このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

食料・農業・農村政策審議会食糧部会 議事録(令和3年7月29日開催)

PDF版はこちら(PDF : 380KB)

開会

午前10時01分 開会

  • 日笠農産企画課課長補佐
    それでは、予定の時刻が参りましたので、ただいまから、食料・農業・農村政策審議会食糧部会を開催いたします。
    委員の皆様方におかれましては、お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
    初めに、食料・農業・農村政策審議会委員につきましては、7月5日の任期満了による改選が行われ、7月16日に持ち回り開催された同審議会におきまして、大橋弘会長から、大橋会長御本人と共に宮島香澄委員、山波剛委員、二村睦子委員が食糧部会委員に指名されました。また、臨時委員として、これまでお務めいただいておりました加藤絵美委員、真砂靖委員が退任され、新たに稲垣光隆委員、菅原紋子委員、山﨑美穂委員が就任されておりますので、御紹介いたします。
    開会に先立ちまして、本日の委員の皆様の御出席状況でございますが、ここに御列席の皆様、そして今回は長部委員、菅原委員、根本委員、平田委員、藤尾委員、宮島委員、山﨑委員及び山波委員におかれましては、こちらにスクリーンがございますが、ウェブで御出席を頂いております。
    なお、二村委員におかれましては、所用により御欠席との連絡を事前に頂いておりますので、御報告申し上げます。
    結果、全体の3分の1以上の委員に御出席を頂いておりますので、食料・農業・農村政策審議会令第8条第1項の規定により、本部会は成立しております。
    それでは、開会に際しまして、宮内農林水産副大臣から御挨拶をお願いいたします。

農林水産副大臣あいさつ

  • 宮内農林水産副大臣
    皆さん、おはようございます。大変な酷暑の中、こうやって農林水産省にお集まりをいただきまして、大変ありがとうございます。
    本日の食糧部会から新たに5名の方々に委員に御就任いただくことになりまして、この場をお借りいたしまして感謝を申し上げたいと思います。また、引き続き委員をお引き受けいただけた方々におきましては、今後ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
    さて、令和3年度の主食用米につきましては、全国で過去最大の規模となる作付転換に向けまして、農林水産省といたしましても、昨年10月以降、全国会議や各産地での説明会を重ねてまいりました。全国の各地域におきまして、関係者の皆様方が一丸となって転換に取り組んでいただきました結果、米の需給の安定に必要な作付転換が相当程度進んでいるというふうに報告を聞いておるところでございます。
    本日の食糧部会では、こうした現下の状況も踏まえまして、この1年の米の需要動向等に基づきまして、米穀の需要及び価格の安定に関する基本指針の策定につきまして、委員の皆様方に御審議の上、御答申を頂きたいと考えております。
    農林水産省といたしましては、引き続きお米を安心して食べられる環境を維持していただきますよう、生産者、消費者をはじめ関係の方々の皆様の御意見をたくさんお伺いしながら、政策を後戻りさせることなく、お米の需要に応じた生産販売に必要な取組を推進してまいりたいというふうに思いますので、それぞれのお立場から率直な忌憚のない御意見を頂きまして、今後の日本の米政策が安定的に継続していただきますよう、お知恵をお借りしたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
    大変暑い中での会議の開催に本当に御協力いただいたことに改めて感謝を申し上げまして、私からの御挨拶とさせていただきます。本日はよろしくお願い申し上げます。

議事

  • 日笠企画課課長補佐
    ありがとうございました。
    宮内農林水産副大臣におかれましては、次の予定がございますので、ここで退席をされます。
    それから、恐れ入りますが、カメラ撮りにつきましてはここまでといたしますので、よろしくお願いいたします。
    さて、ここで、食料・農業・農村政策審議会委員の改選に伴いまして、本食糧部会の部会長の選任をお願いしたいと思います。
    部会長の選任につきましては、食料・農業・農村政策審議会令第6条第3項の規定に基づきまして、部会に属する委員の互選によることとなっております。部会に属する委員につきましては、先ほど御紹介を申し上げましたとおり、大橋委員、二村委員、宮島委員、山波委員の4名の方が指名をされております。したがいまして、この4名の委員の中から部会長を互選していただく必要がございます。
    宮島委員、いかがでしょうか。
  • 宮島委員
    日本テレビの宮島です。よろしくお願いいたします。
    私は、大橋委員を部会長に推薦いたします。大橋委員は、これまでも、この審議会全体の中で重要な役職をずっとされてきまして、そして、農業に関して経済とか国際情勢とか、そういうことも含めて広い知見をお持ちだと思います。
    食料問題は、本当に国民の意識ですとか安全保障のポイントですとか、そういったいろいろなところを俯瞰して見る必要があると思いますので、大橋委員が適任だと思います。よろしくお願いします。
  • 日笠企画課課長補佐
    ありがとうございます。
    ただいま宮島委員から、大橋委員を部会長に推薦する旨の御発言がございましたが、それでは山波委員、いかがでしょうか。
  • 山波委員
    山波農場の山波と申します。皆様、よろしくお願いいたします。
    私も、大橋委員が適任だと考えます。知見と、それから経験、全てにおいて大橋委員が適任だと考えております。
    以上です。
  • 日笠企画課課長補佐
    ありがとうございます。
    二村委員は本日御欠席ですが、お2人の委員から御推薦がございました。大橋委員、いかがでしょうか。
  • 大橋委員
    ありがとうございます。身に余るお話でございますけれども、精一杯務めさせていただく心積もりでお引受けさせていただければと思います。ありがとうございます。
  • 日笠企画課課長補佐
    ありがとうございました。
    それでは、食糧部会の部会長には大橋委員が選任をされましたので、お手数ですが、部会長席に御移動をお願いいたします。
    ありがとうございます。
    それでは、ここで改めまして大橋部会長から一言御挨拶を頂ければと存じます。よろしくお願いいたします。
  • 大橋部会長
    改めまして、皆さん、おはようございます。お忙しいところを御参集いただきありがとうございます。ただいま部会長に指名していただきました大橋と申します。
    先ほど申し上げたとおり、皆さんの闊達な意見交換をファシリテートを最大限して、御知見、この部会としてしっかり施策に反映していきたいという思いでやっていきたいと思いますので、どうぞ皆様、よろしくお願いいたします。
  • 日笠企画課課長補佐
    ありがとうございます。
    続きまして、本日の食糧部会では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐための対策を講じておりますが、御出席の皆様方におかれましても、会場におけるマスクの着用につきまして御協力をお願い申し上げます。また、換気につきましても適宜実施いたしますので、あらかじめ御承知おきいただければと思います。
    それから資料ですが、会場の皆様方の机上にお配りをしておりますが、ウェブで御参加される委員の皆様方には、先ほど電子メールでお送りしましたファイルを御覧いただければと思います。
    では、議事に入ります前に本日の資料確認をいたします。資料一覧に記載してあるものがそろっているかどうか、御確認いただければと思います。不足がございましたらお申し出いただきますようお願いいたします。
    また、会場に御出席の皆様方におかれましては、御発言の際に事務局がマイクをお持ちいたします。こちらは使用の度にアルコール消毒をさせていただきます。ウェブ参加の委員の皆様方におかれましては、常にこちらの音声が聞こえる状態にしていただきまして、御発言の際にはマイクをオンの状態に、御発言が終わりましたらオフの状態にしていただきますようお願いいたします。動作の不具合などが発生しました場合には、事務局に合図をしていただければと思います。
    それでは、この後の議事進行につきましては大橋部会長にお願いいたします。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    議事に入る前に、私の方から部会長代理の指名をさせていただきたいと思います。部会長代理は、食料・農業・農村政策審議会第6条第5項の規定に基づいて、部会に属する委員及び臨時委員の中から部会長があらかじめ指定することとなっております。
    部会長代理に関しましては、平成26年6月から臨時委員をお務めいただいており、また、経済政策全般にも精通されておりますし、また、食料政策にも知見をしっかりお持ちの根本委員に指名をさせていただきたいと思っておるんですけれども、皆様、いかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
    ありがとうございます。
  • 根本委員
    根本でございます。お引き受けいたします。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    根本委員にもお引き受けいただいたので、是非よろしくお願いいたします。
    それでは、本日の審議会の取扱い及び議事の進め方について確認をいたします。
    本部会については、審議会議事規則第3条第2項の規定によって、会議は公開とするとされています。傍聴につきましては、希望される方を公募してウェブで傍聴していただいています。また、本部会における皆さんの御意見については、議事録として取りまとめた上で公開をいたしますので、御了承のほどお願いいたします。
    本日は、米穀需給及び価格の安定に関する基本指針の策定につきまして、農林水産大臣から食料・農業・農村政策審議会に諮問がありました。事務局から御説明いただいた後、委員の皆様方から御意見、御質問を頂戴した上で、基本指針の案が適当であるかどうかという議決を取りたいと思います。全体としてはこうした進め方でまいりたいと思います、よろしいでしょうか。
    ありがとうございます。それでは、そのように進めさせていただきます。
    これより、先ほどの基本指針の策定について御審議を頂きます。
    まず、事務局から指針の文書を読み上げていただいて、続いて資料の御説明をお願いいたします。
  • 三野企画課長
    農産局農産政策部企画課長の三野でございます。本日はよろしくお願いいたします。
    まず、資料1、諮問の写し、読み上げさせていただきます。資料1をお手元にお願いいたします。
    食料・農業・農村政策審議会会長殿。農林水産大臣、野上浩太郎。
    諮問。
    米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の策定について、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(平成6年法律第113号)第4条第2項の規定に基づき、貴審議会の意見を求める。
    以上でございます。
    それでは、続きまして資料の御説明を申し上げたいと思います。お手元の資料2、こちらが今回お諮りをさせていただきます基本指針の本体でございますけれども、時間の都合などもございますので、お手元にお配りしております参考資料1及び参考2、これに基づきまして、ポイントをできるだけ簡潔に、分かりやすく御説明申し上げたいと思います。
    参考資料の1をまず御覧いただけますでしょうか。
    まず、資料の上の部分、最近の需要動向でございます。令和2/3年の需要実績は、前年の714万トンから約10万トン減少しまして、速報値で704万トンというふうになっております。また、令和3年6月末の民間在庫量は、前年から約19万トン増加し、速報値で219万トンというふうになっております。
    A3の下の右の表、こちらが今回一番重要なポイントになりますので、こちらを御覧いただけますでしょうか。令和2/3年、3/4年の主食用米等の需給見通し、こちらでございます。
    まず、この中の令和2/3年の需給について、上の箱でございます。Aの令和2年6月末の民間在庫量200万トン、そしてBの令和2年産主食用米等生産量723万トン、その合計でありますCの令和2/3年主食用米等供給量は922万トン。ここまでは既に決まっていた数値でございます。それに加え、今回、Eの令和3年6月末の民間在庫量219万トンが明らかとなりまして、Cの供給量922万トンから、この219万トンを引くことによりまして、Dの令和2/3年主食用米等需要量704万トンが出てくると、こういうふうになっております。
    次に、下の箱の令和3/4年の需給でございます。Eの令和3年6月末の民間在庫量は、今申しました219万トンでございますけれども、Fでは、昨年11月の基本指針でもお示しした令和3年主食用米等生産量693万トンを、今回そのまま据え置いております。そこで、Gで令和3/4年の主食用米等供給量の合計が912万トンというふうになります。また、Hの令和3/4年主食用米等の需要量でございますけれども、703万トンというふうになっております。これは、平成8/9年以降の25年間の1人当たりの消費量の実績に基づくトレンドから算出したものでございます。
    具体的には、その左側の表を御覧いただければと思います。
    令和3/4年の1人当たりの消費量の推計値、これ、年間の1人当たりの消費量でございますけれども、56.1キログラムでございます。令和3/4年の人口の推計値1億2,521万8,000人、これを乗じて算出しております。この結果、右側の令和3/4年のGのところでございますけれども、令和3/4年の主食用米等の供給量の合計912万トンから、Hの令和3/4年の主食用米等需要量703万トンを引きますと、Iの令和4年6月末の民間在庫量は210万トンと、こういうふうになるということでございます。
    今申しました今回の需給見通しのポイントについて、幾つか補足をさせていただきます。
    まず、Dの令和2/3年主食用米等の需要量でございます。こちらは、昨年11月の基本指針でお示しした見通し711万トンから716万トン、これを下回っております。昨年11月にお示しした基本指針における需要見通しにおきましては、令和2年、3年の後半の需要回復を想定しまして、需要減少量を5万トンと推計したところでありましたけれども、その後も様々な変化が生じていることは委員の皆様も御案内のとおりでございます。いわゆるコロナウイルスの感染症の影響でございますけれども、訪日外国人旅行者の減少によるインバウンド需要の減少、それから外出自粛などによります中食、外食需要の減少が指摘されております一方で、出国する日本人も大幅に減少しております。それから、外出自粛などによる小売需要の増加、ネットによる食料品の購入額の増加などもありまして、販売動向の見極めやデータ収集、これを引き続き努めていくということが必要な状況というふうになっております。これが今申し上げました、この704万トン、Dの需要量のところでございます。
    次に、Fの令和3年産の主食用米等の生産量でございます。こちらは、お手元にお配りしております参考資料2を御覧いただけますでしょうか。この参考資料の2の9ページをお開きいただければと思います。
    令和2年産の生産量につきましては、先ほど御覧いただきましたように既に確定しておりますけれども、こちらは2年産の実績と比較しまして、各都道府県の主食用米の作付意向、こちらをお示ししているものでございます。6月末時点では前年よりも減少傾向にある県が41県、前年並みの傾向が6県、そして増加傾向はゼロ県というふうになっております。そして、減少傾向、今41県というふうに申し上げましたが、どの程度減ったかということでございますけれども、1%から3%程度減少した傾向にあるというのが17県、3%から5%程度減少した傾向にあるのが12県、5%超の減少傾向は12県となっております。4月末に比べまして、5%超の減少傾向の県は2県から12県、大幅に増加をしております。
    そして、6月末時点の作付意向を集計しました結果、全国の主食用米の作付面積は前年比で約6.1万ヘクタール程度減少すると見込まれておりまして、一部の地域農業再生協議会、産地で認められております6月30日の期限後の修正、毎年発生する水田農業の減少、農地のいわゆる田んぼの減少、改廃なども考慮しますと、各都道府県における作付転換が計画どおりに進めば、最終的には約6.2万から6.5万ヘクタール程度の減少が見込まれるという、こういう状況になっております。
    ここで参考資料の1にお戻りいただければと思います。
    今、令和3年産の生産量の作付意向を御説明申し上げましたが、ここでFの令和3年産主食用米等生産量、これは昨年11月にお示しした693万トンのままということでございますけれども、注1を御覧いただきますと、令和3年産の主食用米等の作付面積につきましては、6月末時点の作付意向調査では6.2から6.5万ヘクタール程度減少する。これを生産量に置き換えますと、昨年が平年作だった場合と仮定した場合の729万トンだった場合と比較して33万トンから35万トン程度の減少となりまして、生産量は694万トンから696万トンというふうになる見込みでございます。これによりまして、今回お示ししている指針では、昨年11月にお示しした693万トンの水準をほぼ達成する見込みになったということでございます。これは、各地域において関係者の皆様方が一丸となって作付転換に取り組まれた結果であるというふうに考えております。
    では、なぜこの693万トンをそのまま据え置くのかという御質問をあらかじめ御説明申し上げますと、例年、この7月の段階では、当該生産量が確定前ということもありまして、前年の基本指針の数値を据え置いてきております。これはあくまでも意向調査の積み上げでございまして、現時点においては作付面積が確定はしていないということや、今後作柄によって大きく変動する可能性があるという理由に基づくものでございまして、今回も、現時点におきましては需給見通しそのものの数値に反映することは行っておりません。
    令和3年産の主食用米等の作付面積の確定値につきましては、統計調査によりまして10月上旬に公表される予定となっておりますので、その後、この需給見通しに反映させまして、改めまして委員の皆様方の御議論を頂きたいというふうに思っております。
    そして、次はHを御覧ください。ここもいろいろ御議論があろうかと思いますけれども、Hの令和3/4年の主食用米の需要量でございます。これは、今年から来年にかけてお米がどの程度需要、消費されるかということでございますけれども、これは、令和2/3年の需要実績である704万トンから僅か1万トンの減少ということ、少ないんじゃないかという御指摘もあろうかと思いますけれども、先ほど申し上げました令和2/3年のいわゆるトレンド推計値であります716万トンから13万トンの減少ということになります。これは近年のトレンドに沿った減少幅ということが言えるかというふうに思っております。この点、703万トンにつきましても、今後変動する可能性はございますけれども、過去2年の需要実績は、新型コロナウイルスの影響が生じた期間、すなわち令和元年から2年にかけては半年程度、令和2年から3年にかけてはほぼ通年起きておりますけれども、ここに関係なく、それぞれトレンドが10万トン程度需要を下回っております。すなわち、現時点で、このコロナウイルスの需要に与える影響を定かに見通すことは非常に困難ではございますけれども、先ほども申し上げましたように、引き続き販売動向の見極め、データ収集に努めまして、この需給動向を注視していきたいというふうに考えております。
    今年から来年にかけては、7月12日から4回目の緊急事態宣言が発令されておりますけれども、この影響なども含めまして今後の動向を把握していく必要があるということから、引き続き卸業者の皆様方の御協力も頂きながら販売動向の調査を実施してまいりたいというふうに考えております。
    最後に、調整保管でございます。こちらもすみません、行ったり来たりで恐縮でございますが、参考資料の2、御覧いただけますでしょうか。こちらの14ページ、お開きいただければと思います。
    この14ページは、米穀周年供給・需要拡大支援事業というものでございまして、令和3年度予算によりまして、本年4月以降の2年産の主食用米に対する取組としまして、昨年度から継続して調整保管をしております16万トン、拡充支援分の16万トンも含めまして、約33万トンの調整保管の申請がありました。これは過去最大規模でございます。この事業を活用した場合、最低限、お米が生産された次の年の10月までは保管することを義務付けられます。すなわち、ここで販売期間が遅れますので、ここによりまして増加する概算期の支払に係る借入金の支払利息ですとかお米の保管経費など2分の1を国が支援させていただくというものでございます。
    今回お示しをする需給見通し、参考資料1を御覧いただければと思いますが、今回の需給見通しでは、参考として初めて申請があった約33万トンにつきまして、供給量と在庫量から、この申請分を引いた数値をお示ししております。すなわち、令和3年6月末の民間在庫量219万トンから33万トンを引きます結果、186万トンということになりまして、200万トンを大きく下回ると、こういうことになるわけでございます。
    この事業に対する33万トンの調整保管の申請につきましては、現在の需給環境を踏まえまして、JAグループをはじめとする集荷団体の皆様方が、この令和2年産の主食用米につきまして長期、計画的な販売の取組を最大限行われるものというふうに考えておりまして、農林水産省としましても、たまった在庫はしっかり売っていただくということが重要であるというふうに考えておりますので、産地、生産者の皆様が需要に応じたお米の生産販売にしっかり取り組んでいただけるよう、引き続き支援をしてまいりたいというふうに考えております。
    具体的には、今回この事業を拡充しまして、令和2年産の主食用米につきましては、この事業を活用するためには契約期限が要件として定まっておりまして、これは令和2年産米の場合には令和3年の7月末までとなっておりますけれども、この要件を緩和しまして、9月末まで延長するなどの措置を講じることとしていきたいというふうに考えております。
    以上が参考資料の1の説明でございます。
    次に、参考資料の2の方に移っていただきまして、2ページでございます。ポイントを簡潔に御説明申し上げたいと思います。
    先ほどの説明と繰り返しになりますけれども、これは去年の秋に策定、改定をしていただきまして、今年の2月にもお示しをした基本指針の1つ前のバージョンでございますけれども、昨年が平年作であった場合というふうに仮定した場合、729万トンのお米から令和3年産を693万トンまで絞る、すなわち36万トン生産を抑制することによりまして、令和4年6月末の民間在庫は200万トンになる1つ前のレベルでございました。これにつきましては、6.7万ヘクタールを目指しておりましたところ、6.7万ヘクタールであれば需給が安定するというふうにお示ししておりましたところ、6.2から6.5万ヘクタールが作付意向調査で上がってきたということで、ほぼこの見通しに沿ったものとなるというのが現在の状況でございます。
    3ページ、お願いいたします。
    こちらは、実際お米がどれぐらい売れているのかということでございます。米の販売数量でございますけれども、一番上の箱、販売数量の動向を御覧いただければと思います。令和2年1月から12月の計のところが縦の赤線で囲んであります。巣籠もり需要などもありまして、御家庭で食べられるお米が増えている、堅調に推移しているということで、小売事業者向けは106%、対前年比でございます。中食・外食事業者向けが88%ということでございますが、全体としては98%ということでございます。
    先ほど、約700万トンの需要について御説明申し上げましたが、これ、約10万トン減ってきているということになりますと、この減少というのは約1.4%になります。ですので、令和2年の場合は98%、対前年比で2%の減ということですので、ほぼトレンド需要の減少幅ということが、この調査、報告からは見て取れるということでございます。
    令和3年に入りましてからは、こういった数字が並んでおりますけれども、昨年は緊急事態宣言で学校の一斉休校などもありまして異常値が出てくる場合もございますので、括弧ということで、一昨年、コロナの発生前と比較した数字をお示ししております。1月が97%、2月、3月が98%、そして直近の6月でも98%ということで、一昨年と比べて約2%の減少ということになっているという状況でございます。ですので、コロナの影響はございますけれども、一貫してお米が需要減少している傾向、そのトレンドに沿って、それに若干のプラスがあるというのが、この調査報告でございます。
    それから4ページでございますが、これは産地別の民間在庫の状況でございます。これも対前年比、それから対前年同月比、両方お示ししておりまして、各都道府県別にどうなっているかということでございますが、右側の関西から九州にかけて、西日本の産地が黒い三角が目立つということでございまして、これは在庫を減らしているということでございます。なかなか最近、災害ですとか病害虫の発生などによりまして、西日本各府県は生産に関しては厳しい状況が続いている一方で、左側の、いわゆる主産道県におきましては、かなり在庫が重い道県もあるということが見て取れるということでございます。
    5ページ、6ページをお願いいたします。
    こちらは価格でございます。相対取引価格の推移ということで、非常にお米の価格が高かった平成24年産が一番上の折れ線グラフ、そして非常に価格が低迷した平成26年産が一番下の折れ線グラフでございますけれども、今、令和2年産は真ん中の赤い折れ線グラフでございます。真ん中ぐらいに来ているということがお分かりいただけると思います。若干価格が弱含みで推移しておりますけれども、その下の6ページ、御覧いただきますと、これが令和2年産と過去3年のものを契約数量の動きを比較したものでございます。令和2年産につきましては、3月以降、過去3年を上回る数量の契約がなされているということがお分かりいただけるかと思います。すなわち、2年産の販売が進み、物が動き出している、動いているということでございます。
    7ページは相対取引価格の各都道府県別、産地別、銘柄別の動向でございます。
    それから、8ページはスポット価格というもので、中小規模の卸売業者間で行われる小さいロットの売買の動向でございますけれども、銘柄ごとにばらつきがございますけれども、多くの銘柄で下げ止まりか持ち直しているというようなデータが、こちらからは見て取れるということでございます。
    9ページ以降は、先ほど御説明申し上げましたので捨象させていただきます。
    12ページは輸出でございます。
    今後、我が国の水田、それから米の生産を維持していこうとするならば、輸出は欠かせない取組になるわけでございますけれども、私どもも海外の需要開拓、プロモーションなどに対する取組に加えまして、低コスト生産の取組、それから、最近需要が伸びております輸出向けのパック御飯の製造ラインの整備などを支援させていただいておりまして、これにスマート農業の導入の推進というようなこともやっておりますけれども、お米につきましては、輸出が堅調に伸びております。米、米加工品、これにはあられ、せんべいの米菓や日本酒を含みますけれども、2020年の輸出数量は、一部品目の原料換算も含めまして3万6,442トンということで、対前年比で2.6%増、金額は347億円で、同じく5.5%増でございます。2021年に入りましてからも輸出量、金額とも堅調に伸びているというのがお分かりいただけるかと思います。
    国の方では輸出拡大の実行戦略というものを定めまして、米、パック御飯、米粉、米粉製品、こちらを重点品目ということで選定しまして、2025年の輸出額目標125億円、そしてターゲット国・地域を香港、アメリカ、中国、シンガポールと設定しまして、達成に向けた課題、方策を整備しながら、この促進に力を入れているということでございます。
    13ページ、お願いいたします。
    備蓄でございます。令和3年産の備蓄米の政府買入入札につきましては、買入れ予定数量の20万7,000トン、これに対しまして第4回の入札で全量が落札いたしました。原価の主食用米の需給環境などを踏まえまして、需要に応じた生産に向けて、産地がその判断によりまして政府備蓄米に取り組んでいただいた結果と、こういうふうに考えております。
    現在の入札方式でございますが、平成23年産から播種前入札ということで実施しておりますけれども、令和3年産につきまして4回目の入札で全量が落札したということでございます。
    以下、参考でございますけれども、14ページは先ほど御説明申し上げましたので捨象させていただきます。
    15ページ、16ページにつきましては、新型コロナウイルスの影響で中食・外食向けの需要が大きく減少したということで、補正予算を組みまして販売促進の事業を実施させていただきました。各地の産地の卸売業者さん、外食業者さん、そして小売業者さんの皆さんに活用いただきまして、かなりの成果を上げているということでございます。外食ですと大盛り、おかわり無料キャンペーンですとか、小売ですと増量キャンペーンなど、こういった形で販売促進に取り組んでいただいているところでございます。
    17ページをお願いいたします。
    こちらも新型コロナウイルスの影響ということになるんですけれども、学校給食の補完を果たす子ども食堂、そして、食堂には集まりにくいというような事情がある場合は、子育て家庭に食材をお届けする子ども宅食、こういった取組が拡大しておりますので、食育という観点から政府備蓄米の交付をさせていただいているところでございます。子ども食堂につきましては、1申請当たり90キロ、子ども宅食につきましては1申請当たり300キロ、これを上限に交付するということでございますけれども、交付した数量を適切に使っていただいた場合につきましては、必要に応じて年度内の追加申請が可能という取組でございます。
    最後になりますけれども、海外からの輸入の状況でございます。ミニマムアクセス米につきましては約77万トン入ってきておりますが、このうちSBSにつきましては6万トンということで、主食用に回り得る、用途限定のないものは6万トンです。10万トンまで可能でございますけれども、これは国内の需給環境によりまして変動することが多うございまして、今年につきましては国内が少し需給緩和気味ということで、10万トンに満たない6万トンということになっております。
    19ページはそれに対する内訳でございます。SBSの輸入入札状況の内訳でございます。
    最後のページ、TPP11におけるコメの豪州枠の運用ということでございます。アメリカが脱退しましたので、現在、お米の国別枠で設けているのは豪州のみでございますけれども、2021年、足元の状況は、枠数量6,240トンに対しまして輸入数量は20トンということで、昨年も6,000トンの枠に対しまして1割に満たない595トンでございました。豪州、非常に干ばつなどの多い国でございまして、生産の減退ということで入ってきていないということでございまして、2030年以降、8,400トンまで枠は増えますけれども、こちらの状況はルールにのっとった運用をしてまいりたいと思っております。
    説明は以上でございます。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    本日、皆さんに御了承というか、御議論いただきたいのは資料2になるわけですけれども、取りあえず参考資料1、参考資料2に基づいて、かなり資料2の内容の背景も含めて丁寧に御説明いただいたということだと思います。以上の御説明について、是非御意見、御質問いただければと思います。ネームプレートを上げていただくなり挙手していただくなり、サインを送っていただければと思いますし、あと、オンラインの方はチャットか手挙げの機能かで教えていただければ、適宜指名をさせていただきます。それでは、是非御議論いただければと思いますけれども。
    それではお願いできればと思いますけれども、どなたか手が挙がっていますか。
    じゃ、まず馬場委員からでもよろしいですか。
  • 馬場委員
    馬場でございます。
    資料2の説明はされませんでしたが、本日は、6月末の在庫の実績を見て需要の確定がされて、今後の需給見通しとしての基本指針を決めるということで、確定しているのは6月末在庫です。生産量から在庫を差し引いて消費量、需要量を出すという方式に変えて、もう数年たつのですけれども、ネガからポジに変わったときからそうなっているのだと思いますが、そういう面では、在庫量というのがまず確定ということになるわけですね。これはどうやって調べているのか、というところは、まず詳細にお聞かせいただきたいというふうに思います。そこがキーになるわけですので。
    加えて言いますと、生産数量目標の配分というのが30年産からなくなり、30年、元年、2年と来たわけですね。この間、コロナの影響もあったということで、この参考資料1にあるように、元年から2年にかけて10万トン、2年から3年にかけて20万トンというように在庫は増えてきているということです。しかし、今日の御説明を聞くと、3年産の作付転換が進んで、30万トン以上の削減効果もあって、今後の需給は、予想では大幅に緩和するのではないかというように見ていましたけれども、そこは回避されたと見ていいのかどうか、ということがまず1点です。
    ただし、令和4年6月末の民間在庫は210万トンなのですよね。適正在庫である180万トンから200万トンではないという状況がある。この3年を見ていきますと、昨年の2月にも少し議論しましたが、国が示す需要見通しというのは令和元年/2年は727万トンだったのですね。それが実績として714万トンになった。令和2年/3年の需要見通しは711万トンから716万トンだったのが704万トンというように、見通しから見ると10万トンずれているということになります。これはコロナの影響というのもあるのか、どうなのか。そのずれというのは一体どういうことなのか、ということについてもお聞きをいたしたいと思います。とりわけ、元年から2年にかけて、大きく数字が減ったというのは一体何だったのか、ということも見ておかないといけなのではないか、と思っています。
    いずれにしても、3年産、しっかり深掘りをさせていただいて、生産現場はとりわけ頑張っていただいたと思っておるわけですけれども、令和2年/3年の需要見通し、711万トンから716万トンという数字において作付転換を図ってきたということだとすると、需要見通しと需要実績との差というのが予期せぬ需要減として出てきているのが、この在庫としての増になっていると見られるのではないか。結局それは、調整保管として33万トンと御紹介がありましたけれども、そこにつながっているということではないのか。
    これはお願いですけれども、参考資料1の33万トンが横に括弧書きされている矢印が出ている数字、これは上の欄のことであって、下の欄のところでは、33万トンというのは令和3年/4年産の供給量に入っているというところが、これでは見えないと思います。これは数字に入っていないのですが、少なくとも上の2年産の供給量には入らないものの、3年産の供給量として出てくるということは誤解なきようにしていただきたいと思っております。
    そういう面では、この令和3年/4年の需要見通し、今回も703万トンという見通しが出されておりますが、これはどういうことなのかということを、もう一度詳しく教えていただきたい。長期トレンド10万トン減との関係がどうなのかということも含めて。そうしておかないと、需要量がずれたときの対処は一体国としてどうするんだ、と言わざるを得ないと思うところであります。
    それから、資料の中に、コロナ対策に向けて販路多様化の取組の資料が出ておりましたけれども、先般、コロナの影響も含めて令和2年/3年の需要実績では、前年の714万トンから10万トン減少したとおっしゃっていたのですが、この販路多様化の効果はどれぐらい対応されたのかということ。併せてお願いですが、今後、ポストGoToイートなどあろうかと思いますが、パック御飯やカップ御飯、輸出、それから、資料にも出ていました子ども食堂、フードバンクなど、できれば学生向けも含めて国産米を更に活用いただいて、この703万トンという需要見通しに対応するぐらいの需要拡大を図っていっていただきたいと、その拡充をお願いしたいということであります。
    先ほど資料にもありましたが、備蓄米についても、子ども食堂や生活困窮者等に備蓄米を提供するという話もございましたけれども、食料安保の観点からも、この備蓄というのは極めて重要だということを再認識したわけであります。今後、予期せぬ需要減や作柄の変動など、需給緩和ということもありますので、国としてあらゆる対策を講じて、しっかりとしたアナウンスもお願いしたいと思っております。
    最後に、中長期的に見れば需要は減少傾向にあることは間違いない。頑張りますけれども減少傾向にあるのは間違いない。4年産以降も主食用米以外への転換をしていくということも必須だろうと思います。水田リノベや水田フル活用など、支援の拡充をお願いしたいと思いますし、ナラシの対策についても計画的に販売し、生産し、主食用米から転換するものが、しっかりとメリットを受けるような運用についても是非御検討を頂きたい。これは次の話ではありますけれども、以上です。すみません。長くなりました。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    馬場委員から、かなりデータの背景も含めて基本的な御指摘があったと受け止めています。基本的に何人かの委員、まとめて御回答と思っていましたけれども、馬場委員の件は今御回答をお願いしてもよろしいですか。
  • 三野企画課長
    幾つか御指摘いただきましたので、お答え申し上げます。
    まず、在庫をどういうふうに調べているのかということでございますが、先ほどちょっと説明ができなかったんですけれども、本体資料の2、指針本体を御覧いただけますでしょうか。こちらの9ページでございます。民間流通における6月末在庫の推移ということでございまして、こちらの注に、どういった業者の方々から報告を頂いているかということを詳細にお示ししております。(ア)のところで、平成16年以降については、年間玄米取扱数量の500トン以上の業者の方々、15年についてはということですね。これらをそれぞれ産地、生産段階、出荷段階、販売段階、それぞれ報告を頂きまして、それを取りまとめた数値ということでございます。
    それから、時間の関係もありますのでポイントを簡潔に申し上げます。需要量の見込みにつきましては、この先の需要がどうなるかということを見込むのは非常に難しゅうございますけれども、今年から来年にかけての令和3/4年の需要量につきましても、変動の可能性があるということは御指摘のとおりかと思っております。過去2年の需要実績は、新型コロナウイルスの影響が生じた期間、元年から2年にかけては半年程度、2年から3年にかけてはほぼ通年ということでございまして、そこに新型コロナウイルスの影響があったことは、この実績の中に織り込まれているというふうに考えております。
    そして、今後につきましては、7月以降、東京で4度目の緊急事態宣言が出されまして、再び感染拡大の傾向が見られる一方で、ワクチン接種が進められておりまして、7月20日時点でございますけれども、2回目の接種率が約23%ということでございます。今後の推移を見通すことが非常に難しい状況にはありますけれども、今回の需給見通しの策定に当たりましては、新型コロナウイルスの状況によって下振れする可能性もある、変動する可能性もあるということに言及しつつ、需要見通し自体はトレンド推計によるものを置くということで、今後調査を要するとすれば調査も行った上で、11月末までの指針の改定の際に必要な見直しをしてまいりたいというふうに思っております。
    先ほどちょっとこれも説明を省いてしまったんですけれども、参考資料1の2枚目の資料でございます。先ほどちょっと私、言い間違えまして、左側の上のものが平成8、9年、25年間のトレンド推計で、下がこの10年でございまして、25年と10年でございますけれども、馬場委員御指摘のとおり、735万トンから714万トンへと、ここでかなり落ちまして、ここに新型コロナウイルスの影響があったことは否定できない事実でございます。そこから714から704と、今回お示ししたのは実績として704でございます。来年の見通しとして、過去の推計、トレンドで落ちてきた推計を基に推計すると703になるということでございます。ここで735から714に大きく落ちておりまして、トレンド減が仮にも10万トンずつ進めばということで、725、715、705というふうに落ちることも、これはトレンドとしてはあり得るわけですけれども、735から714に大きく落ちて、そこを踏まえた上で714、704と来ているということでございます。この推計のやり方で振り返ってみると、大体トレンド需要減というのは、この一定の回帰線の上に乗っかってきているということでございまして、その算式を今回も踏襲しますと703万トンになるということでございますが、繰り返しでございますけれども、この先の需要をどう見込むかというのは、いろんな変動要素がございますので、これについてはしっかり注視をしてまいりたいというふうに思っております。
    それから、販売促進事業の効果というふうな御質問も頂きました。これにつきましては、一部推計も入りますけれども、事業の効果としましては約6万トンの実績があったというふうに我々は見込んでおります。令和2年度の1次補正と3次補正、こちらをそれぞれ積み上げますと、約6万トン程度の販売促進効果があったというふうに考えております。内訳を申しますと、1次公募で約3,000トン、2次公募で約2万トン、3次公募で約3万トンで、3次補正の分については5万トン程度として、1次補正の部分では約1万トン、これを合わせて約6万トン程度のお米の活用が図られるというふうに推計しております。
  • 大橋部会長
    一部予想が入るテクニカルな話ではあるんですけれども、馬場委員、今の御回答に関してもし追加があれば頂ければと思いますけれども。あるいは後ほどでも結構ですので、分かりました。
    ほかの委員の方で、是非手を挙げていただければと思います。ほかの委員の方、いかがでしょうか。
    それでは山田委員、お願いいたします。
  • 山田委員
    いろいろと御説明いただき、大変ありがとうございました。
    まず最初に、今回の米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針につきましては、私自身はただいま御説明いただいた内容で妥当であると、まず結論として申し上げます。
    これは私の認識ではありますけれども、今回の基本方針の検討のポイントというのは、前年の部会でも、申し上げたような記憶があるのですが、やはりコロナ禍というイレギュラーな環境の中で、従来とは違う需給状況を前提に価格バランスの落としどころをどう判断するのか、その一つ指標として、6月末の在庫をどう認識するのかというのが大きなイシューだったのではないかなと認識をしております。
    こうした中で最も重要なことは、価格について、これは感覚的な表現になってしまいますけれども、消費者、生産者がそれぞれの立場で、大きく変動することがやはり一番問題になる可能性があるので、そこをいかに極端な形にしないようにソフトランディングをさせていくのかというのが求められていることではないかと私自身は認識をしておりました。
    昨年の部会で提示されたように、多少時間を掛けながらソフトランディングをしていくという意味で、今回のプロセスというのは、先ほど価格水準についても、資料の御指摘もありましたけれども、真ん中の水準ぐらいで安定しているということからすると、ある意味でオントラックという形になっているのではないかなと私自身は思っております。
    この令和3年6月末の在庫量も、確かに219万トンとして今までの中では大変高い水準ではあるかと思いますけれども、先ほどの御説明を踏まえれば、想定の範囲内なのかなと考えています。そういった意味では、先ほど申し上げたように、このプロセスにおいてはオントラックだと思っていますし、この御説明のありました令和3年産の主食用米が平年作の場合で今回700万トンを切るということになったことは、そうしたプロセスにおいて生産者の皆さんの大変な御努力の結果だと思います。
    こうした中で、やはり一番の問題は、先ほど馬場委員もおっしゃられたように、過去のデータトレンドで算出した1人当たりの消費量に基づく3/4年の主食用米の需要量が本当にこの想定どおりで動くのかどうかという、ここが一番のポイントなんだという気がします。私は米ではなくて小麦粉の方を扱っているわけですが、実は小麦粉の消費量も、昨年度の4月、3月では、実は私が入社してから考えられないような数字に落ちました。今、回復過程にはありますけれども、さはさりながら、正直言っていまだに前年度にいくかいかないかの状況の中で動いているのではないかと推定をしているぐらい、シュリンクした状況が継続している。そういうことからすると、このコロナ禍の中で新たな生活様式が定着をして、本当に市場が以前のような需給環境に戻るのかということも踏まえて考えなければいけないし、過去の10年間のトレンドが本当に正しいのかということは、やっぱりよくよく考えなければいけない。そのことが馬場委員がおっしゃったことなのではないかと思います。
    私自身も、民間企業ではありますけれども、企業としても、例えば小麦需要についてどう見たらいいのかということを検討しているところですし、是非、今回のことは先ほど言ったように妥当であるとは思いますけれども、今後の需給見通しについてはいろんなファクターが入るので、そのことをよくよく見据えながら、速やかに、やっぱりちょっと違うなということがあれば柔軟に見直して、その対策を立てることが必要ではないかなと思慮するところでございます。
    先ほどの参考資料1の右端の注の2にも同じような、表現があったとは思いますけれども、是非その点は当局の皆様にも御理解いただいて、本当に早め早めの対応が必要ではないかなと考えるところでございます。
    私の方から、以上でございます。
  • 大橋部会長
    どうもありがとうございます。
    1点、御回答。
  • 三野企画課長
    すみません。馬場委員の先ほどの御質問に対するお答えです。
    政府備蓄米に関しましては、簡単に考え方を申し上げますと、適正備蓄水準は100万トン程度として運用しておりまして、これは10年に1度の不作、作況92ですとか、通常時の不作94が2年続いた場合にも、国産米をもって対処し得る水準ということでございます。
    委員御指摘のように、新型コロナウイルスの影響などによりまして輸入農産物の減少というようなことも起こり得るのではないか。今後、備蓄量もきちんと維持していくべきではないかという指摘の一方で、この水準が、果たして需要量が大幅に落ちている中で適切かという御指摘もあるというふうに認識しております。いずれにしても、事実関係、データを基にきちんと議論していくことが必要だというふうに考えております。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    オンラインで山波委員、手を挙げていただいているということで、是非お願いいたします。
  • 山波委員
    本年より、私、委員の方を務めさせていただきます、新潟県の生産者で米づくりを中心に農業を営んでおります山波農場の山波と申します。どうぞ皆さん、よろしくお願いいたします。
    それで、私も、ちょっとすみません。先ほどからウェブだとちょっと聞こえない部分があったので、中身がもしかしたら把握できていない部分があったら大変申し訳ないんですけれども、私、この基本指針に関しては、これで適正であるというふうに考えております。
    生産者の立場ということでお話しさせていただきますと、昨年の11月、令和2年産の収穫が終わって、そして生産量が分かった時点で令和3年の在庫量の見通しについて本部会でも御議論いただき、農水省さんを中心に、生産者に新たな支援事業やいろんな策を講じていただいて誘導していただいた結果が、この需要量と、それから民間在庫量の見通しということにつながっているんじゃないかなというふうに考えております。
    私ども、今、生産者として実感している部分では、本当に新潟県でも全国組織でも、いろんな様々なところで作付転換を行っているということが意識的に情報共有できていましたし、そして、実際にこの数字のとおり、生産者としても意識的に主食用からの転換というのができてきたんじゃないかなというふうに考えております。
    それと、この数字は概ね私も納得できる部分なんですけれども、先ほどから委員の方々が御指摘いただいている部分、普通にいって10万トンずつの需要減少を含め、本年も新潟県は今のところ天候がいい状況ですので、作況が100で終わるのかということも一つ大事な部分になってくるのかなと。そういうことに関係者の皆さんで注視しながら、需要量というものが決まった中で生産量がどれぐらいになるのかということを踏まえて、臨機応変に対応していくような形にできればというふうに思っております。
    以上です。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    ほかの委員の方々、いかがでしょうか。よろしいですか。
    それでは稲垣委員、お願いいたします。
  • 稲垣委員
    稲垣でございます。今回初めて参加させていただきますので、よろしくお願いいたします。
    再三話題になっていますけれども、今回の需給見通しなんですけれども、適正とまでいうのはちょっとどうかと、やむを得ないというのが私の意見なんですけれども、これも先ほどから出ていますけれども、25年分ですか、回帰式を使ってトレンド推計してやっているということで、7月末のこの時期ですから、これしかないんだろうとは思いますけれども、御存じのように、回帰式というのは既存の構造を前提にしているので、全く構造変化を織り込めないということです。
    これも先ほどからお話になっていますが、コロナの影響が一時的なもので終わるのか、どうなのか。これも月並みな言い方ですけれども、ビフォーコロナの世界とアフターコロナの世界は違うんじゃないかという意見がいろいろ出ています。
    米の消費について見ても、外食需要は戻るにしても、そもそも食べている方は同じはずなので、外食の消費量が多いのは恐らくフードロスのせいだろうと言われていますけれども、ここも随分変わってくるんじゃないか。それから、これは家族の在り方そのものの話とも関わってきます。家食の傾向って、そんなに完全に戻っちゃうのかなと思います。私どもの年代ですと戻っちゃうんだろうなと思っているんですけれども、若い人たちは多分違うことをお考えだろうと思います。それから嗜好も、先ほど麦の話も出ていましたけれども、家食ということでパスタとかパンに移っている部分もありますので、こういったところ、もちろん全部そのままということはないと思うんですけれども、要素としてはかなり残るのかなと。
    推計のトレンドでいうと、キンク(kink)する、直線がストンと落ちていることがひょっとしたらどこかで起きているかもしれないというようには思います。だから、そこを非常に気を付ける必要がある。そういった構造的なことというのは、まだ今は分からないんですけれども、少なくとも足元、この感染状況を見る限り、一時的要因にしても相当下振れ要因があるだろうなという一方で、需要の上振れリスク要因って余り見当たらないなという気がいたします。
    これを、食い違っていた需給をどうやって調整していくかということですけれども、私も原理主義者じゃないのですが、やっぱり価格で需給調整していくというのが原則だと思うんですね。ん、先ほど御指摘があったように、余りひどい変動が起きると、これは生産意欲に大きく関わってくる話だと、そういう意味で緊急避難的にやらなきゃいけないというのも分かっているつもりです。もちろん徐々にきいてくる経営上の影響については、いろんな施策、それから直接的にはナラシだとか収入保険とか、そういったところでやっていくんだろうと思いますけれども、いずれにしても緊急避難的な措置ぐらいしか取り得ないだろうなとして考えなきゃいけないなということからすると、実は調整保管の話なんですけれども、これは今の需給状況からすると33万トン、これはそれこそやむを得ざるところなのかなというようには感じております。けれども、うかつにそのままやっていると、16万トンが33万トンで、この分でいくと、先ほどいったような需要動向からすれば、更に全体の在庫が積み上がると、じゃ、更に50万トンまでいくのか。緊急避難のつもりでやっていたのが、もうずっと続けなきゃいけないというようなことになりかねないので、ここは十分注意してやっていただきたいなということを思います。
    特に先ほど御指摘がありました、今年は多分作況も、これも下駄を履いてみないと分からないんですけれども、この天気だといいだろうと思いますし、間違っても不作頼みするような、そういう不謹慎な対応をされないようにお願いしたいと思います。
    それから、これも再三御発言がありましたけれども、いずれにしても、どの程度インバンドがあるかは別にして、やっぱりダウントレンド、どうしても人口動態から見て、食う口が減っていくのは間違いないので、需要のダウントレンドが続いていくと思います。需要がダウントレンドであればもう供給を減らすしかないということで、いろいろな転換ということですが、その際にも、やっぱり一つは、これはもうここの場の議論ではないとは思うんですけれども、農林水産省、あるいは政府全体でお考えいただきたい話なんですけれども、飼料用米といったような余り生産性の高くない食べないもの、別に豚、牛に食べさせちゃいかんというわけじゃないんですけれども、今のエシカル消費という話からすると、そういったものを作るんではなくて、もう少し高収益の、それが果樹なのか野菜なのかって私はよく分かりませんけれども、そういったものをきちんと作っていくようにしていただきたいと思いますし、ここは農水省の議論ですからそこまでなのかもしれませんけれども、別にやること、転換する先が必ずしも農業に限るものではありません。例えば太陽光発電なんかも土地が足りないと言っている時代ですから、そういったものを組み合わせるとか、そういった経営体として生産性を上げられることをやっていかないと、正に米というものの需要は減っていくわけですから、そこの構造転換をきちんとやっていただきたいなというように思います。
    コメントみたいなことで申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    次、オンラインで宮島委員から手を挙げていただいていますので、よろしくお願いします。
  • 宮島委員
    日本テレビの宮島と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
    私の立場からは、まず御提案に関しましては、今の段階で、先ほどやむを得ないというようなおっしゃり方があったんですが、いろいろな変数を完全に読み込むことができない以上、今の状態でこの数値だというふうに思います。
    その上で、こうした機会ですので、私は、中長期的にこの先どうしていくかということを考えるべきではないかと思います。今、新型コロナウイルスの影響が広がっている中では、いろいろな産業が変革を迫られていて、この先、変革ができた産業とできなかった産業の差もどんどん大きくなってくると思うんですけれども、この状況を直視した上で、もちろんずっと続いている人口減少も含めて、これをどうしていくのか、変化をどのように取り入れて変わっていくのかということを真剣に考える必要があると思います。
    例えば、先ほど事務方の方から備蓄米のお話があったんですけれども、この備蓄米の今の数字というのは、20年前に決めた100万トンという数字だと承知しております。そうしますと、政府の備蓄米というのは、国民の需要に応じていざというときに必要なものですので、需要が約200万トン減少している中では、この備蓄米の水準というものもこれでいいのかというようなことを考える必要があるのではないかと思います。この検討もしていただきたいです。逆に、価格との関係で買うというような考え方がもしあるとするのだとすれば、これはむしろ全体の税金の使い方ということになるんだと思います。
    私は、割と財政の議論に参加することが多いんですけれども、政府の備蓄米、あるいは米のところにとてもたくさんのお金がかかっています。もちろん日本にとって大事だということで今までかけてきたということはそうなんですけれども、今、あらゆる産業が困っていて、あらゆる産業が自助努力を最大限にした上で何とか助けてくださいという状況に迫られている中で、単純に価格が下がったから、その分は買ってくださいみたいな、そういう姿勢は一般国民にはなかなか理解しがたいのではないかと思います。ちゃんと中長期的な状況を見定めて、必要なものを作るという転換がちゃんと図られた上で、急激な変化への対応や社会保障のために一定程度の財政を投じるというのは、それはそれであり得るのかもしれませんけれども、何となく自動的に価格の維持が必要だということは、普通の人は今なかなか理解できないんじゃないか。一般の人から見ると、もうちょっとお米の値段が下がったら買うというような人もいるかもしれませんので、その価格と需要との関係もちゃんと見定めた上で、そしてちゃんとニーズに合った変化を農業の方でも起こせているのかということを考えた上で、今後の政策を打っていく必要があるのではないかと思います。
    繰り返しになりますが、国民の目線から見て、この政府の備蓄米の今の水準が妥当なのか、これに対してかけるお金が妥当なのかというような視点を踏まえた上で、今後の農業政策を考えていただきたいと思います。
  • 大橋部会長
    どうも御指摘ありがとうございます。
    次、またオンラインで山﨑委員、手を挙げていただいているということでお願いできますでしょうか。
  • 山﨑委員
    分かりました。本年度から参加させていただきます、茨城県でお米の生産から販売をしています山﨑美穂と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
    生産者の立場から意見させていただきます。需要量に関しましてですけれども、これは妥当な数字ではないかと思っております。というのは、コロナ禍で弊社は販売数量もやはり影響はしておりますが、海外輸出においてはものすごく数字が伸びています。そして、国内の業務用は影響がでていますけれども、中にはおにぎり屋さんだったり、テイクアウトのお弁当などでは販売数量はすごく増加しております。飲食店などはコロナ禍においてすごく影響を受けておりますが、その中でもやはり工夫して販売しているお店もありまして、そちらでの販売数量は伸びています。今後、ワクチンの接種が進めば、またこの数量というのは変わってくると思いますので、その数量の見直しは随時検討する必要があると思いますが、今回お示しいただいた数量に関しては妥当な数字じゃないかと思いました。
    以上です。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    ほか、御意見いかがでしょうか。
    藤尾委員、お願いいたします。
  • 藤尾委員
    まず、米の基本指針につきましてですが、この資料の方を私なりに読みまして分析した結果、特に問題なく妥当だというふうに思います。
    それで、私からのちょっと意見としてなんですが、やはり米の消費減というのを何とかして食い止める、又は少しでも上向いていくようにするためにということで、やはり考えていかないといけないと思います。そこで、以前から申しておりますが、やはり加工米飯についての対策についてをもう一度考えてほしいと思います。
    加工米飯の中で、以前からずっと冷凍米飯が一番シェアを持っておりまして、生産量が一番多かったんですが、令和元年に冷凍米飯を無菌包装米飯が抜きました。冷凍米飯の方が令和元年、生産量が17万8,068トンに対して、無菌包装米飯が18万2,797トンということで、無菌包装米飯が抜きました。それで、令和2年におきましても、冷凍米飯の方は前年度を割りまして17万1,300トンということで、前年度を7,000トンほど割ったんですが、逆に無菌包装米飯におきましては19万7,185トンということで、1万5,000トンぐらい生産量を上回ったというような状況になっております。このパック御飯のトレンド、これはもう完全に伸びております。
    そこで、一つ問題なんですが、更にこのパック御飯を伸ばしていこうと考えた場合に、やっぱり価格のところにぶつかってくるかなと我々は思っております。今、普通に精米を買って、炊いて、お茶碗1膳で30円前後ぐらいかなと思うんですが、パック御飯の方は、いろいろな企業努力、またスーパーさんとかの努力、特売などの価格対応もあり、何とか100円を割るようなところで販売されているのが主流になっておりますが、まだやっぱり3倍ぐらいの開きが、炊いた御飯とあります。ですから、これが少しでも炊いた御飯に近付いていけると、もっともっとパック御飯の需要が伸びるというふうに我々は思っているんですね。
    そこで、企業努力ではやはり限界がありますので、パック御飯用のお米をやはり加工用米として対応してほしいなと思います。そうすれば単価をもっと落としていけますので、そうすれば、今まで御飯を食べていなかった層のお客さん、消費者も、ひょっとしたら簡便で、簡単に食べられるということで、朝食とかでパック御飯を食べてくれるというマーケットが新たにまだ増えてくるんじゃないかなというふうに考えております。
    それともう一点は、これも米の消費拡大におきまして重要なポイントになってくるのが、やはり輸出やと考えております。それで、先ほど資料の中で輸出についてありましたね。米の基本指針に関する主なデータ等、参考資料の2の12ページに、輸出のところに載っておりますが、2020年、1万9,687トンということで、過去最高の米の輸出になっております。特に米に輸出におきましては年々伸びているわけですが、当社におきましても、実はこの1万9,687トンのうち5,744トン、ほぼ3割ぐらいが当社のシェアになっております。当社の中でも前年度は過去最高の輸出量になって、ほぼ6,000トン近くまでの輸出量になりました。ただ、去年の暮れから今年にかけて、特に輸出先の一つの大口であるアメリカにおきまして、ものすごい勢いでフレートが上がっております。これはコロナの影響等もありますが、アメリカの方は消費意欲がすごく旺盛で、そういった意味でアメリカ向けの輸出が大混乱しております。それで、なかなか港のスペースの確保がないという状態になっておったりとか、あともう一つ、やっぱりコロナウイルスの感染拡大により労働者の方の感染が拡大したことにより、労働者不足というのが起きております。
    それで、どれぐらい上がっているかということで参考までなんですが、昨年の9月でロサンゼルス向けが大体20フィートで1,200USドルでしたけれども、今年の7月におきましては5,350USドルと4倍以上になっております。また、ニューヨーク向けにおきましても、昨年の9月は20フィートで1,500USドルが、今年の7月は8,500USドルということで、当然過去最高のフレートの上昇となっております。これが与えるインパクトなんですが、LA向けにおきましては、精米でキロ当たり25円の負担増となります。ニューヨーク向けにおきましては42円の負担増となります。ですから、これが単価でポンされると、ただでさえ少し高い日本の米が更にもっと上がるということで、アメリカ向けの輸出においては大きな影響が出てくるんじゃないかなと考えております。この辺りは何とか対策というのを考えていただきたいと思います。
    私の方からは以上になります。
  • 大橋部会長
    2点について大変重要な御指摘、ありがとうございます。
    それでは大桃委員、お願いします。
  • 大桃委員
    大桃と申します。よろしくお願いいたします。
    今回の数字なんですけれども、妥当であるというふうに考えております。
    それで、先ほど宮島委員もおっしゃいましたけれども、今後、この備蓄米に関しての数字が本当にこれでいいのか、その検討はこれからも必要であろうというふうに考えております。
    そのほかに、ちょっとお聞きしたいなと思っていたのが、今年が36万トン、令和2年、3年、4年の主要米等の需給見通しというところで、36万トンのマイナスができたというふうにお聞きしております。そして、この作付面積も非常に今年は頑張って減反できたということになっているんですけれども、今年はそういうふうにできたということで説明があったんですが、なぜ作付面積を減らすということに同意が得られたのかということもお聞きしたいと思いました。
    特に多かったのが、麦への転換が多かったということなんですけれども、ほかの飼料米とかにすると水田という形は残るので、じゃ、今後、ちゃんと人が食べる形へのということを転換がされるわけですけれども、麦にするとなかなかまた水田に戻すということが大変なわけですが、今回、そういったことを農家さんがどうして受け入れて変換していったのかという、補助金なり、何か策があったのかというのをお聞きしたいです。
    以上です。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    御質問もありますので、お願いいたします。
  • 三野企画課長
    まず備蓄の件に関しまして、大変厳しい御意見を頂いたというふうに認識しております。先ほどのお答えと重なってしまいますけれども、どれぐらいの水準に対してどれぐらいの財政負担、これは正に需給操作のための仕組みではなくて、不作があったときに、いざというときに国民の主食である米をきちんと供給するという機能というのが法律上、しっかり位置付けられておりますので、そのために必要な適正備蓄水準を確保するということでございますので、需要量が過去20年で約200万トン減少しているということも事実として踏まえまして、今後政府部内でやはり検討していかなければ、先ほど宮島委員からも同様の御指摘を頂きましたので、今後の大きな課題だというふうに認識しております。
  • 木村水田農業対策室長
    すみません、水田農業対策室の木村と申します。
    まず、大桃委員から御指摘がありました作付転換、なぜ作付面積を減らすことが現場でできたのかという御指摘を頂きました。
    私、この作付転換担当なんですけれども、まず、作付転換をしようとする生産者の皆様には、水田活用の交付金、それから水田イノベーション事業という、転換した品目に応じて支援が受けられる、そういう事業がございます。ですので、お話の中にありました麦とか大豆とか、ほかの作物に転換した場合は幾らもらえるというインセンティブがありますので、それをうまく活用していただいて、生産者の皆さんが何を作れば、その年の所得を確保できるのかという判断をされて、一方で主食用のお米は、先ほどの説明でもありましたけれども、需要の状況等もありますし、在庫もかなり多いという状況から、各地で食用米を3年産に向けて作るよりは、転換してうまく支援制度も使いながら所得を確保した方が生産者の皆様にはメリットがあると感じた方が、3年産に向けては非常に多かったんじゃないかと思います。
  • 大桃委員
    特別なものがなく、ただ説明をして、生産者の方々がそれを選んだということですか。
  • 木村水田農業対策室長
    基本そういうことです。平成30年産以降に米政策が改革をしまして、主食用米の数量目標の配分はもうやっていませんので、基本的には生産者の皆さんが判断をされて、そういう作付転換が実施されたということかと思います。
    あと、もう一点よろしいですか。すみません。藤尾委員から御指摘いただきました加工用米の扱いの中に、無菌米飯をというお話を頂きました。今、大桃委員からも御指摘いただいた作付転換の転換する先の品目として加工用米というのもありまして、これはお菓子に使う原料のお米とか、掛米と言われている日本酒造りに使うお米に仕向けられるんですけれども、そういったものに転換すると幾らもらえるというインセンティブがあります。この中に御指摘のあった冷凍米飯というのも含まれていまして、冷凍チャーハンとか、加工用米を使った加工食品を作ると、そういうインセンティブが受けられるんですが、この中に御指摘のあった無菌米飯、パック御飯は入っていません。あくまで食品原料としてお米を使う場合には生産者の所得が減ってしまいますので、生産者の所得を主食用のお米を作った場合と同じ程度の所得が得られるようにという形でインセンティブを作っています。無菌米飯は、要はお米を炊いてパックにして売るということなので、これが主食用の普通の米を作った場合と比べて所得が減るかどうかについて、我々としては同じ主食用のお米と変わりない所得を得ているんじゃないかということで、その転換のインセンティブ自体は付けていません。ですので、生産者の所得はどうなるかという説明ができないと、この加工用米に含むということは難しいのではないかと思っております。
    以上です。
  • 稲垣委員
    ちょっとよろしいですか。今の点、確認を。
    確か藤尾さんは、需要対策としてパック御飯をとおっしゃったんだけれども、今の話は、加工用米にするということは、その分、この計算している食用米の需要からは落ちるということですよね。だから、逆に今、その加工用米に移したら需要対策にならないで減っちゃうという、そういう理解でいいんですね。
  • 木村水田農業対策室長
    加工用米になると主食用米から外れますので、落ちます。
  • 稲垣委員
    そうですね。だから、主食用米の需要からはむしろ落ちるんですね。
  • 木村水田農業対策室長
    落ちます。
  • 稲垣委員
    分かりました。ありがとうございます。
  • 大橋部会長
    食べている人側からすると、お米を食べているというイメージかもしれませんけれども。
  • 大桃委員
    そうすると、この6.7万ヘクタール作付面積が減っているというんですけれども、実はお米を随分作っていたりもするということなんですよね。
  • 木村水田農業対策室長
    ええ。主食用でないお米ですね。加工用のお米、飼料用のお米。
  • 大桃委員
    分かりました。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    あと、まだ発言されていない方が5名いらっしゃるので、ご発言をお願いをできればと思います。
    金戸委員、よろしいですか。
  • 金戸委員
    金戸です。
    ご説明いただいた数字につきましては、この7月の段階としては妥当だと思います。ただ、これまでのこの参考資料1のオレンジ色の棒グラフ(需要実績)を見ても、その年々によって大きく落ちている年と、10万トンも落ちていない年もあったりして、人口が減った分のパーセントと比較すると、需要見込み以上に1人当たり消費量が減っていたりしています。なぜ1人当たり消費量がその年と前年を比べると減っているのかなど、その辺りの分析、説明を毎回頂くと、次の1年は、その原因等がなくなったので、前年の落ち方に比べると少し安定するんだとか、今年はこの要件がおそらく加わるので、人口が減った分以上に需要が減るだろうなどの理解が得やすいと思います。
    いずれにしても、米の価格が上がれば、おそらく消費は落ちると思います。この秋以降も輸入の牛肉とか豚肉、あるいは国産の鶏肉や卵など、相当な食材の値上がりが見えています。そうすると、本当にこの秋以降は中食であっても外食であっても、商品の売価が、あるいは商品の中身のおかずとか量とかに、それなりの変化は出るだろうと思います。そうすると、その商品を買おうかというお客様にしてみると、ちょっとどうしようかなというような、決して米の単価の変動だけではなくて、そのほかの食材も含めた物価の動きを捉えたときに米の購買、消費にも影響があると思います。今回の数字については良いと思いますが、今後の説明のときには、この年間1人当たりが56.0kgから56.1kgに増えていると、増えるのかなと正直思いますが、その辺りの原因や根拠等を加えていただくと良いと思います。
    以上です。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    残り、オンラインの委員の方々で、まず平田委員、お願いします。
  • 平田委員
    では、山形の平田でございます。
    まず、統計的処理をされて数字を出していただいたと思いますので、指針については是としたいと思います。
    これまでいろんな皆さんのお話をお聞きして、生産現場の農家以外の皆さんの意見には非常に身につまされるなというふうに思って聞いておりました。我々どうしても生産調整、生産の数量を抑制することに慣れているのですけれども、需要の喚起とか販売促進の面で、やっぱりちょっと努力が足りていないなというふうに反省するばかりであります。
    その上で、ちょっと産地の雰囲気をお伝えしますが、先ほどの数字にも出ていたとおり、山形が若干特殊なのかもしれません。山形の状況をお伝えしたいと思います。価格の下落予想がすごく広がっていて、ざわついているということかと思います。もともと営農継続へのマインドが下がっている中でありますので、これが決定打になってしまわないかということが少し心配されるような状況というふうに思えます。
    何でこういうふうになっているのかということを少し考えてみるに、当然コロナ禍の状況ですので需要減少というところに目が行きがちですが、しかし、よくよく考えてみると、大問題なのは、予想される需要減少に対して産地側が対応できていない、つまり、作り過ぎになっちゃっているということなんだろうと思います。残念だと思うのは、山形県においては生産現場に現状認識が全然浸透していないのです。したがって、山形県では生産量の深掘りが進まなかったということです。693万トンに対して応分の達成がなされているわけなんですけれども、山形県においては、その点の取組が弱かったというふうに考えざるを得ないと思っています。
    これは、経営者である生産者が、それぞれの経営判断で生産量を調整するという状況、先ほど稲垣委員から、価格で需給調整がされるべきという御発言がありましたけれども、そういう状況にまだ届いていないと言えるかと思います。県段階の再生協であったり、そういうところで出される方向性でもって実質的な方向性が決まってしまう状況になっているのですが、果たしてこのままでいいのかなと。明確な解を持たないんですけれども、市場原理が有効に働いて生産量が調整されるという状況に向かって、もう一工夫、その仕組みの改善が必要であると思っています。
    以上です。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。率直な所感を頂きましてありがとうございます。
    続きまして、根本委員、お願いできますでしょうか。
  • 根本委員
    ありがとうございます。時間がないので簡単に申し上げます。
    お示しいただいた数字につきましては、現時点においては妥当だろうというふうに考えます。ただ、これは推計の仕方につきましては、精度を高めるための様々な工夫があろうかと思いますので、特殊要因の排除等を含めまして、更に御検討いただければというふうに思います。
    加えまして、需要量そのものの拡大方策、そこで輸出という話も出ましたけれども、次元の違う形での政策対応をしないと、生産性の高い水田を維持していくんだということが施策的には極めて重要であろうかと思いますので、そちらについても配慮が必要だろうということだと思います。政策の重点をどこに置くかということを更に考えていかないといけないなというのが、どんどん強まっているなという感じをいたしました。
    取りあえずそういうことです。ありがとうございました。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    残り、オンライン2名の委員から、手は挙がっていないんですけれども、もしご意見があればということで、長部委員。
  • 長部委員
    長部です。よろしくお願いいたします。
    基本方針の指針の数字というのは、コロナや天候不順の懸念も多い中で、これ以上の予測を入れ込むことも不可能かと思いますので、これでよいかと思っております。
    お米を原料としています酒造メーカーの側の立場として少しお話ししたいんですが、現状としては、やはり地元の灘五郷では、昨年の家飲み需要ということで、一部経済酒が一旦跳ね上がったような販売量になった蔵もあるんですけれども、今年はまた今少し落ち着いてきて、国内酒造メーカーのお酒の飲まれる飲酒量というのは年々減ってきている、このトレンドには変わりがありません。
    一方で、輸出の方は4月、5月も前年比、前々年比と比べないといけないんですがかなり回復をしてきている状況です。輸出金額も241億円、去年コロナの中でも伸びた状態で終わっておりまして、数年後、600億を目指すということですので、以前にも申し上げたように、やはり原料が米ということですので、安定的なお米の供給というのを是非お図りいただきたいというふうに思うんですが、酒造好適米の村米の契約農家さんの方でも、年々後継者が減ってきております。集団農営として法人化をされているところもありますが、そこにもやっぱり限界があるので、もう少し国からの施策で、例えば国酒と言われるお酒を作っている村米農家さんへの補助金のようなものもあってもいいんじゃないかという話も出ております。
    あと、状況によって原料米が余った場合の買取りですね。これを備蓄米として買取りをしていただけないかなという意見もございます。ただ、そういうことをすると、地域地域で努力をして、おせんべいにしたり、いろんなことに活用しようという自助努力が駄目になるんじゃないかという御意見も頂いたんですが、それは僅かな量ですので、やはり継続的に中長期的に農家を守って維持していく、いろんなリスクや危機が年々重なる中で、5年、10年先も国酒の日本酒がきっちり守られるためには、やはりお米の生産者をどう守るかというところは非常に重要なところかなと思っています。
    あと、GIの地理的表示が認定されてきているんですが、これをもう少し活用していただけたらなということと、みどりの食料システム戦略というのを農水省の方で立ち上げられていらっしゃいますが、無農薬あるいは減農薬、化学肥料をあまり使わない有機農業に関しては世界的に注目度が高まっています。そういったお米で作ったお酒は、ヨーロッパをはじめ海外でこれから伸びていくカテゴリーで、高付加価値商品として日本のいいお酒に注目が集まり、輸出拡大につながっていくと思います。ただ通常の米作りよりもコストがかかるので技術的な支援だとか環境整備をお願いしたいというふうに考えております。よろしくお願いいたします。
  • 大橋部会長
    大変重要な御指摘、ありがとうございます。
    以上、委員の方々全員から御発言いただきました。もし追加で特段の御発言があれば頂ければと思います。
    馬場委員、ではお願いします。
  • 馬場委員
    すみません。終わりかけていて申し訳ないですけれども、先ほど農協の話もありましたが、いずれにしても予期せぬ需要減という、これまでの需要見通しと実績のずれ、これが結局在庫となって、予期せぬ需要減として出てきているということです。これからまた作柄によっては需給緩和ということも予想されることでありますので、最後に改めて国としてあらゆる対策を講じて対応していただきますことをお願いしたいということを申し上げます。
    以上です。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    ほか、皆さん、大丈夫ですか。
    もし事務局から何か全体を通じてあればあれですけれども、大丈夫ですか。ありがとうございます。
    非常に活発な御議論、ありがとうございました。様々御意見を頂きました。例えばですけれども、需要の推計については様々御意見を頂きまして、これは実は前の部会からも頂いているものだと認識しています。ここの辺り、しっかり要因分析を毎回毎回していただけないかという御要望も頂きました。また、備蓄米、あるいはその調整保管についても、もう少し考える余地はないのかというふうな御指摘も頂きました。そうした中では、根本委員は次元の違う政策が必要とされているんじゃないかという御指摘も頂きましたし、他方で、最後、菅原委員から、生産者というのは多様なんだと、多様な生産者が自らの経営判断で事業を行っているということを大事にしてほしいというふうな御意見もあったと認識しています。
    そうした様々な点が、この資料の今回の基本方針にきちんと反映されているかと言われれば、これは今後の課題と言わざるを得ないところがあると思います。そういう意味で、委員の数人からはやむを得ないというふうな御指摘も頂きましたけれども、おおむね今後の課題は、今申し上げたものも含めて、きちんとこなしていかなきゃいけないことを前提として、今回の基本方針については、本部会としては了承とできるかどうかということでお諮りしたいと思いますけれども、適当というふうな形で認めてもよろしいでしょうか、皆さん方。オンラインの方も大丈夫ですか。
    どうもありがとうございます。それでは、基本方針については異議なしということで認めさせていただきたいと思います。
    食料・農業・農村政策審議会令第2条第2項の規定によって、議事の決定に必要とされる出席委員の過半数は超えていますので、本件については適当ということで議決をいたしたいと思います。
    本食糧部会の議決につきましては、審議会の議決とするとされておりますので、後ほど食料・農業・農村政策審議会として、農林水産大臣に適当と認める旨の答申をいたしたいというふうに思います。
    なお、農林水産大臣への答申につきましては書面で行うこととなっておりますけれども、その文面についても御一任いただけますでしょうか。よろしいですか。
    ありがとうございます。それでは、最初の議事の1はこれまでとさせていただきまして、議事の2がその他でございますけれども、事務局から何かありますでしょうか。大丈夫ですか。
    それでは、本日の議事につきましては全て終了となります。
    最後ですけれども、本日の議事については議事録として整理をして公開するということとなっております。これの整理についても御一任いただけないかということなんですけれども、よろしいですか。
    ありがとうございます。
    それでは、進行を事務局にお返しいたします。
  • 日笠企画課課長補佐
    どうもありがとうございました。
    最後に、閉会に当たりまして平形農産局長から御挨拶申し上げます。
  • 平形農産局長
    委員の皆様、新しい体制ということで、第1回ということでございますけれども、本日は本当に長時間にわたる審議、ありがとうございました。また、米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針につきまして、案を認めていただきまして本当にありがとうございます。
    本日の審議の中でも、特に需要についての要因の分析、あるいは、この方法で取りあえずやるんだけれども、需要というのはもうずっと変わってきておりますので、その時点、その時点での検証、これをやはりして、この食糧部会はいろんな審議会の中でも回数がかなり多くなっておりまして、多分次は10月か11月ぐらいの時期に、このときが需要の状態もまた少し分かってきていると思いますし、また、もう一つ話がありましたけれども、今年度の作付面積の方は大体見えてきたんですけれども、作況を含めた生産量の見通しということで、また御審議を頂きたいと思っております。
    その際、本日ありました、この需給見通し以外の部分について、例えば備蓄の水準ですとか、備蓄と同じような機能を今果たしつつあるというのが、やっぱり一つ調整保管だと思いますけれども、そういったものの位置付けですとか、もう一つ、平田委員からもありましたけれども、現在の状況は必ずしも十分生産段階まで伝わっていないというようなこともありますし、最後、菅原委員からもありましたけれども、やはり経営判断に対してちゃんとメッセージが伝わっているかどうか、そういったことに関しても、長い議論として今後も先生方の審議をまた頂きたいなというふうに思っておりますので、それもお願いいたしまして、本日、長時間の御審議ありがとうございました。
  • 日笠企画課課長補佐
    それでは、以上をもちまして本日の食糧部会を終了いたします。
    長時間にわたりありがとうございました。

午後0時04分 閉会

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader