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食料・農業・農村政策審議会食糧部会 議事録(平成25年11月28日開催)

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1.日時及び場所

平成25年11月28日(木曜日) 13時00分~
 農林水産省 7階講堂

2.議事

(1) 米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更について

(2) その他

3.概要

  • 梅下農産企画課課長補佐
    それでは、定刻となりましたので、ただいまから「食料・農業・農村政策審議会食糧部会」を開会させていただきます。
     委員の皆様におかれましては、お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
    まず、本日の委員の皆様の出席状況でございますが、大枝委員、田沼委員、椋田委員におかれましては、所用により御欠席との連絡を事前にいただいております。
     結果、全体の3分の1以上の委員に御出席いただいておりますので、食料・農業・農村政策審議会令第8条の規定により、本部会は成立しております。
    それでは、開会に際しまして、横山農林水産大臣政務官より、ごあいさつをお願いいたします。
  • 横山農林水産大臣政務官
    どうも皆様、大変御苦労様でございます。そして、大変ありがとうございます。
     本日の食料・農業・農村政策審議会食糧部会の開会に当たりまして、一言ごあいさつさせていただきます。
     経営所得安定対策の見直しと、それから日本型直接支払の検討など、今後の米政策のあり方につきましては、一昨日開催されました農林水産業・地域の活力創造本部において決定をされました。
     今回、決定いたしました米政策の見直しの内容に関しまして、農業者の皆さんだけではなくて、国民の多くの皆様方が大変に注目をしているところでございます。
    この生産調整につきましては、水田活用の直接支払交付金の充実を進める中で、5年後を目途に生産数量目標に頼らずとも需要に応じた生産が行える状況になるよう、行政、生産者団体、現場が一体となって取り組むこととなっております。
     我が国の主食であります米につきましては、需要に即して安定的に供給されることが重要でございます。
     今後、水田活用の直接支払交付金の充実や、国によるきめ細かい情報提供といった環境整備を進める中で、引き続き、米の需給と価格の安定を確保していきたいと考えているところでございます。
     詳細につきましては、後ほど事務方から御説明をさせていただきます。
     本日の食糧部会におきましては、米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針について御審議をいただきます。
     米の基本指針につきましては、昨年7月から本年6月までの1年間の需要実績が確定いたしました。
    これを受けまして、この先の需要見通しとともに、26年産米の生産数量目標の設定などについて諮問させていただきますので、本日の御答申をお願いしたいと存じます。
     最後に、食糧部会の委員の皆様方の様々な立場からの忌憚のない御意見、そして、活発な御議論をお願いし、挨拶とさせていただきます。
    どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
  • 梅下農産企画課課長補佐
    ありがとうございました。
    なお、横山政務官におかれましては、次の予定のため、ここで退席されます。

(横山農林水産大臣政務官退室)

  • 梅下農産企画課課長補佐
    それでは、議事の前に配付資料の確認をさせていただきます。お手元には、「食料・農業・農村政策審議会食糧部会資料一覧」に記載しております「議事次第」、「委員名簿」、「資料1 諮問(写)」、「資料2 米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針(案)」、「参考資料1 米をめぐる関係資料」、「参考資料2 米に関するマンスリーレポート(平成25年11月8日公表)」、「参考資料3 『攻めの農林水産業』のための農政の改革方向(案)」、「参考資料4 制度設計の全体像」、「参考資料5 現行施策の現状と課題、論点整理を踏まえた中間取りまとめ」を配付させていただいております。
     資料の不足等がございましたら、事務局までお申し出いただきますよう、お願い申し上げます。
    それでは、この後の議事進行につきましては、中嶋部会長にお願いしたいと思います。
     中嶋部会長、よろしくお願いいたします。
  • 中嶋部会長
     食糧部会長の中嶋でございます。皆様、よろしくお願いいたします。
     本日の審議会の取扱い及び議事の進め方について確認したいと思います。
     本部会につきましては、審議会議事規則第3条第2項の規定により、会議は公開することとなっております。
    また、本部会における皆様の御意見等につきましては、議事録として取りまとめの上、公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。
     本日は、議事1として、「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針(案)」につきまして、事務局から御説明の後、委員の皆様からの御意見、御質問を頂戴した上で、米の基本指針(案)が適当であるかどうか、決議したいと思います。
     委員各位、また、事務局におかれましては、限られた時間内で効率よく議事を進められるよう、円滑な進行に御協力いただきたいと思います。
     全体としては、15時前までには終了する予定で進めたいと思いますが、このような取り進め方でよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

  • 中嶋部会長
    ありがとうございます。それでは、そのように進めてまいりたいと思います。
  • 中嶋部会長
    では、早速ですが、農林水産大臣から食料・農業・農村政策審議会に諮問のありました「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針(案)」の変更について御審議いただきます。
    まずは、事務局から諮問文書の読み上げを行っていただき、引き続き、資料の説明をお願いいたします。
  • 松尾農産企画課長
     農産企画課長の松尾でございます。よろしくお願いいたします。
    まず、農林水産大臣から審議会に対して諮問がなされておりますので、資料1の諮問の写しを読み上げさせていただきます。
    25生産 第2380号平成25年11月28日
     食料・農業・農村政策審議会会長殿
     農林水産大臣 林芳正 諮問
     米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更について、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(平成6年法律第113号)第4条第7項において準用する同条第4項に基づき、貴審議会の意見を求める。
    ということになっております。
     続きまして、資料2の「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針(案)」について御説明させていただきます。
    まず、表紙をおめくりいただきまして、1ページのところからが本文でございます。
    この中で、まず、第1につきましては、今回の基本指針、7月に作ったものの変更ということでございますけれども、第1のところは変更がございません。
     第2のところでございます。第2の基本的な考え方につきましても、変更はございませんけれども、今回、平成24/25年の需要実績の算出方法ということで、表の1のところに書いております。
     平成24/25年の主食用米等の供給量、こういったものを生産量から算出する。
    そこから、マル2民間流通の在庫量の変動状況、こういったものを差し引くということで、需要量を出すということでございます。
     右側の(3)のところが、全国の需要実績でございます。
     今回、需要実績のところで、7月の指針と変わったところがございまして、具体的には(2)算出方法のところでございます。
     (2)のところでございますけれども、平成25年6月末在庫量というのが224万トンということで確定しております。
    それから、平成24年6月末在庫量というのが180万トンということで、在庫量の増減ということで44万トンと、こういったところが確定しているわけでございます。
    マル1のところでございますけれども、ここは、821万トンという生産量と代替供給4万トン、825万トン、これは変わっておりません。
    こういったことで、マル1からマル2を差し引くと781万トンということで、24/25年の需要実績が確定したということでございます。
    これは、昨年の基本指針の11月の推計のときは799万トン、それから、今回7月の基本指針で、速報で779万トンが、この781万トンということで確定したということでございます。
    それから、3ページのところでございます。
     足元平成25年/26年、具体的には25年7月から26年6月までの需要の見通し、あるいは平成26/27年の需要の見通しということで、ここは表題にも書いてございますように、推計値ということでございます。
    それで、本文がございますように、こういった推計値につきまして、これまで平成08月09日年のところからの需要の実績を伸ばしまして、これをトレンド(回帰式)ということで出しております。
    こういった回帰式ということを伸ばしていきますと、平成25/26年の需要の見通しというものが787万トンということになります。
    それから、平成26/27年の需要の見通しというものが778万トンということになります。
    それで、先ほど申しましたように、今回、実績が確定いたしました、平成24/25年の需要の実績は781万トンということで、先ほど申しました、昨年11月の末に、ここの食糧部会のところでお示ししました見通し799万トンに比べると、18万トンの減ということになっております。ここの需要実績につきまして、例えば前年から比べると32万トンの減ということになっております。
    こういったことで、平成24/25年の需要実績、平成25/26年の需要見通し、平成26/27年の需要見通しというものをお示ししているところでございます。
     続きまして、4ページ右側のところでございます。平成25/26年の需給の見通しということで、表3で書かせていただいております。
    まず、平成25年6月末の民間在庫量、224万トンということになっております。平成24年の需要実績が固まるとともに、ここも固まったということでございます。
    それで、224万トンという在庫量、これは、どういう感じかと御説明しますと、参考資料のところ、9ページをご覧になっていただきたいと思います。
    これまでの、こういった6月末の民間在庫量ということをとりまして、11年からということで置いております。
    この中で、それぞれ6月末の民間在庫量ということをお示しいたしておりますけれども、この中で224万トンというのは、最近では非常に高い数字になっているわけでございます。
    また、4ページに戻っていきますと、6月末の民間在庫量というのが224万トンということで、そこに25年産の生産量、これは平成25年10月15日現在の統計部の発表ということで出ておりますが、818万トンということになっております。それで、これを合わせると、1,042万トンの供給量ということになります。
     平成25/26年の需要量、これは推計でございますけれども、左側のページにあります、787万トンというのをもってまいります。
    そうしたところ、平成26年6月末の民間在庫量は255万トンということになるわけでございます。
     先ほど、参考の資料のところで見ていただきましたけれども、224万トンということで、近年比較的高いということでございますけれども、来年の6月末の民間在庫ということを見ましても、ここについても非常に高いというような状況になっております。
    それで、これが1年間の、来年6月末の需給の見通しということでございますけれども、下に注を書いております。
    こういった民間在庫が比較的高い水準で推移する、あるいは民間在庫が増加するというようなことを踏まえまして、平成25/26年におきまして、民間の取組の中で、需給事情からみて、販売の見込みが立たなくなった主食用米というものが、需要が期待できる加工用、飼料用等に販売されると、こういった取組が検討されていると聞いております。
    そういった中で、こういった需給のフレームが一部変更されるようなことも可能性としてあるということで、この注書きを書いておるところでございます。
    5ページ目には、備蓄の運営について記載しております。今の棚上備蓄の考え方につきましては、これまでどおりということで変更はございません。
    それで、平成25/26年の備蓄運営ということでございますけれども、平成25年産の備蓄米としての買入契約数量は、本年1月から6月に入札を行いまして、18万トンということになっております。
     平成25年6月末備蓄量は91万トンということになっておりますので、ここで18万トンが加わってくる、その一方で、備蓄米の新しいものを買って、古いものを非主食用に年産更新していくということをしていますので、非主食用米の販売数量ということで、10万トンから18万トンということで、保有期間が5年を超える米の品質確認を行いながら、販売していくということで、平成26年6月末の備蓄量が91万トンから99万トンと置いているところでございます。
    これは、参考資料の11ページに政府備蓄米の在庫の状況というのを詳細に記載しております。
     先ほど申しました、今年の6月末の在庫数量91万トンで、これに25年産が18万トン加わりまして、他方で18年産あるいは19年産が年産更新しているというような状況になっております。
     最近、23年産、24年産とかの買入数量というのが少なくて、若干この辺の新しいものが少ないというふうな状況になっております。
    6ページの第4の米穀の輸入数量等々に関しましては、7月の基本指針と変更はございません。
     第5の26年産米における生産数量目標、需要量に関する情報ということで書いております。
    まず、本文にございますように、全国の生産数量目標、これにつきましては、先ほど申した平成25年産米の10月15日の作況が102と、こういった中で、1つは、先ほど申しました平成24/25年の需要実績が当初の見通しよりも18万トン、大きく減少したということで、こういったところが在庫の増の一因になっているわけなんですけれども、こういったことがある。
    もう一方は、毎年、引き続きトレンド値におきまして、需要量が8万トン減少していると、こういったことも加味しなければいけない。
    こういった点を考慮いたしまして、昨年、25年産の生産数量目標というのは、791万トンと置いたわけでございますけれども、こういった18万トンという需要が大きく減少して、在庫増の一因になっている、あるいは、8万トン毎年需要は、引き続き減少しているということで、26万トンというものを、昨年の791万トンから減らしまして765万トンということで設定したいというふうに考えております。
     次に、全国の生産数量目標を作りまして、その後、都道府県別の生産数量目標ということになります。
     一言で申しますと、都道府県別の生産数量目標につきましては、昨年と同様のやり方にしたいということでございます。
     都道府県別の生産数量目標につきましては、従来から各県の需要動向を反映させるということで、それぞれの県の過去6年間の需要実績中、中庸4年分の平均、こういったものを基本にいたしまして、そのシェアで案分していくというようなやり方をとってきております。
    また、各都道府県ごとの需要実績の算出に当たりましては、需給調整の取組の配慮ということで、例えば、生産数量目標を下回って作付が行われている、あるいは県間調整で生産数量目標のやりとりを行っていると、こういったもので生産数量目標が減少すると、こういったところにつきましては、一定の配慮をしておりますことから、今年も引き続き同様のやり方にしたいと思っております。
    また、最後のところは、東日本大震災に伴いまして、被災県におきまして生産数量目標を、その分の一部を他県の方に県間調整で出すというような取組も震災以降、一部行われております。
    こういったものにつきまして、需要実績上、その分、その県の生産数量目標の減少要因にならないような一定の配慮を行っているところでございます。
     以上のような内容となっております。
     参考資料のところは、先ほど申しましたような、民間の流通の在庫の状況、あるいは備蓄米の在庫の状況、こういったものを参考に入れております。
     続きまして、参考資料1の「米をめぐる関係資料」について、前回からの変更点を中心に簡単に御説明させていただきます。
    まず、1ページのところでございます。全体需給の動向ということでございまして、これは、昭和35年から長期的な動向を書いておりますけれども、平成25年の動向というのをつけ加えさせていただいているところでございます。
     続きまして、その後の2ページからは、流通ですとか、消費の状況でございます。
     基本的には、今年の7月の食糧部会から数字が更新されているようなところにつきまして付記しておるところでございます。
    4ページから8ページ、消費の動向について、時点修正を行っているところでございます。
    それから、9ページ、10ページ等々でございます。
     今回新しく資料をつけておりますのは、14ページの米の消費拡大の取組の中で、食糧部会でもいろいろ御意見がございまして、中食、外食と、こういった業務用のところに、ニーズに応じて供給がなされていく、あるいは安定的な結び付きがついていくというようなことが望ましいということでございまして、例えば、今、マッチングの支援と、こういったことを行っているという資料を添付させていただいております。
    15ページにつきましては、今回、25年産の価格が入っております。
     真ん中のところに1万4,871円ということで書いております。
    24年産に比べると、1,700円程度下がっているということになりますけれども、例えば23年産に比べると300円マイナス、22年産に比べると1,800円プラスということで、9月の状況を記載させていただいております。
     次に25ページのところでございます。
    ここにつきまして、平成25年度の数字を少し入れております。
     食糧部会の場でも、これまで御説明してきたかと思いますけれども、平成20年度以降、例えば水稲作付面積が164万ヘクタール、平成20年度はあったわけでございますけれども、こういった水稲作付面積は、この5年、6年の間で、実際はほとんど変わっていないということになっております。
     生産数量目標が減少していく、あるいは主食用が需要減によって減少していく中で、真ん中のオレンジ色のところの非主食用米の作付面積が増加しているという姿になっております。
     右側の麦と大豆、こういったものは大きく変わっておりませんけれども、基本的には主食用から非主食用の方に移りかわりながら水田が利用されているという状況でございます。
    ここで、1点だけ飼料用米の数字が25年度、24年度から一部下がったところがございますけれども、ここの部分につきましては、実は備蓄米の面積が増えて、ここのところが若干相殺されているというような状況で、非主食用米全体としては、やはり平成24年から25年で1万ヘクタール弱増えておりまして、こういった流れにつきましては、あまり変わらないというような状況でございます。
    27ページでございます。先ほど口頭で御説明いたしました都道府県別の生産数量目標の設定方法を書いております。需要実績に応じて各県で配分していくということでございます。
     続きまして、その後は、基本的にはデータの更新、あるいは7月お示ししたものから変わっておりませんが、30ページのところ、平成25年産米の都道府県別の需給調整の取組状況、ここにつきましては、今回の10月の作況とあわせて出しており、これは新しい数字でございます。
    ここにつきましては、各県の生産数量目標の面積換算したもの、実作付面積を書いたものということになっております。
    これは、これまでと特徴的に大きく変わったというところはございませんけれども、一言で申しますと、例えば九州とか、こういったところでは、生産数量目標の面積換算と、実作付面積を引いたもの、マル4-マル3というところなのですけれども、こういったところというのは、基本的に▲が立っているということでございます。
    これは、例年こういった特徴がございまして、どちらかというと、そういった非主食用米の生産ですとか、あるいはWCS用稲とか、こういったものの定着が非常に進んで、マイナスになっているというようなことでございます。他方、東北、関東のところではプラスということで、実作付面積の方が多いというような状況です。こういったことで、全国を押しなべて見ると、2.7万ヘクタール、作付面積の方が多いという状況になっております。
    その後は、ずっと来まして、ほとんど変わっていないのですけれども、59ページの「ASEAN+3緊急米備蓄(APTERR)の概要」ということで書いております。
    それで、一番下の2013年11月、フィリピンの台風と、こういった災害ということを踏まえまして、日本におきましても、こういった現物備蓄支援ということで、例えば11月にはフィリピンの台風ということで500トンを実施予定ということになっております。
    61ページには、新規需要米等の用途別の取組状況ということで書いております。
    ここで、先ほど申しましたように、今回、25年産については、飼料用米の生産の取組というのが一部減っております。これまでずっと増えてきておりますけれども減っております。
    これは、先ほど申したような備蓄米が、これまで7万トン、8万トンというのが18万トンに増え、これに移動したということでございます。
    それから、加工用米、ここの食糧部会の中でも加工用米の取組がもう少しというようなお話がございましたけれども、25年産というのは、21万トンということで、昨年に比べると、3万トンの増加というところが見込まれるところでございます。
    62ページ、63ページに米粉用米と飼料用米、こういったものの作付面積の動向を書いております。
     米粉用米につきましては、順調に伸びてきておったわけでございますけれども、在庫調整等々の関係で2万トンということが予定されているということでございます。
     飼料用米につきましては、先ほど申したように、備蓄米との入替えというようなことで、若干、25年産については、作付面積が減っているということでございます。
    64ページからが、何枚か新しい資料をつけております。
     報道でもございますけれども、こういった主食用米の需要が毎年8万トン程度減少していく中で、やはりこれまで非主食用米が置き換わって、ずっと水稲の作付面積の維持が図られてきておるところでございます。
     引き続き、こういった非主食用米の生産というのは拡大していくということが見込まれるところでございますけれども、それでは、結局、需要がどうなのだろうかと、飼料用米の需要がどのくらいあるのかということで、64ページに書いております。
    64ページ、24年産で見ますと、飼料用米は18万トン生産されたわけでございます。
    こういった18万トンのうち、半分が畜産農家に直接行く、残りの半分が配合飼料メーカーを通じて、ほかの輸入飼料と一緒に畜産農家に供給されるということになっております。
    このほか、国が持っております備蓄米あるいはMA米ということで38万トンが結局、畜産農家に直接行くというよりも、配合飼料メーカーを通じながらとうもろこしの代替などで供給されるのが非常に多うございます。
    それでは、どのぐらい最大利用可能かということが右側なのですけれども、現在、とうもろこしの輸入1,000万トンということの中で、畜種別にいろいろ分析あるいはヒアリングなどをする中で、最大450万トン、これは、来年、再来年ということでは全くなくて、潜在的な需要がどのくらいかということで試算したものが、このぐらいの需要があるということでございます。
    65ページの中に、先ほど申しました450万トンの、もう少し詳しい利用可能量の表を置いております。
    ここで見ていただきますと、まず、例えばブロイラーですとか、採卵鶏でございますとか、養豚でございますとか、こういったところが、特にブロイラーで置き替えが可能と、畜種別にいろいろ違いますけれども、こういった畜種別の適用、どのくらい適用可能か、あるいは配合飼料をどのくらい使っているかというようなことを分析した上で450万トンと置いてございます。
     現在、配合飼料メーカーを通じて、飼料用米も供給されているのが多いということでございまして、左側の日本地図のところに書いております。
     基本的には、黄色のところが全国生産者団体の工場があるところでございまして、下の絵にございますように、稲作農家の方は、例えばJAといったところで飼料用米が集荷されて、そこから全体、カントリーエレベーターからフレコンでバラ化されて、飼料工場に持ち込まれるということで、一軒一軒畜産農家を探して、需要先を見つけるというようなこともないわけではないですけれども、基本的に大きいところは、こういった大規模な取組の中で行われているということで、個々の農家の方々が苦労して売り場所を探すということではなくて、こういった大きなシステムの中で、現在、動いていると。あるいは、これからもこういったところが主流になっていくだろうというところでございます。
    66ページでございます。
     大きい配合飼料メーカーなどを通じながらやっていくというのが大宗かというお話をいたしましたけれども、その中でも、やはり生産、集荷段階の、例えば、飼料用専用の施設の整備でございますとか、あるいは個々の畜産農家の方々が、生産者が直接結びつく場合の、例えば、牛に供給する場合の粉砕機と、こういったこともあるわけでございますので、現在、補正予算あるいは当初予算、あるいは26年度でも一定の要求を行って、こういった飼料用米の生産流通あるいは受け取りがうまく進むよう、総合的に支援を行うというふうに考えております。
    67ページでございます。
     先ほど政務官のごあいさつにもございました、行政の生産数量目標の配分に頼らずにやっていくというような中で、地域でやはりどんなものを、どういうふうに特色のあるものを生産していくか、こういったビジョンを平成26年度以降、しっかり作っていただきながら考えていただくということで、水田フル活用ビジョンの策定ということを考えているところでございます。
     現在も水田活用の直接支払交付金の中の産地資金の活用の計画ということの中で、どういった作付に取り組むかということを地域、都道府県あるいは市町村に作っていただいているわけでございますけれども、今後こういったものを発展させて、先ほど申しました、非主食用米につきましては、新しい技術の導入とか、こういったことも書いていただこうということでございます。
     最後、68ページでございます。酒造好適米の需要に応じた生産の拡大ということで、これまで酒造好適米につきましては、基本的には高い価格で取引されているということで、需給調整の対象と、ポジの中ということで対応してきたところでございます。
    ただ、昨今、清酒の出荷量というのを左側に書いてございますけれども、出荷量が横ばいになり、あるいは特に特定銘柄酒につきましては、若干上がると、こういったことが見込まれる。
    さらには、輸出戦略の中で日本酒の輸出というものを、我々国としても応援していかなければいけないと、こういった中で酒造好適米につきまして、例えば、清酒メーカーが清酒の生産を増やすと、このために酒造好適米がもっとたくさん要ると、こういった増産分につきまして、生産数量目標の増減に左右されることなく、生産できるよう、その増産分につきましては、生産数量目標の枠外で生産できると、こういった運用見直しを26年産から行うこととしております。
     具体的な取組につきましては、産地と今、いろいろ相談しながら、26年産から円滑に進むように調整を行っているところでございます。
     最後に、米に関するマンスリーレポートというのを一部つけておりますけれども、また、御参考にしていただければと思います。
  • 天羽政策課長
     続きまして、政策課長でございますけれども、参考資料の3と4と5につきまして、簡単に御説明をさせていただきたいと思います。
     経営所得安定対策の見直し及び多面的機能支払制度の創設ということで、参考資料の3につきましては、左肩の四角の中にございますとおり、第9回農林水産業・地域の活力創造本部配付資料ということでございます。
    これは、11月26日に開催されたものでございまして、この本部というのは官邸に置かれていて、関係閣僚からなる会議体でございます。
     参考資料の3と次の参考資料の4は、林大臣が11月26日のこの会議のときに配付をして説明をした資料でございますが、3の方は、いわゆるプレゼン資料でございますので、後でまたお目通しをいただければと思っております。
    ここでは、参考資料の4を簡単にお目通しいただければと思います。
     「制度設計の全体像」ということで、米の直接支払交付金というのが1つ目の四角でございます。
     米の直接支払交付金については、現行1万5,000円であるわけですけれども、激変緩和のための経過措置として、26年産米から単価を7,500円に削減した上で、29年産までの時限措置ということとし、30年産から廃止とするというのが1つ目の柱でございます。
    2番でございます。
     日本型直接支払制度(多面的機能支払)の創設ということでございますが、農業・農村の有する多面的機能の維持・発揮を図るため、地域内の農業者が共同で取り組む地域活動、これは、活動組織を作って、構造変化に対応した維持管理の目標を含む協定を市町村と締結をして、地域活動をやっていただくということなのですけれども、こういうものを支援していきます。
    2つ目の○ですが、26年度は予算措置として実施することとし、27年度から法律に基づく措置として実施ということでございまして、27年の通常国会に法律を出すという方向でございます。
    3つ目ですが、国と地方を合わせた10アール当たり交付金単価は、次のとおりということで、この多面的機能支払制度は、農地維持支払というものと、資源向上支払という、この2階建ての構造になっておりまして、支払対象の地目といたしましては、田、畑、草地、それを都府県と道とで段階の設定を分けておりますというのが、このマトリックスでございます。
    これは、5年後に支払の効果や取組の定着状況等を検証して施策に反映していきます。
    あわせて、現行の直接支払制度といたしまして、中山間地域等直接支払なり、環境保全型農業直接支援があるわけですけれども、これらについては、基本的な枠組みを維持していきますということでございます。
    3番目が、経営所得安定対策でございます。
    いわゆるゲタとナラシの取扱いについてでございますけれども、(1)が畑作物の直接支払交付金でございます。
     諸外国との生産条件格差から生ずる不利を補うため、法改正により、認定農業者、集落営農、これは、新しいワーディングでありますけれども、認定就農者に対して実施をする。ただし、規模要件は課さない。
    なお、26年産は、現行どおり、全ての販売農家・集落営農に対して実施する。
     単価については、別表のとおりということで、ここでちょっとめくっていただいて3ページをご覧ください。
     別表に畑作物の直接支払交付金の交付単価ということで、1番に数量払という表がございます。
     区分といたしましては、小麦、二条大麦から一番下の、そば、なたねまで、それぞれ見直し後の平均交付単価と現行の平均交付単価を掲げております。
    2番に営農継続支払というのがございまして、これは10アール当たり2万円、そばについては1.3万円とするということでございます。
     恐縮ですが、戻っていただきまして、1ページの3番の(2)でございます。
     米・畑作物の収入減少影響緩和対策、いわゆるナラシでございます。これは、農業者拠出に基づくセーフティネットとして実施をしていきます。
     対象農業者は、法改正により27年産から、認定農業者、集落営農、認定就農者に対して実施する。ただし、規模要件は課さない。
    それで、26年産についての扱いが次のページの○でございますが、ナラシ対策非加入者に対する影響緩和対策として、26年産の米の直接支払交付金の加入者のうち、26年産のナラシ対策に加入しない者に対して、26年産のナラシ対策で米の補填が行われる場合に、国費分相当の5割を交付する。この場合、経過措置ということで、農業者の拠出は求めないということでございます。
     最後の○ですが、中期的には、すべての作目を対象とした収入保険の導入について調査・検討を進め、その道筋をつけるということでございます。
    4番目の四角が「食料自給率・自給力の向上に向けた水田のフル活用」でございます。
     食料自給率・自給力の向上を図るため、水田活用の直接支払交付金により、飼料用米、麦、大豆など、戦略作物の本作化を進め、水田のフル活用を図るということで、飼料用米・米粉用米について数量払いを導入し、上限値10.5万円/10アールとするということでございます。
     恐縮ですが、もう一度3ページをご覧ください。
     下の方に別図というものがございます。縦軸には、助成額ということで、10アール当たりの単価、横軸が単収ということで、10アール当たり、530キロをへそに、右側の折れているところが、680キロ、左側が380キロということでございます。
    この横軸の数字のところに※印がついておりますが、右にございますとおり、※印は、全国平均の平年単収、標準単収量に基づく数値であり、各地域への適用に当たっては、当該地域に応じた単収、いわゆる配分単収を適用するものとするということでございます。
     戻っていただいて、2ページ目の四角の4の○の2つ目でございます。
     地域の裁量で活用可能な交付金(産地交付金(仮称))により、地域の作物振興の設計図となる「水田フル活用ビジョン」に基づき、地域の特色のある魅力的な産品の産地を創造するため、麦・大豆を含む産地づくりに向けた助成を充実する。(飼料用米・米粉用米についての多収性専用品種への取組、加工用米の複数年契約(3年間)の取組に対し、1.2万円/10アールを交付。)ということでございまして、※印の1、2は付記でございますけれども、麦、大豆、飼料作物、WCS用稲及び加工用米の水田活用の直接支払交付金の単価は現行どおりとする。そば・なたねについては、産地交付金(仮称)からの交付に変更することとするということでございます。
    5番目、米政策の見直しは、先ほども出てまいりましたけれども、需要に応じた生産を推進するため、水田活用の直接支払交付金の充実、中食・外食等のニーズに応じた生産と安定取引の一層の推進、きめ細かい需給・価格情報、販売進捗・在庫情報の提供等の環境整備を進める。
    こうした中で、定着状況をみながら、5年後を目途に、行政による生産数量目標の配分に頼らずとも、国が策定する需給見通し等を踏まえつつ生産者や集荷業者・団体が中心となって円滑に需要に応じた生産が行える状況になるよう、行政・生産者団体・現場が一体となって取り組む。
    6番、米価変動補?交付金は、平成26年産米から廃止するということで、これは、ナラシ、先ほど出てまいりました3番のナラシ対策で受けていくということになるということでございます。
     最後、参考資料の5というのがございます。この中間取りまとめは、与党、野党との調整の過程で、役所の方から提出をした資料でございます。
     一番左の欄に、それぞれのテーマごとの現状の仕組みなどを書いておりますので、後でまた御参照いただければと思います。
     以上でございます。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    ただいま、事務局から米の基本指針に係る諮問事項等につきまして説明がございました。
    あと、1時間少しでございますけれども、どなたからでも結構でございます。御意見、御質問をお願いします。
    それでは、平石委員。
  • 平石委員
     生産農家の平石と申します。
     今回の米政策の見直しに当たって、平成18年の新たな需給調整システムへの移行の検証に関する検討会等での議論、また、その前に平成14年には、生産調整に関する研究会での議論と並行して、本部会が幾度となく議論されておりました。
    しかし、今回の見直しに当たっては、本日の1回のみと、形式的に承認を得るためのものであるような実質的な議論の場がないことは、極めて遺憾、残念であると思います。
     今後は、もっと食糧部会を尊重して、農業・農村、現場の声をくみ上げた丁寧な検討が行われるべきだと思います。
    また、今回の米政策の見直しで、農業現場は大きく混乱しております。私たち大規模稲作経営者の中でも、いろいろな議論が行われました。岩盤対策と言われていたコスト補填の話は、一体どこへ消えたのでしょうかということも疑問です。
    しかし、突き詰めると、その原因というのは、どこからどこまでが生産調整なのか、全く経営者の中で考え方が違っている、その違う原因というのが、なかなかはっきりした方向性が見えないというのが現状だと思います。
     農水省は、5年後に条件が整ったら、どの対策をやめるつもりで、どの対策を残すつもりなのかということが現段階での時点で全く生産者、はたまた各地域の行政には見えてきておりません。
    まして、飼料米の今回の転作作物の振興に当たっては、政策がころころ変わり、農業経営の地元では、それでも将来展望が全く読めるような、最後には五百何十万トンの許容量を持っている施策であったとしても、まず、一歩一歩かみしめた形での施策をしていただきたいと思います。
    はっきりとした方向性を示していただきたいことと、最後ですけれども、担い手に対して150万円の助成金をやるということが担い手の育成ではないと思います。しっかりとビジョンを示せるような農政をお願いしたいと思います。
     以上です。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。何人かの方から御質問、御意見をいただいてからまとめてお答えいただくというような進め方をしたいと思います。
    それでは、廣瀨委員、それから相良委員、お願いします。その後は、冨士委員。
    では、まず、廣瀨委員、どうぞ。
  • 廣瀨委員
     今日の御説明をお聞きしていまして、民間の在庫量を私は非常に危惧します。
    これが255万トンということですが、この数量を米をめぐる関係資料の20ページの在庫量の推移を見ますと、図抜けて増えているわけです。
    しかも、これ全体で見ますと、需要量が平成11年などは、900万トン前後ぐらいのところにおいて、在庫が200万トン程度ということに対して、その後、需要量が減ってきている中で、在庫量がこれだけ増えているということの意味合いを考えますと、生産量そのものについて、需要の減のところだけのことを考えた18万トンと8万トンを足した、26万トンを引くということだけで果たしていいのかなと、こういう感じを持っています。
     在庫量が昨年比でも30万トン程度増えるわけですから、本来は、それも引くぐらいの感じで、50万トンぐらい減らすという思い切ったことをしなければならないのではないかと思ったりします。
    しかし、生産の立場からしますと、そんな思い切ったことをやりますと、現場は混乱して大変だと思いますが・・・。
    したがいまして、結論的には、今回の生産量について、私は了とさせていただきたいと思いますけれども、よほど慎重に生産をやっていただくことが大切です。
    それから、需要の動向については、先ほどもお話がありましたように、いろんな需給の情報をどんどん示していただいて、それをしっかりと踏まえた上での需給対応をしていく必要があるのではないかと思います。
    それから、価格ですけれども、結局、この1年間で需要が減ったというのは、恐らく1つの要因として、やはり米の価格が高かったということが大きな要因ではなかったかと思います。
     国内で作っている800万トンの生産物について、こんなに価格が大きく変動するということ自体、果たして正常な姿だろうかと思います。
     我々、消費者の立場からしますと、あまりにも変動し過ぎる。
    これは、恐らく生産者の側から見ましても、大変なことだろうと思いますので、もう少し安定化させると言ったら語弊がありますけれども、上に変化するにも下に変化するにも、もう少し変動幅を少ないような需給対応をしていかないと、使う消費者の方もなかなか見通しが立てにくいし、作られる生産者の方も大変困られると思います。
    そういう意味では、これからいろんな国際競争の問題等が出てくるわけですから、そういう心構えで、この26年度以降は対応するという考え方が必要ではないかと思います。
    もう一点は、先ほどもお話がありました飼料用のところであります。
    400万トン、500万トンの需要がとうもろこし代替としてありますというお話がありましたけれども、これについて、生産をする農作の場所がどこかということになってきますと、例えば、青森とか秋田とか新潟とか、そういうようなところには施設がないわけです。
    そこで作られたものについて、どういうルートで飼料化して届けるのかというようなこともあったりします。太平洋ベルト地帯に輸入飼料を飼料化する設備が集中していることは事実です。
    そのあたりのことも施策を考えていくと仰っていましたけれども、是非早急にそういう対応を整えつつ、飼料生産が意義ある生産として定着していくように、水田フル活用政策ですか、そういう形にしていただく必要があるのではないかと思います。
     以上でございます。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    それでは、相良委員、お願いします。
  • 相良委員
     平石委員さんと同じように、私も現場の女性農業者として取り組んでいるところです。
     地域の皆さんからの声も、本当に農業者は、国の猫の目農政に我慢しながら、正直に取り組んできた農業者が、私の地域にも沢山おります。
    そのような農業者仲間のことを考えると、ここ近年の農政変換に失望を感じます。皆さん憤りをとおり越して、あきらめの気持ちをたくさん持っている方がおります。
     今回の生産目標の数量や、飼料米の推進などについても多くの疑問を持っています。飼料米は、畜産農家との連携がどのようにとれているのか、大変心配です。
     私はもっと生産現場の意見を聞いていただいて、時間をかけて丁寧に説明して、取り組んでいただきたいと思います。
    また、農業は選挙のための農政なのかと強い憤りを持っている方も沢山おります。
     今までの政策で、新規就農者や新規参入者が、私の地域では増えてきております。
    しかしこのように農政がころころ変わっていては、せっかく就農した若者がどうなっていくのか大変心配です。
     私たち農業者は、やはり地域の農業を守るためには頑張っていかなければという強い思いは持っておりますので、是非とも農業者とともに農政をつかさどる方もしっかりとした農政に取り組んでいただきたいと思います。
     我が家でも規模拡大を目指して、地域の農業振興のために頑張っております。
    しかし生産現場では、生産費にかかる経費、規模拡大すれば地代の賃借料、特に機械、大規模農家になればなるほど大型機械が必要になってきます。
    その大型機械等の設備投資、肥料や農薬等、価格がだんだん上がってきていますので、幾ら頑張って収量を上げようとしても、農業者の努力だけでは改善されません。
     我が家では、お米だけでは先が見通せないのではと考え、部門分担をすることでハウス野菜の栽培に取り組んでおります。
     先を見据えた農業経営をしなければいけないという思いでやっております。それは女性農業経営者としての私自身の取組も大きかったと自負しております。
     全国的に見ても、女性農業者の活躍は目覚ましいものではないかと思います。
     先日、農山漁村男女共同参画推進協議会が主催する全国の女性農林漁業者の研修会と、若手女性農業者の交流会に参加しました。その中で、多くの女性農業者の活動発表がありました。
     自分の農産物を利用したお弁当、おにぎり、また、米粉を利用し加工に取り組んでいる人がたくさんおります。
    でも、たくさんおりますけれども、なかなか慣れない分野でもありますので、技術指導、販売先の開拓方法、異業種間の交流に対する支援等も、国の方でもさらに支援していただきたいと思います。
    ケネディ駐日大使が、日本の働く女性が他の先進国まで増えれば、国内総生産が4%は上昇するだろうという予測をしておりました。
     是非、米政策も大変ですが、それと同時に、日本の農業を支えている農業者の約44%が女性であることも念頭に置いていただきまして、多くの女性農業者にも目を配っていただきたいと思いますので、よろしくお願い致します。ありがとうございました。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    それでは、冨士委員。
    その後にお答えをいただくようにしたいと思いますので、よろしくお願いします。
  • 冨士委員
    4、5点ぐらい質問と意見を言わせていただきたいと思います。
    1点目は、来年の生産数量目標765万トンは、今年度の生産数量目標からすれば26万トンマイナスということですが、単年度需要量787万トンからすれば、1年間の需要量よりもさらに22万トン少なく生産するということで理解してよいのか。
     今年の生産数量目標から26万トン減らすということは、面積にして、5万ヘクタール減ることになり、主食以外に作付展開していくという中で、政府備蓄米は、25年産では18万トン買いつけているが、26年産では、どの程度の買入予定数量をイメージしているのか。
     残り4万ヘクタール程度は、エサとか米粉用等に作付展開していかなければいけないが、その場合の財源の確保は大丈夫なのかどうか。
     特に多収性専用品種を導入すると、支援措置があるが、その品種の確保状況や作付けを希望する人には種子供給されるのか。
    それから、先ほど廣瀨委員からもありましたが、エサ米に取り組んだ場合の流通施設整備対策は大丈夫なのか。
     農家が直接畜産農家に配れるというのは、恐らくもみ殻つきだとか、精米でも採卵鶏とか、養鶏用だと思うのです。
     養豚用とか肉牛用、酪農用は、エサ工場で処理しないと無理であり、そういう意味で、その辺の施設整備対策というのをどう考えているのかお聞きしたい。
    また、来年から5年に一回の食料・農業・農村基本計画の見直し作業に入ると思うのですが、特に、飼料用米については、地域別、畜種別の結びつきを示すような、地に足のついた形で確実に実現していくことができる地域別、畜種別の目標設定をする必要があるが、この点についてどうか。
     米粉用の拡大については、漠然と米粉用と言っているだけではなくて、ビーフン菓子用、パン用など、米粉の用途別の目標数量というのを戦略的に立てて、自給率向上に資するということが大事ではないかと思います。
     最後に、食糧部会で何回も言っていますが、お米に関する正しい理解をしてもらうために、お茶わん1杯の米の値段にして、20円程度だということやコンビニで売られているおにぎりを1個100円とすれば、お米の代金は25円程度といったこともわかりやすく資料に入れてほしいと言いましたが、今回も入っていないため、次回から入れていただきたい。
    きちんと外に向かって実態をわかりやすく説明するような資料をお願いしたい。
     今度、和食がユネスコで無形文化遺産に登録されるということですが、主食と副菜という、日本食の形は、世界で類を見ない食事のパターンということで、炭水化物を主食にして副菜をバランスよく取っていくと、健康のよさとか、食事のバランスのよさの観点で、世界の食事に比べれば、日本食の食事バランスのすばらしさが世界的に認められているので、そういうところも含めてPRする、啓蒙するということをやっていただきたい。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    それでは、事務局より、お答えいただきたいと思います。
    それでは、農産企画課長、どうぞ。
  • 松尾農産企画課長
     幾つか御意見をいただきました。
    その中で、まず、平石委員から、どういったものが、これから制度見直しということで変わっていくのかということがなかなか、何が残って、何がこうなるか分からないということがございました。
     参考資料5のところに、現行の制度と見直しのポイントということで、1ページ目で、先ほど政策課長から御説明がございましたけれども、表の形式で説明を簡単にしております。
     例えば、米の直接支払交付金につきましては、26年産から単価を削減して、30年産から廃止。米価変動補填交付金は26年産から廃止。
     水田活用につきましては、数量払いの導入。米政策につきましては、5年後を目途に、行政による生産数量目標の配分に頼らずと、こういったことで、26年産からやるもの、あるいは30年産からやるもの、あるいは今回新しく一番上の農地・水保全管理支払というようなことを組み替えしながら、多面的機能支払制度と、こういったものを入れるということで書いております。
     続きまして、廣瀨委員の方から、需給の情報をどんどん出してほしいと、あるいは米の価格の変動幅を小さくするようなことは大事というお話がございました。
    ここの参考に、マンスリーレポートというものを参考資料2でございますけれども、毎月更新しております。
     特に、この中で流通業者の方々、この中の9ページとか10ページに毎月の在庫の状況、こういったものもお見せしています。
     年に1回250万トンですよとか、220万トンですよということではなくて、毎月、毎月の在庫の状況あるいは価格の状況あるいは民間で現物の価格を形成され、取引されているところがあります。そういった情報を出しております。
    こういったものを見れば、客観的に、今の需給状況がどうなのかというのが把握できるようにある程度なっているのではないかと思っております。
     今回、先ほど米政策の見直しの中で、環境整備を整えながら、5年後には行政の生産数量目標に頼らずということでやっていくと。
    こういった中で、我々がまずやっていかなければいけないのは、こういった需給情報についてよりきめ細かく、例えば県レベルの在庫の状況ですとか、販売進捗ですとか、そういったものを我々は、卸業者の方々、集荷業者の方々の協力を得ながら、きちんと収集して出していけば、それぞれの県の売れ行きとか、そういったものが直にわかりますので、こういったものをきちんととって出していくと、今のに加えまして、そういったよりきめ細やかに情報提供をすることで、産地の方々の販売戦略ですとか、生産とか、そういったものに役立つようにして、どういったものを作付していこうか、あるいは転換していくか、あるいは、麦、大豆に本作化していく、そういったものに繋げていきたいと。
     逆に言うと、そういった需給情報をきちんと、ある程度、我々のホームページとかで出していますけれども、もっともっと知っていただくことで、例えば、みんながこうするから、こうしようとかではなくて、客観的な情報に基づいて判断してもらうということで、ある程度そういった価格なり、需給の安定にさらに資していくのではないかというふうに思っている次第でございます。
  • 今城農産部長
    それでは、ちょっと補足させていただきます。
    まず、平石委員から、非常に急な議論で、誠に短兵急に決まっており、現場の声が十分反映されていないのではないかという御意見。また、相良委員からもいただいております。
    その点につきましては、私ども非常に、この期間が短く、本当に現場の皆様と膝を突き合わせてお話をする時間がなかったということについては、誠に申しわけないという気持ちでいっぱいでございます。
    ただ、御理解いただきたいのは、私ども基本的に水田をきちんと有効に活用して、国民の皆さんにきちんと効率的な生産によって、安定的に食料を確保していく生産体制を作り上げる。
    そういう意味で、生産者の皆様に、ある意味、そういう形で我が国の貴重な資源である水田を有効に使っていただくことによって、初めて安定生産が図られるという政策の基本については、いささかも欠いていないということは御理解いただきたいということでございます。
    そういうことで、これからちょっとよく、現場の皆さん、非常に細部について、私ども本当に説明が足りていないと思っておりますので、よくよく各段階で、本当にどこへでも出かけて行って説明したいという所存でございますので、これからお邪魔するということになると思います。
    それから、平石委員から、多分、5年後の目途のお話で、一体何が残って、何が残らないのかということが分からないという御質問ではなかったかと思います。
     先ほど、農産企画課長の方から説明しました、参考資料5の一覧表がございます。
    ここのところをもう一度ご覧いただきたいのですけれども、要するに、生産調整のやり方が大きく変わって、既に平成22年からは、生産数量目標に従わなくてもペナルティーというのは一切ないということで、まさに、これは目標という数字に性格が変わり、逆にその目標を達成していただいた方には、10アール当たり主食用1.5万円をお支払いするということ。
    それから、価格が一定以上低下した場合には、米価変動補填交付金というものの支払の対象になると、これは、自己負担ゼロの100%国費という形で措置されているというものでございます。
    これについては、25年産までは残りますけれども、26年産からは廃止するということが今回決めさせていただいたということでございます。
     逆に、恐らくぼんやりしていて分からないと仰ったのは、水田活用の直接支払交付金のことだと思います。
    これにつきましては、分かり易く言えば、平成21年産以前は、これが、いわゆる転作奨励金だったわけでございますが、平成22年産以降は、生産調整を達成していただいた方、達成していない方にかかわらず、水田で主食用以外のお米や麦・大豆を植えていただいた方に助成をさせていただくと。
    その趣旨は、食料自給率、食料自給力の向上ということで、我が国には限られた農地、水田しかないわけでございますので、いわゆる需要が減って、これからは需要が伸びないであろう、伸ばしていきたいのですけれども、なかなか現実にそうなっていない主食用米、これ以外のものをお作りいただくことが、我が国の農地資源を有効に活用していただく手段だと、こういう発想で、いわゆる転作助成金ではなく、水田活用の直接支払交付金という形で支払っているものでございます。
    これにつきましては、繰り返しになりますが、生産数量目標の達成、未達成いかんにかかわらず、お支払しておりますので、5年後に生産数量目標に頼らない形で見直すという場合には、この水田活用の直接支払交付金の基本的な形は、当然、目的が自給率、自給力の向上でございますので、それは、生産調整とは特に関係なく、やっていくという考え方でございますので、そこは御理解いただければと考えております。
    それから、相良委員からございましたけれども、現場の方でいろいろ皆さんが知恵を絞って、六次産業化なり、加工用とか、いろんなことで工夫をいただいているということでございます。
    それに対する政府の助成、これはしっかりやっていきたいと思いますが、特に、今、私が申し上げました水田活用の直接支払交付金の中には、現行では、産地資金という名前でお配りしているお金がございます。
    これは、まさに地域の創意工夫で、地域段階で、県段階、市町村段階と両方ございますけれども、そこで、こういうものを産地化したいというもの、水田で、例えば、伝統野菜をやりたいとか、そういうところには、そういうお支払が、地域の判断でやっていただくことができるというお金でございまして、それが、この水田活用交付金の中には含まれておりまして、そういうものを活用していただきながら、具体的に地域の特性のある、魅力ある産品づくりというものをやっていっていただければというふうに考えておる次第でございます。
    それから、冨士委員からございました、生産数量目標765万トンに対しまして、需要から見れば▲22万トンかというお尋ねですが、資料2の基本指針本体、これの3ページをご覧いただきたいのですけれども、26年産の生産数量目標に対する需要は、3ページの一番下の26/27年度に対するものでございますので、その需要見通しは、あくまでも推計ですが、778万トンですので、それから見れば、13万トン下になっているということでございます。
     先ほどちょっと農産企画課長の方からも御説明させていただきました。
    また、廣瀨委員からも需要に見合った生産ということで、本来、もうちょっと生産数量目標を絞らなければいけないのではないかというお話がございましたが、私ども、1つには、机上でこの需給表を計算しますと、廣瀨委員の仰るとおり、かなりもっと生産数量目標を絞らなければ、減少させなければ、需給均衡はされないということでございます。
     一方、消費者の立場からして、要するにその年の新米をあまりにも絞り過ぎますと、消費者に新米が行き渡らず、持ち越しが多い供給になってしまうということもございますので、その辺も加味しながら、重要が減った分は、やはり生産数量目標を減らそうという考え方で対処しております。
    いわゆる、その中で廣瀨委員からもございましたが、こんなに大きく価格が変動して良いのかということでございますが、これは、やはりどうしても、この間の平成22年、23年、24年の大きな変動は、需給事情にプラスして震災の関係で、かなり家庭内備蓄が増えたとか、そういうことの混乱がございました。
    そういったことがあったので、かつてこんなに3年間で動いたことはあまりなかったと思うのですけれども、今後は、しっかりとした需要に応じた生産というのをできるような環境整備というものを私どもしっかりやっていきたいと、それによって、結果的に価格が安定していくということを目指していきたいと考えております。
    それから、冨士委員の方に戻りますが、政府備蓄米について、26年産の買入枠をどのように考えているかということでございますけれども、これにつきましては、昨年も買入枠としては25万トンを設定して、結果的に入札契約で落札していただいたのは18万トンだったということでございますので、26年産につきましても、同様の25万トンの買入枠を設定したいと考えております。
     実際の入札は来年1月の下旬ぐらいから始めたいと思っておりますけれども、そういう方向で対処したいと思います。
    したがいまして、26万トンの生産数量目標の減ということの対応ということでございますが、政府備蓄米への落札分については、これは、生産数量目標の外側でございますので、そういうことも1つの対応の選択肢ということになるのではないかと思います。
    また、その余りの26万トンにいかに対応するかということにつきましては、縷々御説明しております非主食用米の助成とか、そういうものも見ながら、現場で円滑に判断していただけるような助成体系についての説明を、しっかりこれからしていければと考えております。
    また、予算は大丈夫なのかというお尋ねもございましたけれども、これは、平成26年の当初予算がこれから編成されますけれども、しっかり不安のないような形で平成26年度予算に向けて対応していきたいと考えております。
    それから、多収性品種のお米の種子の確保は大丈夫か、あるいはこれは廣瀨委員からもございましたが、エサの流通施設とか、そういうものは大丈夫か、これについては、後ほどまとめてお答えいただきたいと思います。
    それから、米粉用につきまして、確かにこの2年間ちょっと生産が減ってきております。
    これは、やはり小麦粉代替ということで、私ども想定しておったのですけれども、冨士委員御指摘のように、そういう漠然としたものではなくて、はっきり目的を持って、何用に作るのだということをある程度具体性を持った方が良いのかなと思っていますが、いかんせん、いわゆる米粉にする際のコスト、これが米粉用米の価格自体は結構低いのですけれども、それを米粉にする際のコストが非常にかかっておりまして、これをまず下げていかないと、なかなか見通しが立ちにくいのかなと思っておりまして、まず、そちらの方を優先してやっていきたいと思っております。
    それから、おにぎり1個等のわかりやすい値段をお示しすべきではないかとの御指摘。
    すみません、いつも御指摘いただいて、次回必ず入れたいと思います。
     以上でございます。
     飼料用の施設の整備、それから多収性品種の確保については、補足をお願いします。
  • 鈴木穀物課長
     多収性品種の件ですけれども、実は飼料米の取組は、平成20年度から助成措置が始まりまして、それにあわせて、多収性の品種についてマニュアルも作って、現場の方へ、いろいろこういうふうな作り方ということも指示し、それから、種について畜産種子協会さんに骨折りをいただいて、いろいろ増殖をして、いろいろPRも努めてきています。
    そういう取組をしてまいりまして、現時点では、3割が多収性品種、7割は主食用の品種で、現在、飼料米というのが生産されております。
    いろいろお聞きをしてみると、なかなか品種を別にすると、手間が非常に掛かる、収穫の時期が違ったりするので、ずっと長くなったりとか、いろいろコンタミ防止に掃除をいっぱいしなければいけないとか、いろんな手間がかかる部分もあって、それなら主食用で飼料米に取り組むよというようなことが現場段階では選択されているというようなことがあるかと思っております。
     今後ですけれども、やはり御要望が来るということだと思います。
    きちんと御要望があるところには届けていけるように、いろんなことを講じていく必要があると思っています。
    1つは、今年もそうなのですけれども、昔というか、主食用品種の中で、今、主食として流通が非常に少ないようなもので収量が多いものについて、農政局長の方へ出していただいて、知事特認というようなこともあります。
     例えば、25年度も、アキヒカリという東北の方で非常にとれるけれども、おいしくないので、今、ほとんどなくなったような品種がありますけれども、こういうものを知事特認ということで、登録をして取り組みたいということで、登録をしてやっている県などもありまして、こういうような枠組みも使って、我々としてもやっていきたいと考えています。
    それから、施設関係ですけれども、今もやはり同じく飼料米に取り組むときに、そういう課題がありますので、強い農業づくり交付金その他を使いまして、生産段階の耕種農家で必要なもの、それから利用される側の畜産サイドの必要な施設整備については、きちんと取り組んでまいりたいと考えております。
  • 天羽政策課長
     若干補足をさせていただきます。
     冨士委員から、基本計画の改定作業をするに当たって、目標数値を立てるときに、飼料用米、米粉用米について、それぞれ1本で数字を立てるということではなくて、地域別だとか、畜種別だとか、米粉の方は用途別だとかというふうに、もうちょっと細分化または戦略的に区分をして見通しを立てるべきであるという御意見をいただきました。
     基本計画の改定の作業、来年になるとスタートしていくということだと思っておりますので、御意見を参考にさせていただいて検討したいと考えております。
    それから、和食につきまして、ユネスコの無形文化遺産に登録の申請をしております。
    まだ、登録されたわけではありませんで、その決定なり、だめならだめという判断が、来週のユネスコの会議で正式に決まるということになっています。
    その結果いかんにかかわらずということだと思いますけれども、和食について注目が集まっておりますので、和食の良いところについての再確認を日本の消費者一人一人、それから特に登録された時には、世界に向かってもアピールをして、要すれば、ご飯がベースだということだと思いますので、そこのところは、私どもとしても一生懸命やっていきたいと思っています。
  • 平形経営政策課長
     経営局の経営政策課長です。何点か補足させていただきたいと思います。
    まず、平石委員から、米のコスト補填の対策がどこに行ったのかというお話がございました。
     先ほどから話になっています参考資料5の全体の表の中で、米の直接支払交付金というのが、一番下から2つ目にありまして、1万5,000円ということなのですが、結果としまして、この経営所得安定対策と、日本型の直接支払の、今年始まってからずっと議論になっている中で最大の論点が、この米の直接支払交付金をどうするかと、この整理の話でございました。
     中身としましては、ゲタと言いましょうか、国がコスト割れの補填をすることについて、まず、国境措置が十分でない、そのために外国からある程度安いものがたくさん入ってくると。
    それで、恒常的にコスト割れを起こしているものについては、そのコスト割れの補填を国費でやるというのは、やはり説明はつくのだけれども、お米のように、平成5年の閣議了解がある中で、基本的に主食用の需給には影響を与えないようにということで、国境措置が図られている中で、生じている価格の変動については、やはりこういったゲタのようなものを入れるのは、そもそも理由がないのではないだろうかと、大変いろいろ議論がございまして、そういう整理になったところでございます。
    ただし、平成22年から、もう4年間もこういう政策を、こちらの方としても続けてきたということもございまして、やはり経過期間をちゃんと作ろうと。
    つまり、この4年間、こういったものがあったがために、これをある程度当てにしながら設備投資をされている方もいらっしゃいますし、リース契約あるいはいろんな償還の計画を立てていらっしゃる方もいらっしゃいますので、同じ期間程度ということで、4年間ということで、29年産までの間で、時限措置として同じ条件でしようと、ただ、単価については、激変緩和ということで、半分の7,500円ということで、この期間内は固定をいたします。
     対象者も基本的に変わりません。この4年間のうちにいろんな資金計画ですとか、営農の計画をもう一度立て直していただくということが生じてしまうのですけれども、それをやっていただいて、この米の直接支払の交付金については卒業という形でお願いしたいと考えているところでございます。
    また、相良委員から新規就農者の参入が増えているというお話がございました。
    24年から新規就農者で、特に自立して就農される方に関しては、年間最大150万円という支援を、これは生活費の相当分ということでやっているわけなのですけれども、これだけではなくて、自立して参入される方以外の、今、企業に対して、農業法人に雇用される形での雇用というのが大変増えてきておりまして、その雇用の形での参入ですとか、あるいは農業法人に数年間修行のような形で入られて、5年なり、10年なりたって、自分である程度販売先なり、栽培技術が十分だというふうになった時に、のれん分けをして、だんだん自立していくような方もいらっしゃるわけなので、そういった方への支援というのも、来年度、またさらに中身の充実ということをやっていきたいと思っております。
    それから、女性の農業者の方の活動発表会等、今、大変積極的に取り組んでいると伺っているのですけれども、女性の役割というのは、農業を通して大変重要なところでございますし、また、若い女性に農業について関心を持っていただくように、いろんな形でのイベントですとか、そんなことも、我々の方も仕組んでいきたいと思っておりますので、また、いろいろ御意見をいただけばと思います。
  • 小林畜産振興課長
     廣瀨委員から、例えば、新潟、青森などの施設の少ない飼料メーカーだと思いますけれども、飼料工場の施設の少ないような地域というもので飼料用米が有効に活用されるのかということの御心配がありました。
    あと、冨士委員からも、これも関連すると思いますが、流通施設に対する支援というのが十分やっていけるのかというような御指摘もありました。
     現状から申し上げますと、先ほど図の中にありましたように、太平洋を中心として飼料工場は配置されております。これは、アメリカから来るとうもろこしを合理的に受け入れるというようなことから、このような立地になっております。
     国内で飼料用米が作られた時、今、実態でどういうふうに使われているかというのは、飼料工場の中にこまめに運ばれているというのが実態です。例えば、1週間に一回米が運ばれるというのが実態でございます。
    したがって、飼料工場自身に飼料用米を蓄積するというような機能はあまりございません。
    したがいまして、例えば、JAなり、生産側の方で今の農業用施設、そういうものを活用して、貯蔵して、定期的に送り込むというのが流通の実態になっております。
     今後長い目で見たら、飼料用米の生産との配置、なるべくルートは短い方が良いわけですから、配置の適切化というのも議論していかなければならないと思います。
    もう一方で、直接畜産農家と取引をするという形態もかなり進んでおりまして、これは、地域内の取引になります。
    そうしますと、米をつぶしたり、混ぜたりというような機械が必要になってきます。
    そういうのに流通、また、加工の施設というものが必ず必要になってまいりますので、私どもとしても、今は強い農業づくり交付金、今後もそれを推進するための手立てというのを考えてまいりたいと思っております。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
     御質問、コメントいただいたことに関しては、一応、全てお答えいただいたと思っております。
    それでは、残りのお時間は限られてまいりましたが、できるだけ皆様からコメントいただきたいと思います。
    それでは、木村委員、尾畑委員、
    それから藤井委員、村松委員、それから横田委員、お願いします。
     済みません、あと津田委員。
    それでは、全員からコメントをいただきたいと思います。
  • 木村委員
    もう皆さん、ほとんど御意見が出てきている気がしているのですけれども、飼料用米のことについてですが、多くの国民の人たちは、飼料用米が将来、こんなにたくさん生産されるとは、新聞では見ても、これで良いのかって改めて考えてみると、そういうような場面にも遭遇するのではないかと思います。
    それが、ちょっと懸念をするところでありますが、ただ、現実的な問題で考えて、主食用が本当に減っていくとすれば、水田を維持するとしたら、飼料用米を増産するしかないなというのも一方で非常に現実的なところであります。
     私のところも、実は、養鶏関係は結構関連をしておりまして、飼料用として、とうもろこしのほかに米も使っております。
    どれぐらい使ったら、要は製品として、今、とうもろこしを使っているのと同じぐらいのレベルの製品ができるのかというようなことを、幾つかもパターンでテストをしておりまして、今のところとうもろこしの40%ぐらいまではいけるかなと、しかし、これはあくまでもテストの段階で、実際に使っているのは、10%とか15%がマックスなのですね。
    それで、40%ぐらいに上がってきますと、これは、人によってちょっと受けとめ方が違うかもしれませんけれども、残念なことにおいしさがなくなってきます。
    ですから、そのおいしさを維持するための、何か要素を加えていくというようなことが必要になってくるのではないか。
    そこのところが、まだ、我々のところでも解決できていないというようなところがございますが、将来的にはそうかなと。
    ただ、マックスで10万5,000円という話がありますけれども、これは、多収性の品種を入れたりすれば、だんだん将来的には下がってくるのかもしれませんが、コスト的に常時変動する海外のとうもろこしと比べて、一体どういうポジションになるのか。
    ただ、どうも畜肉向け、畜産向けのとうもろこしは、今、非常に成長している国の方にどんどん回ってきていると考えれば、とうもろこしと、もう一つは肥料原料と言いますか、そこら辺のものは、これから基本的には価格が高くなってくるから、畜産との連動で有機の肥料も絡みながらどんな体系を作っていくのかということは、将来的には非常に大切なことになってくると思いますので、そこら辺までひっくるめた研究方法ですとか、ビジョンですとか、そういうものをだんだん確立していただきたいと思っています。
    あと、米の方についてですと、24年、25年の需要減少というのは、やはり我々から見ると、高値によるという要素が非常に多いと、価格水準の問題というのは、その時期、その時期で違うのかもしれませんが、一応、消費に結びついている価格というのは、昨日の価格から見てどれくらいかということで、上げとか下げとかということを、実際に消費する人は認識するわけなので、これで、実は減ってしまった減少というのは、消費の減退分というのは、再び今の米の制度の中では、あまり戻りそうもないのではないかという懸念があります。
    しかし、これは需給のミスマッチもあり、それから外食の取組の遅れもありということもあるのでしょうけれども、ここら辺については、いろいろ今回の予算の使い方も、直接支払の分は、こうやって減らす、それ以外にということで、予算を生産の方に、ある意味でいうと、既得権のように回っていくというのではなしに、消費拡大というところには、相当根本的に考えて投入していかないと、もう米だけの消費拡大というのは、みんなあり得ないということで、いろんな農産物と一緒になっているのですけれども、やはり米というところには、少し焦点を当てていく必要があるのではないかと考えています。
    それから、5年後に減反を廃止していくという政策については、そして、生産数量目標もそのうち出さなくなってくるというような方法については、基本的には賛成なのです。今までも特に民主党時代の所得補償の時に申し上げましたけれども、片や米価は維持しようということで減反が続いていると。
     片や、いろんな意味での、今、言った税金が投入されていって、こういうダブルの形の負担が国民にいっているという、このあり方をちょっと考えていかなければいけないとずっと思っていましたので、こういう方向に行き、それから価格の問題もあまりにも変動が大きいと、先ほども仰っていましたけれども、この変動が大きいというのは、今までの制度的な問題もあると思っているので、自立調整という機能がビルトインされてくるように早くしていかないと、この問題は常に、今年は高かった、今年は安かった、これで、高い時は消費者の方から文句が出るというか、流通も売りに行って大変な時があるのですけれども、それから、安くなってくると、生産の方が、今度は生活の問題、こういうようなことの繰り返しがないように、自立的な価格調整の機能というのを、やはり折り込んでいくように、国が価格には関与しないというふうに仰って、需給にも関与しないと仰っているわけですから、思い切って、そういうものができるような形にしていく必要があるのではないかと思います。
    そういうことによって、主食用は大変だとは言っても、もっともっと活力が出るようにする方法はあると思います。
     世代交代も進めていかなければいけないと思いますし、平石さんのように、若くて頑張っておられる方もおられるわけなので、活力がないということでは、なかなか創意工夫が出てこないし、それには、やはり競争というものも、この中にうまく折り込んでいっていただかないと、競争がないと、みんな揃って、ゆでガエルになるというのもちょっと辛いものがありますので、是非、そういうようなことを考えながら、政策の方も、流通も、これから中抜きということで、流通がいなくなるわけではなくて、流通だって創意工夫を出してくる、それによって生産に大いに影響も与える、逆に消費の方にも影響を与えるということでありますので、そこら辺を考えながら是非今後の政策の、実際の運用というのを進めていただきたいと思います。
     以上です。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    それでは、尾畑委員、お願いします。
  • 尾畑委員
     清酒製造業の尾畑です。
    26年産から清酒の生産増に対応した酒造好適米の増産分は、主食用米の生産数量目標の枠外で生産できることとなりました。
     国の成長戦略において、日本酒の輸出も大きなポイントとなっており、國酒プロジェクトの始動により、私ども業界もより効果的な海外展開への道が示され、ますますこの分野の成長に注力し始めている中、このような運用の見直しにより、酒造好適米の調達が円滑になることが期待されること、まずはお礼申し上げたいと思います。
     一方、日本酒の生産に使う原料米は、酒造好適米だけではなく、加工用米も多く使っているのですが、ここ数年、その調達に非常に苦労しております。
     米の加工品は、お酒のみではなくて、味噌、米菓など、日本の食文化に根ざした食品が多く、これらコメ加工食品の原料需要は、推計によれば、75万トン程度あると見込まれていますが、このうち、加工用米として良質な原材料米が供給されているのは、約20万トン程度ではないかと聞いております。
    しかしながら、加工業者も価格に折り合いがつけば、是非国産米を使いたいというニーズは高いものがあり、主食用米の需要が減少している中で、こういった原料に国産の加工用米を活用するということも重要ではないかと思います。
     御説明にありましたように、26年産以降の米政策の見直しとして、加工用米にも現状の10アール当たり2万円に加えて、複数年契約の場合は、追加で1万2,000円がプラスされることになりました。
    その一方、10アール当たり、上限10万5,000円交付するという飼料用米へのインセンティブ、これを両方比較してみますと、素人目に見ましても、農業者の方にとっては、交付単価の差で飼料用米が非常に魅力的に感じるのではないかと思います。
    しかしながら、木村委員の御意見にもありましたが、飼料用米、最大450万トンの需要という試算は、果たして畜産農家のニーズを踏まえた現実的なものかどうか、少々疑問に思うところもございます。
     飼料自給率や生産者への所得ベースで考えて、交付金単価に差が出ることは承知しておりますが、それでも非常にアンバランスで性急な印象が拭えないところでもございます。
     一方、日本酒を初めとしました米加工品は、人の口に直接入るものでもあり、より安全・安心が求められ、安定した需要もあります。
    また、先ほど来ありますように、和食が世界無形文化遺産に登録されるという期待の中、こういった米加工食品は、和食を支える重要な食材として見られます。
     私ども加工業者も生産者との結びつきを強めながら、国産原料を用いたよりよい商品を提供していきたいと考えておりますので、そのための取組を継続、拡大していけるよう、政策においても実需に応える交付金のあり方、優先順位の検証を含め、十分な議論に基づいた御支援とシステム運営をお願いしたいと思います。
     以上です。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    それでは、藤井委員。
  • 藤井委員
     今回の生産調整の廃止の決定過程を九州から見ていますと、やはり、永田町とか霞ヶ関で決まってしまったのだなという感が強いのです。
    これから説明をしていくということですけれども、現場、地域、地方にもきちんと説明し、納得を得るようにしてください。
    そして、何か不都合が出てきた時、きちんとした対応をとっていただけるようにお願いしたいと思います。
    それと、時間がもうないので、1点だけ、先ほど相良委員が、女性の活躍のことを言われたのですけれども、例えば、今回改革会議の時に、林大臣がプレゼンで使われた改革の方向というプレゼンの資料を見ましたが、ぱらっと見ただけで見落としがあるかもしれませんけれども、この中に女性という2文字は、1カ所もないのですね。
     産業の中で、これほど女性が参入している産業はそれほどないと思うのです。
    かなりの部分を担っていて、今のままだったら、どんどん担い手の高齢化が進んでいくという中で、女性が参入しやすいように、やはり政策で誘導していただかないと、女性の参入は、なかなか難しいと思います。
    これまで実際には担っているのだけれども、なかなか政策決定なり、指導的地位のところに女性がなかなか参入できないというのが、農業の課題としてあるわけですから、本当に攻めの農業として、産業としていくためには、「農政の改革の方向」の中に本当に一項目立てても良いぐらいだと、私は思います。
     若い女性向けのイベントはもちろん大事ですけれども、イベントだけでは絶対に参入は進まないと思います。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    それでは、村松委員、お願いします。
  • 村松委員
     農政の大きな変換、制度の見直しということでしたが、農業者が生きがいを感じて臨めるようなシステムづくりは必要なことだと思いますが、消費者にとっては、本当に分かりづらい見直しになっていると感じています。
    5年間をかけて制度を変えていくことが、消費者にとってどんな意味を持つのか、どんなメリットがあると考えているのか、そのあたりが伝わってこないので教えていただきたいと思います。
    また、農水省が今年行った18歳以下の子供がいる母親1,730人を対象にした食と農に関する意識実態調査、これを見ると、食育の必要性というのは、頭ではわかっている。
    バランスよく食べなければいけない。
     野菜を心がけて摂るようにしなければいけないということが理屈では分かっていても、実際には、献立はどうしたらいいのか、調理の仕方が分からないという人が多かったように思います。
    そうしたことに対する1つの方策として、学校給食というのをもっと大切に考えていったら良いのではないかと思います。
    お米の需要が落ちて、備蓄がこれだけ増えている現状を踏まえていくと、お米の消費拡大を図るためにも学校給食における食育にもう少し予算をつけていただきたい。
     学校栄養士さんだけでなく教職員の方達も受けられるような食育の授業研修などを充実して、積極的に行っていったら良いのではないかと思います。
     学校給食は、一時はパンが定着化していましたが、今はご存知のように米飯給食をするところが増えてきました。
     中には、週に5日、完全米飯給食をする学校も出てきました。米飯給食にすると、地元でとれた野菜や魚の出番が多くなります。
    そして、ごはんを主食とすることで、どんな組み合わせで食べたらいいのかという食事のあり方なども子どもたちが自然と身につけるようになります。
    それが和食の文化も伝えていくことに繋がっていくと思います。
    そういう学校給食を通じて食育を推進し、そして、給食だよりなどを通して、親の世代にも、こうしたお米の美味しさ、そして、和食の良さを見直してもらうようなことに力を入れてほしいと思います。
    その学校給食なのですが、政府備蓄米を無償で提供している制度があると聞きますが、この制度を利用しているところがどのくらいあるのかということを教えていただきたいです。
     例えば、制度を知らなかったり、複雑でなかなか手間がかかるので申し込めないというところもあるかと思いますので、その備蓄米の無償提供を利用しているところが増えているのか、減っているのか、どのくらいあるのかという現状も教えてください。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    それでは、横田委員。
  • 横田委員
     私も米を作っている農業者です。攻めの農業ということですが、国から農業者が攻められているような、そんな感じがいたします。
    やはり、米と言いますと、何十町歩、何百町歩、かなり広域に田んぼを想像すると思いますが、私どもの方は中山間地、非常に狭い田んぼで米を作っております。
    そういう農業もあるのだということを考えますと、今回のこの問題は、先ほど後継者の問題も出ておりましたが、この5年間で、自分らがこれだけの交付金で、将来考えろよということを言われているような気がいたしましたが、多分、そうなのだと思います。またトップダウンかということをすごく私は感じました。
    いつの時代も農業者が泣くような時代ですと、後継者なんか育ちません。
    やはり、我々が安心して生産ができるような体制を作っていくには、やはり市町村には農協という組織がございます。
     手を携えて上手に農業者と連携をとりながら、この交付金を有意義に使って自立をしていかなければいけないのだ、そういうふうに農業の転換の時期に来ているのだということもすごく感じております。
    また、中山間地ならではの米に関する条件の悪い田んぼ、そういったところにもこの交付金を多様に使えるような、要は鳥獣害の問題もございます。
    この他に補助金があるよと言われますが、田んぼに関する鳥獣害の被害で大変困っている地域もございます。
    これは、現場の声を上げていただいて、多様に使わせていただくようにお願い申し上げます。よろしくお願いします。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    それでは、津田委員、お願いいたします。
  • 津田委員
     時間のない時に発言して申しわけありません。
     今日の基本指針の変更には、特に異議はありません。
    その上で一つ二つ話をしますが、時間がなければお答えは結構です。
    まず、1つは、米の直接支払交付金のことです。単価を下げるということですけれども、単価が下がっても生産調整に参加している農家へのインセンティブという性格は、多分、今までと同じだと思うのです。
    それから、兼業農家にも引き続き交付されるということですが、経過措置として理解すれば良いのでしょうけれども、そもそも農地を担い手に集約していくという農政の大目標との関係から言うと、今回の変更は、一体どういう関係を持っているのだろうかということを1つ教えていただきたいと思います。それとは切り離して考えているのかどうかということです。
    それから、官邸の本部で決定した「行政による生産目標の配分に頼らなくても需要に応じた生産ができるようになる」ということについて、具体的にどういうルートでそういうところに到達できるのかというところが、ちょっと私にはよく分からないので、教えていただけるならば、教えていただきたいと思っております。
    もう一つは、今回は、主食用の方の補助金を削って、飼料用米とか、それから、加工用米に対する補助金を充実するというふうに見えます。
     需要に応じた米を作っていくというのは、現実的な方策だと思うのですけれども、全体として見ると、補助金に依存しているという、この構造そのものはあまり根本的には変わっていないのではないかという気もするわけです。
     全体として見れば、です。農産物の国際的な競争力をつけるということが政策の目標の一つの要点であるとしますと、やはり将来的には、少しずつでも良いから補助金に頼らない農業にしていくという方向があっても良いのではないかという気がするのですけれども、今回の決定から見ますと、そういうことが言えるのかどうかということがよく見えないのです。その辺をどうお考えなのかということを伺いたい。
     最後に、先ほど急に決めることになったということでしたが、我々にも是非、生産現場でどういう声が上がっているのか、どういう反応があるのかということも折を見て教えていただけるとありがたいということであります。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    これで、ひととおり委員の皆さんからコメントをいただきました。一応、最後に私も一言申し上げたいと思います。
    この基本指針に関しましては、主要食糧の需給及び価格の安定、これを図るためのものであります。
     今回の生産数量目標については、かなり米が余っている中でのぎりぎりの選択の数量だと思っておりますので、私は、これで結構ではないかと思いますけれども、ただ、生産調整のやり方を大きく変えるということが提案されておりますので、実際のところ、この生産数量目標の達成、それから需給調整の取組というのがきちんとできるかというのが大変懸念されます。
     現場の混乱がないように責任を持って対応していただきたいということが、私が希望したいところでございます。
     以上、様々御審議いただきました。
     事務局の方から、限られた時間ではございますが、簡潔にお答えをいただければと思います。
     若干時間が延びることをお許しください。
  • 松尾農産企画課長
    まず、尾畑委員から加工用米と飼料用米の今回の単価のお話がございました。
     加工用米の数量につきましては、先ほど米をめぐる関係資料の中でちょっと触れたかと思いますけれども、大体、通常14~15万トンだったところが、平成22年は20万トンを超えたのですけれども、それが余るということがあって、翌年23年は生産量が16万トンとなりました。
    その後24年は18万トンと増えまして、25年産は21万トンということで大分増えてきております。
    この中で、我々が経験していることは、やはり出す方、作る方、あるいは受け取る方、安定的に結びついてもらうのが一番、こういった需給が安定してくるということで、今回1万2,000円の産地交付金の追加配分を考えているということでございます。
    それから、飼料用米との単価の設定の違いということで、これは、ここでも何回か御説明いたしましたように、加工用米の価格は、例えば60キロ1万円ですとか、1万1,000円あるいは1万2,000円と、こういった値段で設定される一方、飼料用米はどうしてもとうもろこしの価格が想定されまして、例えば60キロ2,000円とか1,800円と、こういったことも踏まえまして、そこの農家の収入、生産コストということで、こういった単価の違いということになっているということで御理解いただければと思います。
    それから、木村委員から需要が、24年、25年度は減っており、需要を増やすためには、消費拡大と言いますか、そういった業務用の拡大のためにも支援していかなければいけないというようなお話がございました。
     現在、26年度予算でこういった業務用の方々あるいは生産現場の方々、こういった方々を結びつけて、例えば、業務用の多収性の主食用と、こういったものを新しく取り入れるといった、いろんな共同の取組を支援していきたいということで予算要求をしておりますので、そういったことでもよく対応し、いずれにしても、中食、外食というのは、3分の1ぐらいの需要になっておりますので、きちんとそういったニーズに対応した生産ができるようにしたいということでございます。
    それから、津田委員から、今回生産調整の見直しということで、これからどういうルートで生産が、需要に応じて行われていくのかというのは、なかなか見えないなというお話がございました。
     我々、今回、決定紙の3枚紙の中にも書いておりますのは、基本的には、やはりこれから行政が生産者の方々が作る量というのを通知、配分しながらやっていくというよりも、やはり販売戦略あるいは経営戦略に基づいて、やはり作る方あるいは売る方々がいろんな需給の情報とか、そういったものを踏まえて作る量を決めてやっていくというのが必要ではないか。
     先ほど部長からありましたように、今、選択性というような中で、それをまた更に一歩進めていって経営の自由度を高めていくと考えております。
    その中で、我々いろんな情報提供をよりきめ細かくやっていく、あるいは水田活用の助成金を充実していく、そういった中で、国が例えば需給見通し、こういった全国ベースの需給の情報を示す中で、現場の集荷業者、団体の方々と生産者が毎年作付の前にいろんな調整をする中で、今度作る米を主食用に作るのか、加工用に作るのか、あるいは飼料用に作るのか、そういったことを調整していただきながらやっていく。
    あるいは生産して自分で売っている方ということであれば、その生産者の方々が自ら考えていくということではないかと思っています。いずれにしましても、これからいろんな分かり易い資料等を作りながらよく説明していきたいと思っております。
  • 今城農産部長
     少し補足させていただきます。
    1つは、冨士委員からございました、女性の感性を大切にという御意見をいただきました。
    そのとおりでございます。食に関することでございますので、やはり女性の感性というのは非常に大切だと思います。
    すみません、この資料を作る際には、ちょっと入りませんでしたけれども、そういう気持ち及び政策立案に当たっての農村現場における女性の感性の大切さということはよく認識しておるつもりでございます。
    また、村松委員から、今回の改革は消費者にとってどういうメリットがあるのかと、こういうお尋ねでございますが、細かいことはちょっと省きますけれども、一言で申し上げれば、やはり消費者の方を向いた需要に応じた生産が図られるようになるということが、まさに消費者メリットではないかと思います。
    また、更に申し上げれば、今回、水田フル活用ということを言わせていただいておりますけれども、そういうことによって、将来、やはりいかに国際需給がどういうふうになろうとも、やはり日本人には安心して米を食べていただけるという安心感を持っていただくということも消費者には大きなメリットになるのではないかと考えております。
     無償交付は、後ほど課長の方から御説明させていただきます。
    それから、津田委員からございました生産数量目標に頼らないのは、どういうふうにやっていくのかということですが、課長から縷々御説明したとおりなのですが、これは、やはりやってみないと分からないところも多少あると思います。
    そういう意味では、毎年、毎年きちんと検証しながら、現場の皆さんとよくお話し合いもしながら、直すところは直していくと、ただ、基本的な方向は変わりませんけれども、きちんと毎年検証していくということが必要ではないかと思っております。
    また、補助金に頼らないということが、なかなか見えてこないというお尋ねもございました。
    ある意味、非常に米の価格形成と申しますか、用途別の流通というのが主食用とそれ以外が一定の、主食用は主食用の価格形態があり、加工用についても加工用の用途によって非常に実需者の方が使える価格というのは大体決まっていて、高い価格水準にある、一番高いのはお酒、日本酒用でございますし、そうでないものもずっと、誤解を恐れずに言えば、七色の価格で流通しているというのが加工用の実態でございます。
    そういうことも含めながら、やはり基本的な形としては、生産性の向上を図れるような水田をフル活用して、アクセルを踏んでいただいて、コストを下げていくということを進めながら、それが価格に反映されていくということを進めるのではないかと思っております。
     今日は、説明の時間がなかったのですけれども、この攻めの農林水産業のための農政の改革方向で、具体的なイメージを書いたページがございますので、6ページ、7ページ、8ページ、9ページあたりでございますが、このあたりを後で御参照いただければということでございます。
    それから、学校給食についてお願いします。
  • 鈴木穀物課長
     学校給食の無償交付の関係で御質問がございました。
     今、学校給食の米飯利用の回数は、週に3.2回ということで、文科省と一緒になって、できるだけ増やしたいということで取組をしています。
    その中には、いろいろ調査をして、どうして3.2回というか、入っていかないかということとか、それから、より増やしているところは、どんな取組をしていてというような情報提供とかもしています。
    そういう中で、なかなか地場で小麦があって、パンやうどんも地元では大事なのでと言われると、私自身も麦も担当しているものですから、良いことですねということではあるのですけれども。
    そういう中、実は備蓄米で米飯給食を増やしていただく分について、備蓄米の直近年度の無償交付という枠組みをしていまして、一応、私どもの職員が意見とか市町村の声をお伺いをして、実は、こういうパンフレットで御説明をしたりということで、いろいろPRをしながら取り組んでおるのですけれども、無償交付の実績については208校、37トンが24年の実績の数値でございます。
  • 平形経営政策課長
     経営政策課長です。
     津田委員から、米の直接支払について単価が下がっても兼業農家を対象にしたのではというお話がございますけれども、そもそもこれは、先ほど私が申し上げた時に、国境措置との関係だけで説明いたしましたけれども、やはりそもそも販売農家全員を対象にしているのは、いかがなものかという議論も同時にございました。
    なぜかと言いますと、これだけ高齢化が進んでいく中で、担い手の方に農地の流動化をもっとさせなければいけないという中で言うと、全員をお米の交付対象にするということは、これと整合性がとれないのではないかという議論などもございまして、それで、基本的に廃止という方針が決まっておりまして、それを廃止することにしているのですけれども、その間の経過措置として続けるというだけであって、基本的には、これは廃止。
    これは、なぜかというと、構造改革がより進むようにという方に政策を、産業政策は、産業政策で分けたと。
     一方で、地域的な意味で、民主党の戸別所得補償というのは、多面的機能の支援も一緒にやると言っておりますので、多面的機能を一緒にやるというものについては、日本型の直接支払で、個人ではなく、集団での取組に対して出すというふうにして、やはり今、戸別所得補償一本で産業政策も地域政策もやるというふうになっていたところ、目的と手段をしっかり分けて、このお米の直接支払については廃止するということで、これは整理しているところでございます。
    それから、藤井委員から、女性の経営への参画ということがございましたけれども、実は、この資料ではないのですが、「農業構造の変化」という資料を、実は我々も出しておりまして、その中に、女性の認定農業者の数は、10年前の3倍ぐらいになっていて、今、9,000人ほどされておりますし、家族協定で、女性を農業経営に参画させるような形態というのは、販売金額が多くなっていく傾向にあります。
    こういったことも含めて、いろんな形でPRはやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
  • 天羽政策課長
     引き続き、女性の担い手像なのですけれども、この資料を作ったのは、うちの課でありまして、5ページにイラストがあるのですけれども、こういうところには女性をしっかり入れるようにということで気は遣ったつもりだったのですけれども、まだまだ足りないと思いますので、今後更に気をつけたいと思います。
    それから、今回の見直しが消費者のサイドから見てどうなのかという御質問がございました。
     多面的機能支払の創設ということで、これまでも農業・農村が多面的機能を発揮してきたわけですけれども、まさに今のプレゼン資料で4ページにございますけれども、高齢化なり人口減少が進んで多面的機能の発揮に支障が生じかねない状態になっているということを踏まえて、この機会に多面的機能支払制度を創設して、しっかり水源かん養ですとか、国土保全、景観形成といった多面的機能の維持・発揮をやってもらうということは、なかなか目では見えにくいわけですけれども、全国民に裨益するものであろうと考えております。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございます。
    では、最後に畜産振興課。
  • 岩波草地整備室長
     木村委員、尾畑委員から御発言がございました、飼料用米のことについてでございます。
     今日の参考資料の1の65ページの方に、少々細かい表でございますけれども、453万トンという数字、これについて資料がございます。あくまでも、この数字が私どもとして、即座にこの量を消費するということではなく、可能性として掲げているものでございます。
    これは、それぞれ家畜の種類ごとによって中身が違っております。
     割合が違っております。これは、生産者の農家の方が飼料用米が入っているということを意識しないで家畜を飼える、あるいは意識をしないで使っていても生産物に大きな変化がないという範囲で示したものでございまして、潜在的に可能性があるということでございます。
    あと、飼料用米の使用率を引き上げるということにつきましては、味がなくなるのではないかというお話もありましたけれども、逆にいろいろな特徴を出すというような取組もございまして、それでブランドを確立しようというような動きもあるやに聞いております。
    いずれにしても、よく都道府県等の御協力も得ながら、その影響等について調べていく必要があろうかと思いますけれども、特徴があるもの、日本で作られた米をとうもろこしと代替するということで、特徴があるものを作るということも支援していくということが大事ではないかと考えております。
     以上でございます。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。まだ議論が尽くしていない部分もございますけれども、御意見があった点につきましては、今後、事務局において検討していただきたいと思います。
     農政の改革、それから米政策のあり方、様々な意見がございました。これを受けとめていただければと思います。
    それを踏まえた上で、本部会としては、本日、農林水産大臣から諮問のあった米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針(案)の内容については、適当と認めてよいと考えますが、その旨、決議してよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

  • 中嶋部会長
     先ほど途中で退席されましたが、廣瀨委員からも基本指針に異議なしと伺っております。
     皆様から異議がないと認めていただきましたので、それでは、食料・農業・農村政策審議会令第8条第2項の規定により、議事の決定に必要とされている出席委員の過半数を超えているということで、本件につきましては、適当と認める旨、議決いたします。
    その答申案をただいま事務局から配付してもらいますので、お目をお通しいただき、御確認いただきたいと思います。

(答申案配付)

  • 中嶋部会長
    これでよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

  • 中嶋部会長
    ありがとうございます。
    それでは、本食糧部会の議決につきましては、審議会の議決とすることとされております。
     後ほど食料・農業・農村政策審議会として、農林水産大臣に適当と認める旨の答申をいたしたいと思います。
  • 中嶋部会長
    それでは、もう時間も過ぎておりますが、議事「(2)その他」につきまして、これは事務局から何かございますか。
  • 松尾農産企画課長
    ございません。
  • 中嶋部会長
    わかりました。
    それでは、本日予定の議事につきましては全て終了いたしました。
     最後になりますが、本日の議事につきましては、議事録として整理し、公開することとなります。その整理につきましては、私に御一任願いたいと存じますが、よろしいでしょうか。(「異議なし」の声あり)
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    それでは、これで終了いたします。長くなりまして、申し訳ございません。進行を事務局にお返しいたします。ありがとうございました。
  • 梅下農産企画課課長補佐
     中嶋部会長、どうもありがとうございました。
    それでは、閉会に当たりまして、佐藤生産局長より、ごあいさつ申し上げます。
  • 佐藤生産局長
     生産局長の佐藤でございます。
     本日は長時間にわたりまして、貴重な御意見を賜り、ありがとうございました。
     先ほど、今回の米施策の見直し等につきまして、非常に唐突感があるといったような御意見を賜りまして、私ども非常に痛感しているところでございます。
    あえて申し上げたいのでございますが、この食糧部会でも、実は何回か、今回の米施策の見直しに関するいろんな御提言があったかと思っております。
    1つは、酒米の件で、生産数量目標との関係で現場でのネックがあるのではないかと、そういったようなことが前回あったかと思っております。
    それとあわせましたように、私ども生産局は、米の生産を担当しているわけでございますが、業務用米あるいは外食用米の方々から23年、24年のお米が上がったといったことから、非常に原料の調達が不自由になったということで、陳情と言いますか、苦情と言いますか、そうしたものがもたらされておりまして、これに対しまして、生産者の皆さんに照会するようなこともいたしてきたわけでございますが、生産者側の方からすれば、全然そういう情報もないとかいったようなことで、結びつきのようなものが非常に弱いということがわかってきたということが1つございます。
    もう一つは、飼料用米でございます。これも急の感じがいたすわけでございますが、私ども生産局畜産部というのがございまして、ここで今、大きな課題となっておりますのが、エサの高騰問題でございます。
    このエサにつきましては、アメリカから約1,000万トン輸入しているわけでございますが、従来は1ブッシェル、これは25キロでございますが、これが2ドルとか3ドルだったのでございますが、昨年とか、平成19年には、いろんな投機マネーあるいは不作の関係で8ドル台に上昇しまして、畜産農家がエサの高騰問題で経営の危機を迎えたと言いますか、廃業された方もあったわけでございまして、また、いわば業務用米、加工米についても、お米の手当ができなくて経営危機に陥ったといったようなこともありました。
    そういう死活問題を抱えていたこともございまして、やはりこうした問題につきまして、私ども丁寧に対応していかなければいけないのではないかということで、まさに、いつも出ております意見につきまして、一つ一つ咀嚼しながら考えていく必要があるということで、今回の結論に至ったということで、なかなか説明が行き届かない点があるわけでございますが、どうか、そういった点について、ひとつ御理解賜りたいと思っております。
    また、本日もいろいろな御意見を賜っておりますので、これにつきましても、やはり私ども一つ一つどのような方策が考えられるか、しっかり施策を検討していきたいと考えておりますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。
     重ねて、本日の精力的な御議論に御礼申し上げ、閉会のあいさつとさせていただきます。
     本日は、誠にありがとうございました。
  • 梅下農産企画課課長補佐
     以上をもちまして、本日の食糧部会を終了させていただきます。長時間にわたり、どうもありがとうございました

お問合せ先

農産局企画課

代表:03-3502-8111(内線4971)
ダイヤルイン:03-6738-8961

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