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食料・農業・農村政策審議会食糧部会 議事録(令和2年10月16日開催)

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開会

  • 日笠農産企画課課長補佐
    ただいまから、食料・農業・農村政策審議会食糧部会を開会させていただきます。
    委員の皆様方におかれましては、お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
    初めに、食料・農業・農村政策審議会臨時委員として長らくお務めいただきました金井委員が御退任され、新たに馬場委員が就任されておりますので、御紹介させていただきます。
  • 馬場委員
    JA全中の専務の馬場でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 日笠農産企画課課長補佐
    ありがとうございます。
    開会に先立ちまして、本日の委員の皆様の御出席状況でございますが、ここに御列席の皆様、そして今回は有田委員、長部委員、根本委員、平田委員及び真砂委員におかれましては、ウェブで参加を頂いてございます。
    なお、加藤委員におかれましては、所用により御欠席との御連絡を事前に頂いておりますので、御報告申し上げます。
    結果、全体の3分の1以上の委員に御出席を頂いておりますので、食料・農業・農村政策審議会令第8条の規定により、本部会は成立しております。
    それでは、開会に際しまして、葉梨農林水産副大臣からごあいさつをお願いします。

農林水産副大臣あいさつ

  • 葉梨農林水産副大臣
    皆様、こんにちは。この度の内閣改造で農林水産副大臣を拝命いたしました葉梨康弘でございます。衆議院、選挙区は茨城で、水田地帯でございます。
    本日の食料・農業・農村政策審議会食糧部会、皆様お忙しい中御参集賜り、またウェブでも御参加を頂き、本当にありがとうございました。
    御案内のように、9月15日現在の作柄でございますけれども、作況指数101、735万トンの生産量という速報値が出ております。需要に関しましては、正にこれも御案内のとおり、今年は新型コロナウイルス感染症の問題もありまして、非常に難しい状況にあります。そういった意味で今日は、7月に策定した米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更について御諮問をさせていただきました。
    令和3年、4年の米穀の需給等々について、早くに私どもとしてもメッセージを出していかなければいけないと考えておりますので、本日は是非、忌憚のない御意見を承れれば幸いに存じます。よろしくお願いを申し上げます。
  • 日笠農産企画課課長補佐
    ありがとうございました。
    恐れ入りますが、カメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
    本日の食糧部会では、御覧のとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐための対策を講じておりますが、御出席並びに傍聴される皆様におかれましては、会場におけるマスクの着用につきまして御協力をお願いいたします。また、一定時間ごとに換気を実施いたしますので、あらかじめ御承知置きいただければと存じます。
    今回もペーパーレス審議会とさせていただきますので、資料は会場の皆様方の机上に置かせていただいておりますタブレット端末で、またウェブで御参加される委員の皆様には、先ほど電子メールでお送りさせていただきましたファイルを御覧頂きますようお願いいたします。
    議事に入ります前に、本日の資料確認をさせていただきます。
    資料一覧に記載してあるものが揃っているか御確認いただきまして、資料の不足などがございましたら、お申出いただきますようお願いいたします。
    御発言の際には、事務局がマイクをお持ちいたしますが、こちらは御使用の度にアルコール消毒をさせていただきます。
    タブレット端末等につきましては、動作の不具合が発生した場合には事務方に合図をしていただければと存じます。また、資料への書き込みなどの必要から、紙の資料や筆記用具などを御希望される委員におかれましては、議事進行中でも結構ですので、こちらも事務方に合図を頂ければと存じます。
    それでは、この後の議事進行につきましては、大橋部会長にお願いしたいと思います。

議事

  • 大橋部会長
    皆様、改めましてこんにちは。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
    まず、本日の審議会の取扱い及び議事の進め方について確認をさせていただきたいと思います。
    本部会については、審議会議事規則第3条第2項の規定により、会議は公開とすることとされています。
    また、本部会における皆様方の御意見等につきましては、議事録として取りまとめた上、公開をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
    本日は、米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更につきまして、農林水産大臣から食料・農業・農村政策審議会に諮問がありました。事務局から御説明の後、委員の皆様方からの御意見、御質問を頂戴した上で、基本指針の案が適当かどうか議決をしたいと思います。委員各位、それから事務局におかれましては、効率よく議事が進められますよう、円滑な進行に御協力を頂ければと思います。
    全体としてこんな形で進めていければと思うのですけれども、特段御意見あれば頂ければと思いますが、いかがでしょうか。
    それでは、そのように進めてまいりたいと思います。
    それでは、議事の(1)米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更について御審議を頂きます。
    まず、事務局から諮問文書の読み上げを頂いた後、資料の御説明を頂ければと思います。よろしくお願いいたします。

(1) 米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更について

  • 佐藤農産企画課長
    政策統括官付農産企画課長の佐藤でございます。
    それでは、まず資料1、諮問を読み上げさせていただきます。

2政統第1289号
令和2年10月16日

食料・農業・農村政策審議会会長殿

農林水産大臣 野上浩太郎

諮問

米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更について、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律第4条第7項において準用する同条第4項の規定に基づき、貴審議会の意見を求める。

以上でございます。
それでは、資料2が今回の基本指針の変更案でございますが、この内容について、主に参考資料1を使いながら御説明をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
その前に、まず先ほど葉梨農林水産副大臣からのごあいさつにもございました、また、先般、閣議後の記者会見で御質問があったときに野上農林水産大臣の方からも皆様にお伝えをしておりますが、食糧部会は例年ですと、秋は11月の下旬に開催してきたところでございます。食糧法上は11月30日までに必要に応じて基本指針を変更するようにという規定がありますので、例年は10月15日現在の作柄データを踏まえて需給見通しを変更するということで、昨年は11月20日に開催をしたところです。今回は1か月ほど前倒しをして開催をさせていただくということにしたのですけれども、これにつきましては需給の緩和が見込まれる中において、令和3年産の主食用米の作付けに向けて、早期に産地の皆様に議論を開始していただく必要があると考えたということ、それから、既に産地の皆様からも国の需給見通しをできるだけ早く示してほしい、そういった御要望もございました。これは従来からもあったわけですけれども、そうしたことで今回は9月15日現在の作柄概況を既に公表させていただいておりますが、それを基に基本指針を変更するということで、今日は世界食糧デーでありますけれども、この日に開催をするということになったということです。委員の皆様におかれましては、お忙しいところ御都合をつけて御参加いただきましたこと、改めて御礼を申し上げたいと思います。
それでは、今回の基本指針の変更案につきまして、参考資料1、これは2枚紙になっていまして、こちらを御覧いただければと思います。
まず、左上には皆様方から適当であると認めていただきました7月の基本指針を置いております。このとき、6月末の民間在庫量が201万トンになったということを御報告をした上で、生産量はまだ作柄が分からないということで、昨年の見通しと変更せず、709万トンから717万トンと置いておりました。また、令和2年から3年の需要量につきましては、従来より算出に採用している手法に基づいて715万トンと置かせていただき、来年6月末の民間在庫量の見通しとして196万トンから204万トンになると、こういう需給見通しを出していたところでございます。
右側が今回の変更としてお示しをする需給見通しになります。
まず、上は令和2年から3年の数値になります。先ほど葉梨農林水産副大臣からもお話しいただきましたが、まずAの欄の6月末の在庫量201万トンは、7月にお示ししたものと同じです。Bの欄の生産量は、9月15日現在の全国作況101を踏まえると、735万トンと見通すことができます。
それから、需要量につきまして、まず御説明をしたいと思います。
7月の基本指針を御議論いただいた食糧部会においても、この715万トンという数字については様々な御指摘を頂きました。一言で言うと甘いという御指摘も当時頂いたところでございます。前年の需要実績が713万トンで、そこから2万トン増えるということにつきまして、今のこの新型コロナウイルス感染症禍の状況等を踏まえると、実態とそぐわないのではないかという御指摘も頂いたところです。
我々が普段使っている算出の計算式に入れますと、これは過去のトレンドを追った形でやっておりますので、やはり需要が落ちた翌年は需要が戻るというような傾向もありますので、713万トンが715万トンになるということは十分あり得ることではありますが、御指摘いただいたとおり、やはり新型コロナウイルス感染症の影響が今年は特別な要因としてありますので、こちらをきちんと見るということが必要だと思いまして、その結果として715万トンの横に709万トンという数字を置かせていただきたいと思っております。
この計算の709万トンという根拠につきましては、この参考資料1の2枚目の基本指針(案)のポイント(考え方)の上段のところに、少々細かいのですが書かせていただいております。真ん中より少し上のところですが、ここの需要量は今年の7月から来年の6月までの1年間ということですので、新型コロナウイルス感染症を中心とする今年の特別な要因による需要減少量を推計しました。
まず、推計に当たってベースとさせていただいたのが、農林水産省の方で毎月大手の米穀卸売業者の皆様に御協力を頂いて、販売動向の調査をさせていただいています。これを先般、特別に少し内容を拡充した上で調査をさせていただきました。普段は精米ベースの販売数量の調査をしているところ、玄米ベースも含めた販売数量を調べさせていただいた上で、特に新型コロナウイルス感染症の影響が出てきてから販売数量がどのぐらい変化しているのかというのをお伺いしましたところ、調査の対象は29社で、販売数量で見ますと大体シェア50%ぐらいを占める皆様ですが、今年の6月から8月の3か月間、これは緊急事態宣言が解除された後の3か月間で直近の数字ですけれども、この29社合計で販売数量の減少量が2.4万トンあるということが調査の結果として出てまいりました。
この2.4万トンを今年7月から来年6月までの全体の需要量の減少に引き延ばして推計をするというやり方をさせていただきましたが、まずその考え方としては、この29社で2.4万トンを市場流通量、ここで我々は市場流通量は農産物検査の数量ということで、直近で検査数量が把握できる平成30年産を使わせていただきましたが、これが427万トン。この427万トンで6月から8月の減少量は幾らになるかと計算すると、4.1万トンと出てまいります。これは6月から8月の3か月間ですので、これと同じような状態がこの後、来年の6月まで1年間続くと仮定して、12か月に引き延ばすと全体で16.3万トンという数字になります。ただし、この16.3万トンにはもちろん新型コロナウイルス感染症の影響もありますが、残念ながら日本は人口減少、高齢化が進んでいますので、新型コロナウイルス感染症がなくても毎年10万トン程度需要量が減少すると我々は申し上げておりますが、こうした構造的な要因によって減少している分も当然この1年には発生します。その分の5.9万トンを除くということになると思いますので、16.3万トンからそれを引いた上で需要量のトレンドによる影響というのを除いて算出すると16.3万トン引く5.9万トンで、ここに出てこない10.4万トンというのは主に新型コロナウイルス感染症の影響によって今後1年間で減少する需要量ではないかと算出しました。
その上で最終的に5.2万トンという数字を出したのですが、注1を見ていただきたいのですけれども、10.4万トンに2分の1を乗じております。これはここに書いてありますとおり、特にこれから、今年7月から来年の6月です。7月、8月は大変厳しい状況が続き、今、少しずつ様々な形で需要の回復の方向に向かって進みつつある中で、これから来年になって消費がまた盛り上がることも一定程度あるのではないかということで、1年間トータルで見たときに、この6月、7月、8月の3か月と同じような需要の減少がずっと続くというわけではなくて、少しそれが回復していくということも織り込んで、この2分の1というものを乗じるという考え方を採用してはどうかと考えた次第であります。そういうことで、715万トンからこの5.2万トンというのを引いて数字を丸めますと709万トンになる。これが今回お出しする需要量の考え方でございます。
その結果、また1ページ目に戻っていただきますが、来年6月末、令和3年6月末の民間在庫量は221万トンから227万トンになると見通すことができると考えているところです。
これらの数字は、まず9月15日現在の作柄を採用しております。この後、10月15日現在の作柄も出てくることになります。生産量の方も変動する可能性がありますし、需要量の方も今言ったような考え方で709万トンから715万トンとお示しをいたしますが、当然ながら新型コロナウイルス感染症の状況、また、もしかすると残念ながらもっと状況が悪化してしまうこともあり得ると思いますし、価格の動向によっては少し需要量が上向きになったりすることも考えられますので、これらの数字は、変動する可能性があると見ているところでございます。
下の段でございます。令和3年から4年の主食用米の需給見通しをお出しするというのが、この秋の基本指針の変更で一番大きなところになりますが、こうした令和2年から3年の数字を踏まえて考えました。この下の令和3年、4年の需給見通しは2列に出ているというところでございまして、参考値も併せてお示しをしたところでございます。
まず、この基本指針としての本体の数字は左側の方ということで捉えていただきたいと思います。考え方として需要量から御説明しますが、Hの欄、需要量は704万トンといたしました。これは従来どおり、我々が使っておりますトレンドを踏まえた算出の計算式に、上の709万トンから715万トンという数字をデータに入れて計算した中央値がちょうど704万トンになりますので、この数字を置かせていただきました。
そして、在庫量については196万トンから201万トンとしておりますが、Fの生産量、これを679万トンと置きました。こういった考え方としては、この一番下、令和4年の6月末の民間在庫量を需給と価格の安定を図る観点から、令和2年6月末の民間在庫量201万トン、これを上回らない水準を目指すということにしたときの生産量679万トンということになります。これは今年の生産量、今のところ735万トンですが、作況が100だとすると729万トンぐらいになりますので、そこから考えると今年よりも50万トン生産量を減らさなければいけない、そういうことが必要だという数字になります。
右側の参考値でございますが、これは議論の参考にということでお示しをしております。過去に1年間で主食用米の作付面積を一番削減したときというのは平成27年産でございます。このときは1年間で6.8万ヘクタールを減らしています。もしこの6.8万ヘクタール削減という過去に実績のあるものと同じだけの面積を減らすとすると、作況100ベースで36万トン減の692万トンという生産量が出てくるということになります。この場合、令和4年6月末の在庫は209万トンから215万トン、210万トン前後の水準になるということを参考までにお示しをしております。
左側ですと50万トン削減ということですので、面積でいえばおよそ10万ヘクタール減らさなければいけない、そういう数字ということでございまして、大変厳しい数字という受け止めにはなると思っております。
我々としましては、やはり新型コロナウイルス感染症がなくても本当に毎年10万トンベースで需要量が減少していくという中で、いま一度水田フル活用に関係者の皆様に真剣に取り組んでいただきたいという思いもあり、こういった数字をお示しすることとしたいと思っておりまして、委員の皆様から御意見を頂ければと思っております。
以上が需給見通しの数字の御説明でございました。
なお、簡単に参考資料2の「米の基本指針(案)に関する主なデータ等」について、一部御説明をさせていただきたいと思います。時間の関係もありますので全部は御説明しませんが、作況は先ほど申し上げたとおり前半に書いてあります。また、都道府県別の作付けの状況などが前半にございますが、最初に6ページを御覧いただきたいと思います。
需要量の新型コロナウイルス感染症等の影響分というのを推計するものに使わせていただいた調査、先ほど口頭では申し上げましたが、その調査の詳細について6ページ、7ページで御説明をしておりますので、御参照いただければと思います。特に6ページの方を見ていただくと分かりますとおり、調査対象の29社のデータではありますけれども、販売数量の今年の3月から8月までのデータを見ますと、やはり新型コロナウイルス感染症の影響で巣籠もり需要ということで、家庭用の小売向けの販売数量は、前年と比べるとこの期間で7%増えている。その一方で、中食・外食向けが大変大きな落ち込みになっておりまして、我々が調査した対象の皆様だと中食の方が減少が大きく22%減、外食が16%減というような大きな影響が出ているということが見て取れたところでございます。
それから、7ページは先ほどの今回の基本指針に使った数値と少し違うのですけれども、今年の3月から8月まで、緊急事態宣言下であった4月、5月の状況下も含めたこの半年間で、この29社で販売数量を試算をさせていただいたところ、新型コロナウイルス感染症を主な理由としての減少分としては半年で4.5万トンという数字を推計をさせていただいたところですので、御紹介したいと思います。 それから、資料の8ページでございます。令和3年産に向けては50万トンの生産量の減少という需給見通しをお示ししているところでございますが、国による生産数量目標の配分をやめたところから起点して、今年が3年目ということで、その前の年の平成29年産から、この令和2年産と比較したときに、生産量を各都道府県でどのように変えてきているのか、これは作付面積ですけれども、一覧にした表をお示しをしてみました。
「需要に応じた生産」ということで、毎年需要が減る中で、多くの都道府県においてはその需要を踏まえて作付面積を減らすというような取組もしていただいているところですが、例えばこの白抜きの部分の県におかれては3年前よりも作付面積を増やしているということで、もちろん我々のお米は売れているということで増やしているということだと思うのですけれども、その「需要に応じた生産」というものがしっかりと行われているのか、そういったことも我々も検証していかなければいけないと思っているところでございます。
それから、10ページ、11ページに事前契約の状況をお示ししております。10ページにありますとおり、近年、事前契約の取組は増加傾向にはございました。令和元年産は30年産より少し落ちてしまっておりますけれども、やはりこの価格や需給の変動にあまり左右されず安定的な取組を行っていくという観点で、事前契約の取組に力を入れていただいております。我々もしっかりと推進をしていきたいと思っており、このとおり近年は増加傾向ということで、今年につきましても、この新型コロナウイルス感染症禍ではありますが、一番右ですけれども、8月末現在では昨年よりも事前契約の数量は多くなっているということですので、そういう意味ではこれからますます事前契約の重要性というのが高まってくると思っております。
これとは別に、今年7月にアンケート調査をやらせていただいておりまして、参考資料4でこの事前契約の取組に関するアンケート調査の結果と事例を簡単にまとめたものもお配りしておりますので、後で御覧いただければと思います。
それから、最後に参考資料2の方に戻っていただきまして、12ページ、13ページ、本日ちょうどこのタイミングで令和2年産の9月現在の相対取引価格を公表させていただきました。令和2年産としては最初の数字になります。12ページの2年産と書いている、真ん中より少し上の赤いところでございますが、我々の調査では相対取引価格の全銘柄平均は1万5,143円で、昨年9月の令和元年産と比較すると676円の安値となっております。これから価格の動向については我々も注視をしていきたいと思いますが、13ページは産地品種銘柄ごとのこの9月現在の相対取引価格もお出しをしております。やはり昨年よりも三角が目立つような形にはなっておりますが、一部には値上がりをしているものもございますので、産地品種銘柄の動向は様々であるということが言えると思います。
以上、簡単ではございますが、今回の諮問をさせていただいた基本指針の変更点等について御説明をさせていただきました。よろしくお願いいたします。

  • 大橋部会長
    どうもありがとうございました。
    ただいま事務局から諮問事項について御説明がございました。今回の指針の変更案の最大のポイントは、需給見通しのそのものだと思います。
    一つには需要量の推計、特に新型コロナウイルス感染症の影響をどう見るのか、そして2番目に今回初めて示していただきました令和3年から4年の需給見通し、特に令和3年産の主食用米等の生産量が50万トン減少するという本体の数字と併せて過去の経験からはじき出した参考値で示された数値、それをどう考えるのかということについて、委員の皆様方から御質問、御意見いただければと思います。また、若干諮問の外かもしれませんけれども、この需給見通しの案に関して、今後需要に応じた米の生産・販売に必要なことは何なのか、推進するためにどんな取組が必要かということも、できる限り議論ができればと思っています。
    ここから議論したいわけですけれども、始まった時間は遅れましたが、ただ、終わりの時間は皆さんの御都合もございますので、きっちり終わりたいと思っていまして、そういう意味で活発な御意見を頂きつつ、ただ、是非簡潔に頂ければと思うのが1点と、なるべく委員間のやり取りができるような形で議事進行できればと思いますので、場合によっては指名させていただくこともあるかもしれませんので、お許しいただければと思います。 
    ウェブ参加の方も含めて、挙手で頂ければ私が気づいた順に指させていただくということで進めさせていただければと思いますので、どなたからでもよろしくお願いいたします。 それでは、藤尾委員からよろしくお願いいたします。
  • 藤尾委員
    先ほど説明がありました中で、やはり参考資料1のところなのですが、令和3年から4年の主食用米の需給見通しの生産量のところで679万トンと衝撃的な数字が先ほど説明にあったわけなのですが、説明のときにもありましたように、令和4年の6月末の民間在庫を令和2年の201万トン以内にしたいというところから計算すると679万トンになると言われていたのですが、現状これは本当に達成できる数字なのかというところと、農業の現場のところではやはり生産者の方は、産地によっては違うと思うのですけれども、いまだに主食用米を作った方が手取りが増える、儲かると考えられている生産者の方は多いと思うのです。その中で、加工用米、米粉用米、新市場開拓用米や麦、大豆にも今の補助金のレベルで一気にシフトされるかという問題点があると思います。その辺りについて、聞かせてほしいなと思います。
  • 大橋部会長
    事務局への御質問等は後ほどまとめてさせていただければと思いますので、まず委員の方からお願いします。
    馬場委員、お願いします。
  • 馬場委員
    関連性であります。
    葉梨農林水産副大臣も早めにメッセージを出していくと仰って、産地の議論の時間を取っていくという姿勢が表れておられて、その点はしっかり受け止めてやっていくべきだと思っているところであります。
    しかし、先ほど藤尾委員も仰ったように、過去の作付けを削減した面積以上、面積にしますと10万ヘクタールという数字であるわけで、過去にない数字をやっていくということで、現場にそれがいったときにどうしようかということになるのです。さてどうしようかというときに、各県、具体的に話合いを進める中で、令和3年産に向けてしっかりとした対策をセットで示していかないと、結局啞然としたまま終わってしまうという可能性があると思います。藤尾委員が仰ったように、非主食用米等への転換に向けて、手取りがどうなるのかということも早急に示していかないと、この時間が無駄になりかねないということです。
    ただ、我々は何がしたいかというと、この事態の共有をみんなでやりたいと思っています。農協のシェアは残念ながらかなり落ちている中での、いろいろな方に売っている大規模生産法人の方も含めて、この事態をどう考えるのか、水田農業なり農業経営の将来をどうしていくのかということがなければ何の解決にもならないと思っています。
    だからこそ、せっかく前倒しをして示されたわけですから、この対策は本当に早めに打ち出さないと大混乱になりかねないですけれども、併せてこの需給の状況、在庫の状況、過去に平成26年、平成27年に220万トンくらいの在庫になったときにどういう価格の推移をしたのか、そのことも含めて、JAだけではできません、行政と一緒になって稲作関係者、農業者、集荷業者の方々、卸業者を含めて、この事態をどうしていくのだということを過去の経験も踏まえて話し合っていく、水田フル活用ビジョンを大きく書き直すということをしていかないといけないと思います。
    もともと今の食糧法では、生産調整方針作成者の下に生産調整方針が固まってみんなでやっていこうと、稲作生産者が生産方針作成者だったりしてやっていこうという精神は残っているのですけれども、法律上も、それを改めて関係者の下でやっていかないと、解決しないと思っています。
    農業再生協議会での検討、あるいは行政、地域段階での検討を今から、それこそまずはどうしていくのか、この事態を共有することが大事と思っていますし、JAグループだけではできませんので、国、あるいは行政の力で、みんなを結集したというか、そのテーブルの中で議論、意見交換をしていくことを国としても徹底していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
    言い換えれば、自分だけ売れたと思っていても、卸に溜っているわけです。それが来年産に影響するわけですから、そのことを川上から川下まで関係者が共有できる状況を是非、我々も頑張りますけれども、作っていただきたいと思っていますし、必要な情報は徹底して現場に伝えていく時期だと思っていますので、よろしくお願いします。以上です。
  • 大橋部会長
    どうもありがとうございます。山田委員、お願いいたします。
  • 山田委員
    今、御説明を農林水産省の方から頂きまして、大変冷静に分析をされた内容だと理解をしています。ただ、私自身の感想としては、前回の部会でも申し上げましたが、やはりもう一度本質的な問題を確認する必要があるのではないかと思っています。
    それはなぜかというと、先ほど藤尾委員が仰られたように、201万トンにするために今回この案とすれば、来年の生産量が679万トンとなります。では、この201万トンにする理由は何かという、ここが一番重要だと思います。基本的にはそこは需給バランスにおける価格をどういう水準に持っていくのかという、ここが一番の問題点だと考えています。
    別に釈迦に説法ではないですけれども、一般の民間企業であれば当然需給バランスの中で価格は変動しますから、絶対下がってはいけないなんていうことはあり得ない話であります。ただ、お米の場合、国民の主要食糧でもありますから、そこを急に上がったり下がったりするというのはやはり大きな問題でしょうし、その部分をいかになだらかにするか、そのための在庫量がどの水準なのかというのをやはり判断しなくてはいけないのだろうと思います。
    ただ、ではここで価格を決するなんていうことはできませんので、基本的にはそのバックヤードとしての、いわゆるデータをどういうところで見ますかというところをきちっと皆さんで共有化するということが必要だと思っています。
    価格を下げることは決して悪いことばかりではなくて、新型コロナウイルス感染症で私どもの小麦粉も大変、需要は喪失しているわけですが、当然価格が下がれば今までは外食などでも高いお米しか使えなかったものが下がって、それによって需給バランスがまた変わってくるということもありますので、そういうことも踏まえて、どこの水準で、本当にそれが201万トンなのかというのをきちっとジャッジすべきなのではないかと私として思うところです。そういう意味では、複数年かけて調整していくということも当然あってしかるべきと考えております。
    そういう意味では、数字的に何が正しいのかまだ分かりませんけれども、考えると今御提示いただいたものは、なかなかリアリティが厳しいのではないかという感じは正直しますし、参考値の方がリアリティがあるということは感想としてあります。
    以上でございます。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。それでは、染谷委員、お願いいたします。
  • 染谷委員
    いつも生産現場から一言ということで言わせてもらっていますが、実際にこの数字を出すことで、いろいろ苦労していると思います。自分たちは米を作っていて、昨日も県内で米作りを大きくやっている農家が集まって、いろいろな話合いをしました。その中で、今回、新型コロナウイルス感染症でこういう状況になったが、それが自分たちにどう影響してくるのだろうと心配していました。自分でも農業委員をしていて、今、農家を減らすべきではないと思います。要するに、農家が減れば農地が荒れる。そのことを考えると、農家の数を減らさない、そのことも大事なことではないかなと思います。
    今回こうして、新型コロナウイルス感染症の影響で米の在庫量が増えてくるということで、いろいろ検討してもらっているのですけれども、これが5年、10年先になったらどうなのだろうか。そういうことも是非、考えていただきたいと思います。そこにこの米作り農家だけではなくて全ての農家、その数と、どんな経営者になったら良いのか、その辺もしっかり考えていただきたいと思っています。
    実際、今回この新型コロナウイルス感染症の影響で米の価格が大分下がっています。先ほど数字を出していただいたのですけれども、それよりもっと低いのではないかと感じているのです。それとまた、今回は米の流れが悪く、在庫が多いということで、全農も集荷を一時ストップしました。そうすると農家がもう米の置き場がなくて米を保管し切れないのです。うちの農場も今日15トンで明日も15トン、週明けにまた15トンと出荷するのですが、本当にもういっぱいいっぱいの状態で綱渡りをしています。また、物の流れが悪いということは農家に必要なお金が入ってこないということなのです。そういうことも含めて、いろいろ考えていただきたいと思います。実際に保管しようにも倉庫が足らないのです。今この倉庫というのは、補助金の対象外ということで、農家は実費で建てなくてはいけないというところもあるのですけれども、その辺も含めて、もっと農家が米作りをしっかりやっていけるような形を考えていただければと思います。
    以上です。
  • 大橋部会長
    どうもありがとうございます。
    ウェブの方は御意見があれば事務局から私に教えてもらった方が良いと思います。
    金戸委員、お願いいたします。
  • 金戸委員
    前回の7月の部会のときに、需要が前年に比べて22万トン減少したとの説明がありましたが、人口減で単純に10万トンとして、残りの12万トンはどういう理由で減ったのか。新型コロナウイルス感染症禍で更に5万トン減少というのも重要な要因ですけれども、前年数量との月別比較を見たときに、必ずしも4月、5月、6月が大きく落込んでいるかというと、そうでもなく、年間どの月も減っていました。減少幅が12万トン増えた現状から来年度の需要はどのくらいなのか、704万トンとか、その程度なのかは、少し疑問に感じます。
    それから、民間在庫ですが、平成25年産、26年産、27年産、28年産、この時期は在庫が200万トンを超えていました。その翌年に199万トンで、やっと200万トンを切ったということがあったとすれば、1年でそこまでいかなければいけないのか、引き算をすればそういう生産量の目標値になるのですが、一気に1年でそこに持っていかなくてはいけないのかと思います。
    需要量よりも生産量が少ないということは、前年に作った米も消化して下さいという話ですけれども、本当に流通段階で、消費者は前年産を買ってくれるのか。なるべく当年産のお米が欲しいとなると価格上昇の要因になるだろうと思います。その辺りは需要減少に繋がらないかと考えます。
    問題はどうやって消費を伸ばすか。買ったとしても自宅に在庫が増えるだけでは、来月買うものが再来月になるだけで、消費は増えないので、そのためには、ご飯食の食事回数をいかに増やすか。あるいは、うどんやスパゲッティやサンドイッチなどの米飯以外の購入から、一回でも多く、おにぎりとか弁当などの米飯商品の購入頻度をいかに増やすか。さらに自宅で炊飯する食事機会を増やすなどの方向へ持っていかないと、なかなか在庫消化も含め、需要は伸びないと思います。是非そこに繋がるような対策も出していただきたいと思います。
    以上です。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。では、大桃委員、お願いいたします。
  • 大桃委員
    ありがとうございます。
    説明を聞いていて、本当に今回は衝撃的な数字が多分、新聞に並ぶであろうという感じがするのですけれども、特に令和3年、4年に対しての生産量なのですけれども、今年の分から考えると50万トンくらい減らさなくてはいけないということで、50万トン減らすというとどれくらいの面積なのですかと私、聞いたのですが、そうしたら東京都の23区分の田んぼでお米が作れない状態になるということで、全国の農家さん、これは衝撃受けるだろうなということがすごく感じられました。
    1年でそれをやるのか、そして参考資料でありますけれども、数年度でやっていくのかということを考えたときに、今年は作況が100以上あったということで豊作の年だったのですけれども、今後温暖化、そして劇症化している気象の中で、これが毎年続くと考えて良いのかということは本当に誰にも予測ができないので、この在庫の分も本当に減らして良いのかという議論は必要だと思います。50万トン以上を一気に減らすというのは、本当に農家を含め、農協もそうですけれども、衝撃が走る数字だなと思っております。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。それでは、改めて馬場委員、お願いいたします。
  • 馬場委員
    委員の中での話合いをと部会長が言われましたので、山田委員から、また大桃委員からも言われましたけれども、マイナス50万トンといったら本当に衝撃的な数字だと思います。ただ、その横にあるマイナス30万トンというのはリアリティな数字かというと、これを見せると在庫はそんなに減ってないのです。その先の220万トン超えが210万トンになる。これを見せてしまうと、リアリティ的にいえば米価は下がる、ものが動かないという数字に見えるのです。
    今も染谷委員が言われたように、米が動いていない、流れていない。それは、その先の出口のところが閉まる、令和3年産の出口が減っていない限りものは動かないということです。
    令和3年産の全国生産量の数字を見せた途端に、それこそどういう水準の価格なのか、なだらかにやっていくにはどうしたら良いかということを考えたとすれば、679万トン(左側)の数字になって、山田委員が言われていた、なだらかにでも安定的にという数字は、価格が経営安定のためには、逆に言うと692万トン(右側)の数字だと価格が急落するぞというシグナルに業界では見てしまうということが大変心配されるので、もうこの際、679万トン(左側)の数字で頑張るということ。その代わりいろいろな対策もお願いしますと各県、産地で議論してもらって、農業者の方、生産法人の方、いろいろな方々と議論していくというスタートに立たないと、その前で目先真っ暗という価格水準が見えてくると私はそう思っています。
  • 大橋部会長
    藤尾委員、お願いいたします。
  • 藤尾委員
    私の方からも、少し重複する部分があるのですが、先ほど言われていましたように、この二つを並べていまして、一気に生産量を落として、50万トン減らして、在庫量を減らすか、若しくは段階を経てやっていくかという話なのですけれども、多分、過去にも実際に平成25年産、26年産で、2年にわたって大暴落していて、そのときは4,000円以上落ちているのです。
    例えば、この左側の679万トンにする場合どうなるかという話なんですが、多分今年のトレンドからいうと価格は落ちると思います。落ちるのですけれども、多分そこまでも落ちないのではないかと思うのです。そういうことを考えると、やはりやるときは一気にやった方が、むしろ生産者に与えるインパクトは少ないのではないかなと思います。
    それで、もう一つは、何も田んぼを全部潰せと言ったわけではないのです。これは10万ヘクタール田んぼを減らせと言っているわけじゃなくて、これを置き換えましょうという話で、加工用米とか、飼料用米とか、新規で新市場開拓用米とか、そういったお米に置き換えていきましょうという話なので、これは何も農家を減らす、田んぼを潰すという話ではないと私は思っております。そこの部分に関しましては、やはり国の協力が是非とも必要だと思いますので、農家の人たちの手取りを減らすのではなくて、本当にその作付けを変えていくだけの話で調整するべきかなと思います。
    それで、以前から私たちも言っていますけれども、やはり消費拡大の部分に関しまして先ほど話があったとおり、正にここの取組というのをこの委員会でも議論していくべきだと思います。 米の消費が落ちています。これはもう人口が減っていますとか、食の多様化が進んでいます、あと新型コロナウイルス感染症の影響を受けていますだけで言っていても、これは年々落ちる一方です。ただ、我々としましてはまだまだ米のマーケットというのが可能性を持っていると思っています。例えば、米粉などは徐々にですけれども、やはり伸びてきているんですね。最近、米粉を使ったパンというのも美味しいということで、米粉にする技術も上がってきておりますので、こういったところに振り分けていくのも一つだと思いますし、あとは輸出です。輸出におきましても、当社は昨年度が輸出が4,200トンぐらいだったのです。今年は中間まで出ているのですけれども、このペースでいくと多分5,000トンまでいくと思います。
    新型コロナウイルス感染症禍において、1月、2月は中国向けの輸出が全く止まっていたのですけれども、3月ぐらいから中国向けは再開しまして、むしろ逆に中国向けが伸びているのです。日本米は世界でも品質的に認められていますので、この輸出のところにももっと力を入れていくと、新しいマーケットが開けるのではないかなと思います。
    それと、前回も少し言っていたのですけれども、当社もやっていますパックご飯ですけれども、これは年々伸びております。当社も今、この上半期で前年の大体10%増ぐらいで伸びています。これは多分、止まらないと思います。どんどんとシフトをしていっているのと、前回も説明させてもらいましたけれども、機能性の消費がたくさんありまして、もち麦を入れたものとか、玄米だったり、そういった商品をたくさん作っておりますので、このパックご飯の需要というのはまだまだ伸びると思いますし、また輸出の方もパックご飯、当社は伸びておりまして、2018年が26万5,000食だったのが、2019年は36万食まで一気に10万食伸びました。それで、2020年は一応50万食を計画しています。毎年パックご飯の輸出も30%以上伸びておりますので、これもまだまだ伸ばしていけると考えておりますので、そういった形でしていけば、何も本当に田んぼを潰す、農家をどんどんなくしていくというところには繋がらないと考えております。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。宮島委員、お願いいたします。
  • 宮島委員
    ありがとうございます。
    まず今回、こういう衝撃的な数字を出すのを早めにして皆さんにお知らせするということができたことが一つ、一番大事なのかなと思います。
    早く話ができた分だけ、それぞれが何ができるかということを、その期間に真摯に考えるということが大事かなと思います。特に結局、生産量を減らすことと価格が下がってしまうことの、どちらも耐えられる限界がある中での、そのどの辺が一番落ち着きどころなのかということと、備蓄の組合せで考えるしかないと思うのですけれども、今回この新型コロナウイルス感染症の問題は地震などと違って、これで終わっていることではないということが大きいと思います。
    つまり、今この見通しはすごく精緻に出していただいたと思うのですけれども、この後新型コロナウイルス感染症が更に広がるという可能性もないわけではなくて、これよりももっと悪い数字が今後出る可能性だってある。実際、私はほとんどこの半年は新型コロナウイルス感染症の取材しかしておりませんけれども、その不確実性が一番怖いところだと思うので、まずはそれぞれの分野でのデータで、最も何とか許容ができる生産抑制がどの辺りなのか、最も許容できる値下がりというか、米価の下がったところがどこだったら何とかなるのか、備蓄もどこだったら許容かという、その総合的な今のデータを至急できるだけ集めるということが今できることではないかと思います。
    更にその分析をお願いしたいのは、ここまでお米は炊いて食べる人は減っていたけれども、中食は増えていたのです。それで外食も増えていた。でもここでそれが止まったという中で、何で中食が減ったのかというのが実は少し不思議なのです。
    新型コロナウイルス感染症禍の普通の人の生活は、外食はすごく減らしたというのは実感として分かるのですけれども、中食が減ったということは、お惣菜やお弁当を買ってくるのも減ったということなのですかということ。その辺のバランスが、ごく一時期、緊急事態宣言で買物すら行かなくなった時期と、外食は減っているけれども、お弁当ぐらいは買いに行く時期というのは、その危機度というか、減り方が違うと思うので、特になぜ中食が減ったことも含めてその影響が出ていたというのを、もう少し精緻に分かると有り難いと思います。
    ものすごい短期的なショックであれば、そこはお金にしても政策にしても短期的な処理、補助などで何とかなるわけです。ただ、皆さんも仰っているように、需要が減っているということは別に新型コロナウイルス感染症だから減っているわけではなくて、今の長期的なトレンドなので、この短期的なものと長期的なものはきちんと分けて考えなければいけないと思っていて、短期的に助けてもらえるから今後も大丈夫だと生産者の方々が思ってしまっても、それはまたいけないのかなと思いますので、必要以上に新型コロナウイルス感染症だからといって特別の措置を取ることが良いわけでもないなと思います。
    その中で、多分、何らかの許容していただかなければいけないと思うのは、先ほどのお話の中で農家は、そうはいってもお米を作る方が儲かると思っていると仰ったのですけれども、多分そこの事実認識が農家ではない人とは少し違うというか、そもそもこういったほかの作物と違う調整をしているのは、もちろん日本の国のベースのところを守るためというのもそうなのですけれども、もしこれを完全に自由に需要と供給のバランスにしてしまうと、結局すごく下がってしまうというのを何とか押しとどめようとして政策をしているわけです。そうすると、トレンドとしてはそこは受け入れなければいけなくて、ほかの作物と同じように、ある程度の値下がりというのはあるかもしれない。
    もっと言うと、新型コロナウイルス感染症禍で農家も困っているけれども、普通の暮らす人も困っていて、高いものはもう買わないわけですよね。だから、お米が高くなってしまうと、それはもっと買わなくなるということになるわけで、多少値段が下がってでも、お米を食べ続けてくれるというところに対して配慮をしながら、どのぐらいが良いかということも考える必要がある。それは消費者の立場からはそうだと思うのです。
    その消費の気持ちにも寄り添いながら、農家の方々がどの程度現実的には生産調整ができるのかということと、一朝一夕ではないけれども、将来にわたって、今年だけの問題ではなく、だんだんその土地の使い方とか作付けを変えていくというようなことをどのように促していくかという中長期的な視点も含めて、正に新型コロナウイルス感染症で大きなショックを受けたからこそ、今までのままではいかないということをもう一度皆さんに考えていただいて、中長期的にどういうことができるかということを今、検討することが大事ではないかと思います。
  • 大橋部会長
    どうもありがとうございます。
    済みません、オンラインの方、お待たせしたのですけれども、平田委員が御発言希望と伺っていますので、お願いをできればと思います。
  • 平田委員
    平田でございます。各委員皆さんからの御指摘のとおりかと思っています。毎日毎日新型コロナウイルス感染症の報道ですので、主食であるとは言いながら、消費も減っているということは予想されていたわけなのですが、それでも50万トン削減、679万トンという生産の目安ということには非常に私自身も驚きましたし、例えば、山形、当地ですと、これがそのままその目安として採用された場合、実際には5割減反が目前に迫ってくるというレベルになるのかなと思っていまして、先ほどから言われている、生産者、担い手の生産マインドが冷えるということは必至と懸念をしています。
    しかし、そもそも生産調整は第一義的には生産者の利益かと思います。生産価格を維持して、生産活動を継続するために必要な取組ということを踏まえて、先ほどから何度かその指摘が出ていますが、産地の中でしっかりその将来像の議論をしなくてはいけないという意味で、正念場になるような気がしています。
    具体的な生産の目安のラインをどうすべきかということで、在庫量を200万トン程度にして、価格の維持を図ることを最優先にするかということが先ほどから出ていますが、これはこれで意味が大きいなと思いますのは、当地山形の感覚としては、10アール当たりの売上げを12万円ほどとするのが生産意欲を維持する限界のラインではないかなと肌感覚で思っています。
    令和2年産の産地価格の単価で言いますと、例えば「はえぬき」で言いますと10.5俵強ぐらいの平均を目指す必要があるのが12万円の目標になるわけですので、そう簡単な生産量ではなくて、再生産意欲を維持するには、今年の米価というのがその限界のラインと思います。これ以上値下げをすると、産地の崩壊を加速させかねないと思います。
    先ほど藤尾委員から言われていたようですが、200万トンで価格を維持するのに十分な在庫水準と言えるかどうか分かりませんけれども、一つの目安ではないかと思います。
    一方で、参考で示されている692万トンの案、これも大変重視すべきではないかと思います。産地での最優先の課題は、次世代を担う意欲のある生産者をいかにして獲得・育成するかということになります。しかも、これはほとんどその時間的な余裕のない大変急務になっている話であります。
    ここで問題なのが、その生産調整の目安の配分というのが、こういった意欲の強い担い手にも、それからすぐにも農業生産をやめてしまいたいと思っている農家にも一律に示されるという点です。行政の仕事として、可変的に目安を示すというのが難しいということは理解しますけれども、考えてみれば、将来の農業界にとっての宝に対しても、その意欲をそいでしまうというのは誠に残念で仕方のないことであります。そういう意味では、生産の目安の減少幅を過去に経験したラインにとどめるということも議論の選択肢として重要だなと思っています。
    その生産の見通しについて、例えばですが、679万トンから692万トンという幅広な選択肢を示して、先ほどから繰り返されている産地でのしっかりした議論を待つと言いますか、幅広な選択肢の中で産地自らがしっかり議論した上で選択をしてもらうというような方法も探るべきではなかろうかなと思っています。
    以上でございます。
  • 大橋部会長
    どうもありがとうございます。ほかにオンラインで御参加の委員で発言希望があれば、頂ければと思います。
  • 根本委員
    ありがとうございます。簡潔に申し上げますと、679万トンという水準自体は非常に衝撃的ではあるのですけれども、いつか来る未来が今、目の前に現れたと捉えるべきだと思っております。 どう対処するかというのは、様々な知恵があろうと思いますし、それぞれの置かれた立場によって対策も異なると思います。産地ごとに様々な対策を講じる、あるいは自ら発案して実行していただく、それが重要であろうと思っております。
    平成24年から26年にかけての在庫量と価格の変動を見ても明らかなように、価格の低下というのはある程度甘受せざるを得ない状況に追い込まれていると考えます。これにどう対処するかということだと思います。需要量の喚起の観点では、先ほど出ておりましたように、輸出を中核とする大きな需要増が狙える層を国としてもターゲットにすべきだろうと考えております。
    さらに、生産についてはこれだけ絞らなければいけないということになってまいりますと、生産価格といいますか、コストの方を大幅に引き下げていく方策もやはり考えざるを得ない、コストの低い生産帯に集約していくということをもう一度トライせざるを得ないと思っております。当面を糊塗するような政策で繋ぎますと、傷が更に深く、長くなってしまわないかということを懸念をいたします。需要量から生まれた数字というのが、679万トンという数字が出ているわけですけれども、これがもしかしたら来年見たらもっと甘いのかもしれないという状況にあるという可能性も含めて、我々はこの数字の受け止めをすべきだろうと思っております。
    私からは以上です。
  • 佐藤農産企画課長
    根本委員、ありがとうございました。
    ウェブ参加の方で、大変申し訳なかったのですけれども、今繋がれていない方もいらっしゃいますが、ただ、コメントを頂いておりますので、私の方から読み上げさせていただきます。
    有田委員は所用のため既に退席をされてしまっておりますが、今回の令和3年から4年の需給見通しにおける50万トン削減の数字は様々な状況から致し方ないと考えますということで、有田委員からコメントいただきました。
    それから、真砂委員からのコメントでございます。この基本指針の変更については異存はありません。「需要に応じた生産」という原点を踏まえ、来年産米の生産については、きちっと抑制した姿を示してもらいたいと思います。
    それから、今日、具体的に議論が出ているわけではありませんが、「米が余ってきたから政府の備蓄米を増やせ」という議論は、大不作への対応という備蓄制度からして、論外の議論であるということを強調したいと思いますというコメントを頂いております。
    以上でございます。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    一通り御出席及びオンラインの御参加の委員の方々から御意見を頂いたところですけれども、もし追加で御発言等あればいただければと思いますが、よろしいですか。
    馬場委員、お願いします。
  • 馬場委員
    先ほどからいろいろ御意見いただいて、私も同感であります。特に消費拡大という面では、パックご飯の輸出を含めて、パックご飯の需要は伸びているわけですし、更に広げていくような取組を是非やっていかないといけないし、それはもう業界挙げてといいますか、関係業界挙げての取組として、パックご飯なり、パックご飯の輸出なりというようなことを考えていかなければと思っています。
    ところで、新型コロナウイルス感染症の影響というのは正に短期的な部分もあるわけです。先ほど、言い忘れましたけれども、需要の減はよりきつめに見ないとまた大変なことになるということが、それは我々の腹構えなのかもしれませんけれども、実際これは数字だけ見ると、実績でいうと713万トンから、今年でいうと709万トンから715万トンの間ということで、新型コロナウイルス感染症のまだ最中です。外食は全てこれからGo Toイートでいけばそうなのかもしれませんけれども、709万トンでも大丈夫かという数字なのではないかと見ているということであります。
    そう考えてくると、新型コロナウイルス感染症の影響による需要減というのはある程度、先ほど10万トンちょっとと仰った、現実にはそれなのではないのかと見ておいた方がいいのではないかということだと思います。これまで22万トン減って、今回減ってという話なのですから、それとトレンドの10万トン減と腹に置いておかないと令和3年から4年の需要量の704万トンという数字も、また在庫の数字によって変わってきてしまうわけです。ということは、過去に経験した2年、3年かけて在庫を減らしていって価格が回復をしていくということも、覚悟してこの数字ということだと見ておかないといけないと思っています。ですから、藤尾委員が仰ったように、これは価格維持というほど格好良い数字ではなくて、既に現在、市中価格が下がっているように、全体的には下がっていっている中での頑張るぞという数字であるわけです。
    このことは何が言いたいかというと、本当に生産者、関係者、業界の皆さん共有の思いとして持っておかないと、腹構えしておかないと先々が見通せないことになってしまうという50万トンのマイナスだと思っていますので、その点はお願いしたいと思いますし、需要拡大についても是非それは対策としてもお願いすべきところはお願いしたいと思っていますので、よろしくお願いします。
    以上です。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。長部委員、よろしくお願いします。
  • 長部委員
    長部です。お世話になります。
    数字の置き方自体の議論もいろいろおありだと思いますが、一つの基準値を作るという意味で数字を見ればこの方向で良いと思います。幾ら新型コロナウイルス感染症の影響があったとはいえ、もう根本的に米を食べない生活や人口減少が顕著に出てきたのだと思うのです。
    皆さん仰ったように、余剰の米の活用ですね。飯米、主食用のお米も私たち酒造業では酒米で酒造好適米というのがあるのですが、それについても基本数字は違うとしても今は同じ状況です。
    国内需要が毎年減少する中、山田錦は村米制度で米を契約させていただいているのですが、今年は新型コロナウイルス感染症が追い打ちをかけて、日本酒の輸出が堅調だったところが非常に悪くなっています。また業務用の減少などで、特に地域の地方蔵の皆さんは主な販売先が業務用でしたので、本当に大きな影響が出ています。
    一方で家飲み需要により、パック酒の需要指標が伸びているという時期もあったのですが、それも少し落ち着いてきており、今日から新型コロナウイルス感染症が終わりというわけはないので、非常に今、酒米も余剰、余っているという状況です。
    今後、令和3年の生産計画をどうするかという問題になっており、正に主食用米と同じ課題があるわけですが、村米制度がある以上、結果的に、段階的に減っている現実がありますので、調整をしつつ、産地と連携をしながら、なるべく私たちも購入協力をしていきたいと思います。
    今、農林水産省の方で備蓄米を倉庫で保管する費用を持っていただくという支援をしていただいていますが、令和2年産、3年産以降も、やはりこの状況は長く細く続き、それがもう定着していくと予想されますので、倉庫保管に関わる経費についての御支援というのは継続を検討いただきたいと思っています。
    酒米の話が続くのですが、輸出用の米に関しては、これは1ヘクタール当たり20万円の支援を頂いていますので、この辺りも是非継続をしていただきたいところです。
    あと、米の話に戻りますと、会社の計画と一緒で、3年から5年の中長期予想を立てた上での、多分減っていく予想になるのでしょうが、その対策を同時に立てていただくという必要があるのではないかと思います。農林水産省だけではなく、政府全体の広く俯瞰した、農業政策を新しい政権下で大きなテーマの一つとして取り上げていただいて、米の育成具合の地域差や気象変動、人口動態も考慮した対策をお願いします。また、日本の食文化という観点も踏まえて、現在では米を炊いて、ご飯で食べるだけではなくて、米粉を入れた麺類だとか、形を変えた新しい米の活用への工夫がされていますし、日本の食の自給力、自給率というところにまで広げた広い観点で開発を行い、新型コロナウイルス感染症禍で観光地や居住地としての地方の見方が変わってきた今だからこそ農業の担い手の育成や地域の活性化というところも踏まえて、もう少し農業立国日本ということを考えてほしいです。観光も大事ですけれども、一切今インバウンドは来ていないわけで、やはり自国の力を蓄えられるような施策を農林水産省だけでなく国家としてもっとやっていただければ良いのではないかと思います。
    各論ではなくて総論で、国の課題として各省庁横断的な対策を立てて頂きたいと思っております。
    以上です。
  • 大橋部会長
    どうもありがとうございました。
    皆様、全員から御意見いただいたところです。
    若干委員としての意見も込めながら、まとめをさせていただきますが、基本的に今回頂いている令和3年、4年の需給見通しというのは、過去の数字を使うと、現状のままではこうなりますという数字を、正に佐藤農産企画課長からもどのようなバックデータを使っているのかということも含めて丁寧にこの数字の背景をお見せしたところです。
    結局これは数字を正確に予測することが目的ではなくて、まず、非常に重大な局面を迎えているということを、農業者のみならず流通、そして消費者に御理解いただくということが非常に大きなことだと思います。それを踏まえて、やはり自ら考えて行動変容を促すことが重要で、このままでは駄目だから、消費をどうやって喚起したら良いのか、販売をどうして伸ばしたら良いのかということをみんなで考えていかなくてはいけないということだと思いますので、これは元と参考があるわけですけれども、元の数字ですとこれは生産をものすごく減らすという、これは過去にないぐらい減らすということ、そうでなければ価格を過去に匹敵するぐらい落とすということ、いずれにしても非常に厳しい数字でありますけれども、これをきっかけにして、やはりみんなで本気で考えていこうということのきっかけにしていかなくてはいけないと思います。そうしたことを藤尾委員をはじめ、御意見いただいたと思います。
    ここまで活発に御審議いただきましたが、御意見があった点の政策として、皆さんを束ねて同じ方向に向かって考えを促していかなくてはいけないと、行動変容を促していかなくてはいけないという点を含めて、そうした点というのは更に事務局で御検討を是非いただければと思いますけれども、本部会として農林水産大臣から諮問があった米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更については、正に需給見通しのことになりますけれども、この数字について特段の御異論がなかったのかなと感じておりますけれども、適当と考えてもよろしいでしょうか。もし御異論があれば、是非ウェブの方も含めて、頂ければと思います。
    この旨にて議決をしてもよろしいでしょうか。
  • 佐藤農産企画課長
    平田委員もいかがですか。
  • 平田委員
    今、部会長からの御説明があったとおり、早い段階でデータを示し、産地側でしっかり議論することを促すという意味では、実態を示すデータとして、こういう形で出すということに同意をしたいと思います。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    それでは、異議なしと認めたいと思います。ありがとうございます。 食料・農業・農村政策審議会令第8条第2項の規定により、議事の決定に必要とされている出席委員の過半数を超えておりますので、本件については適当と認める旨、議決をしたいと思います。
    答申案を事務局から配付をしてもらいます。また、ウェブ参加の委員におかれましては、電子メールで送信いたしますので、御確認を頂けましたら幸いです。確認は何か合図してもらうと有り難いというのが事務局のお願いでございます。

    (答申案配付)

  • 大橋部会長
    それでは、これでよろしいでしょうか。少しお時間頂きましたが、ありがとうございます。
    本食糧部会の議決につきましては、食料・農業・農村政策審議会令第6条第6項の規定により、審議会の議決とすることとされておりますので、後ほど食料・農業・農村政策審議会として農林水産大臣に適当と認める旨の答申をいたしたいと思います。どうもありがとうございます。
    それでは、天羽政策統括官より一言頂ければと思います。
  • 天羽政策統括官
    まず初めに、お詫びから申し上げたいと思います。
    今回もウェブの関係がうまく働きませず、御出席の皆様方、傍聴の方々、それから特にウェブで御参加いただいた先生方には誠に御迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。
    その上で、本日様々傾聴すべきお話をたくさん頂きました。少しだけ事実関係のところでコメントさせていただきますと、宮島委員から、どうして中食が減っているのだという御質問がありました。私どもが聞いている話では、藤尾委員からお答えいただいても良いようなことでありますけれども、要すれば、特にビジネス街に立地するコンビニなどで、おにぎりといわず、お弁当といわず、お米を使った食材が出ていかないということが顕著に見受けられ、オールジャパンでもそういうことになったと理解をしております。
    それから、平田委員からいただいた山形の事情、私どももしっかり確認をさせていただきたいと思いますけれども、目安の配分が一律に、若手にもリタイア直前の生産者にも一律に示されていてはうまくないのではないかというお話を頂きました。これは私どもの方でどういうことになっているのかというのを確認させていただきたいと思います。
    順不同ですけれども、消費拡大についても多くの委員の方々からコメントを頂きました。新型コロナウイルス感染症の対策としての消費拡大、それから、そもそも論としての消費拡大と、これは両方やっていかねればならないと思っておりまして、前者の方では政府部内で今、対策を打てるように調整をしているところでございます。
    そもそも論の消費拡大につきましては、私どもいろいろな取組はやっているつもりでありますが、結果として数字になって表れておらず、そういう中でも輸出ですとかパックご飯ですとか、米粉などもそうですけれども、冷凍チャーハンみたいな分野も含めて、新しい芽のところがしっかり伸ばせるように、日本酒もそうでありますけれども、考えていきたいと思います。
    それから、最後に馬場委員などから、しっかりした対策とセットでないと駄目だというコメントを頂きました。私ども、来年度の予算要求を今、財務省に出して調整を進めているところであります。この予算の獲得、それから予算の運用の在り方の検討などもしっかりやって、来年作に向けてしっかり対応ができるように尽力していきたいと思っております。
    以上であります。
  • 大橋部会長
    政策統括官、ありがとうございました。

(2) その他

続きまして、議事の(2)その他につきまして、事務局から何かございますればお願いします。

  • 佐藤農産企画課長
    特にございません。
  • 大橋部会長
    それでは、本日予定の議事につきましては、全て終了となりました。
    最後になりますけれども、本日の議事につきましては議事録として整理し、公開することとなります。その整理につきましては私に御一任をお願いしたいと存じますけれども、よろしいでしょうか。
    どうぞ、染谷委員。
  • 染谷委員
    また生産者の立場からお願いというか、実際に皆さんの意見を聞かせていただきまして、常々思っていることです。実際に昨年、自給率が1ポイント上がりました。また、それと同時に基幹的農業従事者の65歳以上のポイントがまた上がって、70%弱になったということは、10年たったら7割の人はリタイアするのですよ。それでは3割の人で農業を支えられるのか。実際には140万人と言われていて、3割というと42万人、それとまた年間2万人の後継者、新規参入があるということですけれども、10年後は20万人、ということは62万人で今の農業を維持するということになるのですけれども、本当にこれで大丈夫なのかなと心配します。その辺は、やはりこれから農業、若い人たちがやっていけるような、しっかりした対応をしていかないと、魅力がない農業に陥ってしまうと思うのです。
    もう一つ、日本の農地は440万ヘクタールあって、1割は耕作されずに放置されている。そしてまた外国から輸入される穀物、飼料、いろいろあると思うのですけれども、それに必要な農地の面積は1,000万ヘクタールを超えると言われています。そうすると1,500万ヘクタールの農地でできた農産物で日本の食生活は満たされている。いつまでこの1,500万ヘクタールが日本で確保できるのだろうかと心配します。そういうことを考えると、国内で生産する力をもっと高めていかないと、外貨不足になったり、また外国は物を出さなくなったり、そういうときのために、やはり日本の農家をもっとしっかり支えていかなくてはいけない。実際には国でもいろいろな助成をしてくれているのですけれども、やはり今後、農家のやる気を出させる、誇りを持たせる、そういう政策も必要ではないかなと感じています。
    自分たちも今、米を中心に農業経営をしているのですが、うちが農地を貸りている農家や農地を買い受けた農家数は350戸になるのです。ということは、350戸の農家が米作りをやめたことで自分の経営が成り立っているのですけれども、それで良かったのかなと考えるときもあります。やはりそうではなくて、もっと農家が元気に続けられるようなことを考えていってもらわないといけないと思います。
    今回新型コロナウイルス感染症に関わり、また米がだぶつき、いろいろ問題になっているのですが、その辺も含めて対応していただければと思います。よろしくお願いします。
    以上です。
  • 大橋部会長
    どうもありがとうございました。是非しっかり受け止めてやっていかなくてはいけないと思っています。ありがとうございます。
    それでは、もしほかに追加でないようでしたら、これにて事務局に進行をお返ししたいと思います。本日はありがとうございました。
  • 日笠農産企画課課長補佐
    大橋部会長、どうもありがとうございました。 それでは、閉会に当たりまして、 葉梨農林水産副大臣からごあいさつ申し上げます。
  • 葉梨農林水産副大臣
    今日は大橋部会長をはじめとして、委員の皆様方、忌憚のない御意見を賜り、本当にありがとうございました。
    実は私、今からもう十二、三年前になりますが、そのときに自民党の畜産酪農対策の小委員長をやっておりまして、あの年も米価が前年の平成18年産と比べると、1,000円以上下がりました。農林部会、農林役員全体で、当時の若林農林水産大臣のところへ押し掛けまして、備蓄米を買ってもらったのですね。
    しかし、もうそういう時代ではなくなってしまって、今は需要に応じた供給をしていく。そして、この数字というのは本当に冷厳なものだと思います。大変ショックを受けるといっても、その数字の基礎がしっかりしていれば、196万から204万トンの在庫量、前年ベースでそのまま移してくると大体ああいう数字になってしまいます。
    これは正に生産調整でなくて目安ですから、その数字の根拠というものがしっかりしているのであったら、そうならざるを得ない。問題は、ただ、今日承認いただいたこの数字、これを操作するわけにいきませんので、まず私たち役所もそうですし、また生産者の皆さんも、消費者の皆さんも、特に生産者との話合い、すごく大きい話なのですが、やはり心を一つにして危機感を持って対応していくということと併せて、場合によっては主食用米の生産量の外になるかも分かりませんけれども、全体としてこの米の消費をどうやって拡大していくのか本当に真剣に考えていかなくてはいけないし、そういう危機感は私どもも共有をさせていただいています。みんなで知恵を出しながら、本当に危機感を持って対処していくためにも、今日はすばらしい意見を賜りました。本当にありがとうございました。
    これにて御礼のごあいさつとさせていただきます。
  • 日笠農産企画課課長補佐
    ありがとうございます。
    それでは、以上をもちまして本日の食糧部会を終了させていただきます。長時間にわたりましてありがとうございました。

閉会

お問合せ先

農産局農産政策部企画課

代表:03-3502-8111(内線4971)
ダイヤルイン:03-6738-8961

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