただきます。
    輸入小麦の政府売渡価格につきましては、御案内のとおり年2回、4月期と10月期に価格改定をしてございます。直近につきましては令和5年の10月期ということになりますが、その売渡価格につきましては、従前のルールに基づきまして、直近6か月間の価格をベースに算定をしまして、対前期比で11.1%の引下げ、トン当たりで申し上げますと6万8,240円ということで、先月の12日に公表させていただいたところでございます。年2回でございますので、次回は令和6年4月期ということになりますけれども、買い付け価格がまだ3月の第1週まで続きますので、これにつきましては引き続き国際相場の動向等を注視してまいりたいと思っております。
    また、製品価格についてでございます。山田委員いらっしゃる前で大変恐縮でございますけれども、10月期の価格改定を行ったということを踏まえまして、各製粉企業の方々の方で今月に入りまして小麦粉の価格の改定を発表されており、おおむね来年の1月分からそれぞれの製粉企業さんにおける価格の改定がなされるものというように承知してございます。
    我々、輸入小麦の売渡価格を公表する際に参考としまして、委員からも御紹介いただきましたように、例えば食パンですと小麦粉の価格の占める割合ですとか、うどんの割合ですとか、それぞれ9%だったり6%だったり、外食ですと1%だったり、水準を紹介させていただいております。
    委員おっしゃいますように、製品価格に占める小麦粉の割合というのはそういった水準でございますし、それ以外にも当然、電力ですとか動力ですとか、包材費、物流費、人件費等々のコスト面においても多方面の要素はございますし、ぞれぞれどういった価格を設定するかというのはそれぞれの企業における経営上の判断ですとか販売戦略といったものがあってのことだというふうに思っておりますので、一概にどうなるかということは言えないものというように考えてございます。
  • 佐藤穀物課長
    まず、需要、消費拡大に関して、宮島委員、あと稲垣委員の方から御意見ありました。
    特に米粉のCMの件ですけれども、稲垣委員おっしゃるとおり、やはり製品で魅力的なものを発信していくというのが、米粉の消費を拡大していく上では一番正しい戦略だというふうに思っています。例えばドーナツ屋さんだとかベーカリーだとか、いろいろなところで新商品を作っていただいて、B to Bの形で消費拡大とか需要の拡大をしていこうと今考えているんですけれども、そのB to BのBの方たちから、まずは米粉というものがあるのだということを全国的に、消費者の方にまず知ってもらうというところも是非やってくれというお話もあって、あのようなCMを打って、米粉というのをちょっと消費者の頭に刻んでいただいた上で正に製品の方でやっていこうというような戦略で、我々、今回やらせていただいたということでございます。おっしゃるとおり、B to Bの形で、特に需要を喚起できるような良い商品、良い製品、そういったものは作っていくというのがまず一番の需要拡大の方法だと思いますので、そういうようなことでこれからは進めていきたいというふうに思っています。
    宮島委員の方からお話のあった米の消費拡大の方についても、やはり共働きの方たちに向けて、簡便化だとかそういうものに役に立つのだというような形で需要拡大を進めていきたいというふうに考えています。あと、山﨑委員、山波委員の方からお話のあった高温障害の関係ですけれども、山﨑委員の方からお話ありましたように、やはりこれから温暖化というのは長期的にはより進んでいくという方向だと我々も思っていますので、高温耐性品種の導入だとか、それに対応したような栽培技術の導入については、高温が出た影響の差が、地域によってかなり異なっていますけれども、その地域に応じたような品種とかそういう対策技術、そういったものの導入を支援することも我々としては検討していきたいというふうに考えてございます。
    さらに、8月までしか水がないとか、そういうようなことについても、先ほど農産企画課長の方からもお話ありましたけれども、土地改良区とよく調整をしていただくようにいろいろお願いをしていきたいと思っていますし、検査の方にも、どうしても検査等級というのがほかに、やっぱりマスコミの方たちにすると、一等、二等、三等というのが流通上の規格というよりも米の品質だというふうに思われている部分というのも非常にあるので、我々もその検査等級について、これからまたいろいろ説明をする際に、検査等級というのはあくまで流通上の、先ほど言った精米の歩留りだとかそういうものを基準にしたような規格であるということの発信を引き続きやっていきたいというふうに思っています。
    最後に、岩村委員の方からお話ありましたGAPだとかHACCPだとかそういうものの取得支援も、農水省としてもやはりしっかりやっていかないといけないと思っていますので、GAPを一生懸命取っていただいて、しっかりやっていこうとしている方たちの御支援というのも引き続きやっていきたいというふうに思っています。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    事務局から以上でよろしいですか。
  • 武田企画課長
    はい、大丈夫でございます。
  • 大橋部会長
    はい、承知いたしました。
    本日、大変様々な視点からの御意見いただきまして、ありがとうございます。馬場委員始め、大変有意義なコメントいただいたと思っています。取り分け数字が比較的堅実で安定的になってきたということからかもしれませんが、相当需給及び在庫について突っ込んだ分析をする御議論いただいたのかなと。特に藤尾委員、山田委員、平田委員始め、今後見ていくべき視点を伺えたのではないかなと思っています。山波委員からもあったのですけれども、食料安保等、米は特殊ではあるものの、やはり一般産業として見た時に、こうした需給とか在庫をどう見るのだろうかというふうな観点からの視点というのは相当重要なのかな。
    そうして見ると、本当は民間事業者がいろいろな経済状況の過程の中で、推計をアナリストがしていくような、世界で今ちょっとあるのかどうか分かりませんが、そういうふうなことがもっと行われても良いはずですし、そうしたものが行われるような市場の素地というインフラも作っていくべきなのかなと。そうしたインフラが出てくると、金融も含めて、いろんな事業者が参加してきますので、米に対する注目ももっと浴びてくるのかなというふうな感じも、本日お話聴いて感じたところです。
    是非事務局においても、相当供給力について、これまで需要に応じた生産と言って需要制約の議論してきたわけですが、実は供給制約に今後相当程度陥るのではないかという御意見が過半だったと思っています。そうすると、こうした議論とちょっと一段次元を変えた議論をしないといけないのではないかということなのだと思います。ちょうど数字が安定的になっている時期だからこそできる議論があるはずで、そうしたことも含めて、是非事務局の方でも、議題も含めて、御検討いただくことは重要なのかと思います。
    いずれにしても、本日、大変事務局には御丁寧に御対応いただきましたので感謝申し上げます。
    本日、こうした点、是非検討していただくとして、本部会としては農林水産大臣から諮問のあった米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更について、諮問を受けているところであります。全員の委員から妥当ではないという御意見はなかったのではないかなというふうに受け止めていまして、そういう意味で、今回この部会において、今回の変更は妥当であるというふうに認めても良いのかなと思っているんですが、もし御異論あれば頂ければと思いますけれども、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

    (異議なし)

  • 大橋部会長
    それでは、特段御異議がないということと思いますので、そのように認めさせていただきたいと思います。
    食料・農業・農村政策審議会令第8条第2項の規定によって、議事の決定に必要とされる出席委員の過半数を超えていますので、本件について、変更案、変更について適当と認める旨の議決をいたしたいと思います。
    なお、この議決に関しては、審議会の議決とすることとされておりますので、後ほど、食料・農業・農村政策審議会として農林水産大臣に適当と認める旨の答申をいたしたいというふうに思います。
    この答申については書面で行うこととなっているわけですが、もし差し支えないようでしたら、文面について私の方に御一任いただければと思うんですが、そちらの方もよろしゅうございますか。

    (異議なし)

  • 大橋部会長
    どうもありがとうございます。
    それでは、以上で議事の1について終了ということでございまして、議事の2について、もし事務局の方からお伝えすべきことあれば、お願いできますでしょうか。
  • 武田企画課長
    部会長、特にございません。
  • 大橋部会長
    はい、分かりました。
    それでは、これにて全ての議事終了ということになります。最後、この議事については議事録として公開することになっているのですけれども、後ほど、議事録については御確認を皆様方にさせていただくということとさせていただきます。
    本日はありがとうございます。
    それでは、事務局に進行をお返しいたします。
  • 島本企課課課長補佐
    大橋部会長、どうもありがとうございました。また、当方の音声の方、不手際ございまして申し訳ございませんでした。
    それでは、閉会に当たりまして、平形農産局長からごあいさつ申し上げます。
  • 平形農産局長
    本日は、長時間にわたり御議論いただき、ありがとうございました。
    本日諮問いたしました米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更につきまして、適当と認める旨の答申を頂けるということで、誠にありがとうございます。
    また、本日、多岐にわたる御意見を頂きました。大橋部会長の方から、一段次元を変えた議論をというお話も頂きまして、我々もいろんな分析をやっていこうと思っておりますし、また、今回の基本法の改正に関する議論の中で、もう少し中長期的な話ですとか、特に平田委員もおっしゃいました生産力の制限というところに関しては、とても我々も重く受け止めて、そういった意識も持ちながら検討を進めていきたいというふうに思っております。
    重ねて本日精力的な御議論に感謝申し上げるとともに、閉会の挨拶とさせていただきます。本日はありがとうございました。
  • 島本企課課課長補佐
    それでは、以上をもちまして本日の食糧部会を終了させていただきます。
    委員の皆様におかれましては、大変長時間にわたり御議論いただきまして、ありがとうございました。

    午前11時57分 閉会

お問合せ先

農産局農産政策部企画課

代表:03-3502-8111(内線4971)
ダイヤルイン:03-6738-8961

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