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農林水産省

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食料・農業・農村政策審議会食糧部会 議事録(平成26年3月26日開催)

1.日時及び場所

平成26年3月26日(水曜日) 10時00分~
 農林水産省 7階講堂

2.議事

(1) 麦の需給に関する見通しの策定について

(2) 米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更について

(3) その他

3.概要

  • 梅下農産企画課課長補佐
    おはようございます。
     定刻少し前ではございますが、皆様お揃いになりましたので、ただいまから「食料・農業・農村政策審議会食糧部会」を開会させていただきます。
     委員の皆様におかれましては、お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
    まず、本日の委員の皆様の出席状況でございますが、相良委員、田沼委員、椋田委員におかれましては、所用により御欠席との連絡を事前にいただいております。
     結果、全体の3分の1以上の委員に御出席いただいておりますので、食料・農業・農村政策審議会令第8条の規定により、本部会は成立しております。
    それでは、開会に際しまして、吉川農林水産副大臣より、ごあいさつをお願いいたします。
  • 吉川農林水産副大臣
     皆様、おはようございます。
     食料・農業・農村政策審議会食糧部会の開会に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げさせていただきたいと存じます。
    まず初めに、この度の雪害によりまして、多くの方々が被災をされました。
     心よりお見舞いを申し上げたいと存じます。
    また、本日は部会長を初め委員の皆様方におかれましては、年度末の大変お忙しい中にもかかわりませず、こうして御出席をいただきましたことに、心から感謝を申し上げたいと存じます。
    さて、昨年もう既に皆様御承知のとおりでありますけれども、農地中間管理機構の創設、さらには経営所得安定対策の見直し、そして、日本型直接支払制度の創設とともに、米政策につきましては、麦、大豆、飼料用米等の戦略作物の本作化による水田のフル活用や、米の生産調整の見直しを内容とする政策見直しを行ったところでございます。
     本年は、この米政策の見直しも含めた農政改革の実行元年と私どもは位置づけておりまして、この実行に当たりましては、言うまでもなく現場の生産者を初めとする多くの関係者の御理解と御協力が不可欠だと存じております。
    このために、本年1月以降ブロック別、さらには都道府県別の説明会や、当省職員を派遣いたしました市町村レベルでの説明会は、約2,700回を超えて開催させていただきました。
     現場の方々への情報提供を進めるとともに、説明会等でいただきました御質問の回答につきましては、当省のホームページにも掲載するなど、政策の浸透に今、努めているところでございます。
     今後とも現場の声を大切にしながら農政改革の実行を推進しまして、これによりまして意欲ある農業者が、自らの経営判断に基づく生産が行える環境整備や、農業・農村の多面的機能の維持・発揮、食料自給率、食料自給力の維持向上を図るとともに、地域の実態を踏まえた活力ある農林水産業を実現してまいりたいと考えております。
     今回の食糧部会でありますけれども、「麦の需給に関する見通しの策定」及び「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針」の変更について、御審議をお願いしたいと考えております。
     詳細につきましては後ほど事務方から説明をさせていただきたいと存じますけれども、麦の需給見通しに関しましては近年の麦の需要量、国内産麦の流通実績等を踏まえまして策定した26年度の需給見通しについて、また、米の基本指針に関しましては、26年度の輸入方針について諮問をさせていただき、本日、御答申をいただきたいと存じております。
     食糧部会の委員の皆様の様々な立場からの忌憚のない御意見、活発な御議論をお願いをいたしまして、あいさつとさせていただきたいと存じます。
     時間の許す限り、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと存じます。
    ありがとうございました。
  • 梅下農産企画課課長補佐
    ありがとうございました。
    なお、吉川副大臣におかれましては、次の予定があるため、ここで退席されます。

(吉川農林水産副大臣退室)

  • 梅下農産企画課課長補佐
    それでは、議事の前に配付資料の確認をさせていただきます。
    お手元には、「食料・農業・農村政策審議会食糧部会 資料一覧」に記載しております「議事次第」、「委員名簿」、「資料1 諮問(写)」、「資料2 麦の需給に関する見通し(案)」、「資料3 諮問(写)」、「資料4-1 「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針」の一部変更新旧対照表、「資料4-2 米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針(案)」、「参考資料1 麦の参考統計表」、「参考資料2 米をめぐる関係資料」、「参考資料3 米に関するマンスリーレポート(平成26年3月7日公表)」をお配りしております。
     資料の不足等がございましたら、事務局までお申し出いただきますよう、よろしくお願いいたします。
    それでは、この後の議事進行につきましては、中嶋部会長にお願いしたいと思います。
     中嶋部会長、よろしくお願いいたします。
  • 中嶋部会長
    おはようございます。
     食糧部会長の中嶋でございます。
     皆様の御協力の下、円滑に運営してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
    それでは、本日の審議会の取扱い及び議事の進め方について確認したいと思います。
     本部会につきましては、審議会議事規則第3条第2項の規定により、会議は公開することとなっております。
    また、本部会における皆様の御意見等につきましては、議事録として取りまとめの上、公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。
     本日は、まず、先ほどもお話がありましたが、「麦の需給に関する見通し(案)」の策定につきまして、事務局から御説明の後、委員の皆様からの御意見、御質問を頂戴した上で、麦の需給見通し(案)が適当であるかどうか、決議したいと思います。
    その後、「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針(案)」の変更につきまして、事務局から御説明の後、同じく委員の皆様からの御意見、御質問を頂戴した上で、米の基本指針(案)が適当であるかどうか、決議したいと思います。
     委員各位、それから、事務局におかれましては、限られた時間内で効率よく議事を進められるよう、円滑な進行に御協力いただきたいと思います。
     全体としては、12時前までには終了する予定で進めたいと思いますので、このような取り進め方でよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

  • 中嶋部会長
    ありがとうございます。
    それでは、そのように進めてまいりたいと思います。

 (1)麦の需給に関する見通しの策定について

  • 中嶋部会長
    では、早速ですが、農林水産大臣から食料・農業・農村政策審議会に諮問のありました「麦の需給に関する見通し(案)」の策定について御審議いただきます。
    まず、事務局から諮問文書の読み上げを行っていただき、引き続き、資料の説明をお願いいたします。
  • 折原貿易業務課長
    おはようございます。
     生産局農産部貿易業務課長の折原でございます。
     農林水産大臣から審議会に対して諮問がなされておりますので、資料1の諮問の写しを読み上げさせていただきます。
    25生産 第3479号
     平成26年3月26日
     食料・農業・農村政策審議会会長 殿
     農林水産大臣 林 芳正
     諮問
     平成26年度の麦の需給に関する見通しを定めるに当たり、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(平成6年法律第113号)第41条第3項において準用する同法第4条第4項の規定に基づき、貴審議会の意見を求める。
     以上が諮問内容でございます。
     続きまして、横長の資料になりますけれども、資料2の「麦の需給に関する見通し(案)」について御説明させていただきます。
    まず、1ページでございます。
     麦につきましては、国内産で量的・質的に満たせない需要分について、国家貿易により外国産麦を輸入することとしております。
     食糧用小麦の総需要量を勘案するに当たっては、食糧用小麦の1人当たりの年間消費量を把握する必要がありますが、図1を見てみますと、昭和42年度に31.6キログラム、平成24年度には32.9キログラムというように、概ね31~33キログラムで推移しています。
     一方、我が国の総人口については、平成20年までは増加傾向で推移しましたが、21年以降は微減に転じています。
    これらの状況を踏まえ、平成26年度の食糧用小麦の総需要量については、近年の平均的な需要量と見込まれるため、過去5年間の平均的な需要量である571万トンと見通しております。
     続いて、2ページでございます。
     国内産食糧用小麦の流通量の見通しでございます。
    その算出に際しては、まず、平成26年産の国内産食糧用小麦の供給量を見通す必要があります。
    26年産の国内産食糧用小麦の供給量は、昨年10月に民間流通連絡協議会で報告された作付予定面積に、10アール当たりの平均収量379キログラムを乗じた上で、規格外又は種子用を除く食糧用供給割合97.6%を乗じることにより、77万トンと見通しています。
    このうち、平成26年度内に流通する比率を45.7%と見込んで、26年産の流通量を35万トンと設定するとともに、25年産のうち26年度に繰り越された数量である42万トンを加えるということによって、平成26年度における国内産食糧用小麦の流通量を77万トンと見通しています。
     次に、3ページをご覧ください。
     最終製品が麺やパン等の小麦粉製品と代替関係にある米粉の平成26年度における流通量の見通しです。
     米粉用米については、水田活用の直接支払交付金の対象となっており、生産者が取組計画を作成し、地域センター長の認定を受けるということになっております。
     表3にありますように、26年産の米粉用米の取組計画認定数量については、本格的に生産が開始されてから年数も浅く、市場規模も小さいということを勘案して、平成25年産と同量の2万1,000トンと見通しています。
    26年度における米粉用国内産米の流通量につきましては、平成26年産の米粉用の取組計画認定数量の75%の1万6,000トンが流通するとともに、25年産のうち26年度に繰り越された数量である5,000トンを加えるということによって、2万1,000トンと見通しています。
     続いて、4ページをご覧ください。
     外国産食糧用小麦の需要量と輸入量の見通しになります。
    まず、26年度における外国産食糧用小麦の需要量でございますけれども、その表の上の段を見ていただいても分かりますように、総需要量の571万トンから、先ほど説明しました国内産食糧用小麦の流通量である77万トンと米粉用国内産米の流通量2万トンを差し引くことによって、492万トンと見通すということでございます。
    また、平成26年度の外国産食糧用小麦の輸入量については、外国産食糧用小麦の需要量の492万トンに備蓄数量の変動要素を加味することになりますが、26年度における2.3カ月分の備蓄目標数量である94万3,000トンに対して、25年度における備蓄見込数量が93万8,000トンということですから、その差、約1万トン、正確には5,000トンになりますけれども、これを加えることにより、493万トンを輸入量として見通しています。
     続いて、5ページを見ていただきたいと思います。
     食糧用大麦とはだか麦の総需要量の見通しです。
     図2を見ていただくと、これは1人1年当たりの年間消費量の推移でございますけれども、以前は押麦という形でご飯と一緒に食するということで相当量が消費されておりましたが、近年は0.2~0.3キログラムという横ばいの水準で推移しています。
    また、総人口についても、ここ数年大きな変動はみられませんので、平成26年度における食糧用大麦・はだか麦の総需要量につきましては、過去5年間の平均総需要量である33万トンという形で見通しております。
     次に、6ページを見ていただきたいと思います。
    これは26年度における国内産の食糧用大麦とはだか麦の流通量ということでございますけれども、その算定に際しては、小麦と同様に、まず26年産の供給量を見通す必要があります。
     具体的には、平成26年産の作付予定面積に、10アール当たりの平均収量と食糧用供給割合を乗じることによって、26年産の食糧用大麦・はだか麦の供給量をまず11万トンと見込んでおります。
    26年度における国内産の食糧用大麦・はだか麦の流通量は、26年産の供給見込量11万トンに、前年産の年度内供給比率36.2%を乗じて4万トンを見込むとともに、これに前年産の繰越在庫7万トンを加えて、11万トンと見通しております。
     続いて、7ページを見ていただきたいと思います。
     表7に示したように、平成26年度における外国産食糧用大麦・はだか麦の需要量は、総需要量33万トンから国内産麦の流通量11万トンを控除して、22万トンと見通しております。
     大・はだか麦については、小麦のように備蓄目標数量を設定しておりませんので、この差し引き部分が外国産食糧用大麦・はだか麦の需要量であると同時に輸入量となります。
     続いて、「参考資料」について、簡単に御説明させていただきたいと思います。
    1ページでございますけれども、「食生活における麦の位置付け」ということで、小麦、大・はだか麦の主な用途を記載しておりますので、後で参考にしていただければと思います。
    2ページは、「食料消費において麦が占める割合」を記しておりますが、平成24年度のデータによりますと、麦は1人1日当たりの総供給熱量2,430キロカロリーのうち、332キロカロリー、率にして13.7%を占めています。
    また、小麦の自給率は、カロリーベースで13%となっています。
    3ページは、「麦の流通の概要」です。
     皆さん御存じだと思いますので、御参考にしていただければと思います。
    4ページでございます。
     「穀物の国際需給と国際価格の動向」を記しておりますが、農林水産政策研究所によりますと、世界の中長期的な穀物の国際需給は、開発途上国を中心とした人口の増加、飼料用需要の増大によって、需要が供給を上回ると見込まれています。
    このような中、2013/2014年度の表の1-4や1-5を参照すると、平成25年度における小麦と大麦の生産量は、前年度をかなり上回るということが見込まれており、消費量についても前年度を上回ると見込まれています。
    ただし、ともに生産量が消費量を上回ることから、期末在庫率は小麦が26.1%、大麦が16.1%となることが見込まれています。
     続いて、5ページでございます。
    これは「小麦の国際価格の動向」ですが、小麦の国際価格は、平成24年12月後半以降、南米産の良好な生育見通しによるとうもろこし価格の下落等から一度低下しました。
     平成25年も、小麦の生産量は世界全体で史上最高と見込まれる中で軟調に推移しましたが、今年の2月中旬以降は、米国産冬小麦の乾燥・凍害による作柄悪化懸念や、ウクライナ情勢の悪化等から、値を若干上げている状況にあります。
    6ページは、為替と海上運賃の動向ですので、御参考にしていただければと思います。
    7ページでございます。
    これは外国産麦の輸入状況ということで、主要な輸入先はアメリカ、カナダ、オーストラリアの3カ国ということで、24年度の総輸入量は、小麦で523万トン、大麦・はだか麦で24万トンとなっています。
    8ページは、「外国産食糧用小麦の政府売渡制度」について記しております。
    19年4月以降、輸入価格にマークアップを上乗せして政府売渡価格を設定しておりますが、このマークアップについては、国内産麦の生産振興費と政府管理経費に充てられているということでございます。
    9ページは、即時販売方式のスキームということで、22年10月以降、外国産食糧用小麦の売渡しについては、国が一定期間備蓄した後に、製粉企業等に販売する方式から、輸入した小麦を直ちに販売して製粉企業等が一定期間備蓄するといった販売方式に変更したということで、10ページは、その即時販売方式への移行に伴う食糧麦の備蓄対策事業を記しております。
     国は、実需者が2.3カ月の外国産食糧用小麦の備蓄を行った場合、これまで国が備蓄していた1.8カ月分の保管経費を助成しています。
    また、不測の事態が生じた場合には、国が製粉企業等に対して備蓄する小麦の取崩しの指示等を行うフレームとなっております。
     続いて11ページです。
     「外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向」でございます。
    5銘柄平均の政府売渡価格については、近時では昨年10月期の4.1%の引上げに続いて、今年4月期には2.3%の引上げを行ったところです。
     今年4月期の政府売渡価格のベースとなっている直近6カ月の平均買付価格につきましては、豪州産小麦は豊作見通しによって輸出価格が軟調に推移しました。
     一方、カナダ産小麦につきましては、ちょっと珍しい事態が生じました。
     穀物は大変な大豊作だったにもかかわらず、石炭等の輸送需要の増大もあって、鉄道輸送が著しく停滞してしまったため、豊作にもかかわらず価格が上昇してしまったことから、全体としての平均買付価格は、前期とほぼ同水準となりました。
    このような中で、今年の4月1日から消費税率の改定が行われます。
     税込みの5銘柄平均価格はトン当たり5万8,590円になりますが、税抜価格では5万4,250円で、対前年比0.5%の引下げとなっております。
    12ページは、小麦粉・麦製品の生産動向ですが、近年、小麦粉の生産量は470万トン~500万トンの水準で、安定的に推移しています。
    24年における小麦の二次加工品の生産量をみますと、パン類と麺類は対前年比で微増、ビスケットは微減となっております。
    13ページは、「小麦粉・麦製品の価格の動向」です。
     基本的には、外国産食糧用小麦の政府売渡価格の改定に伴って、小麦粉や麦製品の価格も変動している状況がみられるということです。
     続いて14ページは、「麦製品の輸入動向」ですが、小麦粉調製品の輸入量は、ここ数年ほぼ横ばいで推移しています。
    また、マカロニ・スパゲッティとビスケットの輸入量は、近年、増加傾向で推移してきましたが、25年度につきましては、円安の影響を受けて減少がみられます。
    15ページは、麦製品の輸出ですが、その大部分を占める小麦粉の輸出量は、近年、輸出先国の製粉技術の向上等によって、減少傾向で推移しています。
    16ページから18ページにかけては、製粉企業の状況を整理しています。
    まず、小麦粉の生産量につきましては、大手4社が全体の76%を占めているということで、これに年間小麦粉生産量が3万トン以上の9社を加えた13社ベースで全体の87%を占めています。
    また、製粉企業数と工場数は減少傾向にありますが、生産規模が大きい製粉企業ほど稼働率が高く、従業員1人当たりの生産量も大きくなるという傾向があります。
    17ページは、製粉企業のコスト削減や、品質・安全性の向上性に向けた取組を整理しております。
     具体的には、工場の集約化、製造ラインの増設等による供給能力の強化、あるいは、業務提携等の推進、ISOの認証等を通じた品質・安全性の向上、海外市場への進出等といった各種の取組が進められているということでございます。
    18ページは、地域とのつながりの強さや独自の立地条件を活かした中小製粉企業が、地元産小麦を利用しながら地産地消の取組を進めている各種の事例を紹介しております。
     右図の下を参照いただくと、1つの事例として、「ラー麦」が紹介されています。
    19ページは、「国内産小麦の生産状況」を整理しております。
     国内産小麦の作付面積は、近年、横ばい傾向にありますが、25年産小麦の作付面積21万ヘクタールは、民間流通に移行した平成12年産の18万3,000ヘクタールに比べて、2万7,000ヘクタール増加しています。
     一方、図3-1を見ても分かりますけれども、国内産小麦の収穫量は、天候によって大きく左右される傾向にあり、25年産の小麦の収穫量は80万6,000トンで、これは前年産に比べて6%減となっております。
    20ページは、大・はだか麦の生産状況を整理しておりますが、国内産大・はだか麦の作付面積は、小麦と同様に、近年、横ばい傾向にあり、25年産の作付面積は5万9,000ヘクタール、生産量は18万トンとなっております。
     続いて21ページは、「国内産麦の品質状況」を整理しています。
     表3-3で示されている農産物検査による国内産麦の1等比率をみますと、平成25年産は過去5年平均とほぼ同水準の73.0%でございます。
    また、表3-4の品質評価結果をみますと、平成25年度産小麦については、Aランクが87%を占めており、過去5年平均の74%と比べても、13ポイント高くなっています。
     続きまして、22ページから23ページにかけては、経営所得安定対策のうち、麦作農家に対する直接支払交付金の概要を記しておりますので、御参考にしていただければと思います。
     続いて、24ページでございます。
     国内産麦の民間流通による取引の概要を記しております。
     国内産麦の民間流通は、平成12年産麦から取り組まれておりますが、は種前契約、すなわち種を蒔く前に契約を締結することが基本となっています。
    まず、生産者団体から販売予定数量が、需要者団体から購入希望数量がそれぞれ提示されて、需要に応じた計画的な生産に向けた調整が行われます。
    その後、生産者団体から提示された販売予定数量の3割が入札に付され、残りの7割は入札の価格を基本とした相対取引が行われます。
    これらの契約が整った後に、麦のは種と収穫が行われて、最終的に実需者への引渡しが行われるという全体の流れになっています。
    25ページは、流通の動向を整理したものですが、25年産における国内産食糧用小麦の供給量76万7,000トン、国内産食糧用大・はだか麦の供給量は10万5,000トンと見込んでいるということでございます。
     表3-9は、は種前契約における麦の販売予定数量と購入希望数量の推移を示しています。
     全体的な傾向を見ると、小麦については、販売予定数量が購入希望数量を上回るのに対して、大・はだか麦は逆に、販売予定数量が購入希望数量を下回っています。
     特に、平成26年産の国内産小麦を見ていただくと、生産者の販売予定数量が、需要者の購入希望数量を15万トンも上回っております。
    この背景には、後の27ページで説明しますけれども、外国産小麦と国内産小麦の価格の関係、急激に生産拡大した産地銘柄に需要が追いついていないといった状況があると考えております。
    このような需給のミスマッチについては、入札と相対を通じた価格形成等を通じて、最終的に全量実需者に売り渡されるとなっておりますが、より円滑な流通のためには、は種前のミスマッチの解消に向けた取組を一層進めることが課題になっています。
     続いて26ページは、国内産食糧用麦の入札結果の推移を示しています。
    26年産の入札について言えば、落札率は例年に比べて低くなりましたが、落札加重平均価格は前年産とほぼ同水準となりました。
     大麦については、落札数、落札価格ともに前年産とほぼ同水準となりました。
    27ページは、国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の水準と推移を記しています。
     図3-4では、26年産の国内産食糧用小麦の産地別銘柄別の落札価格が整理されておりますが、参考として、点線の枠内で、外国産小麦の5銘柄平均価格であるトン当たり5万7,260円が示されており、国内産小麦との相対的価格関係は、高いものもあれば低いものもあることが見て取れると思います。
    また、図の3-5は、国内産食糧用小麦の産地別銘柄別落札価格の推移をグラフで示しておりますが、外国産小麦と比べて著しく落札価格が高かった北海道産の硬質系小麦の「春よ恋」、「ゆめちから」が、近時に大きく急落しています。
    このように、数量と価格双方の調整を通じて、次年産麦の需給関係が決まってくることが見て取れると思います。
    28ページでございます。
    ここは国内産麦の新品種の開発状況ということで、国内産麦につきましては、平成11年度からプロジェクトを立ち上げて、実需者のニーズを踏まえて、耐病性・耐倒伏性に優れた新品種の開発と、生産現場への導入が進められています。
     実際の導入事例は、次の29ページに整理されていますが、日本麺用の小麦では、ASWにほぼ匹敵する製粉性を示す北海道産の「きたほなみ」、パン用小麦では、同じく北海道産の「ゆめちから」が導入されております。
     中華麺用小麦では、ラー麦で有名な「ちくしW2号」が福岡県で導入されるなど、全国各地の生産現場に様々な新品種の導入と普及が進んでいます。
    30ページは、学校給食用パン、あるいはオリジナル麺といった形で、国内産麦を100%使用した商品の開発と販売の事例を紹介しております。
    31ページは、国内産麦の新たな市場の開拓事例として、今年1月に開催されました、国内産麦を使用した全国の麦製品が一堂に会したイベントについて紹介しております。
    32ページは、米粉に関する動向です。
     平成25年産の米粉用米の生産量は、2万1,000トンとなっておりますが、表4の1を見て分かりますように、新潟、栃木、埼玉の上位3県で全体の生産量の5割を占めています。
    また、表4の2にありますように、需要者からの聞き取りによる平成25年度の米粉用の利用量見込みは2万5,000トンとなっていますが、やはり今後米粉需要の更なる拡大を図るためには、米粉の製造コストの低減、あるいは新たな製品の開発等を進めていく必要があるということでございます。
     最後の33ページですけれども、農業機械の導入や加工施設の整備等に必要な交付金の交付、米粉使用メニューや米粉を用いた新商品の開発・普及といった米粉用米に対する各種の支援措置を紹介しております。
     資料の説明は以上でございます。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    ただいま、事務局から麦の需給見通しの策定に係る諮問事項について説明がございました。
    このことにつきまして、どなたからでも結構ですので、御意見、御質問をお願いしたいと思います。
    それでは、大枝委員、お願いいたします。
  • 大枝委員
     日清製粉の大枝でございます。
     先ほど御説明をいただきました麦の需給に関する見通しにつきましては、妥当であると考えております。
    それから、1つ意見を申し上げたいのですけれども、日本で使われている小麦は、今、9割近くは外国でとれた小麦を輸入をしております。
     一方で、世界的な小麦の需給を見ますと、発展途上国を中心に今後長期的に小麦の需要は増えていくと考えております。
    それに対しまして、世界的な小麦の生産もある程度増えていくとは思いますけれども、やはり年によりまして、あるいは地域によりまして、豊作・不作という作柄の変動があるということでございます。
    こういう状況を踏まえまして、やはり日本で使われる小麦につきましては、毎年安定的に買い付け・供給をするということが非常に大切であると考えております。
     小麦から作ります小麦粉は、パン、中華麺、うどん、お菓子、ケーキ、スパゲッティ等々非常に幅広く使われておりまして、小麦・小麦粉は、米と並びまして日本の主要食糧の一つであると考えております。
    どうぞよろしくお願いいたします。
     以上です。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    ほかに御意見ありますでしょうか。
    それでは、藤井委員。
    その後、冨士委員、お願いいたします。
  • 藤井委員
     米粉がある程度まで伸びたけれども、あまり近年伸びてないというのは、消費がなかなか難しいのでしょうか。
    いろいろなところで、ニュース等では米粉のもちもちしたパンができたとか聞きますが、小麦の代替、輸入小麦の代替として可能性があまりないのか。
    こういう数字の流れを見ていると難しいのかなという気はするのですけれども、いかがでしょうか。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございます。
    それでは、冨士委員、お願いいたします。
  • 冨士委員
     私も、この麦の需給に関する見通しについては、これで妥当だと思います。
     意見は藤井委員と同じで、米粉についてであります。
    この需給に関する見通しの中で、国内産小麦と同様な位置づけをして、国内産小麦と国内産の米粉で足らざるものを外国から輸入するという形で、米粉をきちんと位置づけていただいているということについては大変良いことだと思うのですが、先の食料・農業・農村基本法に基づく基本計画でも、米粉は確か50~60万トンということで5年先の生産目標を立てたわけですが、需給見通しにある数字が今の実態ということであります。
     先ほど大枝委員からもありましたように、ウクライナのことでも小麦の価格が高騰するとか変動する情勢でございます。
    やはり日本として米粉を小麦粉代替として戦略的に生産し、麦全体の需要量から言えば10%ぐらいは米粉で供給していくということで50~60万という目標が設定されたと理解しておりますので、なるがままに任せているのではなく、政府として戦略的に需要を作っていくということが大事なのではないかと思います。
     最近では、米粉だけで、グルテンを添加しないでパンを作る技術も開発されたと聞いております。
    そういうことになれば、グルテンアレルギーでなかなか小麦粉では食べられないという方は、まさに米粉で作ったパンを食べられるということでございますので、そういう技術開発もあわせて、小麦粉の戦略的な普及と供給ということを考えていただければと思います。
     以上です。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
     今、3人の委員の方から御意見、御質問等いただきました。
     大枝委員からは、国際的な情勢を含めたその安定的な調達についてのお考え、御意見がありました。
     藤井委員からもそれへの御懸念と、それに対しての米粉の活用の仕方。
     冨士委員からは、米粉が伸びないことに対して、どういうふうにお考えなのかということも含めた御質問があったのではないかと思うのですが、あわせてお願いいたします。
  • 折原貿易業務課長
    まず、大枝委員から安定供給の話がございましたので、お答えさせていただきます。
     大枝委員の仰るとおりでございまして、先ほど私が御説明したように、麦は、国民に対する供給熱量の13.7%を占めるということで、米に次ぐ主要食糧でありまして、食料安全保障の観点から、国内生産の維持増大というのは極めて重要ですけれども、いかんせん国土条件の制約等から、需要量の9割を輸入に頼らざるを得ないという状況になっております。
    また、先ほどの御説明のとおり、近年、麦の国際需給や価格動向は不安定な状況にあり、中長期的にみても需給が逼迫することが見込まれることから、9割を占める外国産麦を、国民に対して安定的に供給していくということが一層重要になっております。
    このため、我が国は、国内における麦の全体需給と価格の影響を考慮して、輸出国による豊凶、自然災害等による需給変動に対応しながら、安定的な輸入確保を図るとともに、国境措置であるマークアップを適切に運用して、内外の競争状況の格差を是正して、国内生産の維持増大を図るということを含めた、国家貿易の適切な運用を引き続き進めてまいりたいと考えております。
  • 鈴木穀物課長
     穀物課長の鈴木でございます。
     米粉について御説明をさせていただきます。
     先ほどありました資料の2の32ページ、33ページに米粉の動向を載せております。
    なかなか広がっていかないということでありますけれども、32ページにございますように、需要者からの今、私ども聞いております米粉用米の利用。
     要は、実際上米粉にして製品にしていくところ、表の4-2のところでございますけれども、伸び方がちょっとずつ減っているという見方はありますが、着実に米粉自体は使われてきてはいるというのが我々としては見ているところです。
    ただ、そういう点では、50万トンというのに比べてというところは御指摘のとおりということであります。
    その理由は、その表の下にございますように、一つは、実は米粉用米の値段はそういう点では安いのですけれども、もともと米は硬くて粉にしにくいというようなことがありまして、製造コストのところが小麦から小麦粉を作るのに比べますとかかるということで、そこにありますけれども、米粉と小麦粉の粉同士を比べた時の価格がやはり上回っているという部分があります。
     私どもは、一つは32ページの図の1にありますように、やはり認知を消費者の皆さんにしていただく。
    それから、消費喚起というようなことで「米粉倶楽部」、ここにありますジャパンフードフェスタ等への出展、PR、それから、ちょうど先週の土曜日にありましたけれども、米粉料理のレシピコンテストというようなことで取組をしていただいておりまして、レシピコンテストは1,200ぐらいの応募があるということで、そういう点では消費者の皆さんにも御関心はある程度いただけているのだと思うのですが、やはりそういう中、価格の問題は何とかしていかなければいけないということだと思っています。
    それで、33ページ、予算措置の中で、上から3つ目のところで米粉の製造コストの低減、それから、米粉のミックス粉のような米粉製品の開発を支援ということで事業を行っております。
    3年間の予定なのですけれども、今の段階で取組をしているところからお聞きしますと、やはり工程の改善等によってある程度コストが下げられるというデータが得られつつあるとか、先ほど冨士委員からもお話がありました新しい商品開発という点では、やはりグルテンフリー訴求製品というようなものが開発段階ということで聞いております。
    こういうようなものは、3年間ではあるのですけれども、中途でも関係者にいろいろ情報出しをしていくということで事業をしておりまして、そういう取組を進めることでやはり米粉の需要。
     米粉用米は、言ってみれば米粉の製品の需要をきちんと作っていかないと米が行かないものですから、そこのところをきちんと課題を解決をして、米粉の需要拡大に取り組んでもらいたいと考えております。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    よろしいでしょうか。
    それでは、廣瀨委員、お願いいたします。
  • 廣瀨委員
    ありがとうございます。
    2、3お聞きしたいのですけれども、今もお話が出ています、例えばこの資料の御説明いただいた19ページに、パン、中華麺用の「ゆめちから」あるいは「ちくしW2号」ですか、ラー麦のことだと思いますけれども、こういう日本でもたんぱく質源が12%程度まで含まれているものが作れるという状況で、しかもこの「ゆめちから」というのは、私の見間違えかもしれませんけれども、2万6,000トンぐらい、最近ではとれているという数字があったように思うのですが、こういうものをもう少し増産振興していくようなことがどうとられているのかどうか。
    これは、例えば今日お配りいただいた「麦の参考統計資料」の41ページに(参考)「国内産麦の振興費(推計)と外国産麦の売買差益の推移」というのがありますけれども、大体年間経費で800億~900億前後の振興費が使われているということでありますが、この辺りの中身が、どういう形でどういうふうに変化してきているのか変化していないのか。
    やはり新しい品種を増産できるように、米粉からの対応ということも当然あるわけですが、麦自身についても日本ですばらしいものができているのであれば、そういうものを増産してくように、アグレッシブに戦略的に対応していくというようなことがあり得るのではないか。
     振興策がラー麦等についてもある、あるいは「ゆめちから」についてもあるというふうにはこの資料にありますけれども、そこら辺のアクセントをつけた戦略的な対応というのがどういうふうになっているのかということをお教えいただきたい。
    それから、このマークアップ分というのは、差益として結果的に出るものなのか、あるいはマークアップ分をこういう振興費とかそういうものに使っていくことからすると、アプリオリにマークアップ分を設定しているのか。
    その辺のちょっと因果関係ではないですけれども、どちらが先なのかというのが分かりません。
    もし結果ということであれば、非常に振興費がふらつくと思いますし、その辺りがどういうふうになっているのか、麦についてはよく分かりませんので教えていただきたいということが一点であります。
    もう一つは、国産の麦についてITを使った効率的な生産というようなものは、水を使う米と違ってなかなかやりにくいのかどうか。
     日本の農業の分野でIT、いろいろセンサーを付けてその成長度合いを見ながらいろいろ対応していくということが考えられるわけですけれども、気象条件の非常に厳しい中での生産確保ということで御苦労は多いと思うのですが、そういうものへの対応として国としても御指導なされているのか、あるいは各地における農林試験場とかそういうところでそういう動きがあるのかどうか。
    その辺りについて、もし何かありましたら教えていただきたい。
    その2点であります。
     以上です。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございます。
    それでは、村松委員、お願いいたします。
  • 村松委員
     先ほど来話に出ていますように、小麦はパン、パスタ、おうどんなどに使われて、今やお米に次ぐ日本の主食と言っても良いと思うのですが、そのほとんど9割近くを輸入に頼らざるを得ない現状を消費者としては危惧しています。
    それはやはり干ばつなどの影響で小麦の価格が高騰すると、それが全てに影響して原材料の調達費用が上がって、家庭用の薄力粉の価格も上がってしまいます。
    そうすると、小麦にかかわる全ての食品の価格が上がってしまい、消費者にとっては大きなダメージです。
    さらに中国やインドなどで、小麦の需要が増加傾向にありますので、もし日本が必要とする量を調達できなかった時、備蓄があるという説明はございましたけれども、必要量を調達できなかった時、一体どうなるのだろうということを心配しています。
    そこで国内の小麦生産量を上げるために、国としてはどんな施策をとっているのか。
    その具体的な支援策などについてうかがいたいと思います。
     自給率を上げるという上でも国内の小麦の生産量を上げるということが必要だと思います。
    この資料を拝見していると、麦も「春よ恋」とか「きたほなみ」「さとのそら」、とてもなじみやすいネーミングで業界としても頑張っているのだなということを感じるのですが、お米に比べると今一つ麦の存在感、PR力が弱いような気がしますので、その辺り、日本の国産の麦もこんなにたくさんあるのだということをもっと消費者に情報として出していただけたらと思います。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    それでは、横田委員、お願いいたします。
  • 横田委員
     横田です。
     米と小麦の消費のバランスが悪いというのは、学校給食が始まった時のパンの導入によって、子供の時における脳へのインプットが影響しているのではないかと思います。
     私は女性の立場で子供を育ててきた中で、学校での給食が大事なのではないか、食育の段階でやはり米を少しでも食べていただけるような食育の環境を作っていかないといけないのではないかと思っています。
     米と小麦のバランスが悪いというのはそういうところからきているのではないかと思います。
     確かに日本食、和の食はやはり米かなと思いますので、この辺りのところをもう一度、教育の中で見直していかなければいけないと思います。
     今、ここで議論するような内容ではないかもしれないのですが、よろしくお願いいたします。
     以上です。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    それでは、3人の委員から御意見、御質問がありましたので、麦の振興費、それから、国内の麦の生産振興のあり方、最後は食育に関連するお話でしたが、よろしくお願いいたします。
  • 折原貿易業務課長
     廣瀨委員から、マークアップの使途から小麦の開発状況等、かなり幅広い質問がございましたが、まずマークアップは、前のウルグアイ・ラウンドで合意した結果、キログラム当たり45.2円を上限とするということを国際約束しております。
     実際、近年は約17円で運用をしておりまして、その財源は、主として、国内産麦の生産振興に充当されるということでございます。
    それで、参考資料の8ページを見ていただきたいと思います。
    8ページは、外国産麦の政府売渡価格の内容を示していますが、政府売渡価格は、政府が買い付けてきた外国産小麦の価格にマークアップを上乗せして売り渡す仕組となっています。
    そこには「マークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)」とありますが、この生産振興対策は、22ページの直接支払交付金が該当しております。
     結局のところ、麦は内外価格差が大変大きく、とても外麦の価格で生産できないことから、「標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を直接交付する」ことが生産振興対策のベースとなっています。
     具体的には、現在、国内産小麦の取引価格はトン当たり5万7,644円、外国産小麦の政府売渡価格は5万8,590円ですから、国内産小麦価格は外国産小麦の政府売渡価格よりも若干安くなっているわけです。
     一方、「標準的な生産費と標準的な販売価格の差額」がトン当たり10万6,000円ですので、国内産麦の標準的な手取り水準は、国内産小麦の取引価格にこの10万6,000円を加えた16万円程度となります。
     以上は、内外麦の生産コスト面での支援ということですが、一方で内外麦の品質格差をどのように是正していくかという課題があります。
     日本の小麦は、基本的に日本麺用小麦の開発を中心に研究が進められてきました。
    その際、ASW(オーストラリア産スタンダード・ホワイト)に匹敵する小麦を育成することが長年の目標とされてきました。
     目標とされたオーストラリア産・スタンダード・ホワイトは、オーストラリアの様々な品種のブレンド物ですが、最近になって北海道で「きたほなみ」という品種が育成され、これは製粉適性がほぼASWに匹敵すると評価されています。
     耐病性についてはまだ若干課題が残りますけれども、都府県は別として、北海道については「きたほなみ」の育成により、1つの目標が達成できたのではないかと考えます。
     一方、現行の基本計画でも示してありますように、日本麺用以外のパン用とか中華麺用といった硬質系の小麦の開発がまだ途中でございまして、近年、様々な研究に精力が注がれているところです。
     参考の29ページを御参照ください。
    ここにはパン用とかパン・中華麺用、もちろん日本麺用を含めた様々な新品種の導入事例が示されています。
     廣瀨委員からお話しがありました北海道産の「ゆめちから」の平成25年産の作付面積は、6万1,000ヘクタールとなっています。
    また、北海道産のパン用小麦は、「春よ恋」や「ゆめちから」、関東以西ではパン・中華麺用として「ゆめかおり」や「ミナミノカオリ」、ラー麦の福岡県産「ちくしW2号」等の導入が進められています。
     日本麺用で言えば、先ほど御説明した「きたほなみ」の平成25年産の作付面積は、9万7,000ヘクタールまで増えております。
     以上でございます。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    では、穀物課長。
  • 鈴木穀物課長
    IT活用も含めましてちょっと、パン・中華麺用を例に御説明します。
    やはりたんぱくをきちんと均一で求められるものにしていくという時に、現場では葉色を診断をして必要な、要は追肥量を決定をします。
    それは元々のところにばらつきがあるところをきちんとデータをとりまして、ではここは3キロ、ここは5キロというような形で対応する。
    これは要はデータのとり方をそういう点ではどんどん空へ上げていく取組とか、そういうような中でITを活用して品質を揃えていくというような取組とかです。
    ITの導入については農業全体、水田作とか畑作で経営管理の効率化とかそういうのも含めて今、いろいろ取組がありますけれども、そういうことについては、品質を揃えるところで頑張ってやっています。
     特にあとパン・中華麺用品種につきましては、先ほどの畑作物の直接支払交付金でも特別にパン・中華麺用の品種については上乗せ措置をしておりまして、そういうような形で生産を増やそうという努力をしつつ、なおかつそれぞれの地域で、先ほどありましたラー麦とか結びついた形で入れていくということで、「さぬきの夢」とかいろいろな各地域でそういう形で結びついて取組を進めているところであります。
     米の消費は、そういう点では米の資料の中に入れておりますけれども、一応今、週に3.3回まで。
    この間まで3.2回だったのですけれども、ちょっと増えました。
     文科省も目標を、3回以上のところは4回を目標にするとかそのような取組を掲げて、学校給食への米飯の導入については関係省庁とも連携して進めていきたいと考えています。
  • 中嶋部会長
    よろしいでしょうか。
    ほかに御意見、御質問等ございますか。
    それでは、どうもありがとうございました。
     活発な御意見頂戴しました。
    ここまで御審議いただいてまいりましたが、御意見のあった点につきましては、さらに今後事務局において検討していただくものとして、本部会としては本日、農林水産大臣から諮問のあった麦の需給に関する見通し(案)の内容については適当と認めてよいと考えますが、その旨、決議してよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

  • 中嶋部会長
    ありがとうございます。
     異議なしと認めます。
    それでは、食料・農業・農村政策審議会令第8条第2項の規定により、議事の決定に必要とされている出席委員の過半数を超えておりますので、本件につきましては適当と認める旨、決議いたします。
    その答申案をただいま事務局から配付してもらいますので、お目通しをいただき、御確認いただければと思います。

(答申案配付)

  • 中嶋部会長
    これで、よろしゅうございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

  • 中嶋部会長
    ありがとうございます。
     本食糧部会の議決につきましては、審議会の議決とすることとされておりますので、後ほど食料・農業・農村政策審議会として農林水産大臣に適当と認める旨の答申をいたしたいと思います。 

(2)米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更について

  • 中嶋部会長
     続きまして、農林水産大臣から食料・農業・農村政策審議会に諮問のありました「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針(案)」の変更について御審議いただきます。
     事務局から、諮問文書の読み上げを行っていただき、引き続き、資料の説明をお願いいたします。
  • 松尾農産企画課長
     農産企画課長の松尾でございます。
     農林水産大臣から審議会に対して諮問がなされておりますので、資料3の諮問を読み上げさせていただきます。
    25生 産 第3384号
     平成26年3月26日
     食料・農業・農村政策審議会会長 殿
     農林水産大臣 林 芳正
     諮問
     米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更について、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(平成6年法律第113号)第4条第7項において準用する同条第4項の規定に基づき、貴審議会の意見を求める。
     続きまして、「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針(案)」について御説明させていただきます。
     資料は、資料番号右肩の4-1と4-2を用意しております。
     今回、変更がかかる箇所につきましては、主に米穀の輸入の関係でございますので、4-1ということで現在の基本指針との変更部分を簡単にまとめております。
    こちらを使って御説明させていただきます。
     今回、変更に関する部分は、資料4-1の新旧の「第4
    米穀の輸入数量及びその種類別の数量に関する事項」ということでございます。
     前回、昨年からこういった輸入に関する規定につきましては、予算年度の前の3月のところで方針をきちんと出して、それから実績を書くということにしております。
    そういう意味で、今回は25年度の輸入の状況、26年度の輸入の方針ということにしております。
    25年度の輸入の状況でございますけれども、平成25年、昨年3月の基本指針に基づいて、77万トンを輸入すべく順次買い付けを行って、その結果全量買い付けたということでございます。
    そういう意味では、指針上は昨年との年度ずれということでございます。
    なお、この場合、昨年の予定としてSBS輸入を10万トンということで見通して、予定しておったわけでございますけれども、結果的にはここは6万トンということになっております。
    ただし、総量については77万トンと変わらないということでございます。
    それから、2番の項「平成26会計年度の輸入方針」ということでございます。
    これも昨年と同様、例年どおり77万トンの約束数量を買っていく。
    それから、SBSについては、予定数量を年間10万トンとするというようなことでございます。
     資料4-2は省略させていただきまして、この新旧のところで御説明させていただきました。
     続きまして、参考資料を一部御説明させていただきます。
     参考資料2にございます。
    ちょっと分厚い資料でございますけれども、毎回変更点を中心に御説明させていただいております「米をめぐる関係資料」でございます。
    まず、見開き1ページでございます。
    これも毎回同じものを更新してつけておりますけれども、昭和35年以降の需要量と生産量、あるいは政府の在庫の数量でございます。
    25年を新しく追加したということでございます。
    めくっていただいて、2ページ、3ページのところで、米の流通の状況、あるいは米の購入量の推移を書いております。
     特に購入量のところの下を見ていただきますと、引き続き米の購入量というのは若干マイナスが立っているというような状況でございます。
     直近の26年1月というところを見ていただきますと、対前年で▲8.8%ということでございます。
    4ページ、5ページでございます。
    これも先ほどのところの参考資料でございます。
    5ページについては支出金額ベースということでございます。
    6ページ、7ページをめくっていただきますと、消費動向の調査につきまして米穀機構でもやっていただいておりますので、そういったものを参考につけさせていただいております。
     例えば6ページには、家庭内、あるいは中食・外食ということで調査をした結果ということで、その内訳を書いております。
    マクロというよりも、どちらかというとミクロで調査をして書いているというような分析でございます。
     若干ここのところにつきましても、直近で見ましても消費量が減っているというような状況でございます。
    7ページは、どこからどういう経路で買っているか。
     字が小さくて申しわけないのですけれども、直近を見ますと26年2月、大体5割弱はスーパーマーケット。
    あとは、生産者から直接購入するというものも7.5%。
    あるいはインターネットと、こういった状況になっているわけでございます。
    まためくっていただきまして、8ページ、9ページでございます。
    これも精米の購入時の動向ということで、8ページを見ていただきますと、大体どういったものに着目して米を買っておられるかというような資料でございます。
     大きく数字は年によって変わっているわけではございませんけれども、一番多いのは価格を見て買うというのが76.8%。
    やはり一番大きくなってございます。
    あと、米で特徴的な点は、産地ですとか品種ですとか、こういったものをよく見るというようなところが多くございます。
    9ページは外食の動向でございます。
     日本フードサービス協会の資料をつけさせていただいております。
     売上高というのは毎月変わっておるわけでございますけれども、直近で見ると前年比97.2%というような状況でございます。
    10ページは、先ほどのフードサービス協会の資料でございます。
    11ページは、全米販の資料で、米の卸売業界の方々を対象としたアンケートをとっていただいておりますので、これを記載させていただいております。
     基本的にはお米の卸売の方々が現在どのように米の販売、あるいは状況について考えているかということでございます。
     例えば、現在の米の販売量ということを見ると、対前年同月と比べて変わらない、あるいは減っているというようなところが数字が多い。
     仕向け先としましては、大手中小スーパーというのはそんなに変わらないのだけれども、米穀店といったものが減っているというような状況でございます。
    それから、右側、過去3カ月と比較した現在の動き。
    あるいは、(2)のところは今後の動きでございます。
     対過去3カ月から見ると、若干悪くなっているというようなところがDI値ということで28.6ということで出ております。
     「悪くなっている」は、パーセントで言えば40.5%。
    それから、今後はそれよりもう少しよくて、「悪くなる」よりも「やや悪くなる」という回答が多い状況でございます。
    めくっていただいて、12ページ、13ページでございます。
     先ほど御質問がありました米飯給食の取組については、消費拡大ということで、我々随分こういった食糧部会とかで御意見をいただいた中で米飯給食をやってきております。
    その取組の状況ということでございます。
     右側のところのグラフを見ていただきますと、週当たりの平均実施回数、あるいは実際米飯給食をやっている学校の比率ということでございます。
     米飯給食の学校の比率というのは、昭和60年代のところで100%に近づいてきていて、今ではほとんどのところで米飯給食を実施していただいているというような状況でございます。
    また、週あたりの実施回数も着実に増加してきておりまして、大体現在では週3.3回まできており、今、土曜日が休みだったりしますと、週過半になっているということでございます。
     上に文科省に作っていただいております目標ということで、週3回以上はやりましょうと。
     既に週3回以上の地域については週4回。
    こういった目標を設定していきましょうというようなことで推進していただいているという状況でございます。
    13ページのところは、消費拡大について学校給食以外でどういったことをやっていくかということで、一つは、例えば朝食の欠食というものが非常に多い。
    こういったものを改善していくことで、米を中心とした日本型食生活を普及していけるのではないかというようなことで、例えば「めざましごはん」という運動に取り組んでいることでございます。
     下にありますような民間での取組をお願いしていくということで、消費拡大というものをやっているところでございます。
    それから、14ページ、15ページでございます。
    14ページは前回からも書いているのですけれども、最近は中食・外食、スーパーで買うというよりも、こういったところでお米が使われる割合が非常に多く、約250万トンということで主食用米のうちの3分の1を占めています。
     大体スーパーで売られている、あるいは、こういった業務用で売られている米など販売される米というのは大体600万トンぐらいありますので、それからするともっと比率が高くなるということでございます。
    15ページは参考として付けております。
    お米の価格はということでございますけれども、なかなか消費者の実感としてどのぐらいかというのが分からないということで入れております。
     先般の食糧部会でも冨士委員から御指摘があったということで付けております。
     単純に書いておりますけれども、お茶碗1杯のご飯を炊く前のお米というのが大体65グラム。
     現在のお米(精米)の店舗での値段が5キロ2,000円ぐらいでございますので、これから計算していくと1杯当たりのお米の値段は大体26円というようなことでございます。
     下に、お水とか缶コーヒーとかいったものと比べてというようなことで、ご飯がなかなか経済的な食べ物だなと我々は考えているということでございます。
    それから、16ページ、17ページのところは、米の最近の価格について記載しております。
     特に16ページの赤いところが25年産、現在のお米の価格でございます。
    24年産は比較的高いところで推移していたわけでございますけれども、25年産につきましては帯の中ぐらいで推移しておるというようなことでございます。
     価格については若干下げの状況にあるというところでございます。
    それから、17ページは、その中で産地品種ごとによって違うということです。
    1枚めくっていただきまして、18ページはもう少し具体的な、それぞれの産地品種の価格について書いております。
    こういった価格の情報ですとか需給の情報につきまして、我々マンスリーレポートという形でまた別途提供しておりますけれども、こういった価格の情報につきましては、今後さらにきめ細かく出していくという方針でございますので、こういったものの品種の数ももっとこれから拡大していくと考えております。
    19ページは、昨年の価格です。
    めくっていただいて、20ページのところが1等米の比率、21ページが現在の在庫の数量でございます。
     民間で流通している米の在庫ということで、25年6月末、昨年6月末は、やや最近の中では在庫量が大きいということで、それは価格に若干反映されているということだと思っております。
    22、23ページは、今度は政府の備蓄米の関係でございます。
     今、備蓄米は大体100万トン程度ということで運用しているわけですけれども、その中にどういう年産のものがあるかということで、これを見ていただくと若干古い年産のものも入っているというようなことでございます。
     今年の6月末に向かって、25年産に替えられる部分を非主食用に販売していくということにしております。
    それから、24、25ページ、特に25ページのところでございます。
     昨年の基本指針の中でお示しいたしました政府の備蓄米の買入れについて、年産更新していくということで、25万トン、26年産の契約ということでやっております。
     現在、第5回目はこの間やりましたけれども、第4回までの実績ということで、大体24万9,000トンということで、予定の25万トンがほぼ入札できたというような状況でございます。
    26ページは精米備蓄ということで、備蓄運営していく中でやはり災害の時に、実は玄米で我々通常持っていますので、すぐに供給できない。
    そこは精米をしなければいけないので、なかなか迅速に供給できないということで、東日本大震災発生後に我々一部精米で備蓄しております。
     精米であればすぐに被災地に届けてそのまま炊けるということで持っております。
     精米で持っておるのですけれども、大体どのくらい精米で持っていたら大丈夫なのかなどといった実証的な分析もあわせてやっております。
     昨年実施した結果というのは右側にあるのですけれども、右側の四角で囲った中で、例えば精米で持った期間が2カ月、4カ月、6カ月、それで、理化学分析、食味評価がどうであったかという結果を示しております。
    それで、専門家の方に入っていただいて分析した中では、例えば12カ月持っても主観による絶対評価ではございますけれども、そんなに食味が大幅に落ちたということではないのではないかと思っております。
    こういった精米としてどのくらい持てるか、あるいは少数ながら一定の精米の災害用の備蓄ということを引き続きやっていきたいと思っております。
     続きまして、27ページから29ページは前回同様でございます。
    それから、34ページ。
    これまで度々委員からもお話がございましたけれども、酒米につきまして尾畑委員からございましたが、酒造好適米はこれから輸出を拡大するということで、いろいろな運用の改善、あるいはそういった後押しということをやっているということでございます。
    38ページ、39ページは新規需要米の関係です。
    これは先ほど委員からも若干お話がありまして、こちらから回答いたしましたけれども、米粉の話でございます。
     例えば39ページ。
     粒では小麦より安いのですけれども、粉にしたところで若干高くなるので、こういったところを改善していけば更に需要が増えていくのではないかと思っているということでございます。
    40ページ以降は、飼料用米の動向なり現在の取組について記載しています。
    これは前回も御説明させていただいたものと変わっておりませんので、参考にしていただきたいと思っています。
     飼料用米へのいろいろな対策というものも、43ページに掲載しております。
    それから、今回は輸入の話でございますので、50ページから輸入の話に若干触れたいと思っております。
    50ページでガット・ウルグアイ・ラウンド交渉の結果ということで、平成5年12月に我が国として貿易、こういった交渉の妥結ということで受け入れを行ったということでございます。
    それから、51ページは、その交渉の結果、どういうことを受け入れたかということで、左側に「ガット・ウルグアイ・ラウンド合意に基づくミニマム・アクセス」ということで書いております。
     基本的には、一定のミニマム機会を設定し、それを受け入れるということでございます。
    それから、その当時は、関税化の特例ということで、基本的に関税化はしないで特例措置でやるというようなことをやっておりました。
    その後、関税化の特例措置というのをやめて、1999年関税化にしたということで、ミニマム・アクセスの量がどんどん増えていくのを抑えたというようなことでございます。
    ということで、こういった経緯に基づき77万トンの輸入ということを現在やっているということでございます。
    52ページ、53ページでございます。
     先ほど申しましたミニマム・アクセス米ということで買っておるわけなのですけれども、これについては、そのまま自由にしましたら主食用にそれがどんどん売られていくということで、需給に悪影響を与えるということで、国産米に極力影響を与えないよう国が一元的に輸入して、対応しているということが現在の国家貿易の仕組でございます。
    54ページ、55ページ。
    この中で、先ほど指針の中でSBSというお話をさせていただきました。
    54ページのところでございます。
    77万トン輸入する中で、一般輸入ということで国が買って、加工用なりそういったものに売っていくということが66万トン。
    それとは別に10万トン程度を予定いたしまして、輸入業者と流通業者がペアで入札に参加してということでやっているのがSBSでございます。
    こういったところで、基本的には用途を国が限っていないわけなので、主に主食用に販売されるというような状況でございます。
    あと、国が77万トン輸入をする、うちSBS10万トンということで、そういったものがどういうところに売られているのかということが57ページでございます。
     主に、主食用はSBSの分でございますけれども、加工用ですとか、飼料用ですとか、援助用といろいろなところになっております。
    こういったことに対応するため、財政負担も一定程度かかっているというのが58ページに書いてあります。
     以上、かいつまんで変更点なり、輸入関係のところを御説明させていただきました。
    それから、参考資料3にマンスリーレポートというのを参考に置いております。
     毎月ホームページ等で公表しております。
    こういったものもまた参考にしていただければと思います。
     以上、説明長くなりましたけれども終わります。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    ただいま、事務局から米の基本指針の変更に係る諮問事項について御説明がありました。
    このことについて、またそれに関連することにつきまして、どなたからでも結構でございますので御意見、御質問をお願いしたいと思います。
    それでは、津田委員、それから、尾畑委員、お願いいたします。
  • 津田委員
     今日の議題については、特に異議はありません。
     転作奨励金の見直しをこの間なさったわけですけれども、それに関連して2つほど教えていただきたいことがあります。
    いろいろな人から話は聞いてみますと、うまくいくだろうという方と、それはどうかなという人と2つに分かれます。
    2つお聞きしたいということの1つは、加工用米とか飼料用米等を作れば、10アール当たり平均すると8万円ぐらいらしいですが、奨励金をもらえるということになりますと、小規模な農家の方が、やはり貸し出しや譲渡をせずに自分で作ってしまうのではなかろうかという見方が結構ありまして、そうなると大規模化が進まないのではないかという心配をする人がおります。
    この点をどうお考えになるのかというのを教えていただきたい。
    それから、2点目でありますけれども、加工用米や飼料用米を作るとしても、需要先がはっきりしない段階でどんどん作ってしまうと、やはり供給過剰になりかねないのではないか。
    そうなりますと、今までは主食米の減反をしていたわけですが、そのかわりに加工用米とか飼料用米で今度は減反が必要になるのではないか。
    しかも、下手をすると毎年その過剰米処理対策というのが必要になってくるのではないかという心配をする向きがありまして、そういう面もあるかなという気もするのですが、この2点について、今の段階で皆さん方のお考えを伺いたいと思うのです。
     要するに、ある程度時間が経ってみないと本当のところは分からないというのが正直なところのような気もしますけれども、今の段階でのお考えを伺いたいと思います。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    それでは、尾畑委員、お願いいたします。
  • 尾畑委員
     酒米についての御対応、いろいろとありがとうございます。
     御報告にもあるように、清酒の需要数量は横ばいから微減を推移しつつも、特定名称酒、例えば純米吟醸が112%強と伸びています。
    よって、仕込みに使用する原料米自体は増加しております。
    また、輸出について、金額ベースでは前年比プラス18%と好調で、今後も全体的に増加すると見込まれています。
    さらに、20代を中心とした若年層に日本酒を飲む傾向が出ておりまして、新しい市場の形成が期待されるなど、各方面の御協力によりお陰様で全般的に良い環境が整いつつあると思っております。
     次に、製造の現場から見ますと、先ほどありましたように酒造好適米の不足については純増分、枠外についての生産が可能になったということ。
    そして、やはり不足しておりました加工用米については、新たに追加助成がつくということで、原料酒米の確保について状況は大きく改善されると期待しております。
    その中で、お願いをしたいところが一つございます。
     加工用米の追加助成に係る複数年契約のルール作りについてなのですが、ある程度柔軟に、また、需給サイド双方にとって安定かつプラスになる取組になるよう、細部を詰めるに当たりましては現場の声を反映していただければ幸いです。
     以上です。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    そのほかに御質問は。
    それでは、冨士委員、お願いいたします。
  • 冨士委員
     松尾課長に説明していただいた参考資料2「米をめぐる関係資料」の15ページに、新しくお茶碗1杯26円という資料を入れていただきましてありがとうございました。
    ただ、次回から改善点として、100円でお茶碗4杯分というのは分かりますので、これにかわって、前回も言っていますが、コンビニのおにぎり100円の原価構成に占める米代は20円ぐらいだということで、米価が半分に下がってもおにぎりの価格は大きく下がりません、半分にもなりませんということを分かり易くしていただくと、もっと良い資料になるかなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
    それから、その他でございますが、昨年の10月に安倍総理を本部長とします地域の活力創造本部において、農業をこれから成長産業にしていくのだということで、今後10年先には農業の所得を倍増するという目標を掲げた地域の活力創造プランが策定されたわけですが、米・麦・大豆といった主要穀物において、10年後所得を倍増していくという手段・方法・絵姿というのは、大きく言えば、コスト・収量・売上の3つをどうするかということだと思いますが、その辺の絵姿があるのか。
     今後そのことについてどう議論していくのか、お考えがあったら教えていただきたい。
    3つ目は、食糧部会の運営でございますけれども、基本計画を5年に1回見直すということで、3月の閣議決定に向けて、この食料・農業・農村政策審議会の企画部会は毎月1回以上開催し、熱心な議論をされておりますが、同じ政策審議会の畜産部会も同様に毎月1回議論をしております。
     食糧部会は、食糧法に基づく諮問事項だけを季節的に議論するということで良いのでしょうか。
    それとも、やはり食料・農業・農村政策審議会の食糧部会としても、主要穀物についての基本計画に関する議論をしていく必要があるのではないかと思いますけれども、その辺についてのお考えがあればお聞かせいただければと思います。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    それでは、木村委員。
  • 木村委員
     木村でございます。
    この基本方針の一部変更については、別に異議はございません。
     先ほどからSBSの話も出ておりますが、SBSは今年は大変低調で、国内の価格が大分下がってきたということがあり、それはもっともな話だと思うのです。
     前年度は国内価格も非常に、24年産の価格が高騰したということもあり、SBSをもう少し増やしてほしいとかいろいろな実需側からの要求も出た年ではあったと思います。
     現在の状況を今、それほど大きく変えるというようなことは何も必要はなく、実態を反映していけばよろしいかなと思うのです。
    ただ、いずれにしても24年産の価格の高騰というのが、価格の水準の問題ということもあると思うのですけれども、先ほどの資料でいろいろ御説明していただいたように、24年産と25年産は大変価格が変わってきております。
    そして、在庫を見ていただいても、民間の在庫は非常に増えている。
    そして作況指数が102だったということを考えてみますと、やはり需給が十分に反映されないという中で価格が固定的に動いてきたということにより、需要と供給のミスマッチというのも発生し、何回もこの会でもお話しているのですけれども、需要側が、特に外食・中食関係はご飯の使用量を少し減らすとかという行動に出て、実際それが最終的にどれくらいの減少になったか分かりませんが、想像するに20~30万トンぐらいに相当するのではないかというふうな話もされております。
    そういうことを考えてみますと、過去の米不足の時もそうでしたけれども、価格が高騰し、米が不足しているという状況。
     実際、価格が高騰していった後に、やはり需要というのは大変落ちていると思います。
    そして、この米穀機構の調査によっても、米の消費動向で言いますと、24年産に該当する25年の消費の減少というのは、前年対比で見ると11%減ったとか8%減ったとか、いわゆるトレンドで1%、8万トンほど減少していくという需要とは大分かけ離れた数字になっております。
    ですから、価格のインパクトは非常に昨年は大きい年だったということで、やはりいわゆる需給を反映した価格の形成というものが、なかなか思うようにいっていない現状。
    それから、比較的高く米価を維持をしていくべきだというようなお考えもいろいろあるのではないかと思いますが、そういう政策が結果的には、政策と言いますか、そういう考え方そのものが需要を減らしてくという。
     我々米生産から販売に携わる関係者一同が一番嫌なことは、需要が減るということでございますので、これを何とか。
     減らすのを回復するのが難しいということは過去の例からも見えるわけで、いかに減らさないようにするか、いかに需要者の方たちが食べやすいという状況を作るか、実需の方たちが使いやすいという状況を作るかということ。
    これが一番大切だと思います。
     先ほど、冨士委員からコンビニのおにぎりの米の原価がどれくらいかというようなお話が出まして、それはとても良いと思うのですね。
    それと同時に、コンビニのおにぎりに使っている米の原価を見た時に、これならうちで作ろうよという気持ちになっていただくということも、一方では消費者の方の中にも出てくると思いますので、これはこれで大変よろしいのではないかと思っております。
    そういうことで、過去の流れから見ますと、なかなか米価の問題と消費の減少というのですか。
    ここら辺はやはり高値の時には需要を全体的に減らすということになってくるので、もう少しそこら辺もお考えに入れて、米の今後に向けての政策と言いますか、要は生産者から我々流通まで含めて、皆がいかに食べていただくのかというところに向かって力を一致できるような、ゴールはここだぞということを、単なる数字だけではなしで示していただけるようなことがこの時期大変大切な転換期にきているのではないかと思いますので、それを是非申し上げさせいただきたいと思います。
     一番最初に、副大臣からも、農家の方たちもみずからの経営判断ができるような環境を作っていくということは大切なのだよというふうに仰っていられたので、是非その方向に向かって進んでいただけるようにお願いしたいと思います。
     以上です。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    4名の方から今、御質問、御意見がありましたので、事務局の方からお答えいただければと思います。
  • 松尾農産企画課長
    まず、津田委員から2点ございました。
     我々は資料では「米をめぐる関係資料」の中では36ページですね。
     前回、昨年予算で決まりました水田活用の直接支払交付金ということで書いております。
     例えば、これは大枠は前年と変えておりませんけれども、例えば麦・大豆ですと3万5,000円。
     加工用だと2万円。
     飼料用だと、これは数量払いを入れておりますので、5.5~10.5万円。
    こういったことを支援しながら水田のフル活用をしていくということでやっております。
    これについて、例えばこれだったら小規模の方々が引き続きやり易いのではないかというような御指摘をいただきました。
    それで、実は水田で今、こういった麦とか大豆を作っている方々というのは、意外と規模の大きい方々、担い手と言われている方々がかなりの部分を占めております。
    そういった中で、必ずしもそういったところが、また、小規模の方々にということではないのかなと。
    あるいは、加工用、飼料用、こういった米で需要があるものを作っていくということでございますけれども、こういったものにつきましても、これから水田、主食を含めた全体の中で、農地中間管理機構ということで今回やっていきながら農地の集積等を進めていくということをしておりますので、そういったところで対応していくということなのかなと思っております。
    それから、加工用とか飼料用米で需要がないものを作っては余ってしまうのではないかというような御指摘をいただいております。
     実は次の38ページに書いてある新規需要米等というものでございます。
    これは上から米粉用、飼料用、WCS用稲等々加工米までございます。
    こういった水田で主食以外でやっていただいているお米について、実は播種前契約で、播種の前に実需者と生産者、あるいはそこの集荷業者が代理して行うというのがありますけれども契約をして、契約があったらやってくださいということにしておりますので、例えば売り先もないのにやっていくというようなことは基本的にはないということであります。
    そういう意味では一定の、例えばどんどん加工用米を作っていくのだということであっても、それは契約が前提になりますので、ある意味需要に見合って作られていくというようなことでございます。
    それから、冨士委員からコンビニのおにぎりの話がございました。
    これにつきましては、なかなか難しいですが、どういう形で出せるか検討するようにしたいと思っております。
    それから、ここで簡単に答えられるかどうかというのはあるのですけれども、先ほど企画部会で毎月1回、あるいは畜産部会で毎月1回ということでこれから御議論されるのですよというお話なのですけれども、これは基本的には、企画部会は基本計画を作るということで精力的に御議論されるということでございます。
    また、畜産部会も酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針及び家畜改良目標。
     基本計画とあわせて酪肉近というものを今度また作るということで前回と言いますか、これまでと同じようなことでそれに向けて精力的にやっていただいている、精力的に議論をこれから期間を絞ってやっていく、そういうふうな建付け、考え方ではないかと思っております。
     我々食糧部会につきましては、引き続き7月、11月、3月と基本指針をメインにやっていくのかなと思っております。
    それから、木村委員から、米価と需給というようなお話がございました。
     前回の食糧部会で少しお話ししましたけれども、基本的に米の価格というのはここの中の、先ほどの資料にございますように年によって変わっているわけで、年の中でも変わっております。
     基本的に民間取引の中で形成されていくということでございます。
    ただ、我々そういった価格を売り手の方、買い手の方双方で決定していくに当たって、やはりよりいろいろな情報があって、客観的な立ち位置を見ながら決めていただくということがより良いのではないかということで、ちょっと申しましたけれども、今回、4月からかなり米に関するマンスリーレポートの内容を充実させていこうと思っております。
     具体的には、現在、価格の公表ということで相対価格の公表をしております。
     大体40~50銘柄を倍ぐらいにしたい。
    あるいは、例えば今、全国の在庫数量、民間の在庫数量は毎月出しておりますけれども全国1本になっていて、通常、米の取引は産地品種銘柄で行われておりますので、そういう意味ではどこの米がどうこうというのがなかなか分からないことになっておりますので、こういった在庫数量につきましても産地ごとに出していきたい。
    あるいはそういった契約、販売の進捗が産地ごとでどうなのかといったことも出していきたい。
    こういったよりきめ細やかな情報提供をすることによって、きちんとした価格というのが売り手の方、買い手の方双方納得して形成されていくと思っております。
    それから、先ほど尾畑委員からございました加工用米の複数年契約。
    もともとこういったものを入れなければという発想が委員からもございましたけれども、やはりいろいろな主食の価格動向などを引きずりながら加工用の値段も決まっていったりするわけですが、その際できるだけ長期にわたって実需の人と作る人がちゃんと手を結んで「いやいや、私、今年はこれを作るからちょっとここには出しません」とかそんなのではなくてですね。
    あるいは、買っていただく方も「今年はここの産地の方が安いから、そちらの方から買うから良いよ」とかいうのではなくて、手に手をとって安定的に取引してもらう。
    そういったことでお互い信頼関係もできて、価格もお互い納得いくところについていくと思って、そういう意図からこういった複数年契約をインセンティブとしてつけさせていただいております。
    そういう意味では、インセンティブとしての効果も発揮しなければいけないので、よく対応していきたいと思っております。
  • 天羽政策課長
     冨士委員から「農林水産業・地域の活力創造プラン」について御発言をいただきました。
    これは昨年12月に決定されたものでございまして、その中で農業・農村の所得の倍増を目指して施策を展開していくといったことが示されているということでございます。
     来年に向けて基本計画の見直しの作業を進めておりまして、先ほど冨士委員から御発言があったとおりですけれども、まず農業の方で所得を増やしていく。
    そのためには付加価値を上げて、販売額を上げていくというのは勿論でございますし、コストを削減していくというのも大事でございます。
     併せまして、農村の所得ということで、6次産業化を進めていく中で農村の所得も増やしていくといったことをまさに基本計画の改定に向けて御議論いただくということだと考えております。
  • 中嶋部会長
     以上、お答えいただきましたが、よろしいでしょうか。
    それでは、廣瀨委員、村松委員、お願いします。
  • 廣瀨委員
    ちょっと追加で申し訳ございません。
     今日のお話をいろいろ聞いておりましても、日本の人口は減っていく。
    しかも1人当たりの米の消費も増えない。
    むしろ減り気味である。
    そういう中でどんどん尻すぼみになっていくような話があるのですけれども、他方で、観光の面からしますと今、1,000万人強が、2020年で2,000万人、2030年で3,000万人というようなインバウンドの人が来てくださるわけですね。
    それは単にサイトシーリング、あるいは土産物、あるいは交通手段を使われるだけではなしに、まさに和食が世界無形文化遺産になったこともあり、それを食べていただく絶大なる機会があるわけなので、これへの対応をもっと戦略的にどうしていくか。
     単に、観光というような観点だけではなしに、食の面で売り込む絶好の機会だと思うのです。
     勿論ミラノ博に出られるということも聞いております。
     先ほどの冨士さんのお話で、ご飯1杯65グラム。
     今、ちょっと計算してみますと、1,000万人に1杯食べていただきますと650トンぐらいいく。
    それが1度の旅行で3回ぐらい召し上がっていただいたりするとか、あるいは今より2倍の方が来られる、2,000万人に増えるとなってきますと、それだけで4,000トンとか5,000トンになってくる。
    やはり細かいものを積み上げて地道にやっていかなければいけない。
    ただ、べとべとしたご飯は嫌いですよ。
    せっかく我々が外国のお客様を招待して松茸ご飯を出しても、欧米の人は、食べてくれない。
    これはもったいない。
     彼らの口に合わないのですね。
    ただ、寿司は食べる。
     寿司はなぜ食べていただけるのだろうかというところの嗜好を、もっともっとマーケティングして、寿司ならいけるのだったら寿司を多く出して食べていただくとか、いろいろな知恵を絞って、日本は観光客の2,000万人増に対して食の面でどう取り組んでいくかということを戦略的にやっていけば、1万トンぐらいかもしれませんけれども、それでも、やはりそういうものを積み上げていかないと増えてはいかないと思います。
    せっかく日本のすばらしい米、あるいは食文化、そういう売り込むものが目の前にあるわけですから、是非こういうところへの取組もやっていくようにしなければ、ただじり貧で学校給食どうこうと言ったってなかなか難しいわけなので、むしろチャンスがあるものについては積極的に食らいついていくというような挑戦をしていくべきではないかなと思ったものですから、追加的に申し上げさせていただきました。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    それでは、村松委員。
    その後、平石委員、お願いします。
  • 村松委員
     米飯学校給食の拡大に向けた取組のところなのですが、政府備蓄米の無償交付について前回もお尋ねしましたが、この表記が非常に分かりにくいので、次回の時で結構ですので、例えば政府備蓄米の無償交付の説明書とか申込書のようなものを拝見できればと思います。
    この仕組、取組を御存じない方が学校給食関係者に多いのではないかという印象を私は持っておりまして、もっとこういったシステムを皆さんにお知らせすることも大切なことではないかと思います。
    ただ、その申込手続があまり煩雑だと利用しにくい面もあるかと思いますので、是非その申込書を拝見したいと思っております。
     次回で結構ですので見せてください。
    よろしくお願いいたします。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございます。
    それでは、平石委員、お願いいたします。
  • 平石委員
     平石です。
     生産者の立場としてちょっとお話、質問させていただきたいと思います。
    この度、この頃の農業政策の中では、雪害対策、中山間地補償、あと、中間管理機構による農地の集約、地域での共同活動、また、鳥獣対策とかいろいろな場面での対策は十分やってもらっているというか、対策がなされながら農業経営が進んでいると私どもは思っておりますけれども、その反面、ばらばらではないのですが、それぞれはそういった対策はあるのですが、昨日の説明とかでも微減で進んでいるが、これから本当に、食糧の需要と供給のバランスも含めてかなりの落差で落ちてきた時に、私としては10年後、20年後も踏まえた日本農業の農地はどれだけ必要なのか。
    そこから反対に考えていただけると、緊急的な対策も含めてこれだけの農地は日本は守っていかないとやっていけないのだというところの発想も含めて。
     私たちも専業農家として、うちでは30ヘクタールほど農地をやっていますけれども、100ヘクタールの方が、価格の安定をこの中ではやっていく中で、これは安値安定でいくのか、高値安定でいくのか。
     安値安定で1俵1,000円下がると、100ヘクタール規模の農家ですとその年に1,000万円収入がマイナスになるわけです。
    これは田植えした時には分からない。
     秋の稲刈りした時に1,000万円マイナスになったというとんでもない博打みたいな農業となってしまいます。
    これでは新しい担い手が「よし、俺も農業しよう」という形での参加というのはあり得るのかなと、ちょっと疑問に思います。
    そこで、農業政策の中で、50ヘクタールでこういったタイプの農業をしていれば絶対に生活できるのだという指針を示してくれとか補助金をくれという意味ではないのですが、日本の農業のあり方、日本の国民の食料を守るというスタイル目標がもしあったら、なるべくそういった形で私どもにも説明していただければありがたいと思います。
    よろしくお願いします。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    それでは、今の3人の委員からの御質問、御意見についてお答えいただければと思います。
  • 綱澤米麦流通加工対策室長
    まず、学校給食につきまして、説明書・申込書ということでございまして、前回御指摘いただいた際に、これまで地方農政局が受付でございましたので、地方農政局のホームページに申込書等を掲載させていただいていたのですけれども、それ以降、農林水産省の本省でもホームページに掲載させていただくことにいたしまして、その後何人かは見ていただいているようでございますが、次回までにはどのようにお知らせしているかも含めてお示しをさせていただきたいと思います。
    また、米のマーケティングにつきまして、もう少し積極的に取り組むべきだということで御指摘をいただいております。
     私ども、消費者の食の簡便化志向というのもあるものですから、ご飯食の良さをお知らせしようということで取り組ませていただいております。
     主にこれまでは国内の消費者の方に簡便な朝食であるとか、あるいは給食、お弁当のメニューであるとか御提案をさせていただいて、実需者の方が積極的に商品開発に取り組んでいただけるような環境作りもやらせていただいたところでございますけれども、それをさらに広げて、外国人の方も含めてもっともっと商品開発ができるような、そういうことをやりたくなるような環境を醸成していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
  • 天羽政策課長
     先ほど廣瀨委員から、観光だとかインバウンドの1,000万人、2000万人という外国人旅行客をしっかり捕まえていくべしという御意見いただきました。
     私どもも全くそのとおりだと考えておりまして、来年は食をテーマにしたミラノ万博が開催されますし、2020年にはオリンピック・パラリンピック東京大会というように機会を捉えて、内外の和食なり日本食材のマーケット需要をつかまえていかなければいけないと考えております。
    そのことが、先ほどの冨士委員のコメントにもありましたけれども、農業なり農村の所得を増やしていく上で大きなチャンスになると考えております。
    しっかりやっていかないといけないと思っております。
    それから、平石委員から、例えば農地など10年後、20年後どういうふうな見通しになると考えているのかといったコメント、質問がございました。
     基本計画の中で経営展望、構造展望といったものを示すべく、これからでありますけれども議論をしていただく予定でございます。
    まずは現行基本計画の検証というところからスタートしておりますけれども、夏以降になると思いますけれども、将来に向けての展望についても審議会で御議論いただきたいと考えております。
  • 中嶋部会長
    ありがとうございました。
    よろしいでしょうか。
     今、いろいろ御意見伺いました。
     食料の安定供給にかかわる様々な施策に大変参考になる御意見をいただきましたし、今、政策課長からも御指摘ありましたが、基本計画の見直しを今、進めておりますけれども、そこにおいても非常に参考になる御意見もいただきましたので、担当部局の方々には是非これを考慮していただきながら議論を進めていただければと思っております。
    それでは、大変活発な御議論をいただきました。
    ここまで御審議いただきましたが、以上を踏まえまして、本部会としては本日、農林水産大臣から諮問のありました米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針(案)の内容については適当と認めてよいと考えますが、その旨、決議してよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

  • 中嶋部会長
    ありがとうございます。
     異議なしと認めます。
    それでは、食料・農業・農村政策審議会令第8条第2項の規定により、議事の決定に必要とされている出席委員の過半数を超えておりますので、本件につきましては適当と認める旨、議決いたします。
    その答申案をただいま事務局から配付してもらいますので、お目通しをいただき、御確認いただきたいと思います。

(答申案配付)

  • 中嶋部会長
    これでよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

  • 中嶋部会長
    ありがとうございます。
     本食糧部会の議決につきましては、審議会の議決とすることとされておりますので、後ほど食料・農業・農村政策審議会として農林水産大臣に適当と認める旨の答申をいたしたいと思います。
    ありがとうございました。 

(3)その他

  • 中嶋部会長
    それでは、議事3「その他」につきまして、事務局から何かございますでしょうか。
  • 松尾農産企画課長
    ございません。
  • 中嶋部会長
    それでは、本日予定の議事につきましては、全て終了いたしました。
     最後になりますが、本日の議事につきましては、議事録として整理し、公開することとなります。
    その整理につきましては、私に御一任願いたいと存じますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

  • 中嶋部会長
    ありがとうございます。
    それでは、進行を事務局にお返しいたします。
     本日は活発な御議論をありがとうございました。
  • 梅下農産企画課課長補佐
     中嶋部会長、どうもありがとうございました。
    それでは、閉会に当たりまして、今城農産部長よりごあいさつ申し上げます。
  • 今城農産部長
     委員の皆様、本日は長時間にわたりまして本当に熱心な御議論をいただきまして、誠にありがとうございます。
    また、本日の主題でございます麦の需給見通し、米の基本指針の変更につきまして、御了解ということをいただきまして答申をいただき、誠にありがとうございます。
     部会長も仰るとおり、非常に御示唆に富む御意見をたくさん頂戴した次第でございますので、私ども今後の施策の検討におきまして、しっかりと御参照させていただくということで頑張っていきたいと思っております。
     重ねて、本日の精力的な御審議ありがとうございました。
     以上でございます。
  • 梅下農産企画課課長補佐
    それでは、以上をもちまして、本日の食糧部会を終了させていただきます。
     長時間にわたり、どうもありがとうございました。

お問合せ先

農産局企画課

代表:03-3502-8111(内線4971)
ダイヤルイン:03-6738-8961

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